JP2004243535A - 製版装置 - Google Patents

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JP2004243535A JP2003032694A JP2003032694A JP2004243535A JP 2004243535 A JP2004243535 A JP 2004243535A JP 2003032694 A JP2003032694 A JP 2003032694A JP 2003032694 A JP2003032694 A JP 2003032694A JP 2004243535 A JP2004243535 A JP 2004243535A
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Mitsuru Tabuchi
充 田淵
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Abstract

【課題】製版装置に関し、画線材を塗布し乾燥する工程での版表面への塵埃の付着を防止して、欠陥の無い刷版を製版できるようにする。
【解決手段】塗布装置3により画線材が塗布されて乾燥装置4により塗膜が乾燥されるまでの間、クリーンエア供給装置10により刷版1の表面にクリーンエアを供給する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置の製版技術に関し、特に、印刷機上で製版する機上製版装置のように塵埃の多い環境下にある製版装置に用いて好適の製版技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用の刷版は、版表面に液状の画線材を塗布する工程、画線材の塗膜を乾燥する工程、乾燥された塗膜に絵柄を書き込む工程、そして書き込んだ絵柄を現像する工程等の複数の工程を経て作製される。今日では、これらの工程を一つの装置内で実施する製版装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−199031号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の一連の製版工程において、版表面に塗布された液状の画線材は乾燥により固定化されるが、このとき塗膜に空気中の塵埃が付着すると、この塵埃までも版表面に固定化されてしまう。付着した塵埃は版表面の欠陥となり、印刷物の印刷品質を低下させてしまう。
特に、今日では上記の一連の製版工程を印刷機の機上で行う機上製版装置が提案されているが、印刷機内は印刷に伴い紙紛等の多くの塵埃が発生するため、製版を行う環境としては必ずしも良いものではない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、画線材を塗布し乾燥する工程での版表面への塵埃の付着を防止して、欠陥の無い刷版を製版できるようにした、製版装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の製版装置は、塗布装置により画線材が塗布されて乾燥装置により塗膜が乾燥されるまでの間、刷版の表面にクリーンエア供給装置によりクリーンエアを供給するようにしたことを特徴としている。なお、刷版は支持体により支持され、塗布装置は支持体に支持された刷版の表面に液状の画線材を塗布するように構成され、乾燥装置は塗布装置により塗布された画線材の塗膜を乾燥させるように構成されている。
【0007】
このような製版装置によれば、版表面へのクリーンエアの供給によって空気中の塵埃は版表面に到達できなくなり、版表面への塵埃の付着が防止される。クリーンエア供給装置により供給されるクリーンエアは、そのクリーン度(清浄度)が高いほど良いが、好ましくは、FED規格でクラス1000以上のクリーン度とする。
【0008】
なお、乾燥前の塗膜を乱すことなく、版表面への塵埃の付着を防止できるようにするには、クリーンエアの版表面への衝突風速は0.1〜3m/sの範囲が好ましい。また、版表面の画線材が塗布される領域の全体にクリーンエアを供給するためには、クリーンエアの噴出し口の面積は、上記塗布領域の50%以上に設定するのが好ましい。
【0009】
本製版装置は、印刷機と一体に設けられた機上製版装置として構成することもできる。この場合、印刷機の版胴を上記支持体とし、塗布装置及び乾燥装置は版胴の周方向に並んで配置することができる。印刷機内は印刷に伴い特に多くの塵埃が発生するが、上記のように構成することによって、印刷機上でも欠陥の無い刷版を製版することが可能になる。
【0010】
本製版装置のより好ましい形態としては、少なくとも塗布装置により刷版の表面に画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜が乾燥装置により乾燥されるまでの一連の処理が行われる空間を外部と隔離するチャンバーを備え、このチャンバー内にクリーンエア供給装置によってクリーンエアを供給するようにする。このようにチャンバーを設けることで、外界からの塵埃の侵入が防止される。これにより、必ずしも一定の衝突風速は必要ではなくなり、クリーンエアの噴出し口の面積を設定する上での自由度も高くなる。さらに、クリーンエア供給装置の送風源の小型化も可能であり、塗布面の周囲空間に障害物があって一様な流速が得られない場合にも防塵効果を得ることができる。
【0011】
より好ましくは、チャンバー内の圧力は外部よりも高圧に設定する。これによれば、チャンバー内外の差圧によって外部からチャンバー内への塵埃の侵入をより効果的に防止することができる。この場合、チャンバー内圧力は外部よりも1Pa以上、好ましくは10Pa以上高く設定する。
また、チャンバー内の空気を外部へ強制的に排気する排気装置を備えるのも好ましい。これによれば、チャンバー内部で発生した塵埃を排除して、版表面への塵埃の付着をより確実に防止できる。さらにこの場合、排気装置により排気された空気をクリーンエア供給装置に循環させ、清浄化後にクリーンエアとして再使用する循環システムを構築してもよい。これによれば、外部へ排気を出さないので、製版装置の周囲の環境に影響を与えることもない。
【0012】
クリーンエア供給装置の送風量は固定でもよいが、好ましくは可変制御できるようにする。そして、この場合の制御方法としては、チャンバー内、好ましくは版表面近傍のクリーン度を計測装置(例えば、パーティクルセンサ)により計測し、その計測値が所定値になるようにフィードバック制御する。これによれば、チャンバー内で塵埃が発生した場合やチャンバーの開閉に伴い外部から塵埃が侵入した場合でも、チャンバー内のクリーン度を素早く所定値に回復させることができる。
【0013】
また、クリーンエア供給装置が空気を浄化する手段としてフィルタを用いている場合、フィルタは使用に伴い次第に目詰まりしていく。したがって、ファン等の送風源の駆動力は一定であってもフィルタの目詰まりによって風量が低下する場合がある。そこで、好ましくは、チャンバー内と外部との差圧を計測する計測装置を備えて、その計測値が所定値になるようにクリーンエア供給装置の送風源の駆動力をフィードバック制御する。或いは、供給されるクリーンエアの風速を計測する計測装置を備えて、その計測値が所定値になるようにクリーンエア供給装置の送風源の駆動力をフィードバック制御する。これによれば、フィルタの目詰まりが進行しても一定の風量を得ることができる。
【0014】
また、本製版装置においては、塗布装置により画線材が塗布されるに先立ち、刷版の表面に付着した異物を除去する除去装置をさらに備えるのが好ましい。このように予め版表面をクリーンにしておくことで、より欠陥の無い刷版を製版することが可能になる。なお、異物の除去方法としては、例えば、吸引する方法、吹き飛ばす方法、粘着物にくっつける方法、拭き取る方法等が挙げられる。吸引する方法や吹き飛ばす方法のように空気を用いる方法の場合には、塗布装置により刷版の表面に画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜が乾燥装置により乾燥されるまでの一連の処理が行われる空間内に吸引された空気や吹き飛ばされた空気が侵入しないよう、吸引方向或いは吹き付け方向を調整する。
【0015】
さらに、本製版装置においては、加熱装置を備えてクリーンエア供給装置により供給されるクリーンエアを加熱してもよい。加熱された高温のクリーンエアを版表面に供給することで塗膜の乾燥を促進することができるので、塵埃が乾燥前の塗膜に付着する確立をより低減することができる。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態としての製版装置の構成を示す概略図である。本実施形態の製版装置は、印刷機とは別に設置された、いわゆる機外製版装置として構成されたものである。
【0017】
図1に示すように、製版される刷版1は支持ドラム2の外周面に取り付けられている。支持ドラム2の周囲には、塗布装置3、乾燥装置4の他、図示しないレーザ書き込み装置や現像装置等の複数の処理装置が製版工程の順序に従って周方向に配置されている。刷版1は支持ドラム2の回転によって各処理装置を順に通過し、まず、塗布装置3によって版表面に液状の画線材が塗布される。塗布された画線材は版表面に塗膜5を形成し、この塗膜5は次の乾燥装置4から与えられる熱によって加熱乾燥され、版表面に固定化される。
【0018】
本製版装置では、支持ドラム2及びその周囲の塗布装置3や乾燥装置4等の各処理装置は、全てチャンバー7内に収容され、外部とは隔離されている。そして、支持ドラム2から見て塗布装置3及び乾燥装置4が配置されている側のチャンバー7の壁面には、クリーンエア供給装置10が設置されている。クリーンエア供給装置10は、ファン12とフィルタ11とを有し、ファン12により送風される空気をフィルタ11に通すことで除塵して、この除塵されたクリーン度の高い空気(クリーンエア)をチャンバー7内に供給している。このクリーンエアは、刷版1の表面、特に、塗布装置3により画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜5が乾燥装置4により乾燥されるまでの領域に向けて吹き付けられる。チャンバー5によって外部から塵埃の侵入を防止できるとともに、このようにクリーンエアが吹き付けられることで、空気中の塵埃は版表面に到達できなくなり、版表面の塗膜5への塵埃の付着が防止される。
【0019】
クリーンエア供給装置10から供給されるクリーンエアのクリーン度は、フィルタ11の除塵能力により決るが、ここではFED規格(FED−STD−209E)でクラス1000以上、ISO規格(ISO14644−1:1999)ではクラス6以上のクリーンエアを供給している。このように高いクリーン度のクリーンエアを供給することで、チャンバー7内を高クリーン度のクリーンルームにすることができ、欠陥のない刷版の製版が可能になる。
【0020】
チャンバー7のクリーンエア供給装置10が設置されている壁面と対向する壁面には、チャンバー7の空気を外部に強制排気するための排気装置14が設置されている。チャンバー7では機械の作動に伴い絶えず塵埃が発生しているが、このように排気装置14によって強制排気することでチャンバー7内の空気を常時クリーンエアに換気することができ、塗膜5への塵埃の付着をより確実に防止できる。なお、排気装置14の排気風量は、チャンバー7内の圧力が外部に対して常に正圧(好ましくは1Pa以上、より好ましくは10Pa以上)になるように調整されている。チャンバー7内を正圧に保つことで、外部からチャンバー7内への塵埃の侵入をより効果的に防止することができる。
【0021】
また、排気装置14の排気口とクリーンエア供給装置10の吸気口とは、パイプ15により接続されている。排気装置14によりチャンバー7外に排出された空気は、パイプ15を通ってクリーンエア供給装置10のファン12に吸入され、フィルタ11による清浄化後に再びクリーンエアとしてチャンバー7内に供給される。このような空気の循環システムによれば、チャンバー7内の空気を外界へ排出しないので、周囲の作業環境を良好に保つことができる。
【0022】
クリーンエア供給装置10には、送風源であるファン12の回転速度を制御する制御装置20が備えられている。制御装置20は、ファン12を駆動する駆動モータ(図示略)の駆動力を制御することでファン12の回転速度を制御している。制御装置20は、ファン12の回転速度を一定速度に維持する定速運転も可能であるが、チャンバー7内に設けられた2つのセンサ(計測装置)21,22の各計測値に基づいたフィードバック制御も可能である。
【0023】
一方のセンサ21は、空気中の浮遊粒子、すなわち塵埃数を計測するパーティクルセンサであり、このパーティクルセンサ21の計測値からチャンバー7内のクリーン度を測ることができる。空気中の塵埃数はクリーンエアの風量を増大することにより低減できるので、制御装置20は、パーティクルセンサ21の計測値に基づいてファン12の回転速度を制御し、チャンバー7内が所定のクリーン度になるようにクリーンエアの風量を制御している。空気中の塵埃数はチャンバー7内の機械が作動したときや、刷版1の交換時のようにチャンバー7が開いたときに増大するが、上記のような制御を行うことによってチャンバー7内のクリーン度を素早く所定の設定値に回復することができる。
【0024】
他方のセンサ22は、チャンバー7内外の差圧を計測する圧力センサである。クリーンエア供給装置10のフィルタ11は使用に伴い次第に目詰まりしていくため、ファン12の回転速度は一定であってもフィルタ11の目詰まりによって風量は低下する。そして、チャンバー7内に供給されるクリーンエアの風量が低下したときには、チャンバー7内の圧力が低下してチャンバー7外との差圧は小さくなる。そこで、制御装置20は、圧力センサ22の計測値に基づいてファン12の回転速度を補正することで、フィルタ11の目詰まりが進行した場合でも所望の風量を得られるようにしている。
【0025】
なお、フィルタ11の目詰まりに伴う風量の減少の計測方法としては、チャンバー7内外の差圧を計測する方法の他、クリーンエア供給装置10から噴出されるクリーンエアの風速を計測する方法もある。フィルタ11が目詰まりするとクリーンエアの風速も低下するので、風速計により風速を計測して、その計測値に基づいてファン12の回転速度を補正することで、フィルタ11の目詰まりにかかわらず所望の風量を得ることができる。この方法によれば、以下に説明するチャンバーを設けていない製版装置にも適用することができる。
【0026】
図2は、以上説明した製版装置の変形例を示した概略図である。図2中、図1と同一の部位については同一の符号を付している。図1に示す構成では刷版1をチャンバー7で隔離してチャンバー7内にクリーンエアを供給しているが、図2に示す構成ではチャンバーを設けることなく、刷版1の版表面に近接してクリーンエア供給装置10Aを配置している。クリーンエア供給装置10Aの構造は図1のクリーンエア供給装置10と同様の構造でよいが、少なくとも塗布装置3により画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜5が乾燥装置4により乾燥されるまでの領域に向けてクリーンエアを吹き付けることができるように配置する。このような構成の製版装置によっても、刷版1の表面へのクリーンエアの供給によって空気中の塵埃は版表面に到達できなくなるので、版表面の塗膜5への塵埃の付着を防止することができる。
【0027】
なお、この場合、クリーンエア供給装置10Aから供給するクリーンエアの風速は、乾燥前の塗膜5を乱すことなく版表面への塵埃の付着を防止できるようにするため、版表面への衝突風速が0.1〜3m/sの範囲になるように設定する。また、クリーンエア供給装置10Aのクリーンエアの噴出し口の面積は、版表面の画線材の塗布領域全体に一様にクリーンエアを供給できるようにするため、塗布領域の50%以上の面積を確保する。
【0028】
一方、図1に示すチャンバー7を設けた製版装置の場合には、外部からの塵埃の侵入が防止されるため、図2に示す構造のように必ずしも一定範囲の衝突風速が必要ではなく、また、クリーンエア噴出し口の面積の制約もない。また、図1に示す構造では塗布面にクリーンエアを効率良く供給できるために、図2に示す構造に比較してクリーンエア供給装置10のファン12の小型化が可能であり、さらに、塗布面の周囲空間に処理装置等の障害物があって一様な流速が得られない場合にも高い防塵効果を得ることができる利点がある。
【0029】
(B)第2実施形態
図3,図4は本発明の第3実施形態としての製版装置の構成を示す概略図である。本実施形態の製版装置は、印刷機と一体に設けられた、いわゆる機上製版装置として構成されたものである。
図3,図4に示すように、製版される刷版1は版胴30の外周面に取り付けられている。版胴30の周囲には、塗布装置31、乾燥装置32の他、図示しないレーザ書き込み装置や現像装置等の複数の処理装置が、版胴30とブランケット胴37とのニップの出口側から製版工程の順序に従って周方向に配置されている。刷版1は上記各処理装置によって版胴30に取り付けられた状態で製版され、製版後はそのまま印刷に用いられることになる。
【0030】
また、塗布装置31及び乾燥装置32を間に挟んで、版胴30に対向するようにクリーンエア供給装置40が設置されている。クリーンエア供給装置40の構造は第1実施形態のものと同一であり、詳細な説明は省略する。版胴30の外周面の一部とクリーンエア供給装置40とは、ともにチャンバー34の対向する壁面を形成しており、塗布装置31及び乾燥装置32はこのチャンバー34内に収容されている。塗布装置31により刷版1の表面に画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜5が乾燥装置32により乾燥されるまでの一連の処理は、チャンバー34によって外部と隔離された空間内で行われる。
【0031】
チャンバー34の側壁と版胴30の端部との間には、図4に示すように開口部35が設けられている。チャンバー34内の空気は、チャンバー34内での機械の作動等により発生した塵埃とともにこの開口部35から外部へ排出され、クリーンエア供給装置40により供給されるクリーンエアに換気される。また、チャンバー34内には、版胴30の軸方向に延びる排気ノズル33が版胴30の表面に近接して設けられている。この排気ノズル33は、チャンバー34内の空気を外部へ排気するだけでなく、版胴30の表面近傍における空気の流れを制御して版胴30の表面近傍に層流を形成し、版表面の塗膜5に塵埃が到達するのを防止する効果もある。
【0032】
以上のような構成により、本製版装置によれば、刷版1の表面に画線材が塗布され乾燥されるまでの一連の処理が行われる空間内に外部から塵埃が侵入するのをチャンバー34によって防止できるとともに、クリーンエア供給装置40から刷版1の表面に向けてクリーンエアが吹き付けられることで、空気中の塵埃は版表面に到達できなくなり、版表面の塗膜5への塵埃の付着が防止される。したがって、印刷機内は印刷運転に伴い紙紛等の多くの塵埃が発生するが、本製版装置によれば、印刷機上でも欠陥の無い刷版を製版することができる。
【0033】
また、版胴30の表面が回転によりチャンバー34内に入るその入口には、エアーナイフ36が設けられている。エアーナイフ36は、コンプレッサにより加圧され且つフィルタによって除塵された圧縮空気を噴き出す装置であり、その噴出口は版胴30の表面に向けられている。エアーナイフ36から噴出された圧縮空気は、刷版1の表面に付着している塵埃等の異物を吹き飛ばして除去し、これにより予め版表面をクリーンな状態にしてから画線材を塗布することが可能になる。また、エアーナイフ36の空気の噴出方向は、版胴30の回転方向上流側に設定されているので、吹き飛ばされた異物がチャンバー34内に侵入することもない。
【0034】
なお、クリーンエア供給装置40の風量は、第1実施形態と同様にファン(図示略)の回転速度によって制御することができる。また、噴出し口の前面に設けられたシャッター41の開閉によっても制御することができる。したがって、第1実施形態で説明したようにチャンバー34内のクリーン度を計測し、その計測値に基づいてファンの回転速度を制御することも可能であるし、或いは、計測値に基づいてシャッター41の開閉度を制御することも可能である。また、目標風量に応じてシャッター41の開閉度を調整し、フィルタ(図示略)の目詰まりに伴う目標風量に対する実風量の減少分をファンの回転速度を調整することで補正するようにしてもよい。
【0035】
(C)その他
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第1実施形態の製版装置にも、第2実施形態のように刷版の表面に付着した異物を除去する除去装置を設けてもよい。第2実施形態では除去装置としてエアーナイフを用いているが、掃除機のような吸引装置によって異物を吸引したり、表面が粘着性のローラによって異物をくっつけたり、ワイパーによって異物を拭き取ったりすることも可能である。
【0036】
また、上記の何れの実施形態においても、クリーンエア供給装置にヒータ等の加熱装置を設け、クリーンエアを加熱して昇温させてから刷版の表面に供給することも可能である。このように高温のクリーンエアを版表面に供給することで、塗膜の乾燥を促進して塵埃が乾燥前の塗膜に付着する確率をより低減することが可能になる。
【0037】
また、上述の各実施形態では、本発明を製版機能のみを備えた一般的な製版装置として構成しているが、版表面を再生して繰り返し使用可能な再生式刷版を製版対象とし、再生式刷版の再生と製版とをあわせて行う再生機能付き製版装置として構成することも可能である。
さらに、上述の各実施形態では、クリーンエア供給装置を塗布装置や乾燥装置とともに一つのユニット内に組み込んでいるが、本発明の製版装置は、部屋にクリーンエア供給装置を取り付けてクリーンルームをつくり、このクリーンルーム内に刷版を支持する支持体、塗布装置及び乾燥装置を配置することで構成することも可能である。また、クリーンエア供給装置を塗布装置や乾燥装置とともに一つのユニットとして組み立てるとともに、さらに、このユニットをクリーンルーム内に配置するようにしてもよい。
【0038】
また、上述の実施形態では、刷版1は支持ドラム2や版胴30に装着されているが、図5に示すように、円筒状のキャリア50の表面に刷版1を装着するような構成をとることもできる。キャリア50は、刷版1を移送するための手段であるとともに、その中央に開いた穴50aを印刷機の回転軸に嵌挿して印刷機に装着することで版胴として機能し、また、製版装置に装着することで支持ドラムとして機能する。なお、図5では平板状の刷版1がキャリア50の外周面に巻き付けられているが、刷版として継ぎ目のない円筒状のギャップレス刷版を用い、これにキャリア50が嵌挿される形態であってもよい。さらには、キャリア50の外周面自体を刷版として機能させるようにしてもよい。
【0039】
キャリア50の製版装置への装着には、図6に示すようなチャック装置52,52を用いることができる。チャック装置52,52は、図中に矢印で示すように動作してキャリア50の両端の開口部に着脱される。このようなチャック装置52,52によれば、キャリア50の軸方向と垂直な方向に出し入れすることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の製版装置によれば、版表面へのクリーンエアの供給によって空気中の塵埃が版表面に到達するのを防ぎ、乾燥前の塗膜に塵埃が付着するのを防止できるので、塵埃の多い環境下でも欠陥の無い刷版を製版することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての製版装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての製版装置の変形例を示す概略図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての製版装置の構成を示す概略図である。
【図4】図3のA−A矢視方向の平面図である。
【図5】刷版を取り付けるキャリアの構造を示す概略図である。
【図6】キャリアの製版装置への装着形態の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 刷版
2 支持ドラム
3,31 塗布装置
4,32 乾燥装置
5 塗膜
7 チャンバー
10,10A,40 クリーンエア供給装置
11 フィルタ
12 ファン
14 排気装置14
15 パイプ
20 制御装置
21 パーティクルセンサ
22 圧力センサ
30 版胴
33 排気ノズル
35 開口部
36 エアーナイフ
37 ブランケット胴
41 シャッター
50 キャリア
52 チャック装置

Claims (12)

  1. 刷版を支持する支持体と、
    上記支持体に支持された上記刷版の表面に液状の画線材を塗布する塗布装置と、
    上記塗布装置により塗布された画線材の塗膜を乾燥させる乾燥装置と、
    上記塗布装置により画線材が塗布されて上記乾燥装置により塗膜が乾燥されるまでの間、上記刷版の表面にクリーンエアを供給するクリーンエア供給装置とを備えた
    ことを特徴とする、製版装置。
  2. 上記クリーンエア供給装置により供給されるクリーンエアは、FED規格でクラス1000以上のクリーン度である
    ことを特徴とする、請求項1記載の製版装置。
  3. 上記製版装置は印刷機と一体に設けられた機上製版装置として構成され、
    上記支持体が印刷機の版胴であり、
    上記塗布装置及び上記乾燥装置は上記版胴の周方向に並んで配置されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の製版装置。
  4. 少なくとも上記塗布装置により上記刷版の表面に画線材が塗布されて、塗布された画線材の塗膜が上記乾燥装置により乾燥されるまでの一連の処理が行われる空間を外部と隔離するチャンバーを備え、
    上記クリーンエア供給装置は上記チャンバー内にクリーンエアを供給するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れかの項に記載の製版装置。
  5. 上記チャンバー内の圧力は外部よりも高圧に設定されている
    ことを特徴とする、請求項4記載の製版装置。
  6. 上記チャンバー内の空気を外部へ強制的に排気する排気装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項4又は5記載の製版装置。
  7. 上記排気装置により排気された空気を上記クリーンエア供給装置に循環させ、清浄化後にクリーンエアとして再使用する循環システムを備えた
    ことを特徴とする、請求項6記載の製版装置。
  8. 上記チャンバー内のクリーン度を計測する計測装置と、
    上記計測装置の計測値が所定値になるように上記クリーンエア供給装置の風量を制御する制御装置とを備えた
    ことを特徴とする、請求項4〜7の何れかの項に記載の製版装置。
  9. 上記チャンバー内と外部との差圧を計測する計測装置と、
    上記計測装置の計測値が所定値になるように上記クリーンエア供給装置の送風源の駆動力を制御する制御装置とを備えた
    ことを特徴とする、請求項4〜7の何れかの項に記載の製版装置。
  10. 上記クリーンエア供給装置から供給されるクリーンエアの風速を計測する計測装置と、
    上記計測装置の計測値が所定値になるように上記クリーンエア供給装置の送風源の駆動力を制御する制御装置とを備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項に記載の製版装置。
  11. 上記塗布装置により画線材が塗布されるに先立ち、上記刷版の表面に付着した異物を除去する除去装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜10の何れかの項に記載の製版装置。
  12. 上記クリーンエア供給装置により供給されるクリーンエアを加熱する加熱装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜11の何れかの項に記載の製版装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018200887A (ja) * 2011-12-22 2018-12-20 カティーバ, インコーポレイテッド ガスエンクロージャアセンブリおよびシステム

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