JP2004242932A - 粉体の保存方法 - Google Patents

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靖男 坂井
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Abstract

【課題】粉体の品質劣化防止剤、保存方法及び品質劣化防止方法を提供する。
【解決手段】活性炭を含有することを特徴とする粉体の品質劣化防止剤;並びに前記品質劣化防止剤を用いる前記粉体の保存方法及び品質劣化防止方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体の品質劣化防止剤、粉体の保存方法及び粉体の品質劣化防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品等の粉体を容器内で保存する場合、保存中に粉体が固化したり、着色したりして品質劣化を起こすことがある。これらの問題を解決するために包装時にシリカゲル等の乾燥剤を同封したり、脱酸素剤を同封したりすること(例えば、特許文献1参照)が広く一般に行われている。しかし、例えば、システインなどのアミノ酸、リンゴ酸などの有機酸のように、これらの方法では固化又は着色を十分に防止することのできない粉体があり、固化又は着色を効果的に防止することのできる方法が望まれている。
【0003】
一方、活性炭は吸着剤として気体、蒸気等を吸着することから、溶剤の回収、ガスの精製、脱臭のために使用されたり、溶液の精製や脱色等に広く使用されたりしている。
しかし、アミノ酸、有機酸などの粉体の固化又は着色の防止のために活性炭を使用することはこれまでに報告されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−287375号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粉体の品質劣化防止剤、保存方法及び品質劣化防止方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)活性炭を含有することを特徴とする粉体の品質劣化防止剤。
(2)アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体の品質劣化防止剤であって、活性炭を含有することを特徴とする粉体の品質劣化防止剤。
(3)粉体がアミノ酸又はその誘導体である前記(1)又は(2)に記載の品質劣化防止剤。
(4)粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
(5)アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
(6)粉体がアミノ酸又はその誘導体である前記(4)又は(5)に記載の保存方法。
(7)粉体を含有する容器内に前記(1)〜(3)のいずれかに記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
(8)アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に前記(1)〜(3)のいずれかに記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
(9)粉体がアミノ酸又はその誘導体である前記(7)又は(8)に記載の保存方法。
(10)粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
(11)アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
(12)粉体がアミノ酸又はその誘導体である前記(10)又は(11)に記載の品質劣化防止方法。
(13)粉体を含有する容器内に前記(1)〜(3)のいずれかに記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
(14)アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に前記(1)〜(3)のいずれかに記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
(15)粉体がアミノ酸又はその誘導体である前記(13)又は(14)に記載の品質劣化防止方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において粉体はいずれの物質の粉体であってもよい。なお、本発明において粉体とは、粉末の状態にある物質のことをいう。粉体としては、例えばアミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質、糖類が挙げられ、好ましくはアミノ酸又はその誘導体が挙げられる。
【0008】
本発明の対象となるアミノ酸としては、例えばアラニン、アスパラギン、アルギニン、システイン、ヒスチジン、リジン、トレオニン、グルタミン、グルタミン酸、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン等が挙げられ、これらのアミノ酸はDL体、D体、L体を問わず、また塩、例えばアルギニン、リジンなどの塩基アミノ酸の酸付加塩(例えば、酢酸塩、塩酸塩等)を包含する。アミノ酸の誘導体としては、例えば、N−ベンジルオキシカルボニルアミノ酸などのN−置換アミノ酸;メチルエステル、エチルエステル等のエステル;アミド等が挙げられる。
【0009】
ペプチドとしては、例えば大豆タンパク質等のポリペプチド、グリシルグリシン等のオリゴペプチド等が挙げられ、ペプチド分解物としては、例えば大豆分解物、乳清タンパク質、肉等の加水分解物、肉等のリパーゼ等の酵素による分解物等が挙げられる。有機酸としては、例えばリンゴ酸、α−ケトグルタル酸、L−ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。抗生物質としては、例えばクロラムフェニコール、マクロライド系抗生物質が挙げられる。核酸関連物質としては、例えばアデニン、シトシン、グアニン、チミン等の塩基、フラビンアデニンジヌクレオチド等が挙げられる。糖類としては、例えば果糖、キシリトール、D−マンニトール等が挙げられる。
【0010】
本発明は、特にアラニン、アスパラギン、アルギニン、アルギニン塩酸塩、システイン、システイン塩酸塩、ヒスチジン、リジン、リジン酢酸塩、トレオニン、プロリン、リンゴ酸、アデニン及びD−マンニトールに対して顕著な効果を示す。
【0011】
本発明に用いられる活性炭は、常法に従って、木材、褐炭、泥炭等を塩化亜鉛、リン酸等で処理して乾留して得たものであってもよいし、木炭等を水蒸気で活性化して得たものであってもよい。また、市販の活性炭を用いることもできる。活性炭の例としては、ヤシ殻、石炭、木屑、竹を素材とする粉末状活性炭、粒状活性炭、特殊活性炭(展着炭)、活性炭の再賦活炭等を挙げることができる。
活性炭は、そのまま本発明の品質劣化防止剤として用いてもよいし、必要に応じて乾燥剤を混合して、これを本発明の品質劣化防止剤として用いてもよい。
【0012】
乾燥剤としては、一般的に乾燥剤として使用されているいずれのものも適用することができる。具体的には、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化カルシウムと食塩、これらを綿、パルプ、ワラ、製材クズ等の木質素材に吸着させたもの、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、アルミノ−シリカゲル等のシリカアルミナ系乾燥剤等を挙げることができる。
【0013】
本発明の品質劣化防止剤中の活性炭の含有量は特に限定されないが、品質劣化防止剤100重量部中、1重量部〜100重量部、好ましくは10重量部〜100重量部含有される。
【0014】
必要に応じて乾燥剤を含有する場合は、該乾燥剤の含有量は特に限定されないが、品質劣化防止剤100重量部中、1重量部〜99重量部、好ましくは10重量部〜90重量部含有される。
【0015】
また、本発明の粉体の品質劣化防止剤は、活性炭の品質劣化防止効果を妨げない限り、粘土、珪藻土、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等、他の如何なる物質を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の品質劣化防止剤は、そのまま、対象となる粉体と混合して用いてもよいが、当該粉体との混合を避けるため、容器中に充填して用いることが好ましい。
【0017】
容器はいずれの容器であってもよいが、通気性のよい容器が用いられ、不織布製の袋が好ましく用いられる。不織布は袋を形成できるものであればいずれのものでもよいが、ポリエチレン、ポリエチレンとポリエステルとを混合したもの、ポリプロピレンとポリエステルとを混合したもの等が挙げられ、ポリプロピレンとポリエステルとを混合したものが好ましく用いられる。
【0018】
本発明の保存方法は、対象となる粉体を含有する容器内に、活性炭を、好ましくは本発明の品質劣化防止剤として、そのまま、あるいは前記の不織布製の袋等の容器中に充填した状態で、共存させて当該粉体を保存する方法である。
本発明の保存方法に用いられる前記粉体を保存するための容器は、透湿性が良好であれば特に限定されない。
【0019】
本発明の保存方法により前記粉体を保存することにより、当該粉体の品質劣化を防止することができる。したがって、本発明の保存方法は、前記粉体の品質劣化防止方法として好適に用いられる。
【0020】
本発明において粉体の品質劣化とは、粉体中での微生物等の増殖、粉体の固化、粉体の変色等が挙げられ、特に粉体の固化又は着色が挙げられる。本発明において、固化とは粉体が流動性を失って塊状になることをいい、着色とは、粉体の色が保存前の色と比べて変化することをいう。
【0021】
本発明の保存方法としては、活性炭を、好ましくは本発明の品質劣化防止剤として前記粉体と共存させる以外は、通常の粉体の保存方法を用いることができる。本発明の品質劣化防止剤を用いる場合は、活性炭として前記粉体100重量部に対して、0.1重量部〜200重量部、好ましくは1重量部〜100重量部用いられる。
以下、本発明の保存方法の具体例を図1を用いて説明する。
【0022】
工程(1)
前記粉体(図1、p)を個装袋(図1、a)に充填する。個装袋の素材は、粉体を充填することができ、かつ粉体の品質を劣化させない素材であればいずれの素材であってもよいが、プラスチックフィルムが好ましく用いられ、特に好ましくはポリエチレンフィルムが用いられる。ポリエチレンフィルムとしては、例えば、共押出しポリエチレンフィルムが挙げられる。
【0023】
また、個装袋の素材は、透湿度10g/m・日以下、好ましくは5g/m・日以下、更に好ましくは3g/m・日以下のものが好ましく用いられる。
【0024】
工程(2)
不織布製の袋に本発明の品質劣化防止剤を充填し、該不織布製の袋を更に、プラスチックフィルムからなる袋で梱包する。不織布は袋を形成できるものであればいずれのものでもよいが、ポリエチレン、ポリエチレンとポリエステルとを混合したもの、ポリプロピレンとポリエステルとを混合したもの等が挙げられ、ポリプロピレンとポリエステルとを混合したものが好ましく用いられる。
【0025】
プラスチックフィルムは袋を形成できるものであればいずれのものであってもよいが、透湿度が100g/m・日以上、好ましくは3000g/m・日以上であるものが好ましく用いられる。
【0026】
このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、タイベック(デュポン社製)、NFシート(トクヤマ社製)、セルポア(積水化学工業社製)を挙げることができる。
以下、得られた本発明の品質劣化防止剤を含有する袋を、単に、品質劣化防止剤の袋という。
【0027】
工程(3)
品質劣化防止剤(図1、d)の袋(図1、f)を、工程(1)で得られた粉体の入った個装袋(図1、a)の内部に挿入し、個装袋と品質劣化防止剤の袋とを一緒に輪ゴムで結束して密封する。
【0028】
工程(4)
工程(3)で得られた個装袋を袋(以下「内装袋」という;図1、b)で梱包し、該袋の口を輪ゴムで結束するか、又はヒートシールで密封する。
内装袋の包材は袋を形成できるものであればいずれのものでもよいが、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。内装袋に用いられるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、これらを貼り合わせて得られるフィルム等が挙げられる。また、プラスチックフィルムに更に酸化ケイ素を蒸着したフィルム、アルミラミネート処理したフィルム、アルミナを蒸着したフィルム、アルミナを蒸着後酸化ケイ素を表面にコーティングしたフィルム、アルミナを表面にコートしたフィルム等が好ましく用いられる。
内装袋の包材は、透湿度3g/m・日以下のものが好ましく用いられ、1g/m・日以下のものが更に好ましく用いられる。
【0029】
工程(5)
工程(4)で得られた、粉体が収納された内装袋を容器(以下「外装」という;図1、c)に収納する。外装は、内装袋を収納できるものであればいずれのものでもよい。例えば、紙製のドラム缶(ファイバードラム)、プラスチック製もしくは金属製のドラム缶、段ボール箱、紙製もしくはプラスチック製の袋等を挙げることができる。
【0030】
ただし、本発明の保存方法は前記の方法に限定されるものではない。例えば、前記方法は、個装袋の内部に品質劣化防止剤の袋を充填するものであるが、品質劣化防止剤を個装袋の外部に存在させた状態で内装袋に収納してもよい。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。
実施例1
個装袋[共押出し3層構造ポリエチレン袋(アソー株式会社製)(折り径630mm×長さ1,000mm、厚さ80μm、透湿度:4g/m・日以下)]に、L−アスパラギンの結晶又は結晶性の粉末(以下、単に「粉末」という)2.5kgを充填し、該個装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。なお、保存前のL−アスパラギンの粉末はサラサラした状態であり、固化は認められなかった。
【0032】
該個装袋を内装袋[プラスチック製酸化ケイ素蒸着袋(内寸幅630mm×内寸長さ1,000mm、厚さ95μm、透湿度:1g/m・日以下)、岡田紙業社製]に入れ、内装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。
【0033】
更に、この内装袋を外装[45L容オールファイバードラム(外径387mm×外高442mm×嵩高50mm)]に入れ、該オールファイバードラムの蓋を閉めテープで封緘した。この包装方法をコントロールとした。
【0034】
前記コントロールの包装方法において、長さ1m×幅30cmの医療用タイベック1059B(デュポン社製)の下部2箇所にポケットを作製し、不織布(ユニセル社製)で包装されたシリカゲル500g(以下、シリカゲルは全て同様の形態のものを使用)を1つのポケットに1つずつ挿入したものを個装袋内のL−アスパラギンの粉末の上部に置き、その一端を個装袋の上部と輪ゴムで同時に結束する以外はコントロールの包装方法と同様の方法でL−アスパラギンの粉末を包装した。この包装方法を包装方法1とした。
【0035】
一方、前記コントロールの包装方法において、長さ1m×幅30cmの医療用タイベック1059B(デュポン社製)の下部2箇所にポケットを作製し、不織布(ユニセル社製)で包装された粒状活性炭500g(以下、粒状活性炭は全て同様の形態のものを使用)を1つのポケットに1つずつ挿入したものを個装袋内のL−アスパラギンの粉末の上部に置き、その一端を個装袋の上部と輪ゴムで同時に結束する以外はコントロールの包装方法と同様の方法でL−アスパラギンの粉末を包装した。この包装方法を包装方法2とした。
【0036】
このように包装したオールファイバードラムを40℃、相対湿度75%の恒温槽内で6ヶ月間保存したところ、コントロールの方法で包装した場合、粉末の一部は固化していた。包装方法1で包装した場合、粉末の上部約1/2の部分は小さな塊状のソフトブロックの形成が認められ、下部約1/2の部分は大きなブロック状の塊となっていた。これに対して、包装方法2で包装した場合は、6ヶ月後も、粉末の固化は全く認められなかった。
【0037】
実施例2
個装袋[共押出し3層構造ポリエチレン袋(アソー株式会社製)(折り径710mm×長さ1,300mm、厚さ80μm、透湿度:4g/m・日以下)]にL−ヒスチジン塩酸塩の粉末50kgを充填し、該個装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。なお、保存前のL−ヒスチジン塩酸塩の粉末はサラサラした状態であり、固化は認められなかった。
【0038】
該個装袋を内装袋[プラスチック製酸化ケイ素蒸着袋(内寸幅720mm×内寸長さ1,300mm、厚さ95μm、透湿度:1g/m・日以下)、岡田紙業社製]に入れ、内装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。
【0039】
更に、この内装袋を外装[90L容オールファイバードラム(外径443mm×外高657mm×嵩高50mm)、ダイカン株式会社製]に入れ、該オールファイバードラムの蓋を閉めテープで封緘した。この包装方法をコントロールとした。
【0040】
前記コントロールの包装方法において、長さ1m×幅30cmの医療用タイベック1059B(デュポン社製)の下部2箇所にポケットを作製し、500g入シリカゲル2個を1つのポケットに1つずつ挿入したものを個装袋内のL−ヒスチジン塩酸塩の粉末の上部に置き、その一端を個装袋の上部と輪ゴムで同時に結束する以外はコントロールの包装方法と同様の方法でL−ヒスチジン塩酸塩の粉末を包装した。この包装方法を包装方法1とした。
【0041】
一方、前記コントロールの包装方法において、長さ1m×幅30cmの医療用タイベック1059B(デュポン社製)の下部3箇所にポケットを作製し、500g入シリカゲル2個を1つずつ2つのポケットに挿入し、500g入粒状活性炭1個を3つ目のポケットに挿入したものを個装袋内のL−ヒスチジン塩酸塩の粉末の上部に置き、その一端を個装袋の上部と輪ゴムで同時に結束する以外はコントロールの包装方法と同様の方法でL−ヒスチジン塩酸塩の粉末を包装した。この包装方法を包装方法2とした。
【0042】
このように包装したオールファイバードラムを40℃、相対湿度75%の恒温槽内で6ヶ月間保存した。保存後のL−ヒスチジン塩酸塩の粉末の状態を観察したところ、コントロールの方法で包装した場合は、粉末は全て固化していた。包装方法1で包装した場合、粉末の上部約1/3の部分はサラサラした状態であったが、粉末の下部約2/3の部分は固化していた。これに対して、包装方法2で包装した場合は、6ヶ月後も、粉末はサラサラした状態が保持されており、固化は全く認められなかった。
【0043】
実施例3
個装袋[共押出し3層構造ポリエチレン袋(アソー株式会社製)(折り径720mm×長さ1,300mm、厚さ80μm、透湿度:4g/m・日以下)]にL−リジン酢酸塩の粉末50kgを充填し、該個装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。なお、保存前のL−リジン酢酸塩の粉末はサラサラした状態であり、固化は認められなかった。
【0044】
該個装袋を内装袋[プラスチック製酸化ケイ素蒸着袋(内寸幅720mm×内寸長さ1,300mm、厚さ95μm、透湿度:1g/m・日以下)、岡田紙業社製]に入れ、内装袋の上部を輪ゴムで結束して密閉した。
【0045】
更に、この内装袋を外装[90L容オールファイバードラム(外径443mm×外高657mm×嵩高50mm)、ダイカン株式会社製]に入れ、該オールファイバードラムの蓋を閉めテープで封緘した。この包装方法をコントロールとした。
【0046】
一方、前記コントロールの包装方法において、長さ1m×幅30cmの医療用タイベック1059B(デュポン社製)の下部2箇所にポケットを作製し、500g入粒状活性炭2個を1つのポケットに1つずつ挿入したものを個装袋内のL−リジン酢酸塩の粉末の上部に置き、その一端を個装袋の上部と輪ゴムで同時に結束する以外はコントロールの包装方法と同様の方法でL−リジン酢酸塩の粉末を包装した。この包装方法を包装方法1とした。
【0047】
このように包装したオールファイバードラムを40℃、相対湿度75%の恒温槽内で6ヶ月間保存した。保存後のL−リジン酢酸塩の粉末の状態を観察したところ、コントロールの方法で包装した場合は、個装袋の内面全体に褐色の液滴が付着しており、付着した液滴の一部が白色の粉末の上に落下し黄変していた。液滴が落下していない部分も黄変しており粉末はサラサラ感がなくなっていた。
【0048】
これに対して、包装方法1で包装した場合、個装袋内面への液滴の付着は認められず、粉末はサラサラした状態が保持されており、固化及び着色は全く認められなかった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、粉体の品質劣化防止剤、粉体の保存方法及び粉体の品質劣化防止方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保存方法及び品質劣化防止方法を説明するための図である。
【符号の説明】
a 個装袋
b 内装袋
c 外装
d 品質劣化防止剤(活性炭等)
e 輪ゴム
f 品質劣化防止剤の袋
p 粉体

Claims (15)

  1. 活性炭を含有することを特徴とする粉体の品質劣化防止剤。
  2. アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体の品質劣化防止剤であって、活性炭を含有することを特徴とする粉体の品質劣化防止剤。
  3. 粉体がアミノ酸又はその誘導体である請求項1又は2記載の品質劣化防止剤。
  4. 粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
  5. アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
  6. 粉体がアミノ酸又はその誘導体である請求項4又は5記載の保存方法。
  7. 粉体を含有する容器内に請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
  8. アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の保存方法。
  9. 粉体がアミノ酸又はその誘導体である請求項7又は8記載の保存方法。
  10. 粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
  11. アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に活性炭を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
  12. 粉体がアミノ酸又はその誘導体である請求項10又は11記載の品質劣化防止方法。
  13. 粉体を含有する容器内に請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
  14. アミノ酸又はその誘導体、ペプチド又はその分解物、有機酸、抗生物質、核酸関連物質及び糖類からなる群から選ばれる物質の粉体を含有する容器内に請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質劣化防止剤を共存させることを特徴とする粉体の品質劣化防止方法。
  15. 粉体がアミノ酸又はその誘導体である請求項13又は14記載の品質劣化防止方法。
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