JP2004242806A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】内部的に発生が許容されている特別入賞が発生不可能または困難な状態に制御されるスロットマシンにおいて、よりゲーム性を高めることが可能なスロットマシンを提供すること。
【解決手段】内部的に発生が許容されているビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御されるスロットマシンにおいて、ビッグボーナスフラグまたはレギュラーボーナスフラグの持越に関する状況及び/または不可状態の解除に関する状況に応じて、入賞条件報知手段による特定入賞の所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動出来るように構成した。
【選択図】 図14
【解決手段】内部的に発生が許容されているビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御されるスロットマシンにおいて、ビッグボーナスフラグまたはレギュラーボーナスフラグの持越に関する状況及び/または不可状態の解除に関する状況に応じて、入賞条件報知手段による特定入賞の所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動出来るように構成した。
【選択図】 図14
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特にはビッグボーナス等の特定入賞の発生を許容する旨の決定情報、いわゆる内部当選フラグを次ゲーム以降に持ち越すことが可能なスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンでは、可変表示装置に導出表示された表示結果が、予め定められた入賞態様となった場合に入賞が発生する。これら入賞が発生するか否かは、表示結果が導出表示される以前に行われる内部抽選により決定される。詳しくは、この内部抽選に当選することでその旨を示す内部当選フラグ(決定情報)を設定するとともに、内部当選フラグが設定されていることを条件に、この内部当選フラグにより許容された入賞が発生可能とされている。
【0003】
近年においては、ビッグボーナス入賞等、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための特別入賞の発生を許容する旨を示す内部当選フラグを、次ゲーム以降に持ち越すとともに、更に内部当選フラグが持ち越されている状態でも、内部抽選により特別入賞の発生を許容すると決定された場合には、既に持ち越されている内部当選フラグとは別個に新たに当選した内部当選フラグを持ち越すことができる、すなわち複数の内部当選フラグを持ち越し可能とし、かつ内部当選フラグが持ち越されている場合に、これら内部当選フラグにより許容される特別入賞を発生させることが不可能または困難な状態に制御するとともに、この状態が解除されることで特別入賞を発生できるようにしたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、一方で内部抽選により入賞の発生が許容され、かつ入賞条件に一致する操作方法にて可変表示装置の停止操作が行われることにより発生する入賞を備えるとともに、その入賞条件に一致する操作方法を報知する入賞条件報知機能を備えるスロットマシン、すなわち入賞条件を報知するか否かにより入賞確率に変化を持たせたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−219212号公報(第1頁)
【特許文献2】
特許登録第3302975号公報(第3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内部的に発生が許容されている特別入賞が発生不可能または困難な状態に制御されるスロットマシンにおいて、よりゲーム性を高めることが可能なスロットマシンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための停止操作手段と、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段と、
特別入賞が発生したときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された前記特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すとともに、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段と、
所定の解除条件が成立したときに、前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段と、
を備え、
前記入賞は、前記事前決定手段により発生が許容され、かつ前記停止操作手段により所定の入賞条件に適合する操作が行われることにより発生する特定入賞を含み、
前記事前決定手段により前記特定入賞の発生が許容されたときに、前記所定の入賞条件に適合する操作方法を報知可能な入賞条件報知手段と、
前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて、前記入賞条件報知手段による前記所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動させる報知割合変動手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することとなる。すなわち、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に関連して特定入賞の発生確率を変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
また、本発明の特別遊技状態とは、例えば入賞の発生により遊技者に付与される価値が該特別遊技状態以外の状態に比べて高くなる遊技状態である。
また、不可状態制御手段による「特別入賞の発生が困難な不可状態」とは、特別入賞が発生する確率が極めて低くなるように制御されている状態である。
また、不可状態解除手段は、不可状態において特別入賞の発生が不可能に制御されている場合に、所定の解除条件の成立により不可状態を解除して特別入賞の発生が可能な可状態とし、不可状態において特別入賞の発生が困難に制御されている場合に、所定の解除条件の成立により不可状態を解除して特別入賞の発生が容易な可状態とする。
【0008】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて前記報知割合を変動させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することになるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0009】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を低下させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を低下させることができるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0010】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を向上させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を向上させることでゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0011】
本発明のスロットマシンの前記不可状態制御手段は、前記解除条件の成立確率が異なる複数種類の不可状態に制御可能であり、
前記解除条件の成立確率が所定確率以上の不可状態が所定期間継続したときに、前記不可状態の種類を変更するか否かを決定する不可状態変更決定手段と、
前記不可状態変更手段が前記不可状態の種類を変更すると決定したときに、前記不可状態の種類を選択し、該選択した不可状態に変更する不可状態変更手段と、を備えることが好ましい。
このようにすれば、解除条件の成立確率が高い不可状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0012】
本発明のスロットマシンは、遊技の制御を行うメイン制御手段と、
該メイン制御手段から送信された制御情報の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況を前記サブ制御手段に対して送信するとともに、
前記サブ制御手段は、前記報知割合変動手段を含み、該報知割合変動手段は、前記メイン制御手段から受信した制御情報により識別される前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて前記報知割合を変動させることが好ましい。
このようにすれば、入賞条件の報知制御や報知割合を変動させるための制御がサブ制御手段により行われるため、メイン制御手段の制御負荷を軽減できる。
【0013】
本発明のスロットマシンの前記所定の解除条件は、前記特定入賞の発生に関連して成立することが好ましい。
このようにすれば、入賞条件報知手段による報知割合に応じて特定入賞の発生確率及び特別入賞の発生確率の双方に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【0014】
また、本発明のスロットマシンの前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越個数であることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越個数に関連して特定入賞の発生確率を変動させることができる。
さらにこの場合、本発明のスロットマシンの前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越個数に上限が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、決定情報の持越個数に上限を設けることで、決定情報が過度に蓄積され、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できるばかりか、例えば入賞条件報知手段による報知割合を所定の持越個数を基準として変動させる場合において、持越個数が前記基準とした持越個数を大幅に上回った状態が継続し続けることで報知割合が変動されにくくなって、ゲーム性が単調となるのを防止出来る。
【0015】
また、本発明のスロットマシンは、前記不可状態制御手段による前記不可状態の解除確率を複数の異なる確率から選択する解除確率選択手段と、
前記解除確率選択手段により選択された解除確率に応じて前記不可状態を解除するか否かを決定する解除決定手段と、を備え、
前記解除条件は、前記解除決定手段により前記不可状態を解除すると決定されることにて成立するとともに、
前記不可状態の解除に関する状況は、前記解除確率選択手段により選択された解除確率であることが好ましい。
このようによれば、解除確率選択手段により選択された解除確率に応じて不可状態が解除される確率、すなわち特別入賞が発生可能な状態となる確率が変化することに加えて、入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合も変化することとなる。すなわち不可状態が解除される確率に関連して特定入賞の発生確率も変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0016】
また、本発明のスロットマシンは、前記不可状態の制御が実行されるゲーム数を複数の異なるゲーム数から選択する不可ゲーム数選択手段を備え、
前記解除条件は、前記不可状態に制御された状態において、前記不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数のゲームが実行されることにて成立するとともに、
前記不可状態の解除に関する状況は、前記不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数であることが好ましい。
このようによれば、不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数に応じて不可状態が解除されるまでのゲーム数、すなわち特別入賞が発生可能な状態となるまでのゲーム数が変化することに加えて、入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合も変化することとなる。すなわち不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数に関連して特定入賞の発生確率も変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
まず、図1、図2を参照してスロットマシンの概略構成について説明する。図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の筐体2内を示す正面図である。本実施例におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体2と、この筺体2の側端に回動自在に枢支された前面扉3と、から構成されており、前面扉3の裏面に設けられた施錠装置(図示略)の鍵穴4aに挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉3を開放することができるようになっている。
【0019】
前面扉3の前面上端部には、遊技効果LED130(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部41が左右方向に延びるように設けられているとともに、左右側端部には、遊技効果LED131(図3参照)が内蔵された発光部としての遊技効果LED部42L、及び遊技効果LED132(図3参照)が内蔵された発光部としての遊技効果LED部42Rが、前面扉3の上部から下部にわたって一連に設けられている。これら遊技効果LED部41、42L、42Rにより囲まれた前面扉3の前面には、役構成等が印刷された上部パネル5、各種表示部が形成された遊技パネル6、タイトル等が印刷された下部パネル7が各々設けられている。なお、下部パネル7の内部には表示面を後方から照らす蛍光灯139(図3参照)が内蔵されている。下部パネル7の下方には、メダル払出穴9から払出されるメダルを受け入れるメダル受皿10が突設されており、該メダル受皿10の左側には灰皿13が設けられている。
【0020】
遊技パネル6と下部パネル7の間には、操作部8が遊技パネル6よりも前方に膨出するように形成されており、この操作部8には、遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や、各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられている。
【0021】
上部パネル5の左右側には、内部に設けられる高音スピーカ136L、136R(図3参照)から出力される音を放音する放音部12L、12Rがそれぞれ設けられているとともに、これら左右の放音部12L、12Rの間には、上部パネル5の後面に設けられる演出用リール91L、91C、91Rを透視するための透明な演出用透視窓11が印刷形成されている。
【0022】
この演出用透視窓11から視認できる各演出用リールの領域を、各演出用リールに対応させて左可変表示部92L、中可変表示部92C、右可変表示部92R(領域)と呼ぶ。この演出用可変表示部としての各可変表示部92L、92C、92Rからは、各演出用リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0023】
遊技パネル6には、筐体2に内設された後述するゲーム用リール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、各種表示部16〜33と、がそれぞれ印刷形成されている。
【0024】
遊技パネル6に設けられた各種表示部のうち、クレジット表示部31は、内蔵されたクレジット表示器109(図3参照)によりクレジットが表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数である。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
【0025】
ゲーム回数表示部32は、後述するビッグボーナス(以下BBと略称する)中に提供されるビッグボーナスゲーム(以下BBゲームと略称する)の残回数や、後述するレギュラーボーナス(以下RBと略称する)の残回数等が内蔵されたゲーム回数表示器108(図3参照)により表示される。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。
【0026】
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数が入賞がある毎に、内蔵されたペイアウト表示器110(図3参照)により表示される。さらに、本実施例におけるスロットマシン1は、予め定められた入賞確率の値を例えば6つのパターンの設定値として記憶しており、前記ペイアウト表示部33には、この設定値が前記ペイアウト表示器110により表示されるようになっている。
【0027】
1〜3枚賭け表示部46〜48は、内蔵された1〜3枚賭けLED111〜113(図3参照)が、遊技者がゲームに賭数を設定した場合にその賭数に応じて点灯する。
【0028】
リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイLED114(図3参照)が点灯する。スタート表示部28は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートLED115(図3参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示LED117(図3参照)が点滅し、メダルを受付不可能な状態である場合に消灯する。
【0029】
ウェイト表示部29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトLED116(図3参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。
【0030】
演出用表示部16〜25のうち演出用表示部17〜20は、リプレイ表示部27、ウェイト表示部29、スタート表示部28、投入指示表示部30と、演出用表示部21〜25は、1〜3枚賭け表示部46〜48と、各々同様に機能する表示部であり、これら各表示部に内蔵されたLED111〜117の点灯/消灯に応じて、各々対応する演出用表示部17〜25に内蔵された演出用ランプ141〜149(図3参照)が点灯/消灯する。また、演出用表示部16は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の発生が許容されている場合に、その内部に内蔵された演出用ランプ140(図3参照)が点灯するようになっており、ボーナス告知表示部として機能する。
【0031】
操作部8の上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、上面左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
【0032】
1枚BETボタン36aは、クレジットを使用してメダルを1枚分賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットの範囲内で賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36aの表面には、該当する賭数である「1」の数字が刻設されているとともに、MAXBETボタン36bの内部には、MAXBETボタンLED121が内蔵されており(図3参照)、これらのMAXBETボタンLED121は、MAXBETボタン36bの操作により賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。なお、1枚BETボタン36aの操作は内蔵された1枚BETスイッチ100に、また、MAXBETボタン36bの操作は内蔵されたMAXBETスイッチ101(図3参照)にて検出される。
【0033】
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作は、内蔵された精算スイッチ104(図3参照)にて検出され、クレジットとして記憶されている枚数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
【0034】
操作部8の前面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することにより、その操作が内蔵されたスタートスイッチ102(図3参照)にて検出されリールユニット50の各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
【0035】
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、その操作は内蔵されたストップスイッチ103L、103C、103R(図3参照)にて検出されるようになっている。また、ストップボタン40L、40C、40Rの内部には操作有効LED122L、122C、122Rが、それぞれ内蔵されており(図3参照)、これら操作有効LED122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。
【0036】
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
【0037】
前面扉3の後面には、メダル投入部34から投入された正規なメダルのみを後述するホッパータンク57aに導く投入メダルセレクタ(図示略)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、この投入メダルセレクタにより振り分けられて、メダル返却通路部材(図示略)を介してメダル払出穴9から返却される。
【0038】
前記投入メダルセレクタ(図示略)の下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする流路切替ソレノイド107(図3参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、この状態において流下するメダルは投入メダルセンサ106(図3参照)により検出された後、メダル誘導樋(図示略)を流下してホッパータンク57a内に貯留されるようになっている。また、メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わって、メダル返却通路部材(図示略)を介してメダル払出穴9から返却される。
【0039】
図2に示されるように、筐体2内上部には、後述する遊技制御基板500が収容された遊技制御基板ボックス350が背板に固設されている。その側方には、遊技制御基板500から出力されるコマンド等を外部に出力するための外部出力基板505が取り付けられている。
【0040】
筐体2内略中央部には、複数種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51R(可変表示装置)が並設されたリールユニット50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、透視窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
【0041】
透視窓14から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部49L、中可変表示部49C、右可変表示部49R(領域)と呼ぶ(図1参照)。この遊技用可変表示部としての各可変表示部49L、49C、49Rからは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0042】
各リール51L、51C、51Rには、それぞれのリールの回転基準位置を検出するリールセンサ56L、56C、56Rが備えられており、このリールセンサ56L、56C、56Rにより所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55L、55C、55Rがそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55L、55C、55Rは、透視窓14に表示される各図柄を後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
【0043】
リールユニット50の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57aを有するホッパーユニット57が設けられている。また、ホッパーユニット57の右側にはホッパータンク57aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能なフルセンサ60a、60bが設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを検出できるようになっている。
【0044】
ホッパーユニット57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57a内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出しメダルセンサ61により検出された後、前面扉3の後面に設けられた図示しないメダル返却通路部材に合流した後にメダル払出穴9から払い出される。
【0045】
ホッパーユニット57の側方には、メイン電源をon/offするメインスイッチ部66と、エラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットする操作、及び入賞確率を変更可能とする操作を可能な設定/リセットボタン67と、自動精算機能をon/offする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/offする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられるとともに、電源基板502(図3参照)が内蔵された電源ユニット65が配設されている。
【0046】
本実施例では、設定キー挿入部70のon/off状態に関わらず、電源投入を行うことにより、その時点での自動精算選択スイッチ部68及び打止め選択スイッチ部69の状態にて設定されるとともに、設定/リセットボタン67がリセットボタンとして機能することになる。また、縦長長方形状の設定キー挿入部70が鉛直方向に対して左斜め45度のoffの状態で特定のキーを挿入してから時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、設定キースイッチ82(図3参照)のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわち、遊技制御基板500内に設けられたRAM512(図4参照)の記憶内容の初期化が実行されるとともに、設定/リセットボタン67が設定ボタンとして機能することになり、この設定/リセットボタン67の操作により入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。
【0047】
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
【0048】
ゲームを開始する場合は、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すれば良い。
【0049】
遊技者により賭数が「1」に設定されると、図1に示される入賞ラインL1が有効となり、賭数が「2」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’が有効となり、賭数が「3」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’が有効となる。
【0050】
そして少なくとも「1」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0051】
尚、このような賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数も任意に設定変更可能である。
【0052】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。各リール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、この状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部49L、49C、49Rの上、中、下段に図柄が表示される。
【0053】
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、一定時間が経過した時点で自動的に各リール51L、51C、51Rの回転が順次停止する。
【0054】
そして全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが表示された場合は入賞となり、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出される。また、クレジットが上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9から払い出される。
【0055】
また、特に予め定められた特別図柄の組合せが表示されて大当たり入賞した場合にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)(特別遊技状態)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
【0056】
尚、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
【0057】
次に、スロットマシン1の構成を以下説明する。図3はスロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図4は遊技制御基板500に設けられた遊技制御手段としての制御部510の構成及び演出制御基板501に設けられた演出制御手段としての制御部530の構成を説明するためのブロック図である。
【0058】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板500によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板501によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板502にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板502には、外部電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
【0059】
遊技制御基板500は、演出制御基板501、電源基板502、リール中継基板503、外部出力基板505、操作部中継基板507と配線接続されており、演出制御基板501は、ドアベース中継基板506、演出用中継基板509と配線接続されているとともに、演出用中継基板509には、リールランプ中継基板504、演出用ランプ中継基板508が接続されている。
【0060】
遊技制御基板500の制御部510は、遊技状態がRBであることを示すRB中信号や、遊技状態がBBであることを示すBB中信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により払出されたメダルを示すメダルOUT信号、などを外部出力基板505からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。尚、外部出力基板505から外部に出力される信号のうち、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、ストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号であり、リール制御信号は、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するための制御信号(モータ位相信号)である。
【0061】
これら外部出力基板505から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。
【0062】
遊技制御基板500には、操作部中継基板507を介して各種のスイッチ100〜105、センサ106、LED111〜122、及び表示器108〜110等、各種部品107からの配線が接続されている。
【0063】
電源基板502に配線接続された設定/リセットスイッチ81、設定キースイッチ82、メインスイッチ80、フルセンサ60a、60b、払出しメダルセンサ61、ホッパーモータ62、は、電源基板502によって中継されて遊技制御基板500と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板500の制御部510に入力される。
【0064】
リール中継基板503に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56L、56C、56Rは、リール中継基板503によって中継されて遊技制御基板500に配線接続されており、リールセンサ56L、56C、56Rの検出信号は、遊技制御基板500の制御部510に入力される。
【0065】
遊技制御基板500に操作部中継基板507を介して配線接続されたスイッチ、センサのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置4の鍵穴4aに挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。また、投入メダルセンサ106は、メダル投入部34に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0066】
遊技制御基板500に操作部中継基板507を介して配線接続された表示器のうち、ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
【0067】
また、遊技制御基板500には、前述した1枚賭けLED111、2枚賭けLED112、3枚賭けLED113、リプレイLED114、スタートLED115、ウェイトLED116、投入指示LED117、MAXBETボタンLED121、左操作有効LED122L、122C、122R、流路切替ソレノイド107等の各種電気部品が操作部中継基板507を介して配線接続されている。
【0068】
電源基板502あるいはリール中継基板503あるいは操作部中継基板507を介して遊技制御基板500に配線接続された各種LED及び表示器、モータ、ソレノイド等の電気部品は、遊技制御基板500に搭載された制御部510によって制御される。また、制御部510は、電源基板502あるいはリール中継基板503あるいは操作部中継基板507を介して遊技制御基板500に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0069】
遊技制御基板500に設けられた制御部510は、図4に示されるように、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU511と、CPU511の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM513と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM512と、CPU511と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート514とを含む。すなわち、制御部510は、これらCPU511、RAM512、ROM513、I/Oポート514が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0070】
また、遊技制御基板500には、電源投入時にCPU511にリセットパルスを与える初期リセット回路517と、CPU511にクロック信号を与えるクロック発生回路518と、クロック発生回路518からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU511に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)519と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路521と、乱数発生回路521から乱数をサンプリングするサンプリング回路522と、バッファ回路520と、が設けられる。さらに、遊技制御基板500には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路515や、モータ回路516、バックアップ電源523、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
【0071】
遊技制御基板500の制御部510から演出制御基板501へは、バッファ回路520を介して制御部510が制御する遊技状態を特定可能な制御情報としての各種コマンドが出力される。バッファ回路520は、遊技制御基板500の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板500の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板500と演出制御基板501との間において、遊技制御基板500から演出制御基板501への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板500に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
【0072】
演出制御基板501には、遊技効果LED130〜132と、放音部12L、12Rに内蔵される高音スピーカ136L、136R、及び背板153に設けられる低音スピーカ137と、遊技パネル6を内側から照らす3色の冷陰極管138a〜138cと、下部パネル7を内側から照らす蛍光灯139と、がそれぞれドアベース中継基板506を介して接続されている。
【0073】
また、演出用中継基板509及び演出用ランプ中継基板508を介して演出用ランプ140〜149が接続されるとともに、演出用中継基板509及びリールランプ中継基板504を介してゲーム用リール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55L、55C、55Rと、が接続されている。さらに、演出用ユニット90に内蔵される演出用リールセンサ127L、127C、127Rと、演出用リールLED128L、128C、128Rと、演出用リールモータ129L、129C、129Rと、が接続されている。
【0074】
演出用中継基板509またはドアベース中継基板506を介して、あるいはこれらの基板を介することなく演出制御基板501に配線接続された各種ランプ、LED、スピーカ等の電気部品は、演出制御基板501に搭載された制御部530によって制御される。
【0075】
演出制御基板501によって制御される各遊技効果LED130〜132、各スピーカ136L、136R、137、冷陰極管138a〜138c、蛍光灯139、演出用ランプ140〜149、リールランプ55L、55C、55R、演出用リールセンサ127L、127C、127R、演出用リールLED128L、128C、128R、演出用リールモータ129L、129C、129Rは、遊技制御基板500によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた演出手段である。このため、たとえ、演出制御基板501に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部510の制御の負荷が軽減される。
【0076】
演出制御基板501に設けられた制御部530は、図4に示されるように、CPU531と、必要なデータの書き込み、及び読み出しができるRAM532と、CPU531の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM533と、I/Oポート534と、を含む。制御部530も、制御部510と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0077】
また、演出制御基板501には、各スピーカ136L、136R、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路535と、各種LEDを点灯あるいは点滅させるためのLED駆動回路539と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路537と、演出用リールモータ129L、129C、129Rを駆動制御するためのモータ回路536と、バックアップ電源538と、が搭載されている。
【0078】
また、演出制御基板501は遊技制御基板500と接続されており、制御部530は、遊技制御基板500から送信された各種コマンドに基づいて遊技制御基板500の遊技状態を特定し、この特定した遊技状態に応じて予め定められた制御パターンを設定し、この制御パターンに応じて各遊技効果LED130〜132、各スピーカ136L、136R、137、冷陰極管138a〜138c、蛍光灯139、リールランプ55L、55C、55R、演出用ランプ140〜149、演出用リールセンサ127L、127C、127R、演出用リールLED128L、128C、128R、演出用リールモータ129L、129C、129R等の電気部品を制御する。
【0079】
図5は、各リール51L(左リール)、リール51C(中リール)、リール51R(右リール)の図柄配列を示す図であり、図中、「左」は左リール51Lの図柄配列を示し、「中」は中リール51Cの図柄配列を示し、「右」は右リール51Rの図柄配列を示す。左リールの左側に示した数字は図柄番号であり、「1」〜「21」の各図柄番号に対応して、「黒7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「プラム」の図柄が各リールに21個配列されている。
【0080】
本実施例では、図6に示されるように、通常遊技状態において「7−7−7」、「BAR−BAR−BAR」、「チェリー−any−any(any=「7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「プラム」)」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「プラム−プラム−プラム」の組合せが入賞の対象とされている。
【0081】
通常遊技状態において「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、2枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、10枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0082】
また、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、当該ゲームと同一の賭数にて次回のゲームを実施可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ(再遊技)入賞が発生する。
【0083】
また、賭数に応じて有効化された入賞ラインが複数本存在する場合において、前述したようにメダルが払い出される図柄の組合せが複数本の入賞ライン上において同時に揃った場合には、各入賞ライン上の図柄の組合せによって払い出されるメダル枚数の合計枚数に相当するメダルが払い出されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて遊技者に払い出されるメダルの上限が15枚と定められているために、15枚を越える場合にはその16枚目以降のメダルが無効となる。
【0084】
また、通常遊技状態において有効化されたいずれかの入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃えば、特別入賞であるRB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つであるレギュラーボーナス(RB)が発生し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。RBゲームにおいては、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃って、15枚のメダルが払い出されるJac入賞が高確率で発生する。RBでは、RBゲームが最大で12回提供されるとともに、このRBゲームが12回実行されるか、あるいはRBゲームが12回に達する前にJac入賞が8回発生するか、のいずれかの条件が満たされた時点で終了する。したがって、遊技者は12回のRBゲーム中に最大8回のJac入賞の機会を得ることができる。
【0085】
また、通常遊技状態において有効化された入賞ライン上に、「7−7−7」が揃えば、特別入賞であるBB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つであるビッグボーナス(BB)が発生し、以下に説明するビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と前述したRBが遊技者に対して付与される。
【0086】
BBゲームにおいては、「チェリー−any−any」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「プラム−プラム−プラム」の組合せが入賞の対象とされており、これらの入賞が通常遊技状態に比較して高確率で発生する。
【0087】
BBゲームにおいて「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、2枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、10枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0088】
また、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、JacIn入賞が発生し、その対価として例えば3枚のメダルが払い出されるとともに、前述したRBに移行し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。
【0089】
BBでは、BBゲームが最大で30ゲーム提供されるとともに、このBBゲームにおいてRBに移行可能な最大回数が規定されており、本実施例では最大で3回移行し得るように規定されている。そしてBBは、30回のBBゲームを実行した場合か、或いは30回のBBゲームを実行する前にRBへ3回移行し、3回目のRBが終了した場合のうち、少なくともいずれか1つの条件が満たされた時点で終了する。
【0090】
なお、本実施例では、規定数のBBゲームを実行した場合か、規定数のRBが終了した場合のいずれか一方の条件でBBが終了する構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、BB中の獲得枚数が上限枚数に到達した場合にBBが終了するようにしても良い。更にこの場合には、RB中において上限枚数に到達した場合に、そのRBが終了することでBBが終了するようにしても良い。
【0091】
本実施例では、図6に示すように、各入賞に対応した内部当選フラグの種類が定められており、後述する内部抽選処理に当選して各々対応する内部当選フラグが設定された場合にのみ、対応する入賞の発生が許容されることとなる。
【0092】
通常遊技状態におけるチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞の組合せは、後述する内部抽選処理により該当する入賞を許容する内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)が当選した場合であって、各リールが停止された際に該当する図柄が予め定められた引き込み範囲(本実施例では最大4図柄)内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0093】
また、通常遊技状態におけるBB入賞、RB入賞の図柄の組合せは、内部抽選処理によりBBまたはRBの入賞を許容する内部当選フラグ(BBフラグまたはRBフラグ)が当選した場合で、かつ、後述するストックゲームが終了し、BB入賞またはRB入賞を発生可能な状態に制御されている場合において、各リールが停止された際に該当する図柄が前記引き込み範囲内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0094】
また、図5に示すように、「ベル」及び「プラム」を除く「チェリー」、「スイカ」、「BAR」、「黒7」の図柄は、配列上引き込み不可能な範囲、すなわち、5図柄以上離れて配列されている箇所が設けられており、これらの図柄の組合せに基づく入賞であるチェリー入賞、スイカ入賞、RB入賞、BB入賞は、該当する図柄が有効な入賞ラインに引き込み可能な範囲となるタイミングにて該当するリールの停止操作が行われることを条件に入賞が発生することとなる。すなわち、これらチェリー入賞、スイカ入賞、RB入賞、BB入賞を揃える場合には、いわゆる目押しを必要とする。
【0095】
これに対して「ベル」、「プラム」の図柄は、全て引き込み可能となる配列とされており、これらの図柄の組合せに基づく入賞であるベル入賞、リプレイ入賞、JacIn入賞、Jac入賞は、どのタイミングでリールの停止操作を行った場合でも入賞が発生することとなる。すなわち、これらベル入賞、リプレイ入賞、JacIn入賞、Jac入賞を揃える場合には、いわゆる目押しを必要としない。
【0096】
また、通常遊技状態におけるベル入賞の組合せは、図6に示すように、前述した内部抽選処理によりベル入賞を許容する内部当選フラグ(ベルフラグ)が当選し、かつ入賞条件となる有効停止順に一致する停止順にて各リールの停止操作が行われた場合のみ揃うようになっている。これら有効停止順は内部抽選処理において行うリール制御テーブルの振分により決定される。
【0097】
通常遊技状態におけるベル入賞の入賞条件は、図7に示すように、各々均等に振り分けられる6通りの各リールの停止順(左−中−右、左−右−中、右−左−中、右−中−左、中−左−右、中−右−左、の6通りの停止順)であり、振り分けられたリール制御テーブルの有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作が行われることでベル入賞の組合せが揃うこととなる。このようにベル入賞は、ベルフラグが当選してもこれら6通りのうちのいずれかの有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作を行わなければベル入賞の組合せが揃うことはないため、通常遊技状態におけるベル入賞の実際の出現確率は、通常遊技状態におけるベルフラグの当選確率(1/1.5)の1/6、すなわち、1/9程度となる。
【0098】
本実施例では、通常遊技状態において対象となる入賞のうち、チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞及びリプレイ入賞を許容する旨を示す内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)は、当該内部当選フラグが当選したゲームにおいてのみ有効とされており、そのゲームの終了後にクリアされる。
【0099】
また、BB入賞を許容する旨を示すBBフラグまたはRB入賞を許容する旨を示すRBフラグは、当該BBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態で一度ストックされる。すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態で次ゲーム以降に持ち越される。また、既にBBフラグまたはRBフラグがストックされている状態でも、内部抽選処理によるBBフラグまたはRBフラグの抽選が行われるようになっており、この状態でBBフラグまたはRBフラグが当選した場合には、既に持ち越されているBBフラグまたはRBフラグとは別個に、当選したBBフラグまたはRBフラグも当該BBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態でストックされるようになっている。すなわち本実施例では、複数のBBフラグまたはRBフラグをBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態でストックする(持ち越す)ことができるようになっている。
【0100】
これらストックされているBBフラグまたはRBフラグは、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な不可状態に制御されるゲーム(以下ストックゲームと称す)が、後述する所定の解除条件が成立して解除されることで1つ放出され、この放出されたBBフラグまたはRBフラグに応じてBB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態(以下解除ゲームと称す)に制御されるとともに、以降のゲームにおいてBB入賞またはRB入賞が発生することにより、放出されたBBフラグまたはRBフラグはクリアされる。
【0101】
本実施例では、BBフラグまたはRBフラグが1つもストックされていないときには、最初に当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出する内部当選フラグとして決定され、ここで決定されたBBフラグまたはRBフラグがストックゲームの解除により放出される。また、次回放出される予定のBBフラグまたはRBフラグ以外にもBBフラグまたはRBフラグがストックされているときには、ストックゲームが解除されたとき、すなわち、BBフラグまたはRBフラグが放出されたときに、BBフラグまたはRBフラグフラグが当選順、すなわち最も早く当選した順番で放出されるようになっている。
【0102】
なお、本実施例においてはBBフラグまたはRBフラグフラグは当選順通りに放出されるように構成されているが、例えばBBフラグを優先して放出し、BBフラグがストックされていない場合にRBフラグを放出する等、内部当選フラグの種別に応じた順番で放出するようにしても良いし、放出する内部当選フラグをBBフラグとするか、RBフラグとするか、を決定し、この決定した内部当選フラグを、当選した順番に関係なく放出するようにしても良い。
【0103】
また、本実施例においては、BBフラグ及びRBフラグの総ストック個数(持越個数)には上限があり、BBフラグ及びRBフラグ合わせて30個以上ストックされないようになっている。すなわち、既にBBフラグ及びRBフラグ合わせて30個持ち越されている状態で、ストックゲーム中にBBフラグまたはRBフラグが内部当選したときには、該内部当選したBBフラグまたはRBフラグをストック(持ち越す)することはなく、該フラグをクリアしてしまうことになる。なお、このストック個数の上限値は上記30個に限定されるものではなく、種々に変更可能であるとともに、BBフラグまたはRBフラグ別に個別に上限値を設定してもよい。
【0104】
本実施例における前記ストックゲームの解除条件は、図8に示されるように、ベル入賞の発生に基づき行われる解除抽選に当選することとされている。ストックゲーム中においては、前記ストックゲームの解除確率が異なる2つのモード(高確率モードまたは低確率モード)のうちのいずれかのモードに制御されるようになっており、通常ゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選してストックゲームが開始されるとき、またはストックゲームが解除されて次回放出可能なフラグのストックがあるとき、または高確率モードが100ゲーム継続して実行されたとき、に行われる乱数値を用いた抽選により、いずれのモードに制御するかの振分が行われるようになっている。
【0105】
図8に示されるように、高確率モードに制御されている状態においては、ベル入賞が発生したときに行われる乱数値を用いた抽選にて、1/5の確率でストックゲームが解除されるようになっているため、実質的な解除確率は、ベルフラグの内部当選確率(1/1.5)×有効停止順の選択率(1/6)×解除確率(1/5)=約1/45となる。また、低確率モードに制御されている状態においては、ベル入賞が発生したときに行われる乱数値を用いた抽選にて、1/30の確率でストックゲームが解除されるようになっているため、実質的な解除確率は、ベルフラグの内部当選確率(1/1.5)×有効停止順の選択率(1/6)×解除確率(1/30)=約1/270となる。
【0106】
このように本実施例では、ストックゲーム中におけるベル入賞の発生時においてストックゲームの解除抽選が行われ、該解除抽選に当選したときにはストックゲームが解除され、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうちのいずれかのフラグが放出されて、BB入賞またはRB入賞の発生が可能な状態に制御されることになり、ストックゲーム中において高確率モードに制御されている状態では、低確率モードに制御されている状態よりも高確率でストックゲームが解除されるようになっている。
【0107】
ここで、本実施例のスロットマシン1におけるゲームの流れを図9に基づいて説明する。
【0108】
まず、通常ゲームにおいて(S1)、BBフラグまたはRBフラグ当選すると(S2またはS3)、この当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出される内部当選フラグとして設定されるとともに(S4)、その後移行するストックゲームのモードを、解除確率が高い高確率モードまたは解除確率の低い低確率モードのいずれか一方に決定するモード振分を行い(S5)、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な不可状態に制御されるストックゲームに移行する(S6)。
【0109】
なお、本実施例においては、その時点でのモードが高確率モードであるか低確率モードであるか否かに関わらず、このモード振分により高確率モードまたは低確率モードのいずれに移行するかが均等の確率で振り分けられるように構成されているが、例えば高確率モードからの振分率及び低確率モードからの振分率とをそれぞれ異なる確率とすることも可能である。
【0110】
このストックゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選すると(S7またはS8)、これら当選したBBフラグまたはRBフラグがストックされるとともに(S10)、既にストックされている場合には、既にストックされているBBフラグやRBフラグとは別個にストックされる。
【0111】
また、ストックゲームにおいてベル入賞が発生したときには(S9)、ストックゲームを解除するか否か、すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態に移行するか否かを決定するための解除抽選を実行する(S12)。
【0112】
S12のステップにおける解除抽選では、前述したように当該ストックゲームのモード(高確率モードまたは低確率モード)に応じて定められた当選確率にてストックゲームを解除するか否かの抽選が行われるようになっており、この解除抽選に当選した場合、すなわち、ストックゲームを解除すると決定された場合には(S14)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態(可状態)に移行する(S15)。また、S12のステップにおける解除抽選において当選しなかった場合、すなわち、ストックゲームを解除しないと決定された場合にはS6のステップに戻ってストックゲームが継続される。
【0113】
また、当該ストックゲームにおけるモードが高確率モードである場合には、該高確率モードに移行した時点から実行ゲーム数をカウントし、高確率モードに移行した時点から所定期間である100ゲームが継続して実行された時点で(S11)、S5のステップに戻ってストックゲームのモード振分を行い、新たに移行するモードを設定する。
【0114】
S15のステップにおいて、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には(S16)、次回移行するストックゲームのモードを解除確率が高い高確率モードまたは解除確率の低い低確率モードのいずれか一方に決定するモード振分を行う(S18)。また、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には(S17)、前記モード振分は行われない。
【0115】
解除状態(S15〜S18)では、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態に制御されるようになっており、この状態においてBB入賞またはRB入賞が発生することで(S19またはS20)、BBまたはRBが発生し(S21またはS22)、放出された内部当選フラグはクリアされる。
【0116】
BBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうち、ストックゲームが解除された際に放出された内部当選フラグを次回放出する内部当選フラグとして設定した後(S23)、再びストックゲームに移行する。このストックゲームでは、前回ストックゲームが解除された際に決定されたモード(高確率モードまたは低確率モード)に応じて定められた当選確率にて解除抽選が行われることとなる。
【0117】
尚、S22のステップにおけるBBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には、通常ゲーム(S1)に移行する。
【0118】
このように本実施例では、ストックゲームとして解除確率の異なる2種類のモードが適用されており、これらモードのうち高確率モードのストックゲームでは1/45の確率(図8参照)で解除されることとなり、低確率モードのストックゲームでは1/270の確率(図8参照)で解除されてBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態となる。すなわち、低確率モードのストックゲームは、解除されるまでに多くのゲーム数を要するのに対して、高確率モードのストックゲームは、少ないゲーム数で解除されるようになっている。
【0119】
更に、本実施例では、ストックゲームが解除され、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態となったときに、次回移行するストックゲームのモードが決定されることとなるため、この時点で次回移行するストックゲームのモードが高確率モードに決定された場合には、ストックゲームの解除に基づき発生するBBまたはRBの終了後、少ないゲーム数で再びストックゲームが解除されてBBまたはRBが発生する可能性が高くなる。すなわち、このような場合では、BBまたはRBが連続して発生する可能性が高くなる。逆に低確率モードに決定された場合には、ストックゲームが解除されるまでに多くのゲームを要するため、BBまたはRBが発生する可能性が低くなる。
【0120】
次に、本実施例における遊技制御基板500の制御部510がゲームの進行に伴い実行する各種制御内容を、図10のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0121】
まず、電源投入に伴いゲームスタートに備えるための初期処理を実行する。具体的には、各種装置の接続、及び作動状況、等の確認を行い、電源断前の遊技状態に復帰可能であれば復帰する処理を行う(Sa1)。
【0122】
次いで、BET処理(Sa2)、内部抽選処理(Sa3)、リール制御振分処理(Sa4)、リール回転処理(Sa5)、リール停止処理(Sa6)、入賞判定処理(Sa7)、払出処理(Sa8)、ストックゲーム処理(Sa9)、フラグ更新処理(Sa10)、遊技状態更新処理(Sa11)を繰返し実行するループ処理に以降する。
【0123】
Sa2のステップにおけるBET処理では、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、メダルの賭数が設定され、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定する処理を実行する。また、前回のゲームでリプレイが入賞した場合には、前回のゲームと同じ賭数が設定される。
【0124】
Sa3のステップにおける内部抽選処理では、Sa2のステップにおけるスタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴い、該当する遊技状態において対象となる入賞の発生を許容するか否かを決定する処理を実行する。具体的には、スタートレバー38の操作に基づくスタートスイッチ102の検出に応じてサンプリングされた乱数値とROM513に格納された内部当選確率テーブルとの比較結果に基づいて当選の有無を判定し、当選した場合には該当する入賞を許容する旨を示す内部当選フラグを設定する。
【0125】
Sa4のステップにおけるリール制御振分処理では、内部当選フラグの設定状況及びストックゲーム中か否か等の状況に応じて、後述するリール停止処理において適用するリール制御テーブルを選択する処理を実行する。
【0126】
Sa5のステップにおけるリール回転処理では、Sa4のステップにおけるリール制御振分処理の終了に伴い各遊技用リール51L、51C、51Rを回転させる処理を実行する。このリール回転処理においては、全ての遊技用リール51L、51C、51Rが回転した時点でストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作を有効とし、RAM512に設定されたリール停止タイマカウンタに初期値を設定してリール停止用のタイマカウンタをスタートさせる。
【0127】
Sa6のステップにおけるリール停止処理では、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされるか、各遊技用リール51L、51C、51Rの回転開始時から遊技者によるストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされることなく自動停止時間が経過したことにより図柄を停止表示するための条件が満たされた時点で各々の遊技用リール51L、51C、51Rの停止フラグの設定を行い、この停止フラグの設定に基づいて押圧操作のあった停止ボタン40L、40C、40Rに対応する遊技用リール51L、51C、51Rの回転を停止させる処理を実施する。このリール停止処理では、Sa4のステップにおけるリール制御振分処理において選択したリール制御テーブルに基づいて遊技用リールを停止させる制御を行う。
【0128】
Sa7のステップにおける入賞判定処理では、Sa6のステップにおいて全ての遊技用リール51L、51C、51Rの回転が停止されたと判定した時点で、各表示領域に表示された表示態様と、Sa3のステップにおいて当選した内部当選フラグ並びにROM513に格納された入賞判定テーブルと、を照合して入賞内容の判定を行う処理を実行するとともに、特にいずれかの入賞が発生したと判定した場合には、その入賞内容に対応した各種設定を実行する。この設定内容としては、例えば入賞内容に対応するメダルの払出枚数、遊技状態、再遊技等の設定がある。
【0129】
Sa8のステップにおける払出処理では、Sa7のステップにおいてメダルの払出を伴う入賞の発生が判定された場合に、その入賞内容に対応して設定された払出枚数に基づくクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。具体的には、払出メダル枚数をクレジットに加算するとともに、クレジットが上限値に到達した場合には、ホッパーモータ62の駆動により残りの枚数分のメダルを直接メダル払出穴9より払い出す処理を行う。
【0130】
Sa9のステップにおけるストックゲーム処理では、ストックゲームへ移行させる処理や、次回放出する内部当選フラグを決定するための処理、次回移行するストックゲームのモード振分、ストックゲームを解除するか否かを決定する処理、ストックゲームの解除に基づいてBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に移行させる処理、等を行う。
【0131】
Sa10のステップにおけるフラグ更新処理では、Sa3のステップにおいて当選した内部当選フラグのクリアまたは持越を行うための処理を行う。具体的には、内部当選フラグのうち、チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ等、当該ゲームにおいてのみ有効な内部当選フラグをクリアする処理を行う。また、BBフラグ及びRBフラグは、その内部当選フラグによって許容されたBB入賞またはRB入賞が発生しない場合においてクリアせずに次のゲームに持ち越し、BB入賞またはRB入賞が発生した場合に該当する内部当選フラグをクリアする処理を行う。
【0132】
Sa11のステップにおける遊技状態更新処理では、BB入賞やRB入賞が判定された場合に、遊技状態をBBまたはRBに移行させる処理や、BB中のBBゲームやRB中のRBゲームのカウンタの設定や更新を行う処理、BBやRBの終了条件の成立に基づき遊技状態を通常遊技状態に移行させる処理、等を行う。
【0133】
また、これらSa1〜Sa11の各ステップにおいては、各種制御状態を示すコマンド(制御情報)を演出制御基板501に対して送信する制御を行う。図11は、遊技制御基板500から演出制御基板501に対して送信されるコマンドの一例が示されており、以下、各コマンドの内容を簡単に説明する。
【0134】
演出制御基板501に対して送信されるコマンド(制御情報)のうち、BETコマンドは、賭数の設定方法、賭数の設定前における設定済み賭数、設定する賭数等の賭数の設定に関連する賭数設定関連情報をそれぞれ特定可能なコマンドであり、メダルが投入されたとき、または前回のゲームにて発生したリプレイ入賞に伴い自動賭数設定処理が行われたとき、または1枚BETボタン36aまたはMAXBETボタン36bが操作されたとき、それぞれに送信される。
【0135】
スタートコマンドは、主に内部抽選処理によりいずれかの入賞を許容する内部当選フラグが成立したか否か、並びに成立した内部当選フラグの種別を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始されたとき、すなわち、スタートレバー38が操作されたときに送信される。
【0136】
ストックコマンドは、BBフラグ及びRBフラグそれぞれの持越状況、すなわち、ストックされているBBフラグ及びRBフラグそれぞれのストック個数、ストックゲームにおけるモード(高確率モードか低確率モード)の設定状態、を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始されたとき、すなわち、スタートレバー38が操作されたときであり、具体的には前記スタートコマンドの後に送信される。
【0137】
押し順コマンドは、リール制御テーブルの振分状況、すなわち、ベル入賞の有効停止順を特定可能なコマンドであり、ベルフラグ当選時における各リール51L、51C、51Rの回転時に送信される。
【0138】
リール停止コマンドは、停止したリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの下段に停止した図柄、を特定可能なコマンドであり、各リールが停止される毎に送信される。
【0139】
入賞判定結果コマンドは、入賞の有無、並びに入賞役の種別、入賞時の払出枚数、を特定可能なコマンドであり、全リール停止後に送信される。また、遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常ゲームであるか、BB中であるか等)を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了時に送信される。
【0140】
払出開始コマンドは、入賞によるメダルの払出しが開始した旨を特定可能なコマンドであり、入賞によるメダルの払出しが開始された時に送信される。また、払出終了コマンドは、入賞によるメダルの払出しが終了した旨を特定可能なコマンドであり、入賞によるメダルの払出しが終了した時に送信される。
【0141】
また、本実施例では、特に図示はしないが、ストックゲームのリール停止処理においてBB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃わないように設定されたBB・RB共通ストックゲーム用テーブルが選択されることで、BB入賞またはRB入賞が不可能な状態に制御されるとともに、解除処理において解除条件が成立した場合には、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃うように設定されたBB用テーブルまたはRB用テーブルが選択されることで、BB入賞またはRB入賞が可能な状態に制御されるようになっている。
【0142】
すなわち、BB入賞またはRB入賞を許容する旨を示すBBフラグまたはRBフラグが当選している場合でも、BB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃わないように各リールの停止制御が行われることで、BB入賞またはRB入賞が発生しない状態に制御され、この状態でBBフラグまたはRBフラグの放出条件が成立することで、BB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能にリールの停止制御が行われ、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に制御されるようになっており、このようにすることで、リール停止処理において選択されるリール制御テーブルを変更するのみでBB入賞またはRB入賞を発生可能な状態、または不可能な状態に制御することができるため、制御部510の制御負荷を軽減できる。
【0143】
尚、本実施例では、リール制御テーブルを変更することでBB入賞またはRB入賞を発生可能な状態、または不可能な状態に制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ストックゲーム中の内部抽選処理によるリプレイフラグの当選確率を高く設定し、リプレイフラグに基づくリール制御を優先させることでBB入賞またはRB入賞を発生不可能な状態に制御するようにしてもよい。この際、リプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルとリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが不可能なリール制御テーブルを設け、通常ゲームにおいて内部抽選処理によりリプレイフラグが当選した場合にはリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルを選択し、ストックゲームにおいては、通常ゲームにおいてリプレイフラグが当選する確率に近くなる割合でリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルを選択するとともに、それ以外は、リプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが不可能なリール制御テーブルを選択することが好ましい。このようにすることで、通常ゲームとストックゲームとのリプレイ入賞が近似した割合で発生することとなり、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0144】
また、本実施例のスロットマシン1では、ベル入賞の有効停止順の報知が行われる報知状態、いわゆるアシストタイム(以下ATと称す)に制御することが可能とされている。
【0145】
AT中のゲームでは、通常遊技状態においてベルフラグが当選した場合に、演出用リールLED128L、128C、128R及びリールランプ55L、55C、55Rが制御され、ベルフラグにより許容されるベル入賞により許容されるベル入賞の入賞条件となる有効停止順が報知される。
【0146】
具体的には、特に図示はしないが、各リールの回転状態に応じて演出用リールLED128L、128C、128R並びに各リールに対応するリールランプ55L、55C、55Rの点灯状況が各々変化し、これらによって各リールの有効停止順が報知される。例えば、有効停止順として中−左−右の停止順が振り分けられた場合には、ゲームのスタートとほぼ同時に、中リール51Cに対応する演出用リールLED128C並びにリールランプ55Cが点灯し、中リール51Cの停止を指示する旨が報知される。次いで、最初のリール(第1停止リール(中リール51C))が停止されると、左リール51Lに対応する演出用リールLED128L並びにリールランプ55Lが点灯し、左リール51Lの停止を指示する旨が報知される。次いで、2つ目のリール(第2停止リール(左リール51L))が停止されると、右リール51Rに対応する演出用リールLED128R並びにリールランプ55Rが点灯し、右リール51Rの停止を指示する旨が報知される。
【0147】
遊技者はこれら演出用リールLED128L、128C、128Rやリールランプ55L、55C、55Rの点灯により報知された有効停止順に従った順番にて各リール51L、51C、51Rの停止操作を行うことで、通常遊技状態において当選したベルフラグに基づくベル入賞を全て発生させることが出来るようになっている。すなわち、ATに制御された場合には、ATに制御されていない場合よりも高い確率にてベル入賞を発生させることが出来るようになっている。
【0148】
このようなAT中においては、前述したようにストックゲームの解除条件となるベル入賞を、ベルフラグの内部当選確率とほぼ同じ確率で、すなわち、非AT中に比べて高確率で発生させることが出来、これにより非AT中に比べてストックゲームの解除抽選が高確率で行われることになるため、非AT中に比べてBB入賞またはRB入賞が高確率で発生させることが出来るようになる。
【0149】
具体的には、図12の表図に示されるように、非AT中においては、ベル入賞の発生確率は前述したように1/9となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は高確率モード時で1/45、低確率モード時で1/270であるのに対し、AT中においては、ベル入賞の発生確率はベルフラグの内部当選確率とほぼ同じである1/1.5となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は高確率モード時で1/7.5、低確率モード時で1/45となる。このように、AT中においては、非AT中に比べてベル入賞の発生確率が高まり、引いてはストックゲームの解除抽選が高確率で行われてBB入賞またはRB入賞の発生確率が高まることになる。
【0150】
また、このようなATは、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選したことを契機として演出制御基板501の制御部530が実行するAT抽選処理にて当選した場合に発生するように制御されている。具体的には、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選した旨を特定可能な制御情報を含むスタートコマンドが遊技制御基板501から送信され、該スタートコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した場合に前記AT抽選処理が行われる。
【0151】
本実施例においては、前記AT抽選は乱数値を用いた抽選により行われ、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック状況(持越状況)及びストックゲームのモード状況に応じて定められた当選確率に基づいて当選するか否かが決定されるようになっている。
【0152】
具体的には、AT抽選時において適用するAT用テーブルとしては、図13(a)、(b)に示されるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が、有利度の基準値(個数)である5個未満である時に適用されるAT用テーブルAと、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が5個以上である時に適用されるAT用テーブルBと、を備えており、抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルA、Bのいずれのテーブルを適用するかが決定されるようになっている。抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数及びストックゲームのモード状況は、スタートコマンドの後に遊技制御基板500から送信されるストックコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した時に、該制御部530が受信したストックコマンドに含まれるストック個数情報及びモード状況情報から特定するようになっている。
【0153】
本実施例におけるATは、図13に示されるように、その継続ゲーム回数が10ゲームのAT、20ゲームのAT、30ゲームの3種類があり、これらAT継続ゲーム回数が異なる3種類のいずれかのATが、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック個数、モード別に応じて定められた確率で選択されるようになっている。また、継続ゲーム回数が0ゲームのATとは、すなわち、AT抽選に当選しない場合を示している。
【0154】
本実施例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルAが適用されることになる。AT用テーブルAが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%である。
【0155】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルBが適用されることになる。AT用テーブルBが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0156】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルA、BにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のとき、高確率モード時のATの当選確率が25%、低確率モード時の当選確率が50%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個以上のときは、高確率モード時のATの当選確率が10%、低確率モード時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が低くなっている。
【0157】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの当選確率が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0158】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルA、Bいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの解除確率が低い低確率モード時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの解除確率が高い高確率モード時におけるATの当選確率の方が低くなっている。これにより、ストックゲームの解除確率が高い状態のときには、ATの当選確率が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0159】
さらに、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が多く、かつ、ストックゲームが解除される確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの継続ゲーム回数が少ないATが当選する確率に比べて、継続ゲーム回数が多いATが当選する確率が低くなっている。すなわち、ATが発生しても、実際に特定入賞であるベル入賞の有効停止順が報知されるゲーム数が少なくなり、ベル入賞の有効停止順の報知確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0160】
このように、本実施例におけるスロットマシンにあっては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させることが出来るため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0161】
なお、本実施例では、ストックコマンドの受信を契機として実行されるAT抽選処理においてATの発生及び終了までの継続ゲーム数が決定されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ATの発生条件及び終了条件としてその他の条件を適用するようにしても良く、例えば、抽選対象役をスイカ入賞等の他の小役入賞を許容する旨の内部当選フラグが当選した場合や、いずれの入賞も許容されない場合(いわゆる純外れ)をATの発生条件として適用したり、また、ATの終了条件を終了抽選にて決定したり、予め定められた規定のゲーム数が実行されること、等にしてもよい。
【0162】
また、本実施例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させるようになっていたが、例えば以下に説明する変形例に示されるように、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに解除確率が高い高確率モードである、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させるようにしてもよい。
【0163】
図14には、AT抽選時に適用されるAT用テーブルの変形例が示されている。本変形例においては、AT抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数が、有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルCが適用されることになる。AT用テーブルCが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%である。
【0164】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルDが適用されることになる。AT用テーブルDが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0165】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルA、BにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満のとき、高確率モード時のATの当選確率が25%、低確率モード時の当選確率が10%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上のときは、高確率モード時のATの当選確率が50%、低確率モード時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が高くなっている。
【0166】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である多いとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときほど、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0167】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルC、Dいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの解除確率が低い低確率モード時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの解除確率が高い高確率モード時におけるATの当選確率の方が高くなっている。これにより、ストックゲームの解除確率が高い状態のときには、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0168】
このように、本変形例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知確率)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させることが出来るため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0169】
なお、このようにストックゲームの解除確率が高く、かつ、ATの当選確率が高くなる高確率ゲームは、前述したように所定期間である100ゲーム継続した時点で、再度モードの振分が実行されるようになっているため、解除確率の高い状態が過度に継続してしまうことを回避出来、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0170】
また、前述したようにBBフラグ及びRBフラグの総ストック個数に上限が設けられており、BBフラグ及びRBフラグを合わせて30個以上ストックされることはないため、BBフラグ及びRBフラグが過度に蓄積されるとともに、ATにおける報知確率、すなわち、ベル入賞の発生確率が高い状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0171】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、演出用リールLED128L、128C、128R及びリールランプ55L、55C、55Rの点灯状況により有効停止順の報知が行われたとき、すなわち、AT中のゲームにおいて有効停止順の報知が行われたときには、報知された操作方法に従って各リールの停止操作を行うことによりベル入賞を高確率で発生させることが可能となるばかりか、このベル入賞の発生に基づき解除抽選処理が実行され、BB入賞またはRB入賞の発生が不可能な不可状態に制御されるストックゲームを解除するか否かが決定されることとなるため、BB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態となる可能性も高まる。すなわち、ATに制御されるか否かに応じてベル入賞の発生確率、及びBB入賞またはRB入賞の発生確率の双方の確率に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【0172】
また、本実施例のスロットマシン1では、ベル入賞の発生に基づき解除抽選処理が実行されるようになっている。すなわち、有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作が行われることで、解除抽選処理の契機となるベル入賞を発生させることが可能となるため、ATに制御されるか否かに応じて、一層ベル入賞の発生確率、及びBB入賞またはRB入賞の発生確率に変化を持たせることができる。
【0173】
なお、少なくとも、入賞条件に一致する操作方法にて各リールの停止操作が行われることで入賞が発生する特定入賞の発生により解除抽選処理が行われる構成とする場合、特定入賞として適用する小役入賞にベル入賞以外のスイカ入賞等を適用しても良い。
【0174】
また、本実施例のスロットマシン1では、AT中のゲームにおいて報知されるベル入賞の入賞条件が、有効停止順、すなわち各リールを停止させる順番とされているため、有効停止順が報知された場合には、遊技者の技量に関わりなく容易な操作方法にてベル入賞を発生させることができる。
【0175】
なお、本実施例では、各リールを停止させるためのストップボタンが各リールに対応して各々別個に設けられており、これらストップボタンの停止操作を行う順番により各リールを停止させる順番を選択できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各リールの停止順の組合せに対応する停止順別ストップボタンを設け、この停止順別ストップボタンを選択することにより各リールを停止させる順番を選択できるようにしても良い。
【0176】
また、本実施例では、AT中のゲームにおいて報知されるベル入賞の入賞条件が各リールを停止させる順番とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の範囲に分割された該当するリールの停止タイミングのうちいずれか1つの範囲の停止タイミングを選択し、この選択された停止タイミングにて該当するリールが停止されることを入賞条件として適用するとともに、ATの発生に基づき入賞条件となる停止タイミング、例えば目安となる図柄を報知するようにしても良い。更には、有効停止順と停止タイミングの双方を入賞条件として適用し、ATの発生に基づき入賞条件となる有効停止順及び停止タイミングを報知するようにしても良い。
【0177】
次に、図15〜図18に基づいて、本発明の第2実施例を説明する。
(第2実施例)
前記第1実施例のスロットマシン1においては、ストックゲームの解除条件は、特定入賞であるベル入賞の発生時に行われる解除抽選処理に当選することにて成立するように構成されていたが、本第2実施例におけるスロットマシンにおいては、特定入賞であるベル入賞の発生時に行われる解除抽選処理に当選するか、あるいは、ストックゲームの開始時に行われるストックゲーム継続回数抽選にて決定された所定のストックゲーム回数が実行されることにより解除条件が成立するように構成されている。
【0178】
以下、本第2実施例におけるゲームの流れを図15に基づいて説明すると、まず、通常ゲームにおいて(Sb1)、BBフラグまたはRBフラグ当選すると(Sb2またはSb3)、この当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出される内部当選フラグとして設定されるとともに(Sb4)、ストックゲームの継続ゲーム回数が、継続ゲーム回数抽選にて決定され(Sb5)、BB入賞またはRB入賞が発生不可能に制御されるストックゲームに移行する(Sb6)。
【0179】
このストックゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選すると(Sb7またはSb8)、これら当選したBBフラグまたはRBフラグがストックされるとともに(Sb10)、既にストックされている場合には、既にストックされているBBフラグやRBフラグとは別個にストックされる。
【0180】
また、ストックゲームにおいてベル入賞が発生したときには(Sb9)、ストックゲームを解除するか否か、すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に移行するか否かを決定するための解除抽選を実行する(Sb12)。
【0181】
Sb12のステップにおける解除抽選では、予め定められた当選確率(本実施例では1/30)にてストックゲームを解除するか否かの抽選が行われるようになっており、この解除抽選に当選した場合、すなわち、ストックゲームを解除すると決定された場合には(Sb14)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態に移行する(Sb15)。また、Sb12のステップにおける解除抽選において当選しなかった場合、すなわち、ストックゲームを解除しないと決定された場合にはSb6のステップに戻ってストックゲームが継続される。
【0182】
また、ストックゲームが、前記継続ゲーム回数抽選にて決定された継続ゲーム回数に到達した時点で(Sb11)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態に移行する(Sb15)
【0183】
Sb15のステップにおいて、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には(Sb16)、次回のストックゲームの継続ゲーム回数を決定する(Sb18)。また、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には(Sb17)、次回のストックゲームの継続ゲーム回数の決定は行われない。
【0184】
解除状態(Sb15〜Sb18)では、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に制御されるようになっており、この状態においてBB入賞またはRB入賞が発生することで(Sb19またはSb20)、BBまたはRBが発生し(Sb21またはSb22)、放出された内部当選フラグはクリアされる。
【0185】
BBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうち、ストックゲームが解除された際に放出された内部当選フラグを次回放出する内部当選フラグとして設定した後(Sb23)、再びストックゲームに移行する。このストックゲームでは、前回ストックゲームが解除された際に決定された継続ゲーム回数に応じて定められた当選確率にて前記解除抽選が行われることとなる。
【0186】
尚、Sb22のステップにおけるBBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には、通常ゲーム(Sb1)に移行する。
【0187】
このように本実施例では、継続ゲーム回数抽選処理にて決定された継続ゲーム回数のストックゲームが実行された場合、または、ベル入賞の発生に基づいて行われる解除抽選に当選した場合においてストックゲームが解除されるようになっている。なお、本実施例における継続ゲーム回数抽選処理においては、0〜750ゲームのうちのいずれかのゲーム回数がそれぞれ均等の確率(1/750)に基づいて決定されるようになっている。
【0188】
また、本第2実施例におけるスロットマシンにおいても、前記第1実施例と同様に、ベル入賞の有効停止順の報知が行われる報知状態、いわゆるアシストタイム(以下ATと称す)に制御することが可能とされている。なお、このAT中における報知状況は前記第1実施例と同様のため、ここでの説明は省略することとする。
【0189】
遊技者は前記第1実施例にて説明したように、演出用リールLED128L、128C、128Rやリールランプ55L、55C、55Rの点灯により報知された有効停止順に従った順番にて各リール51L、51C、51Rの停止操作を行うことで、通常遊技状態において当選したベルフラグに基づくベル入賞を全て発生させることが出来るようになっている。すなわち、ATに制御された場合には、ATに制御されていない場合よりも高い確率にてベル入賞を発生させることが出来るようになっている。
【0190】
このようなAT中においては、前述したようにストックゲームの解除条件となるベル入賞を、ベルフラグの内部当選確率とほぼ同じ確率で、すなわち、非AT中に比べて高確率で発生させることが出来、これにより非AT中に比べてストックゲームの解除抽選が高確率で行われることになるため、非AT中に比べてBB入賞またはRB入賞が高確率で発生させることが出来るようになる。
【0191】
具体的には、図16の表図に示されるように、非AT中においては、ベル入賞の発生確率は前述したように1/9となり、本実施例における解除確率は1/30であることからストックゲームの実質的な解除確率は1/270となるのに対し、AT中においては、ベル入賞の発生確率はベルフラグの内部当選確率とほぼ同じである1/1.5となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は1/45となる。このように、AT中においては、非AT中に比べてベル入賞の発生確率が高まり、引いてはストックゲームの解除抽選が高確率で行われてBB入賞またはRB入賞の発生確率が高まることになる。
【0192】
また、このようなATは、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選したことを契機として演出制御基板501の制御部530が実行するAT抽選処理にて当選した場合に発生するように制御されている。具体的には、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選した旨を特定可能な制御情報を含むスタートコマンドが遊技制御基板501から送信され、該スタートコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した場合に前記AT抽選処理が行われる。
【0193】
本実施例においては、前記AT抽選は乱数値を用いた抽選により行われ、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック状況(持越状況)及び決定されているストックゲーム継続回数に応じて定められた当選確率に基づいて当選するか否かが決定されるようになっている。
【0194】
具体的には、AT抽選時において適用するAT用テーブルとしては、図17(a)、(b)に示されるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が所定の個数である5個未満である時に適用されるAT用テーブルEと、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が、有利度の基準値(個数)である5個以上である時に適用されるAT用テーブルFと、を備えており、抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルE、Fのいずれのテーブルを適用するかが決定されるようになっている。抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数及びストックゲーム継続回数は、スタートコマンドの後に遊技制御基板500から送信されるストックコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した時に、該制御部530が受信したストックコマンドに含まれるストック個数情報及びストックゲーム継続回数情報から特定するようになっている。
【0195】
本実施例におけるATは、図17に示されるように、その継続ゲーム回数が10ゲームのAT、20ゲームのAT、30ゲームの3種類があり、これらAT継続ゲーム回数が異なる3種類のいずれかのATが、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック個数、ストックゲーム継続回数別に応じて定められた確率で選択されるようになっている。また、報知が行われるATの継続ゲーム回数が0ゲームのATとは、すなわち、AT抽選に当選しない場合を示している。
【0196】
本実施例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルEが適用されることになる。AT用テーブルEが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%である。
【0197】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルFが適用されることになる。AT用テーブルFが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0198】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルE、FにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のとき、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が25%、101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が50%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個以上のときは、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が10%、101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が低くなっている。
【0199】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0200】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルE、Fいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの継続回数が多いゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの継続回数が少ないゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率の方が低くなっている。これにより、ストックゲームが解除されるまでに多くのゲームの実行を要する状態のときにはATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0201】
さらに、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上であり、かつ、少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの継続ゲーム回数が少ないATが当選する確率に比べて、継続ゲーム回数が多いATが当選する確率が低くなっている。すなわち、ATが発生しても、実際に特定入賞であるベル入賞の有効停止順が報知されるゲーム数が少なくなり、ベル入賞の有効停止順の報知割合が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0202】
このように、本第2実施例におけるスロットマシンにあっては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させることが出来るため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0203】
また、本第2実施例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知確率)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させるようになっていたが、例えば以下に説明する変形例に示されるように、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態である、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させるようにしてもよい。
【0204】
図18には、AT抽選時に適用されるAT用テーブルの変形例が示されている。本変形例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルGが適用されることになる。AT用テーブルGが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、ストックゲーム継続回数が100〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%である。
【0205】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルHが適用されることになる。AT用テーブルHが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0206】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルG、HにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のとき、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が25%、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が10%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個以上のときは、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が50%、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が高くなっている。
【0207】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が多いとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときほど、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0208】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルG、Hいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの継続回数が多いゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの継続回数が少ないゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率の方が高くなっている。これにより、少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態のときには、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0209】
このように、本変形例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させることが出来るため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0210】
また、前述したようにBBフラグ及びRBフラグの総ストック個数に上限が設けられており、BBフラグ及びRBフラグを合わせて30個以上ストックされることはないため、BBフラグ及びRBフラグが過度に蓄積されるとともに、ATにおける報知確率、すなわち、ベル入賞の発生確率が高い状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0211】
詳しくは、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に上限が設けられていない場合、例えば特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合を設定する際の基準値とするBBフラグ及びRBフラグのストック個数を前記実施例のように5個とした場合において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が例えば20個近以上に達してしまった場合、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記基準値である5個以下となる状況が発生しにくくなる。すなわち、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合の変動が起こりにくくなり、常に同じような報知割合で報知が行われて遊技が単調なものとなってしまう恐れがあるからである。
【0212】
また、上記各実施例においては、ATの対象役とされているベル入賞(特定入賞)の発生に関連して、詳しくはベル入賞が発生したときに行われるストックゲームの解除抽選に当選することでストックゲームが解除されるようになっていたが、ストックゲームの解除条件を特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立させるようにする場合、例えば、特定入賞であるベル入賞の発生履歴に応じてストックゲームが解除されるようにしてもよい。
【0213】
具体的には、例えば所定期間中(例えばBB終了後100ゲーム以内等)におけるベル入賞の発生回数が所定回数(例えば20回)に達することでストックゲームが解除されるようにしてもよいし、あるいは、ベル入賞が所定回数(例えば5回)連続して発生することでストックゲームが解除されるような構成としてもよい。
【0214】
このように特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して不可状態(ストックゲーム)が解除されるように構成する、すなわち、不可状態(ストックゲーム)の解除条件が特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立するようにすることで、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合が高まるほどストックゲームが高確率で解除されることになるため、適度に射幸性を高めることができる。すなわち、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合に応じて、BB入賞またはRB入賞の発生状況が変動することになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができる。
【0215】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0216】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(ゲーム用リール51L、51C、51R(左リール、中リール、右リール))の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞(BB入賞、RB入賞、リプレイ入賞、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞)が発生可能とされたスロットマシン(1)であって、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための停止操作手段(ストップボタン40L、40C、40R)と、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報(内部当選フラグ)を設定する事前決定手段(内部抽選処理)と、
特別入賞(BB入賞、RB入賞)が発生したときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB、RB)を発生させる特別遊技状態発生手段(遊技状態更新処理による遊技状態の移行処理)と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された前記特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すとともに、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報(BBフラグ、RBフラグ)を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段(BB・RB共通ストックゲーム用テーブルに基づくリール停止処理)と、
所定の解除条件が成立(ベル入賞の発生時に行う解除抽選に当選、設定されたストックゲーム数を実行)したときに、前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段(BB用テーブル、RB用テーブルに基づくリール停止処理)と、
を備え、
前記入賞は、前記事前決定手段により発生が許容され、かつ前記停止操作手段により所定の入賞条件(有効停止順)に適合する操作が行われることにより発生する特定入賞(ベル入賞)を含み、
前記事前決定手段により前記特定入賞の発生が許容されたときに、前記所定の入賞条件に適合する操作方法を報知可能な入賞条件報知手段(制御部530、演出用リールLED128L、128C、128R、リールランプ55L、55C、55R)と、
前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)に応じて、前記入賞条件報知手段による前記所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動させる報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)と、
を備える。
【0217】
本発明の請求項2は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報(BBフラグ、RBフラグ)の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度に応じて前記報知割合を変動させる。
【0218】
本発明の請求項3は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報(BBフラグ、RBフラグ)の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を低下させる。
【0219】
本発明の請求項4は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を向上させる。
【0220】
本発明の請求項5は、前記不可状態制御手段(BB・RB共通ストックゲーム用テーブルに基づくリール停止処理)は、前記解除条件の成立確率が異なる複数種類の不可状態(高確率モード、低確率モード)に制御可能であり、
前記解除条件の成立確率が所定確率以上の不可状態(高確率モード)が所定期間(100ゲーム)継続したときに、前記不可状態の種類を変更するか否かを決定する不可状態変更決定手段(ストックゲーム処理におけるモード振分)と、
前記不可状態変更手段が前記不可状態の種類を変更すると決定したときに、前記不可状態の種類を選択し、該選択した不可状態に変更する不可状態変更手段(ストックゲーム処理におけるモード振分)と、を備える。
【0221】
本発明の請求項6は、遊技の制御を行うメイン制御手段(遊技制御基板500の制御部510)と、
該メイン制御手段から送信された制御情報(コマンド)の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段(演出制御基板501の制御部530)と、を備え、
前記メイン制御手段は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況を前記サブ制御手段に対して送信するとともに、
前記サブ制御手段は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)を含み、該報知割合変動手段は、前記メイン制御手段から受信した制御情報(ストックコマンド)により識別される前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて前記報知割合を変動させる。
【0222】
本発明の請求項7は、前記所定の解除条件(ストックゲームの解除抽選に当選)は、前記特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立する。
【0223】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0224】
例えば、上記各実施例におけるストックゲームは、次回放出可能なBBフラグやRBフラグが設定されていても、リール振分処理により外れ用のリール制御テーブルが選択されるようになっていることで、BBフラグに基づくBB入賞やRBフラグに基づくRB入賞が発生しないように、すなわち、不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が不可能に制御されている不可状態の一例として説明されていたが、本発明においては、不可状態制御手段による不可状態の制御が解除されていない状態において、特別入賞の発生が困難、すなわち、特別入賞が発生する確率が極めて低くなるように制御されるように構成されているものも含まれる。
【0225】
このような不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が困難に制御される不可状態は、例えば上記各実施例のストックゲーム中において、通常遊技状態に比較していずれかの入賞、例えばリプレイ入賞が高確率(例えば約1/1.1の確率)で発生するとともに、いずれの入賞にも対応しない外れが極めて低確率(例えば約1/10000)で発生しうるような内部当選確率テーブルを適用し、リプレイ入賞がBB入賞やRB入賞よりも優先して発生するようなリール制御を実施することでBB入賞やRB入賞の発生を困難な状態を構成することが出来る。この場合、内部抽選によりいずれの入賞も内部当選しなかった場合(外れ)においては、BB入賞やRB入賞に対応する図柄の組み合わせを揃えることが可能なリール制御が実施されるため、BB入賞やRB入賞の発生が可能な状態となるが、いずれの入賞も内部当選しない確率が極めて低いため、実際にはBB入賞やRB入賞を発生させることが困難な状態となる。
【0226】
また、不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が困難に制御される状態は、例えば、BB入賞やRB入賞を発生させるための入賞操作条件を設定することでも構成することが出来る。例えば入賞操作条件を、ストップボタン40L、40C、40Rの押し順(有効停止順)と、入賞ライン上に揃えるBB入賞やRB入賞に対応する図柄の組み合わせの種類と、が合致することとした場合、押し順及び図柄の組み合わせの種類が合致すればBB入賞やRB入賞の発生が可能な状態となるが、押し順や図柄の組み合わせの種類をそれぞれ複数とすることで、それら複数の押し順や図柄の組み合わせの種類のうちから、入賞操作条件に適合する押し順、及び入賞操作条件に適合する図柄の組み合わせの種類、の両者がそれぞれ入賞操作条件に合致する確率は極めて低いため、実際にはBB入賞やRB入賞を発生させることが困難な状態となる。さらに、このような入賞操作条件は前記押し順や図柄の組み合わせの種類等以外にも設定可能であり、例えばBB入賞に対応する図柄の組み合わせは1種類でも、入賞操作条件に合致する特別図柄を、各リールに複数配列されたうちのいずれか1つの特別図柄としたりすること等、種々に設定可能である。
【0227】
また、前記各実施例では、AT抽選時において、該AT時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満に適用するAT抽選用テーブルと、5個以上の場合に適用するAT抽選用テーブルと、を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばストック個数の基準値を複数設け、これら複数の基準値を基準として複数の異なる当選確率を有するAT用テーブルを適用するようにしてもよい。具体的には、基準値を5個、10個とした場合、ストック個数が1〜5個までの場合のAT用テーブルと、6〜10個までの場合のAT用テーブルと、11〜30個までの場合のAT用テーブルと、を用意すれば、ストック個数の状況に応じてより細かくATの当選確率を設定することが出来る。
【0228】
また、上記各実施例では、BBフラグ及びRBフラグの総ストック個数状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合が変動するようになっていたが、例えばBBフラグまたはRBフラグのうちのいずれか一方のストック個数に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させたり、あるいはBBフラグとRBフラグとのストック個数の比率に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させてもよい。
【0229】
さらに本発明にあっては、設定情報(BBフラグ及びRBフラグ)の持越(ストック)に関する状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させることが出来るようになっていれば、ストックされているBBフラグやRBフラグの個数状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させるものに限定されるものではなく、ストックされているフラグに基づく入賞の発生により遊技者が獲得しうる価値(メダル枚数等)の大きさ等に応じて、ベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させるようにしてもよい。
【0230】
また、上記各実施例においては、ストックゲームにおいて決定される解除条件の成立状況(ベル入賞時に行う解除抽選の当選確率やストックゲーム継続回数)に応じてベル入賞の有効停止順の報知割合(AT継続ゲーム回数)を変動させるようになっていたが、本発明は不可状態(ストックゲーム)の解除に関する状況に応じてベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるようになっていればよく、例えば、前記解除抽選の実施回数が増加するに従ってベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるようにしたり、あるいは、ストックゲーム中における実行ゲーム回数が、前記解除条件として設定されたストックゲーム継続回数に近づくにつれてベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるものも本発明に含まれる。
【0231】
また、前記各実施例では、特別遊技状態としてBBやRBを適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態であれば良く、前述したAT(アシストタイム)や、リプレイが高確率で入賞可能とされたRT(リプレイタイム)、リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)、シングルボーナスや小役の入賞確率が高確率となる集中ゲーム、更にはこれらの遊技状態を組み合わせた状態、例えばATとRTを組み合わせたART(アシストリプレイタイム)等の遊技状態を本発明における特別遊技状態として適用しても良い。
【0232】
また、前記実施例では、入賞条件を満たす操作方法にて各リールの停止操作が行われることにより入賞が発生するベル入賞が発生したときのみ解除抽選処理が実行されるようになっているが、その他の契機(例えば、小役入賞を許容する旨の内部当選フラグが当選した場合や小役入賞が発生したとき等)においても解除抽選処理を実行するようにしても良く、このようにすることで、AT以外の状態でもBB入賞またはRB入賞の発生に対する遊技者の期待感を維持することができる。
【0233】
また、前記実施例では、ATの発生及び終了の決定やATの発生に伴うベル入賞の入賞条件の報知制御を演出制御基板501の制御部530が遊技制御基板500から送信されるコマンドに基づいて行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの制御を遊技制御基板500の制御部510が行うようにしても良い。
【0234】
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
【0235】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0236】
(a)請求項1項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することとなる。すなわち、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に関連して特定入賞の発生確率を変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0237】
(b)請求項2項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することになるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0238】
(c)請求項3項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を低下させることができるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0239】
(d)請求項4項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を向上させることでゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0240】
(e)請求項5項の発明によれば、解除条件の成立確率が高い不可状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0241】
(f)請求項6項の発明によれば、入賞条件の報知制御や報知割合を変動させるための制御がサブ制御手段により行われるため、メイン制御手段の制御負荷を軽減できる。
【0242】
(g)請求項7項の発明によれば、入賞条件報知手段による報知割合に応じて特定入賞の発生確率及び特別入賞の発生確率の双方に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1実施例としてのスロットマシンを示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの内部構造図である。
【図3】本実施例のスロットマシンの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例のスロットマシンにおける回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例のスロットマシンにおける各リールの図柄配列を示す図である。
【図6】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において入賞の対象となる図柄の組合せ等を示す図である。
【図7】ベル入賞の入賞条件となる有効停止順の振分率を示す図である。
【図8】モード別のストックゲーム解除確率を示す図である。
【図9】本実施例のスロットマシンにおける遊技の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施例のスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの一例及びその内容を示す図である。
【図12】非AT中及びAT中におけるストックゲームの解除確率を比較した図である。
【図13】(a)はAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用されるAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用されるAT用テーブルを示す図である。
【図14】同じく(a)はAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示す図である。
【図15】本発明の第2実施例としてのスロットマシンにおける遊技の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2実施例としてのスロットマシンにおいて、非AT中及びAT中におけるストックゲームの解除確率を比較した図である。
【図17】(a)は本発明の第2実施例としてのスロットマシンが行うAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用されるAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用されるAT用テーブルを示す図である。
【図18】同じく(a)は本発明の第2実施例としてのスロットマシンが行うAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
40L、40C、40R ストップボタン
51L、51C、51R ゲーム用リール
128L、128C、128R 演出用リールLED
500 遊技制御基板
501 演出制御基板
510 制御部
512 RAM
530 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特にはビッグボーナス等の特定入賞の発生を許容する旨の決定情報、いわゆる内部当選フラグを次ゲーム以降に持ち越すことが可能なスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンでは、可変表示装置に導出表示された表示結果が、予め定められた入賞態様となった場合に入賞が発生する。これら入賞が発生するか否かは、表示結果が導出表示される以前に行われる内部抽選により決定される。詳しくは、この内部抽選に当選することでその旨を示す内部当選フラグ(決定情報)を設定するとともに、内部当選フラグが設定されていることを条件に、この内部当選フラグにより許容された入賞が発生可能とされている。
【0003】
近年においては、ビッグボーナス入賞等、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための特別入賞の発生を許容する旨を示す内部当選フラグを、次ゲーム以降に持ち越すとともに、更に内部当選フラグが持ち越されている状態でも、内部抽選により特別入賞の発生を許容すると決定された場合には、既に持ち越されている内部当選フラグとは別個に新たに当選した内部当選フラグを持ち越すことができる、すなわち複数の内部当選フラグを持ち越し可能とし、かつ内部当選フラグが持ち越されている場合に、これら内部当選フラグにより許容される特別入賞を発生させることが不可能または困難な状態に制御するとともに、この状態が解除されることで特別入賞を発生できるようにしたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、一方で内部抽選により入賞の発生が許容され、かつ入賞条件に一致する操作方法にて可変表示装置の停止操作が行われることにより発生する入賞を備えるとともに、その入賞条件に一致する操作方法を報知する入賞条件報知機能を備えるスロットマシン、すなわち入賞条件を報知するか否かにより入賞確率に変化を持たせたスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−219212号公報(第1頁)
【特許文献2】
特許登録第3302975号公報(第3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内部的に発生が許容されている特別入賞が発生不可能または困難な状態に制御されるスロットマシンにおいて、よりゲーム性を高めることが可能なスロットマシンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための停止操作手段と、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段と、
特別入賞が発生したときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された前記特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すとともに、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段と、
所定の解除条件が成立したときに、前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段と、
を備え、
前記入賞は、前記事前決定手段により発生が許容され、かつ前記停止操作手段により所定の入賞条件に適合する操作が行われることにより発生する特定入賞を含み、
前記事前決定手段により前記特定入賞の発生が許容されたときに、前記所定の入賞条件に適合する操作方法を報知可能な入賞条件報知手段と、
前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて、前記入賞条件報知手段による前記所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動させる報知割合変動手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することとなる。すなわち、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に関連して特定入賞の発生確率を変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
また、本発明の特別遊技状態とは、例えば入賞の発生により遊技者に付与される価値が該特別遊技状態以外の状態に比べて高くなる遊技状態である。
また、不可状態制御手段による「特別入賞の発生が困難な不可状態」とは、特別入賞が発生する確率が極めて低くなるように制御されている状態である。
また、不可状態解除手段は、不可状態において特別入賞の発生が不可能に制御されている場合に、所定の解除条件の成立により不可状態を解除して特別入賞の発生が可能な可状態とし、不可状態において特別入賞の発生が困難に制御されている場合に、所定の解除条件の成立により不可状態を解除して特別入賞の発生が容易な可状態とする。
【0008】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて前記報知割合を変動させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することになるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0009】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を低下させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を低下させることができるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0010】
本発明のスロットマシンの前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を向上させることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を向上させることでゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0011】
本発明のスロットマシンの前記不可状態制御手段は、前記解除条件の成立確率が異なる複数種類の不可状態に制御可能であり、
前記解除条件の成立確率が所定確率以上の不可状態が所定期間継続したときに、前記不可状態の種類を変更するか否かを決定する不可状態変更決定手段と、
前記不可状態変更手段が前記不可状態の種類を変更すると決定したときに、前記不可状態の種類を選択し、該選択した不可状態に変更する不可状態変更手段と、を備えることが好ましい。
このようにすれば、解除条件の成立確率が高い不可状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0012】
本発明のスロットマシンは、遊技の制御を行うメイン制御手段と、
該メイン制御手段から送信された制御情報の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況を前記サブ制御手段に対して送信するとともに、
前記サブ制御手段は、前記報知割合変動手段を含み、該報知割合変動手段は、前記メイン制御手段から受信した制御情報により識別される前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて前記報知割合を変動させることが好ましい。
このようにすれば、入賞条件の報知制御や報知割合を変動させるための制御がサブ制御手段により行われるため、メイン制御手段の制御負荷を軽減できる。
【0013】
本発明のスロットマシンの前記所定の解除条件は、前記特定入賞の発生に関連して成立することが好ましい。
このようにすれば、入賞条件報知手段による報知割合に応じて特定入賞の発生確率及び特別入賞の発生確率の双方に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【0014】
また、本発明のスロットマシンの前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越個数であることが好ましい。
このようにすれば、決定情報持越手段による決定情報の持越個数に関連して特定入賞の発生確率を変動させることができる。
さらにこの場合、本発明のスロットマシンの前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越個数に上限が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、決定情報の持越個数に上限を設けることで、決定情報が過度に蓄積され、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できるばかりか、例えば入賞条件報知手段による報知割合を所定の持越個数を基準として変動させる場合において、持越個数が前記基準とした持越個数を大幅に上回った状態が継続し続けることで報知割合が変動されにくくなって、ゲーム性が単調となるのを防止出来る。
【0015】
また、本発明のスロットマシンは、前記不可状態制御手段による前記不可状態の解除確率を複数の異なる確率から選択する解除確率選択手段と、
前記解除確率選択手段により選択された解除確率に応じて前記不可状態を解除するか否かを決定する解除決定手段と、を備え、
前記解除条件は、前記解除決定手段により前記不可状態を解除すると決定されることにて成立するとともに、
前記不可状態の解除に関する状況は、前記解除確率選択手段により選択された解除確率であることが好ましい。
このようによれば、解除確率選択手段により選択された解除確率に応じて不可状態が解除される確率、すなわち特別入賞が発生可能な状態となる確率が変化することに加えて、入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合も変化することとなる。すなわち不可状態が解除される確率に関連して特定入賞の発生確率も変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0016】
また、本発明のスロットマシンは、前記不可状態の制御が実行されるゲーム数を複数の異なるゲーム数から選択する不可ゲーム数選択手段を備え、
前記解除条件は、前記不可状態に制御された状態において、前記不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数のゲームが実行されることにて成立するとともに、
前記不可状態の解除に関する状況は、前記不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数であることが好ましい。
このようによれば、不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数に応じて不可状態が解除されるまでのゲーム数、すなわち特別入賞が発生可能な状態となるまでのゲーム数が変化することに加えて、入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合も変化することとなる。すなわち不可ゲーム数選択手段により選択されたゲーム数に関連して特定入賞の発生確率も変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
まず、図1、図2を参照してスロットマシンの概略構成について説明する。図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の筐体2内を示す正面図である。本実施例におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体2と、この筺体2の側端に回動自在に枢支された前面扉3と、から構成されており、前面扉3の裏面に設けられた施錠装置(図示略)の鍵穴4aに挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉3を開放することができるようになっている。
【0019】
前面扉3の前面上端部には、遊技効果LED130(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部41が左右方向に延びるように設けられているとともに、左右側端部には、遊技効果LED131(図3参照)が内蔵された発光部としての遊技効果LED部42L、及び遊技効果LED132(図3参照)が内蔵された発光部としての遊技効果LED部42Rが、前面扉3の上部から下部にわたって一連に設けられている。これら遊技効果LED部41、42L、42Rにより囲まれた前面扉3の前面には、役構成等が印刷された上部パネル5、各種表示部が形成された遊技パネル6、タイトル等が印刷された下部パネル7が各々設けられている。なお、下部パネル7の内部には表示面を後方から照らす蛍光灯139(図3参照)が内蔵されている。下部パネル7の下方には、メダル払出穴9から払出されるメダルを受け入れるメダル受皿10が突設されており、該メダル受皿10の左側には灰皿13が設けられている。
【0020】
遊技パネル6と下部パネル7の間には、操作部8が遊技パネル6よりも前方に膨出するように形成されており、この操作部8には、遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や、各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられている。
【0021】
上部パネル5の左右側には、内部に設けられる高音スピーカ136L、136R(図3参照)から出力される音を放音する放音部12L、12Rがそれぞれ設けられているとともに、これら左右の放音部12L、12Rの間には、上部パネル5の後面に設けられる演出用リール91L、91C、91Rを透視するための透明な演出用透視窓11が印刷形成されている。
【0022】
この演出用透視窓11から視認できる各演出用リールの領域を、各演出用リールに対応させて左可変表示部92L、中可変表示部92C、右可変表示部92R(領域)と呼ぶ。この演出用可変表示部としての各可変表示部92L、92C、92Rからは、各演出用リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0023】
遊技パネル6には、筐体2に内設された後述するゲーム用リール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、各種表示部16〜33と、がそれぞれ印刷形成されている。
【0024】
遊技パネル6に設けられた各種表示部のうち、クレジット表示部31は、内蔵されたクレジット表示器109(図3参照)によりクレジットが表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数である。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
【0025】
ゲーム回数表示部32は、後述するビッグボーナス(以下BBと略称する)中に提供されるビッグボーナスゲーム(以下BBゲームと略称する)の残回数や、後述するレギュラーボーナス(以下RBと略称する)の残回数等が内蔵されたゲーム回数表示器108(図3参照)により表示される。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。
【0026】
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数が入賞がある毎に、内蔵されたペイアウト表示器110(図3参照)により表示される。さらに、本実施例におけるスロットマシン1は、予め定められた入賞確率の値を例えば6つのパターンの設定値として記憶しており、前記ペイアウト表示部33には、この設定値が前記ペイアウト表示器110により表示されるようになっている。
【0027】
1〜3枚賭け表示部46〜48は、内蔵された1〜3枚賭けLED111〜113(図3参照)が、遊技者がゲームに賭数を設定した場合にその賭数に応じて点灯する。
【0028】
リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイLED114(図3参照)が点灯する。スタート表示部28は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートLED115(図3参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示LED117(図3参照)が点滅し、メダルを受付不可能な状態である場合に消灯する。
【0029】
ウェイト表示部29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトLED116(図3参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。
【0030】
演出用表示部16〜25のうち演出用表示部17〜20は、リプレイ表示部27、ウェイト表示部29、スタート表示部28、投入指示表示部30と、演出用表示部21〜25は、1〜3枚賭け表示部46〜48と、各々同様に機能する表示部であり、これら各表示部に内蔵されたLED111〜117の点灯/消灯に応じて、各々対応する演出用表示部17〜25に内蔵された演出用ランプ141〜149(図3参照)が点灯/消灯する。また、演出用表示部16は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の発生が許容されている場合に、その内部に内蔵された演出用ランプ140(図3参照)が点灯するようになっており、ボーナス告知表示部として機能する。
【0031】
操作部8の上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、上面左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
【0032】
1枚BETボタン36aは、クレジットを使用してメダルを1枚分賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットの範囲内で賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36aの表面には、該当する賭数である「1」の数字が刻設されているとともに、MAXBETボタン36bの内部には、MAXBETボタンLED121が内蔵されており(図3参照)、これらのMAXBETボタンLED121は、MAXBETボタン36bの操作により賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。なお、1枚BETボタン36aの操作は内蔵された1枚BETスイッチ100に、また、MAXBETボタン36bの操作は内蔵されたMAXBETスイッチ101(図3参照)にて検出される。
【0033】
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作は、内蔵された精算スイッチ104(図3参照)にて検出され、クレジットとして記憶されている枚数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
【0034】
操作部8の前面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することにより、その操作が内蔵されたスタートスイッチ102(図3参照)にて検出されリールユニット50の各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
【0035】
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、その操作は内蔵されたストップスイッチ103L、103C、103R(図3参照)にて検出されるようになっている。また、ストップボタン40L、40C、40Rの内部には操作有効LED122L、122C、122Rが、それぞれ内蔵されており(図3参照)、これら操作有効LED122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。
【0036】
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
【0037】
前面扉3の後面には、メダル投入部34から投入された正規なメダルのみを後述するホッパータンク57aに導く投入メダルセレクタ(図示略)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、この投入メダルセレクタにより振り分けられて、メダル返却通路部材(図示略)を介してメダル払出穴9から返却される。
【0038】
前記投入メダルセレクタ(図示略)の下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする流路切替ソレノイド107(図3参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、この状態において流下するメダルは投入メダルセンサ106(図3参照)により検出された後、メダル誘導樋(図示略)を流下してホッパータンク57a内に貯留されるようになっている。また、メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わって、メダル返却通路部材(図示略)を介してメダル払出穴9から返却される。
【0039】
図2に示されるように、筐体2内上部には、後述する遊技制御基板500が収容された遊技制御基板ボックス350が背板に固設されている。その側方には、遊技制御基板500から出力されるコマンド等を外部に出力するための外部出力基板505が取り付けられている。
【0040】
筐体2内略中央部には、複数種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51R(可変表示装置)が並設されたリールユニット50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、透視窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
【0041】
透視窓14から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部49L、中可変表示部49C、右可変表示部49R(領域)と呼ぶ(図1参照)。この遊技用可変表示部としての各可変表示部49L、49C、49Rからは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0042】
各リール51L、51C、51Rには、それぞれのリールの回転基準位置を検出するリールセンサ56L、56C、56Rが備えられており、このリールセンサ56L、56C、56Rにより所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55L、55C、55Rがそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55L、55C、55Rは、透視窓14に表示される各図柄を後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
【0043】
リールユニット50の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57aを有するホッパーユニット57が設けられている。また、ホッパーユニット57の右側にはホッパータンク57aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能なフルセンサ60a、60bが設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを検出できるようになっている。
【0044】
ホッパーユニット57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57a内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出しメダルセンサ61により検出された後、前面扉3の後面に設けられた図示しないメダル返却通路部材に合流した後にメダル払出穴9から払い出される。
【0045】
ホッパーユニット57の側方には、メイン電源をon/offするメインスイッチ部66と、エラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットする操作、及び入賞確率を変更可能とする操作を可能な設定/リセットボタン67と、自動精算機能をon/offする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/offする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられるとともに、電源基板502(図3参照)が内蔵された電源ユニット65が配設されている。
【0046】
本実施例では、設定キー挿入部70のon/off状態に関わらず、電源投入を行うことにより、その時点での自動精算選択スイッチ部68及び打止め選択スイッチ部69の状態にて設定されるとともに、設定/リセットボタン67がリセットボタンとして機能することになる。また、縦長長方形状の設定キー挿入部70が鉛直方向に対して左斜め45度のoffの状態で特定のキーを挿入してから時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、設定キースイッチ82(図3参照)のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわち、遊技制御基板500内に設けられたRAM512(図4参照)の記憶内容の初期化が実行されるとともに、設定/リセットボタン67が設定ボタンとして機能することになり、この設定/リセットボタン67の操作により入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。
【0047】
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
【0048】
ゲームを開始する場合は、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すれば良い。
【0049】
遊技者により賭数が「1」に設定されると、図1に示される入賞ラインL1が有効となり、賭数が「2」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’が有効となり、賭数が「3」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’が有効となる。
【0050】
そして少なくとも「1」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0051】
尚、このような賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数も任意に設定変更可能である。
【0052】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。各リール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、この状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部49L、49C、49Rの上、中、下段に図柄が表示される。
【0053】
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、一定時間が経過した時点で自動的に各リール51L、51C、51Rの回転が順次停止する。
【0054】
そして全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが表示された場合は入賞となり、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出される。また、クレジットが上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9から払い出される。
【0055】
また、特に予め定められた特別図柄の組合せが表示されて大当たり入賞した場合にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)(特別遊技状態)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
【0056】
尚、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
【0057】
次に、スロットマシン1の構成を以下説明する。図3はスロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図4は遊技制御基板500に設けられた遊技制御手段としての制御部510の構成及び演出制御基板501に設けられた演出制御手段としての制御部530の構成を説明するためのブロック図である。
【0058】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板500によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板501によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板502にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板502には、外部電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
【0059】
遊技制御基板500は、演出制御基板501、電源基板502、リール中継基板503、外部出力基板505、操作部中継基板507と配線接続されており、演出制御基板501は、ドアベース中継基板506、演出用中継基板509と配線接続されているとともに、演出用中継基板509には、リールランプ中継基板504、演出用ランプ中継基板508が接続されている。
【0060】
遊技制御基板500の制御部510は、遊技状態がRBであることを示すRB中信号や、遊技状態がBBであることを示すBB中信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により払出されたメダルを示すメダルOUT信号、などを外部出力基板505からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。尚、外部出力基板505から外部に出力される信号のうち、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、ストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号であり、リール制御信号は、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するための制御信号(モータ位相信号)である。
【0061】
これら外部出力基板505から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。
【0062】
遊技制御基板500には、操作部中継基板507を介して各種のスイッチ100〜105、センサ106、LED111〜122、及び表示器108〜110等、各種部品107からの配線が接続されている。
【0063】
電源基板502に配線接続された設定/リセットスイッチ81、設定キースイッチ82、メインスイッチ80、フルセンサ60a、60b、払出しメダルセンサ61、ホッパーモータ62、は、電源基板502によって中継されて遊技制御基板500と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板500の制御部510に入力される。
【0064】
リール中継基板503に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56L、56C、56Rは、リール中継基板503によって中継されて遊技制御基板500に配線接続されており、リールセンサ56L、56C、56Rの検出信号は、遊技制御基板500の制御部510に入力される。
【0065】
遊技制御基板500に操作部中継基板507を介して配線接続されたスイッチ、センサのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置4の鍵穴4aに挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。また、投入メダルセンサ106は、メダル投入部34に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0066】
遊技制御基板500に操作部中継基板507を介して配線接続された表示器のうち、ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
【0067】
また、遊技制御基板500には、前述した1枚賭けLED111、2枚賭けLED112、3枚賭けLED113、リプレイLED114、スタートLED115、ウェイトLED116、投入指示LED117、MAXBETボタンLED121、左操作有効LED122L、122C、122R、流路切替ソレノイド107等の各種電気部品が操作部中継基板507を介して配線接続されている。
【0068】
電源基板502あるいはリール中継基板503あるいは操作部中継基板507を介して遊技制御基板500に配線接続された各種LED及び表示器、モータ、ソレノイド等の電気部品は、遊技制御基板500に搭載された制御部510によって制御される。また、制御部510は、電源基板502あるいはリール中継基板503あるいは操作部中継基板507を介して遊技制御基板500に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0069】
遊技制御基板500に設けられた制御部510は、図4に示されるように、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU511と、CPU511の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM513と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM512と、CPU511と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート514とを含む。すなわち、制御部510は、これらCPU511、RAM512、ROM513、I/Oポート514が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0070】
また、遊技制御基板500には、電源投入時にCPU511にリセットパルスを与える初期リセット回路517と、CPU511にクロック信号を与えるクロック発生回路518と、クロック発生回路518からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU511に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)519と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路521と、乱数発生回路521から乱数をサンプリングするサンプリング回路522と、バッファ回路520と、が設けられる。さらに、遊技制御基板500には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路515や、モータ回路516、バックアップ電源523、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
【0071】
遊技制御基板500の制御部510から演出制御基板501へは、バッファ回路520を介して制御部510が制御する遊技状態を特定可能な制御情報としての各種コマンドが出力される。バッファ回路520は、遊技制御基板500の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板500の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板500と演出制御基板501との間において、遊技制御基板500から演出制御基板501への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板500に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
【0072】
演出制御基板501には、遊技効果LED130〜132と、放音部12L、12Rに内蔵される高音スピーカ136L、136R、及び背板153に設けられる低音スピーカ137と、遊技パネル6を内側から照らす3色の冷陰極管138a〜138cと、下部パネル7を内側から照らす蛍光灯139と、がそれぞれドアベース中継基板506を介して接続されている。
【0073】
また、演出用中継基板509及び演出用ランプ中継基板508を介して演出用ランプ140〜149が接続されるとともに、演出用中継基板509及びリールランプ中継基板504を介してゲーム用リール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55L、55C、55Rと、が接続されている。さらに、演出用ユニット90に内蔵される演出用リールセンサ127L、127C、127Rと、演出用リールLED128L、128C、128Rと、演出用リールモータ129L、129C、129Rと、が接続されている。
【0074】
演出用中継基板509またはドアベース中継基板506を介して、あるいはこれらの基板を介することなく演出制御基板501に配線接続された各種ランプ、LED、スピーカ等の電気部品は、演出制御基板501に搭載された制御部530によって制御される。
【0075】
演出制御基板501によって制御される各遊技効果LED130〜132、各スピーカ136L、136R、137、冷陰極管138a〜138c、蛍光灯139、演出用ランプ140〜149、リールランプ55L、55C、55R、演出用リールセンサ127L、127C、127R、演出用リールLED128L、128C、128R、演出用リールモータ129L、129C、129Rは、遊技制御基板500によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた演出手段である。このため、たとえ、演出制御基板501に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部510の制御の負荷が軽減される。
【0076】
演出制御基板501に設けられた制御部530は、図4に示されるように、CPU531と、必要なデータの書き込み、及び読み出しができるRAM532と、CPU531の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM533と、I/Oポート534と、を含む。制御部530も、制御部510と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0077】
また、演出制御基板501には、各スピーカ136L、136R、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路535と、各種LEDを点灯あるいは点滅させるためのLED駆動回路539と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路537と、演出用リールモータ129L、129C、129Rを駆動制御するためのモータ回路536と、バックアップ電源538と、が搭載されている。
【0078】
また、演出制御基板501は遊技制御基板500と接続されており、制御部530は、遊技制御基板500から送信された各種コマンドに基づいて遊技制御基板500の遊技状態を特定し、この特定した遊技状態に応じて予め定められた制御パターンを設定し、この制御パターンに応じて各遊技効果LED130〜132、各スピーカ136L、136R、137、冷陰極管138a〜138c、蛍光灯139、リールランプ55L、55C、55R、演出用ランプ140〜149、演出用リールセンサ127L、127C、127R、演出用リールLED128L、128C、128R、演出用リールモータ129L、129C、129R等の電気部品を制御する。
【0079】
図5は、各リール51L(左リール)、リール51C(中リール)、リール51R(右リール)の図柄配列を示す図であり、図中、「左」は左リール51Lの図柄配列を示し、「中」は中リール51Cの図柄配列を示し、「右」は右リール51Rの図柄配列を示す。左リールの左側に示した数字は図柄番号であり、「1」〜「21」の各図柄番号に対応して、「黒7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「プラム」の図柄が各リールに21個配列されている。
【0080】
本実施例では、図6に示されるように、通常遊技状態において「7−7−7」、「BAR−BAR−BAR」、「チェリー−any−any(any=「7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「プラム」)」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「プラム−プラム−プラム」の組合せが入賞の対象とされている。
【0081】
通常遊技状態において「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、2枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、10枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0082】
また、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、当該ゲームと同一の賭数にて次回のゲームを実施可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ(再遊技)入賞が発生する。
【0083】
また、賭数に応じて有効化された入賞ラインが複数本存在する場合において、前述したようにメダルが払い出される図柄の組合せが複数本の入賞ライン上において同時に揃った場合には、各入賞ライン上の図柄の組合せによって払い出されるメダル枚数の合計枚数に相当するメダルが払い出されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて遊技者に払い出されるメダルの上限が15枚と定められているために、15枚を越える場合にはその16枚目以降のメダルが無効となる。
【0084】
また、通常遊技状態において有効化されたいずれかの入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃えば、特別入賞であるRB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つであるレギュラーボーナス(RB)が発生し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。RBゲームにおいては、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃って、15枚のメダルが払い出されるJac入賞が高確率で発生する。RBでは、RBゲームが最大で12回提供されるとともに、このRBゲームが12回実行されるか、あるいはRBゲームが12回に達する前にJac入賞が8回発生するか、のいずれかの条件が満たされた時点で終了する。したがって、遊技者は12回のRBゲーム中に最大8回のJac入賞の機会を得ることができる。
【0085】
また、通常遊技状態において有効化された入賞ライン上に、「7−7−7」が揃えば、特別入賞であるBB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つであるビッグボーナス(BB)が発生し、以下に説明するビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と前述したRBが遊技者に対して付与される。
【0086】
BBゲームにおいては、「チェリー−any−any」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「プラム−プラム−プラム」の組合せが入賞の対象とされており、これらの入賞が通常遊技状態に比較して高確率で発生する。
【0087】
BBゲームにおいて「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、2枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、10枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0088】
また、「プラム−プラム−プラム」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、JacIn入賞が発生し、その対価として例えば3枚のメダルが払い出されるとともに、前述したRBに移行し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。
【0089】
BBでは、BBゲームが最大で30ゲーム提供されるとともに、このBBゲームにおいてRBに移行可能な最大回数が規定されており、本実施例では最大で3回移行し得るように規定されている。そしてBBは、30回のBBゲームを実行した場合か、或いは30回のBBゲームを実行する前にRBへ3回移行し、3回目のRBが終了した場合のうち、少なくともいずれか1つの条件が満たされた時点で終了する。
【0090】
なお、本実施例では、規定数のBBゲームを実行した場合か、規定数のRBが終了した場合のいずれか一方の条件でBBが終了する構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、BB中の獲得枚数が上限枚数に到達した場合にBBが終了するようにしても良い。更にこの場合には、RB中において上限枚数に到達した場合に、そのRBが終了することでBBが終了するようにしても良い。
【0091】
本実施例では、図6に示すように、各入賞に対応した内部当選フラグの種類が定められており、後述する内部抽選処理に当選して各々対応する内部当選フラグが設定された場合にのみ、対応する入賞の発生が許容されることとなる。
【0092】
通常遊技状態におけるチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞の組合せは、後述する内部抽選処理により該当する入賞を許容する内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)が当選した場合であって、各リールが停止された際に該当する図柄が予め定められた引き込み範囲(本実施例では最大4図柄)内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0093】
また、通常遊技状態におけるBB入賞、RB入賞の図柄の組合せは、内部抽選処理によりBBまたはRBの入賞を許容する内部当選フラグ(BBフラグまたはRBフラグ)が当選した場合で、かつ、後述するストックゲームが終了し、BB入賞またはRB入賞を発生可能な状態に制御されている場合において、各リールが停止された際に該当する図柄が前記引き込み範囲内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0094】
また、図5に示すように、「ベル」及び「プラム」を除く「チェリー」、「スイカ」、「BAR」、「黒7」の図柄は、配列上引き込み不可能な範囲、すなわち、5図柄以上離れて配列されている箇所が設けられており、これらの図柄の組合せに基づく入賞であるチェリー入賞、スイカ入賞、RB入賞、BB入賞は、該当する図柄が有効な入賞ラインに引き込み可能な範囲となるタイミングにて該当するリールの停止操作が行われることを条件に入賞が発生することとなる。すなわち、これらチェリー入賞、スイカ入賞、RB入賞、BB入賞を揃える場合には、いわゆる目押しを必要とする。
【0095】
これに対して「ベル」、「プラム」の図柄は、全て引き込み可能となる配列とされており、これらの図柄の組合せに基づく入賞であるベル入賞、リプレイ入賞、JacIn入賞、Jac入賞は、どのタイミングでリールの停止操作を行った場合でも入賞が発生することとなる。すなわち、これらベル入賞、リプレイ入賞、JacIn入賞、Jac入賞を揃える場合には、いわゆる目押しを必要としない。
【0096】
また、通常遊技状態におけるベル入賞の組合せは、図6に示すように、前述した内部抽選処理によりベル入賞を許容する内部当選フラグ(ベルフラグ)が当選し、かつ入賞条件となる有効停止順に一致する停止順にて各リールの停止操作が行われた場合のみ揃うようになっている。これら有効停止順は内部抽選処理において行うリール制御テーブルの振分により決定される。
【0097】
通常遊技状態におけるベル入賞の入賞条件は、図7に示すように、各々均等に振り分けられる6通りの各リールの停止順(左−中−右、左−右−中、右−左−中、右−中−左、中−左−右、中−右−左、の6通りの停止順)であり、振り分けられたリール制御テーブルの有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作が行われることでベル入賞の組合せが揃うこととなる。このようにベル入賞は、ベルフラグが当選してもこれら6通りのうちのいずれかの有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作を行わなければベル入賞の組合せが揃うことはないため、通常遊技状態におけるベル入賞の実際の出現確率は、通常遊技状態におけるベルフラグの当選確率(1/1.5)の1/6、すなわち、1/9程度となる。
【0098】
本実施例では、通常遊技状態において対象となる入賞のうち、チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞及びリプレイ入賞を許容する旨を示す内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)は、当該内部当選フラグが当選したゲームにおいてのみ有効とされており、そのゲームの終了後にクリアされる。
【0099】
また、BB入賞を許容する旨を示すBBフラグまたはRB入賞を許容する旨を示すRBフラグは、当該BBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態で一度ストックされる。すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態で次ゲーム以降に持ち越される。また、既にBBフラグまたはRBフラグがストックされている状態でも、内部抽選処理によるBBフラグまたはRBフラグの抽選が行われるようになっており、この状態でBBフラグまたはRBフラグが当選した場合には、既に持ち越されているBBフラグまたはRBフラグとは別個に、当選したBBフラグまたはRBフラグも当該BBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態でストックされるようになっている。すなわち本実施例では、複数のBBフラグまたはRBフラグをBB入賞またはRB入賞が発生不可能な状態でストックする(持ち越す)ことができるようになっている。
【0100】
これらストックされているBBフラグまたはRBフラグは、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な不可状態に制御されるゲーム(以下ストックゲームと称す)が、後述する所定の解除条件が成立して解除されることで1つ放出され、この放出されたBBフラグまたはRBフラグに応じてBB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態(以下解除ゲームと称す)に制御されるとともに、以降のゲームにおいてBB入賞またはRB入賞が発生することにより、放出されたBBフラグまたはRBフラグはクリアされる。
【0101】
本実施例では、BBフラグまたはRBフラグが1つもストックされていないときには、最初に当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出する内部当選フラグとして決定され、ここで決定されたBBフラグまたはRBフラグがストックゲームの解除により放出される。また、次回放出される予定のBBフラグまたはRBフラグ以外にもBBフラグまたはRBフラグがストックされているときには、ストックゲームが解除されたとき、すなわち、BBフラグまたはRBフラグが放出されたときに、BBフラグまたはRBフラグフラグが当選順、すなわち最も早く当選した順番で放出されるようになっている。
【0102】
なお、本実施例においてはBBフラグまたはRBフラグフラグは当選順通りに放出されるように構成されているが、例えばBBフラグを優先して放出し、BBフラグがストックされていない場合にRBフラグを放出する等、内部当選フラグの種別に応じた順番で放出するようにしても良いし、放出する内部当選フラグをBBフラグとするか、RBフラグとするか、を決定し、この決定した内部当選フラグを、当選した順番に関係なく放出するようにしても良い。
【0103】
また、本実施例においては、BBフラグ及びRBフラグの総ストック個数(持越個数)には上限があり、BBフラグ及びRBフラグ合わせて30個以上ストックされないようになっている。すなわち、既にBBフラグ及びRBフラグ合わせて30個持ち越されている状態で、ストックゲーム中にBBフラグまたはRBフラグが内部当選したときには、該内部当選したBBフラグまたはRBフラグをストック(持ち越す)することはなく、該フラグをクリアしてしまうことになる。なお、このストック個数の上限値は上記30個に限定されるものではなく、種々に変更可能であるとともに、BBフラグまたはRBフラグ別に個別に上限値を設定してもよい。
【0104】
本実施例における前記ストックゲームの解除条件は、図8に示されるように、ベル入賞の発生に基づき行われる解除抽選に当選することとされている。ストックゲーム中においては、前記ストックゲームの解除確率が異なる2つのモード(高確率モードまたは低確率モード)のうちのいずれかのモードに制御されるようになっており、通常ゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選してストックゲームが開始されるとき、またはストックゲームが解除されて次回放出可能なフラグのストックがあるとき、または高確率モードが100ゲーム継続して実行されたとき、に行われる乱数値を用いた抽選により、いずれのモードに制御するかの振分が行われるようになっている。
【0105】
図8に示されるように、高確率モードに制御されている状態においては、ベル入賞が発生したときに行われる乱数値を用いた抽選にて、1/5の確率でストックゲームが解除されるようになっているため、実質的な解除確率は、ベルフラグの内部当選確率(1/1.5)×有効停止順の選択率(1/6)×解除確率(1/5)=約1/45となる。また、低確率モードに制御されている状態においては、ベル入賞が発生したときに行われる乱数値を用いた抽選にて、1/30の確率でストックゲームが解除されるようになっているため、実質的な解除確率は、ベルフラグの内部当選確率(1/1.5)×有効停止順の選択率(1/6)×解除確率(1/30)=約1/270となる。
【0106】
このように本実施例では、ストックゲーム中におけるベル入賞の発生時においてストックゲームの解除抽選が行われ、該解除抽選に当選したときにはストックゲームが解除され、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうちのいずれかのフラグが放出されて、BB入賞またはRB入賞の発生が可能な状態に制御されることになり、ストックゲーム中において高確率モードに制御されている状態では、低確率モードに制御されている状態よりも高確率でストックゲームが解除されるようになっている。
【0107】
ここで、本実施例のスロットマシン1におけるゲームの流れを図9に基づいて説明する。
【0108】
まず、通常ゲームにおいて(S1)、BBフラグまたはRBフラグ当選すると(S2またはS3)、この当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出される内部当選フラグとして設定されるとともに(S4)、その後移行するストックゲームのモードを、解除確率が高い高確率モードまたは解除確率の低い低確率モードのいずれか一方に決定するモード振分を行い(S5)、BB入賞またはRB入賞が発生不可能な不可状態に制御されるストックゲームに移行する(S6)。
【0109】
なお、本実施例においては、その時点でのモードが高確率モードであるか低確率モードであるか否かに関わらず、このモード振分により高確率モードまたは低確率モードのいずれに移行するかが均等の確率で振り分けられるように構成されているが、例えば高確率モードからの振分率及び低確率モードからの振分率とをそれぞれ異なる確率とすることも可能である。
【0110】
このストックゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選すると(S7またはS8)、これら当選したBBフラグまたはRBフラグがストックされるとともに(S10)、既にストックされている場合には、既にストックされているBBフラグやRBフラグとは別個にストックされる。
【0111】
また、ストックゲームにおいてベル入賞が発生したときには(S9)、ストックゲームを解除するか否か、すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態に移行するか否かを決定するための解除抽選を実行する(S12)。
【0112】
S12のステップにおける解除抽選では、前述したように当該ストックゲームのモード(高確率モードまたは低確率モード)に応じて定められた当選確率にてストックゲームを解除するか否かの抽選が行われるようになっており、この解除抽選に当選した場合、すなわち、ストックゲームを解除すると決定された場合には(S14)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態(可状態)に移行する(S15)。また、S12のステップにおける解除抽選において当選しなかった場合、すなわち、ストックゲームを解除しないと決定された場合にはS6のステップに戻ってストックゲームが継続される。
【0113】
また、当該ストックゲームにおけるモードが高確率モードである場合には、該高確率モードに移行した時点から実行ゲーム数をカウントし、高確率モードに移行した時点から所定期間である100ゲームが継続して実行された時点で(S11)、S5のステップに戻ってストックゲームのモード振分を行い、新たに移行するモードを設定する。
【0114】
S15のステップにおいて、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には(S16)、次回移行するストックゲームのモードを解除確率が高い高確率モードまたは解除確率の低い低確率モードのいずれか一方に決定するモード振分を行う(S18)。また、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には(S17)、前記モード振分は行われない。
【0115】
解除状態(S15〜S18)では、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態に制御されるようになっており、この状態においてBB入賞またはRB入賞が発生することで(S19またはS20)、BBまたはRBが発生し(S21またはS22)、放出された内部当選フラグはクリアされる。
【0116】
BBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうち、ストックゲームが解除された際に放出された内部当選フラグを次回放出する内部当選フラグとして設定した後(S23)、再びストックゲームに移行する。このストックゲームでは、前回ストックゲームが解除された際に決定されたモード(高確率モードまたは低確率モード)に応じて定められた当選確率にて解除抽選が行われることとなる。
【0117】
尚、S22のステップにおけるBBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には、通常ゲーム(S1)に移行する。
【0118】
このように本実施例では、ストックゲームとして解除確率の異なる2種類のモードが適用されており、これらモードのうち高確率モードのストックゲームでは1/45の確率(図8参照)で解除されることとなり、低確率モードのストックゲームでは1/270の確率(図8参照)で解除されてBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態となる。すなわち、低確率モードのストックゲームは、解除されるまでに多くのゲーム数を要するのに対して、高確率モードのストックゲームは、少ないゲーム数で解除されるようになっている。
【0119】
更に、本実施例では、ストックゲームが解除され、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態となったときに、次回移行するストックゲームのモードが決定されることとなるため、この時点で次回移行するストックゲームのモードが高確率モードに決定された場合には、ストックゲームの解除に基づき発生するBBまたはRBの終了後、少ないゲーム数で再びストックゲームが解除されてBBまたはRBが発生する可能性が高くなる。すなわち、このような場合では、BBまたはRBが連続して発生する可能性が高くなる。逆に低確率モードに決定された場合には、ストックゲームが解除されるまでに多くのゲームを要するため、BBまたはRBが発生する可能性が低くなる。
【0120】
次に、本実施例における遊技制御基板500の制御部510がゲームの進行に伴い実行する各種制御内容を、図10のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0121】
まず、電源投入に伴いゲームスタートに備えるための初期処理を実行する。具体的には、各種装置の接続、及び作動状況、等の確認を行い、電源断前の遊技状態に復帰可能であれば復帰する処理を行う(Sa1)。
【0122】
次いで、BET処理(Sa2)、内部抽選処理(Sa3)、リール制御振分処理(Sa4)、リール回転処理(Sa5)、リール停止処理(Sa6)、入賞判定処理(Sa7)、払出処理(Sa8)、ストックゲーム処理(Sa9)、フラグ更新処理(Sa10)、遊技状態更新処理(Sa11)を繰返し実行するループ処理に以降する。
【0123】
Sa2のステップにおけるBET処理では、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、メダルの賭数が設定され、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定する処理を実行する。また、前回のゲームでリプレイが入賞した場合には、前回のゲームと同じ賭数が設定される。
【0124】
Sa3のステップにおける内部抽選処理では、Sa2のステップにおけるスタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴い、該当する遊技状態において対象となる入賞の発生を許容するか否かを決定する処理を実行する。具体的には、スタートレバー38の操作に基づくスタートスイッチ102の検出に応じてサンプリングされた乱数値とROM513に格納された内部当選確率テーブルとの比較結果に基づいて当選の有無を判定し、当選した場合には該当する入賞を許容する旨を示す内部当選フラグを設定する。
【0125】
Sa4のステップにおけるリール制御振分処理では、内部当選フラグの設定状況及びストックゲーム中か否か等の状況に応じて、後述するリール停止処理において適用するリール制御テーブルを選択する処理を実行する。
【0126】
Sa5のステップにおけるリール回転処理では、Sa4のステップにおけるリール制御振分処理の終了に伴い各遊技用リール51L、51C、51Rを回転させる処理を実行する。このリール回転処理においては、全ての遊技用リール51L、51C、51Rが回転した時点でストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作を有効とし、RAM512に設定されたリール停止タイマカウンタに初期値を設定してリール停止用のタイマカウンタをスタートさせる。
【0127】
Sa6のステップにおけるリール停止処理では、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされるか、各遊技用リール51L、51C、51Rの回転開始時から遊技者によるストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされることなく自動停止時間が経過したことにより図柄を停止表示するための条件が満たされた時点で各々の遊技用リール51L、51C、51Rの停止フラグの設定を行い、この停止フラグの設定に基づいて押圧操作のあった停止ボタン40L、40C、40Rに対応する遊技用リール51L、51C、51Rの回転を停止させる処理を実施する。このリール停止処理では、Sa4のステップにおけるリール制御振分処理において選択したリール制御テーブルに基づいて遊技用リールを停止させる制御を行う。
【0128】
Sa7のステップにおける入賞判定処理では、Sa6のステップにおいて全ての遊技用リール51L、51C、51Rの回転が停止されたと判定した時点で、各表示領域に表示された表示態様と、Sa3のステップにおいて当選した内部当選フラグ並びにROM513に格納された入賞判定テーブルと、を照合して入賞内容の判定を行う処理を実行するとともに、特にいずれかの入賞が発生したと判定した場合には、その入賞内容に対応した各種設定を実行する。この設定内容としては、例えば入賞内容に対応するメダルの払出枚数、遊技状態、再遊技等の設定がある。
【0129】
Sa8のステップにおける払出処理では、Sa7のステップにおいてメダルの払出を伴う入賞の発生が判定された場合に、その入賞内容に対応して設定された払出枚数に基づくクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。具体的には、払出メダル枚数をクレジットに加算するとともに、クレジットが上限値に到達した場合には、ホッパーモータ62の駆動により残りの枚数分のメダルを直接メダル払出穴9より払い出す処理を行う。
【0130】
Sa9のステップにおけるストックゲーム処理では、ストックゲームへ移行させる処理や、次回放出する内部当選フラグを決定するための処理、次回移行するストックゲームのモード振分、ストックゲームを解除するか否かを決定する処理、ストックゲームの解除に基づいてBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に移行させる処理、等を行う。
【0131】
Sa10のステップにおけるフラグ更新処理では、Sa3のステップにおいて当選した内部当選フラグのクリアまたは持越を行うための処理を行う。具体的には、内部当選フラグのうち、チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ等、当該ゲームにおいてのみ有効な内部当選フラグをクリアする処理を行う。また、BBフラグ及びRBフラグは、その内部当選フラグによって許容されたBB入賞またはRB入賞が発生しない場合においてクリアせずに次のゲームに持ち越し、BB入賞またはRB入賞が発生した場合に該当する内部当選フラグをクリアする処理を行う。
【0132】
Sa11のステップにおける遊技状態更新処理では、BB入賞やRB入賞が判定された場合に、遊技状態をBBまたはRBに移行させる処理や、BB中のBBゲームやRB中のRBゲームのカウンタの設定や更新を行う処理、BBやRBの終了条件の成立に基づき遊技状態を通常遊技状態に移行させる処理、等を行う。
【0133】
また、これらSa1〜Sa11の各ステップにおいては、各種制御状態を示すコマンド(制御情報)を演出制御基板501に対して送信する制御を行う。図11は、遊技制御基板500から演出制御基板501に対して送信されるコマンドの一例が示されており、以下、各コマンドの内容を簡単に説明する。
【0134】
演出制御基板501に対して送信されるコマンド(制御情報)のうち、BETコマンドは、賭数の設定方法、賭数の設定前における設定済み賭数、設定する賭数等の賭数の設定に関連する賭数設定関連情報をそれぞれ特定可能なコマンドであり、メダルが投入されたとき、または前回のゲームにて発生したリプレイ入賞に伴い自動賭数設定処理が行われたとき、または1枚BETボタン36aまたはMAXBETボタン36bが操作されたとき、それぞれに送信される。
【0135】
スタートコマンドは、主に内部抽選処理によりいずれかの入賞を許容する内部当選フラグが成立したか否か、並びに成立した内部当選フラグの種別を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始されたとき、すなわち、スタートレバー38が操作されたときに送信される。
【0136】
ストックコマンドは、BBフラグ及びRBフラグそれぞれの持越状況、すなわち、ストックされているBBフラグ及びRBフラグそれぞれのストック個数、ストックゲームにおけるモード(高確率モードか低確率モード)の設定状態、を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始されたとき、すなわち、スタートレバー38が操作されたときであり、具体的には前記スタートコマンドの後に送信される。
【0137】
押し順コマンドは、リール制御テーブルの振分状況、すなわち、ベル入賞の有効停止順を特定可能なコマンドであり、ベルフラグ当選時における各リール51L、51C、51Rの回転時に送信される。
【0138】
リール停止コマンドは、停止したリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの下段に停止した図柄、を特定可能なコマンドであり、各リールが停止される毎に送信される。
【0139】
入賞判定結果コマンドは、入賞の有無、並びに入賞役の種別、入賞時の払出枚数、を特定可能なコマンドであり、全リール停止後に送信される。また、遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常ゲームであるか、BB中であるか等)を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了時に送信される。
【0140】
払出開始コマンドは、入賞によるメダルの払出しが開始した旨を特定可能なコマンドであり、入賞によるメダルの払出しが開始された時に送信される。また、払出終了コマンドは、入賞によるメダルの払出しが終了した旨を特定可能なコマンドであり、入賞によるメダルの払出しが終了した時に送信される。
【0141】
また、本実施例では、特に図示はしないが、ストックゲームのリール停止処理においてBB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃わないように設定されたBB・RB共通ストックゲーム用テーブルが選択されることで、BB入賞またはRB入賞が不可能な状態に制御されるとともに、解除処理において解除条件が成立した場合には、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃うように設定されたBB用テーブルまたはRB用テーブルが選択されることで、BB入賞またはRB入賞が可能な状態に制御されるようになっている。
【0142】
すなわち、BB入賞またはRB入賞を許容する旨を示すBBフラグまたはRBフラグが当選している場合でも、BB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せが揃わないように各リールの停止制御が行われることで、BB入賞またはRB入賞が発生しない状態に制御され、この状態でBBフラグまたはRBフラグの放出条件が成立することで、BB入賞またはRB入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能にリールの停止制御が行われ、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に制御されるようになっており、このようにすることで、リール停止処理において選択されるリール制御テーブルを変更するのみでBB入賞またはRB入賞を発生可能な状態、または不可能な状態に制御することができるため、制御部510の制御負荷を軽減できる。
【0143】
尚、本実施例では、リール制御テーブルを変更することでBB入賞またはRB入賞を発生可能な状態、または不可能な状態に制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ストックゲーム中の内部抽選処理によるリプレイフラグの当選確率を高く設定し、リプレイフラグに基づくリール制御を優先させることでBB入賞またはRB入賞を発生不可能な状態に制御するようにしてもよい。この際、リプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルとリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが不可能なリール制御テーブルを設け、通常ゲームにおいて内部抽選処理によりリプレイフラグが当選した場合にはリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルを選択し、ストックゲームにおいては、通常ゲームにおいてリプレイフラグが当選する確率に近くなる割合でリプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが可能なリール制御テーブルを選択するとともに、それ以外は、リプレイ入賞に対応する図柄の組合せを揃えることが不可能なリール制御テーブルを選択することが好ましい。このようにすることで、通常ゲームとストックゲームとのリプレイ入賞が近似した割合で発生することとなり、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0144】
また、本実施例のスロットマシン1では、ベル入賞の有効停止順の報知が行われる報知状態、いわゆるアシストタイム(以下ATと称す)に制御することが可能とされている。
【0145】
AT中のゲームでは、通常遊技状態においてベルフラグが当選した場合に、演出用リールLED128L、128C、128R及びリールランプ55L、55C、55Rが制御され、ベルフラグにより許容されるベル入賞により許容されるベル入賞の入賞条件となる有効停止順が報知される。
【0146】
具体的には、特に図示はしないが、各リールの回転状態に応じて演出用リールLED128L、128C、128R並びに各リールに対応するリールランプ55L、55C、55Rの点灯状況が各々変化し、これらによって各リールの有効停止順が報知される。例えば、有効停止順として中−左−右の停止順が振り分けられた場合には、ゲームのスタートとほぼ同時に、中リール51Cに対応する演出用リールLED128C並びにリールランプ55Cが点灯し、中リール51Cの停止を指示する旨が報知される。次いで、最初のリール(第1停止リール(中リール51C))が停止されると、左リール51Lに対応する演出用リールLED128L並びにリールランプ55Lが点灯し、左リール51Lの停止を指示する旨が報知される。次いで、2つ目のリール(第2停止リール(左リール51L))が停止されると、右リール51Rに対応する演出用リールLED128R並びにリールランプ55Rが点灯し、右リール51Rの停止を指示する旨が報知される。
【0147】
遊技者はこれら演出用リールLED128L、128C、128Rやリールランプ55L、55C、55Rの点灯により報知された有効停止順に従った順番にて各リール51L、51C、51Rの停止操作を行うことで、通常遊技状態において当選したベルフラグに基づくベル入賞を全て発生させることが出来るようになっている。すなわち、ATに制御された場合には、ATに制御されていない場合よりも高い確率にてベル入賞を発生させることが出来るようになっている。
【0148】
このようなAT中においては、前述したようにストックゲームの解除条件となるベル入賞を、ベルフラグの内部当選確率とほぼ同じ確率で、すなわち、非AT中に比べて高確率で発生させることが出来、これにより非AT中に比べてストックゲームの解除抽選が高確率で行われることになるため、非AT中に比べてBB入賞またはRB入賞が高確率で発生させることが出来るようになる。
【0149】
具体的には、図12の表図に示されるように、非AT中においては、ベル入賞の発生確率は前述したように1/9となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は高確率モード時で1/45、低確率モード時で1/270であるのに対し、AT中においては、ベル入賞の発生確率はベルフラグの内部当選確率とほぼ同じである1/1.5となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は高確率モード時で1/7.5、低確率モード時で1/45となる。このように、AT中においては、非AT中に比べてベル入賞の発生確率が高まり、引いてはストックゲームの解除抽選が高確率で行われてBB入賞またはRB入賞の発生確率が高まることになる。
【0150】
また、このようなATは、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選したことを契機として演出制御基板501の制御部530が実行するAT抽選処理にて当選した場合に発生するように制御されている。具体的には、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選した旨を特定可能な制御情報を含むスタートコマンドが遊技制御基板501から送信され、該スタートコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した場合に前記AT抽選処理が行われる。
【0151】
本実施例においては、前記AT抽選は乱数値を用いた抽選により行われ、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック状況(持越状況)及びストックゲームのモード状況に応じて定められた当選確率に基づいて当選するか否かが決定されるようになっている。
【0152】
具体的には、AT抽選時において適用するAT用テーブルとしては、図13(a)、(b)に示されるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が、有利度の基準値(個数)である5個未満である時に適用されるAT用テーブルAと、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が5個以上である時に適用されるAT用テーブルBと、を備えており、抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルA、Bのいずれのテーブルを適用するかが決定されるようになっている。抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数及びストックゲームのモード状況は、スタートコマンドの後に遊技制御基板500から送信されるストックコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した時に、該制御部530が受信したストックコマンドに含まれるストック個数情報及びモード状況情報から特定するようになっている。
【0153】
本実施例におけるATは、図13に示されるように、その継続ゲーム回数が10ゲームのAT、20ゲームのAT、30ゲームの3種類があり、これらAT継続ゲーム回数が異なる3種類のいずれかのATが、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック個数、モード別に応じて定められた確率で選択されるようになっている。また、継続ゲーム回数が0ゲームのATとは、すなわち、AT抽選に当選しない場合を示している。
【0154】
本実施例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルAが適用されることになる。AT用テーブルAが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%である。
【0155】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルBが適用されることになる。AT用テーブルBが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0156】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルA、BにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のとき、高確率モード時のATの当選確率が25%、低確率モード時の当選確率が50%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個以上のときは、高確率モード時のATの当選確率が10%、低確率モード時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が低くなっている。
【0157】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの当選確率が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0158】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルA、Bいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの解除確率が低い低確率モード時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの解除確率が高い高確率モード時におけるATの当選確率の方が低くなっている。これにより、ストックゲームの解除確率が高い状態のときには、ATの当選確率が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0159】
さらに、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が多く、かつ、ストックゲームが解除される確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの継続ゲーム回数が少ないATが当選する確率に比べて、継続ゲーム回数が多いATが当選する確率が低くなっている。すなわち、ATが発生しても、実際に特定入賞であるベル入賞の有効停止順が報知されるゲーム数が少なくなり、ベル入賞の有効停止順の報知確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0160】
このように、本実施例におけるスロットマシンにあっては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させることが出来るため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0161】
なお、本実施例では、ストックコマンドの受信を契機として実行されるAT抽選処理においてATの発生及び終了までの継続ゲーム数が決定されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ATの発生条件及び終了条件としてその他の条件を適用するようにしても良く、例えば、抽選対象役をスイカ入賞等の他の小役入賞を許容する旨の内部当選フラグが当選した場合や、いずれの入賞も許容されない場合(いわゆる純外れ)をATの発生条件として適用したり、また、ATの終了条件を終了抽選にて決定したり、予め定められた規定のゲーム数が実行されること、等にしてもよい。
【0162】
また、本実施例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が、前記有利度の基準値である5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させるようになっていたが、例えば以下に説明する変形例に示されるように、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに解除確率が高い高確率モードである、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させるようにしてもよい。
【0163】
図14には、AT抽選時に適用されるAT用テーブルの変形例が示されている。本変形例においては、AT抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数が、有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルCが適用されることになる。AT用テーブルCが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%である。
【0164】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルDが適用されることになる。AT用テーブルDが適用された場合におけるATの当選確率は、高確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%であり、低確率モード時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0165】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルA、BにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満のとき、高確率モード時のATの当選確率が25%、低確率モード時の当選確率が10%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上のときは、高確率モード時のATの当選確率が50%、低確率モード時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が高くなっている。
【0166】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である多いとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときほど、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0167】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルC、Dいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの解除確率が低い低確率モード時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの解除確率が高い高確率モード時におけるATの当選確率の方が高くなっている。これにより、ストックゲームの解除確率が高い状態のときには、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0168】
このように、本変形例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が5個以上で、さらに解除確率が高い高確率モードであるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知確率)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させることが出来るため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0169】
なお、このようにストックゲームの解除確率が高く、かつ、ATの当選確率が高くなる高確率ゲームは、前述したように所定期間である100ゲーム継続した時点で、再度モードの振分が実行されるようになっているため、解除確率の高い状態が過度に継続してしまうことを回避出来、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0170】
また、前述したようにBBフラグ及びRBフラグの総ストック個数に上限が設けられており、BBフラグ及びRBフラグを合わせて30個以上ストックされることはないため、BBフラグ及びRBフラグが過度に蓄積されるとともに、ATにおける報知確率、すなわち、ベル入賞の発生確率が高い状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0171】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、演出用リールLED128L、128C、128R及びリールランプ55L、55C、55Rの点灯状況により有効停止順の報知が行われたとき、すなわち、AT中のゲームにおいて有効停止順の報知が行われたときには、報知された操作方法に従って各リールの停止操作を行うことによりベル入賞を高確率で発生させることが可能となるばかりか、このベル入賞の発生に基づき解除抽選処理が実行され、BB入賞またはRB入賞の発生が不可能な不可状態に制御されるストックゲームを解除するか否かが決定されることとなるため、BB入賞またはRB入賞が発生可能な可状態となる可能性も高まる。すなわち、ATに制御されるか否かに応じてベル入賞の発生確率、及びBB入賞またはRB入賞の発生確率の双方の確率に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【0172】
また、本実施例のスロットマシン1では、ベル入賞の発生に基づき解除抽選処理が実行されるようになっている。すなわち、有効停止順に一致する順番で各リールの停止操作が行われることで、解除抽選処理の契機となるベル入賞を発生させることが可能となるため、ATに制御されるか否かに応じて、一層ベル入賞の発生確率、及びBB入賞またはRB入賞の発生確率に変化を持たせることができる。
【0173】
なお、少なくとも、入賞条件に一致する操作方法にて各リールの停止操作が行われることで入賞が発生する特定入賞の発生により解除抽選処理が行われる構成とする場合、特定入賞として適用する小役入賞にベル入賞以外のスイカ入賞等を適用しても良い。
【0174】
また、本実施例のスロットマシン1では、AT中のゲームにおいて報知されるベル入賞の入賞条件が、有効停止順、すなわち各リールを停止させる順番とされているため、有効停止順が報知された場合には、遊技者の技量に関わりなく容易な操作方法にてベル入賞を発生させることができる。
【0175】
なお、本実施例では、各リールを停止させるためのストップボタンが各リールに対応して各々別個に設けられており、これらストップボタンの停止操作を行う順番により各リールを停止させる順番を選択できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各リールの停止順の組合せに対応する停止順別ストップボタンを設け、この停止順別ストップボタンを選択することにより各リールを停止させる順番を選択できるようにしても良い。
【0176】
また、本実施例では、AT中のゲームにおいて報知されるベル入賞の入賞条件が各リールを停止させる順番とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の範囲に分割された該当するリールの停止タイミングのうちいずれか1つの範囲の停止タイミングを選択し、この選択された停止タイミングにて該当するリールが停止されることを入賞条件として適用するとともに、ATの発生に基づき入賞条件となる停止タイミング、例えば目安となる図柄を報知するようにしても良い。更には、有効停止順と停止タイミングの双方を入賞条件として適用し、ATの発生に基づき入賞条件となる有効停止順及び停止タイミングを報知するようにしても良い。
【0177】
次に、図15〜図18に基づいて、本発明の第2実施例を説明する。
(第2実施例)
前記第1実施例のスロットマシン1においては、ストックゲームの解除条件は、特定入賞であるベル入賞の発生時に行われる解除抽選処理に当選することにて成立するように構成されていたが、本第2実施例におけるスロットマシンにおいては、特定入賞であるベル入賞の発生時に行われる解除抽選処理に当選するか、あるいは、ストックゲームの開始時に行われるストックゲーム継続回数抽選にて決定された所定のストックゲーム回数が実行されることにより解除条件が成立するように構成されている。
【0178】
以下、本第2実施例におけるゲームの流れを図15に基づいて説明すると、まず、通常ゲームにおいて(Sb1)、BBフラグまたはRBフラグ当選すると(Sb2またはSb3)、この当選したBBフラグまたはRBフラグが次回放出される内部当選フラグとして設定されるとともに(Sb4)、ストックゲームの継続ゲーム回数が、継続ゲーム回数抽選にて決定され(Sb5)、BB入賞またはRB入賞が発生不可能に制御されるストックゲームに移行する(Sb6)。
【0179】
このストックゲームにおいてBBフラグまたはRBフラグが当選すると(Sb7またはSb8)、これら当選したBBフラグまたはRBフラグがストックされるとともに(Sb10)、既にストックされている場合には、既にストックされているBBフラグやRBフラグとは別個にストックされる。
【0180】
また、ストックゲームにおいてベル入賞が発生したときには(Sb9)、ストックゲームを解除するか否か、すなわち、BB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に移行するか否かを決定するための解除抽選を実行する(Sb12)。
【0181】
Sb12のステップにおける解除抽選では、予め定められた当選確率(本実施例では1/30)にてストックゲームを解除するか否かの抽選が行われるようになっており、この解除抽選に当選した場合、すなわち、ストックゲームを解除すると決定された場合には(Sb14)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態に移行する(Sb15)。また、Sb12のステップにおける解除抽選において当選しなかった場合、すなわち、ストックゲームを解除しないと決定された場合にはSb6のステップに戻ってストックゲームが継続される。
【0182】
また、ストックゲームが、前記継続ゲーム回数抽選にて決定された継続ゲーム回数に到達した時点で(Sb11)、ストックゲームが解除されて、次回放出する内部当選フラグとして設定されているBBフラグまたはRBフラグが放出され、放出された内部当選フラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な解除状態に移行する(Sb15)
【0183】
Sb15のステップにおいて、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には(Sb16)、次回のストックゲームの継続ゲーム回数を決定する(Sb18)。また、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には(Sb17)、次回のストックゲームの継続ゲーム回数の決定は行われない。
【0184】
解除状態(Sb15〜Sb18)では、放出されたBBフラグまたはRBフラグにより許容されるBB入賞またはRB入賞が発生可能な状態に制御されるようになっており、この状態においてBB入賞またはRB入賞が発生することで(Sb19またはSb20)、BBまたはRBが発生し(Sb21またはSb22)、放出された内部当選フラグはクリアされる。
【0185】
BBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされている場合には、ストックされているBBフラグまたはRBフラグのうち、ストックゲームが解除された際に放出された内部当選フラグを次回放出する内部当選フラグとして設定した後(Sb23)、再びストックゲームに移行する。このストックゲームでは、前回ストックゲームが解除された際に決定された継続ゲーム回数に応じて定められた当選確率にて前記解除抽選が行われることとなる。
【0186】
尚、Sb22のステップにおけるBBまたはRBの終了後、次回放出可能なBBフラグまたはRBフラグがストックされていない場合には、通常ゲーム(Sb1)に移行する。
【0187】
このように本実施例では、継続ゲーム回数抽選処理にて決定された継続ゲーム回数のストックゲームが実行された場合、または、ベル入賞の発生に基づいて行われる解除抽選に当選した場合においてストックゲームが解除されるようになっている。なお、本実施例における継続ゲーム回数抽選処理においては、0〜750ゲームのうちのいずれかのゲーム回数がそれぞれ均等の確率(1/750)に基づいて決定されるようになっている。
【0188】
また、本第2実施例におけるスロットマシンにおいても、前記第1実施例と同様に、ベル入賞の有効停止順の報知が行われる報知状態、いわゆるアシストタイム(以下ATと称す)に制御することが可能とされている。なお、このAT中における報知状況は前記第1実施例と同様のため、ここでの説明は省略することとする。
【0189】
遊技者は前記第1実施例にて説明したように、演出用リールLED128L、128C、128Rやリールランプ55L、55C、55Rの点灯により報知された有効停止順に従った順番にて各リール51L、51C、51Rの停止操作を行うことで、通常遊技状態において当選したベルフラグに基づくベル入賞を全て発生させることが出来るようになっている。すなわち、ATに制御された場合には、ATに制御されていない場合よりも高い確率にてベル入賞を発生させることが出来るようになっている。
【0190】
このようなAT中においては、前述したようにストックゲームの解除条件となるベル入賞を、ベルフラグの内部当選確率とほぼ同じ確率で、すなわち、非AT中に比べて高確率で発生させることが出来、これにより非AT中に比べてストックゲームの解除抽選が高確率で行われることになるため、非AT中に比べてBB入賞またはRB入賞が高確率で発生させることが出来るようになる。
【0191】
具体的には、図16の表図に示されるように、非AT中においては、ベル入賞の発生確率は前述したように1/9となり、本実施例における解除確率は1/30であることからストックゲームの実質的な解除確率は1/270となるのに対し、AT中においては、ベル入賞の発生確率はベルフラグの内部当選確率とほぼ同じである1/1.5となるため、ストックゲームの実質的な解除確率は1/45となる。このように、AT中においては、非AT中に比べてベル入賞の発生確率が高まり、引いてはストックゲームの解除抽選が高確率で行われてBB入賞またはRB入賞の発生確率が高まることになる。
【0192】
また、このようなATは、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選したことを契機として演出制御基板501の制御部530が実行するAT抽選処理にて当選した場合に発生するように制御されている。具体的には、前記内部抽選処理にてチェリーフラグが内部当選した旨を特定可能な制御情報を含むスタートコマンドが遊技制御基板501から送信され、該スタートコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した場合に前記AT抽選処理が行われる。
【0193】
本実施例においては、前記AT抽選は乱数値を用いた抽選により行われ、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック状況(持越状況)及び決定されているストックゲーム継続回数に応じて定められた当選確率に基づいて当選するか否かが決定されるようになっている。
【0194】
具体的には、AT抽選時において適用するAT用テーブルとしては、図17(a)、(b)に示されるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が所定の個数である5個未満である時に適用されるAT用テーブルEと、BBフラグ及びRBフラグのストック個数(持越個数)が、有利度の基準値(個数)である5個以上である時に適用されるAT用テーブルFと、を備えており、抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルE、Fのいずれのテーブルを適用するかが決定されるようになっている。抽選時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数及びストックゲーム継続回数は、スタートコマンドの後に遊技制御基板500から送信されるストックコマンドを演出制御基板501の制御部530が受信した時に、該制御部530が受信したストックコマンドに含まれるストック個数情報及びストックゲーム継続回数情報から特定するようになっている。
【0195】
本実施例におけるATは、図17に示されるように、その継続ゲーム回数が10ゲームのAT、20ゲームのAT、30ゲームの3種類があり、これらAT継続ゲーム回数が異なる3種類のいずれかのATが、その時のBBフラグ及びRBフラグのストック個数、ストックゲーム継続回数別に応じて定められた確率で選択されるようになっている。また、報知が行われるATの継続ゲーム回数が0ゲームのATとは、すなわち、AT抽選に当選しない場合を示している。
【0196】
本実施例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルEが適用されることになる。AT用テーブルEが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%である。
【0197】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルFが適用されることになる。AT用テーブルFが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0198】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルE、FにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のとき、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が25%、101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が50%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個以上のときは、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が10%、101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が低くなっている。
【0199】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0200】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルE、Fいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの継続回数が多いゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの継続回数が少ないゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率の方が低くなっている。これにより、ストックゲームが解除されるまでに多くのゲームの実行を要する状態のときにはATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)が低くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が低下するとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0201】
さらに、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上であり、かつ、少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときには、ATの継続ゲーム回数が少ないATが当選する確率に比べて、継続ゲーム回数が多いATが当選する確率が低くなっている。すなわち、ATが発生しても、実際に特定入賞であるベル入賞の有効停止順が報知されるゲーム数が少なくなり、ベル入賞の有効停止順の報知割合が低下することになるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0202】
このように、本第2実施例におけるスロットマシンにあっては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させることが出来るため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0203】
また、本第2実施例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知確率)を低下させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を低下させるようになっていたが、例えば以下に説明する変形例に示されるように、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態である、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させるようにしてもよい。
【0204】
図18には、AT抽選時に適用されるAT用テーブルの変形例が示されている。本変形例においては、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個未満である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルGが適用されることになる。AT用テーブルGが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%であり、ストックゲーム継続回数が100〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が90%、10ゲームのATが当選する確率が5%、20ゲームのATが当選する確率が3%、30ゲームのATが当選する確率が2%である。
【0205】
また、AT抽選時において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記有利度の基準値である5個以上である場合には、取得した乱数値を比較するテーブルとしてAT用テーブルHが適用されることになる。AT用テーブルHが適用された場合におけるATの当選確率は、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が50%、10ゲームのATが当選する確率が30%、20ゲームのATが当選する確率が15%、30ゲームのATが当選する確率が5%であり、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時では0ゲームのAT、すなわち、非当選となる確率が75%、10ゲームのATが当選する確率が15%、20ゲームのATが当選する確率が7.5%、30ゲームのATが当選する確率が2.5%である。
【0206】
このようにAT抽選時に適用されるAT用テーブルG、HにおけるATの当選確率を比較してわかるように、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満のとき、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が25%、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が10%であるのに対し、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個以上のときは、ストックゲーム継続回数が0〜100ゲームのうちのいずれかに決定されている時のATの当選確率が50%、ストックゲーム継続回数が101〜750ゲームのうちのいずれかに決定されている時の当選確率が25%となっており、全体的なAT当選確率は、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が所定の個数である5個未満のときに比べて5個以上であるときの方が高くなっている。
【0207】
これにより、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が多いとき、すなわち、これらストックされたBBフラグまたはRBフラグが放出されて遊技者にとって有利なBB入賞またはRB入賞が発生する可能性が高い状態のときほど、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0208】
また、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に応じてAT用テーブルG、Hいずれのテーブルが適用されている場合においても、ストックゲームの継続回数が多いゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率に比べて、ストックゲームの継続回数が少ないゲーム回数に決定されている時におけるATの当選確率の方が高くなっている。これにより、少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態のときには、ATの当選確率が高くなり、特定入賞であるベル入賞の発生確率が高くなるとともに、引いてはこのベル入賞に基づいてストックゲームが解除される確率が高くなることになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0209】
このように、本変形例においては、BBフラグまたはRBフラグのストック個数が多く、さらに少ないゲームの実行でストックゲームが解除される状態であるとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときには、ATの当選確率(ベル入賞の有効停止順の報知割合)を向上させて、特定入賞であるベル入賞の発生確率を向上させることが出来るため、ゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0210】
また、前述したようにBBフラグ及びRBフラグの総ストック個数に上限が設けられており、BBフラグ及びRBフラグを合わせて30個以上ストックされることはないため、BBフラグ及びRBフラグが過度に蓄積されるとともに、ATにおける報知確率、すなわち、ベル入賞の発生確率が高い状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0211】
詳しくは、BBフラグ及びRBフラグのストック個数に上限が設けられていない場合、例えば特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合を設定する際の基準値とするBBフラグ及びRBフラグのストック個数を前記実施例のように5個とした場合において、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が例えば20個近以上に達してしまった場合、BBフラグ及びRBフラグのストック個数が前記基準値である5個以下となる状況が発生しにくくなる。すなわち、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合の変動が起こりにくくなり、常に同じような報知割合で報知が行われて遊技が単調なものとなってしまう恐れがあるからである。
【0212】
また、上記各実施例においては、ATの対象役とされているベル入賞(特定入賞)の発生に関連して、詳しくはベル入賞が発生したときに行われるストックゲームの解除抽選に当選することでストックゲームが解除されるようになっていたが、ストックゲームの解除条件を特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立させるようにする場合、例えば、特定入賞であるベル入賞の発生履歴に応じてストックゲームが解除されるようにしてもよい。
【0213】
具体的には、例えば所定期間中(例えばBB終了後100ゲーム以内等)におけるベル入賞の発生回数が所定回数(例えば20回)に達することでストックゲームが解除されるようにしてもよいし、あるいは、ベル入賞が所定回数(例えば5回)連続して発生することでストックゲームが解除されるような構成としてもよい。
【0214】
このように特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して不可状態(ストックゲーム)が解除されるように構成する、すなわち、不可状態(ストックゲーム)の解除条件が特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立するようにすることで、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合が高まるほどストックゲームが高確率で解除されることになるため、適度に射幸性を高めることができる。すなわち、特定入賞(ベル入賞)の有効停止順の報知割合に応じて、BB入賞またはRB入賞の発生状況が変動することになるため、ゲーム性にメリハリを持たせることができる。
【0215】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0216】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(ゲーム用リール51L、51C、51R(左リール、中リール、右リール))の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞(BB入賞、RB入賞、リプレイ入賞、ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞)が発生可能とされたスロットマシン(1)であって、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための停止操作手段(ストップボタン40L、40C、40R)と、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報(内部当選フラグ)を設定する事前決定手段(内部抽選処理)と、
特別入賞(BB入賞、RB入賞)が発生したときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB、RB)を発生させる特別遊技状態発生手段(遊技状態更新処理による遊技状態の移行処理)と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された前記特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すとともに、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報(BBフラグ、RBフラグ)を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段(BB・RB共通ストックゲーム用テーブルに基づくリール停止処理)と、
所定の解除条件が成立(ベル入賞の発生時に行う解除抽選に当選、設定されたストックゲーム数を実行)したときに、前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段(BB用テーブル、RB用テーブルに基づくリール停止処理)と、
を備え、
前記入賞は、前記事前決定手段により発生が許容され、かつ前記停止操作手段により所定の入賞条件(有効停止順)に適合する操作が行われることにより発生する特定入賞(ベル入賞)を含み、
前記事前決定手段により前記特定入賞の発生が許容されたときに、前記所定の入賞条件に適合する操作方法を報知可能な入賞条件報知手段(制御部530、演出用リールLED128L、128C、128R、リールランプ55L、55C、55R)と、
前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)に応じて、前記入賞条件報知手段による前記所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動させる報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)と、
を備える。
【0217】
本発明の請求項2は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報(BBフラグ、RBフラグ)の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度に応じて前記報知割合を変動させる。
【0218】
本発明の請求項3は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報(BBフラグ、RBフラグ)の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を低下させる。
【0219】
本発明の請求項4は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報の持越に関する状況(ストック個数)及び/または前記不可状態の解除に関する状況(ストックゲームの解除確率、ストックゲーム継続ゲーム数)の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を向上させる。
【0220】
本発明の請求項5は、前記不可状態制御手段(BB・RB共通ストックゲーム用テーブルに基づくリール停止処理)は、前記解除条件の成立確率が異なる複数種類の不可状態(高確率モード、低確率モード)に制御可能であり、
前記解除条件の成立確率が所定確率以上の不可状態(高確率モード)が所定期間(100ゲーム)継続したときに、前記不可状態の種類を変更するか否かを決定する不可状態変更決定手段(ストックゲーム処理におけるモード振分)と、
前記不可状態変更手段が前記不可状態の種類を変更すると決定したときに、前記不可状態の種類を選択し、該選択した不可状態に変更する不可状態変更手段(ストックゲーム処理におけるモード振分)と、を備える。
【0221】
本発明の請求項6は、遊技の制御を行うメイン制御手段(遊技制御基板500の制御部510)と、
該メイン制御手段から送信された制御情報(コマンド)の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段(演出制御基板501の制御部530)と、を備え、
前記メイン制御手段は、前記決定情報持越手段(ストックゲーム処理によるフラグの持越処理)による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況を前記サブ制御手段に対して送信するとともに、
前記サブ制御手段は、前記報知割合変動手段(制御部530によるAT用テーブルA〜Hを用いたAT抽選処理)を含み、該報知割合変動手段は、前記メイン制御手段から受信した制御情報(ストックコマンド)により識別される前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて前記報知割合を変動させる。
【0222】
本発明の請求項7は、前記所定の解除条件(ストックゲームの解除抽選に当選)は、前記特定入賞(ベル入賞)の発生に関連して成立する。
【0223】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0224】
例えば、上記各実施例におけるストックゲームは、次回放出可能なBBフラグやRBフラグが設定されていても、リール振分処理により外れ用のリール制御テーブルが選択されるようになっていることで、BBフラグに基づくBB入賞やRBフラグに基づくRB入賞が発生しないように、すなわち、不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が不可能に制御されている不可状態の一例として説明されていたが、本発明においては、不可状態制御手段による不可状態の制御が解除されていない状態において、特別入賞の発生が困難、すなわち、特別入賞が発生する確率が極めて低くなるように制御されるように構成されているものも含まれる。
【0225】
このような不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が困難に制御される不可状態は、例えば上記各実施例のストックゲーム中において、通常遊技状態に比較していずれかの入賞、例えばリプレイ入賞が高確率(例えば約1/1.1の確率)で発生するとともに、いずれの入賞にも対応しない外れが極めて低確率(例えば約1/10000)で発生しうるような内部当選確率テーブルを適用し、リプレイ入賞がBB入賞やRB入賞よりも優先して発生するようなリール制御を実施することでBB入賞やRB入賞の発生を困難な状態を構成することが出来る。この場合、内部抽選によりいずれの入賞も内部当選しなかった場合(外れ)においては、BB入賞やRB入賞に対応する図柄の組み合わせを揃えることが可能なリール制御が実施されるため、BB入賞やRB入賞の発生が可能な状態となるが、いずれの入賞も内部当選しない確率が極めて低いため、実際にはBB入賞やRB入賞を発生させることが困難な状態となる。
【0226】
また、不可状態制御手段(制御部510)により特別入賞の発生が困難に制御される状態は、例えば、BB入賞やRB入賞を発生させるための入賞操作条件を設定することでも構成することが出来る。例えば入賞操作条件を、ストップボタン40L、40C、40Rの押し順(有効停止順)と、入賞ライン上に揃えるBB入賞やRB入賞に対応する図柄の組み合わせの種類と、が合致することとした場合、押し順及び図柄の組み合わせの種類が合致すればBB入賞やRB入賞の発生が可能な状態となるが、押し順や図柄の組み合わせの種類をそれぞれ複数とすることで、それら複数の押し順や図柄の組み合わせの種類のうちから、入賞操作条件に適合する押し順、及び入賞操作条件に適合する図柄の組み合わせの種類、の両者がそれぞれ入賞操作条件に合致する確率は極めて低いため、実際にはBB入賞やRB入賞を発生させることが困難な状態となる。さらに、このような入賞操作条件は前記押し順や図柄の組み合わせの種類等以外にも設定可能であり、例えばBB入賞に対応する図柄の組み合わせは1種類でも、入賞操作条件に合致する特別図柄を、各リールに複数配列されたうちのいずれか1つの特別図柄としたりすること等、種々に設定可能である。
【0227】
また、前記各実施例では、AT抽選時において、該AT時におけるBBフラグ及びRBフラグのストック個数が5個未満に適用するAT抽選用テーブルと、5個以上の場合に適用するAT抽選用テーブルと、を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばストック個数の基準値を複数設け、これら複数の基準値を基準として複数の異なる当選確率を有するAT用テーブルを適用するようにしてもよい。具体的には、基準値を5個、10個とした場合、ストック個数が1〜5個までの場合のAT用テーブルと、6〜10個までの場合のAT用テーブルと、11〜30個までの場合のAT用テーブルと、を用意すれば、ストック個数の状況に応じてより細かくATの当選確率を設定することが出来る。
【0228】
また、上記各実施例では、BBフラグ及びRBフラグの総ストック個数状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合が変動するようになっていたが、例えばBBフラグまたはRBフラグのうちのいずれか一方のストック個数に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させたり、あるいはBBフラグとRBフラグとのストック個数の比率に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させてもよい。
【0229】
さらに本発明にあっては、設定情報(BBフラグ及びRBフラグ)の持越(ストック)に関する状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させることが出来るようになっていれば、ストックされているBBフラグやRBフラグの個数状況に応じてベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させるものに限定されるものではなく、ストックされているフラグに基づく入賞の発生により遊技者が獲得しうる価値(メダル枚数等)の大きさ等に応じて、ベル入賞に対する有効停止順の報知割合を変動させるようにしてもよい。
【0230】
また、上記各実施例においては、ストックゲームにおいて決定される解除条件の成立状況(ベル入賞時に行う解除抽選の当選確率やストックゲーム継続回数)に応じてベル入賞の有効停止順の報知割合(AT継続ゲーム回数)を変動させるようになっていたが、本発明は不可状態(ストックゲーム)の解除に関する状況に応じてベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるようになっていればよく、例えば、前記解除抽選の実施回数が増加するに従ってベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるようにしたり、あるいは、ストックゲーム中における実行ゲーム回数が、前記解除条件として設定されたストックゲーム継続回数に近づくにつれてベル入賞の有効停止順の報知割合を変動させるものも本発明に含まれる。
【0231】
また、前記各実施例では、特別遊技状態としてBBやRBを適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別遊技状態とは、遊技者にとって有利な遊技状態であれば良く、前述したAT(アシストタイム)や、リプレイが高確率で入賞可能とされたRT(リプレイタイム)、リール制御が一定の範囲で無制御とされることで狙った特定の小役を入賞させることが可能なCT(チャレンジタイム)、シングルボーナスや小役の入賞確率が高確率となる集中ゲーム、更にはこれらの遊技状態を組み合わせた状態、例えばATとRTを組み合わせたART(アシストリプレイタイム)等の遊技状態を本発明における特別遊技状態として適用しても良い。
【0232】
また、前記実施例では、入賞条件を満たす操作方法にて各リールの停止操作が行われることにより入賞が発生するベル入賞が発生したときのみ解除抽選処理が実行されるようになっているが、その他の契機(例えば、小役入賞を許容する旨の内部当選フラグが当選した場合や小役入賞が発生したとき等)においても解除抽選処理を実行するようにしても良く、このようにすることで、AT以外の状態でもBB入賞またはRB入賞の発生に対する遊技者の期待感を維持することができる。
【0233】
また、前記実施例では、ATの発生及び終了の決定やATの発生に伴うベル入賞の入賞条件の報知制御を演出制御基板501の制御部530が遊技制御基板500から送信されるコマンドに基づいて行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの制御を遊技制御基板500の制御部510が行うようにしても良い。
【0234】
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
【0235】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0236】
(a)請求項1項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することとなる。すなわち、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に関連して特定入賞の発生確率を変化させることが可能となるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0237】
(b)請求項2項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて入賞条件報知手段による所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合が変化することになるため、よりゲーム性の高いスロットマシンを提供できる。
【0238】
(c)請求項3項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を低下させることができるため、過度に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0239】
(d)請求項4項の発明によれば、決定情報持越手段による決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が所定の有利度よりも高いとき、すなわち、遊技者にとって比較的有利な状態のときに、特定入賞の発生確率を向上させることでゲーム性にメリハリを持たせることができるため、適度に射幸性を高めることができる。
【0240】
(e)請求項5項の発明によれば、解除条件の成立確率が高い不可状態が過度に継続してしまうことを回避できるため、必要以上に遊技者の射幸心を煽ってしまうことを防止できる。
【0241】
(f)請求項6項の発明によれば、入賞条件の報知制御や報知割合を変動させるための制御がサブ制御手段により行われるため、メイン制御手段の制御負荷を軽減できる。
【0242】
(g)請求項7項の発明によれば、入賞条件報知手段による報知割合に応じて特定入賞の発生確率及び特別入賞の発生確率の双方に変化を持たせることが可能となるため、よりゲーム性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1実施例としてのスロットマシンを示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの内部構造図である。
【図3】本実施例のスロットマシンの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例のスロットマシンにおける回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例のスロットマシンにおける各リールの図柄配列を示す図である。
【図6】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において入賞の対象となる図柄の組合せ等を示す図である。
【図7】ベル入賞の入賞条件となる有効停止順の振分率を示す図である。
【図8】モード別のストックゲーム解除確率を示す図である。
【図9】本実施例のスロットマシンにおける遊技の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施例のスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの一例及びその内容を示す図である。
【図12】非AT中及びAT中におけるストックゲームの解除確率を比較した図である。
【図13】(a)はAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用されるAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用されるAT用テーブルを示す図である。
【図14】同じく(a)はAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示す図である。
【図15】本発明の第2実施例としてのスロットマシンにおける遊技の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2実施例としてのスロットマシンにおいて、非AT中及びAT中におけるストックゲームの解除確率を比較した図である。
【図17】(a)は本発明の第2実施例としてのスロットマシンが行うAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用されるAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用されるAT用テーブルを示す図である。
【図18】同じく(a)は本発明の第2実施例としてのスロットマシンが行うAT抽選時においてストック個数が5個未満である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示し、(b)はAT抽選時においてストック個数が5個以上である場合に適用される変形例としてのAT用テーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
40L、40C、40R ストップボタン
51L、51C、51R ゲーム用リール
128L、128C、128R 演出用リールLED
500 遊技制御基板
501 演出制御基板
510 制御部
512 RAM
530 制御部
Claims (7)
- 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための停止操作手段と、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段と、
特別入賞が発生したときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
前記事前決定手段により前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された前記特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すとともに、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段と、
所定の解除条件が成立したときに、前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段と、
を備え、
前記入賞は、前記事前決定手段により発生が許容され、かつ前記停止操作手段により所定の入賞条件に適合する操作が行われることにより発生する特定入賞を含み、
前記事前決定手段により前記特定入賞の発生が許容されたときに、前記所定の入賞条件に適合する操作方法を報知可能な入賞条件報知手段と、
前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて、前記入賞条件報知手段による前記所定の入賞条件に適合する操作方法の報知割合を変動させる報知割合変動手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。 - 前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度に応じて前記報知割合を変動させる請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を低下させる請求項1または2に記載のスロットマシン。
- 前記報知割合変動手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、所定の有利度よりも低いときの前記報知割合に比較して、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況の有利度が、前記所定の有利度よりも高いときの前記報知割合を向上させる請求項1または2に記載のスロットマシン。
- 前記不可状態制御手段は、前記解除条件の成立確率が異なる複数種類の不可状態に制御可能であり、
前記解除条件の成立確率が所定確率以上の不可状態が所定期間継続したときに、前記不可状態の種類を変更するか否かを決定する不可状態変更決定手段と、
前記不可状態変更手段が前記不可状態の種類を変更すると決定したときに、前記不可状態の種類を選択し、該選択した不可状態に変更する不可状態変更手段と、を備える請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。 - 遊技の制御を行うメイン制御手段と、
該メイン制御手段から送信された制御情報の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況を前記サブ制御手段に対して送信するとともに、
前記サブ制御手段は、前記報知割合変動手段を含み、該報知割合変動手段は、前記メイン制御手段から受信した制御情報により識別される前記決定情報持越手段による前記決定情報の持越に関する状況及び/または前記不可状態の解除に関する状況に応じて前記報知割合を変動させる請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシン。 - 前記所定の解除条件は、前記特定入賞の発生に関連して成立する請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシン。
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JP2003034368A JP2004242806A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | スロットマシン |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007143688A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Samii Kk | 遊技機 |
JP2016041207A (ja) * | 2014-08-18 | 2016-03-31 | 株式会社オリンピア | 遊技機 |
JP2018140239A (ja) * | 2018-06-14 | 2018-09-13 | 株式会社ユニバーサルエンターテインメント | 遊技機 |
-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034368A patent/JP2004242806A/ja active Pending
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JP2007143688A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Samii Kk | 遊技機 |
JP2016041207A (ja) * | 2014-08-18 | 2016-03-31 | 株式会社オリンピア | 遊技機 |
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