JP2004242645A - 日本酒と料理の相性判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】日本酒と料理の相性を判断する要素として、それらの両方に含まれるアミノ酸化合物の含有量に限定することにより単純化し、日本酒と料理の相性を、コンピュータの使用と相俟って客観的な判定結果を迅速かつ容易に提示させることが可能な相性判定システムを提供すること。
【解決手段】選択データ入力手段3aで日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力するだけで、判定手段1aにより日本酒のアミノ酸度A1と食材及び調味料のアミノ酸指数A2,A3との総和値(A1+A2+A3)つまりアミノ酸総含有量と旨味基準域(4.5〜5.0)つまりアミノ酸基準含有量とが比較され、それらの相性が判定されて表示手段に表示されるようにしたこと。
【選択図】 図6
【解決手段】選択データ入力手段3aで日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力するだけで、判定手段1aにより日本酒のアミノ酸度A1と食材及び調味料のアミノ酸指数A2,A3との総和値(A1+A2+A3)つまりアミノ酸総含有量と旨味基準域(4.5〜5.0)つまりアミノ酸基準含有量とが比較され、それらの相性が判定されて表示手段に表示されるようにしたこと。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、日本酒と料理の相性判定システム、詳しくは、日本酒と料理の相性(マッチング)を日本酒のアミノ酸度と料理に使用される食材及び調味料のアミノ酸含有量を判断要素として判別ないし検索可能にしたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本酒(嗜好アルコール飲料である清酒)は、従来から和食との相性だけが考慮されていたが日本人の食生活の多様化や日本酒が国際的に嗜好されるにつれて、日本酒と料理の相性は、和食のみでなく、中華料理、フランス料理、イタリア料理さらにはカレーライス等との相性についても判断することが要望されている。
このような食生活の変化に対し、従来から行われている勘と経験による感応検査のみでは迅速かつ客観的な判定結果が得られず、また、酸味の強弱に基づくワインの判定基準では日本酒と料理の相性判定には適用しえず役立たないものである。
【0003】
斯る状況において従来、日本酒と料理と相性を考察したものとして特許文献1が知られている。
この特許文献1に開示された従来技術は、日本酒の味と香りとを人の実際の感覚と同じくなるよう表示して日本酒と料理との間の相性関係を知ることができるようにしたものであって、日本酒の香味特性による表示方法である。
しかしながら、この従来方法にあっては、日本酒の味の要素(甘味、苦味、酸味、旨味)と香りの要素のレベルをグラフ化しているものの、味と香りの何れにおいても人の感覚的判断を基準としているものであり客観性に乏しい。しかも、日本酒と料理との相性を決定づける要素を分析せずに多岐にわたり数値化しているために、何が本当に相性を決定づけているかが指定されておらず、判定結果を結論づけることが必ずしも容易でない等の不具合がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−205850号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者の考察によれば、本来、日本酒と料理の相性は、上記従来技術に開示されたような多岐にわたる多くの味の感覚や香りを要素とするものではなく、科学的に分析が可能であって日本酒にも料理にも元来含まれている要素、すなわちアミノ酸化合物、詳しくは栄養素としての必須アミノ酸とは区別され、味覚の濃淡を決定するアミノ酸化合物(グルタミン酸、グリシン、アルギニン、アラニンの4種類)の含有量であることが判明された。
【0006】
例えば、合成清酒と呼称されるアルコール飲料の製造にあたって、我が国の酒税法では、醸造用エチルアルコールに添加できるものとして発酵助成剤、酵素剤、発泡目的の炭酸ガス及び炭酸水の他に、調味料として唯一グルタミン酸ナトリウムだけが添加を認められている。つまり、無味無臭の純エチルアルコールの希釈液を清酒に近い味にするために、水あめ等と共にグルタミン酸ナトリウムで味付けをしているものである。すなわち、日本酒にとってはグルタミン酸ナトリウムというアミノ酸化合物が旨味成分としていかに重要か理解されよう。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み従来技術の不具合を解消すべく、日本酒と料理の相性を判断する要素として、それらの両方に含まれるアミノ酸化合物の含有量に限定することにより単純化し、日本酒と料理の相性を、コンピュータの使用と相俟って客観的な判定結果を迅速かつ容易に提示させることが可能な相性判定システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯る本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DB、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値を算出させ、その総和値を所定範囲の旨味基準域と比較することにより日本酒と料理との相性を判定する判定手段、上記判定手段の判定結果を提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項1)。
この請求項1によれば、選択データ入力手段で日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力するだけで、判定手段により日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値つまりアミノ酸総含有量と旨味基準域つまりアミノ酸基準含有量とが比較され、それらの相性が判定されて表示手段に表示される。
【0009】
すなわち、上記総和値が旨味基準域内であれば、その日本酒と料理(食材及び調味料)の相性が適切であることが表示され、総和値が旨味基準域より過大または過小である場合には、それらの相性が不適切であることが表示される。
したがって、表示手段の表示をみることによって選択した日本酒と料理の相性を判断することができる。
【0010】
そして、上記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値が旨味基準域にない場合には、前記日本酒、食材及び調味料より他の選択品に変更する必要がある。
その場合に本発明は、上記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値が旨味基準域にない場合に、変更する選択品を指定することにより、前記判定手段が、変更しない選択品のアミノ酸度及び/又はアミノ酸指数と前記旨味基準域を演算して変更する選択品の適正値を算出し、該適正値に該当する選択品を日本酒DB、食材DB、調味料DBの中から抽出し、表示装置がそれを提示して所望の選択データを選択させるようにする(請求項2)。
この請求項2によれば、先の日本酒と料理の相性が不適切と表示された場合でも、変更する選択品を指定することにより、アミノ酸度とアミノ酸指数との総和値が旨味基準域になるような変更選択品の適正な選択データが表示装置に提示されるので、相性が適切な日本酒と料理を容易に見い出すことが可能である。
【0011】
また、本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、料理(食材及び調味料)を先に決定している場合に、それに相性が適切な日本酒を検索することも可能である。
具体的には、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された食材及び調味料のアミノ酸指数との合計値を算出させるとともに、その合計値を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより日本酒のアミノ酸度適正値を算出させ、該適正値に該当する日本酒データを日本酒DBから抽出する判定手段、上記抽出された日本酒データを提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項3)。
【0012】
上記請求項3によれば、選択データ入力手段で上記食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸指数を入力するだけで、判定手段により選択データと相性のよい日本酒のアミノ酸度適正値が算出され、それに該当する日本酒の単一又は複数の類別が表示手段に抽出されるので、その中から所望の日本酒を選択すればよい。
【0013】
さらに、本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、日本酒を先に決定している場合に、それに相性が適切な日本酒を検索することも可能である。
具体的には、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、
日本酒より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより食材及び調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する食材データを食材DBから抽出する判定手段、上記抽出された食材データを提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項4)。
【0014】
上記請求項4によれば、選択データ入力手段で上記日本酒の中から選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度を入力するだけで、判定手段により選択データと相性のよい食材及び調味料のアミノ酸指数適正値が算出され、それに該当する単一又は複数の食材が表示手段に抽出されるので、その中から所望の食材を選択すればよい。
そして、上記表示手段に提示された食材データから所望の食材を選択することにより、判定手段が、調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する調味料データを調味料DBから抽出し、表示手段が該当する調味料データを提示する(請求項5)。
これにより、提示された調味料データの中から所望の調味料を選択すればよい。
【0015】
上記日本酒のアミノ酸度は、一般にフォモール滴定法で測定されており、その数値が日本酒のラベルに表記されているのでそれを採用する。
市販の日本酒のアミノ酸度は0.7〜2.5mlであるのでその範囲に類別し、また、食材及び調味料のアミノ酸指数は、前記日本酒の類別に対応させるために便宜上0.7〜2.5の範囲で数値化したものである(請求項6)
詳しくは、科学技術庁資源調査会編の資料「食品可食部100g当たりのアミノ酸組成」(改訂日本食品アミノ酸組成表)で公表されているアミノ酸含有量を、日本酒のアミノ酸度と対応させるべく1000で除した数値を食材及び調味料のアミノ酸指数とした。
また、上記資料に掲載されていない食材及び調味料については、同調査会編の「食品可食部のたんぱく質1g当たりのアミノ酸組成表」及び「五訂日本食品標準成分表」に掲載の総たんぱく質量から食品1g当たりのアミノ酸組成量を算出して、それを100g当たりに換算してアミノ酸指数としたものである。
具体的には、上記アミノ酸含有量の中、含有量の多い食材及び調味料のアミノ酸含有量9001mg/100g以上を日本酒のアミノ酸度の最大値2.5に対応させ、含有量の少ない500mg/100g以下を日本酒のアミノ酸度の最低値0.7に対応させ、その間を均等に割り出した指数である。この食材及び調味料のアミノ酸含有量とアミノ酸指数との換算表を表1に示す。
なお、例外的に調味料の中でもアミノ酸含有量0のものについては、アミノ酸指数を0とした。
【0016】
【表1】
【0017】
上記判定手段において判定の基準となる旨味基準は、日本酒と料理を口に入れたときに味覚で感じる基準であることから、前記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数を考慮しながら感応検査で経験的に定めたもので、最も好ましい旨味基準域は日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和が4.5〜5.0の範囲であった(請求項7)。
【0018】
斯る本発明のシステムは、コンピュータ、特にパーソナルコンピュータ(パソコンPC)に搭載して使用することは当然であるが、LANやインターネット等のコンピュータ・ネットワークを利用して構築することも可能であり、その場合のシステムは、上記選択データ入力手段及び表示手段がユーザー端末に搭載され、上記日本酒DB、食材DB、調味料DB及び判定手段が管理サーバーに構築され、その管理サーバーと複数のユーザー端末がコンピュータ・ネットワークを介して接続される(請求項8)。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の相性判定システムをコンピュータPCに構築した場合の概要を示すブロック図であり、図中の1は動作プログラムを搭載した制御装置で該制御装置1には内蔵又は外部に接続した記憶装置2を具備しており、3はキーボードやファンクションキー等を備えた入力装置、4はディスプレイで構成される表示装置(表示手段)である。
【0020】
上記制御装置1には、コンピュータPCの動作を制御する操作制御部1aの他に本発明の判定手段を構成する判定処理部1b及び検索処理部1cが搭載され、記憶装置2には、日本酒DB、食材D、調味料DBが訂正追加など書き込み変更可能に保存されている。
上記入力装置3は、表示装置4の表示画面と協働して選択データや検索データを入力するものであり、詳しくは、表示装置4の画面に表示される日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dにキーボードを使用して選択品を入力する選択データ入力手段3aを具備し、また、前記日本酒蘭4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに検索データを入力する検索データ入力手段3bを具備している。
【0021】
表示装置4は、前記各欄4a〜4dを具備するとともに制御装置1の判定処理部1bにより演算処理された判定結果を表示する判定表示欄4eを有し、また、入力装置3の検索データ入力手段3bにより入力された日本酒、食材又は調味料等の検索データに基づいて検索処理部1cが日本酒DB、食材DB、調味料DBから抽出したデータを表示する検索表示欄4fを具備する。
なお、上記検索表示欄4fに表示された日本酒、食材、調味料のデータから所望の選択品を選定し、それをクリック操作することで前記各欄4a〜4dへ転記して選択データを入力することも可能であり、上記選択データ入力手段3aには、そのような入力態様も包含するものである。
【0022】
図2は本発明の相性判定システムがコンピュータ・ネットワークを利用して構築された場合のブロック図を示す。
図2において、管理サーバー100と複数のユーザー端末101は、それぞれに通信部(モデム)102、103を備えてインターネット104を介し接続されている。
この態様においては、管理サーバー100に上記制御装置1及び日本酒DB、食材DB、調味料DBを保存する記憶装置2等が構築され、各ユーザー端末101に上記入力装置3及び表示装置4を構築する。また、上記管理サーバー100側にはシステムオペレーター105を接続し、これにより、記憶装置2のデータの書き込みや削除を可能にするとともにユーザー端末101のID及びパスワードの管理、管理サーバー100のセキュリティー管理をするようにする。
一方、ユーザー端末101は、セキュリティーの関係からID及びパスワードの発行により限定されたユーザーだけがアクセス可能とし、管理サーバー100側にはID及びパスワードの認証手段を設ける。
このユーザー端末101は、コンピュータPCだけでなくメール機能を有する携帯電話を使用することも任意である。
【0023】
上記各部についてさらに詳述する。
日本酒DBには、各日本酒毎に商品コード、メーカー名、商品名(銘柄)、製造法、アルコール度数、日本酒度、酸度と共にアミノ酸度A1が蓄積されたデータベースであり、そのアミノ酸度A1は前述したように0.7〜2.5の範囲で類別されている。
この日本酒DBを例示すれば図3のとおりであるが、同図3においては説明を簡略にするために商品名とアミノ酸度A1のみを示し、他のデータを省略している。
食材DB及び調味料DBは、前述のとおり、科学技術庁資源調査会編の資料に基づいて割り出し、又は表1の換算表に基づいて割り出した食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3を各食材及び調味料毎に付して蓄積したデータベースである。その食材DBの一部を抜粋して図4に例示し、調味料DBを図5に例示する。
【0024】
選択データ入力手段3aは、表示装置に4表示された日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに日本酒、食材など所望の選択品を入力するものである。
例えば、日本酒欄4aに日本酒名「AB錦」と入力し、料理欄4bに料理名「カルバッチョ」や「鉄火巻」と入力し、食材欄4cに料理に使用される食材名、例えば、「若鳥胸肉」「たこ」「するめ」と入力し、調味料欄4dに調味料名、例えば、「豆みそ」「うすくち醤油」と入力する等である。
それら各欄4a,4b,4c,4dに入力された選択品は、表示装置4の判定ボタン(図示せず)をクリック操作する等の判定開始指令によって、入力選択品に対応する日本酒のアミノ酸度A1が日本酒DBから読み出され、食材、調味料のアミノ酸指数A2,A3が食材DB、調味料DBから読み出されて判定処理部1bへ入力される。
なお、上記料理欄4bに料理名を入力したときには、該料理に使用される食材及び調味料が料理対応DB(図示せず)から読み出されて食材欄4c、調味料欄4dに入力されるようにする。
【0025】
上記選択データ中のアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3が予め判っている場合には、日本酒の商品名、食材名又は調味料名を入力することに代えて該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3を日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄4dに直接に入力するようにしてもよい。
例えば、日本酒のラベルに当該日本酒のアミノ酸度A1が表記されている場合に、そのアミノ酸度A1を日本酒欄4aに入力し、クリック操作等の判定開始指令があったときに、それが判定処理部1bへ入力されるようにする。
【0026】
また、一つの料理に複数項目の食材、調味料を使用する場合もあるが、その場合でもアミノ酸含有量としては料理そのものの量が変わらないことに鑑み(1品あたり約100g程度)、判定処理部1bにおいては、食材、調味料のアミノ酸指数A2,A3をそれらの項目数で除した数値(A2/2、A2/3、A3/2など)が総アミノ酸指数として算出されるようにする。
【0027】
検索データ入力手段3bは、日本酒DB、食材DB及び調味料DB中の任意のデータを検索表示欄4fへ読み出して閲覧可能にするものであり、任意の日本酒名を日本酒蘭4aに入力し、検索ボタン(図示せず)をクリック操作する等の検索開始指令によって、検索処理部1cが該当する日本酒を検索し、そのアミノ酸度A1を日本酒名と共に日本酒DBから抽出し、それが検索表示欄4fに表示される。
同様に、任意の食材名、調味料名を食材欄4c、調味料欄4dに入力すれば、判定開始指令により該当するアミノ酸指数A2,A3を食材名、調味料名と共に検索表示欄4fへ表示する。
また、日本酒の具体的なアミノ酸度A1を日本酒蘭4aに入力することにより、検索処理部1cが該当する日本酒名の一覧を日本酒DBから抽出して検索表示欄4fに表示し、食材のアミノ酸指数A2又は調味料のアミノ酸指数A3を食材欄4c、調味料欄4dに入力することにより、検索処理部1cが該当する食材又は調味料の一覧を表示するようにする。
【0028】
判定処理部1bは、判定開始指令により入力された日本酒のアミノ酸度A1、食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3を演算処理し、その総和値や合計値と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較することにより日本酒と料理(食材、調味料)との相性を判定するものである。
この判定処理部1bによる処理手順を本発明システムのフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0029】
(1)第1の処理手順は、上記選択データ入力手段3bにより日本酒と料理、又は日本酒と食材及び調味料が入力されて、アミノ酸度A1、アミノ酸指数A2及びA3の全てが判定処理部1bへ入力される場合であって、図6のフローチャート図により説明する。
【0030】
(ステップSP1) 選択データ入力手段3aにより日本酒欄4aに日本酒名を入力し、料理欄4bに料理名を入力するか又は料理に使用する該食材名及び調味料名を食材欄4c及び調味料欄4dに入力する。
(ステップSP2) 判定開始指令により、日本酒DBから該当す日本酒のアミノ酸度A1が読み出され、また、食材DB及び調味料DBから該当する食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3が判定処理部1bへ読み出される。
なお、日本酒のアミノ酸度A1がラベル等により判明している場合は、日本酒名に代えてアミノ酸度を直接に入力してもよい。
また、日本酒DB、食材DB、調味料DBに該当する日本酒など選択項目がない場合には、例外として感応検査を実施する。
【0031】
(ステップSP3) 上記食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算して料理のアミノ酸指数(A2+A3)を算出する。
(ステップSP4) 上記アミノ酸度A1、アミノ酸指数(A2+A3)が加算されてアミノ酸総和値(A1+A2+A3)を算出する。
なお、上記ステップSP3を省略して、本ステップにおいてアミノ酸総和値を一度に算出することも任意である。
(ステップSP5) 次いで、上記アミノ酸総和値(A1+A2+A3)と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較して日本酒と料理との相性を判定する。
【0032】
(ステップSP6) 判定結果を表示装置4の判定表示欄4eに表示する。
判定結果は、アミノ酸総和値(A1+A2+A3)が旨味基準域(4.5〜5.0)内にあれば日本酒と料理の相性が適切であり、アミノ酸総和値が旨味基準域より過大又は過小であれば相性が不適切である。
判定結果の表示としては、判定表示欄4eに適切を示すOKマーク、不適切を示すNGマークや、それらマークと共にアミノ酸総和値と旨味基準域の比較データ(総和値=4.5〜5.0、総和値>4.5〜5.0、総和値<4.5〜5.0)を表示するようにする。
なお、判定結果が表示された後の処理については後述する。
【0033】
(実施例1) 上記第1の処理手順の実施例であって、日本酒に「○○海」、食材に「生たこ」、調味料に「うすくち醤油」を選択した場合を説明する。
選択データ入力手段3aにより、日本酒欄4aに「○○海」を入力し、同様に、食材欄4cに「生たこ」、調味料欄4dに「うすくち醤油」を入力すると(SP1)、日本酒DBから該当するアミノ酸度「2.2」が読み出され、食材DBから該当するアミノ酸指数「1.6」、調味料DBから該当するアミノ酸指数「1.0」が読み出される(SP2)。
上記食材及び調味料の読み出されたアミノ酸指数「1.6」と「1.0」が加算されてアミノ酸指数(1.6+1.0=2.6)が算出される(SP3)。
次に、アミノ酸総和値(2.2+2.6=4.8)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(4.8)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP5)。
その比較データが(4.8=4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示される(SP6)。
【0034】
(実施例2) 同様に、日本酒に「EB宗」、食材に「若鳥胸肉」、調味料に「たれ(たまり醤油)」を選択し入力した場合には(SP1)、判定処理部1bにおいて、アミノ酸総和値(2.2+2.2+1.4=5.8)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(5.8)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP5)。
その比較データが(5.8>4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が不適切である表示が提示される(SP6)。
【0035】
(2)第2の処理手順は、一つの料理として食材及び/又は調味料に複数項目の素材を使用する場合であって、図7のフローチャート図により説明する。
【0036】
(ステップSP11) 選択データ入力手段3aによって料理欄4bに複数項目の素材を使用する料理名を入力するか、又は食材欄4cに複数の食材1及び食材2を入力し、また、調味料欄4dに複数の調味料名1及び調味料名2を入力する。なお、日本酒欄4aに単一の日本酒名を入力することは図6の場合と同様であるので簡略化して図示する。
(ステップSP12) 判定開始指令により、日本酒DBから該当する日本酒のアミノ酸度A1が読み出され、また、食材DB及び調味料DBから該当する食材1のアミノ酸指数A2a、食材2のアミノ酸指数A2b及び調味料1のアミノ酸指数A3a、調味料2のアミノ酸指数A3bが判定処理部1bへ読み出される。
【0037】
(ステップSP13) 上記食材、調味料ごとにアミノ酸指数A2,A3を算出する。この場合のアミノ酸指数A2は、食材の総アミノ酸指数を食材総数で除した数値、すなわち図示の場合では(A2a+A2b/2)であり、アミノ酸指数A3は、調味料の総アミノ酸指数を調味料総数で除した数値、すなわち図示の例では(A3a+A3b/2)である。
(ステップSP14) 上記食材1及び食材2のアミノ酸指数A2と調味料1及び調味料2のアミノ酸指数A3を加算して料理のアミノ酸指数(A2+A3)を算出する。
【0038】
(ステップSP15) 判定処理部1bにおいて、先ず上記アミノ酸度A1、アミノ酸指数(A2+A3)が加算されてアミノ酸総和値(A1+A2+A3)を算出する。
(ステップSP16) 次いで、上記アミノ酸総和値(A1+A2+A3)と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較して日本酒と料理との相性を判定する。
【0039】
(ステップSP17) 判定結果を表示装置4の判定表示欄4eに表示する。
判定結果は、アミノ酸総和値(A1+A2+A3)が旨味基準域(4.5〜5.0)内にあれば日本酒と料理の相性が適切であり、アミノ酸総和値が旨味基準域より過大又は過小であれば相性が不適切である。
判定結果の表示として、判定表示欄4eに適切を示すOKマーク、不適切を示すNGマーク等を表示することは前述の場合と同様である。
なお、判定結果が表示された後の処理については後述する。
【0040】
(実施例3) 上記第2の処理手順の実施例であって、料理「鉄火巻」に使用される食材として「まぐろ」と「干しのり」の2項目を使用するとともに調味料に「うすくち醤油」1項目を使用し、日本酒に「○○海」を選択した場合を説明する。
選択データ入力手段3aにより、日本酒欄4aに「○○海」を入力し、料理欄4bに「鉄火巻」を入力するか、又は食材欄4cに「まぐろ、干しのり」、調味料欄4dに「うすくち醤油」を入力すると(SP11)、日本酒DBから該当するアミノ酸度「2.2」が読み出され、食材DBから該当するアミノ酸指数「2.2」と「2.5」が読み出され、同様に、調味料DBから該当するアミノ酸指数「1.0」が読み出される(SP12)。
読み出された食材のアミノ酸指数「2.2」と「2.5」の演算により食材の平均アミノ酸指数(2.2+2.5/2=2.35)が算出され(SP13)、さらに、調味料のアミノ酸指数「1.0」が加算されて料理のアミノ酸指数(2.35+1.0=3.35)が算出される(SP14)。
【0041】
次に、アミノ酸総和値(2.2+3.35=5.55)が算出され(SP15)、このアミノ酸総和値(5.55)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP16)。
その比較データが(5.55>4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が不適切である表示が提示される(SP17)。
【0042】
(3)第3の処理手順は、上記第1の処理手順又は第2の処理手順におい日本酒と料理の相性が不適切、つまりアミノ酸総和値が旨味基準域に対して過大又は過小と判定された場合に対応する手順であって、図8のフローチャート図により説明する。
【0043】
この処理手順は、表示装置4の判定表示欄4eに相性不適切の表示が提示された状態で、しかも日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dには、選択した日本酒、料理又は食材及び調味料が入力され表示されている状態でスタートする。
(ステップSP21) 表示されている選択データから変更したい選択品をクリック操作等により選択指定する。例えば、日本酒を変更したい場合には日本酒の変更を指定し、食材を変更したい場合には食材の変更を指定する等の操作をする。
(ステップSP22) それにより、変更しないその他の選択データのアミノ酸合計値を算出し、その合計値と旨味基準域とに基づいて変更する選択品のアミノ酸適正値を演算処理して算出する。
例えば、日本酒の変更を指定する場合は、食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算してその合計値(A2+A3)を算出し、その合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出し、食材の変更を指定する場合は、日本酒のアミノ酸度A1と調味料のアミノ酸指数A3の合計値(A1+A3)を算出し、該合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出する。
【0044】
(ステップSP23) 算出されたアミノ酸適正値に基づいて、日本酒、食材など変更する選択品のデーターベース(日本酒DB、食材DB、調味料DB)から前記適正値に該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3の選択品が、検索処理部1cにより抽出されて検索表示欄4fに表示される。
なお、変更する選択品が、前述した第2の処理手順における複数項目の食材又は調味料である場合には、その一部変更と全部変更とで区別して表示される。
(ステップSP24) 検索表示欄4fに抽出された日本酒又は食材や調味料の中から所望のものを選択する。
それにより選択された選択品(日本酒、食材、調味料)が該当する入力欄(日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄d)に入力される(先のデータが残っている場合には置き換えられる)。
【0045】
上記ステップSP24が完了した状態で、前述した第1の処理手順におけるステップSP1又は第2の処理手順におけるステップSP11が終了時となるので、次いでクリック操作等をすることによって、判定開始指令によりステップSP2又はステップSP12以後の第1又は第2の処理手順が進行する。
その場合には、何れも判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示されて判定結果の正しさを確認することができる。
【0046】
(実施例4) 上記実施例2における判定結果として判定表示欄4eに相性不適切((5.8>4.5〜5.0)であることが表示された場合(SP6)で、日本酒を変更する場合の処理手順について説明する。
日本酒欄4aの商品名をクリック操作することにより日本酒の変更を指定すると(SP21)、食材「若鳥胸肉」のアミノ酸指数「2.2」と調味料「たれ(たまり醤油)」のアミノ酸指数「1.4」の合計値(2.2+1.4=3.6)が算出されるとともに、その合計値と旨味基準域(4.5〜5.0)との差を演算してアミノ酸適正値(4.5〜5.0)−3.6=(0.9〜1.4)が算出される(SP22)。
【0047】
次いで、上記アミノ酸適正値(0.9〜1.4)に該当する日本酒が日本酒DBから抽出されて検索表示欄4fに提示されるので(SP23)、その中からアミノ酸指数を考慮して所望の日本酒、例えば「AB錦、アミノ酸指数1.1」を選択する(SP24)。
それにより、第1の処理手順(図6参照)に移行して、選択品のアミノ酸総和値(2.2+1.1+1.4=4.7)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(4.7=4.5〜5.0)でなるので、判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示される(SP6)。
すなわち、食材「若鳥胸肉」及び調味料「たれ(たまり醤油)」は、日本酒「EB宗」を「AB錦」に変更すれば相性適切であることを知ることができる。
【0048】
(4)第4の処理手順は、前記第3の処理手順が選択品データの一部を変更することに対し、選択品データの一部を特定することにより、それと相性のよい他の選択品を検索する手順であって、フローチャート図は前述した図8と略同等であるので説明の便宜のため同図8に基づいて説明する。
(ステップSP31) 空欄である日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに特定する日本酒名、料理名又は食材名、調味料名を入力する。
例えば、日本酒を特定して料理又は食材、調味料を検索する場合には、日本酒名を日本酒欄4aに入力し、食材及び調味料を特定して日本酒を検索する場合には、食材名及び調味料名を食材欄4c及び調味料欄4dに入力する。
なお、このステップについては図8において省略されている。
【0049】
(ステップSP32) 検索したい選択品を空欄の入力欄(日本酒欄、食材欄等)を選択することにより指定し、それをクリックする操作又は図示省略した前記検索ボタンのクリック操作等によって検索開始指令を出力させる。
(ステップSP33)それにより、特定した選択品のアミノ酸合計値を算出し、その合計値と旨味基準値とに基づいて検索する選択品のアミノ酸適正値を演算処理して算出する。
例えば、食材及び調味料を特定して日本酒を検索する場合は、食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算してその合計値(A2+A3)を算出し、その合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出する。
また、日本酒を特定して食材及び調味料を検索する場合は、日本酒のアミノ酸度A1がアミノ酸合計値となるので、該合計値A1と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することにより食材及び調味料のアミノ酸適正値を算出する。
【0050】
(ステップSP34) 算出されたアミノ酸適正値に基づいて、日本酒、食材など検索する選択品のデーターベース(日本酒DB、食材DB、調味料DB)から前記適正値に該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3の選択品が、検索処理部1cにより抽出されて検索表示欄4fに表示される。
(ステップSP35) 検索表示欄4fに抽出された日本酒又は食材や調味料の中から所望のものを選択する。
それにより選択された選択品(日本酒、食材、調味料)が該当する入力欄(日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄d)に入力される。
【0051】
上記ステップSP34において、例えば、アミノ酸指数A2及びA3の食材及び調味料が検索表示欄4fに表示された場合には、その一方、例えば食材を選択することにより食材欄4cに選択食材が入力され、それにより前述のステップSP35〜36を経て適正値に該当する他方、例えば調味料が検索表示欄4fに表示されるので、その中から所望のものを選択すればよい。
【0052】
なお、上記ステップSP35が完了したときに、前述した第1の処理手順におけるステップSP1又は第2の処理手順におけるステップSP11が終了時となることは前記第3の処理手順と同様であり、次いでクリック操作等をすることによって、判定開始指令によりステップSP2又はステップSP12以後の第1又は第2の処理手順が進行する。
【0053】
次に、第1の処理手順(図6参照)又は第2の処理手順(図7参照)において日本酒と料理の相性適切が判定された場合について説明する。
上記旨味基準域にはある程度の範囲(4.5〜5.0)があることや、日本酒のアミノ酸度の測定法(フォモール滴定法)による誤差等を考慮すると、相性適切と判定された場合でも追試的に感応検査を行うことにより再確認することが好ましい。
その場合、感応検査によっても相性良好なら問題ないが、相性不良の検査結果のときは、その原因を追求して対応することが好ましい。
例えば、日本酒のアミノ酸度に測定誤差等があったり、食材や調味料についてアミノ酸指数に関するデータが不備のとき、あるいは特殊な食材を使用することが原因となっている場合には、それらの原因を考慮して再度第1の処理手順(図6参照)を実行する。
また、第2の処理手順(図7参照)で説明したように、食材及び調味料を複数項目使用する場合には、選択した食材等を考慮しながら再度第2の処理手順を実行する。
なお、この感応検査については本発明においては必須事項ではない。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、日本酒と料理の相性を判断する要素として、旨味成分との関係で必然性のあるアミノ酸含有量を選定し限定したので、コンピュータの使用と相俟って客観的な判定結果を迅速かつ容易に提示させることができる。
そして、請求項2によれば、日本酒と料理の相性不適切な判定結果が提示されても、選択品を変更することにより迅速、確実に相性のよい日本酒又は食材等を見い出すことができる。
【0055】
また、請求項3〜5によれば、予め、日本酒、食材等の一部を特定しておき、それと相性のよい食材等又は日本酒を検索することもでき、日本酒、料理の選択に著しく有効なシステムを提供することができる。
さらに、請求項8によれば、コンピュータ・ネットワークとの接続により、広範かつ有用なシステムの利用を可能ならしめる。
【0056】
付随的には、本発明のシステムにより、料理店や飲食店においては、提供する料理と相性のよい日本酒を仕入れることができて営業上の利益になり、酒販店においては、日本酒と相性のよい料理を顧客に知らせることによって販売促進となり、酒造メーカーにおいても、自社商品と相性の合う料理をラベルに併記することにより販売促進に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムのブロック図である。
【図2】本発明システムをコンピュータ・ネットワークに接続したブロック図である。
【図3】日本酒DBである。
【図4】食材DBである。
【図5】調味料DBである。
【図6】第1の処理手順を示すフローチャート図である。
【図7】第2の処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】第3及び第4の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1:制御装置 1a:判定処理部(判定手段) 1b:検索処理部
2:記憶装置 3:入力装置
3a:選択データ入力手段
4:表示装置 4a:日本酒欄 4b:料理欄
4c:食材欄 4d:調味料欄 4e:判定表示欄
4f:検索表示欄
A1:アミノ酸度 A2:アミノ酸指数 A3:アミノ酸指数
100:管理サーバー
101:ユーザー端末
104:インターネット
【発明の属する技術分野】
本発明は、日本酒と料理の相性判定システム、詳しくは、日本酒と料理の相性(マッチング)を日本酒のアミノ酸度と料理に使用される食材及び調味料のアミノ酸含有量を判断要素として判別ないし検索可能にしたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本酒(嗜好アルコール飲料である清酒)は、従来から和食との相性だけが考慮されていたが日本人の食生活の多様化や日本酒が国際的に嗜好されるにつれて、日本酒と料理の相性は、和食のみでなく、中華料理、フランス料理、イタリア料理さらにはカレーライス等との相性についても判断することが要望されている。
このような食生活の変化に対し、従来から行われている勘と経験による感応検査のみでは迅速かつ客観的な判定結果が得られず、また、酸味の強弱に基づくワインの判定基準では日本酒と料理の相性判定には適用しえず役立たないものである。
【0003】
斯る状況において従来、日本酒と料理と相性を考察したものとして特許文献1が知られている。
この特許文献1に開示された従来技術は、日本酒の味と香りとを人の実際の感覚と同じくなるよう表示して日本酒と料理との間の相性関係を知ることができるようにしたものであって、日本酒の香味特性による表示方法である。
しかしながら、この従来方法にあっては、日本酒の味の要素(甘味、苦味、酸味、旨味)と香りの要素のレベルをグラフ化しているものの、味と香りの何れにおいても人の感覚的判断を基準としているものであり客観性に乏しい。しかも、日本酒と料理との相性を決定づける要素を分析せずに多岐にわたり数値化しているために、何が本当に相性を決定づけているかが指定されておらず、判定結果を結論づけることが必ずしも容易でない等の不具合がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−205850号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者の考察によれば、本来、日本酒と料理の相性は、上記従来技術に開示されたような多岐にわたる多くの味の感覚や香りを要素とするものではなく、科学的に分析が可能であって日本酒にも料理にも元来含まれている要素、すなわちアミノ酸化合物、詳しくは栄養素としての必須アミノ酸とは区別され、味覚の濃淡を決定するアミノ酸化合物(グルタミン酸、グリシン、アルギニン、アラニンの4種類)の含有量であることが判明された。
【0006】
例えば、合成清酒と呼称されるアルコール飲料の製造にあたって、我が国の酒税法では、醸造用エチルアルコールに添加できるものとして発酵助成剤、酵素剤、発泡目的の炭酸ガス及び炭酸水の他に、調味料として唯一グルタミン酸ナトリウムだけが添加を認められている。つまり、無味無臭の純エチルアルコールの希釈液を清酒に近い味にするために、水あめ等と共にグルタミン酸ナトリウムで味付けをしているものである。すなわち、日本酒にとってはグルタミン酸ナトリウムというアミノ酸化合物が旨味成分としていかに重要か理解されよう。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み従来技術の不具合を解消すべく、日本酒と料理の相性を判断する要素として、それらの両方に含まれるアミノ酸化合物の含有量に限定することにより単純化し、日本酒と料理の相性を、コンピュータの使用と相俟って客観的な判定結果を迅速かつ容易に提示させることが可能な相性判定システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯る本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DB、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値を算出させ、その総和値を所定範囲の旨味基準域と比較することにより日本酒と料理との相性を判定する判定手段、上記判定手段の判定結果を提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項1)。
この請求項1によれば、選択データ入力手段で日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力するだけで、判定手段により日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値つまりアミノ酸総含有量と旨味基準域つまりアミノ酸基準含有量とが比較され、それらの相性が判定されて表示手段に表示される。
【0009】
すなわち、上記総和値が旨味基準域内であれば、その日本酒と料理(食材及び調味料)の相性が適切であることが表示され、総和値が旨味基準域より過大または過小である場合には、それらの相性が不適切であることが表示される。
したがって、表示手段の表示をみることによって選択した日本酒と料理の相性を判断することができる。
【0010】
そして、上記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値が旨味基準域にない場合には、前記日本酒、食材及び調味料より他の選択品に変更する必要がある。
その場合に本発明は、上記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値が旨味基準域にない場合に、変更する選択品を指定することにより、前記判定手段が、変更しない選択品のアミノ酸度及び/又はアミノ酸指数と前記旨味基準域を演算して変更する選択品の適正値を算出し、該適正値に該当する選択品を日本酒DB、食材DB、調味料DBの中から抽出し、表示装置がそれを提示して所望の選択データを選択させるようにする(請求項2)。
この請求項2によれば、先の日本酒と料理の相性が不適切と表示された場合でも、変更する選択品を指定することにより、アミノ酸度とアミノ酸指数との総和値が旨味基準域になるような変更選択品の適正な選択データが表示装置に提示されるので、相性が適切な日本酒と料理を容易に見い出すことが可能である。
【0011】
また、本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、料理(食材及び調味料)を先に決定している場合に、それに相性が適切な日本酒を検索することも可能である。
具体的には、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された食材及び調味料のアミノ酸指数との合計値を算出させるとともに、その合計値を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより日本酒のアミノ酸度適正値を算出させ、該適正値に該当する日本酒データを日本酒DBから抽出する判定手段、上記抽出された日本酒データを提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項3)。
【0012】
上記請求項3によれば、選択データ入力手段で上記食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸指数を入力するだけで、判定手段により選択データと相性のよい日本酒のアミノ酸度適正値が算出され、それに該当する日本酒の単一又は複数の類別が表示手段に抽出されるので、その中から所望の日本酒を選択すればよい。
【0013】
さらに、本発明の日本酒と料理の相性判定システムは、日本酒を先に決定している場合に、それに相性が適切な日本酒を検索することも可能である。
具体的には、日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、
日本酒より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度を入力する選択データ入力手段、上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより食材及び調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する食材データを食材DBから抽出する判定手段、上記抽出された食材データを提示する表示手段、とにより構成されることを特徴とする(請求項4)。
【0014】
上記請求項4によれば、選択データ入力手段で上記日本酒の中から選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度を入力するだけで、判定手段により選択データと相性のよい食材及び調味料のアミノ酸指数適正値が算出され、それに該当する単一又は複数の食材が表示手段に抽出されるので、その中から所望の食材を選択すればよい。
そして、上記表示手段に提示された食材データから所望の食材を選択することにより、判定手段が、調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する調味料データを調味料DBから抽出し、表示手段が該当する調味料データを提示する(請求項5)。
これにより、提示された調味料データの中から所望の調味料を選択すればよい。
【0015】
上記日本酒のアミノ酸度は、一般にフォモール滴定法で測定されており、その数値が日本酒のラベルに表記されているのでそれを採用する。
市販の日本酒のアミノ酸度は0.7〜2.5mlであるのでその範囲に類別し、また、食材及び調味料のアミノ酸指数は、前記日本酒の類別に対応させるために便宜上0.7〜2.5の範囲で数値化したものである(請求項6)
詳しくは、科学技術庁資源調査会編の資料「食品可食部100g当たりのアミノ酸組成」(改訂日本食品アミノ酸組成表)で公表されているアミノ酸含有量を、日本酒のアミノ酸度と対応させるべく1000で除した数値を食材及び調味料のアミノ酸指数とした。
また、上記資料に掲載されていない食材及び調味料については、同調査会編の「食品可食部のたんぱく質1g当たりのアミノ酸組成表」及び「五訂日本食品標準成分表」に掲載の総たんぱく質量から食品1g当たりのアミノ酸組成量を算出して、それを100g当たりに換算してアミノ酸指数としたものである。
具体的には、上記アミノ酸含有量の中、含有量の多い食材及び調味料のアミノ酸含有量9001mg/100g以上を日本酒のアミノ酸度の最大値2.5に対応させ、含有量の少ない500mg/100g以下を日本酒のアミノ酸度の最低値0.7に対応させ、その間を均等に割り出した指数である。この食材及び調味料のアミノ酸含有量とアミノ酸指数との換算表を表1に示す。
なお、例外的に調味料の中でもアミノ酸含有量0のものについては、アミノ酸指数を0とした。
【0016】
【表1】
【0017】
上記判定手段において判定の基準となる旨味基準は、日本酒と料理を口に入れたときに味覚で感じる基準であることから、前記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数を考慮しながら感応検査で経験的に定めたもので、最も好ましい旨味基準域は日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和が4.5〜5.0の範囲であった(請求項7)。
【0018】
斯る本発明のシステムは、コンピュータ、特にパーソナルコンピュータ(パソコンPC)に搭載して使用することは当然であるが、LANやインターネット等のコンピュータ・ネットワークを利用して構築することも可能であり、その場合のシステムは、上記選択データ入力手段及び表示手段がユーザー端末に搭載され、上記日本酒DB、食材DB、調味料DB及び判定手段が管理サーバーに構築され、その管理サーバーと複数のユーザー端末がコンピュータ・ネットワークを介して接続される(請求項8)。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の相性判定システムをコンピュータPCに構築した場合の概要を示すブロック図であり、図中の1は動作プログラムを搭載した制御装置で該制御装置1には内蔵又は外部に接続した記憶装置2を具備しており、3はキーボードやファンクションキー等を備えた入力装置、4はディスプレイで構成される表示装置(表示手段)である。
【0020】
上記制御装置1には、コンピュータPCの動作を制御する操作制御部1aの他に本発明の判定手段を構成する判定処理部1b及び検索処理部1cが搭載され、記憶装置2には、日本酒DB、食材D、調味料DBが訂正追加など書き込み変更可能に保存されている。
上記入力装置3は、表示装置4の表示画面と協働して選択データや検索データを入力するものであり、詳しくは、表示装置4の画面に表示される日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dにキーボードを使用して選択品を入力する選択データ入力手段3aを具備し、また、前記日本酒蘭4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに検索データを入力する検索データ入力手段3bを具備している。
【0021】
表示装置4は、前記各欄4a〜4dを具備するとともに制御装置1の判定処理部1bにより演算処理された判定結果を表示する判定表示欄4eを有し、また、入力装置3の検索データ入力手段3bにより入力された日本酒、食材又は調味料等の検索データに基づいて検索処理部1cが日本酒DB、食材DB、調味料DBから抽出したデータを表示する検索表示欄4fを具備する。
なお、上記検索表示欄4fに表示された日本酒、食材、調味料のデータから所望の選択品を選定し、それをクリック操作することで前記各欄4a〜4dへ転記して選択データを入力することも可能であり、上記選択データ入力手段3aには、そのような入力態様も包含するものである。
【0022】
図2は本発明の相性判定システムがコンピュータ・ネットワークを利用して構築された場合のブロック図を示す。
図2において、管理サーバー100と複数のユーザー端末101は、それぞれに通信部(モデム)102、103を備えてインターネット104を介し接続されている。
この態様においては、管理サーバー100に上記制御装置1及び日本酒DB、食材DB、調味料DBを保存する記憶装置2等が構築され、各ユーザー端末101に上記入力装置3及び表示装置4を構築する。また、上記管理サーバー100側にはシステムオペレーター105を接続し、これにより、記憶装置2のデータの書き込みや削除を可能にするとともにユーザー端末101のID及びパスワードの管理、管理サーバー100のセキュリティー管理をするようにする。
一方、ユーザー端末101は、セキュリティーの関係からID及びパスワードの発行により限定されたユーザーだけがアクセス可能とし、管理サーバー100側にはID及びパスワードの認証手段を設ける。
このユーザー端末101は、コンピュータPCだけでなくメール機能を有する携帯電話を使用することも任意である。
【0023】
上記各部についてさらに詳述する。
日本酒DBには、各日本酒毎に商品コード、メーカー名、商品名(銘柄)、製造法、アルコール度数、日本酒度、酸度と共にアミノ酸度A1が蓄積されたデータベースであり、そのアミノ酸度A1は前述したように0.7〜2.5の範囲で類別されている。
この日本酒DBを例示すれば図3のとおりであるが、同図3においては説明を簡略にするために商品名とアミノ酸度A1のみを示し、他のデータを省略している。
食材DB及び調味料DBは、前述のとおり、科学技術庁資源調査会編の資料に基づいて割り出し、又は表1の換算表に基づいて割り出した食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3を各食材及び調味料毎に付して蓄積したデータベースである。その食材DBの一部を抜粋して図4に例示し、調味料DBを図5に例示する。
【0024】
選択データ入力手段3aは、表示装置に4表示された日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに日本酒、食材など所望の選択品を入力するものである。
例えば、日本酒欄4aに日本酒名「AB錦」と入力し、料理欄4bに料理名「カルバッチョ」や「鉄火巻」と入力し、食材欄4cに料理に使用される食材名、例えば、「若鳥胸肉」「たこ」「するめ」と入力し、調味料欄4dに調味料名、例えば、「豆みそ」「うすくち醤油」と入力する等である。
それら各欄4a,4b,4c,4dに入力された選択品は、表示装置4の判定ボタン(図示せず)をクリック操作する等の判定開始指令によって、入力選択品に対応する日本酒のアミノ酸度A1が日本酒DBから読み出され、食材、調味料のアミノ酸指数A2,A3が食材DB、調味料DBから読み出されて判定処理部1bへ入力される。
なお、上記料理欄4bに料理名を入力したときには、該料理に使用される食材及び調味料が料理対応DB(図示せず)から読み出されて食材欄4c、調味料欄4dに入力されるようにする。
【0025】
上記選択データ中のアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3が予め判っている場合には、日本酒の商品名、食材名又は調味料名を入力することに代えて該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3を日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄4dに直接に入力するようにしてもよい。
例えば、日本酒のラベルに当該日本酒のアミノ酸度A1が表記されている場合に、そのアミノ酸度A1を日本酒欄4aに入力し、クリック操作等の判定開始指令があったときに、それが判定処理部1bへ入力されるようにする。
【0026】
また、一つの料理に複数項目の食材、調味料を使用する場合もあるが、その場合でもアミノ酸含有量としては料理そのものの量が変わらないことに鑑み(1品あたり約100g程度)、判定処理部1bにおいては、食材、調味料のアミノ酸指数A2,A3をそれらの項目数で除した数値(A2/2、A2/3、A3/2など)が総アミノ酸指数として算出されるようにする。
【0027】
検索データ入力手段3bは、日本酒DB、食材DB及び調味料DB中の任意のデータを検索表示欄4fへ読み出して閲覧可能にするものであり、任意の日本酒名を日本酒蘭4aに入力し、検索ボタン(図示せず)をクリック操作する等の検索開始指令によって、検索処理部1cが該当する日本酒を検索し、そのアミノ酸度A1を日本酒名と共に日本酒DBから抽出し、それが検索表示欄4fに表示される。
同様に、任意の食材名、調味料名を食材欄4c、調味料欄4dに入力すれば、判定開始指令により該当するアミノ酸指数A2,A3を食材名、調味料名と共に検索表示欄4fへ表示する。
また、日本酒の具体的なアミノ酸度A1を日本酒蘭4aに入力することにより、検索処理部1cが該当する日本酒名の一覧を日本酒DBから抽出して検索表示欄4fに表示し、食材のアミノ酸指数A2又は調味料のアミノ酸指数A3を食材欄4c、調味料欄4dに入力することにより、検索処理部1cが該当する食材又は調味料の一覧を表示するようにする。
【0028】
判定処理部1bは、判定開始指令により入力された日本酒のアミノ酸度A1、食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3を演算処理し、その総和値や合計値と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較することにより日本酒と料理(食材、調味料)との相性を判定するものである。
この判定処理部1bによる処理手順を本発明システムのフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0029】
(1)第1の処理手順は、上記選択データ入力手段3bにより日本酒と料理、又は日本酒と食材及び調味料が入力されて、アミノ酸度A1、アミノ酸指数A2及びA3の全てが判定処理部1bへ入力される場合であって、図6のフローチャート図により説明する。
【0030】
(ステップSP1) 選択データ入力手段3aにより日本酒欄4aに日本酒名を入力し、料理欄4bに料理名を入力するか又は料理に使用する該食材名及び調味料名を食材欄4c及び調味料欄4dに入力する。
(ステップSP2) 判定開始指令により、日本酒DBから該当す日本酒のアミノ酸度A1が読み出され、また、食材DB及び調味料DBから該当する食材のアミノ酸指数A2及び調味料のアミノ酸指数A3が判定処理部1bへ読み出される。
なお、日本酒のアミノ酸度A1がラベル等により判明している場合は、日本酒名に代えてアミノ酸度を直接に入力してもよい。
また、日本酒DB、食材DB、調味料DBに該当する日本酒など選択項目がない場合には、例外として感応検査を実施する。
【0031】
(ステップSP3) 上記食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算して料理のアミノ酸指数(A2+A3)を算出する。
(ステップSP4) 上記アミノ酸度A1、アミノ酸指数(A2+A3)が加算されてアミノ酸総和値(A1+A2+A3)を算出する。
なお、上記ステップSP3を省略して、本ステップにおいてアミノ酸総和値を一度に算出することも任意である。
(ステップSP5) 次いで、上記アミノ酸総和値(A1+A2+A3)と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較して日本酒と料理との相性を判定する。
【0032】
(ステップSP6) 判定結果を表示装置4の判定表示欄4eに表示する。
判定結果は、アミノ酸総和値(A1+A2+A3)が旨味基準域(4.5〜5.0)内にあれば日本酒と料理の相性が適切であり、アミノ酸総和値が旨味基準域より過大又は過小であれば相性が不適切である。
判定結果の表示としては、判定表示欄4eに適切を示すOKマーク、不適切を示すNGマークや、それらマークと共にアミノ酸総和値と旨味基準域の比較データ(総和値=4.5〜5.0、総和値>4.5〜5.0、総和値<4.5〜5.0)を表示するようにする。
なお、判定結果が表示された後の処理については後述する。
【0033】
(実施例1) 上記第1の処理手順の実施例であって、日本酒に「○○海」、食材に「生たこ」、調味料に「うすくち醤油」を選択した場合を説明する。
選択データ入力手段3aにより、日本酒欄4aに「○○海」を入力し、同様に、食材欄4cに「生たこ」、調味料欄4dに「うすくち醤油」を入力すると(SP1)、日本酒DBから該当するアミノ酸度「2.2」が読み出され、食材DBから該当するアミノ酸指数「1.6」、調味料DBから該当するアミノ酸指数「1.0」が読み出される(SP2)。
上記食材及び調味料の読み出されたアミノ酸指数「1.6」と「1.0」が加算されてアミノ酸指数(1.6+1.0=2.6)が算出される(SP3)。
次に、アミノ酸総和値(2.2+2.6=4.8)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(4.8)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP5)。
その比較データが(4.8=4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示される(SP6)。
【0034】
(実施例2) 同様に、日本酒に「EB宗」、食材に「若鳥胸肉」、調味料に「たれ(たまり醤油)」を選択し入力した場合には(SP1)、判定処理部1bにおいて、アミノ酸総和値(2.2+2.2+1.4=5.8)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(5.8)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP5)。
その比較データが(5.8>4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が不適切である表示が提示される(SP6)。
【0035】
(2)第2の処理手順は、一つの料理として食材及び/又は調味料に複数項目の素材を使用する場合であって、図7のフローチャート図により説明する。
【0036】
(ステップSP11) 選択データ入力手段3aによって料理欄4bに複数項目の素材を使用する料理名を入力するか、又は食材欄4cに複数の食材1及び食材2を入力し、また、調味料欄4dに複数の調味料名1及び調味料名2を入力する。なお、日本酒欄4aに単一の日本酒名を入力することは図6の場合と同様であるので簡略化して図示する。
(ステップSP12) 判定開始指令により、日本酒DBから該当する日本酒のアミノ酸度A1が読み出され、また、食材DB及び調味料DBから該当する食材1のアミノ酸指数A2a、食材2のアミノ酸指数A2b及び調味料1のアミノ酸指数A3a、調味料2のアミノ酸指数A3bが判定処理部1bへ読み出される。
【0037】
(ステップSP13) 上記食材、調味料ごとにアミノ酸指数A2,A3を算出する。この場合のアミノ酸指数A2は、食材の総アミノ酸指数を食材総数で除した数値、すなわち図示の場合では(A2a+A2b/2)であり、アミノ酸指数A3は、調味料の総アミノ酸指数を調味料総数で除した数値、すなわち図示の例では(A3a+A3b/2)である。
(ステップSP14) 上記食材1及び食材2のアミノ酸指数A2と調味料1及び調味料2のアミノ酸指数A3を加算して料理のアミノ酸指数(A2+A3)を算出する。
【0038】
(ステップSP15) 判定処理部1bにおいて、先ず上記アミノ酸度A1、アミノ酸指数(A2+A3)が加算されてアミノ酸総和値(A1+A2+A3)を算出する。
(ステップSP16) 次いで、上記アミノ酸総和値(A1+A2+A3)と前述した旨味基準域(4.5〜5.0)とを比較して日本酒と料理との相性を判定する。
【0039】
(ステップSP17) 判定結果を表示装置4の判定表示欄4eに表示する。
判定結果は、アミノ酸総和値(A1+A2+A3)が旨味基準域(4.5〜5.0)内にあれば日本酒と料理の相性が適切であり、アミノ酸総和値が旨味基準域より過大又は過小であれば相性が不適切である。
判定結果の表示として、判定表示欄4eに適切を示すOKマーク、不適切を示すNGマーク等を表示することは前述の場合と同様である。
なお、判定結果が表示された後の処理については後述する。
【0040】
(実施例3) 上記第2の処理手順の実施例であって、料理「鉄火巻」に使用される食材として「まぐろ」と「干しのり」の2項目を使用するとともに調味料に「うすくち醤油」1項目を使用し、日本酒に「○○海」を選択した場合を説明する。
選択データ入力手段3aにより、日本酒欄4aに「○○海」を入力し、料理欄4bに「鉄火巻」を入力するか、又は食材欄4cに「まぐろ、干しのり」、調味料欄4dに「うすくち醤油」を入力すると(SP11)、日本酒DBから該当するアミノ酸度「2.2」が読み出され、食材DBから該当するアミノ酸指数「2.2」と「2.5」が読み出され、同様に、調味料DBから該当するアミノ酸指数「1.0」が読み出される(SP12)。
読み出された食材のアミノ酸指数「2.2」と「2.5」の演算により食材の平均アミノ酸指数(2.2+2.5/2=2.35)が算出され(SP13)、さらに、調味料のアミノ酸指数「1.0」が加算されて料理のアミノ酸指数(2.35+1.0=3.35)が算出される(SP14)。
【0041】
次に、アミノ酸総和値(2.2+3.35=5.55)が算出され(SP15)、このアミノ酸総和値(5.55)と旨味基準域(4.5〜5.0)が比較される(SP16)。
その比較データが(5.55>4.5〜5.0)であるので、判定表示欄4eには相性が不適切である表示が提示される(SP17)。
【0042】
(3)第3の処理手順は、上記第1の処理手順又は第2の処理手順におい日本酒と料理の相性が不適切、つまりアミノ酸総和値が旨味基準域に対して過大又は過小と判定された場合に対応する手順であって、図8のフローチャート図により説明する。
【0043】
この処理手順は、表示装置4の判定表示欄4eに相性不適切の表示が提示された状態で、しかも日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dには、選択した日本酒、料理又は食材及び調味料が入力され表示されている状態でスタートする。
(ステップSP21) 表示されている選択データから変更したい選択品をクリック操作等により選択指定する。例えば、日本酒を変更したい場合には日本酒の変更を指定し、食材を変更したい場合には食材の変更を指定する等の操作をする。
(ステップSP22) それにより、変更しないその他の選択データのアミノ酸合計値を算出し、その合計値と旨味基準域とに基づいて変更する選択品のアミノ酸適正値を演算処理して算出する。
例えば、日本酒の変更を指定する場合は、食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算してその合計値(A2+A3)を算出し、その合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出し、食材の変更を指定する場合は、日本酒のアミノ酸度A1と調味料のアミノ酸指数A3の合計値(A1+A3)を算出し、該合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出する。
【0044】
(ステップSP23) 算出されたアミノ酸適正値に基づいて、日本酒、食材など変更する選択品のデーターベース(日本酒DB、食材DB、調味料DB)から前記適正値に該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3の選択品が、検索処理部1cにより抽出されて検索表示欄4fに表示される。
なお、変更する選択品が、前述した第2の処理手順における複数項目の食材又は調味料である場合には、その一部変更と全部変更とで区別して表示される。
(ステップSP24) 検索表示欄4fに抽出された日本酒又は食材や調味料の中から所望のものを選択する。
それにより選択された選択品(日本酒、食材、調味料)が該当する入力欄(日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄d)に入力される(先のデータが残っている場合には置き換えられる)。
【0045】
上記ステップSP24が完了した状態で、前述した第1の処理手順におけるステップSP1又は第2の処理手順におけるステップSP11が終了時となるので、次いでクリック操作等をすることによって、判定開始指令によりステップSP2又はステップSP12以後の第1又は第2の処理手順が進行する。
その場合には、何れも判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示されて判定結果の正しさを確認することができる。
【0046】
(実施例4) 上記実施例2における判定結果として判定表示欄4eに相性不適切((5.8>4.5〜5.0)であることが表示された場合(SP6)で、日本酒を変更する場合の処理手順について説明する。
日本酒欄4aの商品名をクリック操作することにより日本酒の変更を指定すると(SP21)、食材「若鳥胸肉」のアミノ酸指数「2.2」と調味料「たれ(たまり醤油)」のアミノ酸指数「1.4」の合計値(2.2+1.4=3.6)が算出されるとともに、その合計値と旨味基準域(4.5〜5.0)との差を演算してアミノ酸適正値(4.5〜5.0)−3.6=(0.9〜1.4)が算出される(SP22)。
【0047】
次いで、上記アミノ酸適正値(0.9〜1.4)に該当する日本酒が日本酒DBから抽出されて検索表示欄4fに提示されるので(SP23)、その中からアミノ酸指数を考慮して所望の日本酒、例えば「AB錦、アミノ酸指数1.1」を選択する(SP24)。
それにより、第1の処理手順(図6参照)に移行して、選択品のアミノ酸総和値(2.2+1.1+1.4=4.7)が算出され(SP4)、このアミノ酸総和値(4.7=4.5〜5.0)でなるので、判定表示欄4eには相性が適切である表示が提示される(SP6)。
すなわち、食材「若鳥胸肉」及び調味料「たれ(たまり醤油)」は、日本酒「EB宗」を「AB錦」に変更すれば相性適切であることを知ることができる。
【0048】
(4)第4の処理手順は、前記第3の処理手順が選択品データの一部を変更することに対し、選択品データの一部を特定することにより、それと相性のよい他の選択品を検索する手順であって、フローチャート図は前述した図8と略同等であるので説明の便宜のため同図8に基づいて説明する。
(ステップSP31) 空欄である日本酒欄4a、料理欄4b、食材欄4c、調味料欄4dに特定する日本酒名、料理名又は食材名、調味料名を入力する。
例えば、日本酒を特定して料理又は食材、調味料を検索する場合には、日本酒名を日本酒欄4aに入力し、食材及び調味料を特定して日本酒を検索する場合には、食材名及び調味料名を食材欄4c及び調味料欄4dに入力する。
なお、このステップについては図8において省略されている。
【0049】
(ステップSP32) 検索したい選択品を空欄の入力欄(日本酒欄、食材欄等)を選択することにより指定し、それをクリックする操作又は図示省略した前記検索ボタンのクリック操作等によって検索開始指令を出力させる。
(ステップSP33)それにより、特定した選択品のアミノ酸合計値を算出し、その合計値と旨味基準値とに基づいて検索する選択品のアミノ酸適正値を演算処理して算出する。
例えば、食材及び調味料を特定して日本酒を検索する場合は、食材のアミノ酸指数A2と調味料のアミノ酸指数A3を加算してその合計値(A2+A3)を算出し、その合計値(A2+A3)と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することによりアミノ酸適正値を算出する。
また、日本酒を特定して食材及び調味料を検索する場合は、日本酒のアミノ酸度A1がアミノ酸合計値となるので、該合計値A1と旨味基準域(4.5〜5.0)を加減算することにより食材及び調味料のアミノ酸適正値を算出する。
【0050】
(ステップSP34) 算出されたアミノ酸適正値に基づいて、日本酒、食材など検索する選択品のデーターベース(日本酒DB、食材DB、調味料DB)から前記適正値に該当するアミノ酸度A1又はアミノ酸指数A2,A3の選択品が、検索処理部1cにより抽出されて検索表示欄4fに表示される。
(ステップSP35) 検索表示欄4fに抽出された日本酒又は食材や調味料の中から所望のものを選択する。
それにより選択された選択品(日本酒、食材、調味料)が該当する入力欄(日本酒欄4a、食材欄4c、調味料欄d)に入力される。
【0051】
上記ステップSP34において、例えば、アミノ酸指数A2及びA3の食材及び調味料が検索表示欄4fに表示された場合には、その一方、例えば食材を選択することにより食材欄4cに選択食材が入力され、それにより前述のステップSP35〜36を経て適正値に該当する他方、例えば調味料が検索表示欄4fに表示されるので、その中から所望のものを選択すればよい。
【0052】
なお、上記ステップSP35が完了したときに、前述した第1の処理手順におけるステップSP1又は第2の処理手順におけるステップSP11が終了時となることは前記第3の処理手順と同様であり、次いでクリック操作等をすることによって、判定開始指令によりステップSP2又はステップSP12以後の第1又は第2の処理手順が進行する。
【0053】
次に、第1の処理手順(図6参照)又は第2の処理手順(図7参照)において日本酒と料理の相性適切が判定された場合について説明する。
上記旨味基準域にはある程度の範囲(4.5〜5.0)があることや、日本酒のアミノ酸度の測定法(フォモール滴定法)による誤差等を考慮すると、相性適切と判定された場合でも追試的に感応検査を行うことにより再確認することが好ましい。
その場合、感応検査によっても相性良好なら問題ないが、相性不良の検査結果のときは、その原因を追求して対応することが好ましい。
例えば、日本酒のアミノ酸度に測定誤差等があったり、食材や調味料についてアミノ酸指数に関するデータが不備のとき、あるいは特殊な食材を使用することが原因となっている場合には、それらの原因を考慮して再度第1の処理手順(図6参照)を実行する。
また、第2の処理手順(図7参照)で説明したように、食材及び調味料を複数項目使用する場合には、選択した食材等を考慮しながら再度第2の処理手順を実行する。
なお、この感応検査については本発明においては必須事項ではない。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、日本酒と料理の相性を判断する要素として、旨味成分との関係で必然性のあるアミノ酸含有量を選定し限定したので、コンピュータの使用と相俟って客観的な判定結果を迅速かつ容易に提示させることができる。
そして、請求項2によれば、日本酒と料理の相性不適切な判定結果が提示されても、選択品を変更することにより迅速、確実に相性のよい日本酒又は食材等を見い出すことができる。
【0055】
また、請求項3〜5によれば、予め、日本酒、食材等の一部を特定しておき、それと相性のよい食材等又は日本酒を検索することもでき、日本酒、料理の選択に著しく有効なシステムを提供することができる。
さらに、請求項8によれば、コンピュータ・ネットワークとの接続により、広範かつ有用なシステムの利用を可能ならしめる。
【0056】
付随的には、本発明のシステムにより、料理店や飲食店においては、提供する料理と相性のよい日本酒を仕入れることができて営業上の利益になり、酒販店においては、日本酒と相性のよい料理を顧客に知らせることによって販売促進となり、酒造メーカーにおいても、自社商品と相性の合う料理をラベルに併記することにより販売促進に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムのブロック図である。
【図2】本発明システムをコンピュータ・ネットワークに接続したブロック図である。
【図3】日本酒DBである。
【図4】食材DBである。
【図5】調味料DBである。
【図6】第1の処理手順を示すフローチャート図である。
【図7】第2の処理手順を示すフローチャート図である。
【図8】第3及び第4の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1:制御装置 1a:判定処理部(判定手段) 1b:検索処理部
2:記憶装置 3:入力装置
3a:選択データ入力手段
4:表示装置 4a:日本酒欄 4b:料理欄
4c:食材欄 4d:調味料欄 4e:判定表示欄
4f:検索表示欄
A1:アミノ酸度 A2:アミノ酸指数 A3:アミノ酸指数
100:管理サーバー
101:ユーザー端末
104:インターネット
Claims (8)
- 日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、
料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、
日本酒、食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度、アミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、
上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DB、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値を算出させ、その総和値を所定範囲の旨味基準域と比較することにより日本酒と料理との相性を判定する判定手段、
上記判定手段の判定結果を提示する表示手段、
とにより構成される日本酒と料理の相性判定システム。 - 上記日本酒のアミノ酸度と食材及び調味料のアミノ酸指数との総和値が旨味基準域にない場合に、変更する選択品を指定することにより、前記判定手段が、変更しない選択品のアミノ酸度及び/又はアミノ酸指数と前記旨味基準域を演算して変更する選択品の適正値を算出し、該適正値に該当する選択品を日本酒DB、食材DB、調味料DBの中から抽出し、表示装置がそれを提示して所望の選択データを選択させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の日本酒と料理の相性判定システム。
- 日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、
料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、
食材及び調味料より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸指数を入力する選択データ入力手段、
上記入力手段に入力されたデータによって、食材DB及び調味料DBから読み出され又は直接入力された食材及び調味料のアミノ酸指数との合計値を算出させるとともに、その合計値を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより日本酒のアミノ酸度適正値を算出させ、該適正値に該当する日本酒データを日本酒DBから抽出する判定手段、
上記抽出された日本酒データを提示する表示手段、
とにより構成される日本酒と料理の相性判定システム。 - 日本酒をそのアミノ酸度に応じて類別し蓄積した日本酒データベース(DB)、
料理に使用される食材及び調味料を、それらの定量中に含まれるアミノ酸含有量に基づき日本酒の類別に対応させ数値化したアミノ酸指数を蓄積した食材データベース(DB)及び調味料データベース(DB)、
日本酒より選んだ所望の選択品、又はそれらのアミノ酸度を入力する選択データ入力手段、
上記入力手段に入力されたデータによって、日本酒DBから読み出され又は直接入力された日本酒のアミノ酸度を所定範囲の旨味基準域から減算させることにより食材及び調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する食材データを食材DBから抽出する判定手段、
上記抽出された食材データを提示する表示手段、
とにより構成される日本酒と料理の相性判定システム。 - 請求項4記載の日本酒と料理の相性判定システムにおいて、上記表示手段に提示された食材データから所望の食材を選択することにより、判定手段が、調味料のアミノ酸指数適正値を算出させ、該適正値に該当する調味料データを調味料DBから抽出し、表示手段が該当する調味料データを提示することを特徴とする日本酒と料理の相性判定システム。
- 上記日本酒のアミノ酸度の類別が0.7〜2.5mlであり、それに対応する食材、調味料のアミノ酸指数が0.7〜2.5であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の日本酒と料理の相性判定システム。
- 上記旨味基準域が4.5〜5.0であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の日本酒と料理の相性判定システム。
- 上記選択データ入力手段及び表示手段がユーザー端末に搭載され、上記日本酒DB、食材DB、調味料DB及び判定手段が管理サーバーに構築され、その管理サーバーと複数のユーザー端末がコンピュータ・ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の日本酒と料理の相性判定システム。
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