JP2004241407A - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印加側電極部20は、アース側電極部30側に突出している複数の突起45を有する電極40と、電極40に設けられてアース側電極部30に対面する誘電体41と、印加側電極部20の誘電体41とアース側電極部30の間にガスを供給するガス供給部60,61とを有し、アース側電極部30は、被処理体70を載せた状態で印加側電極部20に対して平行に移動自在であり、アース側電極部30と誘電体41との間で電極40の各突起45に対応する位置においてプラズマ放電の放電発生部50,51,52を各々形成させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電することで被処理体(ワークともいう)の表面を処理するための表面処理装置および表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大気または大気圧近傍の圧力下において、プラズマ放電を用いて被処理体に対して表面処理をする装置が提案されている。大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電により表面処理をするメリットとしては、真空下でのプラズマ放電に比べて低圧雰囲気下での形成および制御用の装備が不要であり、大面積処理の実現および製造コストの低減が図りやすいことである。
このようなプラズマを用いた表面処理装置は、一対の電極の間に大気圧付近の圧力下で生成されるプラズマ放電発生部(放電領域ともいう)を生成するようになっている。そして一方の電極からは通気孔を通じてガスを導入するようになっている。このガスは、通気孔を通った後に多孔質体を通ってプラズマ放電発生部に入るようになっている。このようにすることで、被処理体に対して均一な表面処理が施せる(たとえば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−2149号公報(第1頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のプラズマ表面処理装置では、次のような問題がある。
従来の大気圧下で使用するプラズマ表面処理装置は、一対の電極の間で1つの放電発生部を形成するようになっている。そしてこの1つの放電発生部が、1種類のプロセスに必要な反応ガス(処理ガスともいう)を活性化させて被処理体に対して所望の表面処理を行う。
このような構造であると、別の種類の反応ガスを用いて処理する必要がある場合には、すでに使用した1種類の反応ガスから別の反応ガスにガス種を切り換えて行う必要がある。
【0005】
このようにガス種を切り換えて被処理体に対して複数種類の表面処理を連続的に行う場合には、上述したようなガス種を切り換えるための時間がかかってしまい、表面処理作業時間がかなり長くかかってしまう。
また従来のプラズマ処理装置は、1つの放電発生部しか有していないので、1つの被処理体の表面に対して複数回放電発生部に曝すことができない。
【0006】
そこで本発明は上記課題を解消し、一対の印加側電極部とアース側電極部の間で複数の放電発生部を形成することにより1つの被処理体に対して複数回の表面処理が可能であるばかりでなく、複数種類のガス種により複数種類の表面処理が1つの被処理体に対して可能な表面処理装置および表面処理方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面処理装置は、対向して配置された印加側電極部とアース側電極部の間に大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電することで被処理体の表面を処理するための表面処理装置であり、前記印加側電極部は、前記アース側電極部側に突出している複数の突起を有する電極と、前記電極に設けられて前記アース側電極部に対面する誘電体と、前記印加側電極部の前記誘電体と前記アース側電極部の間にガスを供給するガス供給部と、を有し、前記アース側電極部は、前記被処理体を載せた状態で前記印加側電極部に対して平行に移動自在であり、前記アース側電極部と前記誘電体との間で前記電極の各前記突起に対応する位置において前記プラズマ放電の放電発生部を各々形成させることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、プラズマ放電の放電発生部は、アース側電極部と誘電体との間で電極の各突起に対応する位置において各々形成することができる。したがって、アース側電極部に載せた被処理体に対してアース側電極部とともに被処理体を移動することにより、複数回1つの被処理体の表面を放電発生部に曝すことができる。このことから、被処理体の表面がより活性化される上に、ガスの活性化される量も増えるので反応が促進されて処理レートが上がる。
【0009】
上記構成において、前記印加側電極部は、1つの前記ガス供給部を有していることを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、印加側電極部が1つのガス供給部を有していることから、このガス供給部を通じて1種類のガスを放電発生部側に供給することができる。
【0010】
上記構成において、前記印加側電極部は、複数の前記ガス供給部を有していることを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、印加側電極部が、複数のガス供給部を有していることから、各ガス供給部からは異なるガス種のガスを供給することができる。このことから複数種類のガスを用いて、連続または同時に1つの被処理体の表面に対して複数種類の表面処理が行える。
【0011】
上記構成において、前記ガス供給部は、1種類のガスを供給することを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、ガス供給部は、1種類のガスを供給できる。
上記構成において、前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給することを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、ガス供給部は、複数種類のガスを供給することができる。
【0012】
本発明の表面処理方法は、対向して配置された印加側電極部とアース側電極部の間に大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電することで被処理体の表面を処理するための表面処理方法であり、前記印加側電極部の電極の複数の突起を、前記電極に設けられている誘電体を介して前記アース側電極部に載せた前記被処理体に対面させるための被処理体配置ステップと、前記アース側電極部と前記誘電体との間で前記電極の各前記突起に対応する位置において前記プラズマ放電の放電発生部を各々形成させ、前記印加側電極部の前記誘電体と前記アース側電極部の間にガス供給部からガスを供給し、前記被処理体を載せた前記アース側電極部を前記印加側電極部に対して平行に移動する放電発生ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、被処理体配置ステップでは、印加側電極部の電極の複数の突起を電極に設けられている誘電体を介してアース側電極部に載せた被処理体に対面させるようにする。放電発生ステップでは、アース側電極部と誘電体との間で各突起に対応する位置において、プラズマ放電の放電発生部を各々形成させる。そして放電発生ステップでは、印加側電極部の誘電体とアース側電極部の間にガス供給部から反応ガスを供給し、被処理体を載せたアース側電極部を印加側電極部に対して平行に移動する。
これにより、プラズマ放電の放電発生部は、アース側電極部と誘電体との間で電極の各突起に対応する位置において各々形成することができる。したがって、アース側電極部に載せた被処理体に対してアース側電極部とともに被処理体を移動することにより、複数回1つの被処理体の表面を放電発生部に曝すことができる。このことから、被処理体の表面がより活性化される上に、ガスの活性化される量も増えるので反応が促進されて処理レートが上がる。
【0014】
上記構成において、前記印加側電極部は、1つの前記ガス供給部を有していることを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、印加側電極部が1つのガス供給部を有していることからこのガス供給部を通じて1種類のガスを放電発生部側に供給することができる。
【0015】
上記構成において、前記印加側電極部は、複数の前記ガス供給部を有していることを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、印加側電極部が、複数のガス供給部を有していることから、各ガス供給部からは異なるガス種のガスを供給することができる。このことから複数種類のガスを用いて、連続または同時に1つの被処理体の表面に対して複数種類の表面処理が行える。
【0016】
上記構成において、前記ガス供給部は、1種類のガスを供給することを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、ガス供給部は、1種類のガスを供給できる。
上記構成において、前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給することを特徴とすることが望ましい。
このような構成によれば、ガス供給部は、複数種類のガスを供給することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明の表面処理装置の好ましい第1の実施形態を示している。
この表面処理装置10は、大気圧プラズマ表面処理装置などとも呼んでいる。
表面処理装置10は、大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電による複数の放電発生部を用いて、被処理体の表面に対して表面処理を連続または同時に行うことができる装置である。この表面処理装置10は、1種類のガスにより被処理体の表面処理を連続的に行う装置である。
【0018】
本発明の実施形態で用いる表面処理とは、アッシング、エッチング、親水処理や撥水処理などの表面改質、洗浄、成膜などを含んでいる。アッシング処理は、たとえばガラス基板などの被処理体の表面上の有機物の除去処理である。エッチング処理は、たとえばガラス基板などの被処理体の表面上の成膜物の除去処理である。親水処理は、たとえばガラス基板などの被処理体の表面上に親水性の膜を形成する処理である。撥水処理は、たとえばガラス基板などの被処理体の表面上に撥水膜を形成する処理である。
表面処理装置10において発生するプラズマの種類としては、大気圧または大気圧近傍の圧力下で発生するグロー放電プラズマである。このグロー放電プラズマは、プラズマ生成用のガス中でのグロー放電の発生に伴って生成する。
【0019】
図1に示す表面処理装置10は、印加側電極部20と、アース側電極部30、ガス収容部21、交流電源(RF電源ともいう)23、移動操作部25を有している。
印加側電極部20とアース側電極部30は、いわゆる平行平板型のプラズマ放電装置を形成している。印加側電極部20は第1の電極部とも呼ぶことができ、アース側電極部30は第2の電極部とも呼ぶことができる。印加側電極部20とアース側電極部30は、隙間を介して平行に配置されている。
このように表面処理装置10は、一対の印加側電極部20とアース側電極部30を有しており、いわゆる1つの直接放電式の放電手段を構成している。
【0020】
まず、図1に示す印加側電極部20の構造について説明する。
図1に示す印加側電極部20は、平板状の電極40と、平板状の誘電体41を有している。
電極40は、交流電源23に対して電気的に接続されている。交流電源23は接地されている。電極40は、交流電源23により、高周波電力が供給される。電極40は、電極となりうる導電性の高い材質、たとえばアルミニウム、銅、ステンレス(SUS)、チタン、タングステン、などにより作られている。
【0021】
印加側電極部20の電極40の形状において特に特徴的なのは、次の点である。
電極40の一方の面43は、交流電源23に電気的に接続されている。この一方の面43は平坦面である。これに対して他方の面44側には、複数の突起45(図示例では3つ)が、一定間隔をおいて形成されている。図1における断面で見て長方形状の各突起45は、アース側電極部30側に向けて突出して形成されている。突起45の先端面45Aは、図1の第1の実施形態では平坦になっている。この先端面45Aはアース側電極部30に対面しており、アース側電極部30に対して平行である。
これらの各突起45は、アース側電極部30と誘電体41との間で各々プラズマ放電の放電発生部50,51,52を形成するための部分である。この放電発生部50,51,52は、放電領域または放電発生領域とも呼んでいる。
【0022】
誘電体41は、電極40の他方の面44側に固定されている。各突起45は、誘電体41の凹部41Aにはめ込まれて固定されている。
誘電体41は、たとえばアルミナや窒化シリコンなどのセラミックスや石英などにより作られている。誘電体41は、放電発生部の発生域を定めて、不要な放電が他の部分に生じないようにするものである。
誘電体41の内面41Bは、アース側電極部30に対して平行に対面している。この内面41Bは、アース側電極部30と平行な面である。アース側電極部30と誘電体41の内面41Bの間には、各突起45に対応する位置において各々放電発生部50,51,52が生成できる。
【0023】
印加側電極部20は、複数、たとえば2つのガス供給部60,61を有している。ガス供給部60,61は、電極40と誘電体41に対して通じる穴である。このガス供給部60,61は、ガス収容部21に対して接続されている。
これによりガス収容部21内に収容されているキャリアガスと反応ガスの混合ガスは、ガス供給部60,61を通じて、放電発生部50,51の間の領域と、放電発生部51,52の間の領域に各々供給することができる。つまり混合ガスはガス供給部60,61を通じて、誘電体41の内面41Bとアース側電極部30の上に搭載されている被処理体70の表面71の間に供給することができる。
混合ガスの種類としては、たとえば被処理体70の表面71に対して親水性処理を行う場合には、キャリアガスとしてHeを用い、反応ガスとしてO2を用いる。このHeとO2の混合ガスは、ガス供給部60,61を通じて、誘電体41の内面41Bと被処理体70の間に供給することができる。
【0024】
次に、アース側電極部30について説明する。
アース側電極部30は、上述したように印加側電極部20に対面して平行に配置された電極部である。アース側電極部30は、接地されている。アース側電極部30は、平板状の部材であり、アーステーブルとも呼ばれている。
アース側電極部30は、ガイドレール80に沿って搬送方向Tに移動可能になっている。このアース側電極部30を移動させるために、移動操作部25がアース側電極部30に連結されている。移動操作部25は流体圧シリンダや電気モータなどの各種のアクチュエータを用いることができる。
アース側電極部30は、たとえば電極40と同様な材質により作ることができる。
アース側電極部30の搭載面30Eには、被処理体70が搭載されている。この被処理体70は、たとえばシリコン基板や、液晶表示装置(LCD)に用いられるガラス基板などである。
【0025】
次に、上述した図1に示す表面処理装置10を用いて、被処理体70の表面71に対して表面処理を行うための表面処理方法の例について、図2を参照して説明する。
図2の被処理体配置ステップST1では、図1に示す印加側電極部20の電極40の複数の突起45を誘電体41を介して対面させるために、被処理体70がアース側電極部30の搭載面30Eの上に載せられる。
被処理体70はアース側電極部30の上に搭載された状態で、アース側電極部30が移動操作部25の操作によりたとえば搬送方向Tに移動できるようにする。これにより、電極40および誘電体41と被処理体70が対面する。
この状態において、電極間距離Lは、各突起45の先端面45Aとアース側電極部30の搭載面30Eの間の距離をいう。この第1の実施形態では、たとえば各突起45の突出高さは同じである。しかし、各突起45の突出高さは、異なっていてもよい。この突出高さが異なっている場合としては、たとえば異種ガスを使った場合である。
【0026】
次に、図2に示す放電発生ステップST2に移る。ステップST2では、交流電源23が高周波交流電力を電極40に供給すると、アース側電極部30と誘電体41との間で各突起45に対応する位置において、プラズマ放電の放電発生部50,51,52が各々形成される。
この状態においてガス収容部21内のガスは、ガス供給部60,61を通じて放電発生部50,51,52側に供給される。これによって放電発生部50においては大気圧プラズマが生成されて、反応ガスの励起活性種を生じる。この励起活性種が、被処理体70の表面をたとえば親水処理することができる。
【0027】
この場合に、移動操作部25が作動することにより被処理体70は、アース側電極部30とともに搬送方向Tに沿ってガイドレール80に従って往復移動させることができる。このことから、被処理体70の表面71は、複数の放電発生部50,51,52により複数回何度も曝される。
この結果、被処理体70の表面は、活性化が促進される上に、ガスの活性化される量も増えるので、結果として反応が促進される。このことから表面処理における処理レートの高速化が図れる。
また、複数の放電発生部50,51,52が生成されていることにより、被処理体70の表面71には曝露処理が繰り返して施されるので、被処理体70の表面71の表面処理状態が安定して処理分布が均一になる。このことから、被処理体70の表面71の処理表面の品質の向上が図れる。
【0028】
さらに、上述したように放電発生部50,51,52が生成されるので、反応ガスが放電に何度も曝されることから、活性化される分子の量が増えるので、被処理体70の表面との反応が進む。したがって、反応ガスの供給量を削減することができるので、ガスを使用する際の効率化が図れる。
このように、複数の放電発生場所である放電発生部50,51,52が一対の印加側電極部20とアース側電極部30の間に生成することができることから、上述したようなメリットが生じる。
【0029】
なお、図1のガス供給部21は、混合ガスをガス供給部60,61に送るばかりでなく、処理上必要ならばキャリアガス(たとえばHe)のみを送ることもできる。
図2の被処理体の除去ステップST3では、表面処理の終わった被処理体70が搭載面30Eから除去された後、新たな被処理体70が搭載面30Eに搭載される。
【0030】
第2の実施形態
図3は、本発明の表面処理装置の第2の実施形態を示している。
図3に示す表面処理装置100は、図1に示す表面処理装置10に比べると、ほとんどの部分で同じ構造を有している。したがって、図3に示す表面処理装置100の部分が、図1に示す表面処理装置10の対応する部分と同じである場合には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
【0031】
図3に示す表面処理装置100が図1に示す表面処理装置10と異なるのは、1つのガス供給部160が設けられていることである。このガス供給部160は、ガス収容部21に接続されている。ガス供給部160は、電極40と誘電体41に通じて形成されている穴である。ガス供給部160から供給されるガスは、たとえば反応ガスとしてのO2とキャリアガスとしてのHeの混合ガスである。この混合ガスは、誘電体41と被処理体70の表面71の間に供給される。
このように複数のガス供給部ではなく、1つのガス供給部160が印加側電極部20に設けられるようにしても勿論構わない。
【0032】
第3の実施形態
図4は、本発明の表面処理装置の第3の実施形態を示している。
図4に示す表面処理装置200の部分が、図1の表面処理装置10の部分と同じであるところには同じ符号を記してその説明を用いる。
図4におけるアース側電極部30、移動操作部25、交流電源23、被処理体70は、図1に示すものと同様なものを採用することができる。
【0033】
図4に示す表面処理装置200は、印加側電極部220とアース側電極部30を有している。印加側電極部220は、第1の電極とも呼び、アース側電極部30は第2の電極とも呼んでいる。印加側電極部220とアース側電極部30は、対面していて、平行平板型の一対のプラズマ放電用の電極構造を有している。
この表面処理装置200は、複数種類のガスを用いて連続または同時に被処理体の表面処理を行う装置である。
【0034】
図4に示す印加側電極部220は、電極240と誘電体241を有している。電極240は、図1に示す電極40と同様な材質のものにより作ることができる。電極240は、複数、たとえば2つの突起245を有している。突起245の先端面245Aはアース側電極部30側に平行に対面している。
電極240は、誘電体241と組み合わせることにより一体化されている。誘電体241は、図1の実施形態の誘電体41と同様にセラミックスや石英などにより作られている。
【0035】
誘電体241は、凹部241Aを有している。これら凹部241Aには、電極240の突起245がはめ込まれている。特徴的なのは、誘電体241の内面241B,241Cは、中央の境界部分255により分けられていることである。このように境界部分255により分けられた内面241B,241Cは、各々電極240の突起245,245に各々対応した面である。
境界部分255の先端面255Aは、アース側電極部30側に突出していて、被処理体70との間でわずかな隙間を残して対面している。
【0036】
印加側電極部220は、2つのガス供給部260,261を有している。ガス供給部260は第1ガス収容部300に接続されている。ガス供給部261は、第2ガス収容部301に接続されている。
第1ガス収容部300は、たとえばキャリアガスとしてのHeと、反応ガスとしてのCF4(4フッ化炭素)の混合ガスを収容している。第2ガス収容部301は、たとえばキャリアガスとしてのHeと、反応ガスとしてのO2の混合ガスを収容している。
ガス供給部260は、第1ガス収容部300のガスを放電発生部250側に供給する。ガス供給部261は、第2ガス収容部301に収容されている混合ガスをもう1つの放電発生部251側に供給する。
【0037】
次に、図4に示す表面処理装置200が、被処理体70の表面71に対して表面処理を行う方法の例について説明する。
アース側電極部30の上には被処理体70が搭載されている。移動操作部25が作動することによりアース側電極部30と被処理体70は、ガイドレール80に沿って搬送方向Tに移動する。これによって、印加側電極部220と被処理体70が対面する。
印加側電極部220とアース側電極部30の間には、放電発生部250,251が生成される。そして、ガス供給部260から第1ガス収容部300側の混合ガスが放電発生部250に供給される。同様にして、ガス供給部261は、第2ガス収容部301からの混合ガスが放電発生部251に供給される。
【0038】
これによって、被処理体70の表面71に対しては、複数の放電発生部250,251において各々異種のプロセスガスを流すことができる。これによって、被処理体70の表面71には、たとえば親水性処理と撥水性処理のプロセス処理を行える。この場合に、誘電体241は、境界部分255を有しているので、この境界部分255が、放電発生部250側のガスと放電発生部251側のガスが混ざってしまうのを防ぐことができる。
被処理体70はアース側電極部30の搬送方向Tの往復移動により、各々の放電発生部250,251において、活性化された反応ガスと反応して異なる種類の処理を連続的に行うことができる。
【0039】
このように、図4に示す表面処理装置200の構造を採用することにより次のようなメリットがある。
複数の異なるプロセスガスによりプロセス処理を行う際に、一対の印加側電極部220とアース側電極部30で、行うことができる。このことから、従来と異なり表面処理装置の台数が1台ですみ、1台の表面処理装置を用いることで、複数処理できるので、装置の台数を減らすことができる。
【0040】
しかも、装置の台数を減らすことができることから、装置の占める接地面積を削減できるとともに、装置コストも軽減化できる。
また従来必要であった異なる複数の装置の間において被処理体を搬送するための搬送部が不要となる。
図4の表面処理装置200は、被処理体70の表面71に対して複数のプロセス処理を同時または連続で行うことができるために、処理レートが向上し処理の経時変化の影響を軽減することができる。
【0041】
本発明の表面処理装置は、上述したように平行平板型のプラズマ処理装置である。本発明の表面処理装置は、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマ放電を用いていて、複数の表面処理、たとえば表面改質やエッチングなどの処理を連続または同時に行うことができる。表面処理としては、アッシング、エッチング、親水処理や撥水処理などの表面改質、洗浄、成膜である。
【0042】
ガスとしては、たとえばHe,He+O2,He+CF4を用いていて、一対の印加側電極部とアース側電極部により複数の放電発生部を生成することができる。このような複数の放電発生部により、プロセス用反応ガス(反応性ガスとも呼ぶ)を活性化させることにより、複数の種類の表面処理が同時にまたは連続的に行える。
【0043】
本発明の実施形態では、たとえばキャリアガスとしてHeを用いている。また撥水性処理にはたとえばHe+CF4の混合ガスを用いることができ、親水性処理としてはHe+O2の混合ガスを用いることができる。
本発明の実施形態では、被処理体の種類としては、処理目的に応じて種々のものを採用することができる。被処理体は、たとえばパッケージされたICなどの電子部品、シリコン基板、液晶表示装置(LCD)に用いられるガラス基板などや、プラスチックの板である。
本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理装置の第1の実施形態を示す図。
【図2】本発明の表面処理方法の一例を示す図。
【図3】本発明の表面処理装置の第2の実施形態を示す図。
【図4】本発明の表面処理装置の第3の実施形態を示す図。
【符号の説明】
10・・・表面処理装置、20・・・印加側電極部、21・・・反応ガス収容部、23・・・交流電源、30・・・アース側電極部、40・・・印加側電極部の電極、41・・・印加側電極部の誘電体、45・・・電極の突起、50,51,52・・・放電発生部(放電領域ともいう)、60,61・・・ガス供給部、70・・・被処理体、71・・・被処理体の表面
Claims (10)
- 対向して配置された印加側電極部とアース側電極部の間に大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電することで被処理体の表面を処理するための表面処理装置であり、
前記印加側電極部は、
前記アース側電極部側に突出している複数の突起を有する電極と、
前記電極に設けられて前記アース側電極部に対面する誘電体と、
前記印加側電極部の前記誘電体と前記アース側電極部の間にガスを供給するガス供給部と、を有し、
前記アース側電極部は、前記被処理体を載せた状態で前記印加側電極部に対して平行に移動自在であり、前記アース側電極部と前記誘電体との間で前記電極の各前記突起に対応する位置において前記プラズマ放電の放電発生部を各々形成させることを特徴とする表面処理装置。 - 前記印加側電極部は、1つの前記ガス供給部を有していることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
- 前記印加側電極部は、複数の前記ガス供給部を有していることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
- 前記ガス供給部は、1種類のガスを供給することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表面処理装置。
- 前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給することを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
- 対向して配置された印加側電極部とアース側電極部の間に大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ放電することで被処理体の表面を処理するための表面処理方法であり、
前記印加側電極部の電極の複数の突起を、前記電極に設けられている誘電体を介して前記アース側電極部に載せた前記被処理体に対面させるための被処理体配置ステップと、
前記アース側電極部と前記誘電体との間で前記電極の各前記突起に対応する位置において前記プラズマ放電の放電発生部を各々形成させ、前記印加側電極部の前記誘電体と前記アース側電極部の間にガス供給部からガスを供給し、前記被処理体を載せた前記アース側電極部を前記印加側電極部に対して平行に移動する放電発生ステップと、を有することを特徴とする表面処理方法。 - 前記印加側電極部は、1つの前記ガス供給部を有していることを特徴とする請求項6に記載の表面処理方法。
- 前記印加側電極部は、複数の前記ガス供給部を有していることを特徴とする請求項6に記載の表面処理方法。
- 前記ガス供給部は、1種類のガスを供給することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表面処理方法。
- 前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給することを特徴とする請求項8に記載の表面処理方法。
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