JP2004241188A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が高く、かつ発光効率の高い新しい構造の有機EL素子を提供する。
【解決手段】陽極上に、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料と、有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記発光材料の混合割合が徐々に増加する第1の層が形成されている。第1の層の上、有機電子輸送材料を含む第2の層が形成されている。第2の層の上に、導電材料からなる陰極が形成されている。正孔輸送材料の正孔移動度が電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、電子輸送材料の電子移動度が正孔輸送材料の電子移動度よりも大きい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に関し、特に少なくとも2種類の有機材料の混合比が厚さ方向に関して徐々に変化する有機層を含む有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、自己発光のため視認性が高く、様々な色を発色できる等の特徴を有している。このため、現在活発に研究開発が行われており、種々の構成の有機EL素子が提案されている。一般に、有機EL素子は、陽極となる透明電極層、陰極となる金属電極層、及び両者の間に挟まれた有機材料層の3層を含んで構成される。
【0003】
透明電極層から有機材料層に正孔が注入され、金属電極層から有機材料層に電子が注入される。有機材料層内で正孔と電子とが再結合し、励起子が生成される。この励起子が失活する際に光(蛍光及び/または燐光)が発生する。有機材料層内で発生した光が、透明な電極層を通して外部に放出される。
【0004】
有機材料層は、陽極側から順番に、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層が積層された多層構造を有する場合が多い。多層構造の厚さを薄くすることにより、駆動電圧を低減させることができる。また、フルカラー化のために様々な有機材料が積極的に開発されている。
【0005】
特許文献1に、電子輸送(electron transport)材料Aと、正孔輸送(hole transport)材料Bとを混合して有機材料層を単層で構成した有機EL素子が開示されている。有機材料層が単層であるため、製造が比較的簡単であり、多層の素子に比べて信頼性に優れている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−23776号公報
【特許文献2】
特開2002−151259号公報
【特許文献3】
特開昭63−264692
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、信頼性が高く、かつ発光効率の高い新しい構造の有機EL素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、導電材料からなる陽極と、前記陽極上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料と、有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記発光材料の混合割合が徐々に増加する第1の層と、前記第1の層の上に形成され、有機電子輸送材料を含む第2の層と、前記第2の層の上に形成された導電材料からなる陰極とを有し、前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きい有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0009】
正孔輸送材料と発光材料との混合比が、厚さ方向に関して徐々に変化することにより、正孔輸送材料から発光材料に効率よく正孔を注入することができる。
【0010】
本発明の他の観点によると、導電材料からなる陽極と、前記陽極上に形成され、有機正孔注入材料と有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記正孔輸送材料の混合割合が徐々に増加する第1の層と、前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料からなる第2の層と、前記第2の層の上に形成され有機電子輸送材料を含む第3の層と、前記第3の層の上に形成された導電材料からなる陰極とを有し、前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きく、前記正孔注入材料は、前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔注入効率を高める有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0011】
正孔輸送材料と発光材料との混合比が、厚さ方向に関して徐々に変化することにより、正孔輸送材料から発光材料に効率よく正孔を注入することができる。
【0012】
本発明の他の観点によると、導電材料からなる陽極と、前記陽極上に形成され、有機正孔輸送材料を含む第1の層と、前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料と、有機電子輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記電子輸送材料の混合割合が徐々に増加する第2の層と、前記第2の層の上に形成された導電材料からなる陰極とを有し、前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きい有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0013】
発光材料と電子輸送材料との混合比を厚さ方向に関して変化させることにより、電子輸送材料から発光材料に電子を効率的に注入することができる。
【0014】
本発明の他の観点によると、導電材料からなる陽極と、前記陽極上に形成され、有機正孔注入材料と有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記正孔輸送材料の混合割合が増加する第1の層と、前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料を含む第2の層とを有し、前記正孔注入材料は、前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔の注入効率を高める性質を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0015】
正孔注入材料と正孔輸送材料との混合比を厚さ方向に関して変化させることにより、正孔注入材料から正孔輸送材料に正孔を効率的に注入することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の第1の実施例による有機EL素子の断面図を示す。透明基板1の表面上に陽極層2、有機材料層3、及び陰極層4がこの順番に積層されている。透明基板1は、ガラスまたはプラスチック等で形成され可視光を透過させる。なお、透明基板1は、水蒸気透過性の低い材料で形成することが好ましい。また、プリズム作用を備えたマイクロレンズ基板等を用いてもよい。電源5が、陽極層2と陰極層4との間に所定の電圧を印加する。
【0017】
陽極層2は、仕事関数が大きな(例えば4eV以上)金属、合金、電気導電性化合物、またはこれらの混合物で形成される。このような材料の例として、ニッケル、金、白金、パラジウム、セレン、レニウム、イリジウム、これらの金属の合金、酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨウ化銅、酸化亜鉛、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリピロール等が挙げられる。
【0018】
陰極層4は、仕事関数の小さな(例えば4eV以下)金属、合金、電気導電性化合物、またはこれらの混合物で形成される。このような材料として、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム−リチウム合金、マグネシウム銀混合物、インジウム、マンガン、クロム等が挙げられる。
【0019】
陽極層2及び陰極層4は、上述の材料からなる導電層を積層した構造にしてもよい。有機EL素子を面発光素子として用いる場合には、陽極層2及び陰極層4のいずれか一方が透明または半透明にされる。金属等の遮光性の材料が用いられる場合には、その膜厚を薄くすることにより光を透過させることができる。好ましくは、陽極層2をITO等の透明材料で形成し、陰極層4をアルミニウム−リチウム合金等の遮光性材料で形成する。これにより、透明基板1を通して光を取り出すことができる。
【0020】
有機EL素子を端面発光素子として用いる場合には、陽極層2及び陰極層4の両方を遮光性の材料で形成する。
【0021】
陽極層2及び陰極層4は、500nm以下の厚さ、好ましくは10〜300nmの厚さにされる。有機材料層3は、実用的な低電圧で発光を可能とするために、通常は2μm以下、好ましくは10〜600nmの厚さにされる。
【0022】
図2(A)を参照して、有機材料層3の詳細な構造について説明する。図2(A)の横軸は陽極層2から陰極層4までの厚さ方向の位置を表し、縦軸は各層を構成する材料の混合比を表す。陽極層2と陰極層4との間に挟まれた有機材料層3は、陽極層2側の第1の層10と陰極層4側の第2の層11との2層に区分される。第1の層10は、正孔輸送材料(hole transporting material)HTMと発光材料(emissive material)EMとの混合物で形成されている。第2の層11は、電子輸送材料(electron transporting material)ETMで形成されている。
【0023】
正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料等の有機材料として、一般に低分子系材料と称される有機LED材料を使用することができる。これらの有機材料は、例えば1×10−4〜1×10−5Pa程度の真空容器内で分子が分解することなく蒸発または昇華し、目的の基板上に当該有機材料からなる薄膜を形成することができる。好ましくは、分子量3000以下の有機材料が使用される。
【0024】
正孔輸送材料HTMは、正孔を輸送しやすい有機材料であり、その正孔移動度は、発光材料EMや電子輸送材料ETMの正孔移動度よりも大きい。電子輸送材料ETMは、電子を輸送しやすい材料であり、その電子移動度は、発光材料EMや正孔輸送材料HTMの電子移動度よりも大きい。発光材料EMは、電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、その励起子が失活するときに蛍光及び/または燐光を発生しやすい有機材料である。通常、正孔輸送材料HTMや電子輸送材料ETM内で励起子が失活するときにも発光現象が生じる。発光材料EMは、発光効率の点で、正孔輸送材料HTMや電子輸送材料ETMよりも優れている。
【0025】
正孔輸送材料HTMの例として、α−NPD、TPD、トリフェニルアミン系等の正孔移動度の高い有機材料が挙げられる。発光材料EMの例として、Alq3、DPVBi、Bebq2、ジスチリルアリーレン系、スチリルアミン系等の有機材料が挙げられる。また、ホスト材料に、蛍光色素を添加することにより発光させることも可能である。蛍光色素の例として、クマリン系の緑色材料、及びDCJTBやDCM等の赤色材料が挙げられる。電子輸送材料ETMの例として、Alq3やバソフェナントロリン等が挙げられる。
【0026】
第1の層10内において、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとの混合比が厚さ方向に関して単調に変化している。混合比が厚さ方向に関して単調に変化しているような混合形態を傾斜混合と呼ぶこととする。陽極層2に接する表面において、正孔輸送材料HTMの混合比が100%であり、陽極層2から遠ざかるに従って正孔輸送材料HTMの混合比が減少するとともに、発光材料EMの混合比が増加する。第2の層11に接する表面において、発光材料EMの混合比が100%になる。ここで、混合比とは、全重量に対する各材料の重量の割合を意味する。
【0027】
上記第1の実施例では、第1の層10内の正孔輸送材料HTMと発光材料EMとを傾斜混合させていることにより、両者の材料界面でのポテンシャル障壁が滑らかに変化する。ポテンシャル障壁が不連続に大きく変化すると、界面近傍に正孔が滞留する。滞留した正孔は、有機材料に悪影響を及ぼす。第1の実施例では、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとの明確な界面を消失させているため、局所的に正孔が滞留することを防止し、長寿命化を図ることができる。
【0028】
また、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとを2層に分ける場合に比べて、2つの材料の分子同士の総接触面積が増加する。これにより、正孔輸送材料HTMから発光材料EMへの正孔の円滑な移動が期待される。
【0029】
図2(A)では、正孔輸送材料HTMの混合比が厚さ方向に関して線型に変化している場合を示しているが、曲線状に変化させてもよいし、多数の小さな段差を有する階段状に変化させてもよい。この場合にも、陽極層2から遠ざかるに従って、正孔輸送材料HTMの混合比が単調に増加するような傾斜混合とすることが好ましい。
【0030】
図7に、上記実施例の有機EL素子の有機材料層を形成するためのインライン方式の成膜装置の概略図を示す。この成膜装置には、4つの成膜室100a〜100d、及びこれらの成膜室を連続させる搬送室101が設けられている。これらの各室内は、排気装置により真空排気される。基板102が搬送室101内を搬送される時に、成膜室100a〜100dの上方をこの順番に通過する。基板102は、例えば一辺が200mmの正方形のガラス基板であり、その一方の表面上にITO膜が形成されている。基板102の搬送速度は、例えば1.3mm/sである。
【0031】
各成膜室100a〜100d内に、有機材料が充填されたるつぼが配置されている。基板102が成膜室100a〜100dの上方を通過する時に、当該成膜室内に配置されたるつぼから蒸発した有機材料が基板102の表面に被着し、有機材料膜が形成される。
【0032】
図8に、傾斜混合層を形成するための成膜室100aの概略図を示す。成膜室100aの上方に搬送室101が連続している。排気装置103が成膜室100a内を真空排気する。成膜室100a内に、基板102の搬送方向に沿って2つのるつぼ105a及び105bが配置されている。るつぼ105a及び105bは、それぞれヒータ106a及び106bで加熱される。るつぼ105a及び105b内に、それぞれ正孔輸送材料及び発光材料が充填される。膜厚モニタ110a及び110bで、それぞれるつぼ105a及び105bから蒸発した有機材料の被着した膜の厚さをモニタすることができる。
【0033】
2つのるつぼ105a及び105bの間に仕切り板107が配置されている。仕切り板107の上端と、その上を通過する基板102との間に、所定の間隔が設けられている。基板102のうち仕切り板107の上方を通過する領域に、2つのるつぼ105a及び105bの両方から蒸発した有機材料が被着する。るつぼ105aの上方からるつぼ105bの上方に進むに従って、るつぼ105bから蒸発した有機材料の被着量が多くなる。これにより、傾斜混合された有機材料膜を形成することができる。
【0034】
仕切り板107と、その上方を通過する基板102との間隔を調節することにより、傾斜混合された有機材料膜の厚さや混合比の傾斜を制御することができる。
【0035】
次に、第1の実施例の変形例について説明する。第1の実施例の変形例による有機EL素子の有機材料層も、図2(A)に示した第1の実施例の有機EL素子と同様に、第1の層10と第2の層11との2層構造を有する。第1の実施例の変形例による有機材料層3の混合比を、図2(A)に括弧つきで示す。
【0036】
第1の層10は、正孔注入材料(hole injection material)HIMと正孔輸送材料HTMとが傾斜混合された層である。第2の層11は、発光材料EMと電子輸送材料ETMとが均等に混合された層である。なお、発光材料EMが電子輸送材料を兼ねる場合もある。第1の層10内において、陽極層2から遠ざかるに従って正孔注入材料HIMの混合比が徐々に減少し、正孔輸送材料HTMの混合比が徐々に増加する。
【0037】
有機材料層に用いられる有機材料の最高占有分子軌道(HOMO:highest occupied molecular orbital)と最低非占有分子軌道(LUMO:lowest unoccupied molecular orbital)との電位差であるバンドギャップは、一般に1.5〜3.5eVであり、好ましくは1.8〜3eVである。
【0038】
正孔注入材料HIMは、陽極層2のイオン化ポテンシャル値に近いHOMOレベルを持ち、陽極層2から正孔注入材料HIMに効率よく正孔が注入される。これにより、正孔注入材料HIMを介して正孔輸送材料HTMに、効率よく正孔を注入することができる。正孔の注入効率を高めるために、正孔注入材料HIMのHOMOレベルが、陽極層2のイオン化ポテンシャル値と正孔輸送材料HTMのHOMOレベルとの中間になるように、これらの材料を選択することが好ましい。
【0039】
正孔輸送材料HTMの正孔移動度は、正孔注入材料HIMの正孔移動度よりも高い。このため、正孔輸送材料HTMに注入された正孔は、主として正孔輸送材料HTM内を輸送される。このため、正孔注入材料HIMは、必ずしも正孔移動度の高い有機材料から選択する必要はない。このため、正孔の注入効率を高めるために、より好適な有機材料を選択することが可能になる。
【0040】
正孔注入材料HIMの例として、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系材料、スターバースト等の芳香族アミン系材料、及びオリゴアミン系等の低分子有機材料、及びPEDOT(バイエルン社の商品名)等の高分子材料が挙げられる。なお、正孔注入材料HIMからなる層を陽極層と正孔輸送材料HTMからなる層との界面に配置する場合には、厚さ1〜5nm程度の極薄い酸化シリコン膜が、正孔注入効率を高める層として作用する場合もある。
【0041】
第1の実施例の変形例では、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとを傾斜混合させることにより、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとの界面のエネルギ障壁を滑らかに変化させることができる。また、正孔注入材料HIMからなる層と正孔輸送材料HTMからなる層とを2層に分ける場合に比べて、両者の実質的な界面が広くなり、正孔注入材料HIMから正孔輸送材料HTMに正孔をより効率的に移動させることができる。
【0042】
次に、第1の実施例の変形例による有機材料層3の成膜方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。
【0043】
図8に示したるつぼ105a内に、正孔注入材料である銅フタロシアニンを充填し、るつぼ105b内に、正孔輸送材料であるN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPD)を充填する。蒸発速度は、図2(A)に示した第1の層10の膜厚が200nmになるように調節した。
【0044】
図7に示した成膜室100b内に、発光材料と電子輸送材料とを兼ねるトリス(8−ハイドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)を充填する。蒸発速度は、第2の層11の膜厚が100nmになるように調節した。成膜室100c内にリチウムを充填し、成膜室100d内にアルミニウムを充填する。成膜室100cと100dとにより、リチウム層とアルミニウム層との2層構造を有する陰極層4が形成される。
【0045】
図9に、上記第1の実施例の変形例による有機EL素子の発光スペクトルを示す。横軸は波長を単位「nm」で表し、縦軸は光度を、最大値を1とした相対目盛で表す。図中の実線Qが、上記第1の実施例の変形例による有機EL素子の発光スペクトルを示す。
【0046】
比較のために、第1の層を厚さ100nmの正孔注入材料層と厚さ100nmの正孔輸送材料層との2層で構成した有機EL素子の発光スペクトルを、破線Rで示す。両者とも、Alq3に基づく発光スペクトルを示しており、基本的な発光特性は、傾斜混合を採用しても、2層に分離しても変わらないことがわかる。
【0047】
また、第1の層10を、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが均等に混合された有機材料と、発光材料EMとを傾斜混合させた層としてもよい。
【0048】
図2(B)に、第2の実施例による有機EL素子の有機材料層の構造を示す。第2の実施例の有機材料層3は、陽極層2側の第1の層15と陰極層4側の第2の層16との2層に区分される。基板及び電極の構成は、図1に示した第1の実施例による有機EL素子の構造と同様である。なお、次に説明する第3の実施例以降の実施例の有機EL素子の基板及び電極構造も、図1に示した第1の実施例による有機EL素子の構造と同様である。
【0049】
第1の層15は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが均等に混合された層である。第2の層16は、発光材料EMと電子輸送材料ETMとが傾斜混合された層である。陰極層4に接する表面において、電子輸送材料ETMの混合比が100%であり、陰極層4から遠ざかるに従って電子輸送材料ETMの混合比が低下する。
【0050】
第2の実施例の場合には、発光材料EMと電子輸送材料ETMとが傾斜混合されている。これにより両者の界面においてエネルギ障壁が滑らかに変化し、電子輸送材料ETMから発光材料EMに、電子を円滑に移動させることができる。また、発光材料層と電子輸送材料層とを2層に分ける場合に比べて、両者の接触面積を広くすることができる。これにより、電子輸送材料ETMから発光材料EMに電子を効率的に移動させることができる。
【0051】
図2(B)では、発光材料EMが陰極層4の極近傍まで添加されている。電子と正孔とが再結合する領域が陰極層4の近傍まで広がり、陰極層4を形成する金属に励起子が触れると、励起子のエネルギが金属に吸収され、発光が生じなくなる。この現象を、エネルギ消光と呼ぶ。
【0052】
陰極層4に接するある厚さの領域を、電子輸送材料ETMのみからなる層とすることにより、発光に寄与しない電子正孔の再結合を減少させ(エネルギ消光を抑制し)、発光効率を高めることができる。
【0053】
図2(C)に、第3の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第3の実施例の有機材料層3は、陽極層2側の第1の層20と陰極層4側の第2の層21との2層に区分される。第1の層20は、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第1の層20内においては、陽極層2から遠ざかるに従って、発光材料EMの混合比が増加する。
【0054】
第2の層21は、電子輸送材料ETMと発光材料EMとが傾斜混合ざれた層である。第2の層21内においては、陰極層4から遠ざかるに従って、発光材料EMの混合比が増加する。第1の層20と第2の層21との界面において、発光材料EMの混合比が100%になる。
【0055】
第3の実施例の場合には、正孔輸送材料HTMから発光材料EMに、効率的に正孔を移動させることができる。さらに、電子輸送材料ETMから発光材料EMに電子を効率的に移動させることができる。また、第1の層20内では正孔過多状態になり、第2の層21内では電子過多状態になる。両者の界面近傍で、正孔と電子との両方の存在確率が高くなる。すなわち、この界面近傍で正孔と電子との再結合が生じやすい。再結合しやすい領域において、発光材料EMの混合比を高くしているため、正孔と電子とが再結合することにより発生したエネルギが効率よく発光材料EMに注入され、発光効率を高めることができる。
【0056】
第1の層20内の正孔輸送材料HTMの代わりに、正孔輸送材料HIMと正孔注入材料HTMとを均等に混合した有機材料を用いてもよい。これにより、陽極層2から第1の層20への正孔の注入効率を高めることができる。
【0057】
図3(A)に、第4の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第4の実施例の有機材料層3は、陽極層2側の第1の層25と陰極層4側の第3の層27と、その間に挟まれた第2の層26との3層に区分される。第1の層25は、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第1の層25内においては、陽極層2から遠ざかるに従って、発光材料EMの混合比が増加する。
【0058】
第2の層26は、電子輸送材料ETMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第2の層26内においては、陰極層4から遠ざかるに従って、発光材料EMの混合比が増加する。第1の層25と第2の層26との界面において、発光材料EMの混合比が100%になる。
【0059】
第3の層27は、電子輸送材料ETMのみで形成されている。陰極層4の近傍に発光材料EMが添加されていないため、陰極層4の極近傍では、正孔と電子との再結合が生じにくい。このため、陰極層4を形成する金属によるエネルギ消光を抑制することができ、発光効率を高めることができる。
【0060】
図3(B)に、第5の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第5の実施例の有機材料層3は、陽極層2側から順番に配置された第1の層30、第2の層31、第3の層32、第4の層33、第5の層34、及び第6の層35に区分することができる。
【0061】
第1の層30は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが傾斜混合された層である。第2の層31は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第3の層32は、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第4の層33は、正孔輸送材料HTMと発光材料EMと電子輸送材料ETMとが傾斜混合された層である。第5の層34は、発光材料EMと電子輸送材料ETMとが傾斜混合された層である。第6の層35は、電子輸送材料ETMのみで形成される。
【0062】
第1の層30と第2の層31との2層内において、陽極層2から遠ざかるに従って正孔注入材料HIMの混合比が徐々に減少し、正孔輸送材料HTMの混合比が徐々に増加している。第2の層31と第3の層32との2層内において、陽極層2から遠ざかるに従って発光材料EMの混合比が増加している。第3の層32と第4の層33との2層内において、陽極層2から遠ざかるに従って正孔輸送材料HTMの混合比が減少している。第4の層33と第5の層34との2層内において、陰極層4に近づくに従って発光材料EMの混合比が減少し、電子輸送材料ETMの混合比が増加している。
【0063】
第5の実施例では、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが傾斜混合されているため、正孔注入材料HIMを介して、陽極層2から正孔輸送材料HTMに効率的に正孔を注入することができる。また、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合されているため、正孔を発光材料EMに効率的に注入することができる。
【0064】
正孔輸送材料HTMが添加された領域が、電子輸送材料ETMの添加されている第4の層33まで延びている。このため、発光材料EMの正孔移動度が低い場合であっても、陰極層4に近い領域に添加されている発光材料EMまで正孔を効率よく輸送することができる。これにより、発光材料EMが添加された層の広い範囲で正孔と電子とが再結合する。再結合領域が広くなるため、再結合領域が局在化する場合に比べて、発光材料EMの長寿命化が期待できる。
【0065】
さらに、図3(A)に示した第4の実施例の場合と同様に、陰極層4の近傍に電子輸送材料ETMのみからなる第6の層35が配置されているため、エネルギ消光を抑制し、発光効率を高めることができる。
【0066】
図3(C)に、第6の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第6の実施例の有機材料層3は、陽極層2側から順番に配置された第1の層37、第2の層38、第3の層39、第4の層40、及び第5の層41に区分することができる。
【0067】
第1の層37は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが傾斜混合された層である。第2の層38は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第3の層39は、正孔輸送材料HTMと発光材料EMとが傾斜混合された層である。第4の層40は、発光材料EMと第1の電子輸送材料ETM1とが傾斜混合された層である。第5の層41は、第1の電子輸送材料ETM1と第2の電子輸送材料ETM2とが傾斜混合された層である。
【0068】
第1の層37と第2の層38との2層内において、陽極層2から遠ざかるに従って正孔注入材料HIMの混合比が徐々に減少する。正孔輸送材料HTMの混合比は、陽極層2から遠ざかるに従って、第1の層37内において徐々に増加し、第2の層38内においてほぼ一定であり、第3の層39内において徐々に減少する。発光材料EMの混合比は、第2の層38及び第3の層39の2層内において、陽極層2から遠ざかるに従って徐々に増加し、第3の層39と第4の層40との界面においてほぼ100%になる。第4の層40内においては、陰極層4に近づくに従って徐々に減少する。
【0069】
第1の電子輸送材料ETM1の混合比は、第4の層40内においては陰極層4に近づくに従って徐々に増加し、第5の層41内においては陰極層4に近づくに従って徐々に減少する。第2の電子輸送材料ETM2の混合比は、第5の層41内において陰極層4に近づくに従って徐々に増加し、陰極層4に接する表面において100%になる。
【0070】
一般に、電子輸送材料と陰極層材料とを接触させると、電子輸送材料のLUMOレベルと陰極層の材料の仕事関数との差等により、両者の界面に、電子に対する電位障壁が形成される。この電位障壁の高さによって、陰極層から電子輸送材料への電子の注入効率が影響を受ける。
【0071】
第6の実施例においては、2種類の電子輸送材料ETM1及びETM2が使用されている。第2の電子輸送材料ETM2のLUMOレベルと陰極層4の仕事関数との差が、第1の電子輸送材料ETM1のLUMOレベルと陰極層4の仕事関数との差よりも小さくなるように、各材料が選択されている。このため、第1の電子輸送材料ETM1と陰極層4とを直接接触させる場合に比べて、陰極層4から有機材料層3への電子の注入効率を高めることができる。
【0072】
また、第1の電子輸送材料ETM1は、第2の電子輸送材料ETM2よりも高い電子移動度を有する材料から選択されている。このため、第2の電子輸送材料ETM2のみを使用する場合に比べて、電子を発光材料EMまで効率的に輸送することができる。
【0073】
さらに、第1の電子輸送材料ETM1と第2の電子輸送材料ETM2とが傾斜混合されている。このため、エネルギ障壁を滑らかに変化させることができる。
【0074】
第2の電子輸送材料ETM2の耐熱性が低い(ガラス転移点が低い)場合でも、第1の電子輸送材料ETM1を耐熱性の高い有機材料から選択することにより、第2の電子輸送材料ETM2の耐熱性の低さを補うことができる。
【0075】
図3(D)に、第7の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第7の実施例の有機材料層3は、陽極層2側の第1の層45と、陰極層4側の第2の層46との2層に区分される。
【0076】
第1の層45は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが均等に混合された有機材料と、第1の発光材料EM1とが傾斜混合された層である。第2の層46は、第2の発光材料EM2と電子輸送材料ETMとが傾斜混合された層である。
【0077】
第1の層45内において、陽極層2から遠ざかるに従って第1の発光材料EM1の混合比が徐々に増加する。第1の発光材料EM1の混合比は、陽極層2に接する表面において0%であり、第2の層46に接する表面において100%である。第2の層46内において、陰極層4に近づくに従って第2の発光材料EM2の混合比が徐々に減少する。第2の発光材料EM2の混合比は、第1の層45に接する表面において100%であり、陰極層4に接する表面において0%である。
【0078】
第7の実施例においては、2種類の発光材料EM1とEM2とが、第1の層45と第2の層46との界面で接する。第2の層46内では正孔の移動度が低く、第1の層45内では電子の移動度が低い。このため、2層の界面近傍に電子と正孔とが滞留しやすくなり、界面近傍で再結合が生じやすくなる。第1の発光材料EM1と第2の発光材料EM2との発光色が異なる場合に、発光色の制御性及び再現性を高めることができる。
【0079】
なお、第1の発光材料EM1の正孔移動度と電子移動度とが、第2の発光材料EM2のそれらと大きく異なる場合には、正孔と電子とが再結合し易い位置が第1の層45と第2の層46との界面から一方の層に偏る場合がある。この場合には、第1の層45と第2の層46との界面近傍において、第1の発光材料EM1と第2の発光材料EM2とを傾斜混合させて、発光色を制御することが有効である。
【0080】
例えば、再結合し易い領域が第1の層45内に偏っている場合には、第1の層45と第2の層46との界面から第1の層45内にある厚さ分だけ侵入した薄い層内において、第1の発光材料EM1と第2の発光材料EM2とを傾斜混合させればよい。このとき、この薄い層内において、第1の層45と第2の層46との界面から遠ざかるに従って、第2の発光材料EM2の混合比が徐々に低下するようにすればよい。
【0081】
再結合し易い領域が第2の層46内に偏っている場合には、その逆に、第1の層45と第2の層46との界面から第2の層46内にある厚さ分だけ侵入した薄い層内において、第1の発光材料EM1と第2の発光材料EM2とを傾斜混合させればよい。
【0082】
図4(A)に、第8の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構成を示す。第8の実施例の有機材料層3は、図2(A)に示した第1の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同一である。第8の実施例においては、第1の層10のうち第2の層11側の一部の厚さの領域、及び第2の層11内に、蛍光色素DOPが添加されている。蛍光色素DOPを添加することにより、発光色を変えることができる。
【0083】
正孔と電子とが再結合する領域が陰極層4の近傍まで広がっている場合には、陰極層4に接触する領域に、蛍光色素DOPを添加しない層を配置することが好ましい。これにより、陰極層4を形成する金属によるエネルギ消光を抑制し、発光効率の低下を防止することができる。
【0084】
第8の実施例において、第1の層10を、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが均一に混合された有機材料と、発光材料EMとを傾斜混合させた層とし、第2の層11を電子輸送材料ETMで形成してもよい。
【0085】
図4(B)に、第9の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第9の実施例の有機材料層3の基本構成は、図2(B)に示した第2の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同一である。第9の実施例においては、第1の層15のうち第2の層16側のある厚さの領域に第1の蛍光色素DOP1が添加され、第2の層16のうち第1の層15側のある厚さの領域に第2の蛍光色素DOP2が添加されている。正孔輸送材料HTMと発光材料EMとに異なる蛍光色素を添加することにより、2つの発光色の強度比を制御し、EL素子の発光色を変えることができる。蛍光色素の濃度や、蛍光色素が添加される部分の厚さを変えることにより、発光色を制御することができる。
【0086】
図4(B)では、第1の蛍光色素DOP1が添加された層と第2の蛍光色素DOP2が添加された層とが相互に接触している場合を示した。この2つの層を離して配置し、第1の層15と第2の層16との界面近傍に、蛍光色素の添加されていない層を設けてもよい。電子と正孔との再結合により生じた発光に関わるエネルギが、第1の層15と第2の層16との界面近傍に局在化される場合、界面近傍に2種類の蛍光色素が添加されていると、バンドギャップの小さな蛍光色素が優先的に発光しやすくなる。第1の蛍光色素DOP1が添加された層と第2の蛍光色素DOP2が添加された層とを離して配置し、両者の間隔や、第1の層15と第2の層16との界面から蛍光色素が配置された領域までの距離を調節することにより、2種類の蛍光材料の発光強度比を制御することができる。
【0087】
図4(C)に、第10の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第10の実施例の有機材料層3の基本構成は、図2(C)に示した第3の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同一である。第10の実施例においては、第1の層20のうち第2の層21側のある厚さの領域に第1の蛍光色素DOP1が添加され、第2の層21のうち第1の層20側のある厚さの領域に第2の蛍光色素DOP2が添加されている。発光材料EMに蛍光色素を添加することにより、発光色を変えることができる。
【0088】
図4(C)では、第1の蛍光色素DOP1が添加された領域と、第2の蛍光色素DOP2が添加された領域との境界が、発光材料EMの混合比が最大(100%)になる位置と一致しているが、両者の境界を、発光材料EMの混合比が最大になる位置からずらしてもよい。これにより、第1の蛍光色素DOP1からの発光と、第2の蛍光色素DOP2からの発光との強度比を変えることができる。
【0089】
図5(A)に、第11の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。基本的な構成は、図4(B)に示した第9の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構成とほぼ同一である。第9の実施例では、第1の蛍光色素DOP1及び第2のDOP2の濃度が厚さ方向に関してほぼ一定であったが、第10の実施例においては、第1の層15と第2の層16との界面から遠ざかるに従って、蛍光色素DOP1及びDOP2の濃度が低下する。
【0090】
一般に正孔輸送材料HTMと電子輸送材料ETMとの界面に正孔と電子が滞留しやすい。このため、第1の層15と第2の層16との界面近傍で、正孔と電子との再結合が生じやすい。再結合の生じやすい領域の蛍光色素の濃度を高めているため、蛍光色素からの効率的な発光が得られる。なお、第1の蛍光色素DOP1が添加された領域と、第2の蛍光色素DOP2が添加された領域との界面を、第1の層15と第2の層16との界面からずらしてもよい。
【0091】
図5(B)に、第12の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第12の実施例の有機材料層3の基本的な構成は、図3(A)に示した第4の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同一である。第12の実施例においては、第1の層25と第2の層26との界面を含むある厚さの領域に、蛍光色素DOPが添加されている。第1の層25と第2の層26との界面において、蛍光色素DOPの濃度が最大になり、界面から遠ざかるに従って濃度が減少している。
【0092】
発光材料EMの混合比の高い領域において、蛍光色素DOPの濃度を高くすることにより、発光効率を高めることができる。
【0093】
図5(C)に、第13の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第13の実施例の有機材料層3の基本的な構成は、図5(B)に示した第12の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同様である。第12の実施例では、1種類の蛍光色素DOPが添加されていたが、第13の実施例では2種類の蛍光色素DOP1及びDOP2が添加されている。
【0094】
第1の層25のうち第2の層26側のある厚さの領域に第1の蛍光色素DOP1が添加され、第2の層26のうち第1の層25側のある厚さの領域に第2の蛍光色素DOP2が添加されている。これらの蛍光色素の濃度は、第1の層25と第2の層26との界面から遠ざかるに従って低下している。2つの層の界面近傍において、第1の蛍光色素DOP1と第2の蛍光色素DOP2とは傾斜混合されており、第1の蛍光色素DOP1が添加された領域と第2の蛍光色素DOP2が添加された領域との明確な界面を消失させている。2種類の蛍光色素を添加することにより、発光色を変化させることができる。
【0095】
図5(D)に、第14の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第14の実施例の有機材料層3の基本的な構成は、図5(C)に示した第13の実施例の有機材料層3の構成とほぼ同様である。第13の実施例では、蛍光色素DOP1及びDOP2の各々の濃度が、第1の層25と第2の層26との界面から遠ざかるに従って徐々に低下していた。第14の実施例では、蛍光色素DOP1及びDOP2の各々の濃度が、厚さ方向に関して三角波状に変動している。また、三角波の各山の高さが、第1の層25と第2の層26との界面から遠ざかるに従って低くなっている。
【0096】
蛍光色素の濃度分布を三角波状にすることにより、ホスト材料(この場合には発光材料EM)のHOMO−LUMOバンドの内部に、蛍光色素DOP1及びDOP2のHOMO−LUMOバンドを、濃度的に不連続に形成することができる。
【0097】
蛍光色素の濃度分布の各山は、相互に接触するようにしてもよいし、離散的に配置してもよい。各山を離散的に配置すると、蛍光色素のHOMO−LUMOバンドが、厚さ方向に関して不連続に分布することになる。蛍光色素DOP1及びDOP2のHOMO−LUMOバンドのバンドギャップは、通常、ホスト材料のHOMO−LUMOバンドのバンドギャップよりも小さい。このため、蛍光色素DOP1及びDOP2の分子に励起エネルギを閉じ込めて、効率的に発光させることができる。
【0098】
図6に、第15の実施例による有機EL素子の有機材料層3の構造を示す。第15の実施例の有機材料層3は、陽極層2側の第1の層50、陰極層4側の第3の層52、及び両者の間の第2の層51に区分される。
【0099】
第1の層50は、正孔注入材料HIMと正孔輸送材料HTMとが傾斜混合された層である。陽極層2から遠ざかるに従って、正孔注入材料HIMの混合比が減少している。第3の層52は、第1の電子輸送材料ETM1と第2の電子輸送材料ETM2とが傾斜混合された層である。陰極層4から遠ざかるに従って、第2の電子輸送材料ETM2の混合比が減少する。この第1及び第2の電子輸送材料には、図3(C)に示した第6の実施例の第5の層41を形成する第1及び第2の電子輸送材料と同じものが用いられる。第2の層51は、発光材料EMで形成される。
【0100】
発光材料EMで形成された第2の層31の両側を明確な界面で仕切ることにより、正孔と電子との再結合により発生するエネルギを発光材料EM内に効率的に閉じ込める効果が期待できる。
【0101】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機EL素子を構成する有機材料層の種々の有機材料を傾斜混合させることにより、発光効率を高めたり、長寿命化を図ったりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による有機EL素子の概略断面図である。
【図2】本発明の第1〜第3の実施例による有機EL素子の有機材料層の材料混合比を示すグラフである。
【図3】本発明の第4〜第7の実施例による有機EL素子の有機材料層の材料混合比を示すグラフである。
【図4】本発明の第8〜第10の実施例による有機EL素子の有機材料層の材料混合比を示すグラフである。
【図5】本発明の第11〜第14の実施例による有機EL素子の有機材料層の材料混合比を示すグラフである。
【図6】本発明の第15の実施例による有機EL素子の有機材料層の材料混合比を示すグラフである。
【図7】有機材料層の成膜装置の概略図である。
【図8】傾斜混合層を形成するための成膜装置の概略断面図である。
【図9】第1の実施例の変形例による有機EL素子の発光スペクトル、及び比較例による有機EL素子の発光スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 透明基板
2 陽極層
3 有機材料層
4 陰極層
5 電源
HTM 正孔輸送材料
HIM 正孔注入材料
EM 発光材料
ETM 電子輸送材料
DOP 蛍光色素

Claims (26)

  1. 導電材料からなる陽極と、
    前記陽極上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料と、有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記発光材料の混合割合が徐々に増加する第1の層と、
    前記第1の層の上に形成され、有機電子輸送材料を含む第2の層と、
    前記第2の層の上に形成された導電材料からなる陰極と
    を有し、
    前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きい有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第1の層が、さらに有機正孔注入材料を含み、該正孔注入材料は、前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔の注入効率を高める請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第1の層が、前記陽極から遠ざかるに従って前記正孔注入材料の混合割合が徐々に低くなる層を含む請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第2の層がさらに前記発光材料を含み、前記陰極に近づくに従って該発光材料の混合割合が徐々に減少する請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第1の層が、前記陽極側から順番に、第3の層、第4の層、及び第5の層を含み、該第3の層は、前記正孔注入材料と前記正孔輸送材料とを含むが前記発光材料は含まず、前記第4の層は、前記正孔注入材料、前記正孔輸送材料、及び前記発光材料を含み、前記第5の層は、前記正孔輸送材料と前記発光材料とを含むが前記正孔注入材料を含まず、前記第3及び前記第4の層からなる積層内においては、前記陽極から遠ざかるに従って前記正孔注入材料の混合割合が低くなり、前記第4及び前記第5の層からなる積層内においては、前記陽極から遠ざかるに従って前記発光材料の混合割合が高くなる請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第2の層が、前記第1の層側から順番に、第6の層及び第7の層を含み、前記第6の層は、前記正孔輸送材料、前記電子輸送材料、及び前記発光材料を含み、前記第7の層は、前記電子輸送材料と前記発光材料とを含むが、前記正孔輸送材料は含まず、前記第6及び第7の層からなる積層内において、前記陰極から遠ざかるに従って前記電子輸送材料の混合割合が高くなっている請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記第2の層が、前記陰極に接する第8の層を含み、該第8の層は、前記電子輸送材料を含むが前記発光材料を含まない請求項1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記第8の層が、2種類の電子輸送材料を含み、一方の第1の電子輸送材料は、他方の第2の電子輸送材料よりも高い電子移動度を有し、前記第2の電子輸送材料は、前記陰極から前記第1の電子輸送材料への電子の注入効率を高め、前記陰極から遠ざかるに従って、前記第1の電子輸送材料の混合割合が高くなっている請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第1の層内の発光材料の発光波長と前記第2の層内の発光材料の発光波長とが異なる請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第1の層のうち少なくとも前記第2の層側の一部分、及び前記第2の層のうち少なくとも前記第1の層側の一部分に、蛍光色素がドープされている請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記蛍光色素がドープされている部分のうち、前記陽極寄りの部分と前記陰極寄りの部分に、相互に蛍光波長の異なる蛍光色素がドープされている請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第2の層のうち前記陰極に接触する部分には蛍光物質がドープされていない請求項10または11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記蛍光物質がドープされている部分のうち、前記陽極側の一部分においては、該陽極に近づくに従って蛍光物質の濃度が低下している請求項10〜12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記蛍光物質がドープされている部分のうち、前記陰極側の一部分においては、該陰極に近づくに従って蛍光物質の濃度が低下している請求項10〜12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 厚さ方向に関して、前記蛍光物質の濃度が増減を繰り返す請求項10〜12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記蛍光物質のドープされた層が、厚さ方向に関して離散的に複数配置されている請求項10〜12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記正孔輸送材料が含まれた層と前記発光材料が含まれた層との界面が画定されており、該界面を含むある厚さ部分には前記蛍光材料がドープされていない請求項10〜16のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記正孔輸送材料が含まれた層と前記発光材料が含まれた層との界面よりも前記陽極側の領域にドープされている前記蛍光物質と、該界面よりも前記陰極側にドープされている前記蛍光物質とが異なる請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 導電材料からなる陽極と、
    前記陽極上に形成され、有機正孔注入材料と有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記正孔輸送材料の混合割合が徐々に増加する第1の層と、
    前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料からなる第2の層と、
    前記第2の層の上に形成され有機電子輸送材料を含む第3の層と、
    前記第3の層の上に形成された導電材料からなる陰極と
    を有し、
    前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きく、前記正孔注入材料は、前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔注入効率を高める有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 導電材料からなる陽極と、
    前記陽極上に形成され、有機正孔輸送材料を含む第1の層と、
    前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料と、有機電子輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記電子輸送材料の混合割合が徐々に増加する第2の層と
    前記第2の層の上に形成された導電材料からなる陰極と
    を有し、
    前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きい有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記第2の層が、前記陰極側の面に、前記発光材料を含まない層を有する請求項20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 前記第1の層のうち前記第2の層側の一部分、及び前記第2の層のうち前記第1の層側の一部分に、蛍光色素がドープされている請求項20または21に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 前記蛍光色素がドープされている部分のうち、前記陽極寄りの部分と前記陰極寄りの部分に、相互に蛍光波長の異なる蛍光色素がドープされている請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 導電材料からなる陽極と、
    前記陽極上に形成され、有機正孔注入材料と有機正孔輸送材料とを含み、該陽極から遠ざかるに従って前記正孔輸送材料の混合割合が増加する第1の層と、
    前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料を含む第2の層と
    を有し、前記正孔注入材料は、前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔の注入効率を高める性質を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 導電材料からなる陽極と、
    前記陽極上に形成され、正孔注入材料と正孔輸送材料とを含む第1の層と、
    前記第1の層の上に形成され、電子と正孔との再結合によって光を放射する有機発光材料を含む第2の層と、
    前記第2の層の上に形成され、電子輸送材料を含む第3の層と、
    前記第3の層の上に形成された導電材料からなる陰極と
    を有し、
    前記正孔輸送材料の正孔移動度が前記電子輸送材料の正孔移動度よりも大きく、前記電子輸送材料の電子移動度が前記正孔輸送材料の電子移動度よりも大きく、前記正孔注入材料が前記陽極から前記正孔輸送材料への正孔の注入効率を高める有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 前記第3の層が、2種類の電子輸送材料を含み、一方の第1の電子輸送材料の電子移動度が、他方の第2の電子輸送材料の電子移動度よりも高く、第2の電子輸送材料が前記陰極から前記第1の電子輸送材料への電子の注入効率を高め、前記陰極から遠ざかるに従って前記第1の電子輸送材料の混合割合が徐々に高くなっている請求項25に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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