JP2004239306A - クラッチコントロールシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を自動操作で実現し得るようにしたクラッチコントロールシステムを提供する。
【解決手段】ドライブギヤ23に噛合したドリブンギヤ24と一体に傾動するカム26により共用のプッシュロッド27を互いに独立して進退動せしめるようにしたカムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構28を並列配置し、プッシュロッド27に押されて進出する第一ピストン29によりスプリング30の弾撥力に抗し第二ピストン31を進出させて第一圧力室32から作動油を押し出すようにした作動油圧送機構33を装備してアクチュエータ20を構成し、第一圧力室32とクラッチ断接手段とを流路接続し、各電動カム機構28の電動モータを制御装置で選択的に電子制御し得るように構成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチコントロールシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は大型トラック等の大型車両に採用されている従来のクラッチコントロールシステムの一例を示すもので、図14中1は運転席に装備されたクラッチペダル、2は該クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ、3はリリースレバー4を介し図示しないクラッチを「断」とするクラッチブースタを示し、運転者がクラッチペダル1を踏み込むと、マスタシリンダ2により作動油がクラッチブースタ3の後段のハイドロリックピストン部5’を経由してリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図14中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図15参照)するようにしてあり、また、作動油はリレーピストン部6から更に前段のハイドロリックピストン部5に到達して油圧を作用させるようにしてある。
【0003】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、エアタンク10からポペットバルブ部9を経由して圧縮空気がダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図14中の右側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され(図15参照)、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図14中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0004】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油がクラッチブースタ3の前後のハイドロリックピストン部5,5’及びリレーピストン部6からマスタシリンダ2に戻り、他方、リレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図14中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経てリレーピストン本体7内の通路を通過してシリンダシェル13内のピストン14前方に入り、更にクラッチブースタ3のシリンダ排気ポートを経由してリレーバルブ16のジョイント部17より排気され、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0005】
以上はクラッチペダル1による手動操作の場合を説明したが、ここに図示しているクラッチコントロールシステムにおいては、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御により自動操作も行えるようになっており、より具体的には、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始されると、制御装置18から常時閉のクラッチ制御電磁弁19に向け電子信号が送られて該クラッチ制御電磁弁19のポートが開き、これによりエアタンク10からの圧縮空気が常時閉のリレーバルブ16に送られ、これをエア信号としてポートが開くことにより圧縮空気が別経路からリレーバルブ16を通してダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図14中の左側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が図示しないスプリングの弾撥力に抗して図14中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようにしてある。
【0006】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18からクラッチ制御電磁弁19への電子信号が停止され、これによりリレーバルブ16の出力ポートが排気ポートへと切り替わり、クラッチブースタ3のシリンダシェル13内にあった圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経由してリレーバルブ16の排気ポートからジョイント部17へと排出され、クラッチ側の復帰力によりピストン14が図14中の右側へ戻されてクラッチが「接」となるようにしてある。
【0007】
尚、この種のクラッチコントロールシステムに関連する先行技術文献としては、下記の特許文献1や特許文献2、特許文献3等が既に存在している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−179580号公報
【特許文献2】
特開2002−147496号公報
【特許文献3】
特開2002−213490号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した如き図14及び図15のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1による手動操作と、制御装置18の電子制御による自動操作とを併用して適宜に選択できるようにしてあり、主として発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を要する場合にクラッチペダル1による手動操作を選択するような使用形態がとられているが、このような微妙なクラッチ操作を大ボリュームの圧縮空気によるオン・オフ的な自動操作で代行することは技術的に難しく、これが大型車両におけるクラッチ操作の完全自動化を阻む大きな要因となっている。
【0010】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を自動操作で実現し得るようにしたクラッチコントロールシステムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電動モータによりドライブギヤを回転駆動し且つ該ドライブギヤに噛合したドリブンギヤと一体に傾動するカムにより共用のプッシュロッドを互いに独立して進退動せしめるようにしたカムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構を並列配置し、前記プッシュロッドに押されて進出する第一ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第二ピストンを進出させて第一圧力室から作動油を押し出すようにした作動油圧送機構を装備してアクチュエータを構成し、
該アクチュエータにおける第一圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動カム機構の電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム、に係るものである。
【0012】
而して、このようなアクチュエータを採用すれば、各電動カム機構の電動モータによりドライブギヤを回転駆動してドリブンギヤと一体にカムを傾動し、該カムの傾動を適切に制御することでプッシュロッドの進退作動の速度及び位置を精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、カムプロフィルの揚程変化が大きく且つギヤレシオが小さい方の電動カム機構を選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、カムプロフィルの揚程変化が小さく且つギヤレシオが大きい方の電動カム機構を選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0013】
また、本発明においては、作動油圧送機構の第一ピストンと第二ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第二圧力室を設けると共に、該第二圧力室に面した前記第二ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第二圧力室とを流路接続するようにしても良い。
【0014】
このようにすれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第二圧力室に作動油を送り込み、該第二圧力室内で第二ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第二ピストンを第一ピストンから分離して進出させることが可能となり、何れかの電動カム機構の電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1〜図13は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図14と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0017】
図1に示す如く、本形態例のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ2と、リリースレバー4を介し図示しないクラッチを断接するクラッチブースタ3(クラッチ段切手段)との間に、クラッチペダル1による手動操作と、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御による自動操作とを選択的に使い分けできるようにしたアクチュエータ20が装備されている。
【0018】
ただし、ここに図示しているクラッチブースタ3では、その後段のハイドロリックピストン部を廃止して前段のハイドロリックピストン部5のみとしてあり、アクチュエータ20から送り出された作動油が前記ハイドロリックピストン部5に先ず導かれてからリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図1中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図2参照)するようになっている。
【0019】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、該ポペットバルブ部9を経由してエアタンク10からの圧縮空気がクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図1中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0020】
また、アクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されると、クラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5及びリレーピストン部6から作動油が抜き出され、これによりリレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図1中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がリレーピストン本体7内の新たな通路を通過して排気ポート21から大気中に排気され(圧縮空気の一部はシリンダシェル13内のピストン14前方にも入る)、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0021】
以下には前述したアクチュエータ20についての詳細な構造を図3〜図13を参照しつつ説明する。
【0022】
図3〜図5に示す如く、このアクチュエータ20は、電動モータ22によりドライブギヤ23を回転駆動し且つ該ドライブギヤ23に噛合した扇形のドリブンギヤ24と同じボス部25を介し一体に傾動する銀杏形のカム26により共用のプッシュロッド27を互いに独立して進退動せしめるようにしたカムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構28(図4及び図5参照)を並列配置しており、しかも、前記プッシュロッド27に押されて進出する第一ピストン29によりスプリング30の弾撥力に抗し第二ピストン31を進出させて第一圧力室32からクラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5へ作動油を押し出すようにした作動油圧送機構33を前記各電動カム機構28の前方に配置した構造となっている。
【0023】
即ち、図4中における左側の電動カム機構28は、図6のグラフに示す如きカムプロフィルの揚程変化がカム回転角に対し直線的に大きく増加するカム26を採用し、しかも、ドライブギヤ23とドリブンギヤ24のギヤレシオを小さく設定しており、ドライブギヤ23の回転に対しドリブンギヤ24が支点ピン34を中心に大きく傾動し且つこれと一体に傾動するカム26によるプッシュロッド27へのストロークが大きく変化することでプッシュロッド27を介し第一ピストン29が大きく進退動されるようになっている。
【0024】
他方、右側の電動カム機構28は、図7のグラフに示す如きカムプロフィルの揚程変化がカム回転角に対し二次曲線的に小さく増加するカム26(図7の二次曲線における揚程変化自体が比較的小さく且つその増加率が比較的小さい領域Aを使用領域とする)を採用し、しかも、ドライブギヤ23とドリブンギヤ24のギヤレシオを大きく設定しており、ドライブギヤ23の回転に対しドリブンギヤ24が支点ピン34を中心に小さく傾動し且つこれと一体に傾動するカム26によるプッシュロッド27へのストロークが小さく変化することでプッシュロッド27を介し第一ピストン29が大きく進退動されるようになっている。
【0025】
ここで、前記プッシュロッド27は、図5及び図8に示す如く前後方向にH形の平面形状を成すベースフレーム35の前方二端の間にセンタアーム36を付設した構造となっており、その後方二端が左右の各電動カム機構28のカム26の夫々と圧接し且つその前方のセンタアーム36が第一ピストン29の後面に圧接するようになっている。
【0026】
尚、前記プッシュロッド27における後方二端は、各電動カム機構28を被包しているハウジング37のホルダ部38を摺動自在に貫通して支えられており、その前方二端は、作動油圧送機構33の後方部分を被包しているハウジング39のガイド孔40に摺動自在に嵌挿されて支えられている。
【0027】
また、図4及び図5に示す如く、支点ピン34は、前記ハウジング37の全幅に亘り延在して各ドリブンギヤ24の両方のボス部25を回動自在に貫通しており、他方、各ドライブギヤ23を軸支して電動モータ22の出力軸と連結しているドライブギヤシャフト41は、ハウジング37内で個別に軸支されるようになっている。
【0028】
更に、前記作動油圧送機構33における第一ピストン29は、図9に示す如き形状を有しており、該第一ピストン29の先端部分が第二ピストン31の後面に圧接するようになっている。
【0029】
他方、第二ピストン31は、図10に示す如き形状を有しており、その軸心方向の前後位置にハウジング42の内周面に対し液密に摺接する二つの大径部31a,31bを備え且つ該各大径部31a,31bの相互間に軸心方向に延びるガイドスリット31cを開口している。
【0030】
そして、このガイドスリット31cには、ハウジング42側に固定されたストッパボルト43が貫通しており、第二ピストン31が最大にストロークしても該第二ピストン31とストッパボルト43とが干渉しないようになっている。
【0031】
尚、図11及び図12に示されている如く、第二ピストン31の各大径部31a,31bに挟まれた空間は、ハウジング42に設けたオイル孔44を介し図示しないリザーバタンクと接続されており、この空間には前記リザーバタンクから導かれた作動油が満たされるようになっている。
【0032】
更に、この第二ピストン31の第一圧力室32に面した先端部には、図13に詳細な内部構造を示す如きセンタバルブ45が装備されており、このセンタバルブ45内部に移動自在に収容されたセンタバルブ本体46が、スナップリング47との間に介装されたスプリング48により図13中の左側に着座するように付勢されている。
【0033】
ここで、このセンタバルブ45には、第二ピストン31の大径部31aの中心部分を軸心方向に摺動自在に貫通するノズル部49が一体的に具備されており、このノズル部49の軸心部分に穿設された流路を介してガイドスリット31c側と第一圧力室32側とが連通するようになっているが、常時はスプリング48の弾撥力に抗して図13中の左側に着座したセンタバルブ本体46のシール50により前記ガイドスリット31c側と第一圧力室32側とが隔絶され、第二ピストン31が初期位置まで退動している時にのみ前記ノズル部49が前記ストッパボルト43に干渉してセンタバルブ本体46が相対的に図13中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体46が弁座から離間してガイドスリット31c側と第一圧力室32側とが開通するようになっている。
【0034】
また、図3に示す如く、作動油圧送機構33側のハウジング42及びハウジング39の相互間には、作動油圧送機構33の第一ピストン29と第二ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するような第二圧力室51が形成されている。
【0035】
更に、作動油圧送機構33の第二ピストン31の突き合わせ面には、隆起部31dが突設されていて第一ピストン29と第二ピストン31との突き合わせ箇所に僅かな隙間が形成されるようにしてあり、これにより前記隆起部31dの周囲と大径部31bとにおける第二圧力室51に面した箇所を受圧面として第二ピストン31が第一ピストン29から分離して進退動できるようになっている。
【0036】
そして、ハウジング39には、第二圧力室51に作動油を導くための給油口52が設けられており、この給油口52と前述の図1のクラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2との間が流路接続されていて、クラッチペダル1の踏み込みにより生じた油圧が第二圧力室51にかけられるようにしてある。
【0037】
尚、図1中における53は車両速度を検出する車速センサ、54はリリースレバー4にリンク連結されてクラッチブースタ3によるストロークを検出するストロークセンサを夫々示しており、これら車速センサ53及びストロークセンサ54からの検出信号がオートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18に入力されるようになっている。
【0038】
而して、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に手動モードを認識させた後、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第二圧力室51に作動油を送り込むと、該第二圧力室51内で第二ピストン31の受圧面に油圧が作用して該第二ピストン31が第一ピストン29から分離して進出し、これによりセンタバルブ45が閉じてガイドスリット31c側と第一圧力室32側とが隔絶された状態となり、第一圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0039】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油が第二圧力室51からマスタシリンダ2に戻り、これにより第二ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0040】
この際、第二ピストン31が初期位置まで退動すると、図13に示す如く、センタバルブ本体46のノズル部49がストッパボルト43に干渉してセンタバルブ本体46が相対的に図13中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体46が弁座から離間してガイドスリット31c側と第一圧力室32側とが開通し、該第一圧力室32の油圧が確実に零に戻される。
【0041】
尚、クラッチペダル1を踏み込んだ場合と戻した場合とにおけるクラッチブースタ3側の作動については、アクチュエータ20の詳細な構造を説明するのに先立ち既に説明してある通りであり、その実質的な内容が重複するものとなるので説明を割愛する。
【0042】
他方、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させれば、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始された際に、車速センサ53により例えば5km/hを超えた通常走行であることが確認されている条件下で、制御装置18により図4で左側に図示されているカムプロフィルの揚程変化が大きく且つギヤレシオが小さい方の電動カム機構28が選択され、該電動カム機構28の電動モータ22に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ22によるドライブギヤ23の回転駆動が成され、これに伴いドリブンギヤ24及びカム26も支点ピン34を中心として一体的に傾動することになるが、この際に、ドリブンギヤ24がドライブギヤ23の回転速度より早く傾動し且つこれと一体に傾動するカム26によるプッシュロッド27へのストロークも大きく増加するので、プッシュロッド27を介し第一ピストン29が速やかに進出することになり、該第一ピストン29を介し第二ピストン31がスプリング30の弾撥力に抗して押し出され、これにより第一圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0043】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18から左側の電動カム機構28の電動モータ22へ向けた電子信号により該電動モータ22が逆転され、これによりドリブンギヤ24が初期位置に戻されて第一ピストン29が前方側からの負荷により退動し、該第一ピストン29による油圧で押し出されていた第一ピストン29及び第二ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0044】
更に、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させた上で発進操作を含むクラッチの微動操作を行う場合には、車速センサ53により例えば5km/h以下の徐行運転であることが確認され且つストロークセンサ54によりクラッチブースタ3によるストロークが半クラッチ域にあることが確認されている条件下で、制御装置18により図4で右側に図示されているカムプロフィルの揚程変化が小さく且つギヤレシオが大きい方の電動カム機構28が選択され、該電動カム機構28の電動モータ22に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ22によるドライブギヤ23の正逆転が繰り返され、これに伴いドリブンギヤ24及びカム26も支点ピン34を中心として一体的に正逆転の傾動を繰り返すことになるが、この際に、ドリブンギヤ24がドライブギヤ23の回転速度より遅く傾動し且つこれと一体に傾動するカム26によるプッシュロッド27へのストロークも小さく変化するだけなので、プッシュロッド27を介し第一ピストン29及び第二ピストン31が小刻みに進退動する結果、図示しないクラッチの断接作動が小刻みに実現されて手動操作時の半クラッチ操作の如き微妙なクラッチ操作が可能となる。
【0045】
即ち、このようなアクチュエータ20を採用すれば、各電動カム機構28の電動モータ22によりドライブギヤ23を回転駆動してドリブンギヤ24と一体にカム26を傾動し、該カム26の傾動を適切に制御することでプッシュロッド27の進退作動の速度及び位置を精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、カムプロフィルの揚程変化が大きく且つギヤレシオが小さい方の電動カム機構28を選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、カムプロフィルの揚程変化が小さく且つギヤレシオが大きい方の電動カム機構28を選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0046】
換言すれば、クラッチの微動操作ばかりを優先してカムプロフィルの揚程変化を小さくし且つギヤレシオを大きくした電動カム機構28を単独で採用したものでは、通常走行時のクラッチの一般操作を行うにあたりクラッチ作動速度が遅くなって円滑な自動変速に支障をきたしかねないという不都合があるが、このような不都合をカムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構28を使い分けることで未然に回避するようにしているのである。
【0047】
従って、上記形態例によれば、制御装置18による各電動カム機構28の電動モータ22の電子制御によりプッシュロッド27の進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、これにより第一ピストン29及び第二ピストン31の進退作動の速度及び位置も精度良く制御し得て、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタ3に供給することができ、しかも、カムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構28を適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0048】
また、本形態例の図1と従来例の図14とを比較すれば明らかな通り、本形態例では、ダブルチェックバルブ11(図14参照)、リレーバルブ16(図14参照)、クラッチ制御電磁弁19(図14参照)、並びに、これらを連絡するエア配管類を不要とすることができ、しかも、クラッチブースタ3の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0049】
更に、特に本形態例においては、作動油圧送機構33の第一ピストン29と第二ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するように第二圧力室51を設けると共に、該第二圧力室51に面した前記第二ピストン31の適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2と前記第二圧力室51とを流路接続するようにしているので、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第二圧力室51に作動油を送り込み、該第二圧力室51内で第二ピストン31の受圧面に油圧を作用させることにより、該第二ピストン31を作動油圧送機構33の第一ピストン29から分離して進出させることができ、これによって、何れかの電動カム機構28の電動モータ22を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【0050】
ただし、以上に説明した図1〜図13の形態例においては、電動カム機構28の電動モータ22を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用したクラッチコントロールシステムとしているが、図1のクラッチペダル1から第二圧力室51にかけての油圧系を全て廃止し、常に各電動カム機構28により作動油圧送機構33からの作動油の油量や油圧を制御するようにした完全自動型のクラッチコントロールシステムとすることも可能である。
【0051】
尚、本発明のクラッチコントロールシステムは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、必ずしも油圧系とエア系の両方の回路を有するクラッチブースタ(クラッチ段切手段)を備えたクラッチコントロールシステムとしなくて良く、油圧系のみのクラッチ段切手段を備えたクラッチコントロールシステムとしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
上記した本発明のクラッチコントロールシステムによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0053】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御装置による各電動カム機構の電動モータの電子制御によりプッシュロッドの進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、これにより第一ピストン及び第二ピストンの進退作動の速度及び位置も精度良く制御し得て、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタに供給することができ、しかも、カムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構を適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0054】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御用のバルブ類や配管関係の多くを不要とすることができ、しかも、クラッチ断接手段の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0055】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第二圧力室に作動油を送り込み、該第二圧力室内で第二ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第二ピストンを作動油圧送機構の第一ピストンから分離して進出させることができるので、何れかの電動カム機構の電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す系統図である。
【図2】図1の要部についての作動説明図である。
【図3】図1のアクチュエータの詳細な構造を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視の断面図である。
【図5】図3のV−V矢視の一部を破断せずに示す断面図である。
【図6】図4の左側の電動カム機構のカム特性を説明するグラフである。
【図7】図4の右側の電動カム機構のカム特性を説明するグラフである。
【図8】図5のプッシュロッドの単品図である。
【図9】図3の作動油圧送機構における第一ピストンの単品図である。
【図10】図3の作動油圧送機構における第二ピストンの単品図である。
【図11】図3の作動油圧送機構における先端側のハウジングの単品図である。
【図12】図3のXII−XII矢視の断面図である。
【図13】図3の作動油圧送機構のセンタバルブについての詳細を示す断面図である。
【図14】従来例を示す系統図である。
【図15】図14の要部についての作動説明図である。
【符号の説明】
1 クラッチペダル
2 マスタシリンダ
3 クラッチブースタ(クラッチ断接手段)
18 制御装置
20 アクチュエータ
22 電動モータ
23 ドライブギヤ
24 ドリブンギヤ
26 カム
27 プッシュロッド
28 電動カム機構
29 第一ピストン
30 スプリング
31 第二ピストン
32 第一圧力室
33 作動油圧送機構
51 第二圧力室

Claims (2)

  1. 電動モータによりドライブギヤを回転駆動し且つ該ドライブギヤに噛合したドリブンギヤと一体に傾動するカムにより共用のプッシュロッドを互いに独立して進退動せしめるようにしたカムプロフィル及びギヤレシオの異なる一対の電動カム機構を並列配置し、前記プッシュロッドに押されて進出する第一ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第二ピストンを進出させて第一圧力室から作動油を押し出すようにした作動油圧送機構を装備してアクチュエータを構成し、
    該アクチュエータにおける第一圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動カム機構の電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム。
  2. 作動油圧送機構の第一ピストンと第二ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第二圧力室を設けると共に、該第二圧力室に面した前記第二ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第二圧力室とを流路接続したことを特徴とする請求項1に記載のクラッチコントロールシステム。
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