JP2004162876A - クラッチコントロールシステム - Google Patents

クラッチコントロールシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2004162876A
JP2004162876A JP2002332148A JP2002332148A JP2004162876A JP 2004162876 A JP2004162876 A JP 2004162876A JP 2002332148 A JP2002332148 A JP 2002332148A JP 2002332148 A JP2002332148 A JP 2002332148A JP 2004162876 A JP2004162876 A JP 2004162876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
clutch
pressure chamber
pressure
pinion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002332148A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yasutomi
利夫 安富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP2002332148A priority Critical patent/JP2004162876A/ja
Publication of JP2004162876A publication Critical patent/JP2004162876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を自動操作で実現し得るようにしたクラッチコントロールシステムを提供する。
【解決手段】第一ピストン22を有するピストンシャフト23の各ラック部25に歯車ピッチの異なる一対のピニオン26を夫々噛合し、該各ピニオン26を電動モータ27と接続して個別に回転駆動し得るようにし、第一圧力室24に連通した第二圧力室28の油圧で進出する第二ピストン29により第三ピストン31を進出させて第三圧力室32から作動油を押し出す作動油圧送機構33を装備することによりアクチュエータ20を構成し、第三圧力室32とクラッチ断接手段とを流路接続し、各ピニオン26の電動モータ27を制御装置で選択的に電子制御する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチコントロールシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は大型トラック等の大型車両に採用されている従来のクラッチコントロールシステムの一例を示すもので、図9中1は運転席に装備されたクラッチペダル、2は該クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ、3はリリースレバー4を介し図示しないクラッチを「断」とするクラッチブースタを示し、運転者がクラッチペダル1を踏み込むと、マスタシリンダ2により作動油がクラッチブースタ3の後段のハイドロリックピストン部5’を経由してリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図9中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図10参照)するようにしてあり、また、作動油はリレーピストン部6から更に前段のハイドロリックピストン部5に到達して油圧を作用させるようにしてある。
【0003】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、エアタンク10からポペットバルブ部9を経由して圧縮空気がダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図9中の右側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され(図10参照)、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図9中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0004】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油がクラッチブースタ3の前後のハイドロリックピストン部5,5’及びリレーピストン部6からマスタシリンダ2に戻り、他方、リレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図9中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経てリレーピストン本体7内の通路を通過してシリンダシェル13内のピストン14前方に入り、更にクラッチブースタ3のシリンダ排気ポートを経由してリレーバルブ16のジョイント部17より排気され、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0005】
以上はクラッチペダル1による手動操作の場合を説明したが、ここに図示しているクラッチコントロールシステムにおいては、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御により自動操作も行えるようになっており、より具体的には、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始されると、制御装置18から常時閉のクラッチ制御電磁弁19に向け電子信号が送られて該クラッチ制御電磁弁19のポートが開き、これによりエアタンク10からの圧縮空気が常時閉のリレーバルブ16に送られ、これをエア信号としてポートが開くことにより圧縮空気が別経路からリレーバルブ16を通してダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図9中の左側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が図示しないスプリングの弾撥力に抗して図9中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようにしてある。
【0006】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18からクラッチ制御電磁弁19への電子信号が停止され、これによりリレーバルブ16の出力ポートが排気ポートへと切り替わり、クラッチブースタ3のシリンダシェル13内にあった圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経由してリレーバルブ16の排気ポートからジョイント部17へと排出され、クラッチ側の復帰力によりピストン14が図9中の右側へ戻されてクラッチが「接」となるようにしてある。
【0007】
尚、この種のクラッチコントロールシステムに関連する先行技術文献としては、下記の特許文献1や特許文献2、特許文献3等が既に存在している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−179580号公報
【特許文献2】
特開2002−147496号公報
【特許文献3】
特開2002−213490号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した如き図9及び図10のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1による手動操作と、制御装置18の電子制御による自動操作とを併用して適宜に選択できるようしてあり、主として発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を要する場合にクラッチペダル1による手動操作を選択するような使用形態がとられているが、このような微妙なクラッチ操作を大ボリュームの圧縮空気によるオン・オフ的な自動操作で代行することは技術的に難しく、これが大型車両におけるクラッチ操作の完全自動化を阻む大きな要因となっている。
【0010】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を自動操作で実現し得るようにしたクラッチコントロールシステムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一ピストンを中途部に有するピストンシャフトを長手方向に移動自在に保持し、該ピストンシャフトの長手方向二箇所に形成された刻みピッチの異なるラック部に対し歯車ピッチの合う一対のピニオンを夫々噛合せしめ、該各ピニオンを個別に回転駆動し得るよう一対の電動モータと接続する一方、前記第一ピストンが収容されている第一圧力室に連通した第二圧力室の油圧で進出する第二ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第三ピストンを進出させて第三圧力室から作動油を押し出す作動油圧送機構を装備することによりアクチュエータを構成し、
該アクチュエータにおける第三圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム、に係るものである。
【0012】
而して、このようなアクチュエータを採用すれば、何れか一方の電動モータにのみ通電し且つ他方の電動モータを非通電として空転させることにより、何れか一方のピニオンの回転駆動をラック部を介しピストンシャフトの長手方向へ向けた進退作動に転換し、該ピストンシャフトに装備されている第一ピストンの進退作動の速度及び位置を制御装置により精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、歯車ピッチが粗い方のピニオンを選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、歯車ピッチが細かい方のピニオンを選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0013】
また、本発明においては、作動油圧送機構の第二ピストンと第三ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室を設けると共に、該第四圧力室に面した前記第三ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第四圧力室とを流路接続するようにしても良い。
【0014】
このようにすれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第四圧力室に作動油を送り込み、該第四圧力室内で第三ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストンを第二ピストンから分離して進出させることが可能となり、何れかのピニオンの電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1〜図8は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図9と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0017】
図1に示す如く、本形態例のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ2と、リリースレバー4を介し図示しないクラッチを断接するクラッチブースタ3(クラッチ段切手段)との間に、クラッチペダル1による手動操作と、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御による自動操作とを選択的に使い分けできるようにしたアクチュエータ20が装備されている。
【0018】
ただし、ここに図示しているクラッチブースタ3では、その後段のハイドロリックピストン部を廃止して前段のハイドロリックピストン部5のみとしてあり、アクチュエータ20から送り出された作動油が前記ハイドロリックピストン部5に先ず導かれてからリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図1中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図2参照)するようになっている。
【0019】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、該ポペットバルブ部9を経由してエアタンク10からの圧縮空気がクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図1中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0020】
また、アクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されると、クラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5及びリレーピストン部6から作動油が抜き出され、これによりリレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図1中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がリレーピストン本体7内の新たな通路を通過して排気ポート21から大気中に排気され(圧縮空気の一部はシリンダシェル13内のピストン14前方にも入る)、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0021】
以下には前述したアクチュエータ20についての詳細な構造を図3〜図8を参照しつつ説明する。
【0022】
図3に示す如く、このアクチュエータ20は、第一ピストン22を中途部に有するピストンシャフト23をその長手方向に移動し得るよう保持し、該ピストンシャフト23の長手方向両端部に形成された刻みピッチの異なるラック部25に対し歯車ピッチの合う一対のピニオン26を夫々噛合せしめ、該各ピニオン26を個別に回転駆動し得るよう一対の電動モータ27と接続する一方、前記第一ピストン22が収容されている第一圧力室24に連通した第二圧力室28の油圧で進出する第二ピストン29によりスプリング30の弾撥力に抗し第三ピストン31を進出させて第三圧力室32からクラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5へ作動油を押し出すようにした作動油圧送機構33を前記各ピニオン26の傍らに装備した構造となっている。
【0023】
ここで、図3中におけるピストンシャフト23の左側のラック部25は、その刻みピッチが比較的粗く形成され、これに噛合する左側のピニオン26の歯車ピッチも同様に比較的粗く形成されていて、該ピニオン26の回転に対しピストンシャフト23が長手方向に大きく移動されるようになっており、他方、ピストンシャフト23の右側のラック部25は、その刻みピッチが比較的細かく形成され、これに噛合する右側のピニオン26の歯車ピッチも同様に比較的細かく形成されていて、該ピニオン26の回転に対しピストンシャフト23が長手方向に小さく移動されるようになっている。
【0024】
また、図4に右側のピニオン26と電動モータ27との接続構造(左側についても実質的に同様である)について示す如く、ピニオン26は、ピストンシャフト23と共にハウジング34内に収容されて左右の回転軸35を軸受36により回動自在に軸支されており、その一方の回転軸35が、前記ハウジング34にアダプタ37を介してボルト締結されている電動モータ27の出力軸27aと一体的に連結されている。
【0025】
更に、前記作動油圧送機構33における第三ピストン31は、図5に示す如き形状を有しており、その軸心方向の前後位置にハウジング38の内周面に対し液密に摺接する二つの大径部31a,31bを備え且つ該各大径部31a,31bの相互間に軸心方向に延びるガイドスリット31cを開口している。
【0026】
そして、このガイドスリット31cには、ハウジング38側に固定されたストッパボルト39が貫通しており、第三ピストン31が最大にストロークしても該第三ピストン31とストッパボルト39とが干渉しないようになっている。
【0027】
尚、図6及び図7に示されている如く、第三ピストン31の各大径部31a,31bに挟まれた空間は、ハウジング38に設けたオイル孔40を介し図示しないリザーバタンクと接続されており、この空間には前記リザーバタンクから導かれた作動油が満たされるようになっている。
【0028】
更に、この第三ピストン31の第三圧力室32に面した先端部には、図8に詳細な内部構造を示す如きセンタバルブ41が装備されており、このセンタバルブ41内部に移動自在に収容されたセンタバルブ本体42が、スナップリング43との間に介装されたスプリング44により図8中の左側に着座するように付勢されている。
【0029】
ここで、このセンタバルブ41には、第三ピストン31の大径部31aの中心部分を軸心方向に摺動自在に貫通するノズル部45が一体的に具備されており、このノズル部45の軸心部分に穿設された流路を介してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが連通するようになっているが、常時はスプリング44の弾撥力に抗して図8中の左側に着座したセンタバルブ本体42のシール46により前記ガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが隔絶され、第三ピストン31が初期位置まで退動している時にのみ前記ノズル部45が前記ストッパボルト39に干渉してセンタバルブ本体42が相対的に図8中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体42が弁座から離間してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが開通するようになっている。
【0030】
また、図3に示す如く、前述した各ピニオン26側のハウジング34と作動油圧送機構33側のハウジング38との間を連結しているハウジング47には、前述した如き第一圧力室24や第二圧力室28が形成されている他、作動油圧送機構33の第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するような第四圧力室48が形成されている。
【0031】
更に、作動油圧送機構33の第三ピストン31の突き合わせ面には、隆起部31dが突設されていて第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所に僅かな隙間が形成されるようにしてあり、これにより前記隆起部31dの周囲と大径部31bとにおける第四圧力室48に面した箇所を受圧面として第三ピストン31が第二ピストン29から分離して進退動できるようになっており、また、第二ピストン29の第二圧力室28に面した部位にも、同様の隙間を確保する意図で隆起部29aが突設されている。
【0032】
そして、ハウジング47には、第四圧力室48に作動油を導くための給油口49が設けられており、この給油口49と前述の図1のクラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2との間が流路接続されていて、クラッチペダル1の踏み込みにより生じた油圧が第四圧力室48にかけられるようにしてある。
【0033】
尚、図1中における50は車両速度を検出する車速センサ、51はリリースレバー4にリンク連結されてクラッチブースタ3によるストロークを検出するストロークセンサを夫々示しており、これら車速センサ50及びストロークセンサ51からの検出信号がオートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18に入力されるようになっている。
【0034】
而して、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に手動モードを認識させた後、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第四圧力室48に作動油を送り込むと、該第四圧力室48内で第三ピストン31の受圧面に油圧が作用して該第三ピストン31が第二ピストン29から分離して進出し、これによりセンタバルブ41が閉じてガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが隔絶された状態となり、第三圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0035】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油が第四圧力室48からマスタシリンダ2に戻り、これにより第三ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0036】
この際、第三ピストン31が初期位置まで退動すると、図8に示す如く、センタバルブ本体42のノズル部45がストッパボルト39に干渉してセンタバルブ本体42が相対的に図8中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体42が弁座から離間してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが開通し、該第三圧力室32の油圧が確実に零に戻される。
【0037】
尚、クラッチペダル1を踏み込んだ場合と戻した場合とにおけるクラッチブースタ3側の作動については、アクチュエータ20の詳細な構造を説明するのに先立ち既に説明してある通りであり、その実質的な内容が重複するものとなるので説明を割愛する。
【0038】
他方、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させれば、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始された際に、車速センサ50により例えば5km/hを超えた通常走行であることが確認されている条件下で、制御装置18により図3で左側の歯車ピッチが粗い方のピニオン26が選択され、該ピニオン26の電動モータ27に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ27によるピニオン26の回転駆動が成され、これによりラック部25を介しピストンシャフト23が長手方向に速やかに移動して第一ピストン22が大きく進出し、該第一ピストン22により第一圧力室24から作動油圧送機構33の第二圧力室28へと作動油が送られ、これにより第二ピストン29を介して第三ピストン31がスプリング30の弾撥力に抗し押し出され、これにより第三圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0039】
尚、この時に選択されなかった右側のピニオン26は、非通電のまま空転してピストンシャフト23の移動に追従することになるが、これ以降の説明で特に説明しない非駆動側のピニオン26については、常に空転して駆動側のピニオン26によるピストンシャフト23の移動に追従するものとする。
【0040】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18から左側のピニオン26の電動モータ27へ向けた電子信号により該電動モータ27が逆転され、これによりラック部25を介しピストンシャフト23が長手方向に速やかに戻されて第一ピストン22が退動し、該第一ピストン22による油圧で押し出されていた第二ピストン29及び第三ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0041】
更に、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させた上で発進操作を含むクラッチの微動操作を行う場合には、車速センサ50により例えば5km/h以下の徐行運転であることが確認され且つストロークセンサ51によりクラッチブースタ3によるストロークが半クラッチ域にあることが確認されている条件下で、制御装置18により図3で右側の歯車ピッチが細かい方のピニオン26が選択され、該ピニオン26の電動モータ27に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ27によるピニオン26の正逆転が繰り返され、これによりラック部25を介しピストンシャフト23が長手方向に小刻みに進退動して第一ピストン22も同様に進退動し、該第一ピストン22の進退動により第一圧力室24から作動油圧送機構33の第二圧力室28にかけての油圧の発生・解放が細かく繰り返され、これにより第二ピストン29及び第三ピストン31が小刻みに進退動する結果、図示しないクラッチの断接作動が小刻みに実現されて手動操作時の半クラッチ操作の如き微妙なクラッチ操作が可能となる。
【0042】
即ち、このようなアクチュエータ20を採用すれば、何れか一方の電動モータ27にのみ通電し且つ他方の電動モータ27を非通電として空転させることにより、何れか一方のピニオン26の回転駆動をラック部25を介しピストンシャフト23の長手方向へ向けた進退作動に転換し、第一ピストン22の進退作動の速度及び位置を制御装置18により精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、歯車ピッチが粗い方のピニオン26を選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、歯車ピッチが細かい方のピニオン26を選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0043】
換言すれば、クラッチの微動操作ばかりを優先して、ラック部25の刻みピッチやピニオン26の歯車ピッチを細かくした一組のラック・ピニオン機構を採用したものでは、通常走行時のクラッチの一般操作を行うにあたりクラッチ作動速度が遅くなって円滑な自動変速に支障をきたしかねないという不都合があるが、このような不都合を歯車ピッチの異なる一対のピニオン26を使い分けることで未然に回避するようにしているのである。
【0044】
従って、上記形態例によれば、制御装置18による各電動モータ27の電子制御により第一ピストン22の進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタ3に供給することができる上、歯車ピッチの異なる一対のピニオン26を適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0045】
また、本形態例の図1と従来例の図9とを比較すれば明らかな通り、本形態例では、ダブルチェックバルブ11(図9参照)、リレーバルブ16(図9参照)、クラッチ制御電磁弁19(図9参照)、並びに、これらを連絡するエア配管類を不要とすることができ、しかも、クラッチブースタ3の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0046】
更に、特に本形態例においては、作動油圧送機構33の第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室48を設けると共に、該第四圧力室48に面した前記第三ピストン31の適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2と前記第四圧力室48とを流路接続するようにしているので、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第四圧力室48に作動油を送り込み、該第四圧力室48内で第三ピストン31の受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストン31を作動油圧送機構33の第二ピストン29から分離して進出させることができるので、何れかのピニオン26の電動モータ27を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【0047】
ただし、以上に説明した図1〜図8の形態例においては、ピニオン26の電動モータ27を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用したクラッチコントロールシステムとしているが、図1のクラッチペダル1から第四圧力室48にかけての油圧系を全て廃止し、常に各ピニオン26により作動油圧送機構33からの作動油の油量や油圧を制御するようにした完全自動型のクラッチコントロールシステムとすることも可能である。
【0048】
尚、本発明のクラッチコントロールシステムは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、必ずしも油圧系とエア系の両方の回路を有するクラッチブースタ(クラッチ段切手段)を備えたクラッチコントロールシステムとしなくて良く、油圧系のみのクラッチ段切手段を備えたクラッチコントロールシステムとしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
上記した本発明のクラッチコントロールシステムによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0050】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御装置による各電動モータの電子制御により第一ピストンの進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタに供給することができる上、歯車ピッチの異なる一対のピニオンを適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0051】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御用のバルブ類や配管関係の多くを不要とすることができ、しかも、クラッチ断接手段の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0052】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第四圧力室に作動油を送り込み、該第四圧力室内で第三ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストンを作動油圧送機構の第二ピストンから分離して進出させることができるので、何れかのピニオンの電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す系統図である。
【図2】図1の要部についての作動説明図である。
【図3】図1のアクチュエータの詳細な構造を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】図3の作動油圧送機構の第三ピストンの単品図である。
【図6】図3の作動油圧送機構のハウジングの単品図である。
【図7】図3のVII−VII矢視の断面図である。
【図8】図3の作動油圧送機構のセンタバルブについての詳細を示す断面図である。
【図9】従来例を示す系統図である。
【図10】図9の要部についての作動説明図である。
【符号の説明】
1 クラッチペダル
2 マスタシリンダ
3 クラッチブースタ(クラッチ断接手段)
18 制御装置
20 アクチュエータ
22 第一ピストン
23 ピストンシャフト
24 第一圧力室
25 ラック部
26 ピニオン
27 電動モータ
28 第二圧力室
29 第二ピストン
30 スプリング
31 第三ピストン
32 第三圧力室
33 作動油圧送機構
48 第四圧力室

Claims (2)

  1. 第一ピストンを中途部に有するピストンシャフトを長手方向に移動自在に保持し、該ピストンシャフトの長手方向二箇所に形成された刻みピッチの異なるラック部に対し歯車ピッチの合う一対のピニオンを夫々噛合せしめ、該各ピニオンを個別に回転駆動し得るよう一対の電動モータと接続する一方、前記第一ピストンが収容されている第一圧力室に連通した第二圧力室の油圧で進出する第二ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第三ピストンを進出させて第三圧力室から作動油を押し出す作動油圧送機構を装備することによりアクチュエータを構成し、
    該アクチュエータにおける第三圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム。
  2. 作動油圧送機構の第二ピストンと第三ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室を設けると共に、該第四圧力室に面した前記第三ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第四圧力室とを流路接続したことを特徴とする請求項1に記載のクラッチコントロールシステム。
JP2002332148A 2002-11-15 2002-11-15 クラッチコントロールシステム Pending JP2004162876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332148A JP2004162876A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 クラッチコントロールシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332148A JP2004162876A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 クラッチコントロールシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004162876A true JP2004162876A (ja) 2004-06-10

Family

ID=32809312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002332148A Pending JP2004162876A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 クラッチコントロールシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004162876A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8012063B2 (en) Pressure assisted park servo
US5507373A (en) Clutch actuation mechanism
JP3919657B2 (ja) アクチュエータ
EP0902207B1 (en) Automatic operating apparatus for a friction clutch
JP2008114674A (ja) 4輪駆動車用駆動力配分装置
JP2005048924A (ja) 油圧式クラッチ操作装置
JP2004162876A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2004162877A (ja) アクチュエータ
JP3942089B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3896332B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3896328B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3942094B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP2003307203A (ja) アクチュエータ
JP4020759B2 (ja) アクチュエータ
JP4092226B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3704751B2 (ja) 流体圧発生装置
JP2004239307A (ja) アクチュエータ
JP2003307238A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2008157369A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2528895Y2 (ja) クラッチ倍力装置
JP3704757B2 (ja) 流体圧発生装置
JP4118170B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JPH0461211B2 (ja)
JP2005083473A (ja) 油圧式クラッチ操作装置
JPH0971144A (ja) マスタシリンダの作動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070724