JP3896328B2 - クラッチコントロールシステム - Google Patents

クラッチコントロールシステム Download PDF

Info

Publication number
JP3896328B2
JP3896328B2 JP2002356327A JP2002356327A JP3896328B2 JP 3896328 B2 JP3896328 B2 JP 3896328B2 JP 2002356327 A JP2002356327 A JP 2002356327A JP 2002356327 A JP2002356327 A JP 2002356327A JP 3896328 B2 JP3896328 B2 JP 3896328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
clutch
worm
pressure chamber
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002356327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004190710A (ja
Inventor
利夫 安富
啓 西牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP2002356327A priority Critical patent/JP3896328B2/ja
Publication of JP2004190710A publication Critical patent/JP2004190710A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3896328B2 publication Critical patent/JP3896328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチコントロールシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は大型トラック等の大型車両に採用されている従来のクラッチコントロールシステムの一例を示すもので、図14中1は運転席に装備されたクラッチペダル、2は該クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ、3はリリースレバー4を介し図示しないクラッチを「断」とするクラッチブースタを示し、運転者がクラッチペダル1を踏み込むと、マスタシリンダ2により作動油がクラッチブースタ3の後段のハイドロリックピストン部5’を経由してリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図14中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図15参照)するようにしてあり、また、作動油はリレーピストン部6から更に前段のハイドロリックピストン部5に到達して油圧を作用させるようにしてある。
【0003】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、エアタンク10からポペットバルブ部9を経由して圧縮空気がダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図14中の右側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され(図15参照)、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図14中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0004】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油がクラッチブースタ3の前後のハイドロリックピストン部5,5’及びリレーピストン部6からマスタシリンダ2に戻り、他方、リレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図14中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経てリレーピストン本体7内の通路を通過してシリンダシェル13内のピストン14前方に入り、更にクラッチブースタ3のシリンダ排気ポートを経由してリレーバルブ16のジョイント部17より排気され、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0005】
以上はクラッチペダル1による手動操作の場合を説明したが、ここに図示しているクラッチコントロールシステムにおいては、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御により自動操作も行えるようになっており、より具体的には、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始されると、制御装置18から常時閉のクラッチ制御電磁弁19に向け電子信号が送られて該クラッチ制御電磁弁19のポートが開き、これによりエアタンク10からの圧縮空気が常時閉のリレーバルブ16に送られ、これをエア信号としてポートが開くことにより圧縮空気が別経路からリレーバルブ16を通してダブルチェックバルブ11へと送られ、該ダブルチェックバルブ11では、ピストン12が図14中の左側へ押されて圧縮空気がそのままクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が図示しないスプリングの弾撥力に抗して図14中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようにしてある。
【0006】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18からクラッチ制御電磁弁19への電子信号が停止され、これによりリレーバルブ16の出力ポートが排気ポートへと切り替わり、クラッチブースタ3のシリンダシェル13内にあった圧縮空気がダブルチェックバルブ11を経由してリレーバルブ16の排気ポートからジョイント部17へと排出され、クラッチ側の復帰力によりピストン14が図14中の右側へ戻されてクラッチが「接」となるようにしてある。
【0007】
尚、この種のクラッチコントロールシステムに関連する先行技術文献としては、下記の特許文献1や特許文献2、特許文献3等が既に存在している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−179580号公報
【特許文献2】
特開2002−147496号公報
【特許文献3】
特開2002−213490号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した如き図14及び図15のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1による手動操作と、制御装置18の電子制御による自動操作とを併用して適宜に選択できるようしてあり、主として発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を要する場合にクラッチペダル1による手動操作を選択するような使用形態がとられているが、このような微妙なクラッチ操作を大ボリュームの圧縮空気によるオン・オフ的な自動操作で代行することは技術的に難しく、これが大型車両におけるクラッチ操作の完全自動化を阻む大きな要因となっている。
【0010】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、発進時や停止時等における微妙なクラッチ操作を自動操作で実現し得るようにしたクラッチコントロールシステムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電動モータによりウォームを回転駆動し且つ該ウォームに螺合したウォーム歯車の傾動を直線運動に転換して第一ピストンを進退動せしめるようにしたウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構を並列配置すると共に、前記各第一ピストンが個別に収容されている第一圧力室の夫々に連通した単一の第二圧力室の油圧で進出する第二ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第三ピストンを進出させて第三圧力室から作動油を押し出す作動油圧送機構を装備することによりアクチュエータを構成し、
該アクチュエータにおける第三圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動ウォーム機構の電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム、に係るものである。
【0012】
而して、このようなアクチュエータを採用すれば、各電動ウォーム機構の電動モータによりウォームを回転駆動して該ウォームの軸心方向にウォーム歯車を傾動し、該ウォーム歯車の傾動を直線運動に転換することで第一ピストンの進退作動の速度及び位置を制御装置により精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、ウォームネジピッチが粗い方の電動ウォーム機構を選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、ウォームネジピッチが細かい方の電動ウォーム機構を選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0013】
また、本発明においては、作動油圧送機構の第二ピストンと第三ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室を設けると共に、該第四圧力室に面した前記第三ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第四圧力室とを流路接続するようにしても良い。
【0014】
このようにすれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第四圧力室に作動油を送り込み、該第四圧力室内で第三ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストンを第二ピストンから分離して進出させることが可能となり、何れかの電動ウォーム機構の電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1〜図13は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図14と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0017】
図1に示す如く、本形態例のクラッチコントロールシステムにおいては、クラッチペダル1の踏み込みにより作動するマスタシリンダ2と、リリースレバー4を介し図示しないクラッチを断接するクラッチブースタ3(クラッチ断接手段)との間に、クラッチペダル1による手動操作と、オートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18の電子制御による自動操作とを選択的に使い分けできるようにしたアクチュエータ20が装備されている。
【0018】
ただし、ここに図示しているクラッチブースタ3では、その後段のハイドロリックピストン部を廃止して前段のハイドロリックピストン部5のみとしてあり、アクチュエータ20から送り出された作動油が前記ハイドロリックピストン部5に先ず導かれてからリレーピストン部6に到り、ここでリレーピストン本体7が図1中の左側へ摺動してポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの弾撥力に抗して左側へ押し込まれ、ポペットバルブ部9のエア回路が開通(図2参照)するようになっている。
【0019】
そして、ポペットバルブ部9のエア回路が開通すると、該ポペットバルブ部9を経由してエアタンク10からの圧縮空気がクラッチブースタ3のシリンダシェル13内に導入され、これによりピストン14が圧縮空気のアシストを受けて図示しないスプリングの弾撥力に抗し図1中の左側へ押し込まれ、該ピストン14に連結されたプッシュロッド15によりリリースレバー4が押され、該リリースレバー4が作動して図示しないクラッチが「断」となるようになっている。
【0020】
また、アクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されると、クラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5及びリレーピストン部6から作動油が抜き出され、これによりリレーピストン部6のリレーピストン本体7及びポペットバルブ部9のポペットバルブ本体8が図示しないスプリングの復元力により図1中の右側に戻されてエアタンク10側に対するエア回路が閉じ且つシリンダシェル13内のピストン14後方の圧縮空気がリレーピストン本体7内の新たな通路を通過して排気ポート21から大気中に排気され(圧縮空気の一部はシリンダシェル13内のピストン14前方にも入る)、ピストン14に連結されたプッシュロッド15が元の位置に後退してリリースレバー4が戻されることにより図示しないクラッチが「接」となるようになっている。
【0021】
以下には前述したアクチュエータ20についての詳細な構造を図3〜図13を参照しつつ説明する。
【0022】
図3及び図4に示す如く、このアクチュエータ20は、電動モータ22によりウォーム23を回転駆動し且つ該ウォーム23に螺合したウォーム歯車24の傾動を直線運動に転換して第一ピストン25を進退動せしめるようにしたウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構26(図4参照)を並列配置しており、しかも、前記各第一ピストン25が個別に収容されている第一圧力室27に連通した単一の第二圧力室28を備え且つ該第二圧力室28の油圧で進出する第二ピストン29によりスプリング30の弾撥力に抗し第三ピストン31を進出させて第三圧力室32からクラッチブースタ3のハイドロリックピストン部5へ作動油を押し出すようにした作動油圧送機構33を前記各電動ウォーム機構26の前方に配置した構造となっている。
【0023】
即ち、図4中における左側の電動ウォーム機構26は、そのウォーム23のネジピッチが比較的粗く形成されていて、ウォーム23の回転に対しウォーム歯車24が支点ピン34を中心に大きく傾動してプッシュロッド35を介し第一ピストン25が大きく進退動されるようになっており、他方、右側の電動ウォーム機構26は、そのウォーム23のウォームネジピッチが比較的細かく形成されていて、ウォーム23の回転に対しウォーム歯車24が支点ピン34を中心に小さく傾動してプッシュロッド35を介し第一ピストン25が小さく進退動されるようになっている。
【0024】
ここで、前記各プッシュロッド35の基端部分は、各ウォーム歯車24における支点ピン34を挟んだ反対側に張り出すレバー部36の先端に対して連結ピン37及び二股状のジョイント38を介し回動自在に連結されており、他方、前記各プッシュロッド35の丸みを帯びた先端部分は、前記各第一ピストン25の対峙面に凹設した球面座39内に嵌挿されていて、第一圧力室27内に配置したスプリング40の弾撥力により隙間なく前記球面座39に圧接されるようになっている。
【0025】
また、図4〜図6に示す如く、支点ピン34は、各電動ウォーム機構26を被包しているハウジング41を全幅に亘り延在して各ウォーム歯車24の両方を軸受42を介し回動自在に貫通しており、ハウジング41の一側面に固定ボルト43で固定された短冊状のストッパ44により前記支点ピン34の一端が押え込まれて抜け止めと回り止めが成されている。
【0026】
一方、図4及び図7に示す如く、各連結ピン37は、二股状のジョイント38内に収容したレバー部36の夫々を軸受45を介し個別に貫通して固定ピン46により抜け止めした構造となっている。
【0027】
尚、前記各電動ウォーム機構26における第一ピストン25は、図8に示す如き形状を有しており、前述したプッシュロッド35と対峙する面に球面座39を備え、その反対側の面には、前述した第一圧力室27内のスプリング40の片側が嵌挿されるスプリング収容室47が凹設されている。
【0028】
また、前記各ウォーム23は、そのウォームシャフト48の両端部をハウジング41内で軸受49により回動自在に保持されており、しかも、このハウジング41にボルト締結されている電動モータ22の出力軸50と前記ウォームシャフト48の一端とが一体的に連結されている。
【0029】
更に、前記作動油圧送機構33における第二ピストン29は、図9に示す如き形状を有しており、該第二ピストン29の先端部分が第三ピストン31に隙間なく当接するようになっている。
【0030】
他方、第三ピストン31は、図10に示す如き形状を有しており、その軸心方向の前後位置にハウジング51の内周面に対し液密に摺接する二つの大径部31a,31bを備え且つ該各大径部31a,31bの相互間に軸心方向に延びるガイドスリット31cを開口している。
【0031】
そして、このガイドスリット31cには、ハウジング51側に固定されたストッパボルト52が貫通しており、第三ピストン31が最大にストロークしても該第三ピストン31とストッパボルト52とが干渉しないようになっている。
【0032】
尚、図11及び図12に示されている如く、第三ピストン31の各大径部31a,31bに挟まれた空間は、ハウジング51に設けたオイル孔53を介し図示しないリザーバタンクと接続されており、この空間には前記リザーバタンクから導かれた作動油が満たされるようになっている。
【0033】
更に、この第三ピストン31の第三圧力室32に面した先端部には、図13に詳細な内部構造を示す如きセンタバルブ54が装備されており、このセンタバルブ54内部に移動自在に収容されたセンタバルブ本体55が、スナップリング56との間に介装されたスプリング57により図13中の左側に着座するように付勢されている。
【0034】
ここで、このセンタバルブ54には、第三ピストン31の大径部31aの中心部分を軸心方向に摺動自在に貫通するノズル部58が一体的に具備されており、このノズル部58の軸心部分に穿設された流路を介してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが連通するようになっているが、常時はスプリング57の弾撥力に抗して図13中の左側に着座したセンタバルブ本体55のシール59により前記ガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが隔絶され、第三ピストン31が初期位置まで退動している時にのみ前記ノズル部58が前記ストッパボルト52に干渉してセンタバルブ本体55が相対的に図13中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体55が弁座から離間してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが開通するようになっている。
【0035】
また、図3に示す如く、前述した各電動ウォーム機構26側のハウジング41と作動油圧送機構33側のハウジング51との間を連結しているハウジング60には、前述した如き第一圧力室27や第二圧力室28が形成されている他、作動油圧送機構33の第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するような第四圧力室61が形成されている。
【0036】
更に、作動油圧送機構33の第三ピストン31の突き合わせ面には、隆起部31dが突設されていて第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所に僅かな隙間が形成されるようにしてあり、これにより前記隆起部31dの周囲と大径部31bとにおける第四圧力室61に面した箇所を受圧面として第三ピストン31が第二ピストン29から分離して進退動できるようになっており、また、第二ピストン29の第二圧力室28に面した部位にも、同様の隙間を確保する意図で隆起部29aが突設されている。
【0037】
そして、ハウジング60には、第四圧力室61に作動油を導くための給油口62が設けられており、この給油口62と前述の図1のクラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2との間が流路接続されていて、クラッチペダル1の踏み込みにより生じた油圧が第四圧力室61にかけられるようにしてある。
【0038】
尚、図1中における63は車両速度を検出する車速センサ、64はリリースレバー4にリンク連結されてクラッチブースタ3によるストロークを検出するストロークセンサを夫々示しており、これら車速センサ63及びストロークセンサ64からの検出信号がオートマチックトランスミッションの制御をつかさどる制御装置18に入力されるようになっている。
【0039】
而して、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に手動モードを認識させた後、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第四圧力室61に作動油を送り込むと、該第四圧力室61内で第三ピストン31の受圧面に油圧が作用して該第三ピストン31が第二ピストン29から分離して進出し、これによりセンタバルブ54が閉じてガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが隔絶された状態となり、第三圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0040】
また、クラッチペダル1を戻すと、作動油が第四圧力室61からマスタシリンダ2に戻り、これにより第三ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0041】
この際、第三ピストン31が初期位置まで退動すると、図13に示す如く、センタバルブ本体55のノズル部58がストッパボルト52に干渉してセンタバルブ本体55が相対的に図13中の右側へ押し出され、これによりセンタバルブ本体55が弁座から離間してガイドスリット31c側と第三圧力室32側とが開通し、該第三圧力室32の油圧が確実に零に戻される。
【0042】
尚、クラッチペダル1を踏み込んだ場合と戻した場合とにおけるクラッチブースタ3側の作動については、アクチュエータ20の詳細な構造を説明するのに先立ち既に説明してある通りであり、その実質的な内容が重複するものとなるので説明を割愛する。
【0043】
他方、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させれば、運転席のセレクトレバー操作等により変速が開始された際に、車速センサ63により例えば5km/hを超えた通常走行であることが確認されている条件下で、制御装置18により図4で左側のウォームネジピッチが粗い方の電動ウォーム機構26が選択され、該電動ウォーム機構26の電動モータ22に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ22によるウォーム23の回転駆動が成され、これによりウォーム歯車24がウォーム23の軸心方向に支点ピン34を中心として速やかに傾動し、このウォーム歯車24の傾動がプッシュロッド35を介し直線運動に転換されて第一ピストン25が大きく進出し、該第一ピストン25により第一圧力室27から作動油圧送機構33の第二圧力室28へと作動油が送られ、これにより第二ピストン29を介して第三ピストン31がスプリング30の弾撥力に抗し押し出され、これにより第三圧力室32から作動油が送り出されて図示しないクラッチが「断」となる。
【0044】
尚、この時に選択されなかった図4で右側の電動ウォーム機構26では、ウォーム23によりウォーム歯車24の傾動がロックされることになるが、これ以降の説明で特に説明しない非駆動側の電動ウォーム機構26については、同様にウォーム歯車24の傾動がロックされるものとする。
【0045】
また、自動変速が完了してエンジン回転とクラッチ回転の差が規定値内に収まると、制御装置18から左側の電動ウォーム機構26の電動モータ22へ向けた電子信号により該電動モータ22が逆転され、これによりウォーム歯車24が初期位置に戻されて第一ピストン25がスプリング40の弾撥力により退動し、該第一ピストン25による油圧で押し出されていた第二ピストン29及び第三ピストン31がスプリング30の復元力により初期位置まで退動し、これによりアクチュエータ20から送り出した作動油が該アクチュエータ20に戻されて図示しないクラッチが「接」となる。
【0046】
更に、運転席のモード切換スイッチ等を操作して制御装置18に自動モードを認識させた上で発進操作を含むクラッチの微動操作を行う場合には、車速センサ63により例えば5km/h以下の徐行運転であることが確認され且つストロークセンサ64によりクラッチブースタ3によるストロークが半クラッチ域にあることが確認されている条件下で、制御装置18により図4で右側のウォームネジピッチが細かい方の電動ウォーム機構26が選択され、該電動ウォーム機構26の電動モータ22に向け制御装置18から電子信号が送られて電動モータ22によるウォーム23の正逆転が繰り返され、これによりウォーム歯車24がウォーム23の軸心方向に小刻みに傾動して第一ピストン25も同様に小刻みに進退動し、該第一ピストン25の進退動により第一圧力室27から作動油圧送機構33の第二圧力室28にかけての油圧の発生・解放が細かく繰り返され、これにより第二ピストン29及び第三ピストン31が小刻みに進退動する結果、図示しないクラッチの断接作動が小刻みに実現されて手動操作時の半クラッチ操作の如き微妙なクラッチ操作が可能となる。
【0047】
即ち、このようなアクチュエータ20を採用すれば、各電動ウォーム機構26の電動モータ22によりウォーム23を回転駆動して該ウォーム23の軸心方向にウォーム歯車24を傾動し、該ウォーム歯車24の傾動を直線運動に転換することで第一ピストン25の進退作動の速度及び位置を制御装置18により精度良く制御することが可能となり、しかも、通常走行時のクラッチの一般操作に関し、ウォームネジピッチが粗い方の電動ウォーム機構26を選択することで速やかなクラッチ作動速度が得られ、他方、発進操作を含むクラッチの微動操作に関し、ウォームネジピッチが細かい方の電動ウォーム機構26を選択することで小刻みなクラッチの断接作動が可能となるので、通常走行時におけるクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作の実現を図ることが可能となる。
【0048】
換言すれば、クラッチの微動操作ばかりを優先してウォームネジピッチを細かくした電動ウォーム機構26を単独で採用したものでは、通常走行時のクラッチの一般操作を行うにあたりクラッチ作動速度が遅くなって円滑な自動変速に支障をきたしかねないという不都合があるが、このような不都合をウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構26を使い分けることで未然に回避するようにしているのである。
【0049】
従って、上記形態例によれば、制御装置18による各電動ウォーム機構26の電動モータ22の電子制御により第一ピストン25の進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタ3に供給することができる上、ウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構26を適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0050】
また、本形態例の図1と従来例の図14とを比較すれば明らかな通り、本形態例では、ダブルチェックバルブ11(図14参照)、リレーバルブ16(図14参照)、クラッチ制御電磁弁19(図14参照)、並びに、これらを連絡するエア配管類を不要とすることができ、しかも、クラッチブースタ3の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0051】
更に、特に本形態例においては、作動油圧送機構33の第二ピストン29と第三ピストン31との突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室61を設けると共に、該第四圧力室61に面した前記第三ピストン31の適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダル1により作動するマスタシリンダ2と前記第四圧力室61とを流路接続するようにしているので、クラッチペダル1を踏み込んでマスタシリンダ2からアクチュエータ20の作動油圧送機構33における第四圧力室61に作動油を送り込み、該第四圧力室61内で第三ピストン31の受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストン31を作動油圧送機構33の第二ピストン29から分離して進出させることができるので、何れかの電動ウォーム機構26の電動モータ22を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【0052】
ただし、以上に説明した図1〜図13の形態例においては、電動ウォーム機構26の電動モータ22を電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダル1によるクラッチの手動操作とを併用したクラッチコントロールシステムとしているが、図1のクラッチペダル1から第四圧力室61にかけての油圧系を全て廃止し、常に各電動ウォーム機構26により作動油圧送機構33からの作動油の油量や油圧を制御するようにした完全自動型のクラッチコントロールシステムとすることも可能である。
【0053】
尚、本発明のクラッチコントロールシステムは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、必ずしも油圧系とエア系の両方の回路を有するクラッチブースタ(クラッチ断接手段)を備えたクラッチコントロールシステムとしなくて良く、油圧系のみのクラッチ断接手段を備えたクラッチコントロールシステムとしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
上記した本発明のクラッチコントロールシステムによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0055】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御装置による各電動ウォーム機構の電動モータの電子制御により第一ピストンの進退作動の速度及び位置を精度良く制御することができ、油量や油圧を繊細且つ正確に制御しながら作動油をクラッチブースタに供給することができる上、ウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構を適宜に使い分けることでクラッチ作動速度の低下を招くことなく微妙なクラッチ操作を自動操作で行い得るようにしたクラッチコントロールシステムを実現することができる。
【0056】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、制御用のバルブ類や配管関係の多くを不要とすることができ、しかも、クラッチ断接手段の構造も特殊な手動・自動の二系統仕様としなくて済むことにより簡素化できるので、クラッチコントロールシステムに要するコストを大幅に削減することができる。
【0057】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、クラッチペダルを踏み込んでマスタシリンダからアクチュエータの作動油圧送機構における第四圧力室に作動油を送り込み、該第四圧力室内で第三ピストンの受圧面に油圧を作用させることにより、該第三ピストンを作動油圧送機構の第二ピストンから分離して進出させることができるので、何れかの電動ウォーム機構の電動モータを電子制御することによるクラッチの自動操作と、クラッチペダルによるクラッチの手動操作とを併用して選択的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す系統図である。
【図2】図1の要部についての作動説明図である。
【図3】図1のアクチュエータの詳細な構造を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視の断面図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図4の支点ピンとストッパと固定ボルトに関する分解図である。
【図7】図3のVII−VII矢視の断面図である。
【図8】図3の作動油圧送機構における第一ピストンの単品図である。
【図9】図3の作動油圧送機構における第二ピストンの単品図である。
【図10】図3の作動油圧送機構における第三ピストンの単品図である。
【図11】図3の作動油圧送機構における先端側のハウジングの単品図である。
【図12】図3のXII−XII矢視の断面図である。
【図13】図3の作動油圧送機構のセンタバルブについての詳細を示す断面図である。
【図14】従来例を示す系統図である。
【図15】図14の要部についての作動説明図である。
【符号の説明】
1 クラッチペダル
2 マスタシリンダ
3 クラッチブースタ(クラッチ断接手段)
18 制御装置
20 アクチュエータ
22 電動モータ
23 ウォーム
24 ウォーム歯車
25 第一ピストン
26 電動ウォーム機構
27 第一圧力室
28 第二圧力室
29 第二ピストン
30 スプリング
31 第三ピストン
32 第三圧力室
33 作動油圧送機構
61 第四圧力室

Claims (2)

  1. 電動モータによりウォームを回転駆動し且つ該ウォームに螺合したウォーム歯車の傾動を直線運動に転換して第一ピストンを進退動せしめるようにしたウォームネジピッチの異なる一対の電動ウォーム機構を並列配置すると共に、前記各第一ピストンが個別に収容されている第一圧力室の夫々に連通した単一の第二圧力室の油圧で進出する第二ピストンによりスプリングの弾撥力に抗し第三ピストンを進出させて第三圧力室から作動油を押し出す作動油圧送機構を装備することによりアクチュエータを構成し、
    該アクチュエータにおける第三圧力室とクラッチの断接を担うクラッチ断接手段とを流路接続し、前記各電動ウォーム機構の電動モータを制御装置により選択的に電子制御し得るように構成したことを特徴とするクラッチコントロールシステム。
  2. 作動油圧送機構の第二ピストンと第三ピストンとの突き合わせ箇所を包囲するように第四圧力室を設けると共に、該第四圧力室に面した前記第三ピストンの適宜箇所に受圧面を確保し、クラッチペダルにより作動するマスタシリンダと前記第四圧力室とを流路接続したことを特徴とする請求項1に記載のクラッチコントロールシステム。
JP2002356327A 2002-12-09 2002-12-09 クラッチコントロールシステム Expired - Fee Related JP3896328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002356327A JP3896328B2 (ja) 2002-12-09 2002-12-09 クラッチコントロールシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002356327A JP3896328B2 (ja) 2002-12-09 2002-12-09 クラッチコントロールシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004190710A JP2004190710A (ja) 2004-07-08
JP3896328B2 true JP3896328B2 (ja) 2007-03-22

Family

ID=32756695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002356327A Expired - Fee Related JP3896328B2 (ja) 2002-12-09 2002-12-09 クラッチコントロールシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3896328B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102705397A (zh) * 2012-06-14 2012-10-03 北京理工大学 一种气助力液压驱动离合器执行机构

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214478A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Hino Motors Ltd クラッチ操作装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102705397A (zh) * 2012-06-14 2012-10-03 北京理工大学 一种气助力液压驱动离合器执行机构
CN102705397B (zh) * 2012-06-14 2014-03-12 北京理工大学 一种气助力液压驱动离合器执行机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004190710A (ja) 2004-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3919657B2 (ja) アクチュエータ
EP0902207B1 (en) Automatic operating apparatus for a friction clutch
US3941223A (en) Inching valve
JP3896328B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3942094B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3896332B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP3942089B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP2005048924A (ja) 油圧式クラッチ操作装置
JP4092226B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP4020759B2 (ja) アクチュエータ
JP3906162B2 (ja) アクチュエータ
JP2003307203A (ja) アクチュエータ
JP4118170B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP2008157369A (ja) クラッチコントロールシステム
JP3704751B2 (ja) 流体圧発生装置
JP3942095B2 (ja) クラッチコントロールシステム
JP2005083562A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2004162877A (ja) アクチュエータ
JP2003307238A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2005163992A (ja) 油圧式クラッチ操作装置
JPH0971144A (ja) マスタシリンダの作動装置
JP2528895Y2 (ja) クラッチ倍力装置
JP2004162876A (ja) クラッチコントロールシステム
JP2003314590A (ja) クラッチコントロールシステム
JPS62246631A (ja) クラツチ操作装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061218

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees