JP2004239015A - 建設機械の旋回フレーム - Google Patents
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Abstract
【課題】カウンタウエイト等の振動が運転室に伝わるのを抑制し運転室の居住性を改善する。
【解決手段】前端側が作業装置7の取付け部で、後端側がカウンタウエイト6の取付け部となった左右一対のセンタビーム13,14を有するセンタフレーム11において、センタビーム13から外側に向けて複数の張り出しビーム19〜22及び25を張り出させて、他端部に連結される運転室設置側サイドビーム23を、前後に2分割して、前方側における第1のサイドビーム部23a側に運転室4が設置され、後方側における第2のサイドビーム部23b側に熱交換器等が配置される。
【選択図】 図3
【解決手段】前端側が作業装置7の取付け部で、後端側がカウンタウエイト6の取付け部となった左右一対のセンタビーム13,14を有するセンタフレーム11において、センタビーム13から外側に向けて複数の張り出しビーム19〜22及び25を張り出させて、他端部に連結される運転室設置側サイドビーム23を、前後に2分割して、前方側における第1のサイドビーム部23a側に運転室4が設置され、後方側における第2のサイドビーム部23b側に熱交換器等が配置される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械の旋回フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の上部旋回方式の建設機械は、下部走行体と、この下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に支承された上部旋回体とから構成され、上部旋回体には、土砂の掘削等の作業を行う作業装置,運転室,エンジン,油圧機器,カウンタウエイト,建屋カバー等が設置されている。
【0003】
上部旋回体は旋回フレームを有し、この旋回フレームは旋回装置の旋回輪に連結された台板上に前後方向に向けて左右一対のセンタビームを設けたセンタフレームと、このセンタフレームの左右に設けたサイドフレームとから構成される。センタフレームを構成する一対のセンタビーム間には、前方側に作業装置が取付けられ、後方側にはカウンタウエイトが載置される。また、カウンタウエイト寄りの位置にエンジンが設置されている。さらに、サイドフレームはセンタフレームの左右両側に設けられており、これら各サイドフレームは、センタビームから外向きに張り出すように設けられた複数の張り出しビームと、これら各張り出しビームの先端部を連結するように設けたサイドビームとから構成される。
【0004】
そして、一方側のサイドフレーム、通常は左側のサイドフレームには、前方側に運転室が設置され、後方側にはラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換装置が設置され、またバッテリも設置されている。また、他方側のサイドフレーム、通常は右側のサイドフレームには燃料タンクや作動油タンク等が設置されている。建設機械の上部旋回体における旋回フレームは以上のように構成されるものであり、このような構成は従来から広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−37243号公報(第2−5頁、図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧ショベル等は土砂等の掘削作業時には、掘削、旋回、排土動作等が繰返し行われ、また移動するときには、下部走行体に備えられた走行駆動装置を駆動して路面上を走行させる。これらの稼動時にはさまざまな振動が発生する。旋回フレームを構成するセンタフレームには、前述したように、前端部に作業装置が設置され、また後端部にカウンタウエイトが設置され、さらに後端近傍位置にはエンジンが設置されている。センタフレームを構成するセンタビームは、その構造上、台板への連結部から前方への延在部の長さと、後方への延在部の長さとを比較すると、後者の方が長くなるのが一般的である。しかも、カウンタウエイトはセンタビームへの設置部から左右に大きく張り出すようにして装着されている。このために、機械の稼動中は、カウンタウエイトが上下に振動し、またセンタフレームへの連結部を中心として左右に揺動する動きが発生する。さらに、エンジンの作動時に発生する振動もセンタフレームに伝達されることになる。
【0007】
以上のことから、センタフレームにおける台板を中心とした前方側と後方側とを比較すると、後方側の方はカウンタウエイトの動きに起因して大きな低周波の振動乃至揺動が発生する。この低周波の振動乃至揺動はセンタフレームを介して左右に張り出したサイドフレームに伝達される。しかも、サイドフレームの後方側には熱交換装置やバッテリ等が設置されており、これらの機器はセンタビームに連結した前後の張り出しビーム間に装着されている。このために、張り出しビームに連結したサイドビームに大きな低周波振動が伝達されることになる。
【0008】
一方側のサイドフレームには運転室が設置されており、オペレータはこの運転室の内部で機械の操作を行うので、オペレータの運転室内での居住性を向上させるために、機械の振動乃至揺動が運転室に伝達されるのを極力抑制しなければならない。このために、運転室は防振ゴム等からなる防振手段を介してサイドフレームに連結されている。ここで、この種の防振手段は高周波の振動を有効に吸収できるものの、低周波振動に対する吸収能力は必ずしも高周波振動より有効なものではない。従って、特にカウンタウエイトの動きに起因する低周波振動が運転室に伝達されることによって、運転室内のオペレータの居住性が悪化し、運転を長時間行うと、オペレータの疲労が蓄積される等の問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的はカウンタウエイト等の振動が運転室に伝わるのを抑制し、もって運転室の居住性を改善するようにした建設機械の旋回フレームを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、前端側が作業装置の取付け部で、後端側がカウンタウエイトの取付け部となった左右一対のセンタビームを有するセンタフレームと、前記各センタビームから外側に向けて複数の張り出しビームを延在させ、かつこれら各張り出しビームの先端部をサイドビームで連結した左右のサイドフレームとを有し、これら左右のサイドフレームの一方側は運転室及び熱交換装置を設置した運転室設置側サイドフレームとした建設機械の旋回フレームであって、前記運転室設置側サイドフレームは、前方側が運転室支持部で、後方側は熱交換器支持部となし、この運転室設置側サイドフレームのサイドビームは、前記運転室支持部となる第1のサイドビーム部と、前記熱交換器支持部となる第2のサイドビーム部とに分割する構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明によれば、第1のサイドビーム部と第2のサイドビーム部とを同軸上に配置して、その間に所定の隙間を設け、この隙間には、これら第1,第2のサイドビーム部が相対移動可能な繋ぎ部材を介装する構成としたものである。
【0012】
ここで、サイドビームは強度の点等から鋼材で形成されるが、第1,第2のサイドビーム部の隙間に設けた繋ぎ部材の材質としては、樹脂やゴム等から構成することができる。また、繋ぎ部材は単一のものとしても良く、また第1のサイドビーム部側と第2のサイドビーム部側とにそれぞれ繋ぎ部材を設けて、これら両繋ぎ部材を相互に接合させるか、またはその間に僅かな隙間を設けるようにする。このように、繋ぎ部材を設けることによって、第2のサイドビーム部から第1のサイドビーム部への振動や揺動の伝達が十分抑制され、かつあたかも1本のサイドビームを形成するような外観を呈することになり、機械全体として美麗な外観が維持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示すものであって、旋回フレームを油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて示しており、図1は油圧ショベルの外観を示す斜視図、図2は図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを取出して示す平面図、図3は図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを取出して示す斜視図、図4は運転室を支持する運転室設置側サイドフレームの分割されたサイドビームの対向面部を拡大して示す斜視図である。
【0014】
図1において、1は下部走行体、2は図示しない旋回装置を介して下部走行体1上に旋回可能に支承された上部旋回体、3は旋回フレーム、4は運転室、5は建屋カバー、6はカウンタウエイトである。7は上部旋回体2の前端側に取付けられる作業装置で、ブーム8,アーム9,バケット10及びブームシリンダ8a,アームシリンダ9a,バケットシリンダ10a等から概略構成されている。そして下部走行体1の走行装置(図示せず)を駆動することにより走行が行われ、旋回装置(図示せず)を駆動することにより上部旋回体2及びそれに取付けられている作業装置7が旋回する。さらに作業装置7は各シリンダ8a,9a,10aに圧油が給排されることにより駆動されて掘削等の作業が行われるようになっている。
【0015】
図2及び図3において、11はセンタフレームであって、このセンタフレーム11は台板12と、この台板12の上に立設される左右一対のセンタビーム13,14とで概略構成されている。そして、これらセンタビーム13,14間には倒れ防止のため両端部が溶接等により固定された連結板15a,15b,15cが設けられ、また台板12には旋回装置取付け部16が設けられている。また、17,18はサイドフレームを示すものである。これらセンタフレーム11及び左右のサイドフレーム17,18により上部旋回体2の旋回フレーム3を構成する。
【0016】
図2において、左側に位置するサイドフレーム17は、センタビーム13に一端が溶接等により固定された複数の張り出しビーム19,20,21,22と、サイドビーム23とを備え、さらに張り出しビーム19からは前方張り出しビーム24の後端部が溶接等により固定されており、この前方張り出しビーム24の先端部にも張り出しビーム25の一端が溶接等の手段で連結・固定されている。そして、張り出しビーム19〜22及び25の他端はサイドビーム23に溶接等により固定されている。
【0017】
また、図2における右側のサイドフレーム18は、センタビーム14に一端が固定された複数の張り出しビーム26と、これらの張り出しビーム26に他端が固定されたサイドビーム27とから構成される。
【0018】
センタビーム13,14において、その前端部には作業装置7を構成するブーム8及びブームシリンダ8aが連結され、後端におけるサイドフレーム17,18より後方に張り出した部位にはカウンタウエイト6が設置されている。さらに、センタビーム13,14には、カウンタウエイト6の設置部寄りの位置にブラケット28a〜28dが取付けられており、これらのブラケット28a〜28dにはエンジン(図示せず)が設置される。また、サイドフレーム17,18のうち、左側のサイドフレーム17は運転室4及びラジエータ,オイルクーラ等の熱交換器等が装着され、またバッテリもこのスペースに設置される。一方、右側のサイドフレーム18にはタンク類、即ち燃料タンクや作動油タンクといったタンク類等が設置される。従って、左側のサイドフレーム17が運転室設置側サイドフレームである。
【0019】
この左側に位置する運転室設置側サイドフレーム17は、前方側は、つまり張り出しビーム23と、19,20とにわたって、運転室4が設置される運転室支持部である。この運転室支持部を構成する張り出しビーム23,20には、少なくとも4箇所に防振装置装着部29が形成されており、運転室4はこの防振装置装着部29に装着した防振装置(図示せず)を介して装着されている。また、運転室設置側サイドフレーム17における後方側、つまり張り出しビーム21,22間の部位は熱交換器支持部であり、このために張り出しビーム21,22間には支持板30が架設されており、この支持板30上に熱交換器やバッテリ等が装着される。この熱交換器支持部及びエンジン装着部等は建屋カバー5により覆われている。
【0020】
ここで、運転室設置側サイドフレーム17において、そのサイドビーム23はサイドフレーム17の全長にわたって1本で構成されるのではなく、図4からも明らかなように、運転室支持部側における第1のサイドビーム部23aと、熱交換器支持部側の第2のサイドビーム部23bとに分割されており、かつこれら第1,第2のサイドビーム部23a,23bは同軸上に配置され、かつその間には所定の隙間Gが形成されている。従って、構造上、サイドフレーム17は張り出しビーム20と張り出しビーム21との間の位置で前後に分割される。各張り出しビーム19〜22及び25はセンタビーム13に連結されており、センタビーム13は台板12に取付けられている。そして、張り出しビーム20はセンタビーム13のうち、台板12への取付け部に連結されており、また張り出しビーム21は台板12への取付け部より後方側でセンタビーム13に連結されている。
【0021】
以上の構成において、機械の作動中には旋回フレーム3が振動する。この振動の発生要因としては、作業装置7の駆動に起因するもの、車両の悪路走行によるもの、さらにエンジンの作動による振動等である。そして、カウンタウエイト6は基端部がセンタビーム13,14の先端に取付けた作業装置7との重量バランスを有効に取るためのものであることから、このカウンタウエイト6が装着されるのは、センタビーム13,14であって、しかも柔構造とする関係から、台板12より後方側に大きく張り出した後端部である。また、カウンタウエイト6の幅寸法は旋回フレーム3の幅寸法とほぼ同じであるにも拘らず、そのほぼ中間位置で2箇所支持されているに過ぎず、サイドビーム23,27等とは非連結状態に保持されている。さらに、センタビーム13,14において、台板12への連結部より後方側の位置であって、張り出しビーム21,22間の位置には4点でエンジンという重量物も支持されている。
【0022】
従って、作業装置7の駆動時及び車両の走行時には、カウンタウエイト6が振動し、かつ左右に揺動することになる結果、低周波振動が生じる。しかも、その直前位置にエンジンが配置され、このエンジンも作動時に振動することから、全体としての旋回フレーム3において、その台板12より後方側には大きな低周波振動が生じることになる。そして、この低周波振動は熱交換器等を支持している張り出しビーム21,22を介してサイドビーム23を構成する第2のサイドビーム部23bにまで伝達される。しかしながら、このサイドビーム23において、第2のサイドビーム部23bと第1のサイドビーム部23aとの間には隙間Gが形成されているので、この隙間Gが振動遮断機能を発揮して、第1のサイドビーム部23aに後方側の低周波振動が伝達されることはない。また、張り出しビーム20,19の一端はセンタビーム13に連結されているが、それらはセンタビーム13の台板12への連結部及びその前方に位置しているので、やはり低周波振動の影響は殆ど受けることがない。
【0023】
以上のことから、運転室4の設置部に直接作用するのは、作業装置7の駆動時における振動と、車両の走行時における振動のみであり、これらの振動は基本的には高周波振動である。運転室4は防振装置を介してサイドフレーム17における前方側の運転室支持部に支持されているので、このサイドフレーム17、特にサイドビーム23には防振装置により有効に吸収できる高周波振動のみが作用し、オペレータにとって不快な低周波振動が運転室4に作用するのを著しく抑制できる。その結果、オペレータが搭乗して機械の操作を行う運転室4の居住性を大きく改善することができる。
【0024】
ところで、隙間Gは、サイドビーム部23a,23b間を完全に切り離すためであり、このために隙間Gはかなり広くなってしまう。従って、この隙間Gをそのままにしておくと、機械全体の外観上の点で必ずしも好ましくない場合がある。そこで、第2のサイドビーム部23b側から第1のサイドビーム部23a側への振動の遮断機能を損なうことなく、この隙間Gを塞ぐように繋ぎ部材を介装するように構成することができる。この繋ぎ部材の具体的な構成を図5及び図6に例示する。
【0025】
図5に示した繋ぎ部材40は、第1のサイドビーム部23aと第2のサイドビーム部23bとを相対移動可能に掛け渡すようにしている。ここで、第1,第2のサイドビーム部23a,23bは、通常、強度上及び外観上の観点からその断面形状が概略D形状となった中空の部材で構成される。そこで、繋ぎ部材40の両端部を、第1,第2のサイドビーム部23a,23bの内側断面形状に合わせて小さくして、これら第1,第2のサイドビーム部23a,23bの内部に嵌合させ、また中間部は外面形状に合わせて前記両端側より大きく形成し、例えばゴムや軟質プラスチックのような弾性体で作成することによって、これら第1,第2のサイドビーム部23a,23b間を掛け渡すように装着する。これによって、隙間Gが埋まるようになり、全体としてのサイドビーム23がほぼ一連の形状となって外観形状を損なうことない。しかも、繋ぎ部材30が弾性体であるのでセンタフレーム11の後端部に発生した振動が第2のサイドビーム部23bを介して運転室4側に位置する第1のサイドビーム部23aに伝達されることを防止することができる。
【0026】
また、図6は繋ぎ部材の他の例を示したもので、41,42はそれぞれ分割型の繋ぎ部材である。繋ぎ部材41,42はそれぞれ第1及び第2のサイドビーム部23a,23bの相対向する端面に固着させて設ける構成としている。そして、これらの繋ぎ部材41,42はそれぞれ軟質の樹脂材で形成することができる。また、硬質の樹脂材で形成する際には、両繋ぎ部材41,42間に若干のクリアランスを形成する。このように構成すると、旋回フレーム3を組み立てた後に、繋ぎ部材を装着することができるようになる。また、クリアランスを形成しても、それがごく僅かなものであれば、外観上で殆ど違和感を与えることはない。
【0027】
前述したように、運転室4における居住性の観点からは、センタフレーム11の左右両側に位置するサイドフレーム17,18のうち、運転室4が設置されている運転室設置側サイドフレーム17のサイドビーム23のみを2分割すれば良いが、サイドビームに作用する荷重の点を勘案して、両サイドビーム23,27の双方を2分割して、サイドフレーム17,18を前後の2つの小さいフレームユニットとして構成することもできる。
【0028】
而して、センタフレーム11には、前方側には作業装置7の作動による荷重が作用する。特に、土砂の掘削時には、作業装置7には衝撃的な荷重が作用し、この荷重は張り出しビームを介してサイドビームに伝達される。また、センタフレーム11の後方側では、カウンタウエイト6の揺動等によって、うねるような荷重が作用し、この荷重もサイドビームに伝達されることになる。センタフレーム11におけるセンタビーム13,14は、衝撃的な荷重とうねるような荷重とが複合した荷重を有効に受承しなければならないが、サイドビーム23,27側では、構造的にはこれらの複合荷重を受承しなければならないものではない。そこで、両サイドビーム23,27の双方を、衝撃的な荷重が作用する前方側と、うねり荷重が作用する後方側とに分けることによって、応力の低減が図られるから、サイドビーム23,27自体の強度及びそれらと張り出しビームとの溶接強度等の要求を緩和することができる。また、サイドビームを2分割することは、それぞれのビームの長さが短縮されることになるので、やはり強度的な面では得策である。
【0029】
なお、サイドビームを前後に分割することにより生じる隙間Gに介装される繋ぎ部材の取付け方法等については、例えばボルト止め等いろいろな方法があり、前後のサイドビーム部の間で振動の伝達がないようにすれば良く、また必ずしも隙間Gの部分を塞がなくても良い。さらに、サイドフレームを構成する張り出しビームの数や取付け位置等については図2に示したものに限定されないことは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、運転室設置側サイドフレームを構成するサイドビームを、運転室支持部側と、熱交換器支持部側とに2分割する構成としたので、センタフレームの後端部側から発生する振動、特にオペレータにとって最も不快な低周波振動がサイドビームを介して運転室支持部側に伝わるのを抑制することができ、運転室の居住性を向上することができる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを示す平面図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを示す斜視図である。
【図4】本発明の第1のサイドビームと第2のサイドビームの対向面部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4に示す対向面部を連結する繋ぎ部材の一例を説明するための斜視図である。
【図6】繋ぎ部材の他の例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
3 旋回フレーム
4 運転室
11 センタフレーム
12 台板
13,14 センタビーム
17,18 サイドフレーム
19〜22,25,26 第1のサイドビーム
23 運転室支持部側サイドフレーム
23a 第1のサイドビーム部
23b 第2のサイドビーム部
27 右側のサイドビーム
40,41,42 第2のサイドビーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械の旋回フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の上部旋回方式の建設機械は、下部走行体と、この下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に支承された上部旋回体とから構成され、上部旋回体には、土砂の掘削等の作業を行う作業装置,運転室,エンジン,油圧機器,カウンタウエイト,建屋カバー等が設置されている。
【0003】
上部旋回体は旋回フレームを有し、この旋回フレームは旋回装置の旋回輪に連結された台板上に前後方向に向けて左右一対のセンタビームを設けたセンタフレームと、このセンタフレームの左右に設けたサイドフレームとから構成される。センタフレームを構成する一対のセンタビーム間には、前方側に作業装置が取付けられ、後方側にはカウンタウエイトが載置される。また、カウンタウエイト寄りの位置にエンジンが設置されている。さらに、サイドフレームはセンタフレームの左右両側に設けられており、これら各サイドフレームは、センタビームから外向きに張り出すように設けられた複数の張り出しビームと、これら各張り出しビームの先端部を連結するように設けたサイドビームとから構成される。
【0004】
そして、一方側のサイドフレーム、通常は左側のサイドフレームには、前方側に運転室が設置され、後方側にはラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換装置が設置され、またバッテリも設置されている。また、他方側のサイドフレーム、通常は右側のサイドフレームには燃料タンクや作動油タンク等が設置されている。建設機械の上部旋回体における旋回フレームは以上のように構成されるものであり、このような構成は従来から広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−37243号公報(第2−5頁、図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧ショベル等は土砂等の掘削作業時には、掘削、旋回、排土動作等が繰返し行われ、また移動するときには、下部走行体に備えられた走行駆動装置を駆動して路面上を走行させる。これらの稼動時にはさまざまな振動が発生する。旋回フレームを構成するセンタフレームには、前述したように、前端部に作業装置が設置され、また後端部にカウンタウエイトが設置され、さらに後端近傍位置にはエンジンが設置されている。センタフレームを構成するセンタビームは、その構造上、台板への連結部から前方への延在部の長さと、後方への延在部の長さとを比較すると、後者の方が長くなるのが一般的である。しかも、カウンタウエイトはセンタビームへの設置部から左右に大きく張り出すようにして装着されている。このために、機械の稼動中は、カウンタウエイトが上下に振動し、またセンタフレームへの連結部を中心として左右に揺動する動きが発生する。さらに、エンジンの作動時に発生する振動もセンタフレームに伝達されることになる。
【0007】
以上のことから、センタフレームにおける台板を中心とした前方側と後方側とを比較すると、後方側の方はカウンタウエイトの動きに起因して大きな低周波の振動乃至揺動が発生する。この低周波の振動乃至揺動はセンタフレームを介して左右に張り出したサイドフレームに伝達される。しかも、サイドフレームの後方側には熱交換装置やバッテリ等が設置されており、これらの機器はセンタビームに連結した前後の張り出しビーム間に装着されている。このために、張り出しビームに連結したサイドビームに大きな低周波振動が伝達されることになる。
【0008】
一方側のサイドフレームには運転室が設置されており、オペレータはこの運転室の内部で機械の操作を行うので、オペレータの運転室内での居住性を向上させるために、機械の振動乃至揺動が運転室に伝達されるのを極力抑制しなければならない。このために、運転室は防振ゴム等からなる防振手段を介してサイドフレームに連結されている。ここで、この種の防振手段は高周波の振動を有効に吸収できるものの、低周波振動に対する吸収能力は必ずしも高周波振動より有効なものではない。従って、特にカウンタウエイトの動きに起因する低周波振動が運転室に伝達されることによって、運転室内のオペレータの居住性が悪化し、運転を長時間行うと、オペレータの疲労が蓄積される等の問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的はカウンタウエイト等の振動が運転室に伝わるのを抑制し、もって運転室の居住性を改善するようにした建設機械の旋回フレームを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、前端側が作業装置の取付け部で、後端側がカウンタウエイトの取付け部となった左右一対のセンタビームを有するセンタフレームと、前記各センタビームから外側に向けて複数の張り出しビームを延在させ、かつこれら各張り出しビームの先端部をサイドビームで連結した左右のサイドフレームとを有し、これら左右のサイドフレームの一方側は運転室及び熱交換装置を設置した運転室設置側サイドフレームとした建設機械の旋回フレームであって、前記運転室設置側サイドフレームは、前方側が運転室支持部で、後方側は熱交換器支持部となし、この運転室設置側サイドフレームのサイドビームは、前記運転室支持部となる第1のサイドビーム部と、前記熱交換器支持部となる第2のサイドビーム部とに分割する構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明によれば、第1のサイドビーム部と第2のサイドビーム部とを同軸上に配置して、その間に所定の隙間を設け、この隙間には、これら第1,第2のサイドビーム部が相対移動可能な繋ぎ部材を介装する構成としたものである。
【0012】
ここで、サイドビームは強度の点等から鋼材で形成されるが、第1,第2のサイドビーム部の隙間に設けた繋ぎ部材の材質としては、樹脂やゴム等から構成することができる。また、繋ぎ部材は単一のものとしても良く、また第1のサイドビーム部側と第2のサイドビーム部側とにそれぞれ繋ぎ部材を設けて、これら両繋ぎ部材を相互に接合させるか、またはその間に僅かな隙間を設けるようにする。このように、繋ぎ部材を設けることによって、第2のサイドビーム部から第1のサイドビーム部への振動や揺動の伝達が十分抑制され、かつあたかも1本のサイドビームを形成するような外観を呈することになり、機械全体として美麗な外観が維持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示すものであって、旋回フレームを油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて示しており、図1は油圧ショベルの外観を示す斜視図、図2は図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを取出して示す平面図、図3は図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを取出して示す斜視図、図4は運転室を支持する運転室設置側サイドフレームの分割されたサイドビームの対向面部を拡大して示す斜視図である。
【0014】
図1において、1は下部走行体、2は図示しない旋回装置を介して下部走行体1上に旋回可能に支承された上部旋回体、3は旋回フレーム、4は運転室、5は建屋カバー、6はカウンタウエイトである。7は上部旋回体2の前端側に取付けられる作業装置で、ブーム8,アーム9,バケット10及びブームシリンダ8a,アームシリンダ9a,バケットシリンダ10a等から概略構成されている。そして下部走行体1の走行装置(図示せず)を駆動することにより走行が行われ、旋回装置(図示せず)を駆動することにより上部旋回体2及びそれに取付けられている作業装置7が旋回する。さらに作業装置7は各シリンダ8a,9a,10aに圧油が給排されることにより駆動されて掘削等の作業が行われるようになっている。
【0015】
図2及び図3において、11はセンタフレームであって、このセンタフレーム11は台板12と、この台板12の上に立設される左右一対のセンタビーム13,14とで概略構成されている。そして、これらセンタビーム13,14間には倒れ防止のため両端部が溶接等により固定された連結板15a,15b,15cが設けられ、また台板12には旋回装置取付け部16が設けられている。また、17,18はサイドフレームを示すものである。これらセンタフレーム11及び左右のサイドフレーム17,18により上部旋回体2の旋回フレーム3を構成する。
【0016】
図2において、左側に位置するサイドフレーム17は、センタビーム13に一端が溶接等により固定された複数の張り出しビーム19,20,21,22と、サイドビーム23とを備え、さらに張り出しビーム19からは前方張り出しビーム24の後端部が溶接等により固定されており、この前方張り出しビーム24の先端部にも張り出しビーム25の一端が溶接等の手段で連結・固定されている。そして、張り出しビーム19〜22及び25の他端はサイドビーム23に溶接等により固定されている。
【0017】
また、図2における右側のサイドフレーム18は、センタビーム14に一端が固定された複数の張り出しビーム26と、これらの張り出しビーム26に他端が固定されたサイドビーム27とから構成される。
【0018】
センタビーム13,14において、その前端部には作業装置7を構成するブーム8及びブームシリンダ8aが連結され、後端におけるサイドフレーム17,18より後方に張り出した部位にはカウンタウエイト6が設置されている。さらに、センタビーム13,14には、カウンタウエイト6の設置部寄りの位置にブラケット28a〜28dが取付けられており、これらのブラケット28a〜28dにはエンジン(図示せず)が設置される。また、サイドフレーム17,18のうち、左側のサイドフレーム17は運転室4及びラジエータ,オイルクーラ等の熱交換器等が装着され、またバッテリもこのスペースに設置される。一方、右側のサイドフレーム18にはタンク類、即ち燃料タンクや作動油タンクといったタンク類等が設置される。従って、左側のサイドフレーム17が運転室設置側サイドフレームである。
【0019】
この左側に位置する運転室設置側サイドフレーム17は、前方側は、つまり張り出しビーム23と、19,20とにわたって、運転室4が設置される運転室支持部である。この運転室支持部を構成する張り出しビーム23,20には、少なくとも4箇所に防振装置装着部29が形成されており、運転室4はこの防振装置装着部29に装着した防振装置(図示せず)を介して装着されている。また、運転室設置側サイドフレーム17における後方側、つまり張り出しビーム21,22間の部位は熱交換器支持部であり、このために張り出しビーム21,22間には支持板30が架設されており、この支持板30上に熱交換器やバッテリ等が装着される。この熱交換器支持部及びエンジン装着部等は建屋カバー5により覆われている。
【0020】
ここで、運転室設置側サイドフレーム17において、そのサイドビーム23はサイドフレーム17の全長にわたって1本で構成されるのではなく、図4からも明らかなように、運転室支持部側における第1のサイドビーム部23aと、熱交換器支持部側の第2のサイドビーム部23bとに分割されており、かつこれら第1,第2のサイドビーム部23a,23bは同軸上に配置され、かつその間には所定の隙間Gが形成されている。従って、構造上、サイドフレーム17は張り出しビーム20と張り出しビーム21との間の位置で前後に分割される。各張り出しビーム19〜22及び25はセンタビーム13に連結されており、センタビーム13は台板12に取付けられている。そして、張り出しビーム20はセンタビーム13のうち、台板12への取付け部に連結されており、また張り出しビーム21は台板12への取付け部より後方側でセンタビーム13に連結されている。
【0021】
以上の構成において、機械の作動中には旋回フレーム3が振動する。この振動の発生要因としては、作業装置7の駆動に起因するもの、車両の悪路走行によるもの、さらにエンジンの作動による振動等である。そして、カウンタウエイト6は基端部がセンタビーム13,14の先端に取付けた作業装置7との重量バランスを有効に取るためのものであることから、このカウンタウエイト6が装着されるのは、センタビーム13,14であって、しかも柔構造とする関係から、台板12より後方側に大きく張り出した後端部である。また、カウンタウエイト6の幅寸法は旋回フレーム3の幅寸法とほぼ同じであるにも拘らず、そのほぼ中間位置で2箇所支持されているに過ぎず、サイドビーム23,27等とは非連結状態に保持されている。さらに、センタビーム13,14において、台板12への連結部より後方側の位置であって、張り出しビーム21,22間の位置には4点でエンジンという重量物も支持されている。
【0022】
従って、作業装置7の駆動時及び車両の走行時には、カウンタウエイト6が振動し、かつ左右に揺動することになる結果、低周波振動が生じる。しかも、その直前位置にエンジンが配置され、このエンジンも作動時に振動することから、全体としての旋回フレーム3において、その台板12より後方側には大きな低周波振動が生じることになる。そして、この低周波振動は熱交換器等を支持している張り出しビーム21,22を介してサイドビーム23を構成する第2のサイドビーム部23bにまで伝達される。しかしながら、このサイドビーム23において、第2のサイドビーム部23bと第1のサイドビーム部23aとの間には隙間Gが形成されているので、この隙間Gが振動遮断機能を発揮して、第1のサイドビーム部23aに後方側の低周波振動が伝達されることはない。また、張り出しビーム20,19の一端はセンタビーム13に連結されているが、それらはセンタビーム13の台板12への連結部及びその前方に位置しているので、やはり低周波振動の影響は殆ど受けることがない。
【0023】
以上のことから、運転室4の設置部に直接作用するのは、作業装置7の駆動時における振動と、車両の走行時における振動のみであり、これらの振動は基本的には高周波振動である。運転室4は防振装置を介してサイドフレーム17における前方側の運転室支持部に支持されているので、このサイドフレーム17、特にサイドビーム23には防振装置により有効に吸収できる高周波振動のみが作用し、オペレータにとって不快な低周波振動が運転室4に作用するのを著しく抑制できる。その結果、オペレータが搭乗して機械の操作を行う運転室4の居住性を大きく改善することができる。
【0024】
ところで、隙間Gは、サイドビーム部23a,23b間を完全に切り離すためであり、このために隙間Gはかなり広くなってしまう。従って、この隙間Gをそのままにしておくと、機械全体の外観上の点で必ずしも好ましくない場合がある。そこで、第2のサイドビーム部23b側から第1のサイドビーム部23a側への振動の遮断機能を損なうことなく、この隙間Gを塞ぐように繋ぎ部材を介装するように構成することができる。この繋ぎ部材の具体的な構成を図5及び図6に例示する。
【0025】
図5に示した繋ぎ部材40は、第1のサイドビーム部23aと第2のサイドビーム部23bとを相対移動可能に掛け渡すようにしている。ここで、第1,第2のサイドビーム部23a,23bは、通常、強度上及び外観上の観点からその断面形状が概略D形状となった中空の部材で構成される。そこで、繋ぎ部材40の両端部を、第1,第2のサイドビーム部23a,23bの内側断面形状に合わせて小さくして、これら第1,第2のサイドビーム部23a,23bの内部に嵌合させ、また中間部は外面形状に合わせて前記両端側より大きく形成し、例えばゴムや軟質プラスチックのような弾性体で作成することによって、これら第1,第2のサイドビーム部23a,23b間を掛け渡すように装着する。これによって、隙間Gが埋まるようになり、全体としてのサイドビーム23がほぼ一連の形状となって外観形状を損なうことない。しかも、繋ぎ部材30が弾性体であるのでセンタフレーム11の後端部に発生した振動が第2のサイドビーム部23bを介して運転室4側に位置する第1のサイドビーム部23aに伝達されることを防止することができる。
【0026】
また、図6は繋ぎ部材の他の例を示したもので、41,42はそれぞれ分割型の繋ぎ部材である。繋ぎ部材41,42はそれぞれ第1及び第2のサイドビーム部23a,23bの相対向する端面に固着させて設ける構成としている。そして、これらの繋ぎ部材41,42はそれぞれ軟質の樹脂材で形成することができる。また、硬質の樹脂材で形成する際には、両繋ぎ部材41,42間に若干のクリアランスを形成する。このように構成すると、旋回フレーム3を組み立てた後に、繋ぎ部材を装着することができるようになる。また、クリアランスを形成しても、それがごく僅かなものであれば、外観上で殆ど違和感を与えることはない。
【0027】
前述したように、運転室4における居住性の観点からは、センタフレーム11の左右両側に位置するサイドフレーム17,18のうち、運転室4が設置されている運転室設置側サイドフレーム17のサイドビーム23のみを2分割すれば良いが、サイドビームに作用する荷重の点を勘案して、両サイドビーム23,27の双方を2分割して、サイドフレーム17,18を前後の2つの小さいフレームユニットとして構成することもできる。
【0028】
而して、センタフレーム11には、前方側には作業装置7の作動による荷重が作用する。特に、土砂の掘削時には、作業装置7には衝撃的な荷重が作用し、この荷重は張り出しビームを介してサイドビームに伝達される。また、センタフレーム11の後方側では、カウンタウエイト6の揺動等によって、うねるような荷重が作用し、この荷重もサイドビームに伝達されることになる。センタフレーム11におけるセンタビーム13,14は、衝撃的な荷重とうねるような荷重とが複合した荷重を有効に受承しなければならないが、サイドビーム23,27側では、構造的にはこれらの複合荷重を受承しなければならないものではない。そこで、両サイドビーム23,27の双方を、衝撃的な荷重が作用する前方側と、うねり荷重が作用する後方側とに分けることによって、応力の低減が図られるから、サイドビーム23,27自体の強度及びそれらと張り出しビームとの溶接強度等の要求を緩和することができる。また、サイドビームを2分割することは、それぞれのビームの長さが短縮されることになるので、やはり強度的な面では得策である。
【0029】
なお、サイドビームを前後に分割することにより生じる隙間Gに介装される繋ぎ部材の取付け方法等については、例えばボルト止め等いろいろな方法があり、前後のサイドビーム部の間で振動の伝達がないようにすれば良く、また必ずしも隙間Gの部分を塞がなくても良い。さらに、サイドフレームを構成する張り出しビームの数や取付け位置等については図2に示したものに限定されないことは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、運転室設置側サイドフレームを構成するサイドビームを、運転室支持部側と、熱交換器支持部側とに2分割する構成としたので、センタフレームの後端部側から発生する振動、特にオペレータにとって最も不快な低周波振動がサイドビームを介して運転室支持部側に伝わるのを抑制することができ、運転室の居住性を向上することができる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを示す平面図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルの旋回フレームのみを示す斜視図である。
【図4】本発明の第1のサイドビームと第2のサイドビームの対向面部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4に示す対向面部を連結する繋ぎ部材の一例を説明するための斜視図である。
【図6】繋ぎ部材の他の例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
3 旋回フレーム
4 運転室
11 センタフレーム
12 台板
13,14 センタビーム
17,18 サイドフレーム
19〜22,25,26 第1のサイドビーム
23 運転室支持部側サイドフレーム
23a 第1のサイドビーム部
23b 第2のサイドビーム部
27 右側のサイドビーム
40,41,42 第2のサイドビーム
Claims (2)
- 前端側が作業装置の取付け部で、後端側がカウンタウエイトの取付け部となった左右一対のセンタビームを有するセンタフレームと、前記各センタビームから外側に向けて複数の張り出しビームを延在させ、かつこれら各張り出しビームの先端にサイドビームを連結した左右のサイドフレームとを有し、これら左右のサイドフレームの一方側は運転室及び熱交換装置を設置した運転室設置側サイドフレームとした建設機械の旋回フレームにおいて、
前記運転室設置側サイドフレームは、前方側が運転室支持部で、後方側は熱交換器支持部となし、
この運転室設置側サイドフレームのサイドビームは、前記運転室支持部となる第1のサイドビーム部と前記熱交換器支持部となる第2のサイドビーム部とに分割する
構成としたことを特徴とする建設機械の旋回フレーム。 - 前記第1のサイドビーム部と第2のサイドビーム部とを同軸上に配置して、その間に所定の隙間を設け、この隙間には、これら第1,第2のサイドビーム部が相対移動可能な繋ぎ部材を介装する構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の旋回フレーム。
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2003
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