JP2004238879A - 建設機械 - Google Patents

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JP2004238879A JP2003028072A JP2003028072A JP2004238879A JP 2004238879 A JP2004238879 A JP 2004238879A JP 2003028072 A JP2003028072 A JP 2003028072A JP 2003028072 A JP2003028072 A JP 2003028072A JP 2004238879 A JP2004238879 A JP 2004238879A
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Yoshinobu Owada
義宣 大和田
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Abstract

【課題】電力を必要とせずに昇降用通路や点検整備用の通路が夜間でも安全に通行できる建設機械を提供する。
【解決手段】車体1と、前記車体1に設置した運転室11と、前記車体1に設置し、動力用機械を収容した機械室15と、前記運転室11及び/又は前記機械室15の周辺に設置した通路17と前記通路17の周辺に設置した昇降通路18との少なくとも一方の通路17,18に設置した蓄光材料よりなる発光手段21とから構成したことから、夜間作業を開始したりエンジン等を点検整備するため、運転室11へ昇降したり、機械室15の周辺に乗車する場合、昇降通路18や点検整備用通路17に設けた発光手段21が発光して通路の位置を表示するため、夜間であっても安全かつ迅速に運転室11や機械室15の周辺に到達することができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電力を使用せずに昇降通路や点検整備用の通路が夜間でも安全
に通行できるようにした建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来比較的大型の建設機械には、車体の上部に設置された運転室へ昇降する際に使用する昇降通路や、エンジンや補機等を点検したり整備するための点検整備用の通路が設置されている。
これら通路は夜間にも使用することがあるため、従来では通路の要所に照明灯を設置して、夜間運転室へ昇降する際や点検整備する際、照明灯を点灯して通路を照明することにより、運転室への昇降や点検整備等が安全に行えるようにしている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2913230号公報(段落0005、0006)
【0004】
前記特許文献1に記載された「大型建設機械の照明装置」は、運転室へ通じる昇降路に照明灯を設置して、オペレータの動作により所定の条件、例えば運転停止状態または運転室の扉開放状態、あるいは両者が形成されると照明灯が所定時間点灯して昇降路を照明することにより、夜間でもオペレータが運転室より安全に降車できるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし作業を終了して運転室よりオペレータが降車する場合、建設機械のエンジンが停止されているため、前記特許文献1に記載された照明装置のように、オペレータの降車時所定時間照明灯を点灯するようにしたものでは、バッテリにより照明灯を所定時間点灯しなければならないためバッテリの電力が早期に消耗して、エンジンを始動する際エンジンがかかりにくくなったり、バッテリの寿命が早期に低下する等の問題がある。
また建設機械は、24時間稼動したり、騒音等の関係から、夜間に作業を開始する場合も多いが、前記特許文献1に記載された照明装置では、夜間に作業を開始すべく運転室へ乗車する際には昇降路が照明されないため、運転室へ安全に乗車できない等の問題もある。
【0006】
さらに大型の建設機械では、車体の上部に点検整備用の通路が設置されているが、これら通路の多くは障害物を避けながらエンジン室の周囲全周に設けられていて、通路の要所には照明灯が設置されており、大型の建設機械になると照明灯の数が5〜10個所程度となるため、エンジンを停止させた状態でも点検や整備ができるように、これらの照明灯へは専用のバッテリから電力を供給している。このためエンジン始動用のバッテリとは別に照明用のバッテリも搭載しなければならず、搭載するバッテリの数が多くなってコストが嵩むと共に、バッテリを設置するために広いスペースを必要とする等の問題もある。
【0007】
本発明は前記従来の問題を改善するためになされたもので、電力を必要とせずに昇降通路や点検整備用の通路が夜間でも安全に通行できるようにした建設機械を提供することを目的とするのものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の建設機械は、車体と、前記車体に設置した運転室と、前記車体に設置し、動力用機械を収容した機械室と、前記運転室及び/又は前記機械室の周辺に設置した通路と前記通路の周辺に設置した昇降通路との少なくとも一方の通路に設置した蓄光材料よりなる発光手段とから構成したものである。
【0009】
前記構成により、夜間作業を開始したり、エンジン等の動力用機械を点検整備するため、運転室へ乗車したり、機械室の周辺に乗車する場合、昇降通路や点検整備用の通路に設けた発光手段が発光して通路の位置を表示するため、夜間であっても安全かつ迅速に運転室や機械室の周辺に到達することができると共に、発光手段は昼間蓄光して夜間に発光するため電力を必要とせず、これによってバッテリを消費することがないため、バッテリが消耗してエンジンのかかりが悪くなったり、バッテリの寿命が早期に低下する心配もない。
また照明専用のバッテリを必要としないので、バッテリのコストが嵩むことがない上、バッテリを搭載する場所の省スペース化が図れるようになる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明の建設機械は、前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の床面を構成する格子体に設けたものである。
【0011】
前記構成により、通路の床面に雨水や塵埃等が溜まることがないため、雨水や塵埃により発光手段の視認性が低下することがない上、発光手段が早期に劣化することもないため、発光手段の耐久性も向上する。
【0012】
前記目的を達成するため本発明の建設機械は、前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の手摺に設けたものである。
【0013】
前記構成により、夜間通路から転落する事故を未然に防止することができる上、照明のない現場に駐車された建設機械の所在も、外から見えやすい手摺に設けられた発光手段により容易に確認することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を大型油圧ショベルに実施した場合の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は大型油圧ショベルの左側面図、図2は同右側面図、図3は同後面図、図4は同平面図、図5は通路の一部を拡大した平面図、図6は同側面図、図7は図5のA円内の拡大図、図8は図7のB−B線に沿う断面図である。
図1ないし図4に示す大型油圧ショベルは、自走自在な走行体1と、走行体1上に旋回自在に設置された旋回体2よりなる。
走行体1は、センタフレーム3aと、その両側に互いに平行するように設けられた一対のサイドフレーム3bよりなるトラックフレーム3を有していて、サイドフレーム3bの前部にはアイドラ4が回動自在に支承されており、サイドフレーム3bの後部には、油圧モータよりなる走行モータ5により回転駆動されるスプロケット6が支承されていて、アイドラ4とスプロケット6の間には、無端状の履帯7が捲装されており、サイドフレーム3bの上部と下部には複数の上下転輪8が回転自在に取り付けられている。
【0015】
走行体1上に設置された旋回体2は、油圧モータよりなる旋回モータ(図示せず)により旋回自在となっていて、旋回体2の前部中央に作業機10が装着され、作業機10の左側には運転室11が設置されている。
作業機10は、ブームシリンダ12により起伏自在なブーム10aと、ブーム10aの先端に枢着され、かつアームシリンダ13により回転自在なアーム10bと、アーム10bの先端に枢着され、かつバケットシリンダ14により回転自在なバケット10cとより構成されていて、バケット10cにより掘削作業等が行えるようになっている。
【0016】
また旋回体2には、後部側に動力用エンジンや油圧ポンプ(ともに図示せず)等動力用機械が収容された機械室15が設置され、機械室15後方にはカウンタウェイト16が取り付けられていると共に、運転室11の周辺や機械室15の上部、カウンタウェイト16の上部などには、キャットウォークと称する点検整備用の通路17が、そして運転室11に通じる通路17の途中には、運転室11へ昇降する際使用する昇降通路18が設置されている。
点検整備用の通路17は、図5及び図6に示すように、枠状に形成された桁フレーム17a内にグレーチングと呼ばれる格子体17bを上方より嵌挿してボルト等の固着具(図示せず)により固定したもので、桁フレーム17aは通路17の屈曲に合わせて複数分割されていて、それぞれ鋼板を溶接することにより枠状に形成されており、桁フレーム17aの外周面には、通行方向に間隔を存して複数のブラケット19が固着されている。
【0017】
これらブラケット19は、通路17から転落するのを防止する手摺20の支柱20aを固定するもので、手摺20は図4に示す通路17の転落の虞れがある個所の両側に設置されていると共に、運転室11の周辺に設置された通路17の手摺20は、運転室11への出入りの妨げとならないよう通路17の外側にのみ設置されている。
桁フレーム17aに嵌挿された格子体17bは多数の帯板17cを互いに平行するよう通行方向に並設し、かつ各帯板17cと直交するよう設けられた連結用帯板17dで互いに通路した格子構造となっていて、通行時滑ったり、雨水や塵埃等が上面に溜まらないようになっている。
【0018】
そして格子体17bを構成する帯板17cのうち、通路17の最内側や最外側に位置する帯板17cの側面に蓄光材料よりなる発光手段21が取り付けられている。発光手段21は、昼間時に太陽光等の光を蓄光し、夜間に蓄光した光を発光する蓄光性蛍光体よりなる蓄光材料により帯状に形成されていて、帯板17bの側面にビスなどの固着具22により図8に示すように着脱自在に取り付けられている。
また蓄光性蛍光体としては、の硫化物蛍光体や、硫化亜鉛系蓄光性蛍光体等を使用することができる。
【0019】
一方運転室11に通じる通路17の途中に設置された昇降通路18は、地上から運転室11への昇降を容易とするため階段18a及び梯子18bから構成されており、何れの昇降用の通路18にも両側に手摺20が設置されていると共に、階段18aや梯子18b、手摺20にも前記と同様な蓄光材料よりなる発光手段21が固着具22や接着等の手段で取り付けられている。
【0020】
次に前記構成された建設機械の作用を説明する。
鉱山等で稼働する大型の油圧ショベルは、昼夜を問わず24時間体制で作業することが多いが、昼間稼働している間に蓄光材料よりなる発光手段21は太陽光等を蓄光し、夜間発光する。
これによって夜間になって作業を終了したオペレータは、エンジンを停止させて運転室11より降車する際、通路17や昇降通路18に設けられた発光手段21が発光して通路17や昇降通路18の位置を表示するため、通路17や昇降通路18に照明灯がなくとも安全に運転室11より降車することができる。
【0021】
また夜間になってから作業を開始する場合も、昼間蓄光した光により発光手段21が発光して昇降通路18の位置や通路17の位置を表示するため、運転室11へ安全かつ迅速に乗車して作業を開始することができると共に、エンジンを停止した状態で夜間点検整備を行う場合も、通路17の位置を発光手段21が表示するため、エンジン等の点検整備個所へ照明を必要とせずに行き着くことができる。
以上のように蓄光材料を発光手段21に使用することにより、電力を必要とせずに通路17や昇降通路18の位置を表示することができるため、照明のためにバッテリを消耗することがないと共に、照明のためのバッテリを別個に搭載する必要もない。
【0022】
なお前記実施の形態では、蓄光材料を帯状に成形して発光手段21を形成したが、円柱を半割して形成した発光手段21を図9に示すように固着具22により格子体17bの帯板17c両側に固着してもよく、また蓄光材料を円板状に成形して発光手段21を形成し、かつ複数の発光手段21を図10に示すように通路17に一直線上に配置するようにしてもよいと共に、蓄光性蛍光塗料を塗布することにより、発光手段21を形成するようにしてもよい。
さらに前記実施の形態では、大型油圧ショベルに実施した例について説明したが、点検整備用の通路や、運転室への昇降用通路を有する建設機械全般に適用できることは、勿論である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、車体と、前記車体に設置した運転室と、前記車体に設置し、動力用機械を収容した機械室と、前記運転室及び/又は前記機械室の周辺に設置した通路と前記通路の周辺に設置した昇降通路との少なくとも一方の通路に設置した蓄光材料よりなる発光手段とから構成したことから、夜間作業を開始したり、エンジン等の動力用機械を点検整備するため、運転室へ乗車したり、機械室の周辺に乗車する場合、昇降通路や点検整備用の通路に設けた発光手段が発光して通路の位置を表示するため、夜間であっても安全かつ迅速に運転室や機械室の周辺に到達することができると共に、発光手段は昼間蓄光して夜間に発光するため電力を必要とせず、これによってバッテリを消費することがないため、バッテリが消耗してエンジンのかかりが悪くなったり、バッテリの寿命が早期に低下する心配もない。
【0024】
また照明専用のバッテリを必要としないので、バッテリのコストが嵩むことがない上、バッテリを搭載する場所の省スペース化が図れると共に、前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の床面を構成する格子体に設けたことから、通路の床面に雨水や塵埃等が溜まることがないため、雨水や塵埃により発光手段の視認性が低下することがない上、発光手段が早期に劣化することもないため、発光手段の耐久性も向上する。
さらに前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の手摺に設けたことから、夜間通路から転落する事故を未然に防止することができる上、照明のない現場に駐車された建設機械の所在も、外から見えやすい手摺に設けられた発光手段により容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる建設機械の左側面図である。
【図2】本発明の実施の形態になる建設機械の右側面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる建設機械の後面図である。
【図4】本発明の実施の形態になる建設機械の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態になる建設機械に設けられた通路の拡大平面図である。
【図6】本発明の実施の形態になる建設機械に設けられた通路の拡大平面図である。
【図7】図6のA円内の拡大図である。
【図8】図7のB−B線に沿う断面図である。
【図9】本発明の実施の形態になる建設機械に設けられた発光手段の変形例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態になる建設機械に設けられた発光手段の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車体(旋回体)
11 運転室
15 エンジン室
17 点検整備用通路
17b 格子体
17c 帯板
18 昇降通路
20 手摺
21 発光手段

Claims (3)

  1. 車体と、前記車体に設置した運転室と、前記車体に設置し、動力用機械を収容した機械室と、前記運転室及び/又は前記機械室の周辺に設置した通路と前記通路の周辺に設置した昇降通路との少なくとも一方の通路に設置した蓄光材料よりなる発光手段とを具備したことを特徴とする建設機械。
  2. 前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の床面を構成する格子体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記発光手段を、前記少なくとも一方の通路の手摺に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の建設機械。
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