JP2004238215A - 非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材及びその製造方法 - Google Patents

非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子部品等の熱処理等において、接触部で熱的反応が生じないよう配慮することが求められている。そのため従来、基材炭化質焼結体に対して非反応性材料をプラズマ溶射する措置が講じられているが、溶射材料の剥離が生じる等、必ずしも基材に対して被覆する溶射膜は、繰り返し熱衝撃を受けた場合でも、剥離することなく、充分に機能を発揮することができるとは言えなかった。本発明は、これを解決しようと言うものである。
【解決手段】溶射される基材について、平均表面粗さRaを、0.35μm〜25μmに設定するとともに、1インチあたりのピークカウントPPIを150以上とすることによって、鋭利な凹凸を設けた状態とし、この基材に対して非反応性材料を溶射することによって、基材に対してしっかりと被覆することができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶射膜をプラズマ溶射してなる炭化珪素部材とその製造方法に関する。さらに言えば、セラミック電子部部品を製作する場合に専ら使用されるセラミックコーティングを施してなる炭化珪素質焼成用治具等の用途に供される炭化珪素部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層コンデンサーや圧電素子等のセラミック電子部部品は、一般的に非酸化性雰囲気で熱処理されるが、電子部品との接触部で反応をおこさないように、接触面の材質は化学的に安定な酸化物系材質とすることが必要である。そのようなセラミック材料としては特にジルコニアが耐反応性において極めて優れており、アルミナシリカ系の酸化物の焼結体基材に対して、プラズマ溶射によりジルコニア被膜を施してなる治具が提案されている(例えば、特許文献1ない6参照)。
【0003】
しかしながらこれらジルコニア被覆した酸化物治具は耐熱衝撃性に劣り、そのため使用する際の熱的使用条件としては極力急激な温度変化を避ける等、使用上熱衝撃が極力生じない穏和な狭い条件範囲に限られ、この治具を使用する焼成プロセス全体の生産性に影響を及ぼす結果となり、生産性を低下させる問題があった。この対策として、電子部品焼成用治具として、常圧焼結による緻密なSiC焼結体を基材として選定し、その上にジルコニアをプラズマ溶射したものが提案されている(例えば、特許文献7、8参照)。また、これとは別に、焼成用治具を対象としたものではないため、本発明の比較対照とはならないが、高温構造部材用炭化珪素質焼結部材の表面にジルコニアをプラズマ溶射してなるものも提案されている(例えば、特許文献9参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−247752号公報
【特許文献2】特開2000−146456号公報
【特許文献3】特開平10−139572号公報
【特許文献4】特開平7−53285号公報
【特許文献5】特公平3−77652号公報
【特許文献6】特公平8−963号公報
【特許文献7】特開2001−278685号公報
【特許文献8】特開平11−263671号公報
【特許文献9】特公平5−50476号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案の中、特に基材として炭化珪素質焼結体を使用してなるものを、要約、紹介すると以下の通りである。すなわち、特許文献7に提案され、開示されてなる常圧焼結SiCを用いた電子部品焼成用治具は、その炭化珪素質基材を気孔率0.1%以下、嵩比重3.05以上、室温曲げ強度380MPa以上に設定し、少なくとも被熱処理物が載置される側の一表面を、焼結前にサンドブラストし、あるいは焼結後にサンドブラストやアルカリエッチング処理し、平均表面粗さRa、あるいは十点平均粗さRa10に基づいて、Ra;3〜15μm、Ra10を20μm以上とし、その上に酸化物をプラズマ溶射しているものであった。
【0006】
しかし、このようなプラズマ溶射面を予め粗面化する手段を講じる方法によっても、その基体焼結体とプラズマ溶射膜との関係は、接着性が充分とはいえず、治具の使用中に熱衝撃等によって溶射膜が次第に剥離してくるという現象が発生し、そこには依然として解決されなければならない問題が残っていることが明らかとなった。
【0007】
また、特許文献8には、基材をサンドブラストで粗面化処理し、基材の表面に気孔率を12%以上に設定してなるZrO、Al、CaZrOよりなる中間層を設け、この中間層を介してさらにその上に気孔率7%以下に設定したZrO、Al、CaZrOよりなる緻密層を形成した焼成用治具が開示されている。
【0008】
この提案自体には、SiC基材の密度などの特性等については直接言及がないが、例えば相対密度80%以上の緻密な常圧焼結SiCでは、この焼結体に他の材質を溶射によって被覆しようとすると、基材側の表面状態を改質しないと、ZrO等の酸化物をプラズマ溶射することは困難であり、また、素材として選定したSiCはもともと高強度材料であるためそこに開示されたサンドブラストによる粗面化手段によってはその表面を改質することは困難であり、その開示された技術的事項では、炭化珪素質基材の上に充分な接着力を以て酸化物系プラズマ溶射膜を施すには充分に完成された技術とは言い難いものであった。
【0009】
また、特許文献9に開示されてなるものは、炭化珪素焼結体の表面に安定化した又は部分安定化したジルコニアを被覆することによって、熱伝導率が高く断熱性の悪い炭化珪素焼結部材を、熱伝導率の低いジルコニアを被覆し、表面近傍の断熱性を改善することをねらいとするものであり、すなわち、炭化珪素焼結部材の高温強度とジルコニアの断熱性を兼ね備えたエンジン部品などの高温部材へ適用する焼結体部材を目的としているもので、電子部品等の製造の際の使用する焼成用治具をねらいとする本発明とは全く異なるものである。
【0010】
そこに開示されたジルコニア被覆形成手段は、常圧焼結炭化珪素焼結体を水酸化カリウム90%、硝酸カリウム10%とから成る490℃に加熱した溶融塩中に30分間浸漬してエッチングするか、1500℃空気中で100時間加熱することによって、表面を酸化して酸化層を形成することによってSiC表面を改質し、その上にジルコニアをプラズマ溶射するものである。しかしながら、この方法も基材とする焼結体がポーラスな焼結体ならばジルコニア等の酸化物の溶射も困難なことではないと思量されるが、相対密度80%以上の緻密な常圧焼結SiCに対して適用する場合、ジルコニア等の酸化物を溶射し、これによって熱ショックに対しても耐えられる、充分な接着力を有するものを提供することは、困難なことであることが明らかとなってきた。
【0011】
本発明は、以上に記載した従来技術を前提技術とするもので、これら従来技術においては、いずれも上記したように、基材炭化珪素質焼結体とプラズマ溶射膜との関係は、特に接着性において問題があることから、このような問題のない、すなわち緻密な常圧焼結炭化珪素に、被焼成物に対して反応性の低いジルコニア等の膜材料をプラズマ溶射法によって充分な接着強度を以って溶射、付与し、以て耐熱衝撃性、耐剥離性に優れた溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材を提供しようと言うものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明者においては、鋭意研究した結果、基材と溶射膜との接着状態は、基材の設定を相対密度80%以上に設定する場合特に難しく、単にその表面平均粗さについて配慮するだけでは不十分であり、その表面の状態を平均表面粗さを特定の範囲に設定すると同時に、1インチあたりのピークカウントPPIについても特定の値となるよう設定することにより、充分に接着強度のある、熱衝撃に対して強い、耐剥離性に優れた溶射被膜を付与しうることを見いだしたものである。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。その講じてなる構成は、以下(1)ないし(8)に記載する通りである。
【0013】
(1) 相対密度80%以上、平均表面粗さRa;0.35μm〜25μm、1インチあたりのピークカウントPPI;150以上である、鋭利な凹凸を設けた炭化珪素焼結基材を設定し、この基材に非反応性膜材料をプラズマ溶射したことを特徴とする、非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
(2) 該非反応性膜材料が、ZrO、アルミナ、ムライト、ジルコンよりなる酸化物系無機材料、あるいはMo基又はNi基合金より選ばれる金属材料の中から選択される1種又は2種以上の材料である、前記(1)項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
(3) 該非反応性膜材料が基材に対して1層又は2層以上膜状に設けたことを特徴とする、前記(1)又は(2)項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
(4) 該非反応性膜材料としてZrOを選択する場合、Y、MgO、CaOより選ばれる1種又は2種以上の酸化物によって安定化あるいは部分安定化して使用することを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
(5) 相対密度80%以上の常圧焼結炭化珪素又は反応焼結炭化珪素又はSi含浸炭化珪素を空気中1000℃ないし1500℃の温度に維持した加熱炉に投入し、100℃/min以上の加熱速度で加熱し、炉内温度に到達後、30分を越えない時間同温度に保持した後、炉内から取り出すことにより、鋭利な凹凸を設けた溶射用炭化珪素基材を得、次いでこの炭化珪素基材に非反応性膜材料をプラズマ溶射することを特徴とする、請求項1記載にする非反応性溶射膜を有してなる炭化珪素質焼結部材の製造方法。
(6) 該プラズマ溶射する非反応性膜材料が、ZrO、アルミナ、ムライト、ジルコンよりなる酸化物系無機材料、あるいはMo基又はNi基合金より選ばれる金属材料の中から選択される1種又は2種以上の材料である、前記(5)に記載する非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
(7) 該プラズマ溶射する非反応性膜材料を基材に対して1層又は2層以上膜状に設けたことを特徴とする、前記(5)又は(6)項に記載の溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
(8) 該プラズマ溶射する非反応性膜材料としてZrOを選択する場合、Y、MgO、CaOより選ばれる1種又は2種以上の酸化物によって安定化あるいは部分安定化して使用することを特徴とする、前記(5)ないし(7)の何れか1項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
【0014】
上記事項において、平均表面粗さRaは、横軸に測定試料片の長さ、縦軸に探針法等により表面粗さ曲線を求め(図1)、この曲線とその中心線(基準線)とで形成される面積部分(斜線部分)を積算総和し、得られた値を試料片の長さlで除した値で与えられる。すなわち、粗さ曲線を関数f(x)にて与えると、平均表面粗さRaは、以下(式1)にて示され、定義される。
【式1】
Figure 2004238215
【0015】
また、同じく上記事項において、1インチあたりのピークカウントPP1は、以下のように定義され、求められる。まず、表面粗さ曲線を求め(図2)、求めた曲線に、その中心線(基準線)から正負両方向にそれぞれ0.635μmの位置に平行に補助線を引き、該表面粗さ曲線が−0.635μmの補助線の外側領域から内側領域へと入り、+0.635μmの補助直線の外側領域へと出る場合を1カウントと定義し、インチあたりの総出入り数をカウントして求めるものである。すなわち、図2には、表面粗さ曲線と二つの平行な補助線が示され、これによってPPIカウントの定義とその数え方(1、2、3・・・n回)とが図示されている。
【0016】
本発明において、炭化珪素焼結基材を平均密度80%以上とした理由は、これを下回ると強度的に弱くなり、激しい熱衝撃を伴う、焼結炉における繰り返し使用に耐えられなくなる。これを防ぐためには基材を厚くする必要があり、基材そのものの製造コスト増加と重量増加、被焼成物の積載スペースの減少により、被焼成物の焼成プロセスのコストアップにつながる等悪影響をおよぼすことになる等のことから、規定したものである。
また、その上に溶射する膜材料の意義は、(0011)にも記載したように厳格な品質の確保が要求される電子部品等の焼成に際し、被焼成物(電子部品等)が接触する治具との間に、熱的に反応し、汚染あるいは品質の変化を来すことがないよう求められるところ、これを解決するためのものである。すなわち、非反応性耐熱被覆材料としての狙いを有するものである。従って、その材料は、被焼成物の焼成プロセスに際して、その焼結温度においても充分熱的に安定な耐熱性を備えていることは勿論、被焼成物である電子部品等と反応することのないことが求められるものである。このような要件を満たすものとして、ZrO、アルミナ、ジルコン等の酸化物が挙げられる。前記酸化物以外にもMo基又はNi基合金もこれら酸化物と同様の狙い、作用効果を期待しうるものとして挙げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。この発明の基材炭化珪素質焼結体は、相対密度80%以上で、焼結体の平均表面粗さRaを0.35μmから25.0μmの範囲、1インチあたりのピークカウントPPIを150以上に設定し、鋭利な凹凸のある表面状態とするものであり、この状態の基材表面にジルコニア又はアルミナ、ムライト、ジルコン等の酸化物をプラズマ溶射し、基材に溶射膜を一体に付与するものである。溶射膜は1層でも良いが、使用する条件によっては炭化珪素と酸化物との熱膨張差を緩和させる目的で2層あるいは3層など多層としても良い。本実施例においては、上記酸化物系材料を非反応性膜材料として使用したが、かかる材料としては前述したようにMo基又はNi基合金を用いることができる。
【0018】
溶射皮膜としてZrOを使用する場合、Y又はMgO又はCaOのいずれかによって安定化されたないしは部分的に安定化されたジルコニアとすることが必要である。基材の表面状態は、平均表面粗さRaを0.35μmから25μmの範囲とすることに加え、1インチあたりのピークカウントPPIを150以上とすることが必要である。この基材の表面粗さは、耐スポーリング性の点では小さい方が好ましいが、基材と溶射膜の接着性の点では逆に大きい方がよく、基材の表面粗さに関する上記各数値範囲は、これらを考慮した結果好ましい範囲を規定したものである。
【0019】
次に炭化珪素部材の製造方法について説明する。相対密度80%以上の緻密なSiCを製造する方法として、▲1▼SiC粉末を一軸加圧成形後、鋳込み成形又はCIP成形等で所定の形状に成形し、熱処理して再結晶化し、その後ポアー部分にSiを含浸するSi含浸炭化珪素部材、▲2▼SiC粉末と炭素との混合原料粉末を成形し、高温で溶融した金属Siを介在して熱処理し、炭素(固)とSi(液)との固−液反応によってSiCの二次粒子を合成しつつ、原料SiC粉末を結合させる反応焼結法、あるいは▲3▼BとC等の焼結助剤を用いる常圧焼結法等がある。
【0020】
これらの方法で得られた相対密度80%以上の緻密な炭化珪素部材を、空気中1000℃〜1500℃の範囲の炉内に投入して、100℃/min以上の加熱速度で加熱し、30分以内の時間保持した後、炉から取り出すことにより、極めて急速に、局所的に酸化反応させ、基材炭化珪素質焼結体の表面の平均粗さRaを0.35μm〜25μm、及び1インチあたりのピークカウントPPIを150以上とする鋭利な凹凸を設ける。
【0021】
さらに平均粗さRaについては0.35μm以上に設定することが、強固に接着するために必要であり、上限を25μmとしたのは、25μmを越えると、目的とする炭化珪素質部材の耐熱衝撃性が低下するためである。このような平均粗さに表面状態を改質するには、上記の極めて急速に局所的に酸化反応させる方法が有効である。その際、酸化反応温度を1000℃〜1500℃の範囲としたのは、1000℃以下では酸化反応が進まず、また1500℃以上では酸化反応が全体的に短時間に過度に進みすぎるからである。また炉に投入する際の加熱速度が100℃/minに満たず、あるいは保持時間が30分を越えると、酸化反応を表面層の局所的領域に制御し、留めることができず、酸化反応がさらに全体的に進展するためである。
【0022】
この局所的酸化反応層は、HF処理やサンドブラスト処理により除去することも可能である。表面をサンドブラストやアルカリエッチングで粗面化する方法が知られているが、焼結体表面の粗さ曲線において、1インチあたりのピークカウントPPIが150以上で、鋭利な凹凸を持つ表面状態に改質させることはできない。つまり、大きなRaとなるが、PPIが小さなものとなる。本発明では、膜と基材との接着力をより高めるため、成形する際に使用する型等にサンドペーパーを張り付ける等の工夫を施して、成型時に凹凸を設けることも試みた。しかしこの試みは、焼結後、鋭利な凹凸とはならなかったが、焼結体表面の表面粗さRaを大きくし、膜との接触面積を増やすことに結びつき、その結果、膜と基材との接着力を高めるのに貢献することが分かった。
【0023】
次に、表面状態を前記規定した範囲に改質した基材表面に、Ar−H雰囲気でのガスプラズマ溶射や水プラズマ溶射により、ジルコニア等の酸化物を被覆する。被覆層は1層でも良いが、使用する条件により、炭化珪素と酸化物との熱膨張差を緩和する目的で、2層なり3層など多層とすることができる。溶射被膜として各種酸化物系無機材料を使用することができるが、ZrOを使用する場合、安定化剤で安定化あるいは部分安定化されたジルコニアを使用することが必要である。
【0024】
本発明による熱処理用治具は、相対密度が80%以上であるので、優れた曲げ強度と耐熱衝撃性を有するため、肉薄化が可能となり、軽量化や被熱処理物の積層スペースの拡大により焼成効率が良くなるなどのメリットがある。一方、例えばコンデンサーや圧電素子等の電子部品焼成用セッターとして使用する場合、溶射被膜に耐反応性に優れるジルコニアを用いることにより、被熱処理物を直接載置することができる。また、蛍光塗料粉末焼成用さやとして使用する場合、溶射被膜に耐反応性に優れるアルミナを用いることにより、被焼成物を直接載置することができ、ライフサイクルの長い熱処理用治具を提供することができる。
【0025】
以下、本発明を表1ないし3に記載する実施例1ないし15と表4に記載する比較例1ないし6によって具体的に説明する。但し、これらの実施例、比較例は、あくまでも本発明を容易に理解するための一助として開示したものであって、これによって本発明を限定する趣旨ではない。
【0026】
実施例及び比較例で使用する試料の準備調製と各試料の技術的意義(作用効果)を示す評価方法は次のようにして行った。
【0027】
[基材炭化珪素質焼結体試料の調製とプラズマ溶射処理];
試料の種類、調製は、以下の通りに行った。
1. ▲1▼BとCを添加物とする炭化珪素粉末を常圧焼結して作製した炭化珪素常圧焼結体試料、▲2▼SiC粉末とC粉末を出発原料として成形し、焼成時にSiを介在させてCをSiCへと反応させる反応焼結による炭化珪素焼結体試料、▲3▼SiC粉末を成形・焼成した後、Siを介在させて熱処理し、Siを含浸した炭化珪素試料、以上3種類の試料をそれぞれ300mm×300mm×5mmの大きさとし、これをプラズマ溶射する基材試料とした。
▲4▼さらに焼成温度を変えることで、所定の相対密度を持つ基材を用意した。
2. 各用意した基材試料を加熱炉に投入して急激な加熱速度で加熱し、その表面状態を改質し、平均表面粗さRaやインチあたりのピークカウントPPIを測定した。
3. 次いで各基材試料にガスプラズマ(Ar−H)により、Y(8wt%)で安定化したZrOを、あるいはアンダーコートとしてAlあるいはムライトを溶射した後、最外層としてY(8wt%)で安定化したZrOを溶射した。ガスプラズマの他に水プラズマによりY(8wt%)で安定化したZrOを溶射試験も実施した。溶射被膜は、100μm〜200μmの厚さとした。
4. 溶射被膜を形成した炭化珪素質部材を、炉内温度1000℃中へ投入し、急熱、急冷して熱衝撃を最大20回まで繰り返し与えて、溶射被膜の剥離性、耐スポーリング性を評価した。
5.これらの一連の実験内容と実験結果は、表1ないし3にそれぞれ実施例1ないし15、表4に比較例1ないし6としてまとめて記載した。
【0028】
その結果は、以下の通りであった。
(1) 実施例1から実施例5;
相対密度80%、90%、98%の炭化珪素常圧焼結体、相対密度90%の反応焼結による炭化珪素焼結体、相対密度99%のSiを含浸した炭化珪素焼結体を、大気中1350℃に、200℃/minの加熱速度で加熱し、同温度(1350℃)で15分間保持し、その後急冷した。さらに局部的に形成されたSiOを除去する目的で、20%濃度のHF溶液に浸漬処理し、その結果焼結体の表面状態は、平均表面粗さRaが0.40μm〜0.45μm、1インチあたりのピークカウントPPIが450〜480に改質された。この表面上によって、プラズマ溶射膜が強固に形成され、大気中1000℃炉内への出入り、すなわち急熱、急冷試験で焼結体の割れや膜の剥離がなかった。
【0029】
(2)実施例4、実施例5;
相対密度80%、90%の炭化珪素常圧焼結体を実施例1から実施例3と同じ条件で、焼結体の表面を改質した。表面状態は、平均表面粗さRaが0.40μm、1インチあたりのピークカウントPPIが453〜455に改質することができた。この表面状態により、付与されたプラズマ溶射膜は強固に付着し、1000℃の炉内への出し入れによる急熱、急冷によっても焼結体の割れや皮膜の剥離がなかった。
【0030】
(3)実施例6〜実施例10;
相対密度98%の炭化珪素常圧焼結体について、急速に局部的に酸化させる条件を、大気中炉内温度1000℃〜1500℃の範囲、炉内温度と同じ温度に達する加熱速度を100℃/min〜200℃/minまで変えて、焼結体の表面状態を改質した。その結果、焼結体の表面状態は、平均表面粗さRaが0.35μm〜0.45μm、1インチあたりのピークカウントPPIが150〜600へと改質された。大気中1000℃炉内への出し入れによる試験に供しても焼結体の割れや被膜の剥離がなかった。
【0031】
(4)実施例11〜実施例13;
成形時に、プレスに#80、#100、#200のAlサンドペーパーを貼り付け、粗面化した。その成形体を焼結し、相対密度98%の炭化珪素常圧焼結体を得た。さらに急速に局部酸化させ、表面改質させるため大気中1350℃に200℃/minの加熱速度で加熱し、同温度で15分保持し、その後急冷した。さらに局部的に形成されたSiOを除去する目的で、20%濃度のHF溶液に浸漬することにより、#80サンドペーパーを用いた実施例11で、平均表面粗さRaが25μm、1インチあたりのピークカウントPPIが455、#100サンドペーパーを用いた実施例12で平均表面粗さRaが15μm、1インチあたりのピークカウントPPIが453、#200サンドペーパーを用いた実施例13で、平均表面粗さRaが4μm、1インチあたりのピークカウントPPIが452に表面状態が改質された。この表面状態により強固にプラズマ溶射被膜が形成され、大気中1000℃炉内への出し入れによる試験で焼結体の割れや剥離が生じなかった。
【0032】
(5)実施例14〜実施例15;
成形時に、プレスに#100のAlサンドペーパーを貼り付け、粗面化した。その成形体を焼結し、相対密度90%と80%の炭化珪素常圧焼結体を得た。さらに急速に局部酸化させ、表面改質させるため200℃/minの加熱速度で加熱し大気中1350℃に15分間保持し、その後急冷した。さらに局部的の形成されたSiO2を除去する目的で20%濃度のHF溶液に浸漬することによって、平均表面粗さRaが15μm、1インチあたりのピークカウントPPIが450〜454の範囲に改質された。これによって強固にプラズマ溶射被膜が形成され、大気中1000℃炉内への出し入れによる試験でも焼結体の割れや剥離が生じなかった。
【0033】
(6)比較例1;
相対密度98%の炭化珪素常圧焼結体について、500℃に加熱した水酸化ナトリウム5に対し硝酸カリウム1の割合の混合アルカリ溶液中に、基材を浸漬させて、アルカリエッチングして焼結体の表面状態を改質した。その結果、平均表面粗さRaが7.5μm、1インチあたりのピークカウントPPIが53に改質された。この表面状態では、プラズマ溶射膜が熱衝撃によって一部剥離し、基材との接着力は弱いものであった。接着力をより強くするには、平均表面粗さが大きいことよりも、1インチあたりのピークカウントPPIが大きい事が重要であることを示すものである。また、大気中、1000℃炉内への出し入れによる試験では、5回以内に焼結体の割れやあるいは膜の剥離が認められた。
【0034】
(7)比較例2〜比較例3;
相対密度98%の炭化珪素常圧焼結体について、急速に局部的に酸化させる条件を、90℃/minの加熱速度で加熱して、大気中900℃に維持した。焼結体の表面状態は、平均粗さRaが0.20μm〜0.30μm、1インチあたりのピークカウントPPIが85〜120になった。この表面状態では、プラズマ溶射膜が一部剥離することがあり、実施例1から10に比しプラズマ溶射膜は基材との接着性が弱いものであった。接着力を強くするには、平均表面粗さRaが0.35μm以上、1インチあたりのピークカウントPPIが150以上であることが重要である。また、大気中1000℃炉内への出し入れによる試験では、5回以内に膜の剥離が認められた。
【0035】
(8)比較例4;
相対密度75%の炭化珪素常圧焼結体について、実施例1から実施例3と同じ条件で、焼結体の表面状態を改質した。その結果、焼結体の表面状態は平均粗さRaが0.45μm、1インチあたりのピークカウントPPIが460に改質された。この表面状態に対してプラズマ溶射することによって、プラズマ溶射膜が強固に接着された。しかし、大気中1000℃炉内への出し入れによる試験では、10回から20回の範囲で焼結体の割れが発生した。
【0036】
(9)比較例5〜比較例7;
相対密度98%の炭化珪素常圧焼結体について、HF水溶液に浸漬あるいは#80のAl砥粒を用いたサンドブラスト処理することで、焼結体の表面状態を改質した。HF水溶液への浸漬では、平均表面粗さRaが0.30μm、1インチあたりのピークカウントPPIが20、サンドブラスト処理では、焼結体の表面状態は、平均表面粗さRaが5.5μm、1インチあたりのピークカウントPPIが100に改質された。この表面状態では、プラズマ溶射被膜を強固に形成することが全くできなかった。
以上の結果を、以下表1ないし表4に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004238215
【0038】
【表2】
Figure 2004238215
【0039】
【表3】
Figure 2004238215
【0040】
【表4】
Figure 2004238215
【0041】
【発明の効果】
本発明に関わる炭化珪素部材とそ製造方法によれば、基材炭化珪素焼結体の表面状態を、平均表面粗さRaと1インチあたりのピークカウントPPIに基づき、それぞれ特定の範囲に限定することによって、相対密度が80%以上の緻密な基材であっても、非反応性プラズマ溶射膜を強固に形成することができ、熱衝撃が与えられても剥離することのない、耐スポーリング性に優れ、しかも載置される被焼成物との間で反応しにくい炭化珪素部材を提供することができ、その意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】平均表面粗さを説明する図面。
【図2】1インチあたりのピークカウントPPIを説明する図面。

Claims (8)

  1. 相対密度80%以上、平均表面粗さRa;0.35μm〜25μm、1インチあたりのピークカウントPPI;150以上である、鋭利な凹凸を設けた炭化珪素焼結基材を設定し、この基材に非反応性膜材料をプラズマ溶射したことを特徴とする、非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
  2. 該非反応性膜材料が、ZrO、アルミナ、ムライト、ジルコンよりなる酸化物系無機材料、あるいはMo基又はNi基合金より選ばれる金属材料の中から選択される1種又は2種以上の材料である、請求項1に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
  3. 該非反応性膜材料が基材に対して1層又は2層以上膜状に設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
  4. 該非反応性膜材料としてZrOを選択する場合、Y、MgO、CaOより選ばれる1種又は2種以上の酸化物によって安定化あるいは部分安定化して使用することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材。
  5. 相対密度80%以上の常圧焼結炭化珪素又は反応焼結炭化珪素又はSi含浸炭化珪素を空気中1000℃ないし1500℃の温度に維持した加熱炉に投入し、100℃/min以上の加熱速度で加熱し、炉内温度に到達後、30分を越えない時間同温度に保持した後、炉内から取り出すことにより、鋭利な凹凸を設けた溶射用炭化珪素基材を得、次いでこの炭化珪素基材に非反応性膜材料をプラズマ溶射することを特徴とする、請求項1に記載にする非反応性溶射膜を有してなる炭化珪素質焼結部材の製造方法。
  6. 該プラズマ溶射する非反応性膜材料が、ZrO、アルミナ、ムライト、ジルコンよりなる酸化物系無機材料、あるいはMo基又はNi基合金より選ばれる金属材料の中から選択される1種又は2種以上の材料である、請求項5に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
  7. 該プラズマ溶射する非反応性膜材料を基材に対して1層又は2層以上膜状に設けたことを特徴とする、請求項5又は6に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
  8. 該プラズマ溶射する非反応性膜材料としてZrOを選択する場合、Y、MgO、CaOより選ばれる1種又は2種以上の酸化物によって安定化あるいは部分安定化して使用することを特徴とする、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の非反応性溶射膜を有する炭化珪素質焼結部材の製造方法。
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