JP2004238130A - シート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート状体をローラ対で搬送するとき、シート状体の重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できるシート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】このシート搬送機構は、シート状体145をローラ171,172間に挟持して搬送するローラ対170と、シート状体の搬送に伴い移動するローラの移動量を検出しシート状体の枚数に応じた検出信号を出力する位置センサ50と、シート状体の枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶するメモリと、ローラ対で挟持されて搬送されたシート状体の枚数を検出信号と枚数判断閾値とに基づいて判断する制御部と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】このシート搬送機構は、シート状体145をローラ171,172間に挟持して搬送するローラ対170と、シート状体の搬送に伴い移動するローラの移動量を検出しシート状体の枚数に応じた検出信号を出力する位置センサ50と、シート状体の枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶するメモリと、ローラ対で挟持されて搬送されたシート状体の枚数を検出信号と枚数判断閾値とに基づいて判断する制御部と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状体を搬送するシート搬送機構、シート搬送方法及びフィルムに画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シート状体を2組のニップローラ対を用いて搬送してシート全面にわたって潜像を形成したりまた画像情報を読みとる等の方式が公知である(下記特許文献1参照)。これらの方式では、シート状体の先端部分を第2のニップローラ対に進入させる際に、第2のニップローラ対のニップ圧に抗してシート状体を搬送させると、ローラ駆動系の速度変動を誘起したり、シート状体をばたつかせたりすることにより露光位置にあるシート状体を浮き上がらせたりしてしまい易い。その結果、ピントがずれたり、画像むらが生じたりする先端突入障害が発生する。また、シート状体の後端が第1のニップローラ対を抜ける際にも、駆動系の速度変動やシート状体のあばれが発生し易い等の後端抜け障害が起き易いことが知られている。
【0003】
この対策として、下記特許文献2のように2組のニップローラ対をそれぞれ専用の駆動源により圧着解除する方式が提案されたが、圧着解除用に少なくとも2個の駆動源を必要とするばかりでなく、圧着解除時の機構系の振動や、圧着時のローラがシート状体に与える振動・衝撃等が画像に表れ易く、この防止対策も含め機構が複雑になる欠点があった。
【0004】
また、上記のような先端・後端むらにかかわらず、均一な画像を形成するには安定した副走査(シート体の搬送精度)が求められる。この実現には、モータ及び駆動伝達系の回転精度や搬送ローラの高精度化(径バラツキ・振れ精度)が要求されることが、一般的に知られている。
【0005】
ところで、シート状のフィルムが、複数枚露光部や熱現像部に搬送されるとジャムの原因と成り易いため、従来、(1)複数フィルム時の透過率を検出する透過型センサ方式、(2)複数フィルム時の厚さを検出する従動ローラ移動方式を用い、フィルムの重送検出が行われていた。
【0006】
透過型センサ方式(1)では、フィルムに光を放射するため被りを生じる欠点があり、またフィルム種別に応じて透過率がことなるため、重送判断時の閾値をフィルム種別毎に変更する必要あった。
【0007】
一方、厚み検出方式(2)はフィルム厚は約200μmで一定であり、重送検出用の閾値を変更する必要は無いが、検出ローラ等の特別な機構を別途設ける必要があり、しかも高精度な検出ローラ(即ち、高コスト)が要求されるため、部品コスト高になることが欠点であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−135064号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭63−67859号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、シート状体をローラ対で搬送するとき、シート状体の重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できるシート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるシート搬送機構は、シート状体をローラ間に挟持して搬送する少なくとも1組のローラ対と、前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、前記シート状体の枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備える。
【0012】
このシート搬送機構によれば、シート状体をローラ対のローラ間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりシート状体の厚みを検出してシート状体の枚数を判断できる。このため、複数枚のシート状体の搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、機構全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでシート状体の重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラはローラ対の一方のみでよくなり、コスト低減につながる。
【0013】
上記シート搬送機構では、前記シート状体の搬送方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することが好ましい。この場合、前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することが好ましい。前記従動ローラはゴムローラであることが好ましい。
【0014】
また、前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0015】
また、前記検出手段が光センサ等を用いた位置センサから構成されることが好ましい。また、前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することが好ましい。
【0016】
本発明によるシート搬送方法は、シート状体を少なくとも1組のローラ対のローラ間に挟持して搬送するシート搬送方法であって、前記シート状体の搬送枚数に応じた枚数判断閾値を設定する工程と、前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する工程と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する工程と、を含む。
【0017】
このシート搬送方法によれば、シート状体をローラ対のローラ間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりシート状体の厚みを検出してシート状体の枚数を判断できる。このため、複数枚のシート状体の搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、このシート搬送方法を実行する機構全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでシート状体の重送を精度よく検出できる。
【0018】
上記シート搬送方法では、前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し再設定することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。また、前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することが好ましい。
【0019】
本発明による画像形成装置は、載置台に装填されたシート状のフィルムを搬送するフィルムサプライ手段と、前記フィルムサプライ手段から搬送されたフィルムを少なくとも1組のローラ対のローラ間で挟持して副走査方向に搬送する副走査手段と、前記副走査方向と直交する主走査方向に光ビームを走査する主走査手段とにより前記フィルム上に潜像を形成する画像形成手段と、前記潜像が形成されたフィルムを可視化する現像手段と、を備える画像形成装置であって、前記フィルムの搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記フィルムの枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、前記フィルムの枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記フィルムの枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この画像形成装置によれば、フィルムをローラ対のローラ間に挟持して副走査方向に搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりフィルムの厚みを検出してフィルムの枚数を判断できる。このため、複数枚のフィルムの搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、装置全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでフィルムの重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラはローラ対の一方のみでよくなり、コスト低減につながる。
【0021】
上記画像形成装置では、前記フィルムの副走査方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することが好ましい。この場合、前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することが好ましい。前記従動ローラはゴムローラであることが好ましい。
【0022】
また、前記ローラ対が前記フィルムを挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0023】
また、前記検出手段が光センサ等の位置センサから構成されることが好ましい。また、前記判断手段が前記フィルムの重送を判断したとき、前記画像形成装置を制御する制御手段を更に備えることが好ましく、例えば、前記制御手段は前記フィルムの重送のときその位置で前記フィルムの搬送を停止するように制御することにより、副走査手段の下流側にある現像手段に複数枚のフィルムを誤って搬送してしまうことを未然に防止できる。この場合、前記副走査手段の近傍にフィルムジャム処理用の開口を設けることで、ユーザやメンテナンスマンが開口を通してジャム解除作業を簡単に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。
【0025】
〈シート搬送機構〉
【0026】
図1は本実施の形態によるシート搬送機構の2組の搬送ローラ対及び重送検出部を概略的に示す側面図である。図2は図1の重送検出部の動作を説明するための要部側面図である。図3は図1のシート搬送機構の制御系を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態のシート搬送機構は、2組の搬送ローラ対170,180を備え、搬送ローラ対170,180は、搬送対象であるフィルム等のシート状体145の搬送方向Hの長さよりも短い間隔で配置され、シート状体145を挟持しながら搬送方向Hに搬送するようになっている。
【0028】
搬送方向Hの上流側の第1の搬送ローラ対170は、図1の回転方向R’にモータ63(図3)により回転する駆動ローラ171と、従動回転する従動ローラ172とを有する。搬送方向Hの下流側の第2の搬送ローラ対180は、図の回転方向Rにモータ63(図3)により回転する駆動ローラ181と、従動回転する従動ローラ182とを有する。
【0029】
第1の搬送ローラ対170の駆動ローラ171はステンレス鋼等の金属ローラから構成でき、また、従動ローラ172はステンレス鋼等の金属ローラから構成できるが、ゴムローラから構成してもよい。
【0030】
図1のシート搬送機構は、更に、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172と連結され回動軸52を中心に回動方向s及びその逆方向s’に回動する回動部材51と、回動部材51とは独立して固定され反射面56を有する固定部材55と、回動部材51の図の上方左端に突き出た突き出し部51a内に設けられ反射面56に対向するように配置された反射型光センサから構成された位置センサ50と、を備える。
【0031】
図1,図2のように、位置センサ50は、固定部材55の反射面56に向けて発光する発光ダイオード(LED)等からなる発光素子53と、反射面56からの反射光を受光し検出信号を出力するフォトダイオード(PHD)等からなる受光素子54と、を備え、位置センサ50から所定間隔で配置された反射面56とともにシート状体145の重送を検出する重送検出部70を構成する。
【0032】
図1の回動部材51は、駆動機構(図示省略)により回動方向sまたはs’に回動することで第1の1の搬送ローラ対170における従動ローラ172の駆動ローラ171に対するニップ圧を切り替えることができ、また、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ部173にシート状体145が進入すると、従動ローラ172とともに回動方向s’に回動するようになっている。
【0033】
従って、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ部173に進入するシート状体145の枚数に応じてニップ部173の隙間が増大して回動部材51が回動軸52を中心に回動方向s’に回動するが、その回動量はシート状体145の枚数が増えれば大きくなる。
【0034】
上述の回動部材51の回動に伴い突き出し部51aも回動し、位置センサ50の反射面56に対する相対位置関係が変化し、図2に示すように、発光素子53からの光が反射面56に入射し、その反射光が受光素子54の受光面54aに入射するまでの光の経路が、例えば、ニップ部173にシート状体145がないとき図の実線のようになり、ニップ部173にシート状体145が1枚挟まれたとき1点鎖線のようになり、更に2枚挟まれたとき破線のようになる。受光素子54からは受光面54aの受光位置により電圧値の異なる検出信号が出力する。
【0035】
なお、回動軸52から従動ローラ172の中心までの距離よりも回動軸52から回動部材51の突き出し部51aまでの距離の方が長いので、突き出し部51aの位置センサ50での移動量が従動ローラ172における回動量よりも大きくなり、突き出し部51aの位置センサ50での移動量が増幅され、検出精度のマージンが向上する。
【0036】
図3に示すように、図1のシート搬送機構は、第1の搬送ローラ対170の駆動ローラ171と第2の搬送ローラ対180の駆動ローラ181とを回転駆動するモータ63、演算部61及びメモリ62等を制御する制御部60を備える。制御部60は、位置センサ50の受光素子54からの検出信号に基づいて、演算部61で演算した演算データをメモリ62に予め記憶させておいたシート状体の枚数判断閾値と比較してシート状体の重送の有無を判断する。
【0037】
シート状体の枚数判断閾値は、例えば、シート状体が0枚か1枚かを判断する第1の閾値(TH1)と、1枚か2枚かを判断する第2の閾値(TH2)とを設定し、メモリ62に記憶させる。各閾値は、例えば、シート状体なしのとき、1枚のとき、及び2枚のときの受光素子54からの検出信号を実際に予め測定して設定できる。また、使用中に駆動ローラ171や従動ローラ172の摩耗や成分付着等によりローラ径の増減が生じ検出信号の電圧レベルが変動する場合には、シート状体なしのときの検出信号を測定し、その測定値に基づいて第1の閾値と第2の閾値を補正し再度設定し、メモリ62に記憶させることで、ローラ対の使用中の枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0038】
上記重送の有無の判断の例を図4を参照して説明する。図4は受光素子54からの検出信号の電圧レベルの時間変化の例を模式的に示す図である。
【0039】
シート状体145を図1乃至図3のシート搬送機構で搬送すると、図4に示すように、位置センサ50の受光素子54から検出信号が出力し、制御部60は所定の一定時間毎に検出信号を取得し、演算部61で所定時間での検出信号の平均値を演算する。
【0040】
即ち、図4のように、一定時間tにおける検出信号の平均値A1〜A5を求め、この検出信号の平均値を予め設定した枚数判断閾値TH1、TH2と比較し、平均値A1ではシート状体の搬送なし、平均値A2,A3,A4では1枚搬送(正常搬送)、平均値A5では2枚搬送(重送)と判断できる。また、シート状体を3枚搬送したときは、検出信号の平均値が枚数判断閾値TH2を越えるので、重送と判断できる。
【0041】
上述のようにして、複数枚のシート状体145の搬送(重送)が発生すると、制御部60が重送と判断でき、その判断でモータ63の駆動を停止し、第1の搬送ローラ対170と第2の搬送ローラ対180とによるシート状体145の搬送を停めることで、2枚またはそれ以上のシート状体145の下流側への搬送を未然に防止できる。
【0042】
図1乃至図4で説明したシート搬送機構の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。まず、シート状体の枚数判断閾値TH1,TH2を上述のようにして設定しメモリ62に記憶させておく(S01)。次に、シート状体145を第1及び第2の搬送ローラ対170,180で搬送方向Hに搬送する(S02)。搬送中に位置センサ50から検出信号が図4のように出力し(S03)、この検出信号に基づいて重送か否かを上述のようにして判断する(S04)。
【0043】
ここで、重送と判断されると、モータ63の駆動を停止し(S05)、シート状体145の搬送を停め、重送されたシート状体を取り除く等のジャム処理を行う(S06)。また、重送と判断されなければ、シート状体の搬送を続ける(S07)。
【0044】
上記シート状搬送機構における枚数判断閾値TH1、TH2の補正が必要な場合には(S08)、ステップS01に戻り上述のようにして再設定し、その閾値をメモリ62に記憶させる。次のシート状体の搬送を行う場合には(S09)、ステップS02に戻り、同様の搬送を行う。
【0045】
以上のように、図1乃至図5のシート搬送機構によれば、シート状体145を第1のローラ対170の従動ローラ172と駆動ローラ171との間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い従動ローラ172が回動部材51とともに図1の回動方向s’に回動する回動量を重送検出部70の位置センサ50で検出し、その検出信号に基づいてシート状体の枚数を判断できる。このように重送検出部70は、搬送が本来の目的である第1のローラ対170を利用してシート状体の重送を検出でき、特別なローラ等は必要がなく、従って、機構全体のコスト減を達成できる。
【0046】
また、回動量が検出される従動ローラ172を高精度に加工するだけでシート状体の重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラは従動ローラ172のみでよくなり、コスト低減につながる。また、重送検出を行う従動ローラ172はゴムローラであってもよく、振れ自体が少なければ、使用に伴いローラ径が摩耗等で減少しても、上述のように適宜回数判断閾値を再設定することで、ローラ径の摩耗減少に見合った補正を行えるので、検出精度が安定する。
【0047】
〈画像形成装置〉
【0048】
次に、上述のような図1乃至図5のシート搬送機構を副走査機構として適用した画像形成のための光ビーム走査部を備える画像形成装置について図6乃至図9を参照して説明する。
【0049】
図6は本実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。図7は図6の画像形成装置の光ビーム走査部を概略的に示す図である。図8は図6、図7の光ビーム走査部の副走査機構を具体的に示す斜視図である。図9は図8の重送検出部を拡大して示す斜視図である。
【0050】
図6に示すように画像形成装置100は、シート状の熱現像感光材料であるフィルムを所定枚数でパーケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11,12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送し供給するサプライ部90とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを光ビームで二次元的に副走査しながら露光し潜像を形成する光ビーム走査部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る濃度計200と、加熱されたフィルムを冷却しながら搬送する冷却搬送部150と、フィルムが排出される排出トレー部160と、を備える。
【0051】
供給部110の第1及び第2の装填部11,12からフィルムが1枚づつサプライ部90、搬送ローラ対39,41,141により図6の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。
【0052】
次に、図7により画像形成装置100の光ビーム走査部120について説明する。図7に示すように、光ビーム走査部120は、入力部133に入力した診断画像情報の画像信号Sに基づき強度変調された波長780〜860nm範囲内の所定波長のレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査するとともに、図1乃至図4の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等から構成された副走査機構でフィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向であるほぼ水平方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
【0053】
光ビーム走査部120のより具体的な構成を以下に述べる。図7において、外部から入力したデジタル信号である画像信号Sが入力部133を介して入力すると、画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づきレーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。
【0054】
次に、レーザ光源部110aから照射されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図6の矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射偏向し、偏向されたレーザ光Lは、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、第1及び第2の搬送ローラ対170,180により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117全面にわたって走査する。
【0055】
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、またfθレンズ114からフィルムFの被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、光ビーム走査部120においては、シリンドリカルレンズ115及びシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸ブレが生じても、フィルムFの被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFのほぼ全面に画像信号Sに基づく潜像を形成できる。
【0056】
次に、図6の画像形成装置の現像部130について説明する。図6に示すように、現像部130はフィルムFを外周に保持しつつ加熱可能な加熱ドラム14と、加熱ドラム14に対向するように配置され加熱ドラム14との間でフィルムを挟んで保持する複数の対向ローラ16とを有する。フィルムは、加熱ドラム14と複数の対向ローラ16との間に挟持されながら加熱され、加熱ドラム14の回転により搬送される。
【0057】
加熱ドラム14の内部に設けられたヒータ(図示省略)は、通電制御され、フィルムFを所定の最低熱現像温度(例えば110℃前後)以上の温度に所定の熱現像時間維持することでフィルムFを加熱し熱現像する。これによって、上述の光ビーム走査部120でフィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。また、通電制御によりヒータの温度を変えて現像温度を変えることで濃度調整を行うことができる。
【0058】
図6の濃度計200は、発光部200aと受光部200bとを備え、現像後のフィルムが発光部200aと受光部200bとの間を上述のように搬送され、通過する際に、発光部200aから照射した光をフィルムを通して受光部200bで受け、その受光量の減衰の程度に基づいて濃度を測定する。この測定濃度情報に基づいてフィルムの仕上がり濃度が一定となるように光ビーム走査部120のレーザ光量がフィードバック制御されるようになっている。
【0059】
図6の矢印方向(1)に搬送されたフィルムは、矢印方向(2)に搬送されて上述のように潜像が形成されてから、搬送ローラ対142により矢印方向(3)へ現像部130の加熱ドラム14に搬送されて上述のように熱現像されて潜像が可視像化されてから、冷却されながら搬送ローラ対144a、144により搬送され、濃度計200で濃度測定され、更に搬送ローラ対144で矢印方向(4)へ搬送され、排出トレー部160に排出される。
【0060】
なお、本実施の形態において、現像部130は光ビーム走査部120とともに画像形成装置100に組み込まれているが、光ビーム走査部120とは独立した装置であっても良い。この場合、光ビーム走査部120から現像部130へとフィルムFを搬送する搬送部があることが好ましい。また、加熱ドラム14の周囲は断熱材で覆われていた方が、加熱ドラム14の温度制御がし易く、好ましい。
【0061】
次に、図1〜図3の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等から構成された副走査機構について図8により更に説明する。
【0062】
図8に示すように、光ビーム走査部120の副走査機構は、図1の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等からなるシート搬送機構と、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172の回動量を検出することでフィルムの重送を検出する図1乃至図3と同様の重送検出部70と、を備える。
【0063】
即ち、図8の副走査機構は、図6のように搬送されてきたフィルムFを搬送ローラ対170,180で搬送しながら副走査し、光ビーム走査部120でフィルム上に潜像を形成し、搬送方向Hに搬送する。
【0064】
また、図8に示すように、副走査機構近傍の側板190には開口191が設けられ、フィルムが重送等のためジャムを起こしたときに開口191を通して搬送ローラ対170,180の上流側にアクセス可能になっている。また、副走査機構による副走査位置を装置本体の略中央部としたことで、重送検出時に容易にフィルムの除去が可能となり、好ましい。
【0065】
図8の回動部材51は、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172とともに回動軸52を中心に図1の回動方向s、s’に回動可能である。また、ソレノイド等の駆動源57により軸59、横部材58及び回動部材51を回動させ、従動ローラ172を駆動ローラ171に対して回動させることで、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ圧を切り替えるようになっている。
【0066】
重送検出部70は、回動部材の突き出し部51a内に配置された図1,図2の位置センサ50と、副走査機構近傍の側板192に固定された固定部材55の反射面56とから構成される。重送検出部70は、フィルムが2枚またはそれ以上搬送されると、図1乃至図5と同様にしてフィルムの重送を検出でき、重送が検出されると、第1及び第2の搬送ローラ対170,180によるフィルム搬送を停止させることができる。
【0067】
図6乃至図9により画像形成装置の動作を図1乃至図5を参照しながら説明する。図6の供給部110の第1及び第2の装填部11または12からフィルムを1枚づつサプライ部90で給送し、搬送ローラ対141等により図6の矢印方向(1)に搬送する。そして、図8の副走査機構の搬送ローラ対170,180によりフィルムを副走査しながら光ビーム走査部120でフィルム上に潜像を形成し、図8の搬送方向Hに搬送する。このフィルム搬送の間に重送検出部70が上述のようにして重送を検出すると、第1及び第2の搬送ローラ対170,180によるフィルム搬送を停止させ、ユーザやメンテナンスマンが図8の開口191からジャム等を起こした複数枚のフィルムを取り除くことができる。
【0068】
上述のように、図6乃至図9の画像形成装置100では、サプライ部90から誤って複数枚のフィルムが搬送されてきても、光ビーム走査部120の副走査機構で重送を確実に検出でき、その位置でフィルム搬送を停止するので、複数枚のフィルムを誤って現像部130の加熱ドラム14まで搬送することを未然に防止できる。加熱ドラム14の周囲に複数枚のフィルムが巻き付くと、その除去作業が困難となるが、かかる不具合を未然に防止できる。
【0069】
以上のように、図6乃至図9の画像形成装置100によれば、図1乃至図5と同様に、フィルムを副走査するため第1のローラ対170の従動ローラ172と駆動ローラ171との間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い従動ローラ172が回動部材51とともに図1の回動方向s’に回動する回動量を重送検出部70の位置センサ50で検出し、その検出信号に基づいてフィルムの枚数を判断できる。このように重送検出部70は、フィルムの副走査搬送が本来の目的である第1のローラ対170を利用してフィルムの重送を検出でき、特別なローラ等は必要がなく、従って、装置全体のコスト減を達成できる。
【0070】
以上のように本発明を実施の形態及び実施例により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明のシート搬送機構は、画像形成装置以外に適用してもよく、例えば画像情報が記録されたシート状部材を副走査搬送しながらシート状部材に光ビームを照射してその画像情報を読み取る画像読取装置等に適用できる。また、重送検出部の位置センサは、光センサ以外の例えば接触式の変位センサ等を利用してもよい。
【0071】
また、重送検出部70では、位置センサと反射面との相対的位置関係を図1と逆にしてもよく、例えば、図1,図2の位置センサ50を図10のように固定部材55側に配置し、回動部材51の突き出し部51aの外面を反射面51bとするように構成してもよい。電気部品の配置の面からは、可動側(回動部材51)に電気部品(位置センサ50)があるよりも、図10のように固定側(固定部材55)に電気部品がある方が好ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状体をローラ対で搬送するとき、シート状体の重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できるシート搬送機構及びシート搬送方法を提供できる。
【0073】
また、上述のシート搬送機構を備え、フィルムをローラ対で搬送するとき、フィルムの重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるシート搬送機構の2組の搬送ローラ対及び重送検出部を概略的に示す側面図である。
【図2】図1の重送検出部の動作を説明するための要部側面図である。
【図3】図1のシート搬送機構の制御系を示すブロック図である。
【図4】図1,図2の位置センサの検出信号の電圧レベルの時間変化の例を模式的に示す図である。
【図5】図1乃至図3のシート搬送機構の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。
【図7】図6の画像形成装置の光ビーム走査部を概略的に示す図である。
【図8】図6、図7の光ビーム走査部の副走査機構を具体的に示す斜視図である。
【図9】図8の重送検出部を拡大して示す斜視図である。
【図10】図1の重送搬送部の変型例を示す部分側面図である。
【符号の説明】
70・・・重送検出部
50・・・位置センサ
51・・・回動部材
52・・・回動軸
53・・・発光素子
54・・・受光素子
55・・・固定部材
56・・・反射面
145・・・シート状体
170・・・第1の搬送ローラ対
171・・・駆動ローラ
172・・・従動ローラ
F・・・フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状体を搬送するシート搬送機構、シート搬送方法及びフィルムに画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シート状体を2組のニップローラ対を用いて搬送してシート全面にわたって潜像を形成したりまた画像情報を読みとる等の方式が公知である(下記特許文献1参照)。これらの方式では、シート状体の先端部分を第2のニップローラ対に進入させる際に、第2のニップローラ対のニップ圧に抗してシート状体を搬送させると、ローラ駆動系の速度変動を誘起したり、シート状体をばたつかせたりすることにより露光位置にあるシート状体を浮き上がらせたりしてしまい易い。その結果、ピントがずれたり、画像むらが生じたりする先端突入障害が発生する。また、シート状体の後端が第1のニップローラ対を抜ける際にも、駆動系の速度変動やシート状体のあばれが発生し易い等の後端抜け障害が起き易いことが知られている。
【0003】
この対策として、下記特許文献2のように2組のニップローラ対をそれぞれ専用の駆動源により圧着解除する方式が提案されたが、圧着解除用に少なくとも2個の駆動源を必要とするばかりでなく、圧着解除時の機構系の振動や、圧着時のローラがシート状体に与える振動・衝撃等が画像に表れ易く、この防止対策も含め機構が複雑になる欠点があった。
【0004】
また、上記のような先端・後端むらにかかわらず、均一な画像を形成するには安定した副走査(シート体の搬送精度)が求められる。この実現には、モータ及び駆動伝達系の回転精度や搬送ローラの高精度化(径バラツキ・振れ精度)が要求されることが、一般的に知られている。
【0005】
ところで、シート状のフィルムが、複数枚露光部や熱現像部に搬送されるとジャムの原因と成り易いため、従来、(1)複数フィルム時の透過率を検出する透過型センサ方式、(2)複数フィルム時の厚さを検出する従動ローラ移動方式を用い、フィルムの重送検出が行われていた。
【0006】
透過型センサ方式(1)では、フィルムに光を放射するため被りを生じる欠点があり、またフィルム種別に応じて透過率がことなるため、重送判断時の閾値をフィルム種別毎に変更する必要あった。
【0007】
一方、厚み検出方式(2)はフィルム厚は約200μmで一定であり、重送検出用の閾値を変更する必要は無いが、検出ローラ等の特別な機構を別途設ける必要があり、しかも高精度な検出ローラ(即ち、高コスト)が要求されるため、部品コスト高になることが欠点であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−135064号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭63−67859号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、シート状体をローラ対で搬送するとき、シート状体の重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できるシート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるシート搬送機構は、シート状体をローラ間に挟持して搬送する少なくとも1組のローラ対と、前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、前記シート状体の枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備える。
【0012】
このシート搬送機構によれば、シート状体をローラ対のローラ間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりシート状体の厚みを検出してシート状体の枚数を判断できる。このため、複数枚のシート状体の搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、機構全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでシート状体の重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラはローラ対の一方のみでよくなり、コスト低減につながる。
【0013】
上記シート搬送機構では、前記シート状体の搬送方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することが好ましい。この場合、前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することが好ましい。前記従動ローラはゴムローラであることが好ましい。
【0014】
また、前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0015】
また、前記検出手段が光センサ等を用いた位置センサから構成されることが好ましい。また、前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することが好ましい。
【0016】
本発明によるシート搬送方法は、シート状体を少なくとも1組のローラ対のローラ間に挟持して搬送するシート搬送方法であって、前記シート状体の搬送枚数に応じた枚数判断閾値を設定する工程と、前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する工程と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する工程と、を含む。
【0017】
このシート搬送方法によれば、シート状体をローラ対のローラ間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりシート状体の厚みを検出してシート状体の枚数を判断できる。このため、複数枚のシート状体の搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、このシート搬送方法を実行する機構全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでシート状体の重送を精度よく検出できる。
【0018】
上記シート搬送方法では、前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し再設定することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。また、前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することが好ましい。
【0019】
本発明による画像形成装置は、載置台に装填されたシート状のフィルムを搬送するフィルムサプライ手段と、前記フィルムサプライ手段から搬送されたフィルムを少なくとも1組のローラ対のローラ間で挟持して副走査方向に搬送する副走査手段と、前記副走査方向と直交する主走査方向に光ビームを走査する主走査手段とにより前記フィルム上に潜像を形成する画像形成手段と、前記潜像が形成されたフィルムを可視化する現像手段と、を備える画像形成装置であって、前記フィルムの搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記フィルムの枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、前記フィルムの枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、前記ローラ対で挟持されて搬送された前記フィルムの枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この画像形成装置によれば、フィルムをローラ対のローラ間に挟持して副走査方向に搬送するとき、その搬送に伴い移動するローラの移動量を検出することによりフィルムの厚みを検出してフィルムの枚数を判断できる。このため、複数枚のフィルムの搬送(重送)を搬送が本来の目的であるローラ対を利用して検出でき、特別なローラ等は必要がない。従って、装置全体のコスト減を達成できる。また、移動量を検出するローラを高精度にするだけでフィルムの重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラはローラ対の一方のみでよくなり、コスト低減につながる。
【0021】
上記画像形成装置では、前記フィルムの副走査方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することが好ましい。この場合、前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することが好ましい。前記従動ローラはゴムローラであることが好ましい。
【0022】
また、前記ローラ対が前記フィルムを挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することが好ましい。これにより、ローラ対の使用中の寸法変動等による枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0023】
また、前記検出手段が光センサ等の位置センサから構成されることが好ましい。また、前記判断手段が前記フィルムの重送を判断したとき、前記画像形成装置を制御する制御手段を更に備えることが好ましく、例えば、前記制御手段は前記フィルムの重送のときその位置で前記フィルムの搬送を停止するように制御することにより、副走査手段の下流側にある現像手段に複数枚のフィルムを誤って搬送してしまうことを未然に防止できる。この場合、前記副走査手段の近傍にフィルムジャム処理用の開口を設けることで、ユーザやメンテナンスマンが開口を通してジャム解除作業を簡単に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。
【0025】
〈シート搬送機構〉
【0026】
図1は本実施の形態によるシート搬送機構の2組の搬送ローラ対及び重送検出部を概略的に示す側面図である。図2は図1の重送検出部の動作を説明するための要部側面図である。図3は図1のシート搬送機構の制御系を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態のシート搬送機構は、2組の搬送ローラ対170,180を備え、搬送ローラ対170,180は、搬送対象であるフィルム等のシート状体145の搬送方向Hの長さよりも短い間隔で配置され、シート状体145を挟持しながら搬送方向Hに搬送するようになっている。
【0028】
搬送方向Hの上流側の第1の搬送ローラ対170は、図1の回転方向R’にモータ63(図3)により回転する駆動ローラ171と、従動回転する従動ローラ172とを有する。搬送方向Hの下流側の第2の搬送ローラ対180は、図の回転方向Rにモータ63(図3)により回転する駆動ローラ181と、従動回転する従動ローラ182とを有する。
【0029】
第1の搬送ローラ対170の駆動ローラ171はステンレス鋼等の金属ローラから構成でき、また、従動ローラ172はステンレス鋼等の金属ローラから構成できるが、ゴムローラから構成してもよい。
【0030】
図1のシート搬送機構は、更に、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172と連結され回動軸52を中心に回動方向s及びその逆方向s’に回動する回動部材51と、回動部材51とは独立して固定され反射面56を有する固定部材55と、回動部材51の図の上方左端に突き出た突き出し部51a内に設けられ反射面56に対向するように配置された反射型光センサから構成された位置センサ50と、を備える。
【0031】
図1,図2のように、位置センサ50は、固定部材55の反射面56に向けて発光する発光ダイオード(LED)等からなる発光素子53と、反射面56からの反射光を受光し検出信号を出力するフォトダイオード(PHD)等からなる受光素子54と、を備え、位置センサ50から所定間隔で配置された反射面56とともにシート状体145の重送を検出する重送検出部70を構成する。
【0032】
図1の回動部材51は、駆動機構(図示省略)により回動方向sまたはs’に回動することで第1の1の搬送ローラ対170における従動ローラ172の駆動ローラ171に対するニップ圧を切り替えることができ、また、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ部173にシート状体145が進入すると、従動ローラ172とともに回動方向s’に回動するようになっている。
【0033】
従って、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ部173に進入するシート状体145の枚数に応じてニップ部173の隙間が増大して回動部材51が回動軸52を中心に回動方向s’に回動するが、その回動量はシート状体145の枚数が増えれば大きくなる。
【0034】
上述の回動部材51の回動に伴い突き出し部51aも回動し、位置センサ50の反射面56に対する相対位置関係が変化し、図2に示すように、発光素子53からの光が反射面56に入射し、その反射光が受光素子54の受光面54aに入射するまでの光の経路が、例えば、ニップ部173にシート状体145がないとき図の実線のようになり、ニップ部173にシート状体145が1枚挟まれたとき1点鎖線のようになり、更に2枚挟まれたとき破線のようになる。受光素子54からは受光面54aの受光位置により電圧値の異なる検出信号が出力する。
【0035】
なお、回動軸52から従動ローラ172の中心までの距離よりも回動軸52から回動部材51の突き出し部51aまでの距離の方が長いので、突き出し部51aの位置センサ50での移動量が従動ローラ172における回動量よりも大きくなり、突き出し部51aの位置センサ50での移動量が増幅され、検出精度のマージンが向上する。
【0036】
図3に示すように、図1のシート搬送機構は、第1の搬送ローラ対170の駆動ローラ171と第2の搬送ローラ対180の駆動ローラ181とを回転駆動するモータ63、演算部61及びメモリ62等を制御する制御部60を備える。制御部60は、位置センサ50の受光素子54からの検出信号に基づいて、演算部61で演算した演算データをメモリ62に予め記憶させておいたシート状体の枚数判断閾値と比較してシート状体の重送の有無を判断する。
【0037】
シート状体の枚数判断閾値は、例えば、シート状体が0枚か1枚かを判断する第1の閾値(TH1)と、1枚か2枚かを判断する第2の閾値(TH2)とを設定し、メモリ62に記憶させる。各閾値は、例えば、シート状体なしのとき、1枚のとき、及び2枚のときの受光素子54からの検出信号を実際に予め測定して設定できる。また、使用中に駆動ローラ171や従動ローラ172の摩耗や成分付着等によりローラ径の増減が生じ検出信号の電圧レベルが変動する場合には、シート状体なしのときの検出信号を測定し、その測定値に基づいて第1の閾値と第2の閾値を補正し再度設定し、メモリ62に記憶させることで、ローラ対の使用中の枚数判断誤差を補正し、精度のよい重送検出を継続的に実行できる。
【0038】
上記重送の有無の判断の例を図4を参照して説明する。図4は受光素子54からの検出信号の電圧レベルの時間変化の例を模式的に示す図である。
【0039】
シート状体145を図1乃至図3のシート搬送機構で搬送すると、図4に示すように、位置センサ50の受光素子54から検出信号が出力し、制御部60は所定の一定時間毎に検出信号を取得し、演算部61で所定時間での検出信号の平均値を演算する。
【0040】
即ち、図4のように、一定時間tにおける検出信号の平均値A1〜A5を求め、この検出信号の平均値を予め設定した枚数判断閾値TH1、TH2と比較し、平均値A1ではシート状体の搬送なし、平均値A2,A3,A4では1枚搬送(正常搬送)、平均値A5では2枚搬送(重送)と判断できる。また、シート状体を3枚搬送したときは、検出信号の平均値が枚数判断閾値TH2を越えるので、重送と判断できる。
【0041】
上述のようにして、複数枚のシート状体145の搬送(重送)が発生すると、制御部60が重送と判断でき、その判断でモータ63の駆動を停止し、第1の搬送ローラ対170と第2の搬送ローラ対180とによるシート状体145の搬送を停めることで、2枚またはそれ以上のシート状体145の下流側への搬送を未然に防止できる。
【0042】
図1乃至図4で説明したシート搬送機構の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。まず、シート状体の枚数判断閾値TH1,TH2を上述のようにして設定しメモリ62に記憶させておく(S01)。次に、シート状体145を第1及び第2の搬送ローラ対170,180で搬送方向Hに搬送する(S02)。搬送中に位置センサ50から検出信号が図4のように出力し(S03)、この検出信号に基づいて重送か否かを上述のようにして判断する(S04)。
【0043】
ここで、重送と判断されると、モータ63の駆動を停止し(S05)、シート状体145の搬送を停め、重送されたシート状体を取り除く等のジャム処理を行う(S06)。また、重送と判断されなければ、シート状体の搬送を続ける(S07)。
【0044】
上記シート状搬送機構における枚数判断閾値TH1、TH2の補正が必要な場合には(S08)、ステップS01に戻り上述のようにして再設定し、その閾値をメモリ62に記憶させる。次のシート状体の搬送を行う場合には(S09)、ステップS02に戻り、同様の搬送を行う。
【0045】
以上のように、図1乃至図5のシート搬送機構によれば、シート状体145を第1のローラ対170の従動ローラ172と駆動ローラ171との間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い従動ローラ172が回動部材51とともに図1の回動方向s’に回動する回動量を重送検出部70の位置センサ50で検出し、その検出信号に基づいてシート状体の枚数を判断できる。このように重送検出部70は、搬送が本来の目的である第1のローラ対170を利用してシート状体の重送を検出でき、特別なローラ等は必要がなく、従って、機構全体のコスト減を達成できる。
【0046】
また、回動量が検出される従動ローラ172を高精度に加工するだけでシート状体の重送を精度よく検出できるので、高精度が要求されるローラは従動ローラ172のみでよくなり、コスト低減につながる。また、重送検出を行う従動ローラ172はゴムローラであってもよく、振れ自体が少なければ、使用に伴いローラ径が摩耗等で減少しても、上述のように適宜回数判断閾値を再設定することで、ローラ径の摩耗減少に見合った補正を行えるので、検出精度が安定する。
【0047】
〈画像形成装置〉
【0048】
次に、上述のような図1乃至図5のシート搬送機構を副走査機構として適用した画像形成のための光ビーム走査部を備える画像形成装置について図6乃至図9を参照して説明する。
【0049】
図6は本実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。図7は図6の画像形成装置の光ビーム走査部を概略的に示す図である。図8は図6、図7の光ビーム走査部の副走査機構を具体的に示す斜視図である。図9は図8の重送検出部を拡大して示す斜視図である。
【0050】
図6に示すように画像形成装置100は、シート状の熱現像感光材料であるフィルムを所定枚数でパーケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11,12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送し供給するサプライ部90とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを光ビームで二次元的に副走査しながら露光し潜像を形成する光ビーム走査部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る濃度計200と、加熱されたフィルムを冷却しながら搬送する冷却搬送部150と、フィルムが排出される排出トレー部160と、を備える。
【0051】
供給部110の第1及び第2の装填部11,12からフィルムが1枚づつサプライ部90、搬送ローラ対39,41,141により図6の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。
【0052】
次に、図7により画像形成装置100の光ビーム走査部120について説明する。図7に示すように、光ビーム走査部120は、入力部133に入力した診断画像情報の画像信号Sに基づき強度変調された波長780〜860nm範囲内の所定波長のレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査するとともに、図1乃至図4の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等から構成された副走査機構でフィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向であるほぼ水平方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
【0053】
光ビーム走査部120のより具体的な構成を以下に述べる。図7において、外部から入力したデジタル信号である画像信号Sが入力部133を介して入力すると、画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づきレーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させる。
【0054】
次に、レーザ光源部110aから照射されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図6の矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射偏向し、偏向されたレーザ光Lは、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、第1及び第2の搬送ローラ対170,180により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117全面にわたって走査する。
【0055】
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、またfθレンズ114からフィルムFの被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、光ビーム走査部120においては、シリンドリカルレンズ115及びシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸ブレが生じても、フィルムFの被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFのほぼ全面に画像信号Sに基づく潜像を形成できる。
【0056】
次に、図6の画像形成装置の現像部130について説明する。図6に示すように、現像部130はフィルムFを外周に保持しつつ加熱可能な加熱ドラム14と、加熱ドラム14に対向するように配置され加熱ドラム14との間でフィルムを挟んで保持する複数の対向ローラ16とを有する。フィルムは、加熱ドラム14と複数の対向ローラ16との間に挟持されながら加熱され、加熱ドラム14の回転により搬送される。
【0057】
加熱ドラム14の内部に設けられたヒータ(図示省略)は、通電制御され、フィルムFを所定の最低熱現像温度(例えば110℃前後)以上の温度に所定の熱現像時間維持することでフィルムFを加熱し熱現像する。これによって、上述の光ビーム走査部120でフィルムFに形成された潜像を可視画像として形成する。また、通電制御によりヒータの温度を変えて現像温度を変えることで濃度調整を行うことができる。
【0058】
図6の濃度計200は、発光部200aと受光部200bとを備え、現像後のフィルムが発光部200aと受光部200bとの間を上述のように搬送され、通過する際に、発光部200aから照射した光をフィルムを通して受光部200bで受け、その受光量の減衰の程度に基づいて濃度を測定する。この測定濃度情報に基づいてフィルムの仕上がり濃度が一定となるように光ビーム走査部120のレーザ光量がフィードバック制御されるようになっている。
【0059】
図6の矢印方向(1)に搬送されたフィルムは、矢印方向(2)に搬送されて上述のように潜像が形成されてから、搬送ローラ対142により矢印方向(3)へ現像部130の加熱ドラム14に搬送されて上述のように熱現像されて潜像が可視像化されてから、冷却されながら搬送ローラ対144a、144により搬送され、濃度計200で濃度測定され、更に搬送ローラ対144で矢印方向(4)へ搬送され、排出トレー部160に排出される。
【0060】
なお、本実施の形態において、現像部130は光ビーム走査部120とともに画像形成装置100に組み込まれているが、光ビーム走査部120とは独立した装置であっても良い。この場合、光ビーム走査部120から現像部130へとフィルムFを搬送する搬送部があることが好ましい。また、加熱ドラム14の周囲は断熱材で覆われていた方が、加熱ドラム14の温度制御がし易く、好ましい。
【0061】
次に、図1〜図3の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等から構成された副走査機構について図8により更に説明する。
【0062】
図8に示すように、光ビーム走査部120の副走査機構は、図1の第1及び第2の搬送ローラ対170,180等からなるシート搬送機構と、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172の回動量を検出することでフィルムの重送を検出する図1乃至図3と同様の重送検出部70と、を備える。
【0063】
即ち、図8の副走査機構は、図6のように搬送されてきたフィルムFを搬送ローラ対170,180で搬送しながら副走査し、光ビーム走査部120でフィルム上に潜像を形成し、搬送方向Hに搬送する。
【0064】
また、図8に示すように、副走査機構近傍の側板190には開口191が設けられ、フィルムが重送等のためジャムを起こしたときに開口191を通して搬送ローラ対170,180の上流側にアクセス可能になっている。また、副走査機構による副走査位置を装置本体の略中央部としたことで、重送検出時に容易にフィルムの除去が可能となり、好ましい。
【0065】
図8の回動部材51は、第1の搬送ローラ対170の従動ローラ172とともに回動軸52を中心に図1の回動方向s、s’に回動可能である。また、ソレノイド等の駆動源57により軸59、横部材58及び回動部材51を回動させ、従動ローラ172を駆動ローラ171に対して回動させることで、駆動ローラ171と従動ローラ172との間のニップ圧を切り替えるようになっている。
【0066】
重送検出部70は、回動部材の突き出し部51a内に配置された図1,図2の位置センサ50と、副走査機構近傍の側板192に固定された固定部材55の反射面56とから構成される。重送検出部70は、フィルムが2枚またはそれ以上搬送されると、図1乃至図5と同様にしてフィルムの重送を検出でき、重送が検出されると、第1及び第2の搬送ローラ対170,180によるフィルム搬送を停止させることができる。
【0067】
図6乃至図9により画像形成装置の動作を図1乃至図5を参照しながら説明する。図6の供給部110の第1及び第2の装填部11または12からフィルムを1枚づつサプライ部90で給送し、搬送ローラ対141等により図6の矢印方向(1)に搬送する。そして、図8の副走査機構の搬送ローラ対170,180によりフィルムを副走査しながら光ビーム走査部120でフィルム上に潜像を形成し、図8の搬送方向Hに搬送する。このフィルム搬送の間に重送検出部70が上述のようにして重送を検出すると、第1及び第2の搬送ローラ対170,180によるフィルム搬送を停止させ、ユーザやメンテナンスマンが図8の開口191からジャム等を起こした複数枚のフィルムを取り除くことができる。
【0068】
上述のように、図6乃至図9の画像形成装置100では、サプライ部90から誤って複数枚のフィルムが搬送されてきても、光ビーム走査部120の副走査機構で重送を確実に検出でき、その位置でフィルム搬送を停止するので、複数枚のフィルムを誤って現像部130の加熱ドラム14まで搬送することを未然に防止できる。加熱ドラム14の周囲に複数枚のフィルムが巻き付くと、その除去作業が困難となるが、かかる不具合を未然に防止できる。
【0069】
以上のように、図6乃至図9の画像形成装置100によれば、図1乃至図5と同様に、フィルムを副走査するため第1のローラ対170の従動ローラ172と駆動ローラ171との間に挟持して搬送するとき、その搬送に伴い従動ローラ172が回動部材51とともに図1の回動方向s’に回動する回動量を重送検出部70の位置センサ50で検出し、その検出信号に基づいてフィルムの枚数を判断できる。このように重送検出部70は、フィルムの副走査搬送が本来の目的である第1のローラ対170を利用してフィルムの重送を検出でき、特別なローラ等は必要がなく、従って、装置全体のコスト減を達成できる。
【0070】
以上のように本発明を実施の形態及び実施例により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明のシート搬送機構は、画像形成装置以外に適用してもよく、例えば画像情報が記録されたシート状部材を副走査搬送しながらシート状部材に光ビームを照射してその画像情報を読み取る画像読取装置等に適用できる。また、重送検出部の位置センサは、光センサ以外の例えば接触式の変位センサ等を利用してもよい。
【0071】
また、重送検出部70では、位置センサと反射面との相対的位置関係を図1と逆にしてもよく、例えば、図1,図2の位置センサ50を図10のように固定部材55側に配置し、回動部材51の突き出し部51aの外面を反射面51bとするように構成してもよい。電気部品の配置の面からは、可動側(回動部材51)に電気部品(位置センサ50)があるよりも、図10のように固定側(固定部材55)に電気部品がある方が好ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状体をローラ対で搬送するとき、シート状体の重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できるシート搬送機構及びシート搬送方法を提供できる。
【0073】
また、上述のシート搬送機構を備え、フィルムをローラ対で搬送するとき、フィルムの重送を特別なローラ等なしで厚み検出により精度よく検出できかつコスト減を達成できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるシート搬送機構の2組の搬送ローラ対及び重送検出部を概略的に示す側面図である。
【図2】図1の重送検出部の動作を説明するための要部側面図である。
【図3】図1のシート搬送機構の制御系を示すブロック図である。
【図4】図1,図2の位置センサの検出信号の電圧レベルの時間変化の例を模式的に示す図である。
【図5】図1乃至図3のシート搬送機構の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施の形態による画像形成装置の要部を示す正面図である。
【図7】図6の画像形成装置の光ビーム走査部を概略的に示す図である。
【図8】図6、図7の光ビーム走査部の副走査機構を具体的に示す斜視図である。
【図9】図8の重送検出部を拡大して示す斜視図である。
【図10】図1の重送搬送部の変型例を示す部分側面図である。
【符号の説明】
70・・・重送検出部
50・・・位置センサ
51・・・回動部材
52・・・回動軸
53・・・発光素子
54・・・受光素子
55・・・固定部材
56・・・反射面
145・・・シート状体
170・・・第1の搬送ローラ対
171・・・駆動ローラ
172・・・従動ローラ
F・・・フィルム
Claims (19)
- シート状体をローラ間に挟持して搬送する少なくとも1組のローラ対と、
前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、
前記シート状体の枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、
前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備えるシート搬送機構。 - 前記シート状体の搬送方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送機構。
- 前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送機構。
- 前記従動ローラはゴムローラであることを特徴とする請求項3に記載のシート搬送機構。
- 前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送機構。
- 前記検出手段が位置センサから構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送機構。
- 前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送機構。
- シート状体を少なくとも1組のローラ対のローラ間に挟持して搬送するシート搬送方法であって、
前記シート状体の搬送枚数に応じた枚数判断閾値を設定する工程と、
前記シート状体の搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記シート状体の枚数に応じた検出信号を出力する工程と、
前記ローラ対で挟持されて搬送された前記シート状体の枚数を前記検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する工程と、を含むシート搬送方法。 - 前記ローラ対が前記シート状体を挟持していないときの前記検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し再設定することを特徴とする請求項8に記載のシート搬送方法。
- 前記フィルムの重送と判断されたときその位置で前記フィルムの搬送を停止することを特徴とする請求項8または9に記載のシート搬送方法。
- 載置台に装填されたシート状のフィルムを搬送するフィルムサプライ手段と、
前記フィルムサプライ手段から搬送されたフィルムを少なくとも1組のローラ対のローラ間で挟持して副走査方向に搬送する副走査手段と、前記副走査方向と直交する主走査方向に光ビームを走査する主走査手段とにより前記フィルム上に潜像を形成する画像形成手段と、
前記潜像が形成されたフィルムを可視化する現像手段と、を備える画像形成装置であって、
前記フィルムの搬送に伴い移動する前記ローラの少なくとも一方の移動量を検出し前記フィルムの枚数に応じた検出信号を出力する検出手段と、
前記フィルムの枚数に応じた枚数判断閾値を設定し記憶する記憶手段と、
前記ローラ対で挟持されて搬送された前記フィルムの枚数を前記検出手段の検出信号と前記枚数判断閾値とに基づいて判断する判断手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記フィルムの副走査方向上流側及び下流側に前記ローラ対を2組備え、前記上流側のローラ対の前記移動量を検出することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記上流側のローラ対が駆動ローラと従動ローラとから構成され、前記従動ローラの前記移動量を検出することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記従動ローラはゴムローラであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記ローラ対が前記フィルムを挟持していないときの前記検出手段からの検出信号に基づいて前記枚数判断閾値を補正し前記記憶手段に再設定し記憶することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段が位置センサから構成されたことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記判断手段が前記フィルムの重送を判断したとき、前記画像形成装置を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は前記フィルムの重送のときその位置で前記フィルムの搬送を停止するように制御することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
- 前記副走査手段の近傍にフィルムジャム処理用の開口を設けたことを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003028140A JP2004238130A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | シート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置 |
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JP2003028140A JP2004238130A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | シート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=32955675
Family Applications (1)
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JP2003028140A Pending JP2004238130A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | シート搬送機構、シート搬送方法及び画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273686A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Tohoku Univ | ミクロ空洞共振を利用した水蒸気改質反応方法及びそのための水蒸気改質反応装置 |
JP2009046276A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Seiko Epson Corp | 紙葉類の重送検出方法および紙葉類処理装置 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028140A patent/JP2004238130A/ja active Pending
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