JP2004237347A - プレス成形方法及びプレス成形装置 - Google Patents

プレス成形方法及びプレス成形装置 Download PDF

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Toshimitsu Shiraishi
俊光 白石
Mutsumi Okazaki
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Abstract

【課題】一つのプレス成形金型において、ステップの高さや、予備成形から仕上成形に推移するタイミング等のプレス成形条件を容易に調節することが可能なプレス成形方法を提供する。
【解決手段】上側ブランクホルダー4の上方に配置された上側エンドブロック12の高さと下側ブランクホルダー5の下方に配置された下側エンドブロック13の高さとをそれぞれ変化させることにより、ステップの高さを調節する。また、上側ブランクホルダー4を下方に押圧する力及び/又は下側ブランクホルダー5を上方に押圧する力を変化させることにより、予備成形から仕上成形に推移する接触タイミングを調節する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形途中にブランクの周縁部にステップを形成し、該ステップの近傍を挟持することによりブランクに加えられる張力を増大させるプレス成形方法に関する。また、上型と下型と上下動可能な上下一対のブランクホルダーとを備えたプレス成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車体の軽量化をするためやその剛性を高めるために、自動車の部材に成形されるブランクとして高張力鋼板が多用されるようになってきている。高張力鋼板はプレス成形によって様々な形状に成形されるが、一般の鋼板と比較して賦形性が悪く、得られる製品の寸法精度が低下する等の問題が生じていた。
【0003】
例えば、高張力鋼板を図13に示すようないわゆるハット型部材24にプレス成形すると、得られる成形品の形状20は、図14に示すように、スプリングバックや反りにより所望の形状21よりも開いた形状となりやすい。このスプリングバックや反りは、ブランクが曲げられる際にその板厚方向で生じる残留応力の差に起因して生じる。このため、プレス成形工程において、ブランクに加えられる張力を段階的に増加させてゆき、板厚方向の残留応力を均一化させることが行われている。
【0004】
張力を段階的に増加させる理由は、予備成形においては、プレス成形装置の成形部(上型と下型とに挟まれた空間)に所望の製品形状に成形するのに必要な量のブランクが流入し終えておらず、この状態で大きな張力を加えると、ブランクに割れが生じるおそれがあるためである。予備成形においては、ブランクの成形部への流入をある程度許容し、ブランクに加える張力を比較的小さくする必要があるのに対し、仕上成形においては、ブランクの成形部への流入を制限し、ブランクに大きな張力を加える必要がある。
【0005】
ここで、予備成形とは、プレス成形工程においてブランクを所望の製品形状の概形に近づける工程を指し、より具体的には、ブランクが上型又は下型のいずれか一方の型のみに接触している状態で成形される工程を指す。これに対し、仕上成形とは、ブランクが双方の型に接触している状態で成形される工程を指す。
【0006】
ブランクに加えられる張力を段階的に増加させるプレス成形方法として、図15に示すような、ブランク6の周縁部にステップ23を形成しながら仕上成形を行うプレス成形方法が知られている。このプレス成形方法では、上型27が下降するにつれてステップ23は高くなり、ブランク6は成形部に流入しにくくなる。ブランク6に加えられる張力は、上型27と下型28とで型締めされる際に最大となる。
【0007】
また、特開2001−47142号公報(特許文献1)には、上型と下型とブランクホルダーからなり、上型の下降途中において、ブランクにビード加工をなすビード体と、ビード体に当接可能な押上部材とを下型に配設したことを特徴とするプレス絞り加工用金型装置が記載されている。また、押上部材とビード体との当接時期を調節可能な位置調節機構を配設することについても記載されている。これにより、ドロー絞り加工及びビード絞り加工の二回にわたる絞り加工を連続的に行うことができることや、絞り加工すべき形状等に応じた深さのビード部を形成することができる旨が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−47142号公報
(特許請求の範囲、発明の効果)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
寸法精度の高いプレス成形品を得るためには、ステップの高さやその形成時期、又は予備成形から仕上成形へと推移するタイミング等のプレス成形条件を最適なものに設定する必要があり、これは製品の形状やブランクの材質によって異なるのが一般的である。このため、銘柄切替えのとき等には、その都度、プレス成形条件を設定する必要がある。
【0010】
しかし、従来のステップを形成しながら仕上成形を行うプレス成形方法においては、ステップの高さは金型の形状によって一義的に決定され、ステップの高さをプレス成形時に調整することはできなかった。最適なステップの高さは、成形される製品の形状やブランクの材質が変わることによって変更するものであり、特に高張力鋼板を使用する場合には、良好な成形品が得られる成形マージンは狭くなっていた。そのため、仮にステップの高さが不適当であった場合には、金型を作製し直さなければならない場合もあった。
【0011】
また、特許文献1記載のプレス絞り加工方法においては、形成されるビードの高さが調節可能なだけである。また、その形状から、ビードを形成する方法はステップを形成する方法よりも大きい寸法のブランクが要求されて原料費や廃棄物量が増大する傾向がある。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、一つのプレス成形金型を用いて、ステップの高さやその形成時期、又は予備成形から仕上成形へと推移するタイミング等のプレス成形条件を調節することにより、条件設定試験又は量産を、効率的かつ高い寸法精度で行うことができるプレス成形装置を提供するものである。また、そのプレス成形装置に好適なプレス成形方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、上型と下型と上下動可能な上下一対のブランクホルダーとを備えたプレス成形装置を用いて、成形途中にブランクの周縁部にステップを形成し、該ステップの近傍を挟持することによりブランクに加えられる張力を増大させるプレス成形方法において、上側ブランクホルダーの上方に配置された上側エンドブロックの高さと下側ブランクホルダーの下方に配置された下側エンドブロックの高さとをそれぞれ変化させることにより、前記ステップの高さを調節するプレス成形方法により解決される。
【0014】
前記ステップの高さは大きければ大きいほど、その近傍で強く挟持され、ブランクの成形部への流入は制限される。一方、ステップの高さは小さければ小さいほど、その近傍での挟持は弱いものとなり、ブランクの成形部への流入は許容される。このため、ステップの高さは、ブランクに加えられる張力の大きさと密接な相関関係を有する。本発明のプレス成形方法においては、このステップの高さ調節を、各エンドブロックの高さをそれぞれ設定するという簡単でありながら精度の高い方法で行うため、ブランクに加えられる張力の大きさを簡単かつ精度良くコントロールすることが可能となる。ステップの高さは、所望の製品形状やブランクの材質を考慮した上で設定されるため、その設定範囲は特に限定されるものではないが、例えば、高張力鋼板を普通自動車のピラーに成形する場合には、通常1〜20mmの範囲で設定される。
【0015】
このとき、上側ブランクホルダーを下方に押圧する力及び/又は下側ブランクホルダーを上方に押圧する力を変化させることにより、ブランクが一方の型のみに接触している状態から双方の型に接触している状態へと推移する接触タイミングを調節することが好ましい。これにより、ステップの高さだけでなく、ステップの形成時期や予備成形から仕上成形へと推移するタイミングも調節することが可能となる。このため、多様なプレス成形条件を設定することが可能となり、プレス成形できる製品形状やブランクの材質の幅を広げることが可能となる。
【0016】
上記プレス成形方法は、プレス成形されるブランクが、400MPa以上の引張強さを有する鋼板である場合に好適に使用される。より好適には、500MPa以上の引張強さを有する鋼板であることが好ましく、さらに好適には、600MPa以上の引張強さを有する鋼板であることが好ましい。また、その板厚が0.5〜2.5mmであることが好ましく、より好適には0.8〜1.6mmであることが好ましい。
【0017】
上記プレス成形方法によって、最適なステップの高さ及び/又は接触タイミングを求めてから各エンドブロックの高さ及び/又は各ブランクホルダーを押圧する力を設定し、同一形状の製品を繰返しプレス成形することも好ましい。これにより、量産前の条件設定試験を効率的に行うことが可能となり、寸法精度の高い製品を低コストで供給することが可能となる。
【0018】
また、上記課題は、上型と下型と上下動可能な上下一対のブランクホルダーとを備えたプレス成形装置において、上側ブランクホルダーの上方に上側エンドブロックが配置され、下側ブランクホルダーの下方に下側エンドブロックが配置され、上側エンドブロックと下側エンドブロックはいずれも高さ調節が可能であることを特徴とするプレス成形装置によって解決される。
【0019】
このとき、上側エンドブロックと下側エンドブロックはいずれも高さ方向に分割可能な構造を有し、分割して得られる各パーツは各エンドブロック間で互換使用することが可能であることが好ましい。これにより、各エンドブロックを、簡素で壊れにくい構成でありながら、その高さを簡単かつ精度良く設定できるものとすることが可能となる。このとき、各エンドブロックの高さの和は常に一定に保たれていないと、型締めの際にプレス成形装置が破損するおそれがある。しかし、各エンドブロックの各パーツが互換性を有することで、下側エンドブロックから取り除いたパーツを上側エンドブロックに取り付けることが可能である。このため、特に注意しなくとも、各エンドブロックの高さの和を一定に保つことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を使用して、本発明のプレス成形方法とプレス成形装置をより具体的に説明する。図1は、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、プレス成形前の状態を示した断面図である。図2は、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、予備成形を開始した状態を示した断面図である。図3は、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、上型ホルダーの下面が上側エンドブロックの上面と当接した瞬間の状態を示した断面図である。図4は、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、仕上成形を開始した状態を示した断面図である。図5は、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、型締めした瞬間の状態を示した断面図である。また、図6は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、プレス成形前の状態を示した断面図である。図7は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、予備成形を開始した状態を示した断面図である。図8は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、上型ホルダーの下面が上側エンドブロックの上面と当接した瞬間の状態を示した断面図である。図9は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、仕上成形を開始した状態を示した断面図である。図10は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、型締めした瞬間の状態を示した断面図である。また、図11は、エンドブロックをエンドブロック本体とスペーサーとに分解した状態を示した斜視図である。図12は、エンドブロックが所定の位置に取り付けられた状態を示した断面図である。図16は、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、バッキングプレートを取り付けた場合の、プレス成形前の状態を示した断面図である。
【0021】
プレス成形装置1は、図1に示すように、上型パンチ2、下型ダイ3、上側ブランクホルダー4、下側ブランクホルダー5のほか、各部により構成されている。成形されるブランク6は、その周縁部を上側ブランクホルダー4と下側ブランクホルダー5とで挟持されている。
【0022】
以下、プレス成形装置1の各部の構造や動作等について説明する。上型ホルダー7は、図示省略の油圧シリンダー等から力を受けて昇降する構造となっている。上型パンチ2は、上型ホルダー7の下面に固定されており、上型ホルダー7と一体となって昇降する。上型ホルダー7のストローク動作のサイクルタイムは通常2〜20秒間の範囲で設定される。
【0023】
下型ホルダー8は、図示省略のボルスター(基台)の上に固定されており、プレス成形工程においてもその位置を変えることはない。下型ダイ3は、下型ホルダー8の上面に固定されている。本実施態様においては、上型がパンチで下型がダイとなっているが、この構成に限定されるものではなく、逆の構成であってもよい。
【0024】
上側ブランクホルダー4は、ガススプリング9から下向きの力を受けており、下側ブランクホルダー5は、クッションピン10から上向きの力を受けている。プレス成形前において、各ブランクホルダーは釣り合いの位置で静止している。また、上側ブランクホルダー4はブランク6の周縁部を全て把持しており、図に示された左右の断面は一体的に連続した構造であり、その動作は一致する。下側ブランクホルダー5も同様である。本実施態様においては、上型ホルダー7にガススプリング9が備えられ、下型ホルダー8にクッションピン10が備えられた構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、油圧シリンダー等であってもよい。
【0025】
上型パンチ2における側面と下面の境界、下型ダイ3における側面と上面の境界、上側ブランクホルダー4における成形部側の側面と下面の境界、下側ブランクホルダー5における成形部側の側面と上面の境界は、いずれもR面取り加工が施されていることが好ましい。これにより、ステップ18(図5)とステップ19(図10)のようにいずれの向きにステップを形成する場合においても、ブランク6を破損させることなくプレス成形することが可能となる。R面取り加工の半径は、通常、ブランク6の板厚の1〜3倍に設定される。また、各型と各ブランクホルダーとのクリアランスは、ブランク6の板厚と等しいことが好ましい。このクリアランスが広すぎると成形部のブランク6に必要な張力を加えることができなくなるおそれがあり、このクリアランスが狭すぎるとブランク6を破損させるおそれがある。
【0026】
ガススプリング9は、その内部に封入されるガスの圧力を変化させることによって、上側ブランクホルダー4を押圧する力を調節することが可能な構造を有している。また、ガススプリング9の下面、あるいは上側ブランクホルダー4の上面は、バッキングプレート等の延長部材を取り付けることが可能な構造となっている。これにより、エンドブロックの高さを変化させても、型締め時における上側ブランクホルダー4の下方への押圧力を一定に保つことができる。
【0027】
クッションピン10は、設置本数や流入するガスの圧力を変化させることによって、下側ブランクホルダー5を押圧する力を調節することが可能な構造を有している。また、クッションピン10の上面、あるいは下側ブランクホルダー5の下面は、プレッシャーピン11を取り付けることが可能な構造となっている。このため、クッションピン10による下側ブランクホルダー5への押圧力や、プレス成形前における下側ブランクホルダー5の待機位置は、プレッシャーピン10の高さを選択することで調節可能である。
【0028】
上側ブランクホルダー4の上方には、上側エンドブロック12が配置されている。上側エンドブロック12は、上型ホルダー7の下面に取り付けてもよいが、取付けが下側からの作業となり困難であるため、上側ブランクホルダー4の上面に取り付けるのが好ましい。
【0029】
下側ブランクホルダー5の下方には、下側エンドブロック13が配置されている。下側エンドブロック13は、上側エンドブロック12と同様の理由で、下型ホルダー3の上面に取り付けるのが好ましい。下側エンドブロック13は、下側ブランクホルダー5の下死点を定めるもので、下側エンドブロック13の上面が下側ブランクホルダー5の下面と当接した後は、各ブランクホルダーはそれ以上下降することができない仕組みとなっている。
【0030】
エンドブロックは、図11に示すように、エンドブロック本体14とスペーサー15の各パーツに分割可能な構造を有している。エンドブロック本体14は、エンドブロックの高さを大まかに定めるものであり、スペーサー15はその高さを微調整するものである。各パーツの形状は、円柱や円板に限られず、角柱形状や角板形状のものであってもよい。
【0031】
これらの各パーツには、ボルト16を通すための孔が設けられており、図12に示すように、ボルト16のフランジ部と取付面17の間でエンドブロックが挟着される構造であることが好ましい。エンドブロック本体14に設けられた孔の一端は広くなっており、ボルト16のフランジ部が陥入できる構造となっている。これにより、各パーツの取付けや取外しを簡単なものとし、エンドブロックの高さを容易に調節できる。
【0032】
本実施態様において、スペーサー15は、厚さが5mmと1mmのものを各1枚と、厚さが2mmのものを2枚使用している。このため、3種のスペーサー15で、0〜10mmの範囲を1mm毎に設定することができる。エンドブロック本体14は、高さが20mmのものと30mmのものとを使用している。
【0033】
各エンドブロックの高さは、各エンドブロック間で、エンドブロック本体14やスペーサー15を交換することにより設定される。これにより、特に意識せずとも、各エンドブロックの高さの和を一定に保つことができる。各エンドブロックの高さの和が所定の高さよりも低ければ、型締めまで上型パンチ2が下降できなくなるか、又は、各ブランクホルダーが型締め後も慣性により下降を続けてしまい、製品の周縁部に撓みを生じてしまうおそれがある。一方、各エンドブロックの高さの和が、所定の高さよりも高ければ、各ブランクホルダーに圧力が不当にかかり、プレス成形装置1が破損するおそれがある。本実施態様では、その和は60mmで一定であるが、プレス成形装置の消耗等により、新たにスペーサーを追加する場合もある。
【0034】
以下、本発明を説明するために、代表的な2通りのプレス成形条件下でのプレス成形工程を説明する。第1のプレス条件は、下側ブランクホルダーへの押圧力が支配的となるよう設定され、上側エンドブロックの高さは20mmに、下側エンドブロックの高さは40mmに設定されている。第2のプレス成形条件は、下側ブランクホルダーへの押圧力が支配的となるよう設定され、上側エンドブロックの高さは40mmに、下側エンドブロックの高さは20mmに設定されている。
【0035】
ここで、下側ブランクホルダーへの押圧力が支配的とは、上型ホルダーの下降に伴い、上型ホルダー下面と上側エンドブロック上面との間隔(L1)と、下側エンドブロック上面と下側ブランクホルダー下面との間隔(L2)とが共に減少する場合において、L1の減少量がL2の減少量よりも大きいことをいう。逆に、L1の減少量がL2の減少量よりも小さいことを、上側ブランクホルダーへの押圧力が支配的という。以下においては、簡単のために、L1又はL2のいずれか減少量が小さい方を無視して説明している。上側ブランホルダーへの押圧力と下側ブランクホルダーへの押圧力のいずれが支配的になるか、又はその程度は、ガススプリングの圧力や、クッションピンの圧力、本数又はストローク等を変化させることにより調節される。
【0036】
まず、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程について説明する。図1は、プレス成形前の状態を示したものである。プレス成形装置1を駆動し、上型ホルダー7が下降を始めてしばらくすると、図2に示すように、上型パンチ2がブランク6の上面と接し、予備成形が開始される。
【0037】
さらに上型ホルダー7が下降を続けると、図3に示すように、上型ホルダー7の下面が上側エンドブロック12の上面と当接する。このため、各ブランクホルダーは、上型ホルダー7と一体となって下降を始める。このとき、上型パンチ2と下側ブランクホルダー5の境界部には、ステップ18が既に形成されており、ブランク6のステップ18より外側の部分は、図2の状態と比較して成形部に流入しにくくなっている。このため、より高い張力を加えた状態でブランク6を成形することが可能となる。
【0038】
所望の製品形状やブランク6の材質によっては、ステップ18の形成時期を遅くしたい場合も考えられる。この場合は、下側ブランクホルダー5への押圧力を弱めるか、上側ブランクホルダー4への押圧力を強めればよい。また、プレッシャーピン11を低くしてもよい。その逆の設定にすれば、ステップの形成時期を早めることができる。
【0039】
さらに上型ホルダー7が下降を続けると、図4に示すように、ブランク6の下面が下型ダイ3と接し、仕上成形が開始される。このとき、ブランク6は下型ダイ3からも押圧力を受けながら成形されて、より複雑な形状に曲げられるため、成形部のブランク6にかかる張力はさらに増加していく。この張力は、型締めの瞬間に最大となる。
【0040】
図5は、下側ブランクホルダー5の下面が下側エンドブロック13の上面と当接して型締めされた瞬間の状態を示したものである。以上で、第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程は完了する。このプレス成形条件は、ブランクに加える張力を徐々に大きくしたい場合に適している。
【0041】
次に、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程について説明する。図6は、プレス成形前の状態を示したものである。プレス成形装置1を駆動し、上型ホルダー7が下降すると、図7に示すように、上型パンチ2がブランク6の上面と接し、予備成形が開始される。
【0042】
さらに上型ホルダー7が下降を続けると、図8に示すように、上型ホルダー7の下面が上側エンドブロック12の上面と当接する。このため、各ブランクホルダーは、上型ホルダー7と一体となって下降を始める。このとき、ステップはまだ形成されておらず、第1のプレス成形条件の場合とは異なっている。
【0043】
引き続き上型ホルダー7が下降を続けると、図9に示すように、ブランク6の下面が下型ダイ3と接し、仕上成形が開始される。その後しばらくすると、上側ブランクホルダー4と下型ダイ3の境界部にステップ19(図10)が形成され始める。ステップ19の形成時期を変化させたい場合は、第1のプレス成形条件下の場合と同様に、各ブランクホルダーへの押圧力やプレッシャーピン11の高さを調節すればよい。このステップ19は、絞り成形される方向(本実施態様においては下向き)から折り返される向きに形成されるから、型締め時にブランク6にかかる張力を増大させるのに効果的である。
【0044】
図10は、下側ブランクホルダー5の下面が下側エンドブロック13の上面と当接した瞬間の状態を示したものである。このときのガススプリング9のピストン25のストロークは、第1のプレス成形条件下における型締めの状態(図5)と比較して、第1のプレス成形条件における下側エンドブロック13の高さ(40mm)と、第2のプレス成形条件における下側エンドブロック13の高さ(20mm)との差だけ(20mm)長くなっている。このため、第2のプレス成形条件下における型締め時のガススプリング9による上側ブランクホルダー4への押圧力が、第1のプレス成形条件下におけるそれよりも小さくなっており、各ブランクホルダーがブランク6を挟持する力も小さくなっている。
【0045】
各ブランクホルダーがブランク6を挟持する力は、ステップの高さと同様、得られるプレス成形品の寸法精度に影響を与えるものであるため、この挟持する力を常に一定にしておかないと、条件設定試験において、得られる製品の寸法精度が、どのパラメータに影響されているのか把握できなくなるおそれがある。また、量産時においても、プレス成形装置1の微調整が困難なものとなるおそれがある。このため、あるプレス成形条件から下側エンドブロック13の高さを低く設定変更する場合は、図16に示すように、ガススプリング9の下面と上側ブランクホルダー4の上面との間に、設定変更前後における下側エンドブロック13の高さの差と同じ高さのバッキングプレート26を配置することが好ましい。これにより、各エンドブロックの高さを変更した場合においても、各ブランクホルダーがブランク6を挟持する力を常に一定に保つことが可能となる。バッキングプレート26は、図11に示すエンドブロックと同様の構造を有しているが、高さが低く設定される場合は、スペーサーのみで構成される場合もある。
【0046】
以上で、第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程は完了する。このプレス成形工程は、型締めに近い時期に集中して大きな張力をブランクに加えたい場合に適している。
【0047】
このようにして得られるプレス成形品の周縁部にはステップが形成されている。このステップ周辺は、製品として不要な部分であるために切り捨てられるのが一般的であるが、この部分が広すぎると歩留りが悪くなるために好ましくない。しかし、プレス成形装置1は、各エンドブロックの高さや各ブランクホルダーへの押圧力を容易に変化させることが可能であるため、量産前に条件設定試験を実施して、ブランク寸法を最適化することが可能である。
【0048】
本発明のプレス成形方法は、成形予測の困難な複雑な三次元形状を有する製品の成形に好適であり、得られる製品の寸法精度も非常に高い。特に、成形条件マージンの狭い高張力鋼板を成形する場合に効果的である。このため、本発明のプレス成形方法により成形された製品は、複雑な三次元形状や精密さが要求される製品に好適に使用される。なかでも、ピラー等の自動車部材や建材は、高張力鋼板を使用して剛性を高めることが一般的に行われているために、好適である。特に、自動車部材への使用は、車体の剛性を高めて乗員の安全性を向上させるだけでなく、車体を軽量化して排ガスを削減することにも繋がり、地球環境の改善にも良い影響を与えるために最適である。また、自動車は、消費者の購買意欲や性能が車体やその部材のデザインに影響され易いものであるため、それらを複雑な三次元形状に成形する必要性が高い。このため、本発明のプレス成形方法により成形された製品を自動車部材に使用することの利益は非常に大きい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、一つのプレス成形金型において、ステップの高さ、ステップを形成する時期、予備成形から仕上成形に推移するタイミング等のプレス成形条件を容易に調節することが可能であるため、所望の製品形状やブランクの材質に合ったプレス成形条件や、歩留りの良いプレス成形条件を求めるための条件設定試験を低コスト、かつ短時間で実施することが可能となる。
【0050】
また、量産時においても、プレス成形装置の消耗等により再調整が必要となることも考えられるが、この場合も容易にメンテナンスが行える。また、銘柄切替えの際にも容易に各種設定を変更できる。このため、寸法精度が高く高品質なプレス成形品を低コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、プレス成形前の状態を示した断面図である。
【図2】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、予備成形を開始した状態を示した断面図である。
【図3】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、上型ホルダーの下面が上側エンドブロックの上面と当接した瞬間の状態を示した断面図である。
【図4】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、仕上成形を開始した状態を示した断面図である。
【図5】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、型締めした瞬間の状態を示した断面図である。
【図6】第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、プレス成形前の状態を示した断面図である。
【図7】第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、予備成形を開始した状態を示した断面図である。
【図8】第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、上型ホルダーの下面が上側エンドブロックの上面と当接した瞬間の状態を示した断面図である。
【図9】第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、仕上成形を開始した状態を示した断面図である。
【図10】第1のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、型締めした瞬間の状態を示した断面図である。
【図11】エンドブロックを、エンドブロック本体とスペーサーとに分解した状態を示した斜視図である。
【図12】エンドブロックが、所定の位置に取り付けられた状態を示した断面図である。
【図13】ハット断面形状にプレス成形された成形品の斜視図である。
【図14】図13に示す成形品において、スプリングバックと反りが生じた形状と、それらが生じていない形状とを比較した断面図である。
【図15】従来のステップを形成しながら仕上成形を行うプレス成形方法における、ステップが形成されている状態を示した断面図である。
【図16】第2のプレス成形条件下でのプレス成形工程において、バッキングプレートを取り付けた場合の、プレス成形前の状態を示した断面図である。
【符号の説明】
1 プレス成形装置
2 上型パンチ
3 下型ダイ
4 上側ブランクホルダー
5 下側ブランクホルダー
6 ブランク
7 上型ホルダー
8 下型ホルダー
9 ガススプリング
10 クッションピン
11 プレッシャーピン
12 上側エンドブロック
13 下側エンドブロック
14 エンドブロック本体
15 スペーサー
16 ボルト
17 取付面
18 ステップ
19 ステップ
20 得られる成形品の形状
21 所望の形状
22 ブランクホルダー
23 ステップ
24 ハット型部材
25 ピストン
26 バッキングプレート
27 上型
28 下型

Claims (6)

  1. 上型と下型と上下動可能な上下一対のブランクホルダーとを備えたプレス成形装置を用いて、成形途中にブランクの周縁部にステップを形成し、該ステップの近傍を挟持することによりブランクに加えられる張力を増大させるプレス成形方法において、上側ブランクホルダーの上方に配置された上側エンドブロックの高さと下側ブランクホルダーの下方に配置された下側エンドブロックの高さとをそれぞれ変化させることにより、前記ステップの高さを調節するプレス成形方法。
  2. 上側ブランクホルダーを下方に押圧する力及び/又は下側ブランクホルダーを上方に押圧する力を変化させることにより、ブランクが一方の型のみに接触している状態から双方の型に接触している状態へと推移する接触タイミングを調節する請求項1記載のプレス成形方法。
  3. プレス成形されるブランクは引張強さが400MPa以上の鋼板である請求項1又は2記載のプレス成形方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたプレス成形方法によって、最適なステップの高さ及び/又は接触タイミングを求めてから、各エンドブロックの高さ及び/又は各ブランクホルダーを押圧する力を設定し、同一形状の製品を繰返しプレス成形する、プレス成形品の製造方法。
  5. 上型と下型と上下動可能な上下一対のブランクホルダーとを備えたプレス成形装置において、上側ブランクホルダーの上方に上側エンドブロックが配置され、下側ブランクホルダーの下方に下側エンドブロックが配置され、上側エンドブロックと下側エンドブロックはいずれも高さ調節が可能であることを特徴とするプレス成形装置。
  6. 上側エンドブロックと下側エンドブロックはいずれも高さ方向に分割可能な構造を有し、分割して得られる各パーツは各エンドブロック間で互換使用することが可能な請求項5記載のプレス成形装置。
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