JP2004236973A - 引き込み機能付スライドレール - Google Patents
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Abstract
【課題】スチール家具の引き出し部を円滑開閉自在に支持する基本的な機能に加え、引き出し部を収納したときの跳ね返りを防ぎ、家具の運搬時や地震のときに引き出し部が不用意に引き出るのを防ぐようにする。
【解決手段】アウターレールの後端近傍内側にインナーレールの引き込み装置を設け、インナーレールの後端に該レールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部を設け、引き込み装置の内側にはスライド部材とともに係合ピンを引き込むバネを備え、インナーレールを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンに係合してインナーレールを引き込み、一定以上の長さにインナーレールを引き出すと係合が外れるように構成した。
【選択図】 図3
【解決手段】アウターレールの後端近傍内側にインナーレールの引き込み装置を設け、インナーレールの後端に該レールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部を設け、引き込み装置の内側にはスライド部材とともに係合ピンを引き込むバネを備え、インナーレールを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンに係合してインナーレールを引き込み、一定以上の長さにインナーレールを引き出すと係合が外れるように構成した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチール家具の引き出し部を引き出し自在に支持する基本的な機能に加え、引き出し部をスチール家具本体内に収納したときに生じ易い跳ね返りを防ぎ、スチール家具の運搬時や地震のときに引き出し部が不用意に引き出るのを防ぐ引き込み機能付スライドレールに関する。
【0002】
【従来の技術】
スライドレールは、スチール家具などの引き出し部の開閉動作を伴った支持に用いられ、その基本的な構造は略C形状を有するアウターレール内にインナーレールがスライド方向に進退自在に支持され、その進退を円滑にするためにアウターレールとインナーレールとの間には支持体で支持した多数のボールベアリングを介在させてある。このような構造をもつスライドレールには、アウターレールとインナーレールからなる1段引き出し構造のものだけでなく、アウターレールとインナ−レールの間に中間レールを備えた2段引き出し構造のものも知られている。
ところで、引き出し部をスチール家具本体内に収納したときには、引き出し部の前面板の背面縁とスチール家具本体の開口縁とが当接し、インナーレールは収納終端位置又はその近くまで達するが、このとき引き出し部の収納動作に勢いがあると、その収納時に、前記当接に伴う衝突やインナーレールの先端とアウターレールの後端とによる衝突などにより、引き出し部が跳ね返って少し開くことがよくある。また、家具の移動時や地震のときにスチール家具が傾いたり前後方向に振れる力が作用すると、引き出し部が不用意に引き出てしまうことがある。このため、これら不具合が生じないように構造的に解決することが望まれる。
【0003】
上記不具合を解決する従来技術として特開2001−37565号公報に記載のスライドレールの収納時保持装置がある。この装置の構造は、同公報フロントページの構成の欄に、固定側レールと、移動側レールと、上記両レールの間に嵌挿された中間レール等からなるスライドレールにおいて、固定側レール基板の収納側端部に上下傾斜案内突片と、上下係止突部と、該上下係止突部の収納側に連接され、上下挟持部と、上下挟持部の収納側に連接された、上下弾性支持突片よりなる上下弾性保持部と、上下弾性保持部に連接され前記固定側収納時ストッパーと連結される取付部よりなるはね返り防止部材が設けられている、と記載されている。
この収納時保持装置は、固定側レール(アウターレール)の後端に固定されて、移動側レール(インナーレール)を固定側レール(アウターレール)内に収納した時に、移動側レール後端に立設している移動側移動時ストッパーを上下弾性保持部で挟んで保持することにより、この挟んで保持するバネ力の及ぶ範囲内で移動側レールの引き出し方向の移動を規制するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このスライドレールの収納時保持装置では、移動側移動時ストッパーを保持する位置が収納終端位置に極めて近い位置にあり、しかも、移動側レールの収納方向に向けた押し操作を収納終端位置まで完全に行なわなければ、前記ストッパーが上下係止突部間を越えることができない。
このため、このスライドレールをスチール家具の引き出し部の支持に用いた場合、引き出し部が軽量な場合には、引き出し部を最後まで押し入れるのを確認しなければ前記ストッパーが上下係止突部間の前面に当たったままで止まり、引き出し部が完全に閉まらないことがあった。
また、スライドレールは引き出し部の両側に対応したスチール家具内に各1組取り付けられるが、この従来技術によるスライドレールでは、スチール家具の製造時に左右各組のスライドレールの前後位置を正確に揃えて取り付けないと、収納時保持装置の一方が機能しなくなり、或いは機能し難い状態になるが、このように正確に取り付ける作業には時間を要する。
また、上記保持装置は、上下係止突部間からストッパーの収納方向の終端位置までの間隔がほとんど無いため、引き出しの収納動作に勢いがあると、収納時の跳ね返りによる影響を強く受けて、一旦保持装置内に入ったストッパーが手前方向に抜け外れてしまうことがある。このような事態になるの防ぐためには、上下係止突部による挟み付けの力を強くするなどの対応が考えられるが、このようにすると、ストッパーが上下係止突部間の前面に接当した位置で止まり易くなるという上述した問題が更に生じ易くなる。
【0005】
本発明は、スチール家具の引き出し部を円滑開閉自在に支持する基本的な機能に加えて、インナーレールが収納終端位置近くまで戻ると、インナーレールを係止して収納終端位置までバネ力で引き込みを行なってインナーレールを収納するときに生じる引き出し部の跳ね返り、運搬時における家具の傾きによる引き出し、地震の時の振れによる引き出しなどが生じるのを防ぎ、インナーレールの引き出し長さが所定の長さを超えると引き込みを行なっていた係止が外れ、左右のスライドレールの取り付け位置に前後方向に若干の誤差が生じてもその誤差に影響されない引き込み機能付スライドレールを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成する請求項1に記載の引き込み機能付スライドレールは、インナーレールがアウターレールに進退自在に組み付けられたスライドレール本体において、アウターレールの後端部の内側にインナーレールの引き込み装置が設けられ、インナーレールの後端部に該レールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部が設けられており、前記引き込み装置は、ガイド部材の内側の手前側に位置する係合ピンをスライド部材とともに前後方向にスライド自在に支持されて、これらがガイド部材に内側に設けられているコイルバネによって後方に付勢されており、インナーレールを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンの先端部に係合してインナーレールを収納終端位置まで引き込み、一定以上の長さにインナーレールを引き出すと、双方の係合が外れて、スライド部材と係合ピンを手前側に係止させる構成を有する。
【0007】
本発明の引き込み機能付スライドレールは、その使用において、インナーレールをアウターレール内から前方に長く引き出した状態にあるときには、係合ピンはスライド部材とともにガイド部材内の前端に係止されて、係合部材と係合ピンの係合は解除された状態にある。このため、インナーレールは円滑に引き出し可能な状態にある。そして、インナーレールを収納終端位置近くまで収納させると、係合部材が係合ピンと係合し、上記係止が外れ、コイルバネの付勢力によって、係合ピンに係合している係合部材をインナーレールとともに収納終端位置まで引き込む。そして、引き出されていたインナーレールを収納終端位置の近くまで収納方向にスライドさせると、上記係合が行なわれて上記係止が外れ、インナーレールを収納終端位置まで引き込む。そして、収納終端位置に達したインナーレールにはコイルバネによる付勢力が作用しているため、不用意に引き出されたりしない。この請求項1では、上記係止及びその解除構造は特に限定しない。
このようにインナーレールの引き込みは、このように収納に向けた移動の終端近くの途中から行なわれるので、確実な引き込みができる。
なお、スライド部材がガイド部材内の先端に当接していなくても、その手前の位置でも引き付け力が加わっているため、スライドレールをスチール家具に取り付けるときに、左右のスライドレールの前後方向の取り付け位置に多少のズレがあっても、左右のスライドレールの引き込み機能は十分に働く。
【0008】
次に挙げる請求項2に記載の発明は、上記引き込み装置の構造を更に具体化しており、引き込み装置は、アウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状を有し、その中央横方向に長孔を有すると共に該長孔の前端に折曲口を有し、該長孔の途中部から後端近傍に至る片側の縁部が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能な弾撥片にて形成されたガイド部材の内側に、当該長孔と交差する方向に短尺長孔が形成された板面を有するスライド部材が前後方向にスライド自在に支持されて、該スライド部材がバネによって後方に付勢され、更に軸中央に鍔部を有する係合ピンをガイド部材とスライド部材の間に該鍔部を挟んだ状態で、該ピンの一方の先端部分を前記長孔内に突入させ、他方の先端部分を前記短尺長孔内から外方向に突出させて組み付けられたもので構成されている引き込み装置は、アウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状を有し、その中央横方向に長孔を有すると共に該長孔の前端に折曲口を有し、該長孔の途中部から後端近傍に至る片側の縁部が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能な弾撥片にて形成されたガイド部材の内側に、当該長孔と交差する方向に短尺長孔が形成された板面を有するスライド部材が前後方向にスライド自在に支持されて、該スライド部材がバネによって後方に付勢され、更に軸中央に鍔部を有する係合ピンをガイド部材とスライド部材の間に該鍔部を挟んだ状態で、該ピンの一方の先端部分を前記長孔内に突入させ、他方の先端部分を前記短尺長孔内から外方向に突出させて組み付けられたもので構成されている。
【0009】
引き込み装置をこのように構成すると、インナーレールが引き出される動きに連れて、係合ピンはスライド部材とともに長孔の前端まで達し、係合ピンは係合部の湾曲部の斜め方向に向いた縁で押された状態で長孔前端の折曲口内に入る。この係合ピンの移動はスライド部材の短尺長孔の範囲内で行なわれる。このようにして、係合部材と係止ピンとの係合が解除され、係合ピンが折曲口に止まることによる係止が行なわれる。このような状態はインナーレールの引き出しによって自然に行なわれ、その詳しい説明は後述する。
そして、引き出していたインナーレールを収納方向に移動させると、その過程で係合部材先端の湾曲部の入口から係合ピンの先端部を進入させ、更なるインナーレールの収納方向に向けた動きに伴って折曲口に位置する係合ピンは湾曲部内の側壁に押されて深く突入する。これにより、係合ピンと係合部材とが係合する。このため、湾曲部の入口はインナーレールのスライドにより折曲口に重なる位置にある。このようにして湾曲部の終端位置に至る係合ピンの突入により、該ピンが折曲口内から長孔内に移動すると、係合ピンはスライド部材に加わっているバネによる付勢力によってスライド部材とともに収納方向に引き付けられる。
【0010】
インナーレールに引き出す方向の力を与えると、係合部材の湾曲部に係合している係合ピンがバネ力に抗してスライド部材を引き連れて前記長孔の先端まで達し、この位置で係合ピンは湾曲部の側縁で押されて折曲口内に移動し、係合ピンと係合部とによる係合が外れる。このため、更なるインナーレールの引き出しは円滑に行なわれる。
【0011】
このように、インナーレールを一定以上引き出すと、係合ピンが長孔から折曲口内に送られて、折曲口内で止まるが、本発明のスライドレールをスチール家具に取り付ける際に、インナーレールが引き出された状態で、係合ピンが折曲口から長孔の先端に位置しているときには、インナーレールを収納終端位置まで押しつけて湾曲部先端の傾斜部に沿って係合ピンを湾曲部内に押し込む。この押し込みは、湾曲部の入口と長孔がオフセットした位置にあるため、係合ピンを湾曲部の入口に移動させる必要があり、このため、長孔内の片側側壁を形成している弾撥片が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能になっている。
【0012】
上述したように、スライド部材はガイド部材内で前後方向に移動可能に組み付けられており、しかもバネも一体となって組み付けられているため、円滑なスライドが行なわれ、スライド部材の安定した姿勢が確保できる、また、アウターレールへの取り付けも容易になる。引き込み装置はアウターレールの先端部内側に圧入により装着され、その抜け止めはアウターレール先端縁に形成した突起を引き込み装置に係止させ、或いはビス止めなどによって行なわれる。
【0013】
次の請求項3に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、請求項1又は2に記載の構成において、インナーレールの先端部分が低段部にて形成され、前記係合部が該低段部分の先端に形成されている。
【0014】
係合部はインナーレールの先端部分にプレスによって形成されている。インナーレールの先端部分を低段部にしたのは係合ピンの先端部を不必要に長く形成しなくても係合できるようにするためであり、このようにすると、係合ピンの折れたりしない。また、プレス成形により、製造コストを抑えることができる。
【0015】
次の請求項4に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、上記何れかの構成に加え、前記係合部がインナーレールの先端部分の背面側に装着した板片で構成されている。
【0016】
このようにインナーレールの先端部分の内側に係合部が形成された板片を装着してもよい。このようにすると、市販のインナーレールを大きな加工しなくてもそのまま利用できる。
【0017】
次の請求項5に記載の引き込み機能を備えたスライドレールでは、上記何れかの構成に加え、ガイド部材の前端に、中間レールの先端を収納終端位置で止める弓状のクッション部が一体形成されたものになっている。
【0018】
このようにクッション部を設けると、中間レールの収納終端位置での位置決めができ、収納時に生じ易い衝撃音が抑えられる。しかも、ガイド部材にクッション部を形成すると、独立した構造のクッション部を設ける必要がなくなり、製造コストを抑えることができる。さらに、このクッションを弓形で形成することによりガイド部材と一体形成でき、この場合のガイド部材は若干弾力のある合成樹脂、例えば、ポリアセタール又はナイロン樹脂を素材とするものが該当する。
【0019】
次の請求項6に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、上記何れかの構成を有するスライドレール本体が、アウターレールとインナーレールの間に中間レールをスライド自在に備えた2段引き出し構造のもので構成されている
【0020】
このような2段引き出し構造のスライドレールについても上述した引き込み機能を備えることができる。このようにすると、特に、地震のときに引き出し部が大きく引き出ることによるスチール家具の倒壊を防ぐことができる。この3段引き出し構造の場合でも、本発明のストッパー構造は前述したものと同じ構造のものが用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明による引き込み機能付スライドレールの具体的な実施の形態を、本発明者が試作したものを例に挙げ、添付の図面に沿って詳述する。
図1は本発明の1実施形態による引き込み機能付スライドレールを簡略して示した図であり、図2はスライドレール本体の拡大側面図である。
これら各図に示す本発明の実施形態による引き込み機能付スライドレールは(以下、本発明のスライドレールと略称する)1は、断面形状が略C形状を有するアウターレール2内側に、支持体3で支持されたボールベアリング4を介して断面形状が略C形状を有する中間レール5がスライド自在に支持され、更に、該中間レール5の内側に、支持体6で支持されたボールベアリング7を介して断面形状が略C形状を有するインナーレール8がスライド自在に支持された2段引き出し構造をもつスライドレール本体9に、引き込み装置10と、インナーレール8の先端に係合部8bが形成され、或いはインナーレール8の先端に係合部材20が取り付けられたもので構成されている。
【0022】
図3の(a)は引き込み装置10の正面図、(b)は底面断面図(c)は同じく側面拡大断面図である。これら各図に示すように引き込み装置10は、ガイド部材11と、スライド部材12と、係合ピン13と、2本のコイルバネ14,14と、コイルバネ14,14の支持ピン15,15とが組み付けられたもので構成されている。
続いて引き込み装置10を構成する各単品について説明する。
【0023】
図4の(a)はガイド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。これら各図に示すように、ガイド部材11は、背面から上下曲面に至る形状がアウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状をもつ外形を有し、中央の板面11aには横方向に長孔11bが形成され、長孔11bの前端に上方(又は下方)に折曲した折曲口11cが形成され、該長孔11cの途中部から後部に至る上方(又は下方)の側壁が後方に向けて突出させた弾撥突起11dにて形成され、弾撥突起11dの上方(又は下方)には長孔11bの後端と連続する略三角形状の開口11eが形成され、更に、板面11aの上端及び下端と長孔11bとの間の板面部分の表面側には前後方向に突条11f,11fが形成され、上方の突条11fの上側と下方の突条11fの下側に前後方向に向けたガイド孔11g,11gが形成され、板面11aの上端及び下端近傍の前後壁面に支持ピンをカシメ入れるピン孔11h,11h・・が形成され、更に板面11aの後端近傍個所にアウターレール側から突出させた係止片を突入させる係止孔11jが形成され、板面11aの前端に弓形のクッション部11kが一体形成されたポリアセタール樹脂の一体成形品である。
【0024】
図5の(a)はスライド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は同じく側面断面図である。これら各図に示すように、スライド部材12は、板面12aの中央に上下に向けて短尺長孔12bが形成され、板面12aの上端及び下端にはピン孔又はピンを挿通させる切欠きを有するバネ受け12c,12cを後端に設けた半円弧状のバネガイド部12e,12eが後端を突出させて一体形成され、板面12aの上端及び下端近傍の背面部分が前記突条11f,11fに沿って嵌まる段部12d,12dが形成され、該段部12d,12dの背面には前記ガイド孔11g,11gに係合するL形の爪12f,12fが形成されたポリアセタール樹脂の一体成形品である。
【0025】
図6の(a)は係合ピン13の正面図、(b)は側面図であり、これら各図に示すように、係合ピン13は、ピン本体13aの略軸中央に鍔部13bが形成され、ピン本体14aの一端が若干長く形成されたポリアセタール樹脂製の一体成形品が用いられている
図7はコイルバネ14,14を示しており、該コイルバネ14,14は、圧縮に対して弾撥力を保有し、図4の(a)に示すガイド部材11内の前後方向に向けた長さ若しくはそれよりも若干長い長さを有する弾撥力の強いステンレス製のものが用いられている。
図8の(b)は支持ピン15,15を示しており、該支持ピン15,15は、図4の(a)に示すガイド部材11の前後長さと同じ長さを有し、コイルバネ14,14の内径よりも若干細い径をもつ金属製のものが用いられている。
【0026】
次に、引き込み装置10を構成する上記各部の組み付け方法と組付構造を図3の(a)〜(c)をもとに説明する。
その組み付けは、係合ピン13の短い方のピン先をガイド部材11の長孔11b内に突入させ、該ピン13の鍔部13bをガイド部材11の板面11aに沿わせた状態で、スライド部材12をバネガイド部12e,12eを後端に向けてガイド部材11の正面側に重ね合わせて、係合ピン13の長い方のピン先をスライド部材12中央の短尺長孔12b内から手前(外)方向に突出させ、続いて、スライド部材12の背面側に突出している爪12e,12eの先端をガイド部材11のガイド孔11g,11g内に嵌め付けて係合させる。なお、爪12f,12fは、ポリアセタール樹脂が若干の柔軟性を有しているため、爪12f,12fの先端を若干広げながら強く押し込むことにより上記係合が可能となる。更に続いて、スライド部材12のバネガイド部12e,12内にコイルバネ14,14の一部を入れながらガイド部材11の一端外側から支持ピン15,15をバネガイド部12e,12e内に向けて突入させ、コイルバネ14,14内に通し、ガイド部材11の他端に突入させる方法でカシメ入れる。
なお、スライド部材12後端のピン孔12d,12dに代わり円弧状の切り欠きが形成されている場合には、先に支持ピン15,15とコイルバネ14,14をガイド部材11内に取り付け、その後でスライド部材12をガイド部材11に取り付ける。
【0027】
以上の手順で引き込み装置10の組み付けは終了する。このようにして組み付けられた引き込み装置10は、図3の(a)に示すように、コイルバネ14,14の一端がガイド部材11内前端の壁面に当接し、他端がスライド部材12のバネ受け12c,12cに当接して、コイルバネ14,14が有する弾撥力によってスライド部材12をガイド部材11内の先端に強く押し付けた状態になっており、このとき、係合ピン13の一方にピン先はガイド部材11の長孔11b内の後端に位置し、該ピンの他方のピン先はスライド部材12の短尺長孔12bの一端側に寄った位置から手前外側に突出している。このため、スライド部材12や手前側に突出しているピン先を手で押さえてガイド部材11の前端方向に強制的にスライドさせることができるが、手を放すとバネの付勢力によって勢いよく元の位置に復帰する。
また、支持ピン13とスライド部材12をスライドさせてピン先を長孔11b内の前端から折曲口11c内に入れると、係合ピン13はスライド部材12を伴ってこの位置で係止する。なお、ピン先を長孔11b内の前端方向に指先で操作すると、この係止が解除されて、スライド部材12と共に支持ピン13は図3の(a)に示す位置に付勢力を伴って移動する。引き込み装置10は以上のような動きを行なう。
【0028】
次に、引き込み装置10をアウターレールに装着する方法とその固定構造を説明する。
図9の(a)は引き込み装置10をアウターレール2の後端近傍の内側面に装着する直前の状態を示した正面図であり、(b)は装着後の状態を示した正面図である。図9の(a)に示すように、アウターレール2の後端の中央縁が若干手前側に係止片2aが切り上げられて形成されており、引き込み装置10を素材のもつ若干の柔軟性を利用して背面側が係止片2aで押し上げられた状態でアウターレール2の後端から内側面に圧入させる。このようにすると、図9の(b)に示すように、ガイド部材11の先端近くの係止孔11j内に係止片2aが突入し、引き込み装置10の抜け止めが図られる。
【0029】
次に、インナーレール8の先端部に形成された係合部について説明する。
図10の(a)はインナーレール8の先端部を示し、(b)はインナーレール8の先端部を側面から見た図である。これら各図に示すように、インナーレール8の先端部の板面部分は低段部8aにて形成されており、この低段部8aの先端には、係合ピン13の先端部分を突入させる湾曲部8bが中央斜め方向に形成され、該湾曲部8bの入口8cに係合ピンの先端部分を図3の(a)に示す湾曲部20b内に突入させて係合させ易くするための傾斜部8dが形成されている。該傾斜部8dはインナーレール8の先端縁中央に位置し、入口8cはこの先端中央よりもオフセットした位置にある。このように形成した結果、湾曲部8bの終端部分の前方に突起部分20eが位置し、更にその前方に傾斜部8dが位置する。
【0030】
次に、インナーレール8のスライドにより係合部材8aと引き込み装置10とが係合してインナーレール8を収納方向に引き付ける、引き付け機能とその解除について説明する。
図11の(a)は本発明のスライドレール1をインナーレール8が収納位置にある状態を示した正面図であり、(b)は同じくその側面拡大断面図である。
図11の(a)に示すように、インナーレール8が収納位置にあるときには、係合ピン13は湾曲部8bの終端位置に係合した状態で長孔11b内の先端に位置し、この位置でコイルバネ14,14によって引き込み方向に押し付けられている。このため、インナーレール8は、引き出す方向の外圧を与えない限り、自然に引き出ることはない。また、インナーレール8の収納による跳ね返りも生じない。
図12の(a)図はインナーレール8を引き出した状態を示した正面図である。このようにインナーレール8を引き出すと、係合部8aに係合している係合ピン13はスライド部材12を引き連れて長孔11bに沿って引き出し方向に移動し、係合ピン13が長孔11bの前端まで達し、係合ピン13が湾曲部8bの傾斜に沿って折曲部11c内に押されるように移動して、該ピン13は折曲口11c内に乗り上げて止まる。このようになると、係合ピン13は湾曲部8bの入口8cまで移動しており、インナーレール8を更に引き出すと、係合部8aと係合ピン13の係合が外れて、インナーレール8を円滑に引き出すことができる。
なお、図12の(b)に示すように、インナーレール8を収納方向にスライドさせると、その途中で、係合ピン13のピン先が湾曲部8b内に押し入れられて、係合部8aと係合ピン13とが係合し、更にインナーレール8の収納方向に向けた動きによって、係合ピン13を長孔11bの前端まで案内し、この状態になると、コイルバネ14,14の付勢力によって、スライド部材12と共にインナーレール8を収納終端位置まで引き込む。
【0031】
次に、インナーレール8の先端部に係合部材20を装着したものについて説明する。
図13の(a)は係合部材20をインナーレール8の先端に装着した状態を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材20を装着したインナーレール8を後端から見た図である。これら各図に示すように、係合部材20は、矩形を有する肉厚の板材20aの先端に、係合ピン13のピン先を突入させる湾曲部20bが板材20aの中央方向に傾斜した向きで形成され、該湾曲部20bの入口20cに該ピン先を湾曲部20b内に突入させて係合させ易くするための傾斜部20dが形成されたポリアセタール樹脂製のものであり、インナーレール8が収納終端位置にあるときの係合は図14の(a)及び(b)に示す通りであり、図11の(a)及び(b)に示す係合と同じ係合による引き込み機能を有する。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明の引き込み機能付スライドレールとしたことによって、インナーレールが収納終端位置近くまで戻ると、インナーレールを収納終端位置までバネ力で引き込みを行なって収納終端位置まで引き込むことができるようになった。この結果、インナーレールの収納終端位置での跳ね返りを防ぐことができる。また、インナーレールが自然に引き出されるのを防ぐことができる。このような引き込み機能を有する本発明の引き込み機能付きスライドレールを、スチール家具の引き出し部の支持に用いると、引き出し部の収納時の跳ね返り、運搬時における家具の傾きによる引き出し、地震の時の振れによる引き出しなどを防ぐことができるようになった。
【0033】
特に、本発明の引き込み機能を備えたスライドレールでは、アウターレールに装着した引き込み装置に係合するインナーレール側の係合部をインナーレールの先端部にプレス成形によって形成した結果、製造コスト及び組み付けコストを抑えることができ、故障も少なくなった。
【0034】
また、ガイド部材内にスライド部材とコイルバネとを組み付けたことによって、スライド部材を円滑にスライドさせることができ、引き込み装置がコンパクトな形状にでき、引き込み装置全体の構造を丈夫なものにすることができるようになった。
【0035】
また、ガイド部材の前端に弓状のクッション部を一体形成したことによって、中間レールの収納終端位置で発生する接当による衝撃や衝撃音を抑えることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発の1実施形態による引き込み機能付スライドレールを簡略して示した図である。
【図2】スライドレール本体の拡大側面図である。。
【図3】(a)は引き込み装置10の正面図、(b)は底面断面図(c)は同じく側面拡大断面図である。
【図4】(a)はガイド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図(a)である。
【図5】(a)はスライド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は同じく側面断面図である。
【図6】(a)は係合ピンの正面図、(b)は側面図である。
【図7】コイルバネを示した図である。
【図8】支持ピンを示した図である。
【図9】(a)は引き込み装置をアウターレールの後端近傍の内側面に装着する直前の状態を示した正面図であり、(b)は装着後の状態を示した正面図である。
【図10】(a)は係合部材をインナーレールの先端に装着した状態を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材を装着したインナーレールを後端から見た図である。
【図11】(a)は本発明のスライドレールをインナーレールが収納位置にある状態を示した正面図であり、(b)は同じくその側面拡大断面図である。
【図12】(a)はインナーレールを引き出した状態を示した正面図であり、(b)は同じくインナーレールを収納する途中の状態を示した図である。
【図13】(a)は係合部材を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材を後端から見た図である。
【図14】(a)はインナーレールが収納終端位置にあるときの図であり、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
1 引き込み機能付スライドレール
2 アウターレール
5 中間レール
8 インナーレール
8A 係合部
8a 低段部
8b 湾曲部
8c 入口
8d 傾斜部
9 スライドレール本体
10 引き込み装置
11 ガイド部材
11b 長孔
11c 折曲口
11d 弾撥突起
11f 突条
11g ガイド孔
11k クッション部
12 スライド部材
12b 短尺長孔
12c バネガイド部
12d 段部
12e 爪
13 係合ピン
14 コイルバネ
20 係合部材
20b 湾曲部
20c 入口
20d 傾斜部
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチール家具の引き出し部を引き出し自在に支持する基本的な機能に加え、引き出し部をスチール家具本体内に収納したときに生じ易い跳ね返りを防ぎ、スチール家具の運搬時や地震のときに引き出し部が不用意に引き出るのを防ぐ引き込み機能付スライドレールに関する。
【0002】
【従来の技術】
スライドレールは、スチール家具などの引き出し部の開閉動作を伴った支持に用いられ、その基本的な構造は略C形状を有するアウターレール内にインナーレールがスライド方向に進退自在に支持され、その進退を円滑にするためにアウターレールとインナーレールとの間には支持体で支持した多数のボールベアリングを介在させてある。このような構造をもつスライドレールには、アウターレールとインナーレールからなる1段引き出し構造のものだけでなく、アウターレールとインナ−レールの間に中間レールを備えた2段引き出し構造のものも知られている。
ところで、引き出し部をスチール家具本体内に収納したときには、引き出し部の前面板の背面縁とスチール家具本体の開口縁とが当接し、インナーレールは収納終端位置又はその近くまで達するが、このとき引き出し部の収納動作に勢いがあると、その収納時に、前記当接に伴う衝突やインナーレールの先端とアウターレールの後端とによる衝突などにより、引き出し部が跳ね返って少し開くことがよくある。また、家具の移動時や地震のときにスチール家具が傾いたり前後方向に振れる力が作用すると、引き出し部が不用意に引き出てしまうことがある。このため、これら不具合が生じないように構造的に解決することが望まれる。
【0003】
上記不具合を解決する従来技術として特開2001−37565号公報に記載のスライドレールの収納時保持装置がある。この装置の構造は、同公報フロントページの構成の欄に、固定側レールと、移動側レールと、上記両レールの間に嵌挿された中間レール等からなるスライドレールにおいて、固定側レール基板の収納側端部に上下傾斜案内突片と、上下係止突部と、該上下係止突部の収納側に連接され、上下挟持部と、上下挟持部の収納側に連接された、上下弾性支持突片よりなる上下弾性保持部と、上下弾性保持部に連接され前記固定側収納時ストッパーと連結される取付部よりなるはね返り防止部材が設けられている、と記載されている。
この収納時保持装置は、固定側レール(アウターレール)の後端に固定されて、移動側レール(インナーレール)を固定側レール(アウターレール)内に収納した時に、移動側レール後端に立設している移動側移動時ストッパーを上下弾性保持部で挟んで保持することにより、この挟んで保持するバネ力の及ぶ範囲内で移動側レールの引き出し方向の移動を規制するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このスライドレールの収納時保持装置では、移動側移動時ストッパーを保持する位置が収納終端位置に極めて近い位置にあり、しかも、移動側レールの収納方向に向けた押し操作を収納終端位置まで完全に行なわなければ、前記ストッパーが上下係止突部間を越えることができない。
このため、このスライドレールをスチール家具の引き出し部の支持に用いた場合、引き出し部が軽量な場合には、引き出し部を最後まで押し入れるのを確認しなければ前記ストッパーが上下係止突部間の前面に当たったままで止まり、引き出し部が完全に閉まらないことがあった。
また、スライドレールは引き出し部の両側に対応したスチール家具内に各1組取り付けられるが、この従来技術によるスライドレールでは、スチール家具の製造時に左右各組のスライドレールの前後位置を正確に揃えて取り付けないと、収納時保持装置の一方が機能しなくなり、或いは機能し難い状態になるが、このように正確に取り付ける作業には時間を要する。
また、上記保持装置は、上下係止突部間からストッパーの収納方向の終端位置までの間隔がほとんど無いため、引き出しの収納動作に勢いがあると、収納時の跳ね返りによる影響を強く受けて、一旦保持装置内に入ったストッパーが手前方向に抜け外れてしまうことがある。このような事態になるの防ぐためには、上下係止突部による挟み付けの力を強くするなどの対応が考えられるが、このようにすると、ストッパーが上下係止突部間の前面に接当した位置で止まり易くなるという上述した問題が更に生じ易くなる。
【0005】
本発明は、スチール家具の引き出し部を円滑開閉自在に支持する基本的な機能に加えて、インナーレールが収納終端位置近くまで戻ると、インナーレールを係止して収納終端位置までバネ力で引き込みを行なってインナーレールを収納するときに生じる引き出し部の跳ね返り、運搬時における家具の傾きによる引き出し、地震の時の振れによる引き出しなどが生じるのを防ぎ、インナーレールの引き出し長さが所定の長さを超えると引き込みを行なっていた係止が外れ、左右のスライドレールの取り付け位置に前後方向に若干の誤差が生じてもその誤差に影響されない引き込み機能付スライドレールを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成する請求項1に記載の引き込み機能付スライドレールは、インナーレールがアウターレールに進退自在に組み付けられたスライドレール本体において、アウターレールの後端部の内側にインナーレールの引き込み装置が設けられ、インナーレールの後端部に該レールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部が設けられており、前記引き込み装置は、ガイド部材の内側の手前側に位置する係合ピンをスライド部材とともに前後方向にスライド自在に支持されて、これらがガイド部材に内側に設けられているコイルバネによって後方に付勢されており、インナーレールを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンの先端部に係合してインナーレールを収納終端位置まで引き込み、一定以上の長さにインナーレールを引き出すと、双方の係合が外れて、スライド部材と係合ピンを手前側に係止させる構成を有する。
【0007】
本発明の引き込み機能付スライドレールは、その使用において、インナーレールをアウターレール内から前方に長く引き出した状態にあるときには、係合ピンはスライド部材とともにガイド部材内の前端に係止されて、係合部材と係合ピンの係合は解除された状態にある。このため、インナーレールは円滑に引き出し可能な状態にある。そして、インナーレールを収納終端位置近くまで収納させると、係合部材が係合ピンと係合し、上記係止が外れ、コイルバネの付勢力によって、係合ピンに係合している係合部材をインナーレールとともに収納終端位置まで引き込む。そして、引き出されていたインナーレールを収納終端位置の近くまで収納方向にスライドさせると、上記係合が行なわれて上記係止が外れ、インナーレールを収納終端位置まで引き込む。そして、収納終端位置に達したインナーレールにはコイルバネによる付勢力が作用しているため、不用意に引き出されたりしない。この請求項1では、上記係止及びその解除構造は特に限定しない。
このようにインナーレールの引き込みは、このように収納に向けた移動の終端近くの途中から行なわれるので、確実な引き込みができる。
なお、スライド部材がガイド部材内の先端に当接していなくても、その手前の位置でも引き付け力が加わっているため、スライドレールをスチール家具に取り付けるときに、左右のスライドレールの前後方向の取り付け位置に多少のズレがあっても、左右のスライドレールの引き込み機能は十分に働く。
【0008】
次に挙げる請求項2に記載の発明は、上記引き込み装置の構造を更に具体化しており、引き込み装置は、アウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状を有し、その中央横方向に長孔を有すると共に該長孔の前端に折曲口を有し、該長孔の途中部から後端近傍に至る片側の縁部が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能な弾撥片にて形成されたガイド部材の内側に、当該長孔と交差する方向に短尺長孔が形成された板面を有するスライド部材が前後方向にスライド自在に支持されて、該スライド部材がバネによって後方に付勢され、更に軸中央に鍔部を有する係合ピンをガイド部材とスライド部材の間に該鍔部を挟んだ状態で、該ピンの一方の先端部分を前記長孔内に突入させ、他方の先端部分を前記短尺長孔内から外方向に突出させて組み付けられたもので構成されている引き込み装置は、アウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状を有し、その中央横方向に長孔を有すると共に該長孔の前端に折曲口を有し、該長孔の途中部から後端近傍に至る片側の縁部が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能な弾撥片にて形成されたガイド部材の内側に、当該長孔と交差する方向に短尺長孔が形成された板面を有するスライド部材が前後方向にスライド自在に支持されて、該スライド部材がバネによって後方に付勢され、更に軸中央に鍔部を有する係合ピンをガイド部材とスライド部材の間に該鍔部を挟んだ状態で、該ピンの一方の先端部分を前記長孔内に突入させ、他方の先端部分を前記短尺長孔内から外方向に突出させて組み付けられたもので構成されている。
【0009】
引き込み装置をこのように構成すると、インナーレールが引き出される動きに連れて、係合ピンはスライド部材とともに長孔の前端まで達し、係合ピンは係合部の湾曲部の斜め方向に向いた縁で押された状態で長孔前端の折曲口内に入る。この係合ピンの移動はスライド部材の短尺長孔の範囲内で行なわれる。このようにして、係合部材と係止ピンとの係合が解除され、係合ピンが折曲口に止まることによる係止が行なわれる。このような状態はインナーレールの引き出しによって自然に行なわれ、その詳しい説明は後述する。
そして、引き出していたインナーレールを収納方向に移動させると、その過程で係合部材先端の湾曲部の入口から係合ピンの先端部を進入させ、更なるインナーレールの収納方向に向けた動きに伴って折曲口に位置する係合ピンは湾曲部内の側壁に押されて深く突入する。これにより、係合ピンと係合部材とが係合する。このため、湾曲部の入口はインナーレールのスライドにより折曲口に重なる位置にある。このようにして湾曲部の終端位置に至る係合ピンの突入により、該ピンが折曲口内から長孔内に移動すると、係合ピンはスライド部材に加わっているバネによる付勢力によってスライド部材とともに収納方向に引き付けられる。
【0010】
インナーレールに引き出す方向の力を与えると、係合部材の湾曲部に係合している係合ピンがバネ力に抗してスライド部材を引き連れて前記長孔の先端まで達し、この位置で係合ピンは湾曲部の側縁で押されて折曲口内に移動し、係合ピンと係合部とによる係合が外れる。このため、更なるインナーレールの引き出しは円滑に行なわれる。
【0011】
このように、インナーレールを一定以上引き出すと、係合ピンが長孔から折曲口内に送られて、折曲口内で止まるが、本発明のスライドレールをスチール家具に取り付ける際に、インナーレールが引き出された状態で、係合ピンが折曲口から長孔の先端に位置しているときには、インナーレールを収納終端位置まで押しつけて湾曲部先端の傾斜部に沿って係合ピンを湾曲部内に押し込む。この押し込みは、湾曲部の入口と長孔がオフセットした位置にあるため、係合ピンを湾曲部の入口に移動させる必要があり、このため、長孔内の片側側壁を形成している弾撥片が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能になっている。
【0012】
上述したように、スライド部材はガイド部材内で前後方向に移動可能に組み付けられており、しかもバネも一体となって組み付けられているため、円滑なスライドが行なわれ、スライド部材の安定した姿勢が確保できる、また、アウターレールへの取り付けも容易になる。引き込み装置はアウターレールの先端部内側に圧入により装着され、その抜け止めはアウターレール先端縁に形成した突起を引き込み装置に係止させ、或いはビス止めなどによって行なわれる。
【0013】
次の請求項3に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、請求項1又は2に記載の構成において、インナーレールの先端部分が低段部にて形成され、前記係合部が該低段部分の先端に形成されている。
【0014】
係合部はインナーレールの先端部分にプレスによって形成されている。インナーレールの先端部分を低段部にしたのは係合ピンの先端部を不必要に長く形成しなくても係合できるようにするためであり、このようにすると、係合ピンの折れたりしない。また、プレス成形により、製造コストを抑えることができる。
【0015】
次の請求項4に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、上記何れかの構成に加え、前記係合部がインナーレールの先端部分の背面側に装着した板片で構成されている。
【0016】
このようにインナーレールの先端部分の内側に係合部が形成された板片を装着してもよい。このようにすると、市販のインナーレールを大きな加工しなくてもそのまま利用できる。
【0017】
次の請求項5に記載の引き込み機能を備えたスライドレールでは、上記何れかの構成に加え、ガイド部材の前端に、中間レールの先端を収納終端位置で止める弓状のクッション部が一体形成されたものになっている。
【0018】
このようにクッション部を設けると、中間レールの収納終端位置での位置決めができ、収納時に生じ易い衝撃音が抑えられる。しかも、ガイド部材にクッション部を形成すると、独立した構造のクッション部を設ける必要がなくなり、製造コストを抑えることができる。さらに、このクッションを弓形で形成することによりガイド部材と一体形成でき、この場合のガイド部材は若干弾力のある合成樹脂、例えば、ポリアセタール又はナイロン樹脂を素材とするものが該当する。
【0019】
次の請求項6に記載の引き込み機能を備えたスライドレールは、上記何れかの構成を有するスライドレール本体が、アウターレールとインナーレールの間に中間レールをスライド自在に備えた2段引き出し構造のもので構成されている
【0020】
このような2段引き出し構造のスライドレールについても上述した引き込み機能を備えることができる。このようにすると、特に、地震のときに引き出し部が大きく引き出ることによるスチール家具の倒壊を防ぐことができる。この3段引き出し構造の場合でも、本発明のストッパー構造は前述したものと同じ構造のものが用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明による引き込み機能付スライドレールの具体的な実施の形態を、本発明者が試作したものを例に挙げ、添付の図面に沿って詳述する。
図1は本発明の1実施形態による引き込み機能付スライドレールを簡略して示した図であり、図2はスライドレール本体の拡大側面図である。
これら各図に示す本発明の実施形態による引き込み機能付スライドレールは(以下、本発明のスライドレールと略称する)1は、断面形状が略C形状を有するアウターレール2内側に、支持体3で支持されたボールベアリング4を介して断面形状が略C形状を有する中間レール5がスライド自在に支持され、更に、該中間レール5の内側に、支持体6で支持されたボールベアリング7を介して断面形状が略C形状を有するインナーレール8がスライド自在に支持された2段引き出し構造をもつスライドレール本体9に、引き込み装置10と、インナーレール8の先端に係合部8bが形成され、或いはインナーレール8の先端に係合部材20が取り付けられたもので構成されている。
【0022】
図3の(a)は引き込み装置10の正面図、(b)は底面断面図(c)は同じく側面拡大断面図である。これら各図に示すように引き込み装置10は、ガイド部材11と、スライド部材12と、係合ピン13と、2本のコイルバネ14,14と、コイルバネ14,14の支持ピン15,15とが組み付けられたもので構成されている。
続いて引き込み装置10を構成する各単品について説明する。
【0023】
図4の(a)はガイド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。これら各図に示すように、ガイド部材11は、背面から上下曲面に至る形状がアウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状をもつ外形を有し、中央の板面11aには横方向に長孔11bが形成され、長孔11bの前端に上方(又は下方)に折曲した折曲口11cが形成され、該長孔11cの途中部から後部に至る上方(又は下方)の側壁が後方に向けて突出させた弾撥突起11dにて形成され、弾撥突起11dの上方(又は下方)には長孔11bの後端と連続する略三角形状の開口11eが形成され、更に、板面11aの上端及び下端と長孔11bとの間の板面部分の表面側には前後方向に突条11f,11fが形成され、上方の突条11fの上側と下方の突条11fの下側に前後方向に向けたガイド孔11g,11gが形成され、板面11aの上端及び下端近傍の前後壁面に支持ピンをカシメ入れるピン孔11h,11h・・が形成され、更に板面11aの後端近傍個所にアウターレール側から突出させた係止片を突入させる係止孔11jが形成され、板面11aの前端に弓形のクッション部11kが一体形成されたポリアセタール樹脂の一体成形品である。
【0024】
図5の(a)はスライド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は同じく側面断面図である。これら各図に示すように、スライド部材12は、板面12aの中央に上下に向けて短尺長孔12bが形成され、板面12aの上端及び下端にはピン孔又はピンを挿通させる切欠きを有するバネ受け12c,12cを後端に設けた半円弧状のバネガイド部12e,12eが後端を突出させて一体形成され、板面12aの上端及び下端近傍の背面部分が前記突条11f,11fに沿って嵌まる段部12d,12dが形成され、該段部12d,12dの背面には前記ガイド孔11g,11gに係合するL形の爪12f,12fが形成されたポリアセタール樹脂の一体成形品である。
【0025】
図6の(a)は係合ピン13の正面図、(b)は側面図であり、これら各図に示すように、係合ピン13は、ピン本体13aの略軸中央に鍔部13bが形成され、ピン本体14aの一端が若干長く形成されたポリアセタール樹脂製の一体成形品が用いられている
図7はコイルバネ14,14を示しており、該コイルバネ14,14は、圧縮に対して弾撥力を保有し、図4の(a)に示すガイド部材11内の前後方向に向けた長さ若しくはそれよりも若干長い長さを有する弾撥力の強いステンレス製のものが用いられている。
図8の(b)は支持ピン15,15を示しており、該支持ピン15,15は、図4の(a)に示すガイド部材11の前後長さと同じ長さを有し、コイルバネ14,14の内径よりも若干細い径をもつ金属製のものが用いられている。
【0026】
次に、引き込み装置10を構成する上記各部の組み付け方法と組付構造を図3の(a)〜(c)をもとに説明する。
その組み付けは、係合ピン13の短い方のピン先をガイド部材11の長孔11b内に突入させ、該ピン13の鍔部13bをガイド部材11の板面11aに沿わせた状態で、スライド部材12をバネガイド部12e,12eを後端に向けてガイド部材11の正面側に重ね合わせて、係合ピン13の長い方のピン先をスライド部材12中央の短尺長孔12b内から手前(外)方向に突出させ、続いて、スライド部材12の背面側に突出している爪12e,12eの先端をガイド部材11のガイド孔11g,11g内に嵌め付けて係合させる。なお、爪12f,12fは、ポリアセタール樹脂が若干の柔軟性を有しているため、爪12f,12fの先端を若干広げながら強く押し込むことにより上記係合が可能となる。更に続いて、スライド部材12のバネガイド部12e,12内にコイルバネ14,14の一部を入れながらガイド部材11の一端外側から支持ピン15,15をバネガイド部12e,12e内に向けて突入させ、コイルバネ14,14内に通し、ガイド部材11の他端に突入させる方法でカシメ入れる。
なお、スライド部材12後端のピン孔12d,12dに代わり円弧状の切り欠きが形成されている場合には、先に支持ピン15,15とコイルバネ14,14をガイド部材11内に取り付け、その後でスライド部材12をガイド部材11に取り付ける。
【0027】
以上の手順で引き込み装置10の組み付けは終了する。このようにして組み付けられた引き込み装置10は、図3の(a)に示すように、コイルバネ14,14の一端がガイド部材11内前端の壁面に当接し、他端がスライド部材12のバネ受け12c,12cに当接して、コイルバネ14,14が有する弾撥力によってスライド部材12をガイド部材11内の先端に強く押し付けた状態になっており、このとき、係合ピン13の一方にピン先はガイド部材11の長孔11b内の後端に位置し、該ピンの他方のピン先はスライド部材12の短尺長孔12bの一端側に寄った位置から手前外側に突出している。このため、スライド部材12や手前側に突出しているピン先を手で押さえてガイド部材11の前端方向に強制的にスライドさせることができるが、手を放すとバネの付勢力によって勢いよく元の位置に復帰する。
また、支持ピン13とスライド部材12をスライドさせてピン先を長孔11b内の前端から折曲口11c内に入れると、係合ピン13はスライド部材12を伴ってこの位置で係止する。なお、ピン先を長孔11b内の前端方向に指先で操作すると、この係止が解除されて、スライド部材12と共に支持ピン13は図3の(a)に示す位置に付勢力を伴って移動する。引き込み装置10は以上のような動きを行なう。
【0028】
次に、引き込み装置10をアウターレールに装着する方法とその固定構造を説明する。
図9の(a)は引き込み装置10をアウターレール2の後端近傍の内側面に装着する直前の状態を示した正面図であり、(b)は装着後の状態を示した正面図である。図9の(a)に示すように、アウターレール2の後端の中央縁が若干手前側に係止片2aが切り上げられて形成されており、引き込み装置10を素材のもつ若干の柔軟性を利用して背面側が係止片2aで押し上げられた状態でアウターレール2の後端から内側面に圧入させる。このようにすると、図9の(b)に示すように、ガイド部材11の先端近くの係止孔11j内に係止片2aが突入し、引き込み装置10の抜け止めが図られる。
【0029】
次に、インナーレール8の先端部に形成された係合部について説明する。
図10の(a)はインナーレール8の先端部を示し、(b)はインナーレール8の先端部を側面から見た図である。これら各図に示すように、インナーレール8の先端部の板面部分は低段部8aにて形成されており、この低段部8aの先端には、係合ピン13の先端部分を突入させる湾曲部8bが中央斜め方向に形成され、該湾曲部8bの入口8cに係合ピンの先端部分を図3の(a)に示す湾曲部20b内に突入させて係合させ易くするための傾斜部8dが形成されている。該傾斜部8dはインナーレール8の先端縁中央に位置し、入口8cはこの先端中央よりもオフセットした位置にある。このように形成した結果、湾曲部8bの終端部分の前方に突起部分20eが位置し、更にその前方に傾斜部8dが位置する。
【0030】
次に、インナーレール8のスライドにより係合部材8aと引き込み装置10とが係合してインナーレール8を収納方向に引き付ける、引き付け機能とその解除について説明する。
図11の(a)は本発明のスライドレール1をインナーレール8が収納位置にある状態を示した正面図であり、(b)は同じくその側面拡大断面図である。
図11の(a)に示すように、インナーレール8が収納位置にあるときには、係合ピン13は湾曲部8bの終端位置に係合した状態で長孔11b内の先端に位置し、この位置でコイルバネ14,14によって引き込み方向に押し付けられている。このため、インナーレール8は、引き出す方向の外圧を与えない限り、自然に引き出ることはない。また、インナーレール8の収納による跳ね返りも生じない。
図12の(a)図はインナーレール8を引き出した状態を示した正面図である。このようにインナーレール8を引き出すと、係合部8aに係合している係合ピン13はスライド部材12を引き連れて長孔11bに沿って引き出し方向に移動し、係合ピン13が長孔11bの前端まで達し、係合ピン13が湾曲部8bの傾斜に沿って折曲部11c内に押されるように移動して、該ピン13は折曲口11c内に乗り上げて止まる。このようになると、係合ピン13は湾曲部8bの入口8cまで移動しており、インナーレール8を更に引き出すと、係合部8aと係合ピン13の係合が外れて、インナーレール8を円滑に引き出すことができる。
なお、図12の(b)に示すように、インナーレール8を収納方向にスライドさせると、その途中で、係合ピン13のピン先が湾曲部8b内に押し入れられて、係合部8aと係合ピン13とが係合し、更にインナーレール8の収納方向に向けた動きによって、係合ピン13を長孔11bの前端まで案内し、この状態になると、コイルバネ14,14の付勢力によって、スライド部材12と共にインナーレール8を収納終端位置まで引き込む。
【0031】
次に、インナーレール8の先端部に係合部材20を装着したものについて説明する。
図13の(a)は係合部材20をインナーレール8の先端に装着した状態を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材20を装着したインナーレール8を後端から見た図である。これら各図に示すように、係合部材20は、矩形を有する肉厚の板材20aの先端に、係合ピン13のピン先を突入させる湾曲部20bが板材20aの中央方向に傾斜した向きで形成され、該湾曲部20bの入口20cに該ピン先を湾曲部20b内に突入させて係合させ易くするための傾斜部20dが形成されたポリアセタール樹脂製のものであり、インナーレール8が収納終端位置にあるときの係合は図14の(a)及び(b)に示す通りであり、図11の(a)及び(b)に示す係合と同じ係合による引き込み機能を有する。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明の引き込み機能付スライドレールとしたことによって、インナーレールが収納終端位置近くまで戻ると、インナーレールを収納終端位置までバネ力で引き込みを行なって収納終端位置まで引き込むことができるようになった。この結果、インナーレールの収納終端位置での跳ね返りを防ぐことができる。また、インナーレールが自然に引き出されるのを防ぐことができる。このような引き込み機能を有する本発明の引き込み機能付きスライドレールを、スチール家具の引き出し部の支持に用いると、引き出し部の収納時の跳ね返り、運搬時における家具の傾きによる引き出し、地震の時の振れによる引き出しなどを防ぐことができるようになった。
【0033】
特に、本発明の引き込み機能を備えたスライドレールでは、アウターレールに装着した引き込み装置に係合するインナーレール側の係合部をインナーレールの先端部にプレス成形によって形成した結果、製造コスト及び組み付けコストを抑えることができ、故障も少なくなった。
【0034】
また、ガイド部材内にスライド部材とコイルバネとを組み付けたことによって、スライド部材を円滑にスライドさせることができ、引き込み装置がコンパクトな形状にでき、引き込み装置全体の構造を丈夫なものにすることができるようになった。
【0035】
また、ガイド部材の前端に弓状のクッション部を一体形成したことによって、中間レールの収納終端位置で発生する接当による衝撃や衝撃音を抑えることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発の1実施形態による引き込み機能付スライドレールを簡略して示した図である。
【図2】スライドレール本体の拡大側面図である。。
【図3】(a)は引き込み装置10の正面図、(b)は底面断面図(c)は同じく側面拡大断面図である。
【図4】(a)はガイド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図(a)である。
【図5】(a)はスライド部材の正面図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は同じく側面断面図である。
【図6】(a)は係合ピンの正面図、(b)は側面図である。
【図7】コイルバネを示した図である。
【図8】支持ピンを示した図である。
【図9】(a)は引き込み装置をアウターレールの後端近傍の内側面に装着する直前の状態を示した正面図であり、(b)は装着後の状態を示した正面図である。
【図10】(a)は係合部材をインナーレールの先端に装着した状態を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材を装着したインナーレールを後端から見た図である。
【図11】(a)は本発明のスライドレールをインナーレールが収納位置にある状態を示した正面図であり、(b)は同じくその側面拡大断面図である。
【図12】(a)はインナーレールを引き出した状態を示した正面図であり、(b)は同じくインナーレールを収納する途中の状態を示した図である。
【図13】(a)は係合部材を一部破断して示した図であり、(b)は係合部材を後端から見た図である。
【図14】(a)はインナーレールが収納終端位置にあるときの図であり、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
1 引き込み機能付スライドレール
2 アウターレール
5 中間レール
8 インナーレール
8A 係合部
8a 低段部
8b 湾曲部
8c 入口
8d 傾斜部
9 スライドレール本体
10 引き込み装置
11 ガイド部材
11b 長孔
11c 折曲口
11d 弾撥突起
11f 突条
11g ガイド孔
11k クッション部
12 スライド部材
12b 短尺長孔
12c バネガイド部
12d 段部
12e 爪
13 係合ピン
14 コイルバネ
20 係合部材
20b 湾曲部
20c 入口
20d 傾斜部
Claims (6)
- インナーレールがアウターレールに進退自在に組み付けられたスライドレール本体において、
アウターレールの後端部の内側にインナーレールの引き込み装置が設けられ、インナーレールの後端部に該レールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部が設けられており、前記引き込み装置は、ガイド部材の内側の手前側に位置する係合ピンをスライド部材とともに前後方向にスライド自在に支持されて、これらがガイド部材に内側に設けられているコイルバネによって後方に付勢されており、インナーレールを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンの先端部に係合してインナーレールを収納終端位置まで引き込み、一定以上の長さにインナーレールを引き出すと、双方の係合が外れて、スライド部材と係合ピンを手前側に係止させる構成を有していることを特徴とする引き込み機能付スライドレール。 - 引き込み装置は、アウターレールの終端近傍の内側面に沿う形状を有し、その中央横方向に長孔を有すると共に該長孔の前端に折曲口を有し、該長孔の途中部から後端近傍に至る片側の縁部が押圧により弾撥力を伴って長孔が広がる方向に後退可能な弾撥片にて形成されたガイド部材の内側に、当該長孔と交差する方向に短尺長孔が形成された板面を有するスライド部材が前後方向にスライド自在に支持されて、該スライド部材がバネによって後方に付勢され、更に軸中央に鍔部を有する係合ピンをガイド部材とスライド部材の間に該鍔部を挟んだ状態で、該ピンの一方の先端部分を前記長孔内に突入させ、他方の先端部分を前記短尺長孔内から外方向に突出させて組み付けられたもので構成されている請求項1に記載の引き込み機能付スライドレール。
- 係合部は、インナーレールの先端部に形成した低段部に、前記係合ピンの先端部分を係合させる湾曲部が斜め方向に形成され、該湾曲部の入口の片側縁が傾斜部で形成されたものからなる請求項1又は2に記載のスライドレール。
- 係合部は、インナーレールの先端部の背面側に装着した板片に、前記係合ピンの先端部分を係合させる湾曲部が斜め方向に形成され、該湾曲部の入口の片側縁が傾斜部で形成されたものからなる請求項1又は2に記載のスライドレール。
- ガイド部材の前端に、中間レールの先端を収納終端位置で止める弓状のクッション部が一体形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の引き込み機能を備えたスライドレール。
- スライドレール本体がアウターレールとインナーレールの間に中間レールをスライド自在に備えた2段引き出し構造のもので構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の引き込み機能を備えたスライドレール。
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- 2003-02-07 JP JP2003031335A patent/JP2004236973A/ja active Pending
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