JP2004236536A - 多孔状チョコレート食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多孔状チョコレート食品の製造方法は、水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水からなる含泡物に、カルシウム塩を加えて攪拌後、チョコレートを加えて凝固物を得ることからなる。カルシウム塩としては、硫酸カルシウムなどが使用される。本発明により得られる多孔状チョコレート食品は、含泡状で空隙率が高いので、口どけがよく、従来のチョコレート含有食品にはないような、極めて軽い食感を呈するという特長を有する。
Description
【産業上の利用分野】
本発明は多孔状チョコレート食品(含泡状チョコレート食品)の製造方法に関し、より詳細には、新規な形態及び食感を有する多孔状チョコレート食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
古くから、チョコレートは、お菓子として又は洋菓子素材などとして広く利用されてきている。
しかし、チョコレートを用いた従来のお菓子としては、板状のもの、チョコレートに種実、果実、酒類、キャンデーなどを詰めたもの、種実、果実、ゼリー、ウエハース、マシュマロなどをチョコレートで被覆したものなどが知られている。しかし、このような製品は古くから食されており、風味・食感が画一的であり、新たな風味・食感を有するチョコレート食品が要望されている。
本発明は係る問題点を解消するためになされたものであり、チョコレートをアルギン酸カルシウムで含泡状に凝固させることにより、新たな風味・食感を付与するものである。
食品へのアルギン酸塩の使用としては、おからをアルギン酸カルシウムで凝固させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−8196号公報
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の多孔状チョコレート食品の製造方法は、水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水からなる含泡物に、カルシウム塩を加えて攪拌後、チョコレート生地を加えて凝固物を得ることからなる。
本発明の方法に関し、水溶性アルギン酸塩、チョコレート生地、起泡剤及び水からなる含泡物に、カルシウム塩を加えて凝固物を得る方法を採用した場合、含泡物中のチョコレート含量が高いと含泡物の流動性が悪いので、未反応のカルシウム塩が凝固物中に残存し、得られた多孔状チョコレート食品が苦味を呈することがある。
係る問題点を回避するため、本発明においては、水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水からなる含泡物に、カルシウム塩を加えて反応をある程度進行させた後、チョコレート生地を添加して凝固物を得ている。この方法によれば、未反応のカルシウム塩の残量が少ないので苦味の問題を解消することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は上記の構成からなり、含泡物中の水溶性アルギン酸塩が、カルシウム塩により、水不溶性のアルギン酸カルシウムに変換され、チョコレートなどの成分はアルギン酸カルシウムで被包された状態で凝固し、含泡状で安定な組織化物となり、多孔状チョコレート食品が得られる。
【0006】
上記の構成からなる本発明において、水溶性アルギン酸塩としては、水溶性のアルギン酸塩であればいずれのものも使用できるが、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられ、通常はアルギン酸ナトリウムが使用される。
【0007】
起泡剤としては、食品分野で使用されている各種の起泡剤を用いることができるが、起泡力が優れていることから、好ましくは大豆蛋白系起泡剤が使用される。係る大豆蛋白系起泡剤としては、例えば、フジプロCLE(商品名、不二製油社製)、バーサホイップ(商品名、バーサ社製)などが挙げられる。
【0008】
カルシウム塩としては、例えば、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウムなどが例示できる。
カルシウム塩としては、水に難溶性の塩が好ましく、水溶性カルシウム塩を用いると凝固が急速に進行し過ぎ、制御が難しくなるおそれがある。
【0009】
チョコレート生地は、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ又はココアパダー及び糖質を原料とし、乳製品、植物油脂、香料などを加えて混合、微粒子化、精練等の工程を経て製造したもので、通常、ココア分35%以上、総脂肪18%以上、無脂ココア固形分6%以上、蔗糖分35〜62%、水分3%以下のものが例示される。なお、チョコレート生地は、スィートチョコなどとも称され、市販品を使用することができる。
また、本発明においては、チョコレート生地は、ミルクチョコレート生地及びホワイトチョコレート生地をも含む概念である。ミルクチョコレートは、通常、ココア分21%以上、総脂肪21%以上、乳脂肪分3%以上、無脂ココア固形分3%以上、無脂乳固形分11%以上、蔗糖分35〜55%、水分3%以下のものが例示される。また、ホワイトチョコレートは、上記の組成のおいて、無脂ココア固形分が3%以下で、色相が白色又は白色に近いものが例示される。
【0010】
本発明においては、まず水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水を含む含泡物を調製する。係る含泡物の調製には種々の調製方法が採用できるが、好ましくは、水に水溶性アルギン酸塩及び起泡剤を添加して激しく攪拌し、当初体積の3〜4倍程度に起泡させ含泡物を調製する。
【0011】
上記の含泡物中における水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水の配合比に関し、水溶性アルギン酸塩は、水100重量部に対して1〜6重量部程度、好ましくは2〜5重量部程度、より好ましくは3〜4重量部程度に調整される。アルギン酸塩が1重量部未満では凝固が不足し、また6重量部を超えると凝固が過多になり硬い食感を呈するおそれがある。
【0012】
起泡剤の配合量は含泡物を調製し得る量であれば特に限定はされないが、通常、水100重量部に対して0.3〜5重量部程度、好ましくは0.5〜2.5重量部程度、より好ましくは0.8〜1.2重量部程度に調整され、0.3重量部未満では起泡が不足し、また5重量部程度で目的を達成できるのでそれ以上添加する必要はない。
【0013】
次いで、上記で調製された含泡物に、攪拌下、カルシウム塩の水分散液又は溶液を添加してアルギン酸塩と反応させる。
カルシウム塩の使用量は、アルギン酸カルシウム凝固物が調製できる量であればよく、通常、使用するアルギン酸塩に対して化学当量程度が使用されるが、この量に特に限定されるものではない。
前述のようにカルシウム塩としては、水に難溶性の塩が好ましく、水溶性カルシウム塩を用いると凝固が急速に進行し過ぎ、制御が難しくなるおそれがある。
【0014】
カルシウム塩を添加した含泡物には、攪拌下、チョコレート生地を添加して十分に混練する。チョコレート生地は、加温して流動性を有する状態で添加することが好ましい。チョコレート生地には、前述のように、ミルクチョコレート生地及びホワイトチョコレート生地が包含される。
チョコレート生地の添加量は、水100重量部に対して30〜300重量部程度、好ましくは50〜250重量部程度、より好ましくは60〜220重量部程度に調整され、30重量部未満ではチョコレート食品としての食感及び風味に欠けるおそれがあり、また300重量部を超えると混合物の流動性が悪く混練が困難になるおそれがある。
【0015】
なお、上記のチョコレート生地の添加に際して、チョコレート生地の流動性をよくするため、チョコレート生地を湯で希釈したチョコベースを使用するのが好ましい。更に、安定な乳化状態を維持するために、レシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン等)を添加するのが好ましい。
チョコベースの例としては、チョコレート生地240重量部に湯120重量部及び大豆レシチン乳化剤4重量部を添加し、攪拌したものが挙げられるが、チョコレート生地に流動性を付与できる限り、この例に限定されるものではない。
【00016】
更に、得られた食品の食感、風味、栄養などを改善するため、所望により種々の慣用の各種の添加物(例えば、食塩、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダ、グアニル酸ソーダ、砂糖、スィートオリゴ、オリゴ糖蜜液等の調味料、クエン酸、リンゴ酸等の酸味剤、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK等のビタミン類、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、グルコン酸銅、硫酸銅等のミネラル類、トレハロース、ソルビトール、グリセリン等の保湿剤、柚子フレーバー等の香料、色素、食物繊維等)が例示できる。
係る成分は、上記の含泡物の調製に際して、当初の含泡物の調製の際、チョコレート生地を添加する際など適宜な時期に加えることができる。
なお、上記の各種成分を添加した後における含泡物において、非水成分(水以外の成分をいう)の含量は、全重量に対して30〜60wt%程度、好ましくは35〜55wt%程度に調整される。非水成分含量が30wt%未満では食感が劣るおそれがあり、60wt%を超えると流動性などの作業性に問題を生じるおそれがある。
【0017】
チョコレート生地を添加した後の含泡物は、攪拌後、成形容器に充填し静置して凝固させて、所望の形状に切断することにより、本発明の多孔状チョコレート食品が得られる。
また、当該含泡物を、流動性のあるうちに包装容器に充填し、充填後、容器を密封し、凝固させることにより、包装された多孔状チョコレート食品を得ることができる。
【0018】
本発明の方法で得られる多孔状チョコレート食品は、弾力に富んだ柔らかな含泡状のチョコレート凝固物で、そのまま食されたり、または従来のチョコレートと同様に洋菓子素材として好適に利用され、従来のチョコレート含有食品より軽い食感を具有するという特長を有する。
また、冷凍・冷蔵保存が可能であり、更にアルギン酸カルシウム凝固物であるから耐熱性をも有する。従って、食品素材などとしても広く利用することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の方法により得られる多孔状チョコレート食品は含泡状の凝固物であり、含泡状で空隙率が高いので、口どけがよく、従来のチョコレート含有食品にはないような、極めて軽い食感を呈するという特長を有する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0021】
実施例1
水300gにアルギン酸ナトリウム10gを溶解し、ここに起泡剤(フジプロCLE)3g及びグラニュー糖20gを添加し、激しく撹拌して起泡させた。この含泡物に、硫酸カルシウム3.5gの水懸濁液(20ml)を加えて攪拌した後、チョコベース600gを加え、攪拌後、成形容器に移し、静置して凝固させ、本発明の多孔状チョコレート食品を得た。なお、チョコベースは、市販チョコレート生地240重量部に湯120重量部及び大豆レシチン乳化剤4重量部の割合で添加し、攪拌したものである。
得られた多孔状チョコレート食品は、柔らかで、含泡状態を維持した食品であり、従来のチョコレート食品より軽い食感を有していた。
【0022】
実施例2〜6
表1に示される原料を用いて、実施例1と同様な方法で多孔状チョコレート食品を調製した。
【0023】
Claims (2)
- 水溶性アルギン酸塩、起泡剤及び水からなる含泡物に、カルシウム塩を加えて攪拌後、チョコレート生地を加えて凝固物を得ることを特徴とする多孔状チョコレート食品の製造方法。
- 起泡剤が大豆蛋白系起泡剤である請求項1記載の多孔状チョコレート食品の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005143437A (ja) * | 2003-11-18 | 2005-06-09 | Shichiro Niwano | 大豆蛋白質含有含泡状食品及びその製造方法 |
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