JP2004235906A - デュアルバンド発振器 - Google Patents

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Masato Matsushita
正人 松下
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Abstract

【課題】2つの異なる発振周波数帯を単一のストリップラインによって整合をとることが可能な、小型で簡素な構成のデュアルバンド発振器を提供する。
【解決手段】異なる周波数f,f(f<f)の発振信号を出力する2個の発振回路部7を共通のバッファトランジスタTR1に接続するとともに、該バッファトランジスタTR1の出力側に所定の通過帯域を有する整合回路5を接続してなり、前記発振回路部7からの発振信号を前記バッファトランジスタTR1で増幅し、これを前記整合回路5で不要な信号を除去して外部へ出力するようにしたデュアルバンド発振器1であって、前記整合回路5は、単一のストリップラインL1を有し、且つ通過帯域が前記2個の発振回路部7より出力される双方の発振信号の周波数f,fを含むように設定されており、更に前記2個の発振回路部7のうち、低い周波数fの発振信号を出力する発振回路部7の内部に発振信号の高調波成分を除去するローパスフィルタ6を設ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種高周波装置に搭載される電圧制御型発振器に関し、特に、発振周波数として、互いに異なる2つの周波数を切り換えて動作するデュアルバンド発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデュアルバンド発振器の構成を、図3を用いて説明する。図3において、100はデュアルバンド発振器であり、共振回路200A、B、負性抵抗回路300A、B、バッファ回路部400および整合回路500、スイッチング回路600、発振回路部700A、Bを備えてなる。
【0003】
このうち、共振回路200A、Bは、互いに異なる2つの周波数のいずれかを選択し、その選択された周波数で共振された信号を出力する回路である。共振回路200A、Bの具体的な回路構成は、同軸共振素子やストリップライン等の共振線路、制御電圧Vcが印加されるバリキャップダイオードDv等からなり、例えば、互いに異なる共振周波数で共振する2つの共振回路からなり、どちらか一方の共振回路を選択して駆動し、2つの周波数信号を切り換えて出力するものがある。
【0004】
また、その他に、インダクタおよびコンデンサを備え、これらの素子に発生するインダクタンスまたは容量を調整することにより、合成インピーダンスを調整し、互いに異なる2つの周波数信号を切り換えて出力するものがある。
【0005】
また、負性抵抗回路300の具体的な回路構成は、発振トランジスタTR2と、発振トランジスタTR2のベース−エミッタ端子間に接続されるコンデンサとを備える。発振トランジスタTR2のエミッタ端子はコンデンサを介して接地される。バッファ回路部400の具体的な回路構成は、バッファトランジスタTR1と整合回路500を備えるものであり、バッファトランジスタTR1のコレクタ端子は、コンデンサを介して、出力端子Voutに接続される。整合回路500は、インダクタL100、インダクタL200及びコンデンサを備えてなるものであり、インダクタL200の一端はバッファ回路部400のバッファトランジスタTR1のコレクタ端子に接続され、インダクタL100の一端は電源電圧入力端子Vccに接続される。また、インダクタL100とインダクタL200間は、スイッチング回路600を介して接地される。そして、発振回路部700Aは共振回路200Aと負性抵抗回路300Aで構成され、発振回路部700Bは共振回路200Bと負性抵抗回路300Bで構成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−168324号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のデュアルバンド発振器においては、2つの異なる周波数帯の発振周波数を1つのバッファ回路部にて出力させる場合に、異なる周波数帯の出力レベル及び高調波レベル特性を満足させようとすると整合回路のストリップライン長を切り換えねばならず、その切り換えのためには切り換え用のスイッチング回路が必要であった。このスイッチング回路はスイッチングダイオード及び電流制限用の抵抗と直流カット用のコンデンサによって構成されており、これによって回路の小型化、低価格化が阻害されていた。
【0008】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、2つの異なる発振周波数帯を単一のストリップラインによって整合をとることが可能な、小型で簡素な構成のデュアルバンド発振器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のデュアルバンド発振器は、異なる周波数f,f(f<f)の発振信号を出力する2個の発振回路部を共通のバッファトランジスタに接続するとともに、該バッファトランジスタの出力側に所定の通過帯域を有する整合回路を接続してなり、前記発振回路部からの発振信号を前記バッファトランジスタで増幅し、これを前記整合回路で不要な信号を除去して外部へ出力するようにしたデュアルバンド発振器であって、前記整合回路は、単一のストリップラインを有し、且つ通過帯域が前記2個の発振回路部より出力される双方の発振信号の周波数f,fを含むように設定されており、更に前記2個の発振回路部のうち、低い周波数fの発振信号を出力する発振回路部の内部に発振信号の高調波成分を除去するローパスフィルタを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のデュアルバンド発振器は、前記整合回路の通過帯域の中心周波数が、双方の発振回路部より出力される2つの発振信号の周波数帯のほぼ中間に位置させてあることを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明のデュアルバンド発振器は、前記発振回路部が、共振回路、負性抵抗回路及び発振トランジスタから成ることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、異なる周波数f,f(f<f)の発振信号を出力する2個の発振回路部を有するデュアルバンド発振器の発振回路部のうち、低い周波数fの発振信号を出力する発振回路部の内部に発振信号の高調波成分を除去するローパスフィルタを設けたことことにより、整合回路を単一のストリップラインで構成することが可能となる。よって整合回路を切り換えるためのスイッチング回路等は不要となり、コンデンサ、バリキャップダイオード等のスイッチング回路を構成する部品の削減が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデュアルバンド発振器1の構成を示す回路図であり、同図に示すデュアルバンド発振器1は、制御電圧Vcが供給される共振回路2A、2Bと、負性抵抗回路3A、3Bと、バッファ回路部4、整合回路5と、ローパスフィルタ6と、発振回路部7A、7Bとで構成されている。
【0014】
前記共振回路2A、2Bは、同軸共振素子やストリップライン等の共振線路、制御電圧Vcが印加されるバリキャップダイオードDv、共振周波数を規定する共振回路とで構成される。
【0015】
前記負性抵抗回路3A、3Bは、発振トランジスタTR2、抵抗などを備え、共振回路2A、2Bとの発振条件を満たした周波数を安定して出力するための回路である。
【0016】
前記バッファ回路部4は、バッファトランジスタTR1、コンデンサなどを備え、外部回路との整合をとるための回路である。
【0017】
前記整合回路5は、同軸共振素子やストリップライン等の共振線路、コンデンサなどを備えている。
【0018】
前記ローパスフィルタ6は、周波数fの低い発振回路部7Aに設けられ、コンデンサとストリップライン等の共振線路で構成され、低い周波数fを通過させ、高い周波数fを阻止するように設定されている。
【0019】
前記発振回路部7Aは、共振回路2Aと負性抵抗回路3A及びローパスフィルタ6で構成され低い周波数fをバッファ回路部4へ出力するための回路である。
【0020】
前記発振回路部7Bは共振回路2Bと負性抵抗回路3Bで構成され高い周波数fをバッファ回路部4へ出力するための回路である。
【0021】
以上のような構成により、共振回路2A、2Bは所定の共振周波数で動作し、発振回路部7A、7Bとバッファ回路部4とによって、制御電圧Vcの印加に伴ない発振周波数の発振信号を出力する。
【0022】
より具体的には、発振回路部7Aでは低い周波数fの発振周波数のうち、ローパスフィルタ6により高調波成分を除去し基本波成分fのみ出力される。同様に発振回路部7Bでは高い周波数fの発振周波数が出力される。
【0023】
次に、本発明の特徴的な構成要素であるローパスフィルタ6とストリップラインL1について説明する。
【0024】
ローパスフィルタ6は、図1に示すように、発振回路部7A内に設けられており、所定誘電率の誘電体基板上に、例えばCuを主成分とする導電性ペーストの塗布及び焼成によって所定幅、所定長さに形成された厚膜導体膜6aから成っている。
【0025】
また、前記厚膜導体膜6aの両側にはコンデンサが接続され、該コンデンサの一端は接地されπ型のローパスフィルタ6を形成している。
【0026】
このようなローパスフィルタ6においては、厚膜導体膜6aの長さ及び両端のコンデンサの容量値を変えることでローパスフィルタの周波数特性を低い周波数fでは通過域となり高い周波数fでは阻止域となるように、厚膜導体膜6aの長さ及び両端のコンデンサの容量値を選択している。
【0027】
また、ストリップラインL1は図1に示すように、整合回路5内にあり、一端を電源電圧Vccに接続され、他端はバッファトランジスタTR1に接続されている。ストリップラインL1は、図2に示すようにストリップラインL1の中心周波数が、発振回路部7A、7Bより出力される2つの発振信号の周波数帯のほぼ中間に位置させてある。
【0028】
これにより、2つの発振信号における出力レベルを同一レベルとすることができる。
【0029】
また、上述した本実施形態のデュアルバンド発振器においては、発振回路部7Aに高調波成分fを阻止するローパスフィルタを設けて高調波成分fをカットしているため、高調波成分fが出力されることはない。
【0030】
更に、上述した本実施形態のデュアルバンド発振器においては、単一のストリップラインを備えた整合回路によって2つの周波数の整合をとるようにしているため、スイッチング回路が不要となり、スイッチング回路を構成していたコンデンサ、バリキャップダイオード等の部品削減が可能となり、またこれによって基板の実装面積を20パーセント削減することができる。
【0031】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、異なる周波数f,f(f<f)の発振信号を出力する2個の発振回路部を有するデュアルバンド発振器の発振回路部のうち、低い周波数fの発振信号を出力する発振回路部の内部に発振信号の高調波成分を除去するローパスフィルタを設けたことことにより、整合回路を単一のストリップラインで構成することが可能となる。よって整合回路を切り換えるためのスイッチング回路等は不要となり、コンデンサ、バリキャップダイオード等のスイッチング回路を構成する部品の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデュアルバンド発振器の等価回路図である。
【図2】本発明のデュアルバンド発振器の整合回路のストリップラインL1の周波数特性を示す特性図である。
【図3】従来のデュアルバンド発振器の等価回路図である。
【図4】従来のデュアルバンド発振器の整合回路のストリップラインの周波数特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・デュアルバンド発振器
2A、2B・・・共振回路
3A、3B・・・負性抵抗回路
4・・・バッファ回路部
5・・・整合回路
6・・・ローパスフィルタ
6a・・・厚膜導体膜
7A、7B・・・発振回路部
L1・・・ストリップライン

Claims (3)

  1. 異なる周波数f,f(f<f)の発振信号を出力する2個の発振回路部を共通のバッファトランジスタに接続するとともに、該バッファトランジスタの入力側に所定の通過帯域を有する整合回路を接続してなり、前記発振回路部からの発振信号を前記整合回路で不要な信号を除去して、これを前記バッファトランジスタで増幅して外部へ出力するようにしたデュアルバンド発振器であって、
    前記整合回路は、単一のストリップラインを有し、且つ通過帯域が前記2個の発振回路部より出力される双方の発振信号の周波数f,fを含むように設定されており、更に前記2個の発振回路部のうち、低い周波数fの発振信号を出力する発振回路部の内部に発振信号の高調波成分を除去するローパスフィルタを設けたことを特徴とするデュアルバンド発振器。
  2. 前記整合回路の通過帯域の中心周波数が、双方の発振回路部より出力される2つの発振信号の周波数帯のほぼ中間に位置させてあることを特徴とする請求項1に記載のデュアルバンド発振器。
  3. 前記発振回路部が、共振回路、負性抵抗回路及び発振トランジスタから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデュアルバンド発振器。
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US7696833B2 (en) 2007-01-29 2010-04-13 Fujitsu Media Devices Limited Oscillator

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