JP2000165163A - 高周波用電力増幅器 - Google Patents

高周波用電力増幅器

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JP2000165163A
JP2000165163A JP10337241A JP33724198A JP2000165163A JP 2000165163 A JP2000165163 A JP 2000165163A JP 10337241 A JP10337241 A JP 10337241A JP 33724198 A JP33724198 A JP 33724198A JP 2000165163 A JP2000165163 A JP 2000165163A
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circuit
frequency
power amplifier
distributed constant
inductor
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JP10337241A
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English (en)
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Satoru Iwasaki
悟 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の高周波用電力増幅器は、高調波制御回
路を増幅回路とは別の回路として付加させなければなら
ず、小型化の要求に対応できなかった。 【解決手段】 高周波トランジスタQ11と、入力整合回
路と、出力整合回路と、高周波トランジスタQ11の出力
電極に接続され、分布定数線路L15とそれに直列接続さ
れたインダクタL14とから成るバイアス回路S1とを具
備し、バイアス回路S1は、出力整合回路の一部として
機能する合成リアクタンス成分を有するとともに、分布
定数線路L15とインダクタL14により高次の高調波に対
して共振点を有する高周波用電力増幅器である。バイア
ス回路S1は直流電流を供給するとともに共振点を微調
整して高次高調波を除去できる高調波制御回路としても
機能するため、高調波制御回路を別の回路として付加す
る必要はなく、より一層の小型化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信機器等において
マイクロ波帯等の高周波電力の増幅に使用される高周波
用電力増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波帯等の高周波信号を使
用する通信機器等に使用される高周波用電力増幅器とし
て、高調波制御回路を有した種々の電力増幅器が提案さ
れている。中でも、高効率動作をさせるために高調波制
御を行なうF級電力増幅器が注目されている。
【0003】このような高調波制御回路を有した高周波
用F級電力増幅器の代表的な回路構成の例を、図4に回
路図で示す。
【0004】図4において、Q1は電力増幅を行なう高
周波トランジスタであり、ここでは電界効果トランジス
タ(FET)を示す。C1・C5はそれぞれこの高周波
用電力増幅器と他の回路との直流成分を遮断するための
デカップリングコンデンサである。C2・L1ならびに
C4・L3はそれぞれ高周波トランジスタQ1の性能を
引き出すために入出力回路とのインピーダンス整合を最
適なものとするためのコンデンサおよび分布定数線路
(例えばマイクロストリップ線路)である。
【0005】R1・R2はそれぞれ高周波トランジスタ
Q1のゲート(制御電極)にバイアス電圧を供給するた
めのバイアス回路を構成する抵抗である。
【0006】L4は高周波トランジスタQ1のドレイン
(出力電極)および出力のための電流を供給するバイア
ス回路を構成する分布定数線路であり、通常は基本周波
数の4分の1波長の長さになるようにして高周波トラン
ジスタQ1のドレイン側から見てインピーダンスが無限
大に見えるようにするか、あるいは回路のインピーダン
スから見て無視できるほどの大きなインピーダンスとな
る長さに設定されている。また、この分布定数線路L4
は、前記線路長より短くして整合回路の一部のリアクタ
ンス成分として利用することも可能である。C6・C7
はそれぞれ交流的に接地されたようにするためのバイパ
スコンデンサである。
【0007】これらのうち分布定数線路L4とバイパス
コンデンサC6とにより、基本周波数の高周波信号に対
して絶縁状態を確保しつつ直流電流を供給できる、図中
に破線で囲んで示した電源供給回路Sを構成している。
【0008】そして、分布定数線路L2およびコンデン
サC3は、図中に破線で囲んで示した高調波制御回路と
しての高次高調波に対するトラップ回路Tを構成するも
のである。
【0009】F級電力増幅器では電圧波形を矩形波・電
力波形を半波にして増幅することから矩形波に不要な基
本周波数の偶数次の周波数成分を除去するため、上記ト
ラップ回路Tは、例えば基本波の2倍の周波数に対して
直列共振点を持つように設定され、それにより2次高調
波に対してインピーダンスが0に見えて接地された状態
になることによって2次高調波を除去するための高調波
制御回路となる。
【0010】この結果、高周波トランジスタQ1の出力
であるドレインでは2次高調波の成分が削減されてドレ
イン効率が改善されるようになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示した従来の高周波用F級電力増幅器によれば、高調波
制御回路としてのトラップ回路Tを増幅回路とは別の回
路として付加させなければならず、そのため回路全体が
大きなものとなってしまい、高周波用電力増幅器に対す
るより一層の小型化の要求に対応できないという問題点
があった。
【0012】また、分布定数線路L4を、整合回路の一
部のリアクタンス成分として利用する場合、高周波用電
力増幅器の小型化の要求に対して多層配線基板を用いて
この分布定数線路L4を内層したときには、分布定数線
路L4の長さを微調整できないため、所望の出力特性に
整合がとれるように出力整合回路を設定することが困難
であるという問題点もあった。
【0013】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、高調波制御回路を別の回路として付加する必要
のない、より一層の小型化の要求にも対応可能な、高調
波制御機能を有する高周波用電力増幅器を提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用電力増
幅器は、制御電極に供給された高周波入力信号を増幅し
出力電極より高周波出力信号として出力する高周波トラ
ンジスタと、前記制御電極に接続され、前記高周波入力
信号の基本周波数に対して入カインピーダンス整合をと
るための入力整合回路と、前記出力電極に接続され、所
望の出力持性に整合をとるための出力整合回路と、前記
出力電極に接続され、直流電流を供給するための分布定
数線路と該分布定数線路に直列接続されたインダクタと
から成るバイアス回路とを具備し、該バイアス回路は、
前記出力整合回路の一部として機能するために必要な合
成リアクタンス成分を有するとともに、前記分布定数線
路と前記インダクタとにより前記基本周波数の高次の高
調波に対して共振点を有することを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明の高周波用電力増幅器によれば、高
周波トランジスタの出力電極に直流電流を供給するバイ
アス回路として、分布定数線路とこの分布定数線路に直
列接続されたインダクタとから成り、その分布定数線路
の長さおよびインダクタのインダクタンスにより出力整
合回路の一部として機能するために必要な合成リアクタ
ンス成分を有し、かつ、その分布定数線路とその分布定
数線路に直列接続されているインダクタとにより直列共
振回路を構成し、その直列共振周波数を基本周波数の高
次の高調波に対する共振点としたことから、このバイア
ス回路は、出力整合回路の一部のリアクタンス成分にな
りつつ直流電流を供給するという本来の目的を達成する
とともに、前記基本周波数の任意の高次高調波に対して
は高周波トランジスタの出力電極から見て接地された状
態となって、その任意の高次高調波を除去できる高調波
制御回路としても機能するものとなる。この結果、高調
波制御回路を別の回路として付加する必要はなく、より
一層の小型化の要求にも対応可能な、高調波制御機能を
有する高周波用電力増幅器となるものである。
【0016】また、このバイアス回路において、インダ
クタのインダクタンス成分とそのインダクタが直列接続
される分布定数線路との合成リアクタンスや分布定数線
路のインダクタンス成分は、それぞれインダクタのイン
ダクタンスならびに分布定数線路の長さ等を調整するこ
とにより容易に調整できることから、高次の高調波とし
て2次あるいは3次・4次・5次等の任意の高次の高調
波に対して容易に共振周波数すなわち共振点を調整する
ことが可能であり、F級電力増幅器のみならず他の高周
波用電力増幅器にも適用でき、高周波用電力増幅器の出
力に含まれる高調波のスプリアスを除去する目的にも使
用できるものである。
【0017】さらに、バイアス回路の分布定数線路に対
して直列接続されるインダクタのインダクタンスを回路
構成時において、あるいは回路構成後において容易に微
調整することができ、これにより共振点の微調整を容易
に行なうことができるので、高周波用電力増幅器の電気
特性についての高精度な調整が容易に可能となる。
【0018】さらにまた、分布定数線路を高周波用電力
増幅器の小型化の要求に対して多層配線基板を用いて内
層したときには、高周波用電力増幅器の小型化を図りつ
つインダクタのインダクタを調整して所望の出力特性に
整合がとれるように出力整合回路を設定することが容易
に行なえるものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
説明する。図1は本発明の高周波用電力増幅器の回路構
成例を示す回路図であり、図4と同様に高周波用F級電
力増幅器を例にとって示している。
【0020】図1において、Q11は電力増幅を行なう高
周波トランジスタであり、例えば数百MHzから数GH
zといった分布定数線路が適用できる周波数範囲におい
て用いられるものである。ここでは電界効果トランジス
タを例に示す。C11・C14はそれぞれこの高周波用電力
増幅器と他の回路との直流成分を遮断するためのデカッ
プリングコンデンサである。C12・L11はそれぞれ高周
波トランジスタQ11の性能を引き出すために高周波トラ
ンジスタQ11と入力回路とのインピーダンス整合をとる
ための入力整合回路を構成するコンデンサおよび分布定
数線路(例えばマイクロストリップ線路)である。C13
・L13は所望の出力特性、例えば歪み特性・出力電圧・
消費電流等を単独であるいは同時に満足するような整合
をとるための出力整合回路を構成するコンデンサおよび
分布定数線路(例えばマイクロストリップ線路)であ
る。これら入力整合回路は高周波トランジスタQ11の制
御電極に、出力整合回路は高周波トランジスタQ11の出
力電極にそれぞれ接続されている。
【0021】R11・R12はそれぞれ高周波用トランジス
タQ11のゲート(制御電極)にバイアス電圧を供給する
ためのバイアス回路を構成する抵抗である。L15は高周
波トランジスタQ11のドレイン(出力電極)および出力
のための直流電流を供給するためのバイアス回路を構成
する例えばマイクロストリップ線路あるいはストリップ
線路から成る分布定数線路であり、この分布定数線路L
15とインダクタL14との合成リアクタンスが出力整合回
路の一部のリアクタンス成分として機能するような長さ
に設定されている。なお、この分布定数線路L15のイン
ピーダンスは、基本周波数の4分の1波長の長さにして
インピーダンスとして無限大に見えるようにしたり、基
本周波数の4分の1波長の長さより短くても回路の基本
周波数でのインピーダンスの10倍以上のような、回路の
インピーダンスから見て無視できるほどの大きなインピ
ーダンスとなるような長さに設定するのではなく、回路
の基本周波数でのインピーダンスから見て無視できずに
影響を与える範囲で回路の設計仕様に応じて必要な値と
なるように設定すればよい。
【0022】そして、分布定数線路L15の電源側にはイ
ンダクタL14が直列接続されており、このインダクタL
14のインダクタンスを変化させることにより、高調波の
インピーダンスを変化させて出力整合回路を所望の出力
特性に整合がとれるようにすればよい。このとき、基本
周波数のインピーダンスが変化するのに対しては、出力
整合回路の各素子の値、例えばC13・C14のキャパシタ
ンスを変化させることにより調整を行なえばよい。
【0023】また、このインダクタL14のインダクタン
スと、インダクタL14が直列接続されている分布定数線
路L15のキャパシタンス成分とにより直列共振回路を構
成し、その直列共振周波数を基本高周波の任意の高次高
調波に調整することによって、基本周波数の任意の高次
高調波に対して共振点を有している。
【0024】また、C16・C17はそれぞれ交流的に接地
されたようにするためのバイパスコンデンサである。こ
のうちのバイパスコンデンサC16とインダクタL14とそ
れが直列接続された分布定数線路L15とにより、高調波
制御機能を有する共振回路部が構成された、図中に破線
で囲んで示したバイアス回路S1を形成している。
【0025】このように本発明の高周波用電力増幅器に
よれば、バイアス回路S1が分布定数線路L15と分布定
数線路L15に直列接続されたインダクタL14により構成
された共振回路部Dにより基本周波数の任意の高次高調
波に対して共振点を有することから、任意の高次高調波
に対してインピーダンスが0に見えて接地された状態と
なる。例えばF級電力増幅器であれば、共振点を基本周
波数の2次高調波に設定することによって、電圧波形を
矩形波に近づけるために不要な基本周波数の偶数次すな
わち2次高調波を除去することができるものとなり、こ
の結果、高周波トランジスタQ11の出力端子であるドレ
インでは、2次高調波の成分が削減されてドレイン効率
が改善されるようになる。
【0026】ここで、インダクタL14のインダクタンス
値はインダクタを付け替えるのみで調整できることから
共振回路部により任意の共振点を設定することができ、
それにより共振点の微調整を容易にかつ高精度に行なう
ことができる。
【0027】しかも、基本周波数の2次高調波を別の高
調波制御回路を付加することなく除去できることから、
極めて小型の高周波用電力増幅器となる。
【0028】次に、分布定数線路とその分布定数線路に
直列接続されたインダクタとから成る、本発明の高周波
用電力増幅器のバイアス回路の構成例を図2(a)〜
(c)に示す。
【0029】図2(a)は図1に示したバイアス回路部
と同じ構成のバイアス回路部を示す回路図である。同図
において、L25は例えばストリップ線路やマイクロスト
リップ線路等からなる分布定数線路である。また、L24
はその分布定数線路L25の電源側に直列に接続されたイ
ンダクタである。
【0030】これにより、分布定数線路L25と直列接続
したインダクタL24のインダクタンスと、インダクタL
24が直列接続されている分布定数線路L25のキャパシタ
ンス成分とにより、基本高調波の任意の高次高調波に対
して共振点を有するように設定されている。
【0031】図2(b)は他の構成のバイアス回路部を
示す平面図である。同図において、L35a・L35bはそ
れぞれ分布定数線路L25と同様の分布定数線路であり、
2つの分布定数線路として形成されているとともに、そ
の間の部分にインダクタL34が直列に接続されている。
【0032】また、図2(c)はさらに他の構成のバイ
アス回路部を示す平面図である。同図において、L45は
分布定数線路L25と同様の分布定数線路であり、その高
周波トランジスタ側にインダクタL44が直列に接続され
ている。
【0033】このように、バイアス回路において分布定
数線路に直列接続するインダクタは、その接続位置が出
力整合回路側から見て分布定数線路の先でも後でも、ま
た分布定数線路間のいずれでも構わない。
【0034】図2のいずれの場合も、分布定数線路と直
列接続したインダクタのインダクタンスと、そのインダ
クタと直列接続されている部分の分布定数線路のキャパ
シタンス成分とにより、基本高周波の任意の高次高調波
に対して共振点を有するように設定されている。
【0035】なお、本発明の高周波用電力増幅器のバイ
アス回路におけるインダクタとしては、例えば高周波回
路によく用いられる、2枚の電極間に絶縁材を挟み、そ
の絶縁材の表面に導体の巻線パターンを薄膜印刷したチ
ップインダクタを用いることにより、高周波用電力増幅
器の基板の表面に配置してそのインダクタンスを容易に
微調整することができ、これにより共振点を微調整する
ことができる。すなわち、共振回路部の共振点を所望の
値に設定するためにインダクタのインダクタンスを調整
するには、例えばインダクタンスの異なるインダクタと
付け替えればよく、あるいは可変インダクタンスのイン
ダクタを使用してインダクタンスを調整してもよい。
【0036】次に、本発明の高周波用電力増幅器のバイ
アス回路の部分の基板における回路構成の実際の例を図
3(a)および(b)にそれぞれ斜視図および分解斜視
図と断面図で示す。
【0037】図3(a)においてB1は基板、L55は分
布定数線路としてのマイクロストリップ線路、L54はチ
ップインダクタであり、図1におけるバイアス回路S1
部が基板の表層に形成されている場合である。この例に
おいては、チップインダクタL54のインダクタンスを変
えることにより、高調波のインピーダンスを変化させて
出力整合回路を所望の出力特性に整合がとれるようにす
る。
【0038】また、図3(b)においてB11は基板、L
65は分布定数線路としてのストリップ線路、L64はチッ
プインダクタ、H1は分布定数線路L65とチップインダ
クタL64とを電気的に接続するスルーホール導体やビア
導体等の貫通導体であり、図1におけるバイアス回路S
1部の分布定数線路L15が基板の内層に形成されている
場合である。このように、基板に内層されていて長さ調
整が不可能な分布定数線路L65を調整する代わりに基板
表面のチップインダクタL64のインダクタンスを変える
ことにより、高調波のインピーダンスを変化させて出力
整合回路を所望の出力特性に整合がとれるようにするこ
とができる。
【0039】これらの例のように、基板B1・B11上に
バイアス回路1つにつきチップインダクタL54・L641
個を搭載するだけで、高調波のインピーダンスの調整が
可能となり、また、小型化の要求にも対応可能な高周波
用電力増幅器を構成することができる。
【0040】なお、以上の実施の形態の例では高周波用
F級電力増幅器において基本周波数の2次高調波を除去
する高調波制御機能を有する例に基づいて説明したが、
本発明の高周波用電力増幅器はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々
の変更や改良が可能である。例えば、前述のように2次
よりさらに高次の高調波に対して共振点を調整してもよ
く、F級電力増幅器以外の他の高周波電力増幅器に適用
してもよい。また、高周波用電力増幅器の出力に含まれ
る高調波のスプリアスを除去する目的に使用してもよ
い。
【0041】
【発明の効果】本発明の高周波用電力増幅器によれば、
高周波トランジスタの出力電極に直流電流を供給するバ
イアス回路として、分布定数線路とこの分布定数線路に
直列接続されたインダクタとから成り、その分布定数線
路の長さおよびインダクタのインダクタンスにより、出
力整合回路の一部として機能するために必要な合成リア
クタンス成分を有するとともに、そのインダクタのイン
ダクタンスと、そのインダクタが直列接続されている分
布定数線路のキャパシタンスとにより直列共振回路を構
成し、その直列共振周波数を基本周波数の任意の高次高
調波に対する共振点としたことから、このバイアス回路
は、出力整合回路の一部のリアクタンス成分として機能
しつつ直流電流を供給するという本来の目的を達成する
とともに、基本周波数の任意の高次高調波に対しては高
周波トランジスタの出力電極から見て接地された状態と
なってその任意の高次高調波を除去できる高調波制御回
路としても機能するものとなる。この結果、高調波制御
回路を別の回路として付加する必要はなく、より一層の
小型化の要求にも対応可能な、高調波制御機能を有する
高周波用電力増幅器となる。
【0042】また、このバイアス回路においてインダク
タのインダクタンス成分と分布定数線路のインダクタン
ス成分・キャパシタンス成分とは、それぞれインダクタ
のインダクタンスおよび分布定数線路の長さ等を調整す
ることにより容易にかつ高精度に調整できることから、
2次高調波に限らずさらに高次の高調波に対しても容易
に共振点を調整することが可能であり、F級電力増幅器
のみならず他の高周波電力増幅器にも適用でき、高周波
用電力増幅器の出力に含まれる高調波のスプリアスを除
去する目的にも使用できる。
【0043】さらに、バイアス回路を構成する分布定数
線路を多層配線基板に内層して形成された場合でも、こ
の分布定数線路に直列接続されるインダクタを小型のチ
ップインダクタ等を用いて基板の表面に配置することに
より、このインダクタのインダクタンスを変えて容易に
高調波のインピーダンスを変化させることができ、出力
整合回路を所望の出力特性に整合がとれるようにするこ
とができる。
【0044】さらにまた、バイアス回路1つにつき基板
上にインダクタを1つ搭載するだけで高調波制御回路を
付加することなく高調波制御機能を有する高周波用電力
増幅器を構成することができるので、小型化の要求にも
対応可能な高周波用電力増幅器となる。
【0045】以上のように、本発明によれば、高調波制
御回路を別の回路として付加する必要のない、より一層
の小型化の要求にも対応可能な、高調波制御機能を有す
る高周波用電力増幅器を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用電力増幅器の回路構成の例を
示す回路図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の高周波用
電力増幅器のバイアス回路の構成例を示す回路図であ
る。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の高周波用
電力増幅器のバイアス回路の構成例を示す斜視図・分解
斜視図・断面図である。
【図4】従来の高周波用F級電力増幅器の回路構成の例
を示す回路図である。
【符号の説明】
Q11・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高周波トランジスタ S1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バイアス回路 L14、L24、L34、L44、L54、L64・・・・・・・・
インダクタ L15、L25、L35a、L35b、L45、L55、L65・・・
分布定数線路
フロントページの続き Fターム(参考) 5J067 AA04 AA41 AA67 CA27 CA75 CA92 FA20 HA09 HA25 HA29 HA32 HA33 KA12 KA13 KA29 KA66 KA68 KS15 KS25 LS11 LS12 MA21 QA02 QA04 QS02 SA13 5J091 AA04 AA41 AA67 CA27 CA75 CA92 FA20 HA09 HA25 HA29 HA32 HA33 KA12 KA13 KA29 KA66 KA68 MA21 QA02 QA04 SA13 UW08 5J092 AA04 AA41 AA67 CA27 CA75 CA92 FA20 HA09 HA25 HA29 HA32 HA33 KA12 KA13 KA29 KA66 KA68 MA21 QA02 QA04 SA13 VL08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電極に供給された高周波入力信号を
    増幅し出力電極より高周波出力信号として出力する高周
    波トランジスタと、前記制御電極に接続され、前記高周
    波入力信号の基本周波数に対して入力インピーダンス整
    合をとるための入力整合回路と、前記出力電極に接続さ
    れ、所望の出力特性に整合をとるための出力整合回路
    と、前記出力電極に接続され、直流電流を供給するため
    の分布定数線路と該分布定数線路に直列接続されたイン
    ダクタとから成るバイアス回路とを具備し、該バイアス
    回路は、前記出力整合回路の一部として機能するために
    必要な合成リアクタンス成分を有するとともに、前記分
    布定数線路と前記インダクタとにより前記基本周波数の
    高次の高調波に対して共振点を有することを特徴とする
    高周波用電力増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017104454A1 (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 株式会社村田製作所 高周波モジュールおよび送信モジュール
CN111865337A (zh) * 2019-04-03 2020-10-30 株式会社村田制作所 高频模块和通信装置

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