JP2006141057A - 電圧制御発振回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力インピーダンスの調整が容易に行なうことができ、高調波成分の抑制も容易に実現することが可能とした電圧制御発振回路を提供する。
【解決手段】共振周波数帯域を異なる2つの帯域に切り換えるためのシフト回路を含む共振回路部Xと負性抵抗回路部Yと増幅回路部Zとから構成される電圧制御発振回路において、前記増幅回路部Zの増幅用トランジスタのコレクタ端子と接地電位との間に、ストリップ線路L2と第1のコンデンサC9とが並列に接続された並列回路部Hを配置するとともに、前記増幅用トランジスタのコレクタ端子C9と前記出力端子OUTPUTとの間に、第2のコンデンサC10とインダクタ素子L3とが直列に接続された直列回路部Tを配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波無線装置の局部発振回路などに適した電圧制御発振回路に関するものである。
従来移動体通信装置やその他の通信装置の送信用発振器、受信部の局部発振器に電圧制御発振器が用いられていることが知られている。現在市場からはさらなる高性能化及び発振周波数の広帯域化が要求されている。その高性能化の1つとして高調波成分の抑制が挙げられる。
また、周波数の広帯域化対応する為には、複数の周波数帯を切り換えて使用する電圧制御発振器も考えられている(例えば、特許文献1参照)。
このような電圧制御発振器の回路(電圧制御発振回路)を図4で説明する。ストリップ線路SLと可変容量ダイオードDVとコンデンサC2とから成る共振回路を含み、前記可変容量ダイオードDVに外部制御電圧VTを供給して共振周波数を制御する共振回路部Xと、共振回路部Xの共振周波数に基づいて発振信号を出力する発振用トランジスタTr1、抵抗R1〜R2、コンデンサC5〜C7を含む負性抵抗回路部Yと、発振信号を増幅する増幅用トランジスタTr2、抵抗R3、コンデンサC8〜C11、インダクタンス素子L2を含む増幅回路部Zとから構成されている。
このような発振回路では、負性抵抗回路部Yの発振用トランジスタTr1のコレクタを高周波的に接地させるコルピッツ回路を用いて、発振条件を成立させている。共振回路部Xを結合コンデンサで負性抵抗回路部と接続して発振させる。
そして、この発振信号は増幅回路部Zの増幅用トランジスタTr2に供給され、ここで増幅されて出力瑞子OUTより発振出力される。
この電圧制御発振回路では、可変容量ダイオードDVの可変範囲内での共振周波数、ひいては発振周波数を所定の範囲で制御ができる。
電圧制御発振回路は、任意の周波数を発振出力しているが、その出力波には、任意の周波数のみに対して整数倍の高調波成分が含まれている。しかし、電圧制御発振回路としては、任意の周波数のみ安定に出力させることが必要であり、通信装置に搭載した場合に高調波成分が多く含まれてしまうと不具合が生じてしまうため、通常、電圧制御発振回路の電気的特性の条件として高調波成分のレベル規格が設けられている。
その高調波レベルの抑制は、電圧制御発振回路発振回路の出力部で構成されているインピーダンス整合回路部の調整によって行なうことができる。例えば、インピーダンス整合回路部は増幅回路部Zの一部に構成され、ストリップ線路L2の一部のインダクタンス成分とコンデンサC10とで構成されたハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路によって構成されている。ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路より低周波数領域における通過利得を下げることが可能となる。
また図5に示すように、互いに離散した2つの発振周波数帯域(F1とF2)の発振出力を得る電圧制御発振回路、例えば、共振回路部を構成するLC共振回路のインダクタタンス成分または容量成分のいずれかを段階的に切り換えることが可能なシフト型電圧制御発振回路においては、図6に示すようにインピーダンス整合回路部を適用していた。即ち、ストリップ線路L2に一端が接地電位に接続されたスイッチングダイオードDzを用いて、夫々の発振周波数帯域F1、F2に応じて、スイッチングダイオードDzのオンオフ制御を行い、出力インピーダスが適正となるようにしていた。
特開平10−126152号公報
いずれの増幅回路部内に構成されるインピーダンス整合回路部は、ストリップ線路L2の誘導成分とコンデンサの容量成分C9を用いるハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路である。
しかし、インピーダンス整合回路部の誘導成分がストリップ線路L2のみで形成しているため、ストリップ線路L2の設計が非常に難しく、例えば、誘電体基板にストリップ線路L2を厚膜手法で形成した場合、その厚膜導体膜の印刷ずれや導電性ペーストにじみなどにより、ストリップ線路L2の特性がバラツキ、その結果、出力インピーダンスもばらついてしまう。即ち、出力インピーダンスの調整は非常に困難であった。
また、2つの発振周波数帯域で発振させる場合、発振周波数帯域が広帯域化する。この2つの発振周波数帯域を導出するシフト型電圧制御発振回路においては、2つの発振周波数帯の発振出力F1、F2ともに出力インピーダンスを調整することは、単一周波数帯を使用する電圧制御発振回路に比較して非常に困難であった。これは、図7に示すスミスチャートのように、発振出力F1、F2の両方の定在波比を安定化させることができなった。
また、従来のインピーダンス整合回路部では、高調波成分の抑制を行なう上で、それ以上調整を行なうことはできないという問題がある。
本発明の上述の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、出力インピーダンスの調整が容易に行なうことができ、高調波成分の抑制も容易に実現することが可能とした電圧制御発振回路を提供する。
本発明は、ストリップ線路と、可変容量ダイオードと、コンデンサと、共振周波数帯域を異なる2つの帯域に切り換えるためのシフト回路と、を含み、且つ前記可変容量ダイオードに供給する外部制御電圧により前記可変容量ダイオードのインピーダンス成分を調整して共振周波数を制御する共振回路部と、前記共振回路部の共振周波数に基づいて発振信号を出力する発振用トランジスタを含む負性抵抗回路部と、前記負性抵抗回路部の発振信号を増幅する増幅用トランジスタ、増幅した発振信号を出力する出力端子を含む増幅回路部とから構成される電圧制御発振回路において、前記増幅回路部の増幅用トランジスタのコレクタ端子と接地電位との間に、ストリップ線路(L2)と第1のコンデンサとが並列に接続された並列回路部を配置するとともに、前記増幅用トランジスタのコレクタ端子と前記出力端子との間に、第2のコンデンサとインダクタンス素子とが直列に接続された直列回路部を配置したことを特徴とする電圧制御発振回路である。
本発明では、増幅回路部の一部に、インピーダンス整合回路部に、上述のストリップ線路の一部のインダクタンス成分と第1のコンデンサとからなる並列共振回路部(バンドパスフィルタ)とを構成し、ストリップ線路の一部のインダクタンス成分と第2のコンデンサとでハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路を構成し、また、インダクタンス素子と浮遊容量成分とでローパスフィルタ型インピーダンス変換回路とを構成している。
即ち、増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と出力端子との間に、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路、ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路とが配置されている。
上述のように、ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路を具備しているため、電圧制御発振回路の発振周波数帯において高周波帯域信号を有効に阻止する。また、ローパスフィルタ型のインピーダンス変換回路を用いることによって、出力インピーダンス整合回路部の周波数特性において高周波帯域での通過利得を下げることが可能となる。
インピーダンスを調整する際においても、ストリップ線路のみなならず、固定的なインダクタンス素子を用いているため、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路の特性のバラツキを、固定的なインダクタンス成分を有するローパスフィルタ型インピーダンス変換回路の特性で補完するため、結果として、出力インピーダンスの調整が非常に容易となる。
また、2つ以上の発振周波数帯を導出するシフト型電圧制御発振回路のように、2つの発振周波数が広域化しても、スミスチャート上の直列共振ポイント、並列共振ポイントを複数存在させることができるため、2つの発振周波数帯域の発振出力において、反射特性を向上させることができ、その結果、定在波比(VSWR)を小さくする(スミスチャート上周波数特性の軌跡を特性インピーダンスに集束させる)ことができる。
以下、本発明の電圧制御発振回路を図面に基づいて説明する。尚、実施例では、共振回路部Xに、LC共振回路の誘導成分を段階的に切り換えるシフト型電圧制御発振回路を用いて説明する。
図1は、本発明の電圧制御発振回路の回路図である。
図中の電圧制御発振回路は、共振回路部X、負性抵抗回路部Y、増幅回路部Zを具備している。また、共振回路部X内には発振出力を2つの発振周波数帯域が出力させるためのシフト回路Sを具備している。また、増幅回路部Z内にはインピーダンス整合回路部Wを具備している。
共振回路部Xは、ストリップ線路SL1と可変容量ダイオードDVとシフト用ストリップ線路SLsとコンデンサC2とから成る共振回路を含み、前記可変容量ダイオードDVに外部制御電圧VTを供給して共振周波数を制御する。尚、共振回路部Xには外部制御電圧VTを供給する制御端子を有し、シフト回路Sには、シフト用スイッチングダイオードDiのON−OFF制御を行なうシフト切り換え端子を有している。
負性抵抗回路部Yは、共振回路部Xの共振周波数に基づいて発振信号を出力する発振用トランジスタTr1、抵抗R1〜R2、コンデンサC5〜C7を有している。
また、増幅回路部Zは発振信号を増幅する増幅用トランジスタTr2、抵抗R3、コンデンサC8、インピーダンス整合回路部Wを構成するコンデンサC9〜C11、ストリップ線路L2、インダクタンス素子L2をとから構成されている。
このような電圧制御発振回路では、負性抵抗回路部Yの発振用トランジスタTr1のコレクタを高周波的に接地させるコルピッツ回路を用いて、発振条件を成立させている。共振回路部Xを結合コンデンサC3で負性抵抗回路部Yと接続して発振させる。
そして、この発振信号は負性抵抗回路部Yの発振用トランジスタTr1のコレクタより増幅回路部Zの増幅用トランジスタTr2に供給され、回路の出力インピーダンスを50Ωに変換するインピーダンス整合回路部Wを介して出力端子OUTPUTから出力される。
この共振回路部Xの共振回路は、LC共振回路からなり、インダクタンス成分は、ストリップ線路SL1、発振動作する周波数帯域で誘導性として動作する可変容量ダイオードDV、シフト回路Sのストリップ線路SLsで決定される。また、容量成分は、コンデンサC2で決定される。
そして、可変容量ダイオードDVに供給される外部制御電圧VTによって、共振回路のインダクタ成分(インピーダンス成分)が変化して、結果として、所定発振周波数帯域内で発振出力を可変させることができる。
また、シフト回路Sのシフト切り換え信号によって、シフト用スイッチングダイオードDiをONとすると、ストリップ線路SLs部分で発生していたインダクタンス成分が変化して、LC共振回路のインダクタンス成分に変化を与え、結果して所定発振周波数帯域を、例えば高い発振周波数帯域(例として3.2GHz帯)の発振出力F1と、低い周波数帯域(例として1.2GHz帯)の発振出力F2とを発生されることができる。
即ち、実施例の電圧制御発振回路では、例えは、1.2GHz帯域から3.2GHz帯域までの広い周波数範囲で、その発振出力のインピーダンスを特性インピーダンスに合わせるようにしなくては、この電圧制御発振回路に接続される外部回路によって、一方の発振出力で反射係数が大きく過ぎて安定した出力ができなくなるということになる。
この出力インピーダンスの整合を行なうものが、インピーダンス整合回路部Wである。インピーダンス整合回路部Wは、図2に示すような等価回路に置き換えて表現することができる。
増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と電源供給端子VCCとの間にストリップ線路L2が配置され、ストリップ線路L2のVCC端子側には、コンデンサC11を介して接地電位に接続されている。また、増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と接地電位との間にはコンデンサC9が配置されている。即ち、増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と接地電位との間には、ストリップ線路L2と第1のコンデンサであるコンデンサC9からなる並列共振回路Hが配置されている。
さらに、増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と出力端子との間には、第2のコンデンサであるコンデンサC10、チップコイルなどのインダクタンス素子L3とからなる直列回路部Tが配置されている。
このインピーダンス整合回路部Wは、図2に示す等価回路で表せることができる。即ち、インピーダンス整合回路部Wは、並列共振回路部(バンドパスフィルタ)SN1、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN2、ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN3とで構成されている。
並列共振回路部(バンドパスフィルタ)SN1は、ストリップ線路L2の一部のインダクタンス成分と第1のコンデンサであるコンデンサ9とで構成される。
ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN2は、ストリップ線路L2の一部のインダクタンス成分L2’と第2のコンデンサであるコンデンサC10とで構成され、このインダクタンス成分L2’の一端が接地されたLC回路となり、ハイパスフィルタ型を構成する。
ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN3は、インダクタンス素子L3を有しているが、実際の回路上には、出力端子OUTPUTと接地電位との間、出力端子OUTPUTから延びる配線パターンと接地電位との間に浮遊容量成分(寄生容量成分)のコンデンサC14が存在することになり、結果として固定的な値を示すインダクタンス素子L3とコンデンサC14と構成される。即ち、このコンデンサC14の一端が接地されたLC回路となり、ローパスフィルタ型を構成する。
即ち、増幅用トランジスタTr2のコレクタ端子と出力端子との間に、並列共振回路部SN1、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN2、ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN3が存在する。
上述のように、ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN3を具備しているため、電圧制御発振回路の発振周波数帯において高周波帯域信号を有効に阻止することは当然となる。また、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN2により低周波数領域における通過利得を下げることが可能となり、ローパスフィルタ型のインピーダンス変換回路SN3を用いることによって、インピーダンス整合回路部Wの周波数特性において高周波帯域での通過利得を下げることが可能となり、その結果、高調波レベルの抑制が実現できる。
インピーダンスを調整する際においても、ストリップ線路L2のみなならず、固定的なインダクタンス素子L3を用いているため、ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN2の特性のバラツキを、固定的なインダクタンス成分のインダクタンス素子L3を有するローパスフィルタ型インピーダンス変換回路SN3の特性で補完できるため、結果として、出力インピーダンスの調整が非常に容易となり、ストリップ線路L2を形成するにあたり、例えば誘電体基板に厚膜導体膜で構成され、特性的にバラツキ要素の多かったストリップ線路SL2の特性バラツキを有効に抑えることができる。
また、2つ以上の発振周波数帯の発振出力F1、F2が広域化しても、図3に示すように、スミスチャート上の直列共振ポイントPS、並列共振ポイントPPを複数存在させることができるため、2つの発振周波数帯域の発振出力F1、F2において、反射特性を向上させることができ、その結果、定在波比(VSWR)を小さくする(スミスチャート上周波数特性の軌跡を特性インピーダンスに集束させる)ことができ、例えば、一般の電圧制御発振回路に要求されるVSWR=2以下の特性を満足できるようになる。
尚、コンデンサC10の役割は、回路内の電流が出力端子OUTPUTより漏れないようにするデカップリングコンデンサの機能も果たす。
本発明の電圧制御発振回路の回路図である。 本発明のインピーダンス整合回路部Wの等価回路図である。 本発明によるインピーダンス変化の変化を示す特性図である。 従来の電圧制御発振回路の回路図である。 従来の別の電圧制御発振回路の共振回路部の回路図である。 従来のインピーダンス整合回路部の回路図ある。 従来の電圧制御発振回路の出力インピーダンスを示す特性図である。
符号の説明
X・・・共振回路部
Y・・・負性抵抗回路部
Z・・・増幅回路部
S・・・シフト回路
W・・・インピーダンス整合回路部
DV・・・可変容量ダイオード
SN2・・・ハイパスフィルタ型インピーダンス変換回路部
SN3・・・ローパスフィルタ型インピーダンス変換回路部
H・・・並列回路部
T・・・直列回路部
C9・・・第1のコンデンサ
C10・・・第2のコンデンサ
L2・・・ストリップ線路
L3・・・インダクタンス素子

Claims (1)

  1. ストリップ線路と、可変容量ダイオードと、コンデンサと、共振周波数帯域を異なる2つの帯域に切り換えるためのシフト回路と、を含み、且つ前記可変容量ダイオードに供給する外部制御電圧により前記可変容量ダイオードのインピーダンス成分を調整して共振周波数を制御する共振回路部と、前記共振回路部の共振周波数に基づいて発振信号を出力する発振用トランジスタを含む負性抵抗回路部と、前記負性抵抗回路部の発振信号を増幅する増幅用トランジスタ、増幅した発振信号を出力する出力端子を含む増幅回路部とから構成される電圧制御発振回路において、
    前記増幅回路部の増幅用トランジスタのコレクタ端子と接地電位との間に、ストリップ線路(L2)と第1のコンデンサとが並列に接続された並列回路部を配置するとともに、前記増幅用トランジスタのコレクタ端子と前記出力端子との間に、第2のコンデンサとインダクタンス素子とが直列に接続された直列回路部を配置したことを特徴とする電圧制御発振回路。
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