JP2004235614A - 高温超伝導固有ジョセフソン接合を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子、及びその製造方法 - Google Patents

高温超伝導固有ジョセフソン接合を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温超伝導固有ジョセフソン接合を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子を提供する。
【解決手段】 超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造300よりなり、テラヘルツ電磁波が発振できる電磁波発振部Aと、前記電磁波発振部Aと接し、伝導性を持たない絶縁部Cと、前記絶縁部Cと接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造300よりなり、テラヘルツ電磁波を検出できる電磁波検出部Bと、を含んで構成されるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は高温超伝導体を利用したテラヘルツ(THz)電磁波発振及び検出用素子に関する。
一般的に、超伝導電極間に約1nmの薄い絶縁層が挿入されており、絶縁層を通じて超伝導電子対を透過できる接合をジョセフソン接合という。ジョセフソン接合の長さがジョセフソンの侵入深さより長いジョセフソン接合に接合面と平行に外部磁場をかける場合、絶縁層にジョセフソンフラクソン(fluxon)が発生する。ジョセフソンフラクソンは、ジョゼフソン量子化磁束ともよばれ、ジョセフソン接合を透過する通常の大きさのトンネル電流であるジョセフソン透過電流(約10アンペア/cm)によりローレンツ力を受けて絶縁層に沿ってほぼ光速の1%に近い非常に速い速度で動きながら超伝導電子対のプラズマ振動により超伝導電極間にテラヘルツ帯域の超高周波発振を起こすことができ、この現象はテラヘルツ帯域の電磁波発振素子に応用される。
高い異方性を有する高温超伝導体単結晶、たとえば、BiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+x単結晶内には単結晶の形成に伴って、超伝導電子対の透過接合である固有ジョセフソン接合(イントリンシックジョセフソン接合)が数nmを周期として均一に積層形成されるということは周知のことである。そこで、前記のように前記高温超伝導体単結晶を構成する直列積層構造の固有ジョセフソン接合と平行に外部磁場をかければジョセフソンフラクソンが発生する。前記ジョセフソンフラクソンに透過電流(トンネルバイアス電流)を加えて、積層構造を持つ超伝導層間の接合に沿って非常に速く運動させれば、それに相応する非常に速い超伝導電子対のプラズマ発振が誘導されて、積層構造に関係するジョセフソン接合の境界面でテラヘルツの高周波帯域の電磁波が発振する。
しかしながら、従来では、固有ジョセフソン接合のフラクソン運動を利用してテラヘルツ電磁波を発振する発振素子を開発するにはまだ技術的な障害があった。すなわち、高温超伝導単結晶でジョセフソンフラクソンのプラズマ発振がおきる絶縁層の誘電率が約10〜20であり、自由空間、すなわち、空気の誘電率が約1であるため、前記絶縁層の誘電率と自由空間(空気)の誘電率との間に相当な差がある。これにより、絶縁層と自由空間(空気)との間に存在するインピーダンスの不一致によって、超伝導単結晶の固有ジョセフソン接合内で発振したジョセフソンフラクソンプラズマのテラヘルツ振動を自由空間(空気)の電磁波振動に転換するには相当な技術的な障害がある。その結果、固有ジョセフソン接合内に誘起されたテラヘルツ帯域の電磁波発振を確認することさえ非常に困難にであった。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、前記の問題点を解決してテラヘルツ帯域の電磁波の発振を確認でき、発振特性及び発振周波数を正確に検出できるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子を提供するところにある。
また、本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記テラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法を提供するところにある。
前記技術的課題を達成するために、本発明の一例によるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなり、テラヘルツ電磁波が発振できる電磁波発振部と、前記電磁波発振部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなり、テラヘルツ電磁波を検出できる電磁波検出部と、を含んで構成される。
前記電磁波発振部及び電磁波検出部の超伝導体単結晶はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成される。前記電磁波発振部及び絶縁部はT字形の長辺に対応して構成され、前記電磁波検出部はT字形の短辺に対応して構成される。超伝導体単結晶メサ構造における前記T字形の長辺方向に沿う前記電磁波発振部の長さはジョセフソンの侵入深さより長く構成され、超伝導体単結晶メサ構造における前記T字形の長辺方向に沿う前記電磁波検出部の長さはジョセフソンの侵入深さより短く構成されるべきである。言い換えれば、前記電磁波発振部の超伝導体単結晶メサ構造は、外部磁場に垂直な方向の長さがジョセフソンの侵入深さより長く構成され、前記電磁波検出部の超伝導体単結晶メサ構造は外部磁場に垂直な方向の長さがジョセフソンの侵入深さより短く構成されるべきである。
本発明の他の例によるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなる第1メサ部と、前記第1メサ部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなる第2メサ部と、を含んで構成される。
前記第1メサ部及び第2メサ部はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成される。前記第1メサ部及び絶縁部はT字形の長辺に対応して構成され、前記第2メサ部はT字形の短辺に対応して構成される。前記T字形の長辺方向に沿う前記第1メサ部の長さはジョセフソンの侵入深さより長く構成され、前記T字形の長辺方向に沿う前記第2メサ部の長さはジョセフソンの侵入深さより短く構成されるべきである。
本発明のさらに他の例によるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなる第1メサ部と、前記第1メサ部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)よりなる第2メサ部と、を含んで構成され、前記第1メサ部に平行に外部磁場をかけて前記第1メサ部における固有ジョセフソン接合の絶縁層にジョセフソンフラクソンを形成し、前記ジョセフソンフラクソンに前記第1メサ部の超伝導体単結晶のc軸に沿って透過電流を加えてジョセフソンフラクソンプラズマ発振を誘起させて前記絶縁部を通過しながらテラヘルツ電磁波に転換し、前記絶縁部と接した第2メサ部に伝えられた前記テラヘルツ電磁波の周波数を検出することを特徴とする。
前記第2メサ部に伝えられた電磁波は逆ジョセフソン効果により、発振振動数(f)に該当する電位値であるV=hf/2e(hはプランク定数、eは電子の電荷)でシャピロ階段と呼ばれる電流階段を発生させ、当該電流階段を利用してテラヘルツ帯域の電磁波周波数を検出する。
また、本発明のさらに他の例によるテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、基板上に付着され、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されておりT字形をした超伝導単結晶メサ構造(超伝導単結晶メサ部)よりなる超伝導体単結晶と、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面及び上面の長辺において各々2分割された長辺側の金層と、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面の長辺において2分割された長辺側の金層に形成された第1電圧電極及び第1電流電極と、当該超伝導単結晶メサ構造の上面の長辺において2分割された長辺側の金層に形成された第3電圧電極及び第3電流電極と、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面及び上面の短辺において各々2分割された短辺側の金層と、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面の短辺において2分割された短辺側の金層に形成された第2電圧電極及び第2電流電極と、当該超伝導単結晶メサ構造の上面の短辺において2分割された短辺側の金層に形成された第4電圧電極及び第4電流電極と、前記T字形の超伝導体単結晶メサ構造の下面及び上面での長辺と短辺との連結部分であって金層が前記長辺側の金層と前記短辺側の金層とに分割された部分において形成された絶縁部と、前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極の各々の一部面と前記第3電圧電極、第3電流電極、第4電圧電極及び第4電流電極とが露出されるように前記基板上に形成された層間絶縁層と、で構成されており、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の前記長辺はテラヘルツ電磁波を発振する電磁波発振部であり、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の短辺は電磁波検出部である。
前記他の技術的課題を達成するために、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法は、第1基板上に超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合よりなる超伝導体単結晶を固定させる段階と、前記超伝導体単結晶表面に第1金層を形成する段階と、前記第1金層及び超伝導体単結晶をパターニングして第1基板上に、超伝導体単結晶基底部、当該超伝導体単結晶基底部に比べて狭い面積のT字形の超伝導体単結晶メサ部、及びパターニングされた第1金層を形成する段階と、前記第1金層を前記T字形の単結晶メサ部の長辺及び短辺において各々2分割する段階と、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺において2分割された第1金層上に夫々第1電圧電極及び第1電流電極を形成し、超伝導体単結晶メサ部の短辺において2分割された第1金層上に夫々第2電圧電極及び第2電流電極を形成する段階と、前記第1基板を覆して、最上層に位置する前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極を第2基板に付着して固定する段階と、前記第1基板を取り外すとともに前記超伝導体単結晶基底部も取り外して前記超伝導体単結晶メサ部の背面を露出させる段階と、前記超伝導体単結晶メサ部の背面上に第2金層を蒸着する段階と、前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極の各々の一部面を露出させるように前記第2基板上に層間絶縁層を形成する段階と、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺の第2金層上に第3電圧電極及び第3電流電極を形成し、当該超伝導体単結晶メサ部の短辺の第2金層上に第4電圧電極及び第4電流電極を形成する段階と、前記第2金層を前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺及び短辺において各々電圧電極及び電流電極別に分割する段階と、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の下面及び上面での長辺と短辺との連結部分であって前記第1金層及び第2金層が各々長辺側と短辺側に分割された部分において絶縁部を形成する段階と、を含んでおり、前記T字形の超伝導単結晶メサ部の前記長辺をテラヘルツ電磁波が発振する電磁波発振部とし、前記T字形の超伝導単結晶メサ部の前記短辺を電磁波検出部とする。
前記絶縁部は、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の下面及び上面での長辺と短辺との連結部分であって前記第1金層及び第2金層が分割された部分にシリコンイオン注入を施して得られる。前記超伝導体単結晶はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶である。
前記超伝導体単結晶を第1基板に固定させる段階は、前記第1基板上にフォトレジストまたはポリイミドを液体状態でスピンコーティングする段階と、前記フォトレジストまたはポリイミドがコーティングされた前記第1基板上に超伝導体単結晶を位置させた後、ハードベーグする段階と、を含んでなる。
前記超伝導体単結晶メサ部、超伝導体単結晶基底部、及びパターニングされた第1金層は微細パターニング工程と乾式エッチング工程とにより形成される。前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の高さはエッチング時間を調整して調節できる。
以上のような本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、電磁波発振部で発生したテラヘルツ振動を自由空間に引き出す代わりに絶縁部を通じて電磁波検出部と連係させ、その結果発生する電流対比電圧特性のシャピロ階段を測定することによって電磁波の発振を確認して発振特性及び発振周波数を正確に検出する。
本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、超伝導体単結晶メサ部でのジョセフソンフラクソンの運動を利用してテラヘルツ発振が可能であり、かつテラヘルツ帯域の振動数を正確に測定することができる。
本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は積層された各ジョセフソン接合から出る電磁波発振の位相が干渉性を有するために単一ジョセフソン接合に比べて出力を非常に向上させることができ、発振がパルスではない連続発振であるためにその応用分野が非常に多様であり、かつ発振周波数を調節できる。
さらに、テラヘルツ帯域の電磁波は二次元医療診断、レーダーモデリング、水分及び化学成分分析、高分子物質の品質検査及び遠距離通信等にその需要が徐々に増大しつつあるが、テラヘルツ周波数帯域の電磁波発振のための明確な技術が確保されていない状態である。したがって、本発明の固有ジョセフソン接合を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子はこの分野の技術的空白を補充することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施形態は色々な他の形態に変形でき、本発明の範囲が後述する実施例に限定されることではない。本発明の実施例は当業者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面において膜または領域の大きさまたは厚さは明細書の明確性のために誇張されている。また、ある膜が他の膜または基板の“上”にあると記載された場合、前記ある膜が前記他の膜の上に直接存在することもあり、その間に第3の他の膜が介在されることもある。
図1は、本発明による高温超伝導体を利用したテラヘルツ(THz)電磁波発振及び検出用素子の概念図である。
具体的に、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は電磁波発振部Aと、絶縁部C及び電磁波検出部Bとに大別される。本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は超伝導体単結晶、たとえば、BiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成される。本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)300で構成される。
前記超伝導体単結晶メサ構造300内には、単結晶の形成につれて自然に、2つの固有の超伝導層2と固有の絶縁層4とで構成される固有ジョセフソン接合(イントリンシックジョセフソン接合)6が存在する。したがって、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、固有ジョセフソン接合6が複数にわたって直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)で構成される。さらに、前記超伝導体単結晶メサ構造300において、電磁波発振部Aは超伝導体単結晶を加工して超伝導体単結晶の長さをジョセフソンの侵入深さより長く構成し、電磁波検出部Bでは、電磁波発振部Aの長手方向に沿った長さ(すなわち、電磁波検出部Bの幅に該当)をジョセフソンの侵入深さより短く構成する。
前記メサ構造300よりなる電磁波発振部A及び電磁波検出部Bに対して平行に外部から磁場をかければ、ジョセフソン接合6の絶縁層4にジョセフソンフラクソン12が形成される。前記ジョセフソンフラクソン12に外部から超伝導体単結晶のc軸に沿って透過電流14を流せば、透過電流14はジョセフソンフラクソン12に対して平面方向にローレンツ力を発生させることなる。このようにして、ジョセフソンフラクソン12を固有ジョセフソン接合6に沿って光速の1%に近い非常に速い速度で動かす。このようなジョセフソンフラクソン12の高速運動は積層された超伝導電極間に非常に速い超伝導位相差の経時変化を誘発する。この結果、テラヘルツ(THz)に該当する超伝導位相差の経時変化、すなわち、dj/dtは超伝導電子対のプラズマ発振を誘導し、これは発振部Aと絶縁部Cとの境界面でテラヘルツ振動数帯域の電磁波に転換されて電磁波検出部Bに伝えられる。
特に、超伝導体単結晶メサ構造300内の絶縁層4と空気のインピーダンス不一致があるために、固有ジョセフソン接合6内で発振したプラズマのテラヘルツ振動16を自由空間(空気)の電磁波振動に転換するには相当な難しさがある。そこで、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、前記テラヘルツ振動数帯域の電磁波振動16を自由空間に引き出す代わりに絶縁部Cに引き出し、前記絶縁部Cを通じてテラヘルツ電磁波を電磁波検出部Bに引き出す。このようなジョセフソンフラクソンの運動、ジョセフソンフラクソンプラズマの発振によるテラヘルツ電磁波の生成過程、及び生成された電磁波を再び電磁波検出部Bに連結してその発振特性を検出する一連の過程に関する概念が図1に示されている。
図2は、本発明の一例によって製造された高温超伝導体を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の構成図である。図2において、図1と同じ参照番号は同じ部材を示す。
具体的に、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、固有の超伝導層2と固有の絶縁層4との固有ジョセフソン接合6が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)300よりなり、テラヘルツ電磁波が発振しうる電磁波発振部A(第1メサ部)を含む。前記電磁波発振部Aには伝導性を持たない絶縁部Cが接している。前記絶縁部Cと接し、固有の超伝導層2と固有の絶縁層4との固有ジョセフソン接合6が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造300(メサ部)よりなり、テラヘルツ電磁波を検出できる電磁波検出部(第2メサ部)Bが形成されている。
前記電磁波検出部B、絶縁部C及び電磁波発振部AはT字形の超伝導体単結晶メサ構造300で構成される。前記電磁波発振部A及び絶縁部CはT字形の長辺に対応して構成され、前記電磁波検出部BはT字形の短辺に対応して構成される。前記電磁波検出部Bと電磁波発振部Aとを構成する超伝導体単結晶はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成される。
前記外部磁場に垂直な方向に位置する電磁波発振部(第1メサ部)Aの長さ、すなわち、電磁発振部Aにおける前記T字形の長辺方向に沿う長さはジョセフソンの侵入深さより十分に長いので電磁波発振部(A)内にジョセフソンフラクソンが発生する。一方、外部磁場に垂直な方向に位置する電磁波検出部(第2メサ部)Bの長さ、すなわち、電磁波検出部Bにおける前記T字形の長辺方向に沿う長さ(つまり、電磁波検出部Bの幅に該当)はジョセフソンの侵入深さより短いので外部磁場下で電磁波検出部内にジョセフソンフラクソンが発生しない。すなわち、前記電磁波発振部Aの超伝導体単結晶メサ構造は外部磁場に垂直な方向の長さがジョセフソンの侵入深さより長く構成され、前記電磁波検出部Bの超伝導体単結晶メサ構造は外部磁場に垂直な方向の長さがジョセフソンの侵入深さより短く構成されなければならない。しかし、電磁波検出部Bのジョセフソン接合の面積があまり小さければ充電効果により電磁波検出部のジョセフソン接合特性が失われるので接合面積を少なくとも1μm以上にしなければならない。
前記電磁波発振部A、すなわち、T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺の下面及び上面において、各々2分割された第1金層400及び第2金層1100(長辺側に設けられた第1金層400および第2金層を総称して「長辺側金層」と称する)が設けられている。T字形の超伝導体単結晶メサ部300の下面の長辺において2分割された長辺側金層、すなわち2分割された第1金層400には、各々第1電圧電極500及び第1電流電極600が形成されており、T字形の超伝導体単結晶メサ部300の上面の長辺において2分割された長辺側金層、すなわち2分割された第2金層1100には、各々第3電圧電極1200及び第3電流電極1300が形成されている。
一方、前記電磁波検出部B、すなわち、T字形の超伝導体単結晶メサ部300の短辺の下面及び上面において、各々2分割された第1金層400及び第2金層1100(短辺側に設けられた第1金層400および第2金層を総称して「短辺側金層」と称する)が設けられている。T字形の超伝導体単結晶メサ部300の下面の短辺において2分割された短辺側金層、すなわち2分割された第1金層400には、各々第2電圧電極700及び第2電流電極800が形成されており、T字形の超伝導体単結晶メサ部300の上面の短辺において2分割された短辺側金層、すなわち2分割された第2金層1100には、第4電圧電極1400及び第4電流電極1500とが形成されている。
また、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺と短辺との連結部分には、絶縁部Cが形成されており、この箇所で、長辺側金層と短辺側金層とが互いに分離している。すなわち、下面では、前記第1金層400が長辺側と短辺側に分離しており、上面では、前記第2金層1100が長辺側と短辺側に分離している。

特に、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、超伝導体単結晶メサ部300の電磁波発振部Aで発振するジョセフソンフラクソン12のプラズマ振動を外部の自由空間に引出さない。その代りに、本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、電磁波発振部(第1メサ部)Aの側方に、ジョセフソンの侵入深さより短い他の超伝導体単結晶メサ部の電磁波検出部Bを位置させ、電磁波発振部Aと電磁波検出部Bとの間に伝導性が失われた絶縁部Cを形成する。電磁波発振部Aで発振したジョセフソンフラクソン12によるテラヘルツプラズマ振動は絶縁部Cを経ながら電磁波に転換される。この時、電磁波発振部Aと電磁波検出部Bとを分離している絶縁部Cは元の超伝導体単結晶の固有の絶縁層4と同じ物質よりなっていて誘電率の変化がないので、転換された電磁波が反射されずに電磁波検出部Bに伝達される。
前記絶縁部Cを通じて電磁波検出部に伝えられた電磁波は逆ジョセフソン効果により発振振動数fに該当する電位値、すなわち、V=hf/2e(hはプランク定数、eは電子の電荷)で、シャピロ階段と呼ばれる電流階段を発生させ、これを利用してテラヘルツ帯域の電磁波周波数を正確に検出できる。
換言すれば、本発明は電磁波発振部Aで発生したテラヘルツ振動を自由空間に引き出す代わりに絶縁部Cを通じて電磁波検出部Bと連係させ、その結果発生する電流対比電圧特性のシャピロ階段を測定することによって電磁波の発振を確認して発振特性及び発振周波数を正確に検出する。
図3ないし図9は、図2の高温超伝導体を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法を示す図面である。図3ないし図9において、図2と同じ参照番号は同じ部材を示す。
図3は、超伝導体単結晶基底部200、T字形の超伝導体単結晶メサ部300、及びパターニングされた第1金層400を形成する段階を示す図面である。
具体的に、超伝導体単結晶、たとえばBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶を用意する。前記超伝導体単結晶は異方性が非常に大きい高温超伝導体であって、先天的に、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合(イントリンシックジョセフソン接合)と呼ばれるジョセフソン接合が直列に積層された構造を有する。次いで、第1基板100、たとえばガラス基板、サファイア基板または酸化マグネシウム基板上にネガティブ型フォトレジストまたはポリイミドを液体状態でスピンコーティングする。次いで、前記用意した超伝導体単結晶をフォトレジストまたはポリイミドがコーティングされた第1基板100上に位置させた後、オーブンでハードベーグして超伝導体単結晶を第1基板100に固定させる。
次に、接着テープなどを超伝導体単結晶の上端の表面に付着した後、その接着力を利用して超伝導体単結晶の上端の一部を取り外して超伝導体単結晶の表面をきれいにした後に、前記超伝導体単結晶表面に第1金層を約50nmの厚さに蒸着して形成する。
次に、フォトリソグラフィー工程または電子ビームリソグラフィー工程による微細パターニング工程及び乾式エッチング工程により第1金層及び超伝導体単結晶を適正深さにパターニングする。このようにすれば、図3に示したように第1基板100上に超伝導体単結晶基底部200、T字形の超伝導体単結晶メサ部300、及びパターニングされた第1金層400が形成される。
前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の幅Wはジョセフソンの侵入深さより短く1〜5マイクロメートルに形成する。前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺の長さlはジョセフソンの侵入深さより十分に長く約20〜50マイクロメートルに形成し、短辺の長さlは約5〜15マイクロメートルに形成するが、電磁波検出部(図2のB)となる接合の面積(l×W)が少なくとも1μm以上になるようにlとWとを適当に調節する。
前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の厚さは約数十〜数百nmに形成する。前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の高さ(厚さ)はエッチング時間を調整して調節する。前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺部分は後で電磁波発振部(図2のA)になる部分であり、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の短辺部分は電磁波検出部(図2のB)になる部分である。
図4は、パターニングされた第1金層400を4部分に分割する段階を示す。すなわち、第1金層400は、T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺側の部分と短辺側の部分とに分かれており、さらに、超伝導体単結晶メサ部300の長辺及び短辺において各々が2分割されている。
具体的に、前記電磁波発振部(図2のA)及び電磁波検出部(図2のB)において各々4端子測定できる構造を得るために、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の表面にパターニングされた第1金層(Au)400をマイクロパターニング工程と、湿式エッチング工程や乾式エッチング工程を利用して4部分に分割する。前記パターニングされた第1金層400を湿式エッチングする時は蒸溜水と1:1に希釈したKI酸を利用するが、濃度は所望のエッチング時間によって適当に調節する。なお、前記パターニングされた第1金層400の分割のためのエッチングが第1金層400の厚さを超えて超伝導体単結晶メサ部300に数nmも延びても関係ない。
図5は第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800を形成する段階を示すものである。
具体的には、前記4つに分割された第1金層400上に各々電気的に連結される第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800を形成する。前記第1電圧電極500及び第1電流電極600は電磁波発振部(図2のA)に形成され、前記第2電圧電極700及び第2電流電極800は電磁波検出部(図2のB)に形成される。すなわち、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の長辺において2分割された第1金層400上に第1電圧電極500及び第1電流電極600を形成する。一方、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の短辺において2分割された第1金層400上に第2電圧電極700及び第2電流電極800を形成する。前記第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800により素子の作動部を外部に連結できる。
前記第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800は100〜300nm厚さの金層をマイクロパターニング工程と、湿式エッチング工程または乾式エッチング工程を利用して形成する。前記超伝導体単結晶メサ部300を通じて電流を最大限均一に流すために、マイクロパターニングが許容する限度内で第1電流電極600及び第2電流電極800を最大化して第1電圧電極500及び第2電圧電極700を最小化することが望ましい。換言すれば、第1電流電極600及び第2電流電極800を各々許容する限度内で第1電圧電極500及び第2電圧電極700より大きい面積に形成する。
図6は、第1基板100を覆して第2基板900に付着した後、第1基板100と超伝導体単結晶基底部200とを取り外す段階を示すものである。
具体的に、図6は超伝導体単結晶メサ部300の背面に電極を設置するためのへき開工程を主に説明するための図面である。まず、第2基板900に液状のネガティブ型フォトレジストまたはポリイミドを図3の過程と同一にスピンコーティングする。次いで、第1基板100を覆して、最上層に位置する第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800を図3の過程と同じ方式によりフォトレジストまたはポリイミドがコーティングされた第2基板900に位置させた後、ハードベーグすることによって前記第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800を第2基板900に付着して固定する。
次いで、物理的な力を加えて前記両基板の間を広げて第1基板100を第2基板900から分離するとともに、前記超伝導体単結晶基底部200も取り外す。これにより、前記第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800は第2基板900に付着され、前記超伝導体単結晶メサ部300の背面、すなわち超伝導体単結晶基底部200が分離された面が上に露出される。第1基板100を取り外す時に超伝導体単結晶基底部200が超伝導体単結晶メサ部300から完全に分離されない場合がたびたび発生する。この場合には前述したように接着テープを利用して超伝導体単結晶基底部200が超伝導体単結晶メサ部300から完全に分離されるまでへき開過程を反復実行できる。このような工程を進行し終われば超伝導体単結晶メサ部300の第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800を第2基板900に付着するために使われた固形化されたフォトレジストまたはポリイミドで構成された層間絶縁層1000の表面が超伝導単結晶メサ部300の背面と同じ高さに位置する。
次いで、前記超伝導単結晶メサ部300の背面及び層間絶縁層1000の表面全体に約100〜300nm厚さの第2金層を形成する。次に、フォトリソグラフィー工程または電子ビームリソグラフィー工程による微細パターニング工程と湿式エッチング工程や乾式エッチング工程により第2金層を図6のように元のT字形超伝導単結晶メサ部300形態に合せてパターニングする。これにより、前記超伝導単結晶メサ部300の背面上にパターニングされた第2金層1100が形成される。
次いで、またフォトリソグラフィー工程または電子ビームリソグラフィー工程による微細パターニング工程と乾式エッチング工程とを利用し層間絶縁層1000をパターニングする。このようにすれば、図6に示したように、前記第1電圧電極500、第1電流電極600、第2電圧電極700及び第2電流電極800の一部分面が露出されたパターニングされた層間絶縁層1000が最終的に形成される。
図7は、第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400及び第4電流電極1500を形成する段階を示す。
具体的に、前記パターニングされた第2金層1100に各々電気的に連結される第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400及び第4電流電極1500を形成する。前記第3電圧電極1200及び第3電流電極1300は電磁波発振部に形成され、前記第4電圧電極1400及び第4電流電極1500は電磁波検出部に形成される。前記第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400、第4電流電極1500により素子の作動部を外部に連結できる。
前記第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400、第4電流電極1500は、100〜300nm厚さの金層をマイクロパターニングする工程と、湿式エッチング工程または乾式エッチング工程とを利用して形成する。前記超伝導体単結晶メサ部300を通じて電流を最大限均一に流すためにマイクロパターニングが許容する限度内で第3電流電極1300を最大化し、かつ第3電圧電極1200を最小化することが望ましい。換言すれば、第3電流電極1300を、許容する限度内で第3電圧電極1200より大きい面積に形成する。
図8は、パターニングされた第2金層1100を4部分に分割する段階を示すものである。
具体的に、図8に示したように前記パターニングされた第2金層1100を4端子測定のために図5と同じ方法により4部分に分割する。すなわち、パターニングされた第2金層1100を第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400及び第4電流電極1500別に分離する。前記第2金層1100の分割のためのエッチングが第2金層1100の厚さを超えて超伝導体単結晶メサ部300に数nmも延びても関係ない。結果的に、超伝導体単結晶メサ部300の上下部に4端子測定ができる電極が形成される。
なお、図7に示す第3電圧電極1200、第3電流電極1300、第4電圧電極1400、第4電流電極1500を形成する段階と、図8に示すパターニングされた第2金層1100を4部分に分割する段階との順序を変えてもかまわないことはもちろんである。
図9は、絶縁部Cを形成する段階を示すものである。
具体的に、前記の4端子測定できる構造を効果的に利用するために、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300で電磁波発振部(図2のA)と電磁波検出部(図2のB)とを分離できる絶縁部Cを形成する。このために、図9に示したように第3電流電極1300と電磁波検出部Bとの間の超伝導体単結晶メサ部300にシリコンイオンを注入する。換言すれば、シリコンイオンはT字形の超伝導体単結晶メサ部300において第2金層1100がエッチングされて分割された部分に注入され、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部300の下面及び上面の長辺と短辺との連結部分と、前記第1金層400及び第2金層1100が分割された部分とに絶縁部Cが形成される。
前記分割された第2金層1100の超伝導体単結晶メサ部300に注入されるシリコンイオンは超伝導層であるCuO層の酸素と結合してCuO層を酸素が非常に足りない状態にする。すなわち、伝導性を有するCuO層がシリコンイオンの注入効果によって絶縁層になり、結果的にT字形の構造体において左側の長いメサ方向の電磁波発振部Aと右側の短いメサ方向の電磁波検出部B間の部位が絶縁部Cに変換される効果を得る。このように注入されたSiイオンによってCuOを絶縁層に変える過程を通じて電磁波発振部Aと電磁波検出部Bとの間が連結されている。この結果、電磁波発振部Aと電磁波検出部Bとを電気的には分離させつつ機械的には接続された状態とする。そして、その境界面で超伝導対のプラズマ振動を固有のインピーダンス不整合に起因する反射によってロスすることなく電磁波発振に転換する。この時に発振するテラヘルツ周波数を電磁波発振部A以外の部位に引き出して検出する。
本発明のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子は、テラヘルツ帯域の電磁波の発振が確認でき、かつ発振特性及び発振周波数が正確に検出できて二次元医療診断、レーダーモデリング、水分及び化学成分の分析、高分子物質の品質検査及び遠距離通信などに利用できる。
本発明による高温超伝導体を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の概念図である。 本発明の一例によって製造された高温超伝導体を利用したテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の構成図である。 図2の高温超電導体を利用したテラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造方法を示す図である。 図3に後続して、テラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造工程を示す図である。 図4に後続するテラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造工程を示す図である。 図5に後続するテラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造工程を示す図である。 図6に後続するテラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造工程を示す図である。 図7に後続するテラヘルツ電磁派発振及び検出用装置の製造工程を示す図である。 図8に後続するテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造工程を示す図面である。
符号の説明
300 超伝導体単結晶メサ構造(メサ部)、
400 第1金層、
500 第1電圧電極、
600 第1電流電極、
700 第2電圧電極、
800 第2電流電極、
900 第2基板、
1000 層間絶縁層、
1100 第2金層、
1200 第3電圧電極、
1300 第3電流電極、
1400 第4電圧電極、
1500 第4電流電極、
A 電磁波発振部(第1メサ部)、
B 電磁波検出部(第2メサ部)、
C 絶縁部。

Claims (17)

  1. 超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなり、テラヘルツ電磁波を発振できる電磁波発振部と、
    前記電磁波発振部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、
    前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなり、テラヘルツ電磁波を検出できる電磁波検出部と、を含んで構成されることを特徴とするテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  2. 前記電磁波発振部及び電磁波検出部の超伝導体単結晶はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成されることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  3. 前記電磁波発振部及び絶縁部はT字形の長辺に対応して構成され、前記電磁波検出部はT字形の短辺に対応して構成されることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  4. 前記T字形の長辺方向に沿う前記電磁波発振部の長さはジョセフソンの侵入深さより長く構成され、前記T字形の長辺方向に沿う前記電磁波検出部の長さはジョセフソンの侵入深さより短く構成されることを特徴とする請求項3に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  5. 超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなる第1メサ部と、
    前記第1メサ部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、
    前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなる第2メサ部と、を含んで構成されることを特徴とするテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  6. 前記第1メサ部及び第2メサ部はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶で構成されることを特徴とする請求項5に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  7. 前記第1メサ部及び絶縁部はT字形の長辺に対応して構成され、前記第2メサ部はT字形の短辺に対応して構成されることを特徴とする請求項5に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  8. 前記T字形の長辺方向に沿う前記第1メサ部の長さはジョセフソンの侵入深さより長く構成され、T字形の長辺方向に沿う前記第2メサ部の長さはジョセフソンの侵入深さより短く構成されることを特徴とする請求項7に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  9. 超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなる第1メサ部と、
    前記第1メサ部と接し、伝導性を持たない絶縁部と、
    前記絶縁部と接し、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されている超伝導体単結晶メサ構造よりなる第2メサ部と、を含んで構成され、
    前記第1メサ部に平行に外部磁場をかけて当該第1メサ部における固有ジョセフソン接合の絶縁層にジョセフソンフラクソンを形成し、前記ジョセフソンフラクソンに前記第1メサ部の超伝導体単結晶のc軸に沿って透過電流を加えてジョセフソンフラクソンプラズマ発振を誘起させて前記絶縁部を通過させながらテラヘルツ電磁波に転換し、前記絶縁部と接した第2メサ部に伝えられた前記テラヘルツ電磁波の周波数を検出することを特徴とするテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  10. 前記第2メサ部に伝えられた電磁波は、逆ジョセフソン効果により、発振振動数fに該当する電位値であるV=hf/2e(hはプランク定数、eは電子の電荷)でシャピロ階段と呼ばれる電流階段を発生させ、当該電流階段を利用してテラヘルツ帯域の電磁波周波数を検出することを特徴とする請求項9に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  11. 基板上に付着され、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合が直列に積層されておりT字形をした超伝導単結晶メサ構造よりなる超伝導体単結晶と、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面及び上面の長辺において各々2分割された長辺側の金層と、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面の長辺において2分割された長辺側の金層に形成された第1電圧電極及び第1電流電極と、当該超伝導単結晶メサ構造の上面の長辺において2分割された長辺側の金層に形成された第3電圧電極及び第3電流電極と、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面及び上面の短辺において各々2分割された短辺側の金層と、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の下面の短辺において2分割された短辺側の金層に形成された第2電圧電極及び第2電流電極と、当該超伝導単結晶メサ構造の上面の短辺において2分割された短辺側の金層に形成された第4電圧電極及び第4電流電極と、
    前記T字形の超伝導体単結晶メサ構造の下面及び上面での前記長辺と前記短辺との連結部分であって金層が前記長辺側の金層と前記短辺側の金層とに分割された部分において形成された絶縁部と、
    前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極の各々の一部面と、前記第3電圧電極、第3電流電極、第4電圧電極及び第4電流電極とが露出されるように前記基板上に形成された層間絶縁層と、で構成されており、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の前記長辺はテラヘルツ電磁波を発振する電磁波発振部であり、前記T字形の超伝導単結晶メサ構造の前記短辺は電磁波検出部であることを特徴とするテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子。
  12. 第1基板上に、超伝導層と絶縁層との固有ジョセフソン接合よりなる超伝導体単結晶を固定させる段階と、
    前記超伝導体単結晶表面に第1金層を形成する段階と、
    前記第1金層及び超伝導体単結晶をパターニングして、第1基板上に、超伝導体単結晶基底部、当該超伝導体単結晶基底部に比べて狭い面積のT字形の超伝導体単結晶メサ部、及びパターニングされた第1金層を形成する段階と、
    前記第1金層を前記T字形の超伝導単結晶メサ部の長辺及び短辺において各々2分割する段階と、
    前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺において2分割された第1金層上に夫々第1電圧電極及び第1電流電極を形成し、超伝導体単結晶メサ部の短辺において2分割された第1金層上に夫々第2電圧電極及び第2電流電極を形成する段階と、
    前記第1基板を覆して、最上層に位置する前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極を第2基板に付着して固定する段階と、
    前記第1基板を取り外すとともに前記超伝導体単結晶基底部も取り外して前記超伝導体単結晶メサ部の背面を露出させる段階と、
    前記超伝導体単結晶メサ部の背面上に第2金層を蒸着する段階と、
    前記第1電圧電極、第1電流電極、第2電圧電極及び第2電流電極の各々の一部面を露出させるように前記第2基板上に層間絶縁層を形成する段階と、
    前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺の第2金層上に第3電圧電極及び第3電流電極を形成し、当該超伝導体単結晶メサ部の短辺の第2金層上に第4電圧電極及び第4電流電極とを形成する段階と、
    前記第2金層を前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の長辺及び短辺において各々電圧電極及び電流電極別に分割する段階と、
    前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の下面及び上面での長辺と短辺との連結部分であって前記第1金層及び第2金層が各々長辺側と短辺側に分割された部分において絶縁部を形成する段階と、を含んでおり、
    前記T字形の超伝導単結晶メサ部の前記長辺をテラヘルツ電磁波が発振する電磁波発振部とし、前記T字形の超伝導単結晶メサ部の前記短辺を電磁波検出部とすることを特徴とするテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
  13. 前記絶縁部は、前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の下面及び上面での長辺と短辺との連結部分であって前記第1金層及び第2金層が各々長辺側と短辺側に分割された部分に対してシリコンイオン注入を施して得られることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
  14. 前記超伝導体単結晶はBiSrCaCu8+xまたはTlBaCaCu10+xの高温超伝導体単結晶であることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
  15. 前記超伝導体単結晶を第1基板に固定させる段階は、
    前記第1基板上にフォトレジストまたはポリイミドを液体状態でスピンコーティングする段階と、
    前記フォトレジストまたはポリイミドがコーティングされた前記第1基板上に超伝導体単結晶を位置させた後にハードベーグする段階と、を含んでなることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
  16. 前記超伝導体単結晶メサ部、超伝導体単結晶基底部、及びパターニングされた第1金層は、微細パターニング工程と乾式エッチング工程とにより形成されることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
  17. 前記T字形の超伝導体単結晶メサ部の高さはエッチング時間を調整して調節されることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ電磁波発振及び検出用素子の製造方法。
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