JP2004235442A - 表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面実装電子部品をプリント配線基板に固定するための接着剤の供給量のばらつきを小さくし、はんだ付けの信頼度が高い表面実装電子部品の搭載方法を提供する。
【解決手段】プリント配線基板上に接着剤を供給し、該接着剤を硬化させて表面実装電子部品を固定した後、ディップはんだ付けを行う表面実装電子部品の実装方法において、接着剤Gを剥離テープ3aに塗布して接着剤テープ3として供給し、接着剤テープ3の上部から貼付手段6によって押圧および/または加熱することにより、接着剤Gをプリント配線基板1上に転写する。
【選択図】 図2
【解決手段】プリント配線基板上に接着剤を供給し、該接着剤を硬化させて表面実装電子部品を固定した後、ディップはんだ付けを行う表面実装電子部品の実装方法において、接着剤Gを剥離テープ3aに塗布して接着剤テープ3として供給し、接着剤テープ3の上部から貼付手段6によって押圧および/または加熱することにより、接着剤Gをプリント配線基板1上に転写する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ、抵抗体、半導体部品などの表面実装電子部品をプリント配線基板へディップはんだ付けにより実装する際に、表面実装電子部品の固定用接着剤をプリント配線基板上へ供給するための表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板への電子部品はんだ付けの量産方式には、大きくリフローはんだ付けとディップはんだ付けが用いられる。
【0003】
実装する部品が表面実装電子部品である場合、ディップはんだ付けを行う際には表面実装電子部品がディップはんだ槽内で落下する恐れがあるので、表面実装電子部品を接着剤でプリント配線基板へ予め固定しておく必要がある。このため、実装部品が表面実装電子部品のみである場合には、一般には工程が簡略で済むリフローはんだ付けが用いられる。
【0004】
一方、アキシャルやラジアルなどの挿入型電子部品のはんだ付けを行うには、リフローはんだ付けでは不可能であり、ディップはんだ付けを用いる必要がある。
【0005】
したがって、表面実装電子部品と挿入型電子部品とが混載している基板においては、表面実装電子部品を接着剤でプリント配線基板へ固定した上で、ディップはんだ付けを行う。
【0006】
この時の接着剤の供給方法としては、スクリーン印刷による方法やディスペンサーによる方法、あるいは、ピン転写による方法があるが、スクリーン印刷による方法が用いられることはまれである(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
図5は、従来技術におけるディスペンサー7による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【0008】
図5(a)に示すように、不図示の機構によって縦位置姿勢で昇降可能に支持されている筒状のディスペンサー7の内部には接着剤Gが充填されている。ディスペンサー7の下部には、ディスペンサー7の本体部よりも細い筒状のノズル7aが形成されており、ノズル7aの先端7bからディスペンサー7の内部に充填されている接着剤Gを吐出することができるようになっている。
【0009】
接着剤Gの供給を行う際には、まず、ディスペンサー7がプリント配線基板1上へ配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間に引き下ろされ、ディスペンサー7のノズル7aの先端7bがプリント配線基板1の上面とごくわずかの距離を隔てる位置で保持される。この状態で、ノズル7aの先端7bからプリント配線基板1へ、接着剤Gが所定量吐出される。
【0010】
続いて、図5(b)に示すように、ディスペンサー7が引き上げられることにより、プリント配線基板1上には吐出された接着剤Gがやや不均一に盛り上がった状態で残され、これにより接着剤Gの供給が完了する。
【0011】
しかし、この接着剤供給方法においては、接着剤Gの切れが悪いことによる糸引きや、ディスペンサー7のノズル7aの先端7bに接着剤Gの塊が付着することによる供給過多、または、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が発生しやすい。
【0012】
図6は、従来技術におけるピン転写による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【0013】
図6(a)に示すように、不図示の機構によって縦位置姿勢で昇降可能に支持されている棒状の転写ピン8は、その先端部8aが先端面8bに近づくほどやや細くなっており、その先端面8bは平坦に形成されている。
【0014】
接着剤Gの供給を行う際には、まず、不図示の機構により転写ピン8の先端部8aに接着剤Gが付着させられる。そして、この転写ピン8の先端面8bがプリント配線基板1上に配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間に接触するまで、転写ピン8が引き下ろされる。このとき、転写ピン8の先端部8aには接着剤Gが付着しているので、この接着剤Gがプリント配線基板1に付着する。
【0015】
続いて、図6(b)に示すように、転写ピン8が引き上げられることにより、プリント配線基板1上には付着した接着剤Gがやや不均一に盛り上がった状態で残され、これにより接着剤Gの供給が完了する。
【0016】
しかし、この接着剤供給方法においては、転写ピン8の先端部8aへの接着剤Gの付着量の制御が困難であるため、やはり供給過多や供給不足などの問題が発生しやすい。
【0017】
接着剤Gの供給過多が発生すると、接着剤Gがプリント配線基板1の電極2上へはみ出し、はんだ不濡れ不良を引き起こす原因となる。
【0018】
また、接着剤供給不足が発生すると、プリント配線基板1と接着剤Gとの接着面積が小さくなるため、接着力不足による部品脱落不良を引き起こす原因となる。
【0019】
そこで、ディスペンサーによる接着剤の供給量を安定化させる表面実装部品の搭載方法が従来技術として提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0020】
この表面実装部品の搭載方法は、印刷配線板に配設したパッドに、電極を半田付けして、表面実装部品を印刷配線板に搭載するにあたり、該印刷配線板の所望個所に設けたダミーパッド上に、ディスペンサーから接着剤を吐出し、次に、該パッド間の中心部と該ディスペンサーとを位置合わせして、接着剤を該ディスペンサーから吐出して付着させた後、それぞれの電極を対応する該パッドに位置合わせして、該表面実装部品を該印刷配線板に着座し、該接着剤で該表面実装部品を該印刷配線板に接着し、次に、該電極を対応するそれぞれのパッドに、半田付けすることを特徴とするものである。
【0021】
また、これとは異なるチップ部品の実装方法も従来技術として提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0022】
このチップ部品の実装方法は、プリント基板にリードレスICや抵抗等のチップ部品を電気的に接続して取付けるチップ部品の実装方法において、プリント基板上におけるチップ部品をはんだ付けすべき各ランドの外周を囲むように、インクを堰堤状に盛り上げて印刷し、この堰堤状のインクの外周でかつ前記ランド部間の実装位置に適量の接着剤を塗布して、この接着剤の上にチップ部品を押付けて接着した後、はんだ付けすることを特徴とするものである。
【0023】
【非特許文献1】
社団法人日本溶接協会 マイクロソルダリング技術認定・検定委員会編「標準マイクロソルダリング技術」日刊工業新聞、1992年11月30日、p.120−123
【特許文献1】
特開平5−315735号公報
【特許文献2】
特開平1−245592号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている技術では、プリント配線基板上へ不要なダミー電極を設けなければならないために、プリント配線基板の実装密度が高められないことや、ダミー電極に接着剤を吐出させるためのタクトタイムが余分に必要となり、生産効率の低下が生じることなどの問題がある。
【0025】
また、特許文献2に開示されている技術では、プリント配線基板の電極の周囲に設ける堰堤を安定に形成することが困難であることや、供給された接着剤が容易に堰堤を越えやすく効果が出にくいこと、さらには、堰堤を設ける工程が増えるためコストアップが発生することなどの問題がある。
【0026】
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明は表面実装電子部品をプリント配線基板に固定するための接着剤の供給量のばらつきを小さくし、はんだ付けの信頼度が高い表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の表面実装電子部品の実装方法は、プリント配線基板上の電極間に接着剤を供給し、該接着剤を硬化させて表面実装電子部品を固定した後、ディップはんだ付けを行う表面実装電子部品の実装方法において、接着剤を剥離テープに塗布して接着剤テープとして供給し、プリント配線基板上に転写することを特徴とする。
【0028】
ここで、この接着剤テープのプリント配線基板に当接する面には、表面実装電子部品の固定に使用する接着剤が均一に塗布されている。
【0029】
この発明によれば、プリント配線基板上への接着剤の供給を、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープからの転写により行うため、接着剤の供給量のばらつきが小さくなる。したがって、従来のディスペンサーによる供給方法に見られた接着剤の切れが悪いことによる糸引きや、ノズル先端に接着剤塊が付着することによる供給過多、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が解消できる。また、ピン転写による供給方法に見られた、ピン先端への接着剤付着量制御の困難さのために発生していた供給過多や供給不足などの問題も解消できる。
【0030】
これにより、従来のいずれの方法と比べても供給量の安定した接着剤供給を得ることができ、安価で製造品質の高いプリント配線基板実装生産を行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明の表面実装電子部品の実装方法において、前記転写は前記接着剤テープをプリント配線基板上の所定位置へ位置決めする第1のステップと、前記接着剤テープの上から加圧および/または加熱を行う第2のステップとから成ることを特徴としてもよい。
【0032】
また、本発明の接着剤供給装置は、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープをプリント配線基板上へ引き出す引出手段と、前記プリント配線基板上の所定位置に前記接着剤テープを位置決めする第1の位置決め手段と、前記接着剤テープの上からの加圧および/または加熱を行う貼付手段と、前記プリント配線基板上の所定位置に前記貼付手段を位置決めする第2の位置決め手段と、前記貼付手段を所定の圧力で押圧する押圧手段および/または所定の温度に加熱する加熱手段とを備えたことを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0034】
<接着剤供給装置の構成概略>
図1は、本発明における一実施形態の接着剤供給装置10の構成を示す概略図である。なお、図1においては、接着剤供給装置10の要部をわかりやすくするために、本発明の説明に必要な部分以外の図示を省略するとともに、中心部は周辺よりも拡大して描画している。
【0035】
図1に示すように、接着剤供給装置10の本体内部において、表面実装電子部品の実装対象となるプリント配線基板1が水平に載置される位置の左右斜め上方に、接着剤テープリール4と剥離テープ巻き取りリール5とが対向配置されている。
【0036】
接着剤テープリール4は、2枚の同一円板形状のリール円板4a(ただし、図1では手前側のリール円板のみ図示)と、これらのリール円板4aが互いに平行となるようにリール円板4aの中心部同士を結合する短い円柱状のリール芯4bとから構成されている。ここで、リール芯4bの長さは後述する接着剤テープ3の幅と同じである。この接着剤テープリール4は、リール円板4aがプリント配線基板1と直交するような姿勢で、リール芯4bを回転軸として回動可能に支持されている。
【0037】
また、剥離テープ巻き取りリール5は、2枚の同一円板形状のリール円板5a(ただし、図1では手前側のリール円板のみ図示)と、これらのリール円板5aが互いに平行となるようにリール円板5aの中心部同士を結合する短い円柱状のリール芯5bとから構成されている。ここで、リール芯5bの長さは後述する接着剤テープ3の幅と同じである。この剥離テープ巻き取りリール5は、リール円板5aが接着剤テープリール4を含む同一平面上で、かつ、プリント配線基板1と直交するような姿勢で、リール芯5bを回転軸として回動可能に支持されている。
【0038】
接着剤テープリール4には、剥離テープ3aの片面に接着剤Gを均一に塗布して一体化した接着剤テープ3が、接着剤Gの塗布面が接着剤テープリール4の外周側になるように巻かれている。なお、接着剤テープ3は、取り扱いの容易さを考慮して、このように接着剤テープリール4に巻かれた状態で準備される。
【0039】
接着剤テープリール4に巻かれた接着剤テープ3は、この接着剤テープリール4の下方から引き出されてプリント配線基板1が載置される位置の上方を通過し、剥離テープ巻き取りリール5の下方に達している。剥離テープ3aの先端は剥離テープ巻き取りリール5に巻きつけられており、剥離テープ巻き取りリール5の回転によって、剥離テープ3aの使用済みの部分が剥離テープ巻き取りリール5に巻き取られるようになっている。
【0040】
なお、接着剤テープ3がたるまないようにするとともに、接着剤テープ3がプリント配線基板1に当接、あるいは近接し過ぎないように、接着剤テープリール4と剥離テープ巻き取りリール5によって一定の張力が接着剤テープ3に対して加えられている。
【0041】
<接着剤の転写方法>
次に、上記構成の接着剤テープ3を用いてプリント配線基板1に接着剤Gを転写する方法について説明する。
【0042】
図2および図3は、上記構成の接着剤供給装置10による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、図2は接着剤テープ3の上から加圧および加熱をしている状態を、図3は加圧および加熱の後の状態を示している。なお、図2および図3においては、図1と同様に、接着剤供給装置10の要部をわかりやすくするために、本発明の説明に必要な部分以外の図示を省略するとともに、中心部は周辺よりも拡大して描画している。また、図1には描画されていた剥離テープ巻き取りリール5の図示についても省略している。
【0043】
(1)第1のステップ
まず、図1に示したように、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面が、プリント配線基板1上に配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間の真上に来るように、位置決めが行われる。
【0044】
(2)第2のステップ
続いて、図2に示すように、接着剤供給装置10の本体内部上方から、不図示の機構により縦位置姿勢で昇降可能に支持されている棒状の貼付手段6を降下させる。なお、この貼付手段6は、その先端部6aが先端面6bに近づくほどやや細くなっており、その先端面6bは平面となるように形成されている。
【0045】
貼付手段6が降下して、その先端面6bが接着剤テープ3を下方へと押し下げることにより、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面がプリント配線基板1に当接する。この状態で、貼付手段6による加圧および加熱が接着剤テープ3の上から行われ、これにより、接着剤テープ3に塗布されていた接着剤Gがプリント配線基板1上に付着する。なお、プレスなどによる加圧や、ヒータなどによる加熱のいずれかにより接着剤Gをプリント配線基板1上に付着させるようにしてもよい。
【0046】
加圧および加熱の後、貼付手段6を上昇させる。これにより、貼付手段6の先端面6bにより押し下げられていた接着剤テープ3が、図3に示すように、接着剤テープ3に加えられている張力によって再び上昇する。このとき、加圧および加熱が行われた部分については、接着剤テープ3に塗布されていた接着剤Gがプリント配線基板1の上に付着したままの状態で残り、剥離テープ3aのみが上昇する。このようにして、プリント配線基板1上への接着剤Gの転写による供給が完了する。
【0047】
ここで、接着剤テープ3の適切な幅は、搭載する表面実装電子部品の種類や大きさによって異なる。例えば、1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ抵抗部品の場合には、接着剤テープ3の幅は好ましくは約0.6mmである。剥離テープ3aの素材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、あるいは、テフロン樹脂を使用する。
【0048】
接着剤Gの母材には、一般的にエポキシ樹脂を使用する。接着剤テープ3に塗布する接着剤Gの厚さは、0.15mm程度が適当である。
【0049】
また、貼付手段6の先端面6bの形状は、長方形でも円形でも構わない。この先端面6bの平面形状の適切な大きさも、搭載する表面実装電子部品の種類や大きさによって異なるが、例えば、1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ抵抗部品の場合で、先端平面形状部の形を円形とした場合、直径0.6mm程度である。
【0050】
貼付手段6により加熱を行う場合、貼付手段6の先端部6aの温度としては、接着剤Gの性能によっても異なるが、100℃程度が適切である。貼付手段6により加圧を行う場合の加圧力としては、1.0MPa程度が適切である。
【0051】
<実装方法のフローチャート>
図4は、上記構成の接着剤供給装置10による表面実装電子部品の実装方法のフローチャートである。このフローチャートを参照して、接着剤テープ3を用いたプリント配線基板1への接着剤Gの転写方法について説明する。
【0052】
最初に、接着剤テープリール4から接着剤テープ3が引き出される(工程S1)。このとき、上述したように、接着剤テープ3には一定の張力が加えられている。
【0053】
この工程S1と並行して、表面実装電子部品の実装対象となるプリント配線基板1が接着剤供給装置10の本体内部の所定の載置位置に搬入される(工程S2)。
【0054】
工程S1と工程S2がともに終了すると、続いて、接着剤テープ3と、プリント配線基板1上の接着剤Gを転写すべき1対の電極2、2の間の位置との位置決めが、例えば、光学的パターン認識により行われる(工程S3)。
【0055】
続いて、貼付手段6の先端部6aと、接着剤Gを転写すべき1対の電極2、2の間の位置との位置決めが、例えば、光学的パターン認識により行われる(工程S4)。
【0056】
ここで、この貼付手段6には、貼付手段6の先端部6aを一定温度に保持するための加熱機構と温度制御機構とが付与されている。さらに、一定圧力で押圧するため、例えば、エアーシリンダーにより上下可能な機構を備えている。
【0057】
次に、この貼付手段6を降下させて、接着剤テープ3を下方へと押し下げ、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面をプリント配線基板1に当接させた状態で加熱および加圧が行われる(工程S5)。
【0058】
これにより、接着剤テープ3に塗布されている接着剤Gが半硬化状態になり、接着剤Gとプリント配線基板1との間に、接着剤Gと剥離テープ3aと間の粘着力よりもさらに強い粘着力が発生する。
【0059】
貼付手段6を上昇させると(工程S6)、接着剤テープ3は加えられている張力により上昇するが、接着剤Gは粘着力の差によって剥離テープ3aと引き離され、プリント配線基板1の上に転写された状態で残される。
【0060】
この後、剥離テープ巻き取りリール5の回転により、接着剤テープ3の接着剤Gの転写が終了した部分(剥離テープ3aだけになった部分)が巻き取られる。
【0061】
このようにして、プリント配線基板1上への接着剤Gの転写が完了すると、プリント配線基板1が接着剤供給装置10の本体内部から搬出される(工程S7)。
【0062】
なお、プリント配線基板1上に形成された複数箇所の電極2の座標を接着剤供給装置10にあらかじめ登録しておき、複数箇所の電極2と接着剤テープ3および貼付手段6との位置合せを順次行い、上記の工程を繰り返すことにより、プリント配線基板1上に形成された複数箇所の電極2へ接着剤Gを転写することができる。
【0063】
上述の工程S1からS7では、接着剤テープ3を用いたプリント配線基板1への接着剤Gの転写方法を説明したが、これらの工程を行う手段を備えるような装置を構成すれば、本発明の接着剤供給装置が実現できる。
【0064】
すなわち、工程S1を行う引出手段と、工程S3を行う第1の位置決め手段と、工程S4を行う第2の位置決め手段と、貼付手段6とを備える接着剤供給装置を構成し、さらに貼付手段6には、加熱機構と温度制御機構を有する加熱手段と、例えばエアーシリンダーなどによる上下可能な機構を有する押圧手段とを備えるようにしておけばよい。
【0065】
以上、この発明を一実施形態により説明したが、この発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置によれば、プリント配線基板上への接着剤の供給を、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープからの転写により行うため、接着剤の供給量のばらつきが小さくなる。したがって、従来のディスペンサーによる供給方法に見られた接着剤の切れが悪いことによる糸引きや、ノズル先端に接着剤塊が付着することによる供給過多、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が解消できる。また、ピン転写による供給方法に見られた、ピン先端への接着剤付着量制御の困難さのために発生していた供給過多や供給不足などの問題も解消できる。
【0067】
これにより、従来のいずれの方法と比べても供給量の安定した接着剤供給を得ることができ、安価で製造品質の高いプリント配線基板実装生産を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の接着剤供給装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、接着剤テープ3の上から加圧および加熱をしている状態を示している。
【図3】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、加圧および加熱の後の状態を示している。
【図4】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法のフローチャートである。
【図5】従来技術におけるディスペンサーによる接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【図6】従来技術におけるピン転写による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【符号の説明】
1 プリント配線基板
2 電極
3 接着剤テープ
3a 剥離テープ
4 接着剤テープリール
5 剥離テープ巻き取りリール
6 貼付手段
7 ディスペンサー
8 転写ピン
10 接着剤供給装置
G 接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ、抵抗体、半導体部品などの表面実装電子部品をプリント配線基板へディップはんだ付けにより実装する際に、表面実装電子部品の固定用接着剤をプリント配線基板上へ供給するための表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板への電子部品はんだ付けの量産方式には、大きくリフローはんだ付けとディップはんだ付けが用いられる。
【0003】
実装する部品が表面実装電子部品である場合、ディップはんだ付けを行う際には表面実装電子部品がディップはんだ槽内で落下する恐れがあるので、表面実装電子部品を接着剤でプリント配線基板へ予め固定しておく必要がある。このため、実装部品が表面実装電子部品のみである場合には、一般には工程が簡略で済むリフローはんだ付けが用いられる。
【0004】
一方、アキシャルやラジアルなどの挿入型電子部品のはんだ付けを行うには、リフローはんだ付けでは不可能であり、ディップはんだ付けを用いる必要がある。
【0005】
したがって、表面実装電子部品と挿入型電子部品とが混載している基板においては、表面実装電子部品を接着剤でプリント配線基板へ固定した上で、ディップはんだ付けを行う。
【0006】
この時の接着剤の供給方法としては、スクリーン印刷による方法やディスペンサーによる方法、あるいは、ピン転写による方法があるが、スクリーン印刷による方法が用いられることはまれである(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
図5は、従来技術におけるディスペンサー7による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【0008】
図5(a)に示すように、不図示の機構によって縦位置姿勢で昇降可能に支持されている筒状のディスペンサー7の内部には接着剤Gが充填されている。ディスペンサー7の下部には、ディスペンサー7の本体部よりも細い筒状のノズル7aが形成されており、ノズル7aの先端7bからディスペンサー7の内部に充填されている接着剤Gを吐出することができるようになっている。
【0009】
接着剤Gの供給を行う際には、まず、ディスペンサー7がプリント配線基板1上へ配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間に引き下ろされ、ディスペンサー7のノズル7aの先端7bがプリント配線基板1の上面とごくわずかの距離を隔てる位置で保持される。この状態で、ノズル7aの先端7bからプリント配線基板1へ、接着剤Gが所定量吐出される。
【0010】
続いて、図5(b)に示すように、ディスペンサー7が引き上げられることにより、プリント配線基板1上には吐出された接着剤Gがやや不均一に盛り上がった状態で残され、これにより接着剤Gの供給が完了する。
【0011】
しかし、この接着剤供給方法においては、接着剤Gの切れが悪いことによる糸引きや、ディスペンサー7のノズル7aの先端7bに接着剤Gの塊が付着することによる供給過多、または、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が発生しやすい。
【0012】
図6は、従来技術におけるピン転写による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【0013】
図6(a)に示すように、不図示の機構によって縦位置姿勢で昇降可能に支持されている棒状の転写ピン8は、その先端部8aが先端面8bに近づくほどやや細くなっており、その先端面8bは平坦に形成されている。
【0014】
接着剤Gの供給を行う際には、まず、不図示の機構により転写ピン8の先端部8aに接着剤Gが付着させられる。そして、この転写ピン8の先端面8bがプリント配線基板1上に配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間に接触するまで、転写ピン8が引き下ろされる。このとき、転写ピン8の先端部8aには接着剤Gが付着しているので、この接着剤Gがプリント配線基板1に付着する。
【0015】
続いて、図6(b)に示すように、転写ピン8が引き上げられることにより、プリント配線基板1上には付着した接着剤Gがやや不均一に盛り上がった状態で残され、これにより接着剤Gの供給が完了する。
【0016】
しかし、この接着剤供給方法においては、転写ピン8の先端部8aへの接着剤Gの付着量の制御が困難であるため、やはり供給過多や供給不足などの問題が発生しやすい。
【0017】
接着剤Gの供給過多が発生すると、接着剤Gがプリント配線基板1の電極2上へはみ出し、はんだ不濡れ不良を引き起こす原因となる。
【0018】
また、接着剤供給不足が発生すると、プリント配線基板1と接着剤Gとの接着面積が小さくなるため、接着力不足による部品脱落不良を引き起こす原因となる。
【0019】
そこで、ディスペンサーによる接着剤の供給量を安定化させる表面実装部品の搭載方法が従来技術として提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0020】
この表面実装部品の搭載方法は、印刷配線板に配設したパッドに、電極を半田付けして、表面実装部品を印刷配線板に搭載するにあたり、該印刷配線板の所望個所に設けたダミーパッド上に、ディスペンサーから接着剤を吐出し、次に、該パッド間の中心部と該ディスペンサーとを位置合わせして、接着剤を該ディスペンサーから吐出して付着させた後、それぞれの電極を対応する該パッドに位置合わせして、該表面実装部品を該印刷配線板に着座し、該接着剤で該表面実装部品を該印刷配線板に接着し、次に、該電極を対応するそれぞれのパッドに、半田付けすることを特徴とするものである。
【0021】
また、これとは異なるチップ部品の実装方法も従来技術として提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0022】
このチップ部品の実装方法は、プリント基板にリードレスICや抵抗等のチップ部品を電気的に接続して取付けるチップ部品の実装方法において、プリント基板上におけるチップ部品をはんだ付けすべき各ランドの外周を囲むように、インクを堰堤状に盛り上げて印刷し、この堰堤状のインクの外周でかつ前記ランド部間の実装位置に適量の接着剤を塗布して、この接着剤の上にチップ部品を押付けて接着した後、はんだ付けすることを特徴とするものである。
【0023】
【非特許文献1】
社団法人日本溶接協会 マイクロソルダリング技術認定・検定委員会編「標準マイクロソルダリング技術」日刊工業新聞、1992年11月30日、p.120−123
【特許文献1】
特開平5−315735号公報
【特許文献2】
特開平1−245592号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている技術では、プリント配線基板上へ不要なダミー電極を設けなければならないために、プリント配線基板の実装密度が高められないことや、ダミー電極に接着剤を吐出させるためのタクトタイムが余分に必要となり、生産効率の低下が生じることなどの問題がある。
【0025】
また、特許文献2に開示されている技術では、プリント配線基板の電極の周囲に設ける堰堤を安定に形成することが困難であることや、供給された接着剤が容易に堰堤を越えやすく効果が出にくいこと、さらには、堰堤を設ける工程が増えるためコストアップが発生することなどの問題がある。
【0026】
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明は表面実装電子部品をプリント配線基板に固定するための接着剤の供給量のばらつきを小さくし、はんだ付けの信頼度が高い表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の表面実装電子部品の実装方法は、プリント配線基板上の電極間に接着剤を供給し、該接着剤を硬化させて表面実装電子部品を固定した後、ディップはんだ付けを行う表面実装電子部品の実装方法において、接着剤を剥離テープに塗布して接着剤テープとして供給し、プリント配線基板上に転写することを特徴とする。
【0028】
ここで、この接着剤テープのプリント配線基板に当接する面には、表面実装電子部品の固定に使用する接着剤が均一に塗布されている。
【0029】
この発明によれば、プリント配線基板上への接着剤の供給を、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープからの転写により行うため、接着剤の供給量のばらつきが小さくなる。したがって、従来のディスペンサーによる供給方法に見られた接着剤の切れが悪いことによる糸引きや、ノズル先端に接着剤塊が付着することによる供給過多、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が解消できる。また、ピン転写による供給方法に見られた、ピン先端への接着剤付着量制御の困難さのために発生していた供給過多や供給不足などの問題も解消できる。
【0030】
これにより、従来のいずれの方法と比べても供給量の安定した接着剤供給を得ることができ、安価で製造品質の高いプリント配線基板実装生産を行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明の表面実装電子部品の実装方法において、前記転写は前記接着剤テープをプリント配線基板上の所定位置へ位置決めする第1のステップと、前記接着剤テープの上から加圧および/または加熱を行う第2のステップとから成ることを特徴としてもよい。
【0032】
また、本発明の接着剤供給装置は、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープをプリント配線基板上へ引き出す引出手段と、前記プリント配線基板上の所定位置に前記接着剤テープを位置決めする第1の位置決め手段と、前記接着剤テープの上からの加圧および/または加熱を行う貼付手段と、前記プリント配線基板上の所定位置に前記貼付手段を位置決めする第2の位置決め手段と、前記貼付手段を所定の圧力で押圧する押圧手段および/または所定の温度に加熱する加熱手段とを備えたことを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0034】
<接着剤供給装置の構成概略>
図1は、本発明における一実施形態の接着剤供給装置10の構成を示す概略図である。なお、図1においては、接着剤供給装置10の要部をわかりやすくするために、本発明の説明に必要な部分以外の図示を省略するとともに、中心部は周辺よりも拡大して描画している。
【0035】
図1に示すように、接着剤供給装置10の本体内部において、表面実装電子部品の実装対象となるプリント配線基板1が水平に載置される位置の左右斜め上方に、接着剤テープリール4と剥離テープ巻き取りリール5とが対向配置されている。
【0036】
接着剤テープリール4は、2枚の同一円板形状のリール円板4a(ただし、図1では手前側のリール円板のみ図示)と、これらのリール円板4aが互いに平行となるようにリール円板4aの中心部同士を結合する短い円柱状のリール芯4bとから構成されている。ここで、リール芯4bの長さは後述する接着剤テープ3の幅と同じである。この接着剤テープリール4は、リール円板4aがプリント配線基板1と直交するような姿勢で、リール芯4bを回転軸として回動可能に支持されている。
【0037】
また、剥離テープ巻き取りリール5は、2枚の同一円板形状のリール円板5a(ただし、図1では手前側のリール円板のみ図示)と、これらのリール円板5aが互いに平行となるようにリール円板5aの中心部同士を結合する短い円柱状のリール芯5bとから構成されている。ここで、リール芯5bの長さは後述する接着剤テープ3の幅と同じである。この剥離テープ巻き取りリール5は、リール円板5aが接着剤テープリール4を含む同一平面上で、かつ、プリント配線基板1と直交するような姿勢で、リール芯5bを回転軸として回動可能に支持されている。
【0038】
接着剤テープリール4には、剥離テープ3aの片面に接着剤Gを均一に塗布して一体化した接着剤テープ3が、接着剤Gの塗布面が接着剤テープリール4の外周側になるように巻かれている。なお、接着剤テープ3は、取り扱いの容易さを考慮して、このように接着剤テープリール4に巻かれた状態で準備される。
【0039】
接着剤テープリール4に巻かれた接着剤テープ3は、この接着剤テープリール4の下方から引き出されてプリント配線基板1が載置される位置の上方を通過し、剥離テープ巻き取りリール5の下方に達している。剥離テープ3aの先端は剥離テープ巻き取りリール5に巻きつけられており、剥離テープ巻き取りリール5の回転によって、剥離テープ3aの使用済みの部分が剥離テープ巻き取りリール5に巻き取られるようになっている。
【0040】
なお、接着剤テープ3がたるまないようにするとともに、接着剤テープ3がプリント配線基板1に当接、あるいは近接し過ぎないように、接着剤テープリール4と剥離テープ巻き取りリール5によって一定の張力が接着剤テープ3に対して加えられている。
【0041】
<接着剤の転写方法>
次に、上記構成の接着剤テープ3を用いてプリント配線基板1に接着剤Gを転写する方法について説明する。
【0042】
図2および図3は、上記構成の接着剤供給装置10による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、図2は接着剤テープ3の上から加圧および加熱をしている状態を、図3は加圧および加熱の後の状態を示している。なお、図2および図3においては、図1と同様に、接着剤供給装置10の要部をわかりやすくするために、本発明の説明に必要な部分以外の図示を省略するとともに、中心部は周辺よりも拡大して描画している。また、図1には描画されていた剥離テープ巻き取りリール5の図示についても省略している。
【0043】
(1)第1のステップ
まず、図1に示したように、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面が、プリント配線基板1上に配設された1対の表面実装電子部品の電極2、2の間の真上に来るように、位置決めが行われる。
【0044】
(2)第2のステップ
続いて、図2に示すように、接着剤供給装置10の本体内部上方から、不図示の機構により縦位置姿勢で昇降可能に支持されている棒状の貼付手段6を降下させる。なお、この貼付手段6は、その先端部6aが先端面6bに近づくほどやや細くなっており、その先端面6bは平面となるように形成されている。
【0045】
貼付手段6が降下して、その先端面6bが接着剤テープ3を下方へと押し下げることにより、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面がプリント配線基板1に当接する。この状態で、貼付手段6による加圧および加熱が接着剤テープ3の上から行われ、これにより、接着剤テープ3に塗布されていた接着剤Gがプリント配線基板1上に付着する。なお、プレスなどによる加圧や、ヒータなどによる加熱のいずれかにより接着剤Gをプリント配線基板1上に付着させるようにしてもよい。
【0046】
加圧および加熱の後、貼付手段6を上昇させる。これにより、貼付手段6の先端面6bにより押し下げられていた接着剤テープ3が、図3に示すように、接着剤テープ3に加えられている張力によって再び上昇する。このとき、加圧および加熱が行われた部分については、接着剤テープ3に塗布されていた接着剤Gがプリント配線基板1の上に付着したままの状態で残り、剥離テープ3aのみが上昇する。このようにして、プリント配線基板1上への接着剤Gの転写による供給が完了する。
【0047】
ここで、接着剤テープ3の適切な幅は、搭載する表面実装電子部品の種類や大きさによって異なる。例えば、1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ抵抗部品の場合には、接着剤テープ3の幅は好ましくは約0.6mmである。剥離テープ3aの素材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、あるいは、テフロン樹脂を使用する。
【0048】
接着剤Gの母材には、一般的にエポキシ樹脂を使用する。接着剤テープ3に塗布する接着剤Gの厚さは、0.15mm程度が適当である。
【0049】
また、貼付手段6の先端面6bの形状は、長方形でも円形でも構わない。この先端面6bの平面形状の適切な大きさも、搭載する表面実装電子部品の種類や大きさによって異なるが、例えば、1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ抵抗部品の場合で、先端平面形状部の形を円形とした場合、直径0.6mm程度である。
【0050】
貼付手段6により加熱を行う場合、貼付手段6の先端部6aの温度としては、接着剤Gの性能によっても異なるが、100℃程度が適切である。貼付手段6により加圧を行う場合の加圧力としては、1.0MPa程度が適切である。
【0051】
<実装方法のフローチャート>
図4は、上記構成の接着剤供給装置10による表面実装電子部品の実装方法のフローチャートである。このフローチャートを参照して、接着剤テープ3を用いたプリント配線基板1への接着剤Gの転写方法について説明する。
【0052】
最初に、接着剤テープリール4から接着剤テープ3が引き出される(工程S1)。このとき、上述したように、接着剤テープ3には一定の張力が加えられている。
【0053】
この工程S1と並行して、表面実装電子部品の実装対象となるプリント配線基板1が接着剤供給装置10の本体内部の所定の載置位置に搬入される(工程S2)。
【0054】
工程S1と工程S2がともに終了すると、続いて、接着剤テープ3と、プリント配線基板1上の接着剤Gを転写すべき1対の電極2、2の間の位置との位置決めが、例えば、光学的パターン認識により行われる(工程S3)。
【0055】
続いて、貼付手段6の先端部6aと、接着剤Gを転写すべき1対の電極2、2の間の位置との位置決めが、例えば、光学的パターン認識により行われる(工程S4)。
【0056】
ここで、この貼付手段6には、貼付手段6の先端部6aを一定温度に保持するための加熱機構と温度制御機構とが付与されている。さらに、一定圧力で押圧するため、例えば、エアーシリンダーにより上下可能な機構を備えている。
【0057】
次に、この貼付手段6を降下させて、接着剤テープ3を下方へと押し下げ、接着剤テープ3の接着剤Gの塗布面をプリント配線基板1に当接させた状態で加熱および加圧が行われる(工程S5)。
【0058】
これにより、接着剤テープ3に塗布されている接着剤Gが半硬化状態になり、接着剤Gとプリント配線基板1との間に、接着剤Gと剥離テープ3aと間の粘着力よりもさらに強い粘着力が発生する。
【0059】
貼付手段6を上昇させると(工程S6)、接着剤テープ3は加えられている張力により上昇するが、接着剤Gは粘着力の差によって剥離テープ3aと引き離され、プリント配線基板1の上に転写された状態で残される。
【0060】
この後、剥離テープ巻き取りリール5の回転により、接着剤テープ3の接着剤Gの転写が終了した部分(剥離テープ3aだけになった部分)が巻き取られる。
【0061】
このようにして、プリント配線基板1上への接着剤Gの転写が完了すると、プリント配線基板1が接着剤供給装置10の本体内部から搬出される(工程S7)。
【0062】
なお、プリント配線基板1上に形成された複数箇所の電極2の座標を接着剤供給装置10にあらかじめ登録しておき、複数箇所の電極2と接着剤テープ3および貼付手段6との位置合せを順次行い、上記の工程を繰り返すことにより、プリント配線基板1上に形成された複数箇所の電極2へ接着剤Gを転写することができる。
【0063】
上述の工程S1からS7では、接着剤テープ3を用いたプリント配線基板1への接着剤Gの転写方法を説明したが、これらの工程を行う手段を備えるような装置を構成すれば、本発明の接着剤供給装置が実現できる。
【0064】
すなわち、工程S1を行う引出手段と、工程S3を行う第1の位置決め手段と、工程S4を行う第2の位置決め手段と、貼付手段6とを備える接着剤供給装置を構成し、さらに貼付手段6には、加熱機構と温度制御機構を有する加熱手段と、例えばエアーシリンダーなどによる上下可能な機構を有する押圧手段とを備えるようにしておけばよい。
【0065】
以上、この発明を一実施形態により説明したが、この発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらをこの発明の範囲から排除するものではない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面実装電子部品の実装方法および接着剤供給装置によれば、プリント配線基板上への接着剤の供給を、接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープからの転写により行うため、接着剤の供給量のばらつきが小さくなる。したがって、従来のディスペンサーによる供給方法に見られた接着剤の切れが悪いことによる糸引きや、ノズル先端に接着剤塊が付着することによる供給過多、ノズルの目詰まりによる供給不足などの問題が解消できる。また、ピン転写による供給方法に見られた、ピン先端への接着剤付着量制御の困難さのために発生していた供給過多や供給不足などの問題も解消できる。
【0067】
これにより、従来のいずれの方法と比べても供給量の安定した接着剤供給を得ることができ、安価で製造品質の高いプリント配線基板実装生産を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の接着剤供給装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、接着剤テープ3の上から加圧および加熱をしている状態を示している。
【図3】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法を説明する概略図であり、加圧および加熱の後の状態を示している。
【図4】本発明における一実施形態の接着剤供給装置による表面実装電子部品の実装方法のフローチャートである。
【図5】従来技術におけるディスペンサーによる接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【図6】従来技術におけるピン転写による接着剤供給方法を示す概略図であり、(a)は接着剤供給中の状態を、(b)は接着剤供給後の状態を示している。
【符号の説明】
1 プリント配線基板
2 電極
3 接着剤テープ
3a 剥離テープ
4 接着剤テープリール
5 剥離テープ巻き取りリール
6 貼付手段
7 ディスペンサー
8 転写ピン
10 接着剤供給装置
G 接着剤
Claims (3)
- プリント配線基板上に接着剤を供給し、該接着剤を硬化させて表面実装電子部品を固定した後、ディップはんだ付けを行う表面実装電子部品の実装方法において、
接着剤を剥離テープに塗布して接着剤テープとして供給し、プリント配線基板上に転写することを特徴とする表面実装電子部品の実装方法。 - 請求項1に記載の表面実装電子部品の実装方法において、
前記転写は前記接着剤テープをプリント配線基板上の所定位置へ位置決めする第1のステップと、
前記接着剤テープの上から加圧および/または加熱を行う第2のステップとから成ることを特徴とする表面実装電子部品の実装方法。 - 表面実装電子部品をプリント配線基板上に固定する接着剤を供給する接着剤供給装置において、
接着剤を剥離テープに塗布した接着剤テープをプリント配線基板上へ引き出す引出手段と、
前記プリント配線基板上の所定位置に前記接着剤テープを位置決めする第1の位置決め手段と、
前記接着剤テープの上からの加圧および/または加熱を行う貼付手段と、
前記プリント配線基板上の所定位置に前記貼付手段を位置決めする第2の位置決め手段と、
前記貼付手段を所定の圧力で押圧する押圧手段および/または所定の温度に加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする接着剤供給装置。
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Cited By (1)
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WO2018008066A1 (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 株式会社鈴木 | 転写方法および実装方法 |
-
2003
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KR20190024869A (ko) * | 2016-07-04 | 2019-03-08 | 가부시키가이샤 스즈키 | 전사 방법 및 실장 방법 |
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