JP2004235314A - プリント回路基板の測定結果表示システム及び測定結果表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一連の工程を比較検証して不良発生の原因を容易に特定することのできるプリント回路基板の測定結果表示システムを提供する。
【解決手段】製造ライン上に設けられた各種測定装置12、14、17、18、20にて各工程毎に測定を行い、その測定結果データを処理装置(PC)22〜26から測定値蓄積サーバ31に対して転送する。表示サーバ32は、端末装置34a、34b、34c…からの表示要求を受けて、蓄積サーバ31に蓄積された各工程毎の測定結果データを例えば2次元画像や3次元画像などで総合的あるいは選択的に重ねて表示する。これにより、一連の工程を比較検証することができ、例えば不良発生の原因などを容易に特定することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】製造ライン上に設けられた各種測定装置12、14、17、18、20にて各工程毎に測定を行い、その測定結果データを処理装置(PC)22〜26から測定値蓄積サーバ31に対して転送する。表示サーバ32は、端末装置34a、34b、34c…からの表示要求を受けて、蓄積サーバ31に蓄積された各工程毎の測定結果データを例えば2次元画像や3次元画像などで総合的あるいは選択的に重ねて表示する。これにより、一連の工程を比較検証することができ、例えば不良発生の原因などを容易に特定することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器に実装されるプリント回路基板(PCB:printed circuit board)の製造ラインに用いられる測定結果表示システム及び測定結果表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路基板の製造ラインには、例えば配線基板を供給する工程、配線基板上に印刷マスクを用いてはんだを印刷する工程、はんだを介して回路部品を配線基板上に搭載する工程などがあり、これらの工程を経てプリント回路基板が製造される。このような製造ラインにおいて、従来、配線基板やはんだ印刷後の配線基板、リフロー後の蓮線基板などを検査し、これらの検査結果をPCなどに適宜表示するシステムが知られている。
【0003】
しかしながら、この種のシステムでは、配線基板の供給工程で配線基板を検査して、その検査結果を表示し、次のはんだ印刷工程ではんだ印刷後の配線基板を検査して、その検査結果を表示し、次の部品搭載工程で部品搭載後の配線基板を検査して、その検査結果を表示するといったように、それぞれの工程が終了した時点で当該工程における検査結果を表示していた。このため、各工程毎に検査結果を確認することはできても、プリント回路基板の製造に関わる一連の工程を比較検証することはできなかった。
【0004】
また、例えば特許文献1には、配線基板上に印刷されたはんだの状態をカメラで撮影し、その映像をPCの画面上に表示することが開示されている。しかしながら、この特許文献1では、はんだの印刷工程のみを対象として、単にはんだの印刷状態の良否とその映像を表示するだけである。したがって、他の工程を含めて比較検証を行うことはできない。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−4079号公報(図3、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来、プリント回路基板の製造ラインにおいて、一連の工程を比較検証することができなかった。このため、製造後にプリント回路基板に不良が発生した場合に、どの工程に不備があったかなど、不良発生の原因を直ぐに特定できないなどの問題があった。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、一連の工程を比較検証して不良発生の原因を容易に特定することのできるプリント回路基板の測定結果表示システム及び測定結果表示方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造ライン上の複数の工程を経て製造されるプリント回路基板の測定結果表示システムであって、上記各工程毎に設けられた複数の測定手段と、これらの測定手段によって得られた各工程毎の測定結果データを蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段に蓄積された各工程毎の測定結果データを比較可能な表示形態で表示する表示手段とを具備して構成される。
【0009】
このような構成によれば、製造ライン上の各工程に従ってプリント回路基板が製造されるのに伴い、複数の測定手段によって得られる各工程毎の測定結果データが蓄積手段に蓄積され、この蓄積手段に蓄積された各工程毎の測定結果データが比較可能な表示形態で表示される。具体的には、上記各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した2次元の画像や3次元の画像が生成され、これらが表示要求に従って総合的あるいは部分的に重ねて表示されたり、上記各測定結果データに含まれる測定値、設計値、誤差が工程単位で表形式で表示されたり、上記各測定結果データが統計的あるいは時系列的に解析処理され、その解析データがグラフ形式で表示される。これにより、一連の工程を比較検証することができ、例えば製造後にプリント回路基板に不良が発生した場合に、その不良発生の原因を容易に特定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係るプリント回路基板の測定結果表示システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
プリント回路基板(PCB)の製造ライン上には、図1に示すように複数の工程a〜jを含み、これらの工程a〜jに対応させて複数の基板供給装置11〜20が配置されている。なお、工程a〜jのうち、工程a、d、f、h、jは製造工程、工程b、c、e、g、iは測定工程である。
【0013】
工程aに対応した基板供給装置11は、製造ラインの入口に設けられる。この基板供給装置11は、配線基板(図2参照)を製造ラインに供給する作業を行う。なお、配線基板上にその種別を表示するためのバーコードが印刷されている場合には、このバーコードを読取る機能も備えている。
【0014】
工程bに対応した基板測定装置12は、基板供給装置11の後段に設けられる。この基板測定装置12は、基板供給装置11によって供給された配線基板の形状および外形寸法、この配線基板上の接続用電極の形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。また、この基板測定装置12は、必要に応じて配線基板の反りやうねりの量を測定することもある。測定方法としては、光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などが採用され、測長分解能は0.1μm〜1μm程度である。なお、配線基板上に形成される接続用電極の数は、製品の種類によって異なるが、概ね数100個〜数1000個であり、これらを必要に応じて全て測定する場合と、必要な箇所だけ測定する場合とがある。
【0015】
図2に配線基板の一例を示す。
【0016】
本実施形態の配線基板は、絶縁基板の表面に導電性材料により回路部品接続用の電極およびこの接続用電極を結ぶ導電ラインが印刷形成され、さらに接続用電極を残して(露出させて)絶縁基板の表面が絶縁材料で被覆されている。この配線基板に実装される回路部品としては、チップ部品、QFP(guad flat ackage)、BGA(ball grid array)などが挙げられる。
【0017】
図2において、101は四角形をなす配線基板である。この配線基板101の表面には、回路部品の電極やピンと接続する複数の接続用電極102〜104が形成されている。例えば、チップ抵抗が実装される位置には、チップ抵抗が持つ2個の電極と接続する2個の接続用電極102が配線基板101の縁に対して傾斜して形成されている。また、QFPが実装される位置には、QFPが持つ多数のピンと接続する多数の接続用電極103が配線基板101の一角を占めて形成されている。さらに、BGAが実装される位置には、BGAが持つ多数の電極と接続する多数の円形の接続用電極104が配線基板101の一角を占めて形成されている。
【0018】
基板測定装置12は、このような配線基板101の長さLと幅Wを測定する。接続用電極102については、配線基板101に設定された絶対座標を基準にして座標位置を測定し、また、X、Yの寸法、必要に応じて高さを含めて夫々測定する。他の接続用電極103、104も同様に寸法を測定する。なお、接続用電極104については円形であるため、その直径寸法Zを測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0019】
工程dに対応したはんだ印刷装置13は、基板測定装置12の後段に設けられる。このはんだ印刷装置13は、接続材料であるはんだを配線基板上に印刷する作業を行う。このときに印刷マスク(図3参照)が用いられる。印刷マスクには配線基板の各接続用電極に対向した開口が形成されており、はんだペーストがこの印刷マスクの開口を通して接続用電極上に印刷される。なお、接続材料としては、はんだに限定されるものではなく、はんだ以外の材料であっても良い。
【0020】
工程eに対応したはんだ測定装置14は、はんだ印刷装置13の後段に設けられる。このはんだ測定装置14は、はんだ印刷装置13によって配線基板上に印刷されたはんだの形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0021】
工程fに対応した部品搭載装置15は、はんだ測定装置14の後段に設けられる。この部品搭載装置15は、抵抗などの回路部品を配線基板上に接続用電極の位置に合わせて搭載する作業を行う。工程hに対応したはんだ硬化炉16は、部品搭載装置15の後段に設けられる。このはんだ硬化炉16は、配線基板上に印刷されたはんだを硬化させて、回路部品を接続用電極に固着する作業を行う。このときの作業をリフロー作業と呼ぶ。工程jに対応した基板収納装置17は、部品搭載装置15の後段に設けられる。この基板収納装置17は、回路部品実装後の配線基板を製造ラインから搬出して収納する作業を行う。
【0022】
また、工程cに対応したマスク測定装置18は、はんだ印刷装置13の前段に設けられる。このマスク測定装置18は、印刷マスク(図3参照)の形状および外形寸法、配線基板の各接続用電極に対向して形成された各はんだ印刷用開口の形状および寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0023】
図3に印刷マスクの一例を示す。
【0024】
図3において、111は四角形をなす印刷マスクである。この印刷マスク111には、配線基板の接続用電極の位置にこの電極と同じ寸法の開口が形成されている。例えば、図2に示す配線基板101に対応してチップ抵抗用の2個の接続用電極102に対向する2個の開口112と、QFP用の多数の接続用電極103に対向する多数の開口113と、BGA用の多数の接続用電極104に対向する多数の円形の開口114が形成されている。
【0025】
マスク測定装置7は、このような印刷マスク111の長さLと幅Wを測定する。開口112については印刷マスク111に設定された絶対座標を基準にして座標位置を測定し、また、X、Yの寸法、必要に応じて高さを含めて夫々測定する。他の開口113、114も同様に寸法を測定する。開口114は円形であるから、その直径寸法Zを測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0026】
工程gに対応した部品測定装置19は、部品搭載装置15の後段に設けられる。この部品測定装置19は、配線基板上に搭載された回路部品の形状および外形寸法、位置座標、角度などを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0027】
なお、回路部品の測定箇所は、立方体または直方体の回路部品(チップ部品)であれば縦、横および高さの寸法を測定する。接続用ピンが形成された回路部品(QFP)であればピンの長さ、ピン同士の平行度、ピン以外の部分の縦、横および高さの寸法を測定する。接続用ボール電極が設けられた回路部品(BGA)であれば、ボール電極の高さ、ボール同士の平行度、ボール以外の部分の縦、横および高さの寸法を測定する。また、これら以外の回路部品においては、その回路部品の外形寸法や接続用電極の寸法などを任意に測定する。
【0028】
図4に回路部品の一例を示す。
【0029】
図4(A)は回路部品の正面図、同図(B)は回路部品の側面図である。図中121はチップ部品の1つであるチップ抵抗を示している。部品測定装置19は、このチップ抵抗121の縦L(Y)、横W(X)および高さHの寸法を測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0030】
工程iに対応したリフロー後の部品測定装置20は、部品搭載装置15の後段に設けられる。このリフロー後の部品測定装置20は、配線基板上に搭載されたリフロー後の回路部品の形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0031】
また、上記製造ラインにおいて、基板供給装置11には、処理装置(PC)21が接続されている。基板測定装置12には、処理装置(PC)22が接続されている。マスク測定装置18には、処理装置(PC)23が接続されている。はんだ測定装置14には、処理装置(PC)24が接続されている。部品測定装置19には、処理装置(PC)25が接続されている。リフロー後の部品測定装置20には、処理装置(PC)26が接続されている。
【0032】
処理装置(PC)21は処理装置(PC)22〜26に接続されており、これらの処理装置(PC)22〜26にはバス27を介して測定値蓄積サーバ31が接続されている。なお、ここでは製造ライン上に複数の処理装置(PC)21、22〜26を配置しているが、これらの処理機能を1台の処理装置(PC)で賄う構成とすることも可能である。
【0033】
ここで、処理装置(PC)21は、処理装置(PC)22に対しては配線基板の設計値情報を与え、処理装置(PC)23に対しては印刷マスクの設計値情報を与え、処理装置(PC)24に対してははんだの設計値情報を与え、処理装置(PC)25に対しては回路部品の設計値情報を与え、処理装置(PC)26に対してはリフロー後の回路部品の設計値情報を与える。設計値情報とは、CADデータのことである。また、この処理装置(PC)21は、基板供給装置1から配線基板の種類やその配線基板を製造ラインに流すタイミングなどの情報を受け付け、その情報を各処理装置(PC)22〜26に対して与える。
【0034】
一方、各処理装置(PC)22〜26は、それぞれに対応した測定装置から測定値を入力して処理する機能を備えている。すなわち、処理装置(PC)22は、基板測定装置12によって測定された配線基板に関する測定値を入力とする。この処理装置(PC)22は、その配線基板に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。
【0035】
同様に、処理装置(PC)23は、マスク測定装置18によって測定された印刷マスクに関する測定値を入力とし、その印刷マスクに関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)24は、はんだ測定装置14によって測定された配線基板上のはんだに関する測定値を入力とし、そのはんだに関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)25は、部品測定装置19によって測定された配線基板上の回路部品に関する測定値を入力とし、その回路部品に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)26は、リフロー後の部品測定装置20によって測定された配線基板上のリフロー後の回路部品に関する測定値を入力とし、そのリフロー後の回路部品に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。
【0036】
また、測定値蓄積サーバ31は、各処理装置(PC)22〜26を通じて各工程毎の測定結果データを収集し、内部の記憶装置31aに蓄積する機能を備える。この測定値蓄積サーバ31には、バス27を介して表示サーバ32が接続されている。この表示サーバ32は、測定値蓄積サーバ31から各工程毎の測定結果データを取得し、これらを工程単位で比較検証可能な表示形態で表示する機能を備える。
【0037】
また、表示サーバ32には、ネットワーク33を介して複数の端末装置34a、34b、34c…が接続されている。これらの端末装置34a、34b、34c…は、例えばパーソナルコンピュータからなり、検査員が測定結果を確認するために用いるものである。
【0038】
図5は表示サーバ32の構成を示すブロック図である。
【0039】
表示サーバ32は、一般的なコンピュータによって実現される。この表示サーバ32は、図5に示すように、CPU41、入力装置42、表示装置43、通信装置44、記憶装置45、インタフェース(I/F)46などを備える。
【0040】
CPU41は、記憶装置45に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに記述された手順に従って所定の処理を実行する。入力装置42は、例えばキーボード、マウスなどからなり、各種データや指示を入力するためのデバイスである。表示装置43は、例えばCRT(Cathode−ray tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、各種データを表示するめのデバイスである。通信装置44は、図1に示すようにネットワーク33を介して外部の端末装置34a、34b、34c…との間でデータ通信を行う。
【0041】
記憶装置45は、例えばROM、RAMなどからなり、複数の記憶領域45a〜45cを有する。記憶領域45aには、CPU41を起動するためのプログラムが記憶されている。記憶領域45bには、測定値蓄積サーバ31から取得した各種測定結果データが記憶されている。この測定結果データには、各工程毎に得られた測定値の他に、予め各工程毎に与えられた設計値と、測定値と設計値との誤差の情報も含まれる。記憶領域45cには、表示対象を絞り混むための基準値が記憶されている。
【0042】
また、インタフェース46には、バス27を介して各処理装置(PC)22〜26や測定値蓄積サーバ31が接続されている。
【0043】
ここで、測定結果の表示方式について説明する。
【0044】
表示サーバ32は、表示対象として指定された測定結果データを各工程毎に比較可能な表示形態で表示する機能を備えている。このときの表示方式として、2D表示方式、3D表示方式、数値表示方式、分析表示方式などがある。2D表示方式は、測定結果データを2次元の画像で表示する方式である(図6、図7参照)。3D表示方式は、測定結果データを3次元の画像で表示する方式である(図8参照)。数値表示方式は、測定結果データを具体的な数値で表形式で表示する方式である(図9参照)。分析表示方式は、測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理し、その分析データをグラフ形式で表示する方式である(図10参照)。
【0045】
図6に2D表示方式で各測定結果データを個別に表示した場合の一例を示す。なお、ここでは配線基板上の接続用電極部分にチップ抵抗を搭載する場合を例にしている。
【0046】
図6(A)は接続用電極/印刷マスクに関する設計値(CADデータ)P1を2次元画像で表している。図6(B)は配線基板上の接続用電極部分を基板測定装置12によって測定した結果P2を2次元画像で表している。同図(C)はその接続用電極部分に用いられる印刷マスクの開口をマスク測定装置18で測定した結果P3を2次元画像で表している。同図(D)はその接続用電極部分に印刷されたはんだをはんだ測定装置14で測定はた結果P4を2次元画像で表している。同図(E)はその接続用電極部分に搭載された回路部品を部品測定装置19あるいはリフロー後の部品測定装置20で測定した結果P5を2次元画像で表している。
【0047】
図7に2D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す。図中のP1〜P5は図6に対応しており、P1は接続用電極/印刷マスクの設計値(CADデータ)、P2は配線基板上の接続用電極部分の測定結果、P3はその接続用電極部分に用いられる印刷マスクの測定結果、P4はその接続用電極部分に印刷されたはんだの測定結果、P5はその接続用電極部分に搭載された回路部品(リフロー前/後)の測定結果を示している。
【0048】
図7(A)は設計値(CADデータ)P1に対応した2次元画像と各測定結果P2〜P5に対応した2次元画像を総合的に重ね表示した状態を表している。このように、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5を重ねて表示することで、不良発生の原因がどの工程にあるかを視覚的に容易に確認することができる。
【0049】
同図(B)は設計値(CADデータ)P1と接続用電極部分の測定結果P2のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(C)は設計値(CADデータ)P1と印刷マスクの測定結果P3とはんだ測定結果P4のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(D)ははんだ測定結果P4と部品測定結果P5のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。
【0050】
なお、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5の組み合わせは、図7の例に限らず、どのような組み合わせでも可能である。また、測定結果についても、ここで例示したものに限らず、他の工程で得られた測定結果を含ませることも可能である。
【0051】
図8に3D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す。図8(A)〜(D)は図7(A)〜(D)に示される2次元画像を3次元画像にして表したものである。
【0052】
すなわち、図8(A)は設計値(CADデータ)P1に対応した3次元画像と各測定結果P2〜P5に対応した3次元画像を総合的に重ね表示した状態を表している。このように、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5を重ねて表示することで、不良発生の原因がどの工程にあるかを視覚的に容易に確認することができる。しかも、3次元画像で表示されるので、各工程間の測定結果を立体的に確認することができる。
【0053】
同図(B)は設計値(CADデータ)P1と接続用電極部分の測定結果P2のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(C)は設計値(CADデータ)P1と印刷マスクの測定結果P3とはんだ測定結果P4のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(D)ははんだ測定結果P4と部品測定結果P5のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。
【0054】
なお、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5の組み合わせは、図7の例に限らず、どのような組み合わせでも可能である。また、測定結果についても、ここで例示したものに限らず、他の工程で得られた測定結果を含ませることも可能である。
【0055】
図9に数値表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す。
【0056】
測定結果データには、測定値、設計値、測定値との誤差の情報が含まれており、数値表示方式ではこれらの値が表形式で表示される。図9(A)は配線基板に関する数値表示、同図(B)は印刷マスクに関する測定結果、同図(C)は配線基板上に印刷されたはんだに関する数値表示、同図(D)は配線基板上に搭載された回路部品に関する数値表示、同図(E)は配線基板上に搭載されたリフロー後の回路部品に関する数値表示をそれぞれ示している。
【0057】
なお、図9の例では、各工程の測定結果データを個別に表示した場合を示しているが、2項目以上の測定結果データを工程単位で選択して比較表示することも可能である。
【0058】
図10に分析表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す。
【0059】
分析表示方式は、各測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理し、その分析データをグラフ形式で表示するものである。図10(A)は複数のプリンタ回路基板を製造した場合における各基板毎の回路部品のマウント精度を統計的に表したものであり、図中の数値はX、Y座標方向のずれ量を示す。この図の中心位置にプロットが多いほど、回路部品が設計値通りに搭載された基板が多いことを意味し、逆に中心位置から外れた位置にプロットが多いほど、回路部品が設計値通りに搭載された基板が少ないことを意味する。
【0060】
また、図10(B)は複数枚のプリンタ回路基板を所定の時間間隔で製造した場合における各基板毎の回路部品の実装精度(マウント精度)を時系列的に表したものであり、横軸が時間、縦軸がずれ量を示している。なお、同じ時間帯に複数枚の基板に対する測定結果が含まれている場合には、これらの測定結果の平均値を当該時間帯におけるマウント精度として表すようにしても良い。
【0061】
次に、本システムの動作について説明する。
【0062】
(a)プリント回路基板の製造工程
図11は本システムにおけるプリント回路基板の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【0063】
製造ラインでは、まず、工程aとして、基板供給装置11により配線基板を供給する(ステップA11)。このとき、処理装置(PC)21は各処理装置(PC)22〜26に対して配線基板、印刷マスクおよび回路部品の夫々の設計値を与えておく。
【0064】
次に、工程bとして、基板測定装置12により配線基板における外形寸法および各接続用電極の寸法などを測定する(ステップA12)。この基板測定装置12によって測定された配線基板の外形寸法および各接続用電極の寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)22へ送られる。処理装置(PC)22では、この基板測定装置12からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA13)、その誤差を測定値および設計値と共に配線基板の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA14)。
【0065】
次に、工程cとして、マスク測定装置18により印刷マスクの外形寸法および開口寸法などを測定する(ステップA15)。このマスク測定装置18によって測定された印刷マスクの外形寸法および開口寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)23へ送られる。処理装置(PC)23では、このマスク測定装置18からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA16)、その誤差を測定値および設計値と共に印刷マスクの測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA17)。
【0066】
次に、工程dとして、はんだ印刷装置13により印刷マスクを用いて配線基板における各接続用電極上にはんだを印刷する(ステップA18)。
【0067】
次に、工程eとして、配線基板に印刷されたはんだの外形寸法などをはんだ測定装置14により測定する(ステップA19)。このはんだ測定装置14によって測定されたはんだの外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)24へ送られる。処理装置(PC)24では、このはんだ測定装置14からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA20)、その誤差を測定値および設計値と共にはんだの測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA21)。
【0068】
次に、工程fとして、部品搭載装置15により配線基板上に回路部品を搭載する(ステップA22)。詳しくは、回路部品が持つ電極またはピンを配線基板上に形成された接続用電極に対向させて、この電極またはピンを接続用電極上に塗布されたはんだに載せることで、回路部品を配線基板上に実装するといった作業を行う。
【0069】
次に、工程gとして、配線基板上に実装された回路部品の外形寸法などを部品測定装置19により測定する(ステップA23)。この部品測定装置19によって測定された回路部品の外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)25へ送られる。処理装置(PC)25では、この部品測定装置19からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA24)、その誤差を測定値および設計値と共に回路部品の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA25)。
【0070】
次に、工程hとして、はんだ硬化炉5により配線基板に回路部品を搭載した状態ではんだを硬化させて、回路部品の電極またはピンをはんだにより接続用電極に固着する作業を行う(ステップA26)。
【0071】
次に、工程iとして、配線基板上に実装されたリフロー後の回路部品の外形寸法などを部品測定装置20により測定する(ステップA27)。このリフロー後の部品測定装置20によって測定された回路部品の外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)26へ送られる。処理装置(PC)26では、このリフロー後の部品測定装置20からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA28)、その誤差を測定値および設計値と共に回路部品の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA29)。
【0072】
最後に、工程jとして、基板収納装置6により回路部品実装後の配線基板を製造ラインから搬出し、完成品として収納する作業を行う(ステップA30)。
【0073】
このようにして、各工程a〜iを経て1枚のプリント回路基板が製造される。その際、各工程に対応した測定結果データが処理装置(PC)22〜26を介して測定値蓄積サーバ31に収集されて、この測定値蓄積サーバ31内の記憶装置31aに逐次蓄積される。これらの測定結果データには、例えば工程番号などの識別情報が付され、どの工程で得られた測定結果データであるかを判別できるようになっている。また、配線基板上に実装される各部品に対しても、各部品毎に固有のIDが付され、どの部品の測定結果データであるかを判別できるようになっている。
【0074】
複数枚のプリント回路基板を製造する場合も同様であり、その都度、各工程に対応した測定結果データが測定値蓄積サーバ31に蓄積される。この場合、各基板毎に固有のIDが測定結果データに付され、どの基板の測定結果データであるかを判別できるようになっている。さらに、各測定結果データには、製造日時を示す情報が付加されて管理される。
【0075】
(b)測定結果の表示
次に、測定値蓄積サーバ31に蓄積された各測定結果データを表示する場合の処理について説明する。
【0076】
図12は本システムにおける測定結果表示処理の流れを示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される測定結果表示処理は、図5に示す表示サーバ32内のCPU41がプログラムを読み込むことで実行する。このプログラムは記憶装置45に予め記憶されていても良いし、FDや磁気ディスク等の記録媒体を介して提供されるものであっても良い。さらに、ネットワーク33等の通信媒体を介して外部から提供されるものであっても良い。
【0077】
今、測定値蓄積サーバ31から表示サーバ32に対して各測定結果データが予め転送されているものとする。各測定結果データは、表示サーバ32に設けられた記憶装置45の記憶領域45bに、基板ID、部品ID、工程番号、製造日時等の属性情報と共に保持される。この表示サーバ32には、ネットワーク33を介して複数の端末装置34a、34b、34c…が接続されており、これらの端末装置34a、34b、34c…から任意のタイミングで表示サーバ32に対して表示要求を出すことができる。以下では、便宜的に端末装置34aが表示要求を出したものと仮定して説明する。
【0078】
図12に示すように、表示サーバ32は、端末装置34aから表示要求を受信すると(ステップB11のYES)、その表示要求と共に端末装置34aから送信された表示対象指定情報を受信する(ステップB12)。表示対象指定情報は、表示対象となる測定結果を指定するための情報であり、例えば基板ID、部品ID、工程番号などからなる。つまり、この表示対象指定情報により、表示対象とする基板の種類、部品の種類、工程の種類などを任意選択的に指定することが可能である。
【0079】
続いて、表示サーバ32は、端末装置34aから表示方式指定情報を受信する(ステップB13)。表示方式指定情報は、測定結果の表示方式を指定するための情報である。上述したように、測定結果の表示方式には、2D表示方式、3D表示方式、数値表示方式、分析表示方式などがあり、それぞれに表示形態が異なる。
【0080】
表示サーバ32は、表示対象指定情報および表示方式指定情報を受信すると、まず、上記表示対象指定情報に基づいて記憶装置45の記憶領域45bから測定結果データを読み出す(ステップB14)。詳しくは、表示対象指定情報に含まれる基板ID、部品ID、工程番号に基づいて、表示に必要な測定結果データを読み出す。なお、ここでは表示サーバ32の記憶装置45内に予め測定値蓄積サーバ31から取得した各種測定結果データを保持しておくものとしたが、例えば表示要求があったときに、その都度、表示サーバ32から測定値蓄積サーバ31に問い合わせて、表示に必要な測定結果データを適宜取得するような構成であっても良い。
【0081】
表示に必要な測定結果データが読み出されると、表示サーバ32は、上記表示方式指定情報に基づいて表示要求元が指定した表示方式を判断し(ステップB15)、測定結果データに基づいて上記表示方式に対応した表示データを生成する(ステップB16)。そして、表示サーバ32は、この表示データを表示要求元(端末装置34a)に送信することにより、その表示要求元の端末画面上に測定結果の表示を行う(ステップB17)。
【0082】
具体的に説明すると、例えば上記表示方式指定情報によって2D表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図6に示すように測定結果データに基づいて2次元画像を生成する。その際、すべての測定結果データを総合的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図7(A)に示すように各2次元画像を重ね合わせた状態で表示する。各測定結果データを選択的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図7(B)〜(D)に示すように、そのときに選択されている2つ以上の測定結果データに対応した2次元画像を重ね合わせた状態で表示する。
【0083】
3D表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図8に示すように、高さ方向を含めた3次元の画像を生成する。この場合もすべての測定結果データを総合的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図8(A)に示すように、各3次元画像を重ね合わせた状態で3次元表示する。また、各測定結果データを選択的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図8(B)〜(D)に示すように、そのときに選択されている2つ以上の測定結果データに対応した3次元画像を重ね合わせた状態で表示する。
【0084】
数値表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図9に示すように測定結果データに含まれる設計値、測定値、誤差の各情報を表形式にして表示する。この場合も、すべての測定結果データを総合的あるいは選択的に表示することが可能である。
【0085】
分析表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、複数の測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理することで、その分析結果を図10に示すようにグラフ形式で表示する。この場合、分析表示方式として統計表示の指定がなされていれば、表示サーバ32は、図10(A)に示すような統計グラフを作成して表示する。分析表示方式として時系列表示の指定がなされていれば、表示サーバ32は、図10(B)に示すような時系列グラフを作成して表示する。また、すべての測定結果データを総合的に表示したり、2つ以上の測定結果データを選択的に表示することが可能である。
【0086】
このように、製造ライン上の各工程で得られた測定結果データが総合的あるいは選択的に表示されるので、一連の工程を比較検証することができる。この場合、図7に示すような2D表示方式や図8に示すような3D表示方式により、どの工程に不備があるかなどを視覚的に容易に確認することができる。また、図9に示すような数値表示方式を用いれば、具体的な数値でずれなどを確認することができる。さらに、図10に示すような分析表示方式を用いれば、各測定結果データ統計的あるいは時系列的な分析結果を知ることができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、外部端末である端末装置34a、34b、34c…の画面上に測定結果を表示するものとして説明したが、表示サーバ32の画面上に測定結果を表示するすることも可能である。
【0088】
(他の実施形態)
ところで、製造ラインで製造されるプリント回路基板の数は非常に多く、これらの基板の1つ1つを検査することは非常に困難であり、また、多大な時間を要する。そこで、設計値通りに製造されていないプリント回路基板だけをピックアップして、そのプリント回路基板に関する測定結果データを表示するようにしても良い。図13にそのときのフローチャートを示す。
【0089】
図13は本システムにおける他の実施形態としての測定結果表示処理の流れを示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される測定結果表示処理についても、上記図12の場合と同様に、図5に示す表示サーバ32内のCPU41がプログラムを読み込むことで実行する。
【0090】
表示サーバ32は、まず、記憶装置45の記憶領域45bから各工程毎の測定結果データを順に読み出す(ステップC12)。この場合、製造ライン上で順次製造される複数枚のプリント回路基板の1つ1つに対し、各工程毎の測定結果データが存在する。
【0091】
表示サーバ32は、これらの測定結果データに基づいて設計値通りに製造されているかプリント回路基板であるか否かを判断する(ステップC12)。詳しくは、各工程毎に測定値と設計値との誤差が図5に示す記憶装置45の記憶領域45cに予め記憶された基準値以内にあるか否かを判断する。誤差が基準値以内であれば設計値通りに製造されているものと判断し、誤差が基準値を越えていれば設計値通りに製造されていないものと判断する。
【0092】
設計値通りに製造されていないプリント回路基板(不良基板)であると判断された場合には(ステップC12のNO)、表示サーバ32は当該基板を表示対象として(ステップC13)、各工程毎の測定結果データを所定の表示形態で表示する(ステップC14)。このときの表示処理については、図12と同様であるため、ここではその説明を省略する。一方、設計値通りに製造されているプリント回路基板(優良基板)であると判断された場合には(ステップC12のYES)、表示サーバ32はその基板を表示対象外とし、次のプリント回路基板に対するチェックを行う(ステップC15)。
【0093】
このように、多数のプリント回路基板の中で不良基板だけを抽出して、その基板に関する各工程の測定結果データをチェックすることができるので、基板検査の作業負担を軽減することができ、人的ミスを防止して効率的な検査を行うことができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、測定値蓄積サーバ31と表示サーバ32とを独立して設けたが、1つのコンピュータにて測定値蓄積サーバ31と表示サーバ32の両方の機能を実現することも可能である。さらに、製造ラインの各工程毎に配置された各処理装置(PC)21〜26の機能を含めて1台のコンピュータで実現することも可能である。
【0095】
要するに、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0096】
なお、上述した実施形態において記載した手法、特に、図12や図13で示した表示処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0097】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、製造ライン上の各工程毎に得られる測定結果データを任意のタイミングで総合的あるいは選択的に表示することができる。これにより、一連の工程を比較検証して、例えば不良発生の原因などを容易に特定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリント回路基板の測定結果表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる配線基板の一例を示す図。
【図3】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる印刷マスクの一例を示す図。
【図4】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる回路部品の一例を示す図。
【図5】上記測定結果表示システムにおける表示サーバの構成を示すブロック図。
【図6】上記測定結果表示システムにおける2D表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図7】上記測定結果表示システムにおける2D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す図。
【図8】上記測定結果表示システムにおける3D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す図。
【図9】上記測定結果表示システムにおける数値表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図10】上記測定結果表示システムおける分析表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図11】上記測定結果表示システムにおけるプリント回路基板の製造工程の流れを示すフローチャート。
【図12】上記測定結果表示システムにおける測定結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【図13】上記測定結果表示システムにおける他の実施形態としての測定結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
11…基板供給装置、12…基板測定装置、13…はんだ印刷装置、14…はんだ測定装置、15…部品搭載装置、16…はんだ硬化炉、17…基板収納装置、18…マスク測定装置、19…部品測定装置、20…リフロー後の部品測定装置、21〜26…処理装置(PC)、27…バス、31…測定値蓄積サーバ、31a…記憶装置、32…表示サーバ、34a〜34c…端末装置、101…配線基板、111…印刷マスク、121…チップ抵抗。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器に実装されるプリント回路基板(PCB:printed circuit board)の製造ラインに用いられる測定結果表示システム及び測定結果表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路基板の製造ラインには、例えば配線基板を供給する工程、配線基板上に印刷マスクを用いてはんだを印刷する工程、はんだを介して回路部品を配線基板上に搭載する工程などがあり、これらの工程を経てプリント回路基板が製造される。このような製造ラインにおいて、従来、配線基板やはんだ印刷後の配線基板、リフロー後の蓮線基板などを検査し、これらの検査結果をPCなどに適宜表示するシステムが知られている。
【0003】
しかしながら、この種のシステムでは、配線基板の供給工程で配線基板を検査して、その検査結果を表示し、次のはんだ印刷工程ではんだ印刷後の配線基板を検査して、その検査結果を表示し、次の部品搭載工程で部品搭載後の配線基板を検査して、その検査結果を表示するといったように、それぞれの工程が終了した時点で当該工程における検査結果を表示していた。このため、各工程毎に検査結果を確認することはできても、プリント回路基板の製造に関わる一連の工程を比較検証することはできなかった。
【0004】
また、例えば特許文献1には、配線基板上に印刷されたはんだの状態をカメラで撮影し、その映像をPCの画面上に表示することが開示されている。しかしながら、この特許文献1では、はんだの印刷工程のみを対象として、単にはんだの印刷状態の良否とその映像を表示するだけである。したがって、他の工程を含めて比較検証を行うことはできない。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−4079号公報(図3、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来、プリント回路基板の製造ラインにおいて、一連の工程を比較検証することができなかった。このため、製造後にプリント回路基板に不良が発生した場合に、どの工程に不備があったかなど、不良発生の原因を直ぐに特定できないなどの問題があった。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、一連の工程を比較検証して不良発生の原因を容易に特定することのできるプリント回路基板の測定結果表示システム及び測定結果表示方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造ライン上の複数の工程を経て製造されるプリント回路基板の測定結果表示システムであって、上記各工程毎に設けられた複数の測定手段と、これらの測定手段によって得られた各工程毎の測定結果データを蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段に蓄積された各工程毎の測定結果データを比較可能な表示形態で表示する表示手段とを具備して構成される。
【0009】
このような構成によれば、製造ライン上の各工程に従ってプリント回路基板が製造されるのに伴い、複数の測定手段によって得られる各工程毎の測定結果データが蓄積手段に蓄積され、この蓄積手段に蓄積された各工程毎の測定結果データが比較可能な表示形態で表示される。具体的には、上記各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した2次元の画像や3次元の画像が生成され、これらが表示要求に従って総合的あるいは部分的に重ねて表示されたり、上記各測定結果データに含まれる測定値、設計値、誤差が工程単位で表形式で表示されたり、上記各測定結果データが統計的あるいは時系列的に解析処理され、その解析データがグラフ形式で表示される。これにより、一連の工程を比較検証することができ、例えば製造後にプリント回路基板に不良が発生した場合に、その不良発生の原因を容易に特定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係るプリント回路基板の測定結果表示システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
プリント回路基板(PCB)の製造ライン上には、図1に示すように複数の工程a〜jを含み、これらの工程a〜jに対応させて複数の基板供給装置11〜20が配置されている。なお、工程a〜jのうち、工程a、d、f、h、jは製造工程、工程b、c、e、g、iは測定工程である。
【0013】
工程aに対応した基板供給装置11は、製造ラインの入口に設けられる。この基板供給装置11は、配線基板(図2参照)を製造ラインに供給する作業を行う。なお、配線基板上にその種別を表示するためのバーコードが印刷されている場合には、このバーコードを読取る機能も備えている。
【0014】
工程bに対応した基板測定装置12は、基板供給装置11の後段に設けられる。この基板測定装置12は、基板供給装置11によって供給された配線基板の形状および外形寸法、この配線基板上の接続用電極の形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。また、この基板測定装置12は、必要に応じて配線基板の反りやうねりの量を測定することもある。測定方法としては、光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などが採用され、測長分解能は0.1μm〜1μm程度である。なお、配線基板上に形成される接続用電極の数は、製品の種類によって異なるが、概ね数100個〜数1000個であり、これらを必要に応じて全て測定する場合と、必要な箇所だけ測定する場合とがある。
【0015】
図2に配線基板の一例を示す。
【0016】
本実施形態の配線基板は、絶縁基板の表面に導電性材料により回路部品接続用の電極およびこの接続用電極を結ぶ導電ラインが印刷形成され、さらに接続用電極を残して(露出させて)絶縁基板の表面が絶縁材料で被覆されている。この配線基板に実装される回路部品としては、チップ部品、QFP(guad flat ackage)、BGA(ball grid array)などが挙げられる。
【0017】
図2において、101は四角形をなす配線基板である。この配線基板101の表面には、回路部品の電極やピンと接続する複数の接続用電極102〜104が形成されている。例えば、チップ抵抗が実装される位置には、チップ抵抗が持つ2個の電極と接続する2個の接続用電極102が配線基板101の縁に対して傾斜して形成されている。また、QFPが実装される位置には、QFPが持つ多数のピンと接続する多数の接続用電極103が配線基板101の一角を占めて形成されている。さらに、BGAが実装される位置には、BGAが持つ多数の電極と接続する多数の円形の接続用電極104が配線基板101の一角を占めて形成されている。
【0018】
基板測定装置12は、このような配線基板101の長さLと幅Wを測定する。接続用電極102については、配線基板101に設定された絶対座標を基準にして座標位置を測定し、また、X、Yの寸法、必要に応じて高さを含めて夫々測定する。他の接続用電極103、104も同様に寸法を測定する。なお、接続用電極104については円形であるため、その直径寸法Zを測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0019】
工程dに対応したはんだ印刷装置13は、基板測定装置12の後段に設けられる。このはんだ印刷装置13は、接続材料であるはんだを配線基板上に印刷する作業を行う。このときに印刷マスク(図3参照)が用いられる。印刷マスクには配線基板の各接続用電極に対向した開口が形成されており、はんだペーストがこの印刷マスクの開口を通して接続用電極上に印刷される。なお、接続材料としては、はんだに限定されるものではなく、はんだ以外の材料であっても良い。
【0020】
工程eに対応したはんだ測定装置14は、はんだ印刷装置13の後段に設けられる。このはんだ測定装置14は、はんだ印刷装置13によって配線基板上に印刷されたはんだの形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0021】
工程fに対応した部品搭載装置15は、はんだ測定装置14の後段に設けられる。この部品搭載装置15は、抵抗などの回路部品を配線基板上に接続用電極の位置に合わせて搭載する作業を行う。工程hに対応したはんだ硬化炉16は、部品搭載装置15の後段に設けられる。このはんだ硬化炉16は、配線基板上に印刷されたはんだを硬化させて、回路部品を接続用電極に固着する作業を行う。このときの作業をリフロー作業と呼ぶ。工程jに対応した基板収納装置17は、部品搭載装置15の後段に設けられる。この基板収納装置17は、回路部品実装後の配線基板を製造ラインから搬出して収納する作業を行う。
【0022】
また、工程cに対応したマスク測定装置18は、はんだ印刷装置13の前段に設けられる。このマスク測定装置18は、印刷マスク(図3参照)の形状および外形寸法、配線基板の各接続用電極に対向して形成された各はんだ印刷用開口の形状および寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0023】
図3に印刷マスクの一例を示す。
【0024】
図3において、111は四角形をなす印刷マスクである。この印刷マスク111には、配線基板の接続用電極の位置にこの電極と同じ寸法の開口が形成されている。例えば、図2に示す配線基板101に対応してチップ抵抗用の2個の接続用電極102に対向する2個の開口112と、QFP用の多数の接続用電極103に対向する多数の開口113と、BGA用の多数の接続用電極104に対向する多数の円形の開口114が形成されている。
【0025】
マスク測定装置7は、このような印刷マスク111の長さLと幅Wを測定する。開口112については印刷マスク111に設定された絶対座標を基準にして座標位置を測定し、また、X、Yの寸法、必要に応じて高さを含めて夫々測定する。他の開口113、114も同様に寸法を測定する。開口114は円形であるから、その直径寸法Zを測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0026】
工程gに対応した部品測定装置19は、部品搭載装置15の後段に設けられる。この部品測定装置19は、配線基板上に搭載された回路部品の形状および外形寸法、位置座標、角度などを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0027】
なお、回路部品の測定箇所は、立方体または直方体の回路部品(チップ部品)であれば縦、横および高さの寸法を測定する。接続用ピンが形成された回路部品(QFP)であればピンの長さ、ピン同士の平行度、ピン以外の部分の縦、横および高さの寸法を測定する。接続用ボール電極が設けられた回路部品(BGA)であれば、ボール電極の高さ、ボール同士の平行度、ボール以外の部分の縦、横および高さの寸法を測定する。また、これら以外の回路部品においては、その回路部品の外形寸法や接続用電極の寸法などを任意に測定する。
【0028】
図4に回路部品の一例を示す。
【0029】
図4(A)は回路部品の正面図、同図(B)は回路部品の側面図である。図中121はチップ部品の1つであるチップ抵抗を示している。部品測定装置19は、このチップ抵抗121の縦L(Y)、横W(X)および高さHの寸法を測定する。これらの測定値は、例えば2値化されて出力される。
【0030】
工程iに対応したリフロー後の部品測定装置20は、部品搭載装置15の後段に設けられる。このリフロー後の部品測定装置20は、配線基板上に搭載されたリフロー後の回路部品の形状および外形寸法、位置座標、角度、高さなどを夫々測定する。測定方法としては、上述したような光学測長方法、画像測長方法、あるいはレーザ測長方法などがある。
【0031】
また、上記製造ラインにおいて、基板供給装置11には、処理装置(PC)21が接続されている。基板測定装置12には、処理装置(PC)22が接続されている。マスク測定装置18には、処理装置(PC)23が接続されている。はんだ測定装置14には、処理装置(PC)24が接続されている。部品測定装置19には、処理装置(PC)25が接続されている。リフロー後の部品測定装置20には、処理装置(PC)26が接続されている。
【0032】
処理装置(PC)21は処理装置(PC)22〜26に接続されており、これらの処理装置(PC)22〜26にはバス27を介して測定値蓄積サーバ31が接続されている。なお、ここでは製造ライン上に複数の処理装置(PC)21、22〜26を配置しているが、これらの処理機能を1台の処理装置(PC)で賄う構成とすることも可能である。
【0033】
ここで、処理装置(PC)21は、処理装置(PC)22に対しては配線基板の設計値情報を与え、処理装置(PC)23に対しては印刷マスクの設計値情報を与え、処理装置(PC)24に対してははんだの設計値情報を与え、処理装置(PC)25に対しては回路部品の設計値情報を与え、処理装置(PC)26に対してはリフロー後の回路部品の設計値情報を与える。設計値情報とは、CADデータのことである。また、この処理装置(PC)21は、基板供給装置1から配線基板の種類やその配線基板を製造ラインに流すタイミングなどの情報を受け付け、その情報を各処理装置(PC)22〜26に対して与える。
【0034】
一方、各処理装置(PC)22〜26は、それぞれに対応した測定装置から測定値を入力して処理する機能を備えている。すなわち、処理装置(PC)22は、基板測定装置12によって測定された配線基板に関する測定値を入力とする。この処理装置(PC)22は、その配線基板に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。
【0035】
同様に、処理装置(PC)23は、マスク測定装置18によって測定された印刷マスクに関する測定値を入力とし、その印刷マスクに関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)24は、はんだ測定装置14によって測定された配線基板上のはんだに関する測定値を入力とし、そのはんだに関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)25は、部品測定装置19によって測定された配線基板上の回路部品に関する測定値を入力とし、その回路部品に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。処理装置(PC)26は、リフロー後の部品測定装置20によって測定された配線基板上のリフロー後の回路部品に関する測定値を入力とし、そのリフロー後の回路部品に関する測定値と予め与えられた設計値との誤差を算出し、測定値と設計値と共に測定値蓄積サーバ31に出力する。
【0036】
また、測定値蓄積サーバ31は、各処理装置(PC)22〜26を通じて各工程毎の測定結果データを収集し、内部の記憶装置31aに蓄積する機能を備える。この測定値蓄積サーバ31には、バス27を介して表示サーバ32が接続されている。この表示サーバ32は、測定値蓄積サーバ31から各工程毎の測定結果データを取得し、これらを工程単位で比較検証可能な表示形態で表示する機能を備える。
【0037】
また、表示サーバ32には、ネットワーク33を介して複数の端末装置34a、34b、34c…が接続されている。これらの端末装置34a、34b、34c…は、例えばパーソナルコンピュータからなり、検査員が測定結果を確認するために用いるものである。
【0038】
図5は表示サーバ32の構成を示すブロック図である。
【0039】
表示サーバ32は、一般的なコンピュータによって実現される。この表示サーバ32は、図5に示すように、CPU41、入力装置42、表示装置43、通信装置44、記憶装置45、インタフェース(I/F)46などを備える。
【0040】
CPU41は、記憶装置45に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに記述された手順に従って所定の処理を実行する。入力装置42は、例えばキーボード、マウスなどからなり、各種データや指示を入力するためのデバイスである。表示装置43は、例えばCRT(Cathode−ray tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、各種データを表示するめのデバイスである。通信装置44は、図1に示すようにネットワーク33を介して外部の端末装置34a、34b、34c…との間でデータ通信を行う。
【0041】
記憶装置45は、例えばROM、RAMなどからなり、複数の記憶領域45a〜45cを有する。記憶領域45aには、CPU41を起動するためのプログラムが記憶されている。記憶領域45bには、測定値蓄積サーバ31から取得した各種測定結果データが記憶されている。この測定結果データには、各工程毎に得られた測定値の他に、予め各工程毎に与えられた設計値と、測定値と設計値との誤差の情報も含まれる。記憶領域45cには、表示対象を絞り混むための基準値が記憶されている。
【0042】
また、インタフェース46には、バス27を介して各処理装置(PC)22〜26や測定値蓄積サーバ31が接続されている。
【0043】
ここで、測定結果の表示方式について説明する。
【0044】
表示サーバ32は、表示対象として指定された測定結果データを各工程毎に比較可能な表示形態で表示する機能を備えている。このときの表示方式として、2D表示方式、3D表示方式、数値表示方式、分析表示方式などがある。2D表示方式は、測定結果データを2次元の画像で表示する方式である(図6、図7参照)。3D表示方式は、測定結果データを3次元の画像で表示する方式である(図8参照)。数値表示方式は、測定結果データを具体的な数値で表形式で表示する方式である(図9参照)。分析表示方式は、測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理し、その分析データをグラフ形式で表示する方式である(図10参照)。
【0045】
図6に2D表示方式で各測定結果データを個別に表示した場合の一例を示す。なお、ここでは配線基板上の接続用電極部分にチップ抵抗を搭載する場合を例にしている。
【0046】
図6(A)は接続用電極/印刷マスクに関する設計値(CADデータ)P1を2次元画像で表している。図6(B)は配線基板上の接続用電極部分を基板測定装置12によって測定した結果P2を2次元画像で表している。同図(C)はその接続用電極部分に用いられる印刷マスクの開口をマスク測定装置18で測定した結果P3を2次元画像で表している。同図(D)はその接続用電極部分に印刷されたはんだをはんだ測定装置14で測定はた結果P4を2次元画像で表している。同図(E)はその接続用電極部分に搭載された回路部品を部品測定装置19あるいはリフロー後の部品測定装置20で測定した結果P5を2次元画像で表している。
【0047】
図7に2D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す。図中のP1〜P5は図6に対応しており、P1は接続用電極/印刷マスクの設計値(CADデータ)、P2は配線基板上の接続用電極部分の測定結果、P3はその接続用電極部分に用いられる印刷マスクの測定結果、P4はその接続用電極部分に印刷されたはんだの測定結果、P5はその接続用電極部分に搭載された回路部品(リフロー前/後)の測定結果を示している。
【0048】
図7(A)は設計値(CADデータ)P1に対応した2次元画像と各測定結果P2〜P5に対応した2次元画像を総合的に重ね表示した状態を表している。このように、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5を重ねて表示することで、不良発生の原因がどの工程にあるかを視覚的に容易に確認することができる。
【0049】
同図(B)は設計値(CADデータ)P1と接続用電極部分の測定結果P2のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(C)は設計値(CADデータ)P1と印刷マスクの測定結果P3とはんだ測定結果P4のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(D)ははんだ測定結果P4と部品測定結果P5のみを選択し、これらの2次元画像を重ねて表示した状態を表している。
【0050】
なお、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5の組み合わせは、図7の例に限らず、どのような組み合わせでも可能である。また、測定結果についても、ここで例示したものに限らず、他の工程で得られた測定結果を含ませることも可能である。
【0051】
図8に3D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す。図8(A)〜(D)は図7(A)〜(D)に示される2次元画像を3次元画像にして表したものである。
【0052】
すなわち、図8(A)は設計値(CADデータ)P1に対応した3次元画像と各測定結果P2〜P5に対応した3次元画像を総合的に重ね表示した状態を表している。このように、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5を重ねて表示することで、不良発生の原因がどの工程にあるかを視覚的に容易に確認することができる。しかも、3次元画像で表示されるので、各工程間の測定結果を立体的に確認することができる。
【0053】
同図(B)は設計値(CADデータ)P1と接続用電極部分の測定結果P2のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(C)は設計値(CADデータ)P1と印刷マスクの測定結果P3とはんだ測定結果P4のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。同図(D)ははんだ測定結果P4と部品測定結果P5のみを選択し、これらの3次元画像を重ねて表示した状態を表している。
【0054】
なお、設計値(CADデータ)P1と各測定結果P2〜P5の組み合わせは、図7の例に限らず、どのような組み合わせでも可能である。また、測定結果についても、ここで例示したものに限らず、他の工程で得られた測定結果を含ませることも可能である。
【0055】
図9に数値表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す。
【0056】
測定結果データには、測定値、設計値、測定値との誤差の情報が含まれており、数値表示方式ではこれらの値が表形式で表示される。図9(A)は配線基板に関する数値表示、同図(B)は印刷マスクに関する測定結果、同図(C)は配線基板上に印刷されたはんだに関する数値表示、同図(D)は配線基板上に搭載された回路部品に関する数値表示、同図(E)は配線基板上に搭載されたリフロー後の回路部品に関する数値表示をそれぞれ示している。
【0057】
なお、図9の例では、各工程の測定結果データを個別に表示した場合を示しているが、2項目以上の測定結果データを工程単位で選択して比較表示することも可能である。
【0058】
図10に分析表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す。
【0059】
分析表示方式は、各測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理し、その分析データをグラフ形式で表示するものである。図10(A)は複数のプリンタ回路基板を製造した場合における各基板毎の回路部品のマウント精度を統計的に表したものであり、図中の数値はX、Y座標方向のずれ量を示す。この図の中心位置にプロットが多いほど、回路部品が設計値通りに搭載された基板が多いことを意味し、逆に中心位置から外れた位置にプロットが多いほど、回路部品が設計値通りに搭載された基板が少ないことを意味する。
【0060】
また、図10(B)は複数枚のプリンタ回路基板を所定の時間間隔で製造した場合における各基板毎の回路部品の実装精度(マウント精度)を時系列的に表したものであり、横軸が時間、縦軸がずれ量を示している。なお、同じ時間帯に複数枚の基板に対する測定結果が含まれている場合には、これらの測定結果の平均値を当該時間帯におけるマウント精度として表すようにしても良い。
【0061】
次に、本システムの動作について説明する。
【0062】
(a)プリント回路基板の製造工程
図11は本システムにおけるプリント回路基板の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【0063】
製造ラインでは、まず、工程aとして、基板供給装置11により配線基板を供給する(ステップA11)。このとき、処理装置(PC)21は各処理装置(PC)22〜26に対して配線基板、印刷マスクおよび回路部品の夫々の設計値を与えておく。
【0064】
次に、工程bとして、基板測定装置12により配線基板における外形寸法および各接続用電極の寸法などを測定する(ステップA12)。この基板測定装置12によって測定された配線基板の外形寸法および各接続用電極の寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)22へ送られる。処理装置(PC)22では、この基板測定装置12からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA13)、その誤差を測定値および設計値と共に配線基板の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA14)。
【0065】
次に、工程cとして、マスク測定装置18により印刷マスクの外形寸法および開口寸法などを測定する(ステップA15)。このマスク測定装置18によって測定された印刷マスクの外形寸法および開口寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)23へ送られる。処理装置(PC)23では、このマスク測定装置18からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA16)、その誤差を測定値および設計値と共に印刷マスクの測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA17)。
【0066】
次に、工程dとして、はんだ印刷装置13により印刷マスクを用いて配線基板における各接続用電極上にはんだを印刷する(ステップA18)。
【0067】
次に、工程eとして、配線基板に印刷されたはんだの外形寸法などをはんだ測定装置14により測定する(ステップA19)。このはんだ測定装置14によって測定されたはんだの外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)24へ送られる。処理装置(PC)24では、このはんだ測定装置14からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA20)、その誤差を測定値および設計値と共にはんだの測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA21)。
【0068】
次に、工程fとして、部品搭載装置15により配線基板上に回路部品を搭載する(ステップA22)。詳しくは、回路部品が持つ電極またはピンを配線基板上に形成された接続用電極に対向させて、この電極またはピンを接続用電極上に塗布されたはんだに載せることで、回路部品を配線基板上に実装するといった作業を行う。
【0069】
次に、工程gとして、配線基板上に実装された回路部品の外形寸法などを部品測定装置19により測定する(ステップA23)。この部品測定装置19によって測定された回路部品の外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)25へ送られる。処理装置(PC)25では、この部品測定装置19からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA24)、その誤差を測定値および設計値と共に回路部品の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA25)。
【0070】
次に、工程hとして、はんだ硬化炉5により配線基板に回路部品を搭載した状態ではんだを硬化させて、回路部品の電極またはピンをはんだにより接続用電極に固着する作業を行う(ステップA26)。
【0071】
次に、工程iとして、配線基板上に実装されたリフロー後の回路部品の外形寸法などを部品測定装置20により測定する(ステップA27)。このリフロー後の部品測定装置20によって測定された回路部品の外形寸法などの測定値は2値化されて処理装置(PC)26へ送られる。処理装置(PC)26では、このリフロー後の部品測定装置20からの測定値と予め与えられた設計値とを比較することで、両者の誤差を算出し(ステップA28)、その誤差を測定値および設計値と共に回路部品の測定結果データとして測定値蓄積サーバ31に転送する(ステップA29)。
【0072】
最後に、工程jとして、基板収納装置6により回路部品実装後の配線基板を製造ラインから搬出し、完成品として収納する作業を行う(ステップA30)。
【0073】
このようにして、各工程a〜iを経て1枚のプリント回路基板が製造される。その際、各工程に対応した測定結果データが処理装置(PC)22〜26を介して測定値蓄積サーバ31に収集されて、この測定値蓄積サーバ31内の記憶装置31aに逐次蓄積される。これらの測定結果データには、例えば工程番号などの識別情報が付され、どの工程で得られた測定結果データであるかを判別できるようになっている。また、配線基板上に実装される各部品に対しても、各部品毎に固有のIDが付され、どの部品の測定結果データであるかを判別できるようになっている。
【0074】
複数枚のプリント回路基板を製造する場合も同様であり、その都度、各工程に対応した測定結果データが測定値蓄積サーバ31に蓄積される。この場合、各基板毎に固有のIDが測定結果データに付され、どの基板の測定結果データであるかを判別できるようになっている。さらに、各測定結果データには、製造日時を示す情報が付加されて管理される。
【0075】
(b)測定結果の表示
次に、測定値蓄積サーバ31に蓄積された各測定結果データを表示する場合の処理について説明する。
【0076】
図12は本システムにおける測定結果表示処理の流れを示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される測定結果表示処理は、図5に示す表示サーバ32内のCPU41がプログラムを読み込むことで実行する。このプログラムは記憶装置45に予め記憶されていても良いし、FDや磁気ディスク等の記録媒体を介して提供されるものであっても良い。さらに、ネットワーク33等の通信媒体を介して外部から提供されるものであっても良い。
【0077】
今、測定値蓄積サーバ31から表示サーバ32に対して各測定結果データが予め転送されているものとする。各測定結果データは、表示サーバ32に設けられた記憶装置45の記憶領域45bに、基板ID、部品ID、工程番号、製造日時等の属性情報と共に保持される。この表示サーバ32には、ネットワーク33を介して複数の端末装置34a、34b、34c…が接続されており、これらの端末装置34a、34b、34c…から任意のタイミングで表示サーバ32に対して表示要求を出すことができる。以下では、便宜的に端末装置34aが表示要求を出したものと仮定して説明する。
【0078】
図12に示すように、表示サーバ32は、端末装置34aから表示要求を受信すると(ステップB11のYES)、その表示要求と共に端末装置34aから送信された表示対象指定情報を受信する(ステップB12)。表示対象指定情報は、表示対象となる測定結果を指定するための情報であり、例えば基板ID、部品ID、工程番号などからなる。つまり、この表示対象指定情報により、表示対象とする基板の種類、部品の種類、工程の種類などを任意選択的に指定することが可能である。
【0079】
続いて、表示サーバ32は、端末装置34aから表示方式指定情報を受信する(ステップB13)。表示方式指定情報は、測定結果の表示方式を指定するための情報である。上述したように、測定結果の表示方式には、2D表示方式、3D表示方式、数値表示方式、分析表示方式などがあり、それぞれに表示形態が異なる。
【0080】
表示サーバ32は、表示対象指定情報および表示方式指定情報を受信すると、まず、上記表示対象指定情報に基づいて記憶装置45の記憶領域45bから測定結果データを読み出す(ステップB14)。詳しくは、表示対象指定情報に含まれる基板ID、部品ID、工程番号に基づいて、表示に必要な測定結果データを読み出す。なお、ここでは表示サーバ32の記憶装置45内に予め測定値蓄積サーバ31から取得した各種測定結果データを保持しておくものとしたが、例えば表示要求があったときに、その都度、表示サーバ32から測定値蓄積サーバ31に問い合わせて、表示に必要な測定結果データを適宜取得するような構成であっても良い。
【0081】
表示に必要な測定結果データが読み出されると、表示サーバ32は、上記表示方式指定情報に基づいて表示要求元が指定した表示方式を判断し(ステップB15)、測定結果データに基づいて上記表示方式に対応した表示データを生成する(ステップB16)。そして、表示サーバ32は、この表示データを表示要求元(端末装置34a)に送信することにより、その表示要求元の端末画面上に測定結果の表示を行う(ステップB17)。
【0082】
具体的に説明すると、例えば上記表示方式指定情報によって2D表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図6に示すように測定結果データに基づいて2次元画像を生成する。その際、すべての測定結果データを総合的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図7(A)に示すように各2次元画像を重ね合わせた状態で表示する。各測定結果データを選択的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図7(B)〜(D)に示すように、そのときに選択されている2つ以上の測定結果データに対応した2次元画像を重ね合わせた状態で表示する。
【0083】
3D表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図8に示すように、高さ方向を含めた3次元の画像を生成する。この場合もすべての測定結果データを総合的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図8(A)に示すように、各3次元画像を重ね合わせた状態で3次元表示する。また、各測定結果データを選択的に表示するような指定がなされていれば、表示サーバ32は、図8(B)〜(D)に示すように、そのときに選択されている2つ以上の測定結果データに対応した3次元画像を重ね合わせた状態で表示する。
【0084】
数値表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、図9に示すように測定結果データに含まれる設計値、測定値、誤差の各情報を表形式にして表示する。この場合も、すべての測定結果データを総合的あるいは選択的に表示することが可能である。
【0085】
分析表示方式が指定された場合には、表示サーバ32は、複数の測定結果データを統計的あるいは時系列的に分析処理することで、その分析結果を図10に示すようにグラフ形式で表示する。この場合、分析表示方式として統計表示の指定がなされていれば、表示サーバ32は、図10(A)に示すような統計グラフを作成して表示する。分析表示方式として時系列表示の指定がなされていれば、表示サーバ32は、図10(B)に示すような時系列グラフを作成して表示する。また、すべての測定結果データを総合的に表示したり、2つ以上の測定結果データを選択的に表示することが可能である。
【0086】
このように、製造ライン上の各工程で得られた測定結果データが総合的あるいは選択的に表示されるので、一連の工程を比較検証することができる。この場合、図7に示すような2D表示方式や図8に示すような3D表示方式により、どの工程に不備があるかなどを視覚的に容易に確認することができる。また、図9に示すような数値表示方式を用いれば、具体的な数値でずれなどを確認することができる。さらに、図10に示すような分析表示方式を用いれば、各測定結果データ統計的あるいは時系列的な分析結果を知ることができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、外部端末である端末装置34a、34b、34c…の画面上に測定結果を表示するものとして説明したが、表示サーバ32の画面上に測定結果を表示するすることも可能である。
【0088】
(他の実施形態)
ところで、製造ラインで製造されるプリント回路基板の数は非常に多く、これらの基板の1つ1つを検査することは非常に困難であり、また、多大な時間を要する。そこで、設計値通りに製造されていないプリント回路基板だけをピックアップして、そのプリント回路基板に関する測定結果データを表示するようにしても良い。図13にそのときのフローチャートを示す。
【0089】
図13は本システムにおける他の実施形態としての測定結果表示処理の流れを示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される測定結果表示処理についても、上記図12の場合と同様に、図5に示す表示サーバ32内のCPU41がプログラムを読み込むことで実行する。
【0090】
表示サーバ32は、まず、記憶装置45の記憶領域45bから各工程毎の測定結果データを順に読み出す(ステップC12)。この場合、製造ライン上で順次製造される複数枚のプリント回路基板の1つ1つに対し、各工程毎の測定結果データが存在する。
【0091】
表示サーバ32は、これらの測定結果データに基づいて設計値通りに製造されているかプリント回路基板であるか否かを判断する(ステップC12)。詳しくは、各工程毎に測定値と設計値との誤差が図5に示す記憶装置45の記憶領域45cに予め記憶された基準値以内にあるか否かを判断する。誤差が基準値以内であれば設計値通りに製造されているものと判断し、誤差が基準値を越えていれば設計値通りに製造されていないものと判断する。
【0092】
設計値通りに製造されていないプリント回路基板(不良基板)であると判断された場合には(ステップC12のNO)、表示サーバ32は当該基板を表示対象として(ステップC13)、各工程毎の測定結果データを所定の表示形態で表示する(ステップC14)。このときの表示処理については、図12と同様であるため、ここではその説明を省略する。一方、設計値通りに製造されているプリント回路基板(優良基板)であると判断された場合には(ステップC12のYES)、表示サーバ32はその基板を表示対象外とし、次のプリント回路基板に対するチェックを行う(ステップC15)。
【0093】
このように、多数のプリント回路基板の中で不良基板だけを抽出して、その基板に関する各工程の測定結果データをチェックすることができるので、基板検査の作業負担を軽減することができ、人的ミスを防止して効率的な検査を行うことができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、測定値蓄積サーバ31と表示サーバ32とを独立して設けたが、1つのコンピュータにて測定値蓄積サーバ31と表示サーバ32の両方の機能を実現することも可能である。さらに、製造ラインの各工程毎に配置された各処理装置(PC)21〜26の機能を含めて1台のコンピュータで実現することも可能である。
【0095】
要するに、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0096】
なお、上述した実施形態において記載した手法、特に、図12や図13で示した表示処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0097】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、製造ライン上の各工程毎に得られる測定結果データを任意のタイミングで総合的あるいは選択的に表示することができる。これにより、一連の工程を比較検証して、例えば不良発生の原因などを容易に特定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリント回路基板の測定結果表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる配線基板の一例を示す図。
【図3】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる印刷マスクの一例を示す図。
【図4】上記プリント回路基板の製造工程で用いられる回路部品の一例を示す図。
【図5】上記測定結果表示システムにおける表示サーバの構成を示すブロック図。
【図6】上記測定結果表示システムにおける2D表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図7】上記測定結果表示システムにおける2D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す図。
【図8】上記測定結果表示システムにおける3D表示方式で各測定結果データを総合的あるいは選択的に表示した場合の一例を示す図。
【図9】上記測定結果表示システムにおける数値表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図10】上記測定結果表示システムおける分析表示方式で各測定結果データを表示した場合の一例を示す図。
【図11】上記測定結果表示システムにおけるプリント回路基板の製造工程の流れを示すフローチャート。
【図12】上記測定結果表示システムにおける測定結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【図13】上記測定結果表示システムにおける他の実施形態としての測定結果表示処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
11…基板供給装置、12…基板測定装置、13…はんだ印刷装置、14…はんだ測定装置、15…部品搭載装置、16…はんだ硬化炉、17…基板収納装置、18…マスク測定装置、19…部品測定装置、20…リフロー後の部品測定装置、21〜26…処理装置(PC)、27…バス、31…測定値蓄積サーバ、31a…記憶装置、32…表示サーバ、34a〜34c…端末装置、101…配線基板、111…印刷マスク、121…チップ抵抗。
Claims (19)
- 製造ライン上の複数の工程を経て製造されるプリント回路基板の測定結果表示システムであって、
上記各工程毎に設けられた複数の測定手段と、
これらの測定手段によって得られた各工程毎の測定結果データを蓄積する蓄積手段と、
この蓄積手段に蓄積された各工程毎の測定結果データを比較可能な表示形態で表示する表示手段と
を具備したことを特徴とする測定結果表示システム。 - 上記製造ラインは、配線基板を供給する第1の工程を含み、
上記各測定手段の1つは、上記第1の工程で上記配線基板が設計値通りに製造されているか否かを検査するための基板測定手段であることを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記製造ラインは、配線基板上に印刷マスクを用いて接続材料を印刷する第2の工程を含み、
上記各測定手段の1つは、上記第2の工程で上記印刷マスクが設計値通りに製造されているか否かを検査するためのマスク測定手段であることを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記製造ラインは、配線基板上に印刷マスクを用いて接続材料を印刷する第2の工程を含み、
上記各測定手段の1つは、上記第2の工程で上記接続材料が上記配線基板上に設計値通りに印刷されているか否かを検査するための接続材料測定手段であることを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記製造ラインは、配線基板上に回路部品を搭載する第3の工程を含み、
上記各測定手段の1つは、上記第3の工程で上記回路部品が上記配線基板上に設計値通りに搭載されているか否かを検査するための部品測定手段であることを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記製造ラインは、配線基板上に搭載された回路部品をリフローする第4の工程を含み、
上記各測定手段の1つは、上記第4の工程で上記リフロー後の回路部品が上記配線基板上に設計値通りに搭載されているか否かを検査するためのリフロー後部品測定手段であることを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した2次元の画像を生成する画像生成手段を備え、
上記表示手段は、この画像生成手段によって生成された各工程に対応した2次元の画像を表示することを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記表示手段は、外部からの表示要求に従って、上記各工程に対応した2次元の画像を総合的あるいは選択的に重ねて表示することを特徴とする請求項8記載の測定結果表示システム。
- 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した3次元の画像を生成する画像生成手段を備え、
上記表示手段は、この画像生成手段によって生成された各工程に対応した3次元の画像を表示することを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記表示手段は、外部からの表示要求に従って、上記各工程に対応した3次元の画像を総合的あるいは選択的に重ねて表示することを特徴とする請求項9記載の測定結果表示システム。
- 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データは、各工程毎に測定値と、予め与えられた設計値と、その測定値と設計値との誤差の情報を含み、
上記表示手段は、上記各測定結果データに含まれる測定値、設計値、誤差を工程単位で表形式で表示することを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データを統計的あるいは時系列的に解析処理する解析手段を備え、
上記表示手段は、上記解析手段によって得られた解析データをグラフ形式で表示することを特徴とする請求項1記載の測定結果表示システム。 - 製造ライン上の複数の工程を経て製造されるプリント回路基板の測定結果表示方法であって、
上記各工程に従って当該工程に対応した測定処理を行い、
これらの測定処理によって得られる各工程毎の測定結果データを収集し、
この収集された各工程毎の測定結果データを比較可能な表示形態で表示することを特徴とする測定結果表示方法。 - 上記収集された各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した2次元の画像を生成し、
この生成された各工程に対応した2次元の画像を表示することを特徴とする請求項13記載の測定結果表示方法。 - 外部からの表示要求に従って、上記各工程に対応した2次元の画像を総合的あるいは選択的に重ねて表示することを特徴とする請求項14記載の測定結果表示方法。
- 上記収集された各測定結果データに基づいて上記各工程に対応した3次元の画像を生成し、
この生成された各工程に対応した3次元の画像を表示することを特徴とする請求項13記載の測定結果表示方法。 - 外部からの表示要求に従って、上記各工程に対応した3次元の画像を総合的あるいは選択的に重ねて表示することを特徴とする請求項16記載の測定結果表示方法。
- 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データは、各工程毎に測定値と、予め与えられた設計値と、その測定値と設計値との誤差の情報を含み、
上記各測定結果データに含まれる測定値、設計値、誤差を工程単位で表形式で表示することを特徴とする請求項13記載の測定結果表示方法。 - 上記蓄積手段に蓄積された各測定結果データを統計的あるいは時系列的に解析処理し、
この解析結果として得られた解析データをグラフ形式で表示することを特徴とする請求項13記載の測定結果表示方法。
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