JP2004235161A - 二次電池電極用炭素質材料およびその製造方法 - Google Patents

二次電池電極用炭素質材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな充放電容量を有し、活物質利用率の高い非水溶媒系二次電池を可能とする二次電池電極用炭素質材料を提供する。
【解決手段】X線回折法により求めた(002)面の平均面間隔(d002 )が0.365nm以上の炭素質材料であり、且つ該炭素質材料の900℃、60%バーンオフ処理後の残留炭のd002が0.350nm以下となる炭素質材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二次電池電極用炭素質材料に関するものであり、更に詳しくは電池活物質のドープ−脱ドープ容量で代表される有効利用率が高く、高エネルギー密度の非水溶媒系二次電池の電極材料として好適な炭素質材料およびその製造方法に関するものである。
高エネルギー密度の二次電池として、炭素質材料を負極として用いる非水溶媒系リチウム二次電池が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これは、リチウムの炭素層間化合物が電気化学的に容易に形成できることを利用したものであり、この電池を充電すると、例えばLiCoO等のカルコゲン化合物からなる正極中のリチウムは電気化学的に負極炭素の層間にドープされる。そして、リチウムをドープした炭素は、リチウム電極として作用し、放電に伴ってリチウムは炭素層間から脱ドープされ、正極中に戻る。
このような負極材料としての炭素質材料、あるいはリチウム源をドープする正極材料としての炭素質材料においても、単位重量当たりの電流量は、リチウムの脱ドープ量によって決まるため、これら電極材料を構成する炭素質材料は、リチウムの脱ドープ量を大きくすることが望ましい。従来、フェノール樹脂やフラン樹脂を焼成して得られる炭素質材料は、リチウムのドープ量が大きく、この観点では好ましいことが知られている。
しかし、フェノール樹脂やフラン樹脂を焼成して得られる炭素質材料を用いて負極を構成した場合、負極炭素にドープされたリチウムが完全には脱ドープされず、多量のリチウムが負極炭素中に残り、活物質であるリチウムが無駄に消費されるという問題がある。
特開昭62−122066号公報 特開平2−66856号公報
本発明は大きな充放電容量を有し、活物質利用率の高い非水溶媒系二次電池を可能とする二次電池電極用炭素質材料を提供することを目的とする。具体的にはリチウム等の活物質のドープ−脱ドープ容量が大きく、脱ドープされずに残る活物質の量が少ない炭素質材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等の研究によれば、炭素質材料の微細構造を適正に制御することにより、大きな充放電容量を有し、活物質利用率の大きい非水溶媒系二次電池を可能とする炭素質材料が得られることが見出された。すなわち、本発明の非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料は、X線回折法により求めた(002)面の平均面間隔(以下d002と称する)が0.365nm以上の炭素質材料であり、該炭素質材料をHOとNの混合ガスと900℃において重量減少が60%になるまで反応させたときに残る炭素質物質のd002が0.350nm以下となることを特徴とするものである。
本発明の炭素質材料が、二次電池電極材料としてリチウム等の活物質に対して、高いドープ−脱ドープ容量を示し、ドープ容量と脱ドープ容量の差として定義される「非脱ドープ容量」が小さいという優れた適性を有する理由は必ずしも明らかでないが、以下の説明からも明らかとなるようにドープ容量の増大に寄与する難黒鉛化性成分すなわち低結晶性成分と、脱ドープ容量の増大に寄与する易黒鉛化性成分すなわち高結晶性成分とが適当な割合で存在しているためと推定される。
本発明の炭素質材料が満たすべき第1の特性は、X線回折法により求めた(002)面の平均面間隔(以下「d002」と略記する)が0.365nm以上となることである。d002が0.365nm未満の炭素質材料を負極として非水溶媒系二次電池を構成した場合、電池活物質のドープ量が小さくなるので好ましくない。d002は好ましくは0.370nm以上、更に好ましくは0.375nm以上である。
本発明の炭素質材料の具備すべきもう一つの特性は、炭素質材料をHOとNの混合ガスと900℃において重量減少が60%になるまで反応させたときに残存する炭素質物質のd002が0.350nm以下となることである。
炭素質材料をHOとNの混合ガスと900℃において反応させ炭素質材料の一部をガス化させることを、以下、「バーンオフ」と呼ぶことにする。バーンオフにより炭素質材料はHOと反応し、CO、CO、CH、H等を生成し、その重量を減少する。バーンオフ後の炭素質物質は、バーンオフによる重量減少量(バーンオフ量)に伴って、そのd002の値は減少する。従ってバーンオフは炭素質材料中の、より結晶性の低い部分で起り易いと考えられる。バーンオフ量とd002の値の関係は炭素質材料の種類により異なり、その関係は炭素質材料を規定する指標となり得る。バーンオフにより60%重量減少させた後に残る炭素質物質を、60%バーンオフ炭と呼ぶことにする。
本発明の炭素質材料は、その60%バーンオフ炭のd002が0.350nm以下になることを特徴とする。
このことは、本発明の炭素質材料は、少なくとも60%バーンオフの過程を経てd002が0.350nm以下となる炭素成分(高結晶性成分すなわち易黒鉛化性成分)を含有することを意味する。本発明の炭素質材料はd002が0.350nm以下の炭素成分を含有し、全体としてd002が0.365nm以上を示すような構造の炭素質材料であると考えられる。本発明の炭素質材料が大きな活物質のドープ、脱ドープ容量を有し、なおかつ、脱ドープされずに炭素質材料中に残る活物質の量が小さいという特性を有しているのは、上述のような炭素質材料の微細構造に由来するものと推定される。
なお、本発明に記載する炭素質材料のd002及び60%バーンオフ炭のd002の値は下記の方法による測定値に基づくものである。
「炭素質材料のd002」:炭素質材料粉末を試料セルに充填し、グラファイトモノクロメーターにより単色化したCuKα線を線源としX線回折図形を得る。回折図形のピーク位置は重心法により求め、標準物質用高純度シリコン粉末の111面の回折ピーク(28.466°)を用いて補正する。CuKα線の波長を0.15418nmとし、Braggの法則によりd002を計算する。
「60%バーンオフ炭のd002」:炭素質材料(粒径1mm以下)をN気流中で900℃まで昇温する。温度が900℃に達したら、温度を900℃に保ちながらN50モル%、HO50モル%からなるバーンオフガスに切り替え、冷却して、所定の時間バーンオフを行う。その後、バーンオフガスをNに切り替え、冷却してバーンオフ炭を得る。バーンオフによる炭素質材料の重量減少率を%単位で表わしたものをバーンオフ率と呼ぶ。この操作を繰り返し、バーンオフ率の異なるバーンオフ炭を得、そのd002の値を上述の炭素質材料のd002の測定法により測定する。得られるバーンオフ率とd002の関係を滑らかな曲線で近似し、該曲線からバーンオフ率60%に相当するd002の値を求める。
本発明の炭素質材料は例えば以下の方法により製造することができる。
石油ピッチ、石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2乃至3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形しピッチ成形体を得る。次にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去せしめ、得られた多孔性ピッチを、酸化剤を用いて酸化し、得られた熱に対し不融性の多孔性ピッチを、不活性雰囲気中で焼成する。
上記した芳香族添加剤の目的は、成形後のピッチ成形体から該添加剤を抽出除去せしめて成形体を多孔質となし、後工程の酸化による炭素質材料の構造制御ならびに焼成を容易にすることにある。このような添加剤は、例えばナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、ビフェニル等の1種又は2種以上の混合物から選択される。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対し10〜50重量部の範囲が好ましい。
ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達成するため、加熱し溶融状態で行う。ピッチと添加剤の混合物は、添加剤を混合物から容易に抽出できるようにするため、粒径1mm以下の粒子に成形することが好ましい。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後粉砕する等の方法によってもよい。
ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、ケロシン等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール類等が好適である。
このような溶剤でピッチと添加剤の混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま添加剤を成形体から除去することができる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
かくして得られた多孔性を示すピッチ成形体を、次いで不融化処理、すなわち酸化剤を用いた好ましくは常温から400℃までの温度での酸化処理により、熱に対して不融の多孔性不融性ピッチ成形体とする。酸化剤としては、O、O、SO、NO、Cl、これらを空気、窒素等で希釈した混合ガス、または空気等の酸化性気体、及び硫酸、リン酸、硝酸、クロム酸水溶液、過マンガン酸塩水溶液、過酸化水素水溶液等の酸化性液体を用いることができる。
多孔性不融性ピッチ成形体を、不活性雰囲気中で、必要に応じて500〜700℃で予備炭化した後、更に900〜2000℃で焼成することにより、本発明の炭素質材料が得られる。
ピッチ成形体の酸化の度合いと後の焼成温度を適当に制御することによって、容易に本発明の炭素質材料を得ることができる。例えば、酸化剤として空気を用いた場合は、温度150〜400℃で、酸素含有量2〜30重量%となるように酸化した後に焼成することが好ましい。
本発明の炭素質材料を用いて非水溶媒系二次電池の電極を構成する場合には、炭素質材料を、必要に応じて平均粒径約5〜30μmの微粒子とした後、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン等の非水溶媒に対して安定な結合剤により、例えば、円形あるいは矩形の金属板等からなる導電性の集電材に接着して厚さが例えば10〜200μmの層を形成する等の方法により電極を製造する。結合剤の好ましい添加量は、炭素質材料に対して1〜20重量%である。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の電気抵抗が大きくなり電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させるので好ましくない。また結合剤の添加量が少なすぎると、炭素質材料粒子相互及び集電材との結合が不十分となり好ましくない。微粒子化は、不融化ピッチ成形体の炭素化前、予備炭素化後のように、炭素質材料形成の中間段階で行ってもよい。なお、上記は、比較的小容量の二次電池についての値であるが、より大容量の二次電池の形成のためには、上記炭素質微粒子と結合剤の混合物をプレス成形等の方法により、より大なる厚さの成形体を製造し、これを集電材と電気的に接続する等の方法も可能である。
本発明の炭素質材料は、その良好なドープ特性を利用して、非水溶媒型二次電池の正極材料として用いることも可能であるが、上述したように、非水溶媒型二次電池の負極、特にリチウム二次電池の負極活物質としてのリチウムのドープ用負極、の構成に用いることが好ましい。
この場合、正極材料としては、一般式LiMY(Mは、Co、Ni等の遷移金属の少なくとも一種;YはO、S等のカルコゲン元素)で表わされる複合金属カルコゲン化合物、特にLiCoOをはじめとする複合金属酸化物が好ましく、そのまま、あるいは適当なバインダーとともに成形して、導電性の集電材上に層形成される。
これら正極及び負極との組合せで用いられる非水溶媒型電解液は、一般に非水溶媒に電解質を溶解することにより形成される。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の有機溶媒の一種または二種以上を組合せて用いることが出来る。また電解質としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiAsF、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSOが用いられる。
二次電池は、一般に上記のようにして形成した正極層と負極層とを、必要に応じて不織布、その他の多孔質材料等からなる透液性セパレータを介して、対向させ電解液中に浸漬することにより形成される。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
軟化点210℃、キノリン不溶分1重量%、H/C原子比0.63の石油系ピッチ68kgと、ナフタレン32kgとを、撹拌翼のついた内容積300リットルの耐圧容器に仕込み、190℃で加熱し溶融混合した後、80〜90℃に冷却して押し出し、径約500μmの紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1.5になるように粉砕し、得られた粉砕物を93℃に加熱した0.53%のポリビニルアルコール(ケン化度88%)水溶液中に投入し、撹拌分散し、冷却して球状ピッチ成形体スラリーを得た。大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍量の重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。この様にして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、260℃まで昇温し、260℃に1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状ピッチ成形体を得た。その後、窒素ガス雰囲気中で600℃/hrの速度で1200℃まで昇温して、この温度で1時間焼成した後、冷却し、炭素質材料を製造した。
このようにして製造された平均粒径が約400μmの球状炭素質材料は、上述の方法により求めたd002が0.378nmおよび60%バーンオフ炭のd002が0.342nmであり、c軸方向結晶子の大きさLcは1.26nm、BET法により測定した比表面積は2.4m/gであった。
(実施例2)
実施例1における多孔性球状ピッチの酸化温度を300℃とした以外は実施例1と同様にして多孔性炭素質材料を製造した。
このようにして製造された炭素質材料は、d002が0.379nm、60%バーンオフ炭のd002が0.345nmであり、Lcは1.15nm、比表面積は2.8m/gであった。
(比較例1)
フェノール樹脂(「ベルパール C−800」;鐘紡(株)製)を170℃で3分予備硬化後、130℃で8時間硬化させた。次に窒素雰囲気中で250℃/hの速度で1200℃まで昇温し、1200℃で1時間保持した後冷却してフェノール樹脂焼成炭を得た。
得られたフェノール樹脂焼成炭は、d002が0.381nm、60%バーンオフ炭のd002が0.357nmであり、Lcは1.06nm、比表面積は0.3m/gであった。
(比較例2)
フラン樹脂(「ヒタフラン VF−303」;日立化成(株)製)を100℃で14時間硬化させた。次に窒素雰囲気中で250℃/hの速度で1200℃まで昇温し、1200℃で1時間保持した後、冷却してフラン樹脂焼成炭を得た。
得られたフラン樹脂焼成炭は、d002が0.378nm、60%バーンオフ炭のd002が0.357nmであり、Lcは1.21nm、比表面積は6.5m/gであった。
実施例及び比較例で得られた各炭素質材料を用いて、以下のようにして非水溶媒系二次電池を作成し、その特性を評価した。
本発明の炭素質材料は非水溶媒二次電池の負極として用いるのに適しているが、本発明の効果である電池活物質のドープ容量、脱ドープ容量及び脱ドープされずに炭素質材料中に残存する量(以下「非脱ドープ容量」と称する。)を、対極の性能のバラツキに影響されることなく精度良く評価するために、特性の安定したリチウム金属を負極とし、上記で得られた炭素質材料を正極とするリチウム二次電池を構成し、その特性を評価した。
正極は以下のようにして製造した。上記のようにして製造した炭素質材料を平均粒径約20μmに粉砕したもの90重量部、ポリフッ化ビニリデン10重量部に、N−メチル−2−ピロリドンを加えてペースト状とし、銅箔上に均一に塗布し、乾燥した後、銅箔より剥離させ直径21mmの円板状に打ち抜く。これを直径21mmのステンレススチール網円板にプレスにより加圧して圧着し正極とした。なお正極中の炭素質材料の量は約40mgになるようにした。負極には、厚さ1mmの金属リチウム薄板を直径21mmの円板状に打ち抜いたものを使用した。
このようにして製造した正極及び負極を用い、電解液としてはプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1で混合した混合溶媒に1モル/リットルの割合でLiClOを加えたものを使用し、ポリプロピレン製微細孔膜をセパレータとし非水溶媒系リチウム二次電池を構成した。
このような構成のリチウム二次電池において約40mA/g(炭素)の一定電流で炭素質材料にリチウムをドープした。このドーピングは1時間通電した後2時間休止する操作を、正極−負極間の平衡電位が0ボルトになるまで行った。このときの電気量を、使用した炭素質材料の重量で除した値をドープ容量と定義し、mAh/gを単位として表わした。次に同様にして逆方向に電流を流し炭素質材料にドープされたリチウムを脱ドープした。脱ドープはリチウム負極を基準として、炭素質正極が+1.5ボルトになるまで行った。このときの電気量を、使用した炭素質材料の重量で除した値を脱ドープ容量と定義し、mAh/gを単位として表わした。次いでドープ容量と脱ドープ容量との差として非脱ドープ容量を求めた。
以上のようにして求めた各炭素質材料を正極としたリチウム二次電池の電池特性を表1に示す。
Figure 2004235161
本発明の炭素質材料から製造した実施例1および2の正極は、フェノール樹脂焼成炭(比較例1)及びフラン樹脂焼成炭(比較例2)から製造したものと比較して、ドープ容量と脱ドープ容量がともに高く、両者の差で表わされる非脱ドープ容量が著しく小さいため、電池活物質の有効利用が可能であることがわかる。
(実施例3)
以下のようにして、本発明の炭素質材料の負極材料としての特性を評価した。
[正極の製造]
LiCoO91重量部、黒鉛粉末6重量部及びポリフッ化ビニリデン3重量部にN−メチル−2−ピロリドンを加えてよく混合しペースト状とした後乾燥する。このようにして得た乾燥混合物を型込め成形により、直径21mmの円板状に成形して正極を製造した。正極中のLiCoOの量は約1gとした。
[負極の製造]
前述のドープ容量の測定に用いた炭素質材料正極の製造方法と同様の方法で、実施例1で得られた炭素質材料を用いて製造したものを、負極とした。負極中の炭素質材料は約40mgである。
以上のようにして製造した、LiCoO正極及び炭素質材料負極を用い、電解液としてプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1で混合した混合溶媒に1モル/リットルの割合でLiClOを加えたものを使用し、ポリプロピレン製微細孔膜をセパレータとし非水溶媒系リチウム二次電池を構成した。
この二次電池について、充電容量を380mAh/g(炭素)、放電終了電圧を1.5V、充放電電流密度0.43mA/cmで充放電試験を行い、放電効率(%)(=(放電容量/充電容量)×100)を求めた。
その結果、第1回目の放電効率は約80%であるが、2回目以降は95%以上となり、5回目以降は99%以上の高い放電効率で充放電を繰り返すことができた。
上述したように、本発明によれば、炭素質材料の微細構造を制御することにより電池活物質のドープ、脱ドープ容量の大きな非水溶媒系二次電池用の炭素質材料が提供される。そして、この炭素質材料を用いて、例えばリチウム二次電池の負極を構成することにより、リチウムの利用率の高い高エネルギー密度の二次電池を製造することができる。

Claims (2)

  1. X線回折法により求めた(002)面の平均面間隔が0.365nm以上の炭素質材料であり、該炭素質材料をHOとNの混合ガスと900℃において重量減少が60%になるまで反応させたときに残る炭素質物質のX線回折法により求めた(002)面の平均面間隔が0.350nm以下となる炭素質材料であることを特徴とする非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料。
  2. 石油ピッチ、石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2乃至3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱成形し、その後、ピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去せしめ、得られた多孔性ピッチを、酸化剤を用いて酸化し、得られた熱に対し不融性の多孔性ピッチを、不活性雰囲気中で焼成することを特徴とする非水溶媒系二次電池電極用炭素質材料の製造方法。
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