JP2004233964A - ハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料及び面積階調画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 色相変化の濃度依存性が小さく、印刷物に近似した色再現性を有し、かつ網点エッジ部の輪郭が鮮明で、網点内の濃度が均一である良好な網点品質を有するプルーフ画像を安定に形成可能で、かつ優れた画像保存性を有するハロゲン化銀カラー感光材料並びにそれに適用する面積階調画像形成方法を提供する。
【解決手段】 ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(1)等から選ばれる少なくとも1種のカプラーと少なくとも1種の非発色性化合物とを含有し、該非発色性化合物の総質量の少なくとも20%以上がオクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である化合物であり、かつ前記一般式(1)等で表されるカプラーに対する該非発色性化合物の質量比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964

【選択図】なし

Description

本発明は、印刷物の仕上がりを事前に確認するプルーフに関するものであり、詳しくは、色相変化の濃度依存性が小さく、印刷物に近似した色再現性を有し、かつ網点エッジ部の輪郭が鮮明で、網点内の濃度が均一である良好な網点品質を有するプルーフ画像が、安定に形成可能なハロゲン化銀カラー感光材料及びそれに適用する面積階調画像形成方法に関するものである。
ハロゲン化銀カラー感光材料は高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合にはコンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれ、ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成出来るなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込むことが出来ることなどから高い生産性を実現することが可能になった。
特開2002−365745号請求項4には、ハロゲン化銀感光材料を、基準となる光量で別々に単色露光を行い、露光量と分解発色濃度の関係を得、この分解発色濃度を管理することにより変動に対する色再現性を確保する画像形成方法を開示している。同公報の実施例の記載によると、単色露光を行い露光量と分解発色濃度の関係を得ており、この補正を行うことにより感光材料の性能変動を適正に補償出来ることを開示している。露光量と分解発色濃度の関係とは、本願発明の画像形成材料の画像形成に必要なエネルギーとアナリティカル濃度の関係に相当するものであるが、該公報は、感光材料の特性を露光量と分解発色濃度として持たせることにより、特性が変動した時にどのような処理を行うことでそれを補償出来るかを開示したものであり、分解発色濃度としてデータを記述した時にどのような利点が生じるかについて何ら述べられていない。本願発明は、この感光材料の特性のデータに加えて、ドットの色とアナリティカル濃度の関係をデータとして持たせ、両者の組み合わせで画像形成条件を決定する方式に関するものであり、こうすることにより記録材料の色材の分光吸収の変化などにも容易に対応が出来、またユーザー毎の好み、印刷条件の違いなどにもきめ細かく対応出来るものであり、該公報に開示されているのは、この方式の一部の構成でしかない。
前記のように、デジタルデータに基づき面積階調画像を形成する方法では、網点を更に小さな単位(ここではこれをドットと表現した)に分割し、この画素を適切な露光量で露光することによってその集合体として網点を再現することが可能である。一例として簡単な例を挙げれば、1つの網点が100個のドットで構成されるのであれば、50個のドットを現像可能なように露光することにより網%が50%の網点を形成することが出来る。このような方式において、ドットの濃度を可変とした場合の濃度の制御の方法、及びそれに好ましい記録材料の特性については何ら述べられておらず、示唆もされていない。
このようなハロゲン化銀カラー感光材料を用いた露光システム的な技術開発に加え、ハロゲン化銀カラー感光材料から得られる色再現を限りなく印刷物に近づけるために、長年様々な努力が重ねられてきた。特にシアンカプラーにおいてはその要求が高く、近年特定の構造を有するカプラーが、ハロゲン化銀カラー写真方式によるカラープルーフ用途の感光材料に用いることが提案され、特にピラゾロトリアゾールタイプのシアンカプラーは、優れた色純度の高さを有することが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また一方、特開昭62−279339号にはピロロトリアゾールタイプのシアンカプラーが提案されており、前記ピラゾロトリアゾールタイプ同様、優れた色再現性を有することが知られている。
しかしながら該特許に記載の特定のピラゾロトリアゾールタイプやピロロトリアゾールタイプのシアンカプラーは、高沸点有機溶媒に対する溶解性が不十分であるため溶媒量が増加し、バインダー量の増加が必要となり、これに伴い厚膜化するという欠点や、色相の濃度による変化が大きく、色相の濃度依存性という点に問題があることが分かり、更に改良が求められていた。
また新たな課題として、面積階調により画像形成する場合、網点再現において、特に低網点%においてはエッジ部の輪郭がぼけたり、また50%程度の中程度の網点%では網点内の濃度が均一ではなく、微小な濃淡が発生してざらつき感が発生するといった、網点品質上の問題があることも明らかとなった。
また、網点により形成された画像の保存中、網点の面積が増大し、見かけの網点%が増えることによってドットゲインの変化や濃度の変化といった現象も発生し、特に高湿条件下での発生が問題となっていた。
一方、カラー画像を形成しうるカプラーに要求される基本的性質としては、高沸点有機溶媒等に対する溶解性が大きいこと、ハロゲン化銀乳剤中での分散性及び分散安定性が良好で容易に析出しないこと、分光吸収特性に優れ色調が良好で広範な色再現域における鮮明な色素画像が形成されること等が求められていた。
これらの性能におよぼすバラスト基の役割は大きく、例えば特公昭44−3660号、同48−25655号、同48−25932号、同48−25934号、同49−16057号、同51−40804号、特開昭47−4481号、同49−8228号、同50−19435号、同51−126831号、同52−86333号、同56−30126号、同57−146251号、同58−42045号、同59−177557号、同60−24547号、特開平9−281672号、米国特許2,908,573号、同2,920,961号、同3,227,544号等に特定のバラスト基が提案されている。
更に、米国特許第5,789,146号、特開平9−114060号などに、バラストの炭素数がわずかに異なるものを2種混合することで溶解性、分散性などを向上させる提案もなされている。
しかしながらこれらの技術内容だけでは、前述の網点品質を改良するには不十分であることも分かった。
一方、高沸点有機溶媒のオクタノール−水分配係数(LogP)の値と、これらが含有される感光材料については、カプラー用の高沸点有機溶媒に関しての規定が(例えば、特許文献3参照。)、また特開2002−90933号には非感光性層中に含有される高沸点有機溶媒に関しての規定が、それぞれ記載されている。
特に特許文献3には、特定のLogP値を有する高沸点有機溶媒を用いることにより、撮影用感光材料の撮影前の保存性が改良されることを開示しており、カプラーの分散状態とバインダーとの関わり合いによって引き起こされる現象であると述べている。しかし、発色後の色素の塗膜中での状態に関しては画像保存性について極めて抽象的に触れているのみで、具体的には一切触れられていない。特に面積階調画像を形成するために用いた場合に、特定のカプラーとの組み合わせにおいて網点中の濃度の均一性が改良されることには何ら触れておらず、示唆もしていない。
また一方、高沸点有機溶媒として従来から用いられてきたリン酸エステル系化合物に関し、耐拡散性を高めるという技術に関する記載が、開示されている(例えば、特許文献4参照。)。リン酸エステル系化合物は感光材料中で拡散するという問題点を指摘しているが、やはり網点階調画像形成時における、網点品質の劣化等については一切の記載はない。
本発明の発明者らは鋭意研究の結果、前述した特定のバラスト基を有するカプラーと、該カプラーと共にバインダー中に分散しうる非発色性化合物に関し、該非発色性化合物のオクタノール−水分配係数(LogP)の値と、該カプラーの質量に対する該非発色性化合物の質量との比を適切にすることによって、前記網点中の濃度の均一性が改良され、更に特定のシアンカプラーを用いた場合のシアンの色再現性と、色相の濃度依存性と網点品質が改良されることを見出し、本発明を完成するに到った。
更に、高沸点有機溶媒として特定のリン酸エステル系化合物を用いることで、面積階調画像形成時における網点品質の改良に加え、網点品質の経時保存性、即ち高温、高湿下における網点のつぶれや色素の拡散性も改良されることも見出した。
特開平8−339060号公報 特開平10−90847号公報 特開2002−117205号公報 特開2001−125231号公報
本発明の目的は、色相変化の濃度依存性が小さく、印刷物に近似した色再現性を有し、かつ網点エッジ部の輪郭が鮮明で、網点内の濃度が均一である良好な網点品質を有するプルーフ画像が、安定に形成可能なハロゲン化銀カラー感光材料を提供することにある。更に、形成された画像の網点品質が、その経時保存後においても長く維持され、優れた画像保存性を有するハロゲン化銀カラー感光材料を提供することにある。
また、網点内の濃度が均一であることに加えて、網点内の均一な濃度を自由に変えることにより、プルーフ画像形成装置としてハロゲン化銀カラー感光材料を用いる装置を有効に使用するための面積階調画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種のカプラーと少なくとも1種の非発色性化合物とを含有し、該非発色性化合物の総質量の少なくとも20%以上がオクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である化合物であり、かつ前記一般式(1)〜(3)で表されるカプラーに対する該非発色性化合物の質量比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、Arはアリール基または複素環基、R1はアリール基、複素環基、または炭素数4以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、L1は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
Figure 2004233964
(式中、R2、R3、及びR4は各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L2は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
Figure 2004233964
(式中、R5は炭素数5以上の無置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、R7はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、J1は−O−または−NR11−を表し、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L3は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
(請求項2)
支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(4)で表される少なくとも1種のカプラーと少なくとも1種の非発色性化合物とを含有し、該非発色性化合物の総質量の少なくとも20%以上がオクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である化合物であり、かつ下記一般式(4)で表されるカプラーに対する該非発色性化合物の質量比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、R8、R9、及びR10は各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L4は2価の連結基、Wは−CO−または−SO2−を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
(請求項3)
前記一般式(1)〜(3)におけるカプラー残基Cpが下記一般式(5)または下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子または発色現像主薬の酸化体とカップリングし脱離する基を表し、RMは一価の置換基を表す。*は一般式(1)〜(3)においてL1、L2、及びL3と結合する部位を表す。)
(請求項4)
前記一般式(4)におけるカプラー残基Cpが前記一般式(5)または前記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
(一般式(5)または(6)における*は、一般式(4)においてL4と結合する部位を表す。)
(請求項5)
前記一般式(1)〜(4)におけるカプラー残基Cpが下記一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子または発色現像主薬の酸化体とカップリングし脱離する基を表し、RMは一価の置換基を表し、EWGはハメットの置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基を表す。*は前記一般式(1)〜(4)においてL1、L2、L3、及びL4と結合する部位を表す。)
(請求項6)
支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が非発色性化合物を含有し、その非発色性化合物のうちの少なくとも20%以上が下記一般式(8)で表される化合物を含有し、かつ発色カプラーの質量に対する該一般式(8)を含む非発色性化合物の質量の総量の比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、R21及びR22は各々アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表し、kは0〜5の整数を表し、mは2または3を表し、nは0〜4の整数を表す。ただし、mが3の場合、nは0〜3の整数を表す。)
(請求項7)
支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が非発色性化合物を含有し、その非発色性化合物のうちの少なくとも20%以上が下記一般式(9)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
Figure 2004233964
(式中、R31はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表し、Qは2価の連結基を表す。)
(請求項8)
発色カプラーの質量に対する前記一般式(9)で表される化合物を含む非発色性化合物の質量の総量の比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(請求項9)
濃度を変更可能なドットの集合体として網点を形成する面積階調画像形成方法において、該画像形成方法が、画像形成材料の画像形成に必要なエネルギーとアナリティカル濃度の関係とドットの色とアナリティカル濃度との関係を利用して画像形成に必要なエネルギーを求める手段を有し、かつ該画像形成材料が請求項1〜8のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料であることを特徴とする面積階調画像形成方法。
(請求項10)
画像の網点%と出力する画像のドット数を決定する手段とを有することを特徴とする請求項9に記載の面積階調画像形成方法。
本発明により、色相変化の濃度依存性が小さく、印刷物に近似した色再現性を有し、かつ網点エッジ部の輪郭が鮮明で、網点内の濃度が均一である良好な網点品質を有するプルーフ画像が、安定に形成可能なハロゲン化銀カラー感光材料を提供することが出来る。更に、形成された画像の網点品質が、その経時保存後においても長く維持され、優れた画像保存性を有するハロゲン化銀カラー感光材料を提供することが出来る。
また、網点内の濃度が均一であることに加えて、網点内の均一な濃度を自由に変えることにより、プルーフ画像形成装置としてハロゲン化銀カラー感光材料を用いる装置を有効に使用するための面積階調画像形成方法を提供することが出来る。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、前記一般式(1)〜(3)で表されるカプラーについて説明する。
前記一般式(1)において、Arはアリール基または複素環基を表す。
Arで表されるアリール基としては、フェニル基またはナフチル基を挙げることが出来る。
Arで表される複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル基、1−テトラゾニル基等を挙げることが出来る。
Arで表されるアリール基、複素環基は更に置換基を有してもよく、これらの置換基としては特に制限はないが、代表例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基を挙げることが出来る。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることが出来る。アルキニル基としては、ビニル、アリル、オレイル、シクロヘキセニル基等が挙げられる。アルケニル基としては、プロパルギル、1−ペンチニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基を挙げることが出来る。複素環基としては、5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル基、1−テトラゾリジニル基等を挙げることが出来る。
Arとして好ましくはフェニル基が挙げられる。
一般式(1)において、R1はアリール基、複素環基、または炭素数4以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表す。R1で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等を挙げることが出来る。アルキニル基としては、ビニル、アリル基等が挙げられる。アルケニル基としては、プロパルギル基等が挙げられる。
1で表されるアリール基、R1で表される複素環基としては、前記Arで表される基と同義の基で表すことが出来る。
1で表されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基は総炭素数4以下の範囲で更に置換基を有してもよい。これらの置換基としては特に限定されないが、代表例としては、例えばアルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
一般式(1)において、L1は2価の連結基を表し、好ましくはアルキレン基、アリーレン基であり、nは0または1を表し、好ましくは0である。
一般式(1)において、Cpはカプラー残基を表し、Cpで表されるカプラー残基において、イエローカプラー残基の代表例としては、例えば、米国特許2,298,443号、同2,407,210号、同2,875,057号、同3,048,194号、同3,447,928号及び“ファルプクプラー アイネ・リテラトウルユウバージヒト・アグファ・ミッタイルング(バンドII)”Farbkuppler eine Literatur ubersicht Agfa Mitteilung(BandII)112〜126頁(1961年)等に記載されている。
これらのうちアシルアセトアニリド類イエローカプラー、例えばベンゾイルアセトアニリドカプラー、またはピバロイルアセトアニリドカプラーが好ましい。
マゼンタカプラー残基の代表例としては、例えば、米国特許2,369,489号、同2,343,708号、同2,311,082号、同2,600,788号、同2,908,573号、同3,062,653号、同3,152,896号、同3,519,429号、同3,725,067号、同4,540,654号、特開昭59−162548号及び前記Agfa Mitteilung(BandII)126〜156頁(1961年)等に記載されている。
これらのうち、ピラゾロンマゼンタカプラーまたはピラゾロアゾールマゼンタカプラー(例えば、ピラゾロアゾールマゼンタカプラー、ピラゾロトリアゾールマゼンタカプラー等)類が好ましい。
シアンカプラー残基の代表例としては、例えば、米国特許2,367,531号、同2,423,730号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,002,836号、同3,034,892号、同3,041,236号、特開昭64−554号及び前記Agfa Mitteilung(BandII)156〜175頁(1961年)等に記載されている。
これらのうちフェノール類シアンカプラー、ナフトール類シアンカプラー、ピロロトリアゾール類シアンカプラーまたはピラゾロトリアゾール類シアンカプラーが好ましい。
一般式(1)において、Cpで表されるカプラー残基の中で、ピラゾロトリアゾール類、ピロロトリアゾール類がカプラー残基としてより好ましく、更に前記一般式(5)で表されるカプラー残基であることが特に好ましい。
一般式(5)において、Xは水素原子、ハロゲン原子または発色現像主薬の酸化体と反応して脱離する基を表す。
Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる原子、基としては、例えば水素原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、弗素原子等)、アルキレンオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、各々窒素原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられるが、これらの中で、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基である。
一般式(5)において、RMは一価の置換基を表す。RMの表す一価の置換基としては特に制限はないが、代表例としては、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基及びスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙げられる。
より、具体的には、RMで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
Mで表されるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
アシルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げられる。
Mで表されるスルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は前記RMで表されるアルキル基、アリール基が挙げられる。
Mで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。
Mで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。スルホニル基としてはアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;
Mで表されるスルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基等;
Mで表されるホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリールホスホニル基等;
Mで表されるアシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
Mで表されるカルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基等;
Mで表されるスルファモイル基としてはアルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;
Mで表されるアシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基等;スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等;
Mで表されるカルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等;
Mで表されるウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等;
Mで表される複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル基、1−テトラゾリジニル基等;
Mで表される複素環オキシ基としては、5〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;
Mで表される複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基等;
Mで表されるシロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;
Mで表されるイミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;
Mで表されるスピロ化合物残基としては、スピロ〔3.3〕ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−イル、トリシクロ〔3.3.1.1.37〕デカン−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−イル等が挙げられる。
Mの表す置換基としてはアルキル基、アリール基が好ましく、アリール基が特に好ましい。
次に、一般式(2)で表されるカプラーについて詳細に説明する。
一般式(2)において、R2、R3、及びR4は各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、これらの代表例としては、一般式(1)におけるR1と同様の基の他、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オレイル基、ネオペンチル基、フェニル基等を例として挙げることが出来る。
一般式(2)において、R2、R3、及びR4は各々好ましくはアルキル基、アリール基である。
一般式(2)において、R4は好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはアルキル基であり、無置換アルキル基であるのが最も好ましい。
一般式(2)において、L2は2価の連結基を表し、好ましくはアルキレン基、アリーレン基であり、nは0または1を表し、好ましくは0である。
一般式(2)において、Cpはカプラー残基を表し、Cpで表されるカプラー残基としては一般式(1)におけるCpの表すカプラー残基と同様な基を挙げることが出来る。
一般式(2)において、Cpで表されるカプラー残基の中で、ピラゾロトリアゾール類がカプラー残基として好ましく、前記一般式(5)で表されるカプラー残基であることがより好ましい。
次に、一般式(3)で表されるカプラーについて説明する。
一般式(3)において、R5は炭素数5以上の無置換アルキル基、無置換アルケニル基、無置換アルキニル基を表し、分岐であっても直鎖であってもよく、例えばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、1,1,3−トリメチルブチル基、オレイル基、シクロヘキセニル基、アダマンチル基を挙げることが出来る。
一般式(3)において、R6、及びR7はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R6、及びR7の表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及び複素環基の代表例としては、一般式(1)におけるR1と同様の基を挙げることが出来る。
一般式(3)において、R6は好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(3)において、R7は好ましくはアルキル基、アリール基である。
一般式(3)において、J1は好ましくは−NR11−である。R11は一般式(1)におけるR1と同義である。
一般式(3)において、L3は2価の連結基を表し、好ましくはアルキレン基、アリーレン基である。
一般式(3)において、nは0または1を表し、好ましくは0である。
一般式(3)において、Cpはカプラー残基を表し、Cpで表されるカプラー残基として一般式(1)におけるCpの表すカプラー残基と同様な基を挙げることが出来る。
一般式(3)において、Cpで表されるカプラー残基の中で、ピラゾロトリアゾール類がカプラー残基として好ましく、前記一般式(5)で表されるカプラー残基であることがより好ましい。
次に、本発明の前記一般式(4)で表されるカプラーについて詳細に説明する。
一般式(4)において、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R8、R9、及びR10の表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及び複素環基の代表例としては、一般式(1)におけるR1と同様の基を挙げることが出来る。
Wは−CO−または−SO2−を表し、L4は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。
一般式(4)において、L4は2価の連結基を表し、好ましくはアルキレン基、アリーレン基である。
一般式(4)において、nは0または1を表し、好ましくは1である。
一般式(4)において、Cpはカプラー残基を表し、Cpで表されるカプラー残基として一般式(1)におけるCpの表すカプラー残基と同様な基を挙げることが出来る。
一般式(4)において、Cpで表されるカプラー残基の中で、ピラゾロトリアゾール類がカプラー残基として好ましく、前記一般式(5)で表されるカプラー残基であることがより好ましい。
次に、本発明の前記一般式(7)で表されるカプラー残基について詳細に説明する。
一般式(7)において、Xで表される基は前記一般式(5)または(6)におけるXと同様の基を挙げることが出来、Xとして好ましくはアシルオキシ基である。
一般式(7)において、RMで表される基は前記一般式(5)または(6)におけるRMと同様の基を挙げることが出来、RMとして好ましくはフェニル基である。
一般式(7)において、EWGで表される基はハメットの置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基を表し、具体的にはシアノ基、ニトロ基、スルホニル基、フェニルスルホニル基、ペンタフルオロフェニルスルホニル基、スルフィニル基(例えばt−ブチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基)、β,β−ジシアノビニル基、ハロゲン化アルキル基(例えばトリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、ホルミル基、カルボキシル基、カルボニル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、アルキルオキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等)、1−テトラゾリル基、5−クロル−1−テトラゾリル基、カルバモイル基(例えばドデシルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基等)等が挙げられる。
一般式(7)におけるEWGで表される基として好ましくは、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
次に、本発明の前記一般式(1)〜(4)で表されるカプラーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2004233964
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本発明の感光材料に用いられるカプラーは、特開平8−171185号、同8−311360号、同8−339060号、同9−281672号に記載の方法に準じて合成することが出来る。
本発明の感光材料に用いられるカプラーは通常ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることが出来る。また本発明のカプラーは他の種類のカプラーと併用することも出来る。本発明の感光材料に用いられるカプラーには、通常の色素形成カプラーにて用いられる方法及び技術が、同様に適用される。
本発明の感光材料に用いられるカプラーを発色性層に含有させるには、従来公知の方法に従えばよいが、本発明の感光材料に用いられる非発色性有機化合物は、高沸点有機溶媒として用いることも出来、その場合好ましくは常圧での沸点がおおよそ175℃以上であり、常温・常圧での状態、即ち液体/固体の別には依存しない。また、特定の機能、例えば紫外線吸収機能、酸化防止機能などを有していても問題はなく、後述するゼラチンに乳化分散添加されるものであれば特に制限はない。本発明の感光材料に用いられる非発色性有機化合物は、1種もしくは2種以上を組み合わせて使用することが出来、2種以上の場合は少なくともその総質量の20%以上が、オクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である非発色性化合物である。更に好ましくは総質量の50%が前記LogPの値が7.5以上の化合物である。
また酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等の低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じてそれらの混合液に本発明のカプラーを単独または併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、次に高速回転ミキサーまたはコロイドミル等で乳化した後、ハロゲン化銀に添加して本発明に使用するハロゲン化銀乳剤を調製することが出来る。
オクタノール−水分配係数(LogP)は、n−オクタノール中の溶質の濃度/水中の溶質の濃度の値の対数であり、一般的にはC.Hansh及びT.Fujita,J.Am.Chem.Soc.,86,1616−25(1964)及びA.Leo及びHansch,Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology,Wiley NY(1979)等に記載されている。一方、近年はその化合物の構造から計算で求めることも出来、Biobyte社のMaclogP、CambridgeSoft社のCS ChemDraw Proなどが一般的に用いられる。
ここで、本発明の感光材料に用いられる非発色性化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本発明記載のオクタノール−水分配係数(LogP)の値は、前記CambridgeSoft社のCS ChemDraw Pro Ver.5.0を用い、計算方法としてはViswanadhan’s fragmentation:J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).による方法を用いた。各々の化合物のlogPの値を、化合物の右下に記載する。
Figure 2004233964
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ここに挙げた化合物は、従来公知の方法によって合成することが出来、また市販品としても入手出来るものもある。
次に一般式(8)で表される非発色性化合物を説明する。R21、R22で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基としては、前記一般式(1)のArで表される基の置換基と同義のものを挙げることが出来る。好ましくはアルキル基、アリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。
以下に一般式(8)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2004233964
ここに挙げた化合物は従来公知の方法によって合成することが出来る。
次に一般式(9)で表される非発色性化合物を説明する。R31で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基としては、前記一般式(1)のArで表される基の置換基と同義のものを挙げることが出来る。好ましくはアルキル基、アリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。Qで表される2価の連結基としては例えば、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。
以下に一般式(9)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2004233964
ここに挙げた化合物は従来公知の方法によって合成することが出来る。
これらの非発色性化合物を高沸点有機溶媒として用いる場合、高沸点有機溶媒は分散ミセル中において溶質となるカプラーを単に溶解する以外、カプラーそのものの性能に大きく影響を与えることが知られている。カプラー色素の極大吸収波長、分光吸収波形、発色性、画像保存性、バインダーとの屈折率の差による見かけの濃度の減少を改良するなどの目的の技術開示は多く存在する。更に感光材料の薄膜化や鮮鋭性向上に有利とされる、高沸点有機溶媒を使用しないという提案もなされているが、逆に性能を細かく制御することが非常に困難な技術内容でもある。したがってカプラーに対する高沸点有機溶媒の量は、それぞれの質量の比としては0.2以上が必要であり、好ましくは0.5以上である。
一般的に高分子量であるカプラーを溶解するためには高沸点有機溶媒としてはある程度の疎水性が必要であるが、カプラーに対する溶媒量が多すぎると、発色不良などの問題点が発生する。また、バインダーが担持しきれなくなり、拡散などの現象も発生する。従ってカプラーに対する高沸点有機溶媒の量は、それぞれ質量の比としては3.0以下が好ましい。更に好ましくは2.5以下であり、特に好ましくは2.0以下である。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤が好ましく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられる。中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤の、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成されることが特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤には重金属イオンを含有させるのが有利である。これによっていわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー側での軟調化が防止されることが期待される。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることが出来る。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、ニトロシル、アンモニア、1,2,4−トリアゾール、チアゾール等を挙げることが出来る。中でも、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。これらの配位子は単独であっても複数の配位子が併用されてもよい。
これらの金属化合物は、ハロゲン化銀乳剤粒子に含有させた時の電子トラップの深さとして特徴づけることも出来る。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物としては第2鉛イオンまたは、シアノ配位子を有する化合物を挙げることが出来、相反則不軌特に低照度不軌を改良するのに有効である。また、深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物としては、ハロゲン化物イオンやニトロシル配位子を有するIr、Rh、Ru化合物を挙げることが出来る。これらは高照度相反則不軌を改良する上で好ましく用いることが出来る。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物と深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物を併用することも好ましい形態である。これら化合物については特開2000−214561号、4〜5頁に詳しい記載がある。
ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。
重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することが出来る。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することも出来る。前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加する時の量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-9モル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上、5×10-5モル以下が好ましい。
本発明に用いられる粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を作り、これを用いることも出来る。更に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に用いられる粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
本発明に用いられる粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することが出来る。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことが出来る。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることが出来る。
本発明に用いられる乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法のいずれで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組み合わせなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることも出来る。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行う装置などを用いてもよい。
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変えることが好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することが出来る。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることが出来る。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-8モル〜1×10-4モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-8モル〜1×10-5モルである。これらの化合物は、増感剤としてではなく、塗布液の調製段階などで種々の目的で添加することが出来る。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることの出来る好ましい化合物の例として、特開平2−146036号7頁下欄に記載された一般式(II)で表される含窒素複素環メルカプト化合物を挙げることが出来、更に好ましい具体的な化合物としては、同公報の8頁に記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267235号8頁右欄32〜36行目に記載の化合物を挙げることが出来る。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当たり1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、種々の目的で他の添加剤を加えることが出来る。例えば、特開平2−146,036号に具体的に記載されているA−20、C−1、C−9、C−14、C−15、C−16、C−40等のジスルフィド、ポリスルフィド化合物、D−1、D−3、D−6、D−8等のチオスルホン酸化合物、無機イオウ等を用いることが好ましい。
本発明に用いられる写真感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることが出来る。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号308頁に記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−3770号記載の染料が好ましく用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の耐拡散性化合物で着色された親水性コロイド層を有することが好ましい。着色物質としては染料またはそれ以外の有機、無機の着色物質を用いることが出来る。
本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の着色された親水性コロイド層を有することが好ましく、該層に白色顔料を含有していてもよい。例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることが出来るが、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透出来るような例えばゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量は好ましくは0.1g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2g/m2〜5g/m2の範囲である。
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に必要に応じて下塗り層、或いは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることが出来る。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料中に、蛍光増白剤を添加することで白地性をより改良でき好ましい。蛍光増白剤は、紫外線を吸収して可視光の蛍光を発することの出来る化合物であれば特に制限はないが、分子中に少なくとも1個以上のスルホン酸基を有するジアミノスチルベン系化合物であり、これらの化合物には増感色素の感材外への溶出を促進する効果もあり好ましい。他の好ましい一つの形態は、蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物である。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28頁に記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることが出来る。緑感光性増感色素としては、同公報28頁に記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29頁に記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることが出来る。
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることも出来る。
分散液を調製するのに用いることの出来る分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることが出来る。
また、これらの分散装置を用いるに当たりって、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は一種または、2種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤層には、色調を調整する目的で、適宜形成する色素の色調が異なるカプラーを、色相が大きく変化しない範囲で混合して用いることが出来る。特にマゼンタ発色層には、印刷インクへの近似という意味から、イエロー発色カプラーを適当量混ぜて使うことが知れられており、本願に係る特定のバラスト基を有するマゼンタカプラーにおいても、従来公知のイエローカプラーを混合して使用することが出来る。
本発明に係る感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。
またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、及び塗布液に添加後塗布までの時間は短い方がよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14頁記載の化合物II−1〜II−14及び17頁記載の化合物1が挙げられる。
本発明に係る感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係る感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8頁〜9頁に記載の化合物1〜27が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或いは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることが出来る。
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤及び抗カビ剤を添加することが好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
本発明に係る感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることが出来る。中でも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体は、通常、50〜300g/m2の質量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的に対しては、取り扱いの感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、更に70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
本発明に用いられる支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることが出来る。
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることが出来、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13質量%以上が好ましく、更に15質量%が好ましい。
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定することが出来る。この方法で測定した時に、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
本発明に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。複数層とし、乳剤層と接する方に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい。
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、更に0.12μm以下である方が光沢性がよいという効果が得られより好ましい。
本発明に用いられる写真感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
次に本発明の画像データを露光用のデータに編集していく処理作業のフローチャート図(図1)及び本発明の処理作業を示すブロック図(図2)により説明する。図1において、まずデータを読み込む画素の番号(カウンタ:i)を1に設定し、画素1のY、M、C、K、特色画像データを読み込む。次にどの色が発色しているのかを組み合わせて画素の色を判断する。これはテーブル(図2の画素の色の判別TBL)を参照することにより達成される。例えば画素1ではYのみが発色しているので画素の色の判別TBLのYのみが1になっている欄で、画素の色はYであると判断される。画素3ではYとMが発色しているため画素の色はRとなる。同様に画素4はKのみ発色しているため色もKであり、画素5はKとMが発色しているので画素の色はオーバープリント色であるK+Mとなる。こうした変換により図2の画素別画像データを作成する。次に、この色を作り出すためにY、M、C各画像形成層に与えるべき露光量をテーブル(図2の色毎の各感光層の濃度TBL)から読みとり、各画素毎に各層に与える露光量を並べた図2の画像データとし、このデータを画像出力手段へ転送する。
この作業の具体的な流れを、ハロゲン化銀感光材料の特性をアナリティカル濃度(100倍して整数化してある)で表した例で説明する。画素の色から色毎の各感光層の濃度TBLを参照して各層のアナリティカル濃度を求める。この例では、画素1はYのみレベル1(アナリティカル濃度110)に発色させることが分かる。これを基に感光材料特性TBLからYの露光量はレベル(n−4)(図2感光材料特性TBL)であることが分かる。同様にしてM、Cについて露光量レベルを決めることが出来る。図2の画素毎の露光量データが作成される。
画素毎の処理が終わるとカウンタを+1して次の画素についての処理を行う。以下これを繰り返し各画素毎の露光量のデータを作成する。画像出力手段へのデータ転送のタイミングは画素単位で行ってもよいし、1回の主走査に必要なデータの処理が終わった時点でもよいし、全てのデータ処理が終了した時点であってもよい。画像出力手段ではこのデータを必要に応じてデバイスを制御する信号に変換して露光を行う。
画像出力手段では、前記露光量データをもとに必要に応じて露光デバイスの駆動信号に変換し、露光を行う。この露光デバイスの駆動信号に変換するプロセスは、画像処理手段の中に含ませることも出来る。画像出力手段では、必要に応じてデータバッファを設け、露光のタイミングを調整してもよい。
この時に想定したデータの構造を図2に示した。画像データとしては、画素の順に各色が発色しているかどうかのデータのみを持つものと想定した。Y、M、C、K、特色の発色の有無の組み合わせのパターンから、テーブルを参照して画素の色が判断される。次に画素の色とY、M、C画像形成層の露光量のテーブルを参照し各層に与えるべき露光量が決定される。画素の色を判断する所と画素の色から各画像形成層の露光量を決定する所を分離しているのは、例えばRを単色のYとMの単なる足し算ではなく独立に設定出来るようにしたもので、要求する仕様により単純な足し算で表現してもよい。このように独立して設定出来るようにすることで、より印刷に近似な画像を得ることが出来るし、また2つの画像データを使って緑と赤の2色で印刷するような場合の画像のチェックにも用いることが出来、有用性の高いシステムが実現出来る。
上記の説明は、露光デバイスが一つのケースについて述べているが、露光デバイスが副走査方向に10個並べられている場合であれば、画素1〜10が副走査方向に並んだ画素を表し、主走査方向に1画素分ずれたデータは画素11〜20で表すというように読み替えて考えればよい。
次に本発明の画像データを露光用のデータに編集していく処理作業のフローチャート図(図1)及び本発明の処理作業を示すブロック図(図2)により説明する。図1において、まずデータを読み込む画素の番号(カウンタ:i)を1に設定し、画素1のY、M、C、K、特色画像データを読み込む。次にどの色が発色しているのかを組み合わせて画素の色を判断する。これはテーブル(図2の画素の色の判別TBL)を参照することにより達成される。例えば画素1ではYのみが発色しているので画素の色の判別TBLのYのみが1になっている欄で、画素の色はYであると判断される。画素3ではYとMが発色しているため画素の色はRとなる。同様に画素4はKのみ発色しているため色もKであり、画素5はKとMが発色しているので画素の色はオーバープリント色であるK+Mとなる。こうした変換により図2の画素別画像データを作成する。次に、この色を作り出すためにY、M、C各画像形成層に与えるべき露光量をテーブル(図2の色毎の各感光層の濃度TBL)から読みとり、各画素毎に各層に与える露光量を並べた図2の画像データとし、このデータを画像出力手段へ転送する。
この作業の具体的な流れを、ハロゲン化銀感光材料の特性をアナリティカル濃度(100倍して整数化してある)で表した例で説明する。画素の色から色毎の各感光層の濃度TBLを参照して各層のアナリティカル濃度を求める。この例では、画素1はYのみレベル1(アナリティカル濃度110)に発色させることが分かる。これを基に感光材料特性TBLからYの露光量はレベル(n−4)(図2感光材料特性TBL)であることが分かる。同様にしてM、Cについて露光量レベルを決めることが出来る。図2の画素毎の露光量データが作成される。
画素毎の処理が終わるとカウンタを+1して次の画素についての処理を行う。以下これを繰り返し各画素毎の露光量のデータを作成する。画像出力手段へのデータ転送のタイミングは画素単位で行ってもよいし、1回の主走査に必要なデータの処理が終わった時点でもよいし、全てのデータ処理が終了した時点であってもよい。画像出力手段ではこのデータを必要に応じてデバイスを制御する信号に変換して露光を行う。
画像出力手段では、前記露光量データをもとに必要に応じて露光デバイスの駆動信号に変換し、露光を行う。この露光デバイスの駆動信号に変換するプロセスは、画像処理手段の中に含ませることも出来る。画像出力手段では、必要に応じてデータバッファを設け、露光のタイミングを調整してもよい。
この時に想定したデータの構造を図2に示した。画像データとしては、画素の順に各色が発色しているかどうかのデータのみを持つものと想定した。Y、M、C、K、特色の発色の有無の組み合わせのパターンから、テーブルを参照して画素の色が判断される。次に画素の色とY、M、C画像形成層の露光量のテーブルを参照し各層に与えるべき露光量が決定される。画素の色を判断する所と画素の色から各画像形成層の露光量を決定する所を分離しているのは、例えばRを単色のYとMの単なる足し算ではなく独立に設定出来るようにしたもので、要求する仕様により単純な足し算で表現してもよい。このように独立して設定出来るようにすることで、より印刷に近似な画像を得ることが出来るし、また2つの画像データを使って緑と赤の2色で印刷するような場合の画像のチェックにも用いることが出来、有用性の高いシステムが実現出来る。
上記の説明は、露光デバイスが一つのケースについて述べているが、露光デバイスが副走査方向に10個並べられている場合であれば、画素1〜10が副走査方向に並んだ画素を表し、主走査方向に1画素分ずれたデータは画素11〜20で表すというように読み替えて考えればよい。
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることが出来るが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。また、LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることが出来る。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。
ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。
LEDとしては、LDと同様の組成を持つものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組み合わせ、マルチビームとして用いてもよい。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。
露光用光源の強度変化は、LD、LEDのような場合には、個々の素子に流れる電流値を変化させる直接変調を行うことが出来る。LDの場合には、AOM(音響光学変調器)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学変調器)等のデバイスを用いるのが一般である。
光源にLEDを用いる場合には、光量が弱ければ、複数の素子で同一の画素を重複して露光する方法を用いてもよい。
また、これらに代わる光源として有機発光素子を用いてもよく、これらについては、例えば、特開2000−258846号等に記載されている。
本願発明において面積階調画像という言葉を用いているが、これは画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
通常面積階調露光であればY、M、C、墨の発色をさせることで目的を達することも出来る。より好ましくは、墨に加えてM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化することによってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことが出来る。
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることが出来る。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせ出来、好ましく用いることが出来る。同様な観点から、本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀感光材料の大きさに適合させて任意に設定することが出来る。ドラムの回転数も任意に設定出来るがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することが出来る。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光出来る方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへのハロゲン化銀感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引出来る微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることも出来る。感光材料をドラムに出来るだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることが出来る。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げることが出来る。
CD−1) N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使用出来るが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、更に25秒以内の範囲で行うことが更に好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
本発明のハロゲン化銀感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行ってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行ってもよい。本発明のハロゲン化銀感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることが出来る。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935号に記載の方法が最も好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
(実施例1)
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、下記表1に示す層構成の各層を、酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀感光材料試料No.101を作製した。
カプラーは高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。また、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
Figure 2004233964
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
SO−1:トリオクチルホスフィンオキサイド
SO−2:ジ(i−デシル)フタレート
SO−3:オレイルアルコール
SO−4:トリクレジルホスフェート
PVP:ポリビニルピロリドン
Figure 2004233964
Figure 2004233964
Figure 2004233964
(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−101を得た。
上記(EMP−101)に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モル AgX
塩化金酸 0.5mg/モル AgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モル AgX
増感色素 BS−1 4×10-4モル/モル AgX
増感色素 BS−2 1×10-4モル/モル AgX
臭化カリウム 0.2g/モル AgX
次いでEMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−101と同様にして平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−102を得た。Em−B101の調製においてEMP−101に代えてEMP−102を用いた以外同様にしてEm−B102を得、Em−B101と102の1:1の混合物を青感性乳剤として使用した。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
EMP−101の調製において(A液)及び(B液)、(C液)及び(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤(EMP−103)を得た。
上記EMP−102に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モル AgX
塩化金酸 1.0mg/モル AgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モル AgX
増感色素 GS−1 2×10-4モル/モル AgX
増感色素 GS−2 2×10-4モル/モル AgX
塩化ナトリウム 0.5g/モル AgX
次いでEMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−103と同様にして平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−104を得た。Em−G101の調製においてEMP−103に代えてEMP−104を用いた以外同様にしてEm−G102を得、Em−G101と102の1:1の混合物を緑感性乳剤として使用した。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モル AgX
塩化金酸 2.0mg/モル AgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−2 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−3 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−4 1×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS−1 1×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS−2 1×10-4モル/モル AgX
強色増感剤 SS−1 2×10-4モル/モル AgX
次に(Em−R101)の調製において下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R102)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モル AgX
塩化金酸 2.0mg/モル AgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−2 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−3 2×10-4モル/モル AgX
安定剤 STAB−4 1×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS−1 2×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS−2 2×10-4モル/モル AgX
強色増感剤 SS−1 2×10-4モル/モル AgX
Figure 2004233964
Figure 2004233964
Figure 2004233964
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−4:p−トルエンチオスルホン酸
b.
Em−R101とEm−R102の1:1の混合物を赤感性乳剤として使用した。
このようにして得られた試料101について、第3層のマゼンタカプラー及びYカプラー、高沸点有機溶媒を、表2に示すものに入れ替えた試料102〜115も作製した。尚、マゼンタカプラーは各々試料101のものと等モル置き換えとし、イエローカプラーは色調調整のため各々で最適な量を添加した。高沸点有機溶媒の使用量は、表2に示すH/C(カプラーの質量に対する高沸点有機溶媒の質量)の値になるようにした。尚、高沸点有機溶媒を2種併用しているものは混合比を記載し、前記H/Cの値における高沸点有機溶媒の量は、その2種の合計を意味する。
また試料101から、第7層のイエローカプラー及び高沸点有機溶媒を表3に示すものに入れ替えた試料121〜131も作製した。尚、イエローカプラーは各々試料101のものと等モル置き換えとし、高沸点有機溶媒の使用量は、表3に示すH/C(カプラーの質量に対する高沸点有機溶媒の質量の比)の値になるようにした。
露光方法は以下のようなデバイスを用い、網点についてインクとの色差が最小となる濃度が得られる露光量で露光した網点100%及び50%の単色画像を作製し、またその100%の画像の濃度から更に0.20高濃度となる露光量で露光した100%のベタ画像も作製した。
光源としてBのLEDを主走査方向に5個並べ露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を5個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも20個のLEDを並べ隣接する20画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約200μmとした。
試料102〜115についてはM単色画像が得られる露光条件で、また121〜131についてはY単色画像が得られる露光条件でそれぞれ露光し、101については両方の条件でそれぞれ露光を行った。
露光後、下記の現像処理を行い、得られた色素画像をミノルタ(株)社製分光測色器CM−2022を用い、各々CIELAB空間における色差が最小となる濃度点において、網点100%の彩度(C*)、色相の濃度依存性(その点の色相角と、その点から濃度が0.2高い点における色相角の差、即ちa**平面におけるメトリック色相差:ΔH*ab=〔(ΔE*ab)2−(ΔL*2−(ΔC*ab)21/2)、及び網点品質(50%網点の一点内の色素の抜け具合・ざらつき感)を目視官能評価した。尚、CM−2022による測色に関しては照明と受光の幾何条件はd−8、キセノンパルス光源を用いて測光し、2°視野補助標準の光D50を用いて行った。濃度についてはX−rite社製分光濃度計508型を用い、45°照明0°受光の幾何条件で、分光条件はStatsuTを用いた。網点品質については5段階官能評価とし、最も優れるものを5、網点として認識出来ないレベルのものを1とした。
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 37.0±0.3℃ 120秒 200ml/m2
漂白定着 37.0±0.5℃ 90秒 150ml/m2
安定化 30〜34℃ 60秒 400ml/m2
乾燥 60〜80℃ 30秒
発色現像液開始液及び補充液 開始液 補充液
トリエチレンジアミン 3.0g 4.0g
ジエチレングリコール 6.0g 8.0g
臭化カリウム 0.15g 0.2g
塩化カリウム 3.5g 0.2g
亜硫酸カリウム 0.3g 0.4g
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−4−アミノアニリン硫酸塩
3.0g 4.0g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 5.0g 20.0g
トリエタノールアミン 6.0g 8.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 1.5g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
1.5g 2.0g
炭酸カリウム 30g 40g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.2に、補充液はpH=10.5に調整する。
漂白定着液タンク液及び補充液
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=5.0に調整する。
安定化液タンク液及び補充液
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸またはアンモニア水でpH=7.5に調整する。
第3層のマゼンタカプラー/高沸点有機溶媒変更に係る結果を表2、及び第7層のイエローカプラー/高沸点有機溶媒変更に係る結果を表3に示す。
Figure 2004233964
Figure 2004233964
表2に示す結果より明らかに本発明の感光材料では、彩度に優れ、色相の濃度による変化が少なく、また網点品質も微小点内でより均一化され、オイル量が少なくてもざらつき感の少ないものとなっていることが分かる。特に本発明のバラストを有するマゼンタカプラー1−11では、高沸点有機溶媒全体のlogPが高いほど彩度も高く、H/Cを下げても色相の濃度依存性が改良され、網点のざらつき感も改善されている。また、カプラーとしては一般式(4)で表される4−16に比べ、一般式(3)で表される3−19のタイプがより好ましいことも分かる。また不飽和脂肪族アルコールであるHB−12と、リン酸エステルであるHB−5の組み合わせによる、彩度の高さと色相の濃度依存性と網点品質の高次元でのバランスは、オイル量が少ない状況下でも極めて良好であることが分かる。また、logPの値が7.5以上である高沸点有機溶媒の含有比率が全高沸点有機溶媒の50%以上である方がより好ましいことも分かる。
また、表3より明らかに、本発明の感光材料においては、イエローの場合であっても彩度、色相の濃度による変化が少なく、また網点品質も微小点内でより均一化され、ざらつき感の少ないものとなっていることが分かる。特に一般式(2)で表される2−9と一般式(3)で表される3−13のタイプのカプラーの組み合わせにおいて、かつリン酸アリールエステル化合物を使用した際に特異的に彩度の高さと色相の濃度依存性の低さ、及び優れた網点品質が得られることも分かる。
(実施例2)
実施例1における試料101において第5層のシアンカプラー、高沸点有機溶媒を表4に示すものに入れ替えた試料201〜224を作製した。単色のシアンが発色する露光条件にした以外は、実施例1に記載の条件と同様にして露光・現像処理を行った。結果を表4に示す。
Figure 2004233964
表4に示す結果より、本発明の感光材料では彩度が高く、網点品質(ざらつき感)も良好であり、かつ色相の濃度依存性が極めて改善されていることが分かる。また一般式(2)で表される2−1や一般式(3)で表される3−3のタイプのカプラーとスルホンアミド系の高沸点有機溶媒HB−8或いはHB−9の組み合わせにより、オイル量を少なくしても色素の凝集が発生せず、色相の濃度による変化が少ない状態で維持されていることも分かる。またカプラー母核の異なる、ピロロトリアゾールタイプの4−7や2−5のタイプも、本発明の構成とすることにより、網点品質(ざらつき感)が大きく改善されることも明らかである。また、logPの値が7.5以上である高沸点有機溶媒の含有比率が全高沸点有機溶媒の50%以上である方が、特に網点のざらつき感においてより好ましいことも分かる。
(実施例3)
実施例2における試料101及び201〜224のうち、101及び201から220について第5層のゼラチン使用量を、高沸点有機溶媒及びカプラー等オイル成分の質量のゼラチン質量に対する比(O/G)として、101の0.94と同じ値となるようにした試料を別途作製した。これらは実施例2における試料101、及び201から220と区別するため、末尾にAをつけた。一方、第5層のゼラチン使用量を、同様にO/Gとして定義される値として1.20となるようにゼラチン量を調整した試料を作製した。これらは末尾にBをつけた。得られた試料を実施例2と同様に露光・処理を行った。このようにして得られたシアン画像について、網点品質として50%網点の点のエッジの鮮明度をルーペ観察による目視評価を行った。また、網点画像のにじみ具合の評価として発色現像後の試料を50℃80%RH、及び40℃80%RHの条件下に保存し、保存前と4週間後の濃度の差を前記X−rite社の508型分光濃度計にて同様の方法で測定した。結果を表5、6に示す。尚、網点が高温高湿下でにじむと、水平方向に色素の拡散が発生し、網点%が増大して結果的に濃度が上昇することになる。
Figure 2004233964
Figure 2004233964
表5、6より明らかに、網点エッジの鮮明度として本発明の感光材料は比較より優れていることが分かる。またシアン層のゼラチン使用量においては、比較ではゼラチン使用量を減少させることでよりエッジの鮮明度が向上するものの、本発明の感光材料のエッジの鮮明度にはやや劣っている。一方高温高湿下保存によるにじみの評価では、比較の感光材料においてはゼラチン量の減少によるにじみの劣化は顕著であるものの、本発明の感光材料はゼラチン量の減少によるにじみの劣化は極めて少なく好ましい。特にゼラチン質量に対するオイルの質量に対する比の値が1.20であっても、色素がにじみにくく網点品栂維持されていることは驚くべきことである。特に一般式(2)で表される2−1や一般式(3)で表される3−3のタイプのカプラーと、リン酸エステルタイプ及びスルホンアミドタイプの高沸点有機溶媒の組み合わせが最も好ましく、網点品質とその維持という点でバランスがとれている。
(実施例4)
実施例3において、第5層の高沸点有機溶媒を表7に示すものに入れ替えた試料301〜323を作製した。単色のシアンが発色する露光条件にした以外は、実施例1に記載の条件と同様にして露光・現像処理を行った。評価は実施例3と同様の項目を実施した。結果を表7に示す。
Figure 2004233964
表7より明らかに、特定のビス型のリン酸エステルの構造を有する高沸点有機溶媒を、本発明のカプラーに対する高沸点有機溶媒の質量比の範囲内で使用した感光材料は、網点品質(ざらつき感)と色相の濃度依存性が高次元でバランスしていることが分かる。また、通常のリン酸エステル化合物SO−4との混合で用いる場合、本発明の高沸点有機溶媒の比率を高めるほど好ましく、特に50%以上で網点品質がより優れたものとなることも分かる。また更に、本発明のバラスト基を有するカプラーを用いることにより、更に彩度が改善されることも分かる。
以上のように本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、色相変化の濃度依存性が小さく、印刷物に近似した色再現性を有し、かつ網点エッジ部の輪郭が鮮明で、網点内の濃度が均一である良好な網点品質を有することが分かる。更に、形成された画像の網点品質が、その経時保存後においても長く維持され、優れた画像保存性を有する。
本発明の画像データを露光用のデータに編集していく処理作業のフローチャートである。 本発明の処理作業を示すブロック図である。

Claims (10)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種のカプラーと少なくとも1種の非発色性化合物とを含有し、該非発色性化合物の総質量の少なくとも20%以上がオクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である化合物であり、かつ前記一般式(1)〜(3)で表されるカプラーに対する該非発色性化合物の質量比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、Arはアリール基または複素環基、R1はアリール基、複素環基、または炭素数4以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、L1は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
    Figure 2004233964
    (式中、R2、R3、及びR4は各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L2は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
    Figure 2004233964
    (式中、R5は炭素数5以上の無置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、R6は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、R7はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、J1は−O−または−NR11−を表し、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L3は2価の連結基、nは0または1を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
  2. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(4)で表される少なくとも1種のカプラーと少なくとも1種の非発色性化合物とを含有し、該非発色性化合物の総質量の少なくとも20%以上がオクタノール−水分配係数(LogP)の値が7.5以上である化合物であり、かつ下記一般式(4)で表されるカプラーに対する該非発色性化合物の質量比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、R8、R9、及びR10は各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、L4は2価の連結基、Wは−CO−または−SO2−を表し、Cpはカプラー残基を表す。)
  3. 前記一般式(1)〜(3)におけるカプラー残基Cpが下記一般式(5)または下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子または発色現像主薬の酸化体とカップリングし脱離する基を表し、RMは一価の置換基を表す。*は一般式(1)〜(3)においてL1、L2、及びL3と結合する部位を表す。)
  4. 前記一般式(4)におけるカプラー残基Cpが前記一般式(5)または前記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
    (一般式(5)または(6)における*は、一般式(4)においてL4と結合する部位を表す。)
  5. 前記一般式(1)〜(4)におけるカプラー残基Cpが下記一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子または発色現像主薬の酸化体とカップリングし脱離する基を表し、RMは一価の置換基を表し、EWGはハメットの置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基を表す。*は前記一般式(1)〜(4)においてL1、L2、L3、及びL4と結合する部位を表す。)
  6. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が非発色性化合物を含有し、その非発色性化合物のうちの少なくとも20%以上が下記一般式(8)で表される化合物を含有し、かつ発色カプラーの質量に対する該一般式(8)を含む非発色性化合物の質量の総量の比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、R21及びR22は各々アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表し、kは0〜5の整数を表し、mは2または3を表し、nは0〜4の整数を表す。ただし、mが3の場合、nは0〜3の整数を表す。)
  7. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が非発色性化合物を含有し、その非発色性化合物のうちの少なくとも20%以上が下記一般式(9)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004233964
    (式中、R31はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表し、Qは2価の連結基を表す。)
  8. 発色カプラーの質量に対する前記一般式(9)で表される化合物を含む非発色性化合物の質量の総量の比が0.2以上、3.0以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
  9. 濃度を変更可能なドットの集合体として網点を形成する面積階調画像形成方法において、該画像形成方法が、画像形成材料の画像形成に必要なエネルギーとアナリティカル濃度の関係とドットの色とアナリティカル濃度との関係を利用して画像形成に必要なエネルギーを求める手段を有し、かつ該画像形成材料が請求項1〜8のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料であることを特徴とする面積階調画像形成方法。
  10. 画像の網点%と出力する画像のドット数を決定する手段とを有することを特徴とする請求項9に記載の面積階調画像形成方法。
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