JP2004232380A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を提供する。
【解決手段】地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに対して水平方向に延出するように取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに対して水平方向へ延出するように取付けられて第1基板1と上下方向に交互に配置されることにより第1基板1とともに5層の積層構造を形成する2枚の第2基板2と、超塑性高分子材料(アスワン)により円柱状に形成され、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設された振動エネルギ吸収体3と、第1基板1と第2基板2の間であって振動エネルギ吸収体3の周囲に配設されて振動エネルギ吸収体3の変形を拘束する4枚のゴム弾性体4とからなる。
【選択図】 図2
【解決手段】地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに対して水平方向に延出するように取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに対して水平方向へ延出するように取付けられて第1基板1と上下方向に交互に配置されることにより第1基板1とともに5層の積層構造を形成する2枚の第2基板2と、超塑性高分子材料(アスワン)により円柱状に形成され、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設された振動エネルギ吸収体3と、第1基板1と第2基板2の間であって振動エネルギ吸収体3の周囲に配設されて振動エネルギ吸収体3の変形を拘束する4枚のゴム弾性体4とからなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば一般住宅やビルディング等の構造物に取付けられて、地震の発生等によりその構造物に作用する振動を低減する免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地震の発生によって構造物が崩壊されるのを防止するため、例えば構造物とその構造物を支持する支持体との間に、その構造物に作用する振動を低減する免震装置を介在させることが行われている。このような免震装置として、例えば特許文献1等に開示されているように、材料の塑性変形を利用して振動エネルギを吸収するようにした免震支持装置が知られている。
【0003】
この免震支持装置の一般的なものは、図8に示すように、上下の取付部材61、62と、その取付部材61、62の間に設けられた弾性支持体63と、例えば鉛系の塑性材料により円柱状に形成されて弾性支持体63の内部に縦設されたプラグ64とを備えている。この場合、弾性支持体63は、上下の取付部材61、62の内面にそれぞれ結合されてプラグ64の上下両端に位置する厚肉の上下の補強板65、66と、上下の補強板65、66の間でプラグ64の周囲に配設された積層弾性体67とからなり、積層弾性体67は、薄肉金属板67aと薄肉ゴム板67bが交互に重ね合わせられた状態で一体成形されている。
【0004】
そして、この免震支持装置は、上下の取付部材61、62を介して構造物Aとその構造物Aを支持する支持体Cとの間に取付けられ、地震や風荷重等により構造物Aに作用する水平方向の荷重をプラグ64の塑性変形により減衰する。
【0005】
また、他の免震装置として、例えば特許文献2等に開示されているように、二つの構造部材間の相対変位時に構造物に入力する振動エネルギを吸収するようにした弾塑性ダンパが知られている。この弾塑性ダンパは、図9に示すように、一方の構造部材に接続される軸方向両端の接続部71、72と、他方の構造部材に接続されて支持される中間部位置の支持部73と、両構造部材の相対変位時に弾性変形する支持部73と各接続部71、72間のダンパ部74、75とからなる。
【0006】
この弾塑性ダンパは、例えば図10に示すように、固有振動数の異なる隣接する構造物A1、A2から互いに対向する側へ張り出す張出部材D1、D2に接続されて両張出部材D1、D2間に設置され、両張出部材D1、D2の相対変位時にダンパ部74、75が弾塑性変形することによって、両構造物A1、A2に入力する振動エネルギを吸収する。
【0007】
一方、近時においては、「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の新プラスチック材料(以下、「超塑性高分子材料」という。)が開発された(非特許文献1参照。)。この超塑性高分子材料は、使用済みペットボトルを砕いたフレークにプラスチックとゴムを混ぜ、化学反応させることにより形成されるものであって、熱を加えて成形(溶融成形)できるプラスチック材料としての特徴をもち、現存のプラスチック中で最も壊れ難く、針金のように曲げても元に戻らない塑性変形物質である。
【0008】
【特許文献1】
実公平6−40285号公報
【特許文献2】
特開平6−74276号公報
【非特許文献1】
”世界初の新材料開発〜山大井上教授ら”[ online ]、平成14年4月1日、山形新聞朝刊、[ 平成14年9月10日検索 ]、インターネット< URL:http://polyweb.yz.yamagata−u.ac.jp/topics/yamashinkiji3.htm >
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の免震支持装置の場合には、プラグ64は、上下の補強板65、66に両端部が保持された状態で弾性支持体63の内部に縦設されている。そのため、プラグ64は、地震等の発生により構造物Aと支持体Cとが水平方向に相対変位するときに剪断方向に塑性変形することによって、構造物Aに作用する水平方向の荷重を減衰する。しかし、このプラグ64の塑性変形は剪断変形が主となっているため、プラグ64全体での変形量はそれほど大きくならない。よって、構造物Aと支持体Cとの間に大きな相対変位が生じたときに、振動エネルギを十分に吸収できず、プラグ64の振動エネルギ吸収能力には限界があり、目的の減衰効果を出すためには装置自体を大型にする必要があった。
【0010】
また、上記特許文献2の弾塑性ダンパは、固有振動数の異なる二つの構造物A1、A2間に設置されて、両構造物A1、A2どうしの相対変位時に弾塑性ダンパのダンパ部74、75が弾塑性変形することによって、両構造物A1、A2に入力する振動エネルギを吸収するようにされている。しかし、弾塑性ダンパが設置された両構造物A1、A2の固有振動数の差が小さい場合には、両構造物A1、A2の振動が同期し易いことから、両構造物A1、A2間に大きな相対変位が生じ難くくなるため、このような状況下では、弾塑性ダンパが振動エネルギ吸収能力を十分に発揮することはできない。
【0011】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を提供することを第一の解決すべき課題とし、上記の新規材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な構造の免震装置を提供することを第二の解決すべき課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段、発明の作用及び効果】
上記課題を解決する請求項1記載の発明に係る免震装置は、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物に対して水平方向に延出するように取付けられ、第1保持孔を有する少なくとも1枚の第1基板と、前記構造物と距離を隔てて地面に固定された固定物に対して水平方向に延出するように取付けられ、前記第1基板と交互に配置される箇所を2箇所以上有して前記第1基板とともに3層以上の積層構造を形成し、前記第1保持孔と対応する部分に第2保持孔を有する少なくとも1枚の第2基板と、塑性材料により柱状に形成され、前記第1及び第2保持孔内に挿入保持されて前記第1及び第2基板を連結するように配設されたプラグと、を備えているという手段を採用している。
【0013】
なお、本発明において、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物とは、例えば滑り支承や転がり支承、ゴム支承等により地面と構造物との水平方向の相対変位を可能にする支持部材を間に介して地面に支持されている構造物のことをいう。また、地面に固定された固定物とは、例えばアンカ等により地面と水平方向に相対変位不能に固定された物のことをいう。
【0014】
本発明の免震装置においては、地震の発生により、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物と地面に固定された固定物とが水平方向に相対変位すると、これに呼応して、構造物に取付けられた第1基板と固定物に取付けられた第2基板とが水平方向に相対変位する。これにより、第1保持孔及び第2保持孔内に挿入保持されたプラグが、隣り合う2枚の第1基板の間或いは隣り合う2枚の第2基板の間においてくの字状に塑性変形することにより、振動エネルギを吸収する。
【0015】
このとき、くの字状に塑性変形するプラグは、剪断と曲げの両方の変形を伴うため、第1基板と第2基板との少ない相対変位で大きな減衰効果を発揮する。特に、地面に縁切り状態で支持された構造物においては、地面との相対変位が大きくなり、免震装置に作用する水平方向の荷重も大きくなることから、前記従来の免震支持装置のようなプラグの塑性変形では十分に吸収できなかった大変位に対しても効果的に減衰することが可能となる。
【0016】
したがって、本発明によれば、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0017】
請求項2記載の発明に係る免震装置は、請求項1記載の発明において、距離を隔てて交互に配置された合計3枚の前記第1及び第2基板と、前記第1及び第2保持孔内に挿通保持された少なくとも1個の前記プラグとから構成されることによりモジュール化されているという手段を採用している。
【0018】
この手段によれば、モジュール化されていることにより、個々に免震装置を作製する必要が無く、低コスト化が可能となる。また、大きさや性能の異なる複数のものを用意しておけば、必要に応じて複数のものを組み合わせることができ、調整も可能である。なお、プラグの数は、単数であっても複数であってもよく、請求項1記載の発明に係る免震装置の場合も同様である。
【0019】
請求項3記載の発明に係る免震装置は、請求項1記載の発明における前記第2基板が、X方向に延びるX方向延出基板と、水平方向において前記X方向と略直角のY方向に延出するY方向延出基板とを有するという手段を採用している。
【0020】
この手段によれば、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置が作動するようにすることができる。
【0021】
請求項4記載の発明に係る免震装置は、請求項1〜3記載の発明において、隣り合う前記第1基板と前記第2基板との間であって前記プラグの周囲に、該プラグの変形を拘束するゴム弾性体が配設されているという手段を採用している。
【0022】
この手段によれば、プラグに復元力を持たせることができるとともに、プラグの部分的変形を防止してプラグ全体で効率良く振動エネルギを吸収させるようにすることができる。また、プラグのばねを大きくなるように変化させることができる。
【0023】
請求項5記載の発明に係る免震装置は、請求項1〜4記載の発明における前記プラグが、主成分となるポリエチレンテレフタレートのフレークに樹脂とゴムを混ぜ合わせて化学反応させることにより形成された超塑性高分子材料よりなるという手段を採用している。
【0024】
この手段によれば、超塑性高分子材料は、可塑性に優れる鉛系の材料よりも降伏応力が大きいため、大変形時においても破断することなく振動エネルギ吸収特性を維持することができる。また、この超塑性高分子材料は、サイズが小さくても大きな振動エネルギ吸収効果が得られることから、省スペース化やモジュール化に適し、鉛のような環境問題も生じない。さらには、加工し易いため高コスト化を抑制することができる。よって、この超塑性高分子材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0026】
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図であり、図2はその免震装置の取付状態を模式的に示す断面図である。
【0027】
本実施形態の免震装置は、図1及び図2に示すように、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに取付けられて第1基板1と上下方向に距離を隔てて交互に配置される2枚の第2基板2と、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設されたプラグ3と、プラグ3の周囲に配設されてプラグ3の変形を拘束する4枚のゴム弾性体4と、から構成されている。
【0028】
第1基板1は、例えば鉄系の金属板によって所定の大きさの長方形に形成されたものであり、本実施形態においては3枚の同じものが使用されている。3枚の第1基板1は、厚さ方向(上下方向)に距離を隔てて重ね合わせられた状態に配置されている。各第1基板1の一方の短辺側には、構造物Sに固定される取付部1aが設けられている。また、各第1基板1の中央から取付部1aと反対側に少し寄った部位には、厚さ方向(上下方向)に貫通する円形の第1保持孔1bが設けられている。
【0029】
この第1基板1は、構造物Aから水平方向に延出するようにして、図示しないブラケット等により取付部1aが構造物Aの側面に取付けられている。なお、構造物Aは、滑りや転がり等により地面Gと水平方向の相対変位を可能にする支持部材aを間に介して地面Gに支持されていることにより、地面Gと実質上縁切り状態にされている。
【0030】
第2基板2は、第1基板1と同じ材質の金属板によって第1基板1と略同じ大きさの長方形に形成されたものであり、本実施形態においては2枚の同じものが使用されている。この2枚の第2基板2は、それらの略半部分が隣り合う2枚の第1基板1の間にそれぞれ平行状に挿入されて、上下方向に距離を隔てて重ね合わせられた状態に配置されている。即ち、3枚の第1基板1の略半部分と2枚の第2基板2の略半部分とが上下方向に距離を隔てて交互に重なり合う状態に配置されており、この重なり合った部分により5層の積層構造が形成されている。
【0031】
この第2基板2の第1基板1と重なり合っていない方の短辺側には、固定物Bに固定される取付部2aが設けられている。また、第1基板1の第1保持孔1bと対応する部分には、第1保持孔1bと同じ大きさの厚さ方向(上下方向)に貫通する円形の第2保持孔2bが設けられている。この第2基板2は、固定物Bから水平方向に延出するようにして、図示しないブラケット等により取付部2aが固定物Bの側面に取付けられている。なお、固定物Bは、地面G上で構造物Aと所定距離を隔てた位置に、地面Gと水平方向に相対変位不能となるようにアンカbで固定されている。
【0032】
プラグ3は、「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の超塑性高分子材料(未来化成株式会社製)を溶融成形することにより円柱形状に形成されている。この超塑性高分子材料の降伏応力は約14MPaであり、可塑性に優れる鉛系材料の降伏応力(約8MPa)よりも格段に大きい。よって、このプラグ3は、大きく変形しても、破断することなく減衰特性を維持することができるものである。
【0033】
このプラグ3は、交互に5層に積層された第1及び第2基板1、2の第1及び第2保持孔1b、2b内に挿入保持された状態で、その挿入先端部が叩き潰されることにより、上下両端に位置する第1基板1に固定されている。これにより、プラグ3は、上下両端に位置する第1基板1の間に、5枚の第1及び第2基板1、2を連結するように配設されている。
【0034】
ゴム弾性体4は、ゴム材料を加硫成形することにより板状に形成されており、その中央部にプラグ3が挿通される挿通孔4aを有する。このゴム弾性体4は、第1基板1及び第2基板2が交互に重なり合った部分の隣り合う第1基板1と第2基板2との間に合計4枚のものがそれぞれ配置され、挿通孔4aに挿通されたプラグ3を囲むように配設されている。各ゴム弾性体4は、その上下に位置する第1基板1及び第2基板2に固着されている。これにより、ゴム弾性体4は、第1基板1と第2基板2とが水平方向に相対変位するのに伴ってプラグ3が変形する際に、プラグ3に復元力を付与するとともに、プラグ3の部分的変形を防止するようにしている。ゴム弾性体4は、例えば、NR、BR、CR、SBR、EPDMなどのゴムを、特に制限されることなく使用して形成することができる。
【0035】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、地震の発生により、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aと地面Gに固定された固定物Bとが水平方向に相対変位すると、これに呼応して、構造物Aに取付けられた第1基板1と固定物Bに取付けられた第2基板2とが水平方向に相対変位する。これにより、図3に示すように、第1保持孔1b及び第2保持孔2b内に挿入保持されたプラグ3は、隣り合う2枚の第1基板1の間或いは隣り合う2枚の第2基板2の間においてくの字状に塑性変形することにより、振動エネルギを吸収する。
【0036】
このとき、くの字状に塑性変形するプラグ3は、剪断と曲げの両方の変形を伴うため、第1基板1と第2基板2との少ない相対変位で大きな減衰効果を発揮する。特に、地面Gに縁切り状態で支持された構造物Aにおいては、地面Gとの相対変位が大きくなり、免震装置に作用する水平方向の荷重も大きくなることから、大変位に対しても効果的に減衰する。
【0037】
以上のように、本実施形態の免震装置は、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに取付けられて第1基板1と上下方向に距離を隔てて交互に配置される2枚の第2基板2と、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設されたプラグ3とを備えているため、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0038】
また、本実施形態の免震装置は、プラグ3の周囲に、プラグ3の変形を拘束するゴム弾性体4が配設されていることから、プラグ3に復元力を持たせることができるとともに、プラグ3の部分的変形を防止してプラグ3全体で効率良く振動エネルギを吸収させることができる。なお、この免震装置において、ゴム弾性体4に拘束された状態のプラグ3は、それらに上下方向の荷重を負荷させて圧縮された状態にしておけば、無負荷の場合よりも、減衰定数を2倍程度高め得ることが試験により確認されている。
【0039】
さらに、本実施形態の免震装置におけるプラグ3は、鉛系の材料よりも大きい降伏応力を有する「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の超塑性高分子材料により形成されているため、大変形時においても破断することなく振動エネルギ吸収特性を維持することができる。また、この超塑性高分子材料は、サイズが小さくても大きな振動エネルギ吸収効果が得られることから、省スペース化等に適し、鉛のような環境問題も生じない。さらには、加工し易いため高コスト化を抑制することができる。よって、この超塑性高分子材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な免震装置を実現することができる。
【0040】
なお、本実施形態の免震装置は、3枚の第1基板1と2枚の第2基板2とを組み合わせて5層構造を形成するようにされているが、第1基板1を2枚にし、第2基板2を3枚にして5層構造にするようにしてもよい。換言すれば、本実施形態の第1基板1と第2基板2は、同様に形成されていることから、第1基板1を固定物Bに取付け、第2基板2を構造物Aに取付けるようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態の免震装置は、第1基板1と第2基板2が1枚づつ交互に配置されていることにより、第1基板1と第2基板2が隣り合う箇所が4箇所有するようにされているが、第1基板1と第2基板2が隣り合う箇所が2箇所以上有するようにすれば、例えば、隣り合う2枚の第1基板1の間に複数枚の第2基板2を配置したり、或いは隣り合う2枚の第2基板2の間に複数枚の第1基板1を配置するようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態の免震装置は、第1基板1と第2基板2が上下方向に重なり合う状態に取付けられているが、場合によっては、第1基板1と第2基板2が横方向に重なり合う状態に取付けることも可能である。
【0043】
〔実施形態2〕
図4は本実施形態に係る免震装置の斜視図であり、図5はその免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【0044】
本実施形態の免震装置は、最小単位の装置としてモジュール化されたものであって、図4に示すように、上下方向に距離を隔てて配置される2枚の第1基板11と、2枚の第1基板11の間に挿入配置されて第1基板11とともに3層の積層構造を形成する1枚の第2基板12と、第1基板11の第1保持孔11b及び第2基板12の第2保持孔(図示せず)内に挿入保持されて第1及び第2基板11、12を連結するように配設された5個のプラグ13と、隣り合う第1基板11と第2基板12の間であってプラグ13の周囲に配設されてプラグ13の変形を拘束する2枚のゴム弾性体14とから構成されている。
【0045】
即ち、本実施形態の免震装置は、実施形態1の免震装置と基本的構成が同じであるが、2枚の第1基板11と1枚の第2基板12が交互に配置されることにより3層構造にされている点と、5個のプラグ13が使用されている点で異なる。
【0046】
本実施形態の免震装置は、2枚の第1基板11と1枚の第2基板12とで3層構造にされていることにより、第1基板11と第2基板12が水平方向に相対変位する際に、プラグ13がくの字状に塑性変形するのに必要な最小限の構造が確保されている。これにより、プラグ13が剪断と曲げの両方の変形を伴うようにされているので、第1基板11と第2基板12との相対変位が少ない場合でも、プラグ13による大きな減衰効果が発揮される。
【0047】
また、プラグ13は、実施形態1のものより小さい5個のものが使用されているが、その総体積(振動エネルギ吸収量)は実施形態1と略同じである。このプラグ13は、第1基板11と第2基板12の3層構造部分の5箇所に分散配置されていることにより、バランスが保たれるように配置されている。
【0048】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、図5に示すように、実施形態1の場合と同様に、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに対して第1基板11が取付けられ、地面Gに固定された固定物Bに対して第2基板12が取付けられて使用される。なお、この場合、第1基板11と第2基板12は、同じ形状に形成されていることから、第1基板11を固定物Bに取付け、第2基板12を構造物Aに取付けてもよい。
【0049】
また、図5に示すように、一つの構造物Aに対して二つの免震装置M1、M2を組み合わせて取付けるようにしてもよい。この場合、二つの免震装置M1、M2は、長方体の構造物Aの隣り合う側面に対してそれぞれ取付けられており、水平方向において略直角となるX方向とY方向に延びるように配設されている。このように二つの免震装置M1、M2を配設することにより、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置を作動させるようにすることができる。なお、構造物Aの四方の側面にそれぞれ免震装置を取付ければ、更に効率良く且つバランス良く免震装置を作動させるようにすることができる。
【0050】
以上のように、本実施形態の免震装置は、最小単位の装置としてモジュール化されているため、個々に免震装置を作製する必要が無く、低コスト化が可能となる。また、大きさや性能の異なる複数のものを用意しておけば、必要に応じて複数のものを組み合わせることができ、調整も可能である。
【0051】
〔実施形態3〕
図6は本実施形態に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図であり、図7はその免震装置の取付状態を模式的に示す平面図である。
【0052】
本実施形態の免震装置は、図6及び図7に示すように、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板21と、地面に固定された固定物B1、B2に取付けられて第1基板21と上下方向に距離を隔てて交互に配置され、2枚のX方向延出基板22a及びY方向延出基板22bからなる第2基板22と、第1基板21の第1保持孔21b及び第2基板22の第2保持孔(図示せず)内に挿入保持されて第1及び第2基板21、22を連結するように配設されたプラグ23と、プラグ23の周囲に配設されてプラグ23の変形を拘束する4枚のゴム弾性体24と、から構成されている。
【0053】
即ち、本実施形態の免震装置は、第2基板22がX方向延出基板22aとY方向延出基板22bとを有する点でのみ実施形態1の免震装置と異なる。よって、実施形態1と同じ部材や構成についての詳しい説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
【0054】
第2基板22のX方向延出基板22aは、第1基板21の延びる方向(X方向)と同じ方向に延びるようにして、その略半部分が上方の第1基板21と中間の第1基板21との間に挿入されている。このX方向延出基板22aは、地面と水平方向に相対変位不能となるように固定された固定物B1の側面に取付けられている。
【0055】
これに対して、Y方向延出基板22bは、水平方向においてX方向と略直角のY方向に延びるようにして、その略半部分が中間の第1基板21と下方の第1基板21との間に挿入されている。これにより、3枚の第1基板21の略半部分と1枚のX方向延出基板22aの略半部分と1枚のY方向延出基板22bの略半部分とが上下方向に距離を隔てて交互に重なり合う状態に配置されており、この重なり合った部分により5層の積層構造が形成されている。このY方向延出基板22bは、地面と水平方向に相対変位不能となるように固定された固定物B2の側面に取付けられている。この場合、固定物B1、B2は、別体に形成された二つのものが用いられているが、例えばL字形状のものであれば、固定物は一つでよい。
【0056】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、実施形態1の場合と同様の作用及び効果を奏し、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。特に、本実施形態では、第2基板22がX方向延出基板22aとY方向延出基板22bとを有することから、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置が作動するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る免震装置の取付状態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る免震装置に震動が入力した状態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る免震装置の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る免震装置の取付状態を模式的に示す平面図である。
【図8】従来の免震支持装置の断面図である。
【図9】従来の弾塑性ダンパの正面図である。
【図10】従来の弾塑性ダンパの取付状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1、11、21…第1基板 1a…取付部
1b、11b、21b…第1保持孔 2、12、22…第2基板
2a…取付部 2b…第2保持孔 22a…X方向延出基板
22b…Y方向延出基板 3、13、23…プラグ
4、14、24…ゴム弾性体 61、62…取付部材
63…弾性支持体 64…プラグ 65、66…補強板
67…積層弾性体 67a…薄肉金属板 67b…薄肉ゴム板
71、72…接続部 73…支持部 74、75…ダンパ部
A、A1、A2…構造物 a…支持部材
B、B1、B2…固定物 b…アンカ C…支持体
D1、D2…張出部材 G…地面 M1、M2…免震装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば一般住宅やビルディング等の構造物に取付けられて、地震の発生等によりその構造物に作用する振動を低減する免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地震の発生によって構造物が崩壊されるのを防止するため、例えば構造物とその構造物を支持する支持体との間に、その構造物に作用する振動を低減する免震装置を介在させることが行われている。このような免震装置として、例えば特許文献1等に開示されているように、材料の塑性変形を利用して振動エネルギを吸収するようにした免震支持装置が知られている。
【0003】
この免震支持装置の一般的なものは、図8に示すように、上下の取付部材61、62と、その取付部材61、62の間に設けられた弾性支持体63と、例えば鉛系の塑性材料により円柱状に形成されて弾性支持体63の内部に縦設されたプラグ64とを備えている。この場合、弾性支持体63は、上下の取付部材61、62の内面にそれぞれ結合されてプラグ64の上下両端に位置する厚肉の上下の補強板65、66と、上下の補強板65、66の間でプラグ64の周囲に配設された積層弾性体67とからなり、積層弾性体67は、薄肉金属板67aと薄肉ゴム板67bが交互に重ね合わせられた状態で一体成形されている。
【0004】
そして、この免震支持装置は、上下の取付部材61、62を介して構造物Aとその構造物Aを支持する支持体Cとの間に取付けられ、地震や風荷重等により構造物Aに作用する水平方向の荷重をプラグ64の塑性変形により減衰する。
【0005】
また、他の免震装置として、例えば特許文献2等に開示されているように、二つの構造部材間の相対変位時に構造物に入力する振動エネルギを吸収するようにした弾塑性ダンパが知られている。この弾塑性ダンパは、図9に示すように、一方の構造部材に接続される軸方向両端の接続部71、72と、他方の構造部材に接続されて支持される中間部位置の支持部73と、両構造部材の相対変位時に弾性変形する支持部73と各接続部71、72間のダンパ部74、75とからなる。
【0006】
この弾塑性ダンパは、例えば図10に示すように、固有振動数の異なる隣接する構造物A1、A2から互いに対向する側へ張り出す張出部材D1、D2に接続されて両張出部材D1、D2間に設置され、両張出部材D1、D2の相対変位時にダンパ部74、75が弾塑性変形することによって、両構造物A1、A2に入力する振動エネルギを吸収する。
【0007】
一方、近時においては、「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の新プラスチック材料(以下、「超塑性高分子材料」という。)が開発された(非特許文献1参照。)。この超塑性高分子材料は、使用済みペットボトルを砕いたフレークにプラスチックとゴムを混ぜ、化学反応させることにより形成されるものであって、熱を加えて成形(溶融成形)できるプラスチック材料としての特徴をもち、現存のプラスチック中で最も壊れ難く、針金のように曲げても元に戻らない塑性変形物質である。
【0008】
【特許文献1】
実公平6−40285号公報
【特許文献2】
特開平6−74276号公報
【非特許文献1】
”世界初の新材料開発〜山大井上教授ら”[ online ]、平成14年4月1日、山形新聞朝刊、[ 平成14年9月10日検索 ]、インターネット< URL:http://polyweb.yz.yamagata−u.ac.jp/topics/yamashinkiji3.htm >
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の免震支持装置の場合には、プラグ64は、上下の補強板65、66に両端部が保持された状態で弾性支持体63の内部に縦設されている。そのため、プラグ64は、地震等の発生により構造物Aと支持体Cとが水平方向に相対変位するときに剪断方向に塑性変形することによって、構造物Aに作用する水平方向の荷重を減衰する。しかし、このプラグ64の塑性変形は剪断変形が主となっているため、プラグ64全体での変形量はそれほど大きくならない。よって、構造物Aと支持体Cとの間に大きな相対変位が生じたときに、振動エネルギを十分に吸収できず、プラグ64の振動エネルギ吸収能力には限界があり、目的の減衰効果を出すためには装置自体を大型にする必要があった。
【0010】
また、上記特許文献2の弾塑性ダンパは、固有振動数の異なる二つの構造物A1、A2間に設置されて、両構造物A1、A2どうしの相対変位時に弾塑性ダンパのダンパ部74、75が弾塑性変形することによって、両構造物A1、A2に入力する振動エネルギを吸収するようにされている。しかし、弾塑性ダンパが設置された両構造物A1、A2の固有振動数の差が小さい場合には、両構造物A1、A2の振動が同期し易いことから、両構造物A1、A2間に大きな相対変位が生じ難くくなるため、このような状況下では、弾塑性ダンパが振動エネルギ吸収能力を十分に発揮することはできない。
【0011】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を提供することを第一の解決すべき課題とし、上記の新規材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な構造の免震装置を提供することを第二の解決すべき課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段、発明の作用及び効果】
上記課題を解決する請求項1記載の発明に係る免震装置は、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物に対して水平方向に延出するように取付けられ、第1保持孔を有する少なくとも1枚の第1基板と、前記構造物と距離を隔てて地面に固定された固定物に対して水平方向に延出するように取付けられ、前記第1基板と交互に配置される箇所を2箇所以上有して前記第1基板とともに3層以上の積層構造を形成し、前記第1保持孔と対応する部分に第2保持孔を有する少なくとも1枚の第2基板と、塑性材料により柱状に形成され、前記第1及び第2保持孔内に挿入保持されて前記第1及び第2基板を連結するように配設されたプラグと、を備えているという手段を採用している。
【0013】
なお、本発明において、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物とは、例えば滑り支承や転がり支承、ゴム支承等により地面と構造物との水平方向の相対変位を可能にする支持部材を間に介して地面に支持されている構造物のことをいう。また、地面に固定された固定物とは、例えばアンカ等により地面と水平方向に相対変位不能に固定された物のことをいう。
【0014】
本発明の免震装置においては、地震の発生により、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物と地面に固定された固定物とが水平方向に相対変位すると、これに呼応して、構造物に取付けられた第1基板と固定物に取付けられた第2基板とが水平方向に相対変位する。これにより、第1保持孔及び第2保持孔内に挿入保持されたプラグが、隣り合う2枚の第1基板の間或いは隣り合う2枚の第2基板の間においてくの字状に塑性変形することにより、振動エネルギを吸収する。
【0015】
このとき、くの字状に塑性変形するプラグは、剪断と曲げの両方の変形を伴うため、第1基板と第2基板との少ない相対変位で大きな減衰効果を発揮する。特に、地面に縁切り状態で支持された構造物においては、地面との相対変位が大きくなり、免震装置に作用する水平方向の荷重も大きくなることから、前記従来の免震支持装置のようなプラグの塑性変形では十分に吸収できなかった大変位に対しても効果的に減衰することが可能となる。
【0016】
したがって、本発明によれば、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0017】
請求項2記載の発明に係る免震装置は、請求項1記載の発明において、距離を隔てて交互に配置された合計3枚の前記第1及び第2基板と、前記第1及び第2保持孔内に挿通保持された少なくとも1個の前記プラグとから構成されることによりモジュール化されているという手段を採用している。
【0018】
この手段によれば、モジュール化されていることにより、個々に免震装置を作製する必要が無く、低コスト化が可能となる。また、大きさや性能の異なる複数のものを用意しておけば、必要に応じて複数のものを組み合わせることができ、調整も可能である。なお、プラグの数は、単数であっても複数であってもよく、請求項1記載の発明に係る免震装置の場合も同様である。
【0019】
請求項3記載の発明に係る免震装置は、請求項1記載の発明における前記第2基板が、X方向に延びるX方向延出基板と、水平方向において前記X方向と略直角のY方向に延出するY方向延出基板とを有するという手段を採用している。
【0020】
この手段によれば、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置が作動するようにすることができる。
【0021】
請求項4記載の発明に係る免震装置は、請求項1〜3記載の発明において、隣り合う前記第1基板と前記第2基板との間であって前記プラグの周囲に、該プラグの変形を拘束するゴム弾性体が配設されているという手段を採用している。
【0022】
この手段によれば、プラグに復元力を持たせることができるとともに、プラグの部分的変形を防止してプラグ全体で効率良く振動エネルギを吸収させるようにすることができる。また、プラグのばねを大きくなるように変化させることができる。
【0023】
請求項5記載の発明に係る免震装置は、請求項1〜4記載の発明における前記プラグが、主成分となるポリエチレンテレフタレートのフレークに樹脂とゴムを混ぜ合わせて化学反応させることにより形成された超塑性高分子材料よりなるという手段を採用している。
【0024】
この手段によれば、超塑性高分子材料は、可塑性に優れる鉛系の材料よりも降伏応力が大きいため、大変形時においても破断することなく振動エネルギ吸収特性を維持することができる。また、この超塑性高分子材料は、サイズが小さくても大きな振動エネルギ吸収効果が得られることから、省スペース化やモジュール化に適し、鉛のような環境問題も生じない。さらには、加工し易いため高コスト化を抑制することができる。よって、この超塑性高分子材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0026】
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図であり、図2はその免震装置の取付状態を模式的に示す断面図である。
【0027】
本実施形態の免震装置は、図1及び図2に示すように、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに取付けられて第1基板1と上下方向に距離を隔てて交互に配置される2枚の第2基板2と、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設されたプラグ3と、プラグ3の周囲に配設されてプラグ3の変形を拘束する4枚のゴム弾性体4と、から構成されている。
【0028】
第1基板1は、例えば鉄系の金属板によって所定の大きさの長方形に形成されたものであり、本実施形態においては3枚の同じものが使用されている。3枚の第1基板1は、厚さ方向(上下方向)に距離を隔てて重ね合わせられた状態に配置されている。各第1基板1の一方の短辺側には、構造物Sに固定される取付部1aが設けられている。また、各第1基板1の中央から取付部1aと反対側に少し寄った部位には、厚さ方向(上下方向)に貫通する円形の第1保持孔1bが設けられている。
【0029】
この第1基板1は、構造物Aから水平方向に延出するようにして、図示しないブラケット等により取付部1aが構造物Aの側面に取付けられている。なお、構造物Aは、滑りや転がり等により地面Gと水平方向の相対変位を可能にする支持部材aを間に介して地面Gに支持されていることにより、地面Gと実質上縁切り状態にされている。
【0030】
第2基板2は、第1基板1と同じ材質の金属板によって第1基板1と略同じ大きさの長方形に形成されたものであり、本実施形態においては2枚の同じものが使用されている。この2枚の第2基板2は、それらの略半部分が隣り合う2枚の第1基板1の間にそれぞれ平行状に挿入されて、上下方向に距離を隔てて重ね合わせられた状態に配置されている。即ち、3枚の第1基板1の略半部分と2枚の第2基板2の略半部分とが上下方向に距離を隔てて交互に重なり合う状態に配置されており、この重なり合った部分により5層の積層構造が形成されている。
【0031】
この第2基板2の第1基板1と重なり合っていない方の短辺側には、固定物Bに固定される取付部2aが設けられている。また、第1基板1の第1保持孔1bと対応する部分には、第1保持孔1bと同じ大きさの厚さ方向(上下方向)に貫通する円形の第2保持孔2bが設けられている。この第2基板2は、固定物Bから水平方向に延出するようにして、図示しないブラケット等により取付部2aが固定物Bの側面に取付けられている。なお、固定物Bは、地面G上で構造物Aと所定距離を隔てた位置に、地面Gと水平方向に相対変位不能となるようにアンカbで固定されている。
【0032】
プラグ3は、「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の超塑性高分子材料(未来化成株式会社製)を溶融成形することにより円柱形状に形成されている。この超塑性高分子材料の降伏応力は約14MPaであり、可塑性に優れる鉛系材料の降伏応力(約8MPa)よりも格段に大きい。よって、このプラグ3は、大きく変形しても、破断することなく減衰特性を維持することができるものである。
【0033】
このプラグ3は、交互に5層に積層された第1及び第2基板1、2の第1及び第2保持孔1b、2b内に挿入保持された状態で、その挿入先端部が叩き潰されることにより、上下両端に位置する第1基板1に固定されている。これにより、プラグ3は、上下両端に位置する第1基板1の間に、5枚の第1及び第2基板1、2を連結するように配設されている。
【0034】
ゴム弾性体4は、ゴム材料を加硫成形することにより板状に形成されており、その中央部にプラグ3が挿通される挿通孔4aを有する。このゴム弾性体4は、第1基板1及び第2基板2が交互に重なり合った部分の隣り合う第1基板1と第2基板2との間に合計4枚のものがそれぞれ配置され、挿通孔4aに挿通されたプラグ3を囲むように配設されている。各ゴム弾性体4は、その上下に位置する第1基板1及び第2基板2に固着されている。これにより、ゴム弾性体4は、第1基板1と第2基板2とが水平方向に相対変位するのに伴ってプラグ3が変形する際に、プラグ3に復元力を付与するとともに、プラグ3の部分的変形を防止するようにしている。ゴム弾性体4は、例えば、NR、BR、CR、SBR、EPDMなどのゴムを、特に制限されることなく使用して形成することができる。
【0035】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、地震の発生により、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aと地面Gに固定された固定物Bとが水平方向に相対変位すると、これに呼応して、構造物Aに取付けられた第1基板1と固定物Bに取付けられた第2基板2とが水平方向に相対変位する。これにより、図3に示すように、第1保持孔1b及び第2保持孔2b内に挿入保持されたプラグ3は、隣り合う2枚の第1基板1の間或いは隣り合う2枚の第2基板2の間においてくの字状に塑性変形することにより、振動エネルギを吸収する。
【0036】
このとき、くの字状に塑性変形するプラグ3は、剪断と曲げの両方の変形を伴うため、第1基板1と第2基板2との少ない相対変位で大きな減衰効果を発揮する。特に、地面Gに縁切り状態で支持された構造物Aにおいては、地面Gとの相対変位が大きくなり、免震装置に作用する水平方向の荷重も大きくなることから、大変位に対しても効果的に減衰する。
【0037】
以上のように、本実施形態の免震装置は、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板1と、地面Gに固定された固定物Bに取付けられて第1基板1と上下方向に距離を隔てて交互に配置される2枚の第2基板2と、第1基板1の第1保持孔1b及び第2基板2の第2保持孔2b内に挿入保持されて第1及び第2基板1、2を連結するように配設されたプラグ3とを備えているため、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。
【0038】
また、本実施形態の免震装置は、プラグ3の周囲に、プラグ3の変形を拘束するゴム弾性体4が配設されていることから、プラグ3に復元力を持たせることができるとともに、プラグ3の部分的変形を防止してプラグ3全体で効率良く振動エネルギを吸収させることができる。なお、この免震装置において、ゴム弾性体4に拘束された状態のプラグ3は、それらに上下方向の荷重を負荷させて圧縮された状態にしておけば、無負荷の場合よりも、減衰定数を2倍程度高め得ることが試験により確認されている。
【0039】
さらに、本実施形態の免震装置におけるプラグ3は、鉛系の材料よりも大きい降伏応力を有する「ASUWAN(アスワン)」という呼び名の超塑性高分子材料により形成されているため、大変形時においても破断することなく振動エネルギ吸収特性を維持することができる。また、この超塑性高分子材料は、サイズが小さくても大きな振動エネルギ吸収効果が得られることから、省スペース化等に適し、鉛のような環境問題も生じない。さらには、加工し易いため高コスト化を抑制することができる。よって、この超塑性高分子材料の特性を有効に活用して振動エネルギ吸収性能のより優れた新規な免震装置を実現することができる。
【0040】
なお、本実施形態の免震装置は、3枚の第1基板1と2枚の第2基板2とを組み合わせて5層構造を形成するようにされているが、第1基板1を2枚にし、第2基板2を3枚にして5層構造にするようにしてもよい。換言すれば、本実施形態の第1基板1と第2基板2は、同様に形成されていることから、第1基板1を固定物Bに取付け、第2基板2を構造物Aに取付けるようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態の免震装置は、第1基板1と第2基板2が1枚づつ交互に配置されていることにより、第1基板1と第2基板2が隣り合う箇所が4箇所有するようにされているが、第1基板1と第2基板2が隣り合う箇所が2箇所以上有するようにすれば、例えば、隣り合う2枚の第1基板1の間に複数枚の第2基板2を配置したり、或いは隣り合う2枚の第2基板2の間に複数枚の第1基板1を配置するようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態の免震装置は、第1基板1と第2基板2が上下方向に重なり合う状態に取付けられているが、場合によっては、第1基板1と第2基板2が横方向に重なり合う状態に取付けることも可能である。
【0043】
〔実施形態2〕
図4は本実施形態に係る免震装置の斜視図であり、図5はその免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【0044】
本実施形態の免震装置は、最小単位の装置としてモジュール化されたものであって、図4に示すように、上下方向に距離を隔てて配置される2枚の第1基板11と、2枚の第1基板11の間に挿入配置されて第1基板11とともに3層の積層構造を形成する1枚の第2基板12と、第1基板11の第1保持孔11b及び第2基板12の第2保持孔(図示せず)内に挿入保持されて第1及び第2基板11、12を連結するように配設された5個のプラグ13と、隣り合う第1基板11と第2基板12の間であってプラグ13の周囲に配設されてプラグ13の変形を拘束する2枚のゴム弾性体14とから構成されている。
【0045】
即ち、本実施形態の免震装置は、実施形態1の免震装置と基本的構成が同じであるが、2枚の第1基板11と1枚の第2基板12が交互に配置されることにより3層構造にされている点と、5個のプラグ13が使用されている点で異なる。
【0046】
本実施形態の免震装置は、2枚の第1基板11と1枚の第2基板12とで3層構造にされていることにより、第1基板11と第2基板12が水平方向に相対変位する際に、プラグ13がくの字状に塑性変形するのに必要な最小限の構造が確保されている。これにより、プラグ13が剪断と曲げの両方の変形を伴うようにされているので、第1基板11と第2基板12との相対変位が少ない場合でも、プラグ13による大きな減衰効果が発揮される。
【0047】
また、プラグ13は、実施形態1のものより小さい5個のものが使用されているが、その総体積(振動エネルギ吸収量)は実施形態1と略同じである。このプラグ13は、第1基板11と第2基板12の3層構造部分の5箇所に分散配置されていることにより、バランスが保たれるように配置されている。
【0048】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、図5に示すように、実施形態1の場合と同様に、地面Gに実質上縁切り状態で支持された構造物Aに対して第1基板11が取付けられ、地面Gに固定された固定物Bに対して第2基板12が取付けられて使用される。なお、この場合、第1基板11と第2基板12は、同じ形状に形成されていることから、第1基板11を固定物Bに取付け、第2基板12を構造物Aに取付けてもよい。
【0049】
また、図5に示すように、一つの構造物Aに対して二つの免震装置M1、M2を組み合わせて取付けるようにしてもよい。この場合、二つの免震装置M1、M2は、長方体の構造物Aの隣り合う側面に対してそれぞれ取付けられており、水平方向において略直角となるX方向とY方向に延びるように配設されている。このように二つの免震装置M1、M2を配設することにより、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置を作動させるようにすることができる。なお、構造物Aの四方の側面にそれぞれ免震装置を取付ければ、更に効率良く且つバランス良く免震装置を作動させるようにすることができる。
【0050】
以上のように、本実施形態の免震装置は、最小単位の装置としてモジュール化されているため、個々に免震装置を作製する必要が無く、低コスト化が可能となる。また、大きさや性能の異なる複数のものを用意しておけば、必要に応じて複数のものを組み合わせることができ、調整も可能である。
【0051】
〔実施形態3〕
図6は本実施形態に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図であり、図7はその免震装置の取付状態を模式的に示す平面図である。
【0052】
本実施形態の免震装置は、図6及び図7に示すように、地面に実質上縁切り状態で支持された構造物Aに取付けられる3枚の第1基板21と、地面に固定された固定物B1、B2に取付けられて第1基板21と上下方向に距離を隔てて交互に配置され、2枚のX方向延出基板22a及びY方向延出基板22bからなる第2基板22と、第1基板21の第1保持孔21b及び第2基板22の第2保持孔(図示せず)内に挿入保持されて第1及び第2基板21、22を連結するように配設されたプラグ23と、プラグ23の周囲に配設されてプラグ23の変形を拘束する4枚のゴム弾性体24と、から構成されている。
【0053】
即ち、本実施形態の免震装置は、第2基板22がX方向延出基板22aとY方向延出基板22bとを有する点でのみ実施形態1の免震装置と異なる。よって、実施形態1と同じ部材や構成についての詳しい説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
【0054】
第2基板22のX方向延出基板22aは、第1基板21の延びる方向(X方向)と同じ方向に延びるようにして、その略半部分が上方の第1基板21と中間の第1基板21との間に挿入されている。このX方向延出基板22aは、地面と水平方向に相対変位不能となるように固定された固定物B1の側面に取付けられている。
【0055】
これに対して、Y方向延出基板22bは、水平方向においてX方向と略直角のY方向に延びるようにして、その略半部分が中間の第1基板21と下方の第1基板21との間に挿入されている。これにより、3枚の第1基板21の略半部分と1枚のX方向延出基板22aの略半部分と1枚のY方向延出基板22bの略半部分とが上下方向に距離を隔てて交互に重なり合う状態に配置されており、この重なり合った部分により5層の積層構造が形成されている。このY方向延出基板22bは、地面と水平方向に相対変位不能となるように固定された固定物B2の側面に取付けられている。この場合、固定物B1、B2は、別体に形成された二つのものが用いられているが、例えばL字形状のものであれば、固定物は一つでよい。
【0056】
以上のように構成された本実施形態の免震装置は、実施形態1の場合と同様の作用及び効果を奏し、振動エネルギ吸収性能の優れた新規な構造の免震装置を実現することができる。特に、本実施形態では、第2基板22がX方向延出基板22aとY方向延出基板22bとを有することから、水平方向におけるあらゆる方向の変位に対しても効率良く免震装置が作動するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る免震装置の取付状態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る免震装置に震動が入力した状態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る免震装置の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る免震装置の取付状態を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る免震装置の取付状態を模式的に示す平面図である。
【図8】従来の免震支持装置の断面図である。
【図9】従来の弾塑性ダンパの正面図である。
【図10】従来の弾塑性ダンパの取付状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1、11、21…第1基板 1a…取付部
1b、11b、21b…第1保持孔 2、12、22…第2基板
2a…取付部 2b…第2保持孔 22a…X方向延出基板
22b…Y方向延出基板 3、13、23…プラグ
4、14、24…ゴム弾性体 61、62…取付部材
63…弾性支持体 64…プラグ 65、66…補強板
67…積層弾性体 67a…薄肉金属板 67b…薄肉ゴム板
71、72…接続部 73…支持部 74、75…ダンパ部
A、A1、A2…構造物 a…支持部材
B、B1、B2…固定物 b…アンカ C…支持体
D1、D2…張出部材 G…地面 M1、M2…免震装置
Claims (5)
- 地面に実質上縁切り状態で支持された構造物に対して水平方向に延出するように取付けられ、第1保持孔を有する少なくとも1枚の第1基板と、
前記構造物と距離を隔てて地面に固定された固定物に対して水平方向に延出するように取付けられ、前記第1基板と交互に配置される箇所を2箇所以上有して前記第1基板とともに3層以上の積層構造を形成し、前記第1保持孔と対応する部分に第2保持孔を有する少なくとも1枚の第2基板と、
塑性材料により柱状に形成され、前記第1及び第2保持孔内に挿入保持されて前記第1及び第2基板を連結するように配設されたプラグと、
を備えていることを特徴とする免震装置。 - 距離を隔てて交互に配置された合計3枚の前記第1及び第2基板と、前記第1及び第2保持孔内に挿通保持された少なくとも1個の前記プラグとから構成されることによりモジュール化されていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
- 前記第2基板は、X方向に延びるX方向延出基板と、水平方向において前記X方向と略直角のY方向に延出するY方向延出基板とを有することを特徴とする請求項1記載の免震装置。
- 隣り合う前記第1基板と前記第2基板との間であって前記プラグの周囲に、該プラグの変形を拘束するゴム弾性体が配設されていることを特徴とする請求項1〜3記載の免震装置。
- 前記プラグは、主成分となるポリエチレンテレフタレートのフレークに樹脂とゴムを混ぜ合わせて化学反応させることにより形成された超塑性高分子材料よりなることを特徴とする請求項1〜4記載の免震装置。
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