JP5286432B2 - 制振装置及び制振建物 - Google Patents

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本発明は、地震や風や交通振動などによって生じる建物の揺れや機器の揺れを抑えるための制振装置、及びこれを備えた制振建物に関するものである。
従来、地震などによって発生する建物の揺れを低減する制振装置が知られている(特許文献1参照)。
従来、一般に使用されている制振装置は、対象とする地震の周期に合わせて機能するように設定されているので、周期の異なる地震に対しては充分にエネルギー吸収機能を働かせることができない。
一方、特許文献1に開示された制振装置では、対象とされた地震の規模よりも小さな揺れに対しても効果的に制振機能を働かせるために、振り子の原理によって制振部材の振動を増幅させてエネルギーを吸収させている。
特開2006−132183号公報
しかしながら特許文献1の制振装置であっても、対象とする地震とそれより少し小さな揺れに対しては有効に制振機能を発揮できるが、中規模の地震と大規模の地震というように振動の規模が大きく異なるいずれの地震に対しても有効に制振機能を発揮できるのものとは言い難い。
そこで、本発明は、様々な規模や周期の地震に広く対応できる制振装置、及びこれを備えた制振建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の制振装置は、対向する略平行な面の面方向の相対変位が許容された状態で間隔を置いて配置される一対の取付面部と、前記取付面部のそれぞれに対して、前記面方向の相対変位が拘束される拘束部を介して両側の端部が取り付けられる第1の制振部材と、前記取付面部のそれぞれに対して、一方の端部が前記面方向の相対変位が拘束されるとともに、他方の端部が前記面方向の相対変位が許容された状態で取り付けられる第2の制振部材とを備え、前記第2の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位が、前記第1の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位より大きくなるように設定される制振装置であって、前記第1の制振部材の両端に配置される前記拘束部は固定板とボルトとを有し、前記固定板の一端はその制振部材に接合され、他端は前記ボルトによって前記取付面部に固定されるとともに、前記第2の制振部材の一方の端部は前記拘束部と同様に一方の前記取付面部に固定され、他方の端部は前記面方向が長手方向となる長穴が形成された取付板の一端に接合され、かつ、その取付板の他端は前記長穴を通したボルトによって他方の前記取付面部に取り付けられることを特徴とする。
ここで、前記制振部材に加えて、前記第1及び前記第2の制振部材とは変形開始時点の前記取付面部間の相対変位が異なる制振部材を備えた構成とすることができる。
また、前記第1及び前記第2の制振部材が低降伏点鋼によって成形される構成とすることができる。
さらに、本発明の制振建物は、建物の基礎と一階間及び階層間の少なくとも一箇所に上記のいずれかに記載の制振装置を備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明の制振装置は、少なくとも2つの制振部材を備えており、各制振部材の変形開始時点の取付面部間の相対変位が異なっている。
このため、中規模の地震に対しては第1の制振部材の制振機能によってエネルギーを吸収させ、大規模の地震に対しては第1及び第2の制振部材の制振機能によってエネルギーを吸収させるというように、規模や周期の異なる複数の地震に対して有効に制振機能を発揮させることができる。
また、第2の制振部材の一端を長穴を介して取付面部に取り付けるようにすれば、地震の揺れによって発生する取付面部間の相対変位が長穴の範囲内であれば第2の制振部材は変形せず、長穴の範囲を超えるような相対変位を発生させる大規模な地震時に第2の制振部材を作動させることができる。
このような構成であれば、地震の大きさに合わせて段階的にエネルギーを吸収させることが可能な制振装置を、簡単に製作することができる。
さらに、このように変形開始時点の異なる制振部材を3つ以上配置すれば、より多くの地震に対して幅広く制振機能を発揮させることができるようになる。
そして、このような制振装置を基礎と一階間や階層間に備えた制振建物であれば、様々な規模や周期の地震に対しても、効果的にエネルギーを吸収させて制振機能を発揮させることができる。
制振装置の構成を説明するための斜視図である。 ユニット建物の概略構成を模式的に説明する斜視図である。 フランジ間の相対変位が異なる4つの段階における制振装置の状態を説明する断面図である。 制振装置の荷重と変形量の履歴特性を示した図である。 本発明の実施例の制振装置の構成を説明する側面図である。 本発明の実施例の地震時の制振装置の状態を説明する側面図である。
図1は、制振装置1の構成を説明する斜視図であり、図2はこの制振装置1を配置した制振建物としてのユニット建物5の概略構成を説明する模式図である。
まず、ユニット建物5の構成から説明すると、このユニット建物5は、図2に示すような矩形箱形の建物ユニット52を、上下左右に複数、隣接設置して構築される戸建て住宅などの建物である。すなわち、図2に示したユニット建物5は、基礎51の上に1階部53として4体の建物ユニット52,・・・を並べ、その上に2階部54として4体の建物ユニット52,・・・を載置することで構築される。
そして、制振装置1は、基礎51と1階部53の床との間に4個、1階部53の天井と2階部54の床との間に4個、それぞれ配置されている。
この制振装置1は、図1に示すように、一対の取付面部として略平行に配置されるフランジ2A,2Bと、そのフランジ2A,2B間に配置される円筒形の第1の制振部材としての円筒制振材3と、フランジ2Aの下面とフランジ2Bの上面にそれぞれ固着される拘束部としての保持リング31,31と、円筒制振材3の内部に配置される柱状の第2の制振部材としての柱状制振材4とから主に構成される。
これらのフランジ2A,2Bは、上階側と下階側(基礎側)にそれぞれ取り付けられる板材で、地震時に作用する荷重によって内部で伸縮が起きないように剛性の高い一般構造用圧延鋼材(例えば降伏応力が215〜245N/mm2程度)などで形成されている。これらのフランジ2A,2Bは、地震時に上階側と下階側(基礎側)がフランジ2A,2Bの面方向に相対変位する位置に取り付けられるとともに、制振部材を除いてはフランジ2A,2B間の相対変位を制限する部材は設けられておらず、面方向の相対変位の発生は許容されている。
また、保持リング31は、フランジ2A,2Bと同様に剛性の高い鋼材で環状に成形されており、その内周は円筒制振材3の外周と略同じ形状になっている。そして、この保持リング31,31は、溶接などによってフランジ2Aの下面とフランジ2Bの上面の所定の位置に固着される。なお、フランジ2A,2Bと保持リング31,31は、一体に成形することもできる。
また、円筒制振材3及び柱状制振材4は、降伏応力が80〜120N/mm2程度となる低降伏点鋼によって成形される。この2つの制振部材は、同じ材料を使用してもよいし、降伏応力が異なる材料を使用することもできる。
さらに、円筒制振材3は、フランジ2A,2Bの間隔に合わせた高さに成形される。また円筒制振材3は、フランジ2A,2Bに固着された保持リング31,31の内周にその端部をそれぞれ嵌合することによって組み付けられる。
そして、この保持リング31,31が円筒制振材3の外周を囲繞していることで、円筒制振材3の各フランジ2A,2Bに対する面方向の相対変位が拘束される。
また、この円筒制振材3の略中心に配置される柱状制振材4は、円筒制振材3よりも短い長さに成形されており、上端が上側のフランジ2Aの下面に固着されている。そして、この柱状制振材4の下端は、図3(a)に示すように、下側のフランジ2Bの上面から離隔しており、上側のフランジ2Aから柱状制振材4が吊り下げられたような状態になっている。
なお、ここでは柱状制振材4の上端を上側のフランジ2Aに固着させたが、柱状制振材4の下端を下側のフランジ2Bに固着させて、上端をフランジ2Aの下面から離隔させてもよい。
また、円筒制振材3の内周面と柱状制振材4の外周面との間隔は、後述する作用に基づいて、円筒制振材3の内径や柱状制振材4の直径を変更することで、適宜、調整することができる。
次に、制振装置1の作用について説明する。
図3は、地震によって発生するフランジ2A,2B間の相対変位の大きさによる制振装置1の各状態を4段階で示した断面図である。
図3(a)は、地震が発生していない平常時の状態を示している。この状態では、下側のフランジ2Bの真上に上側のフランジ2Aが位置しており、フランジ2A,2B間に相対変位は生じていない。そして、円筒制振材3及び柱状制振材4は変形しておらず、両方とも変形開始時点には至っていない。
図3(b)は、小規模から中規模の地震が発生した状態を示している。この状態では、下側のフランジ2Bに対して上側のフランジ2Aは右側に少しずれており、フランジ2A,2B間に小さな相対変位が生じている。そして、円筒制振材3は保持リング31,31との境界で折れ曲がって変形しおり変形開始時点は過ぎているが、中心に吊り下げられた柱状制振材4は変形しておらず変形開始時点には至っていない。
続いて図3(c)は、中規模から大規模の地震が発生した状態を示している。この状態では、下側のフランジ2Bに対して上側のフランジ2Aは右側にずれており、フランジ2A,2B間に相対変位が生じている。そして、円筒制振材3の変形は図3(b)の状態よりも大きくなって、円筒制振材3の内周面に柱状制振材4の外周面が当接しており、これより少しでもフランジ2A,2B間の相対変位が大きくなると柱状制振材4の変形が開始されるので、この状態が変形開始時点の直前といえる。
最後に図3(d)は、大規模の地震が発生した状態を示している。この状態では、下側のフランジ2Bに対して上側のフランジ2Aは右側に大きくずれており、フランジ2A,2B間に大きな相対変位が生じている。そして、円筒制振材3の変形は更に大きくなって、円筒制振材3の内周面に当接した柱状制振材4にも変形が生じて変形開始時点を過ぎたことになる。
このような円筒制振材4と柱状制振材3の変形によって、どのように地震のエネルギーが吸収されるかを、制振装置1の荷重と変形量の履歴特性を示した図4を参照しながら説明する。
すなわち図4は、制振装置1の変形量とその変形量が発生するのに作用した荷重、言い換えると制振装置1の抵抗力との関係を示した曲線である。ここで、円筒制振材3の変形履歴に関しては実線の第1ループS1で示し、柱状制振材4の変形履歴に関しては破線の第2ループS2で示した。
そして、この菱形の第1ループS1に囲まれている面積が円筒制振材3で吸収されるエネルギーの大きさに相当し、第2ループS2で囲まれている面積が柱状制振材4で吸収されるエネルギーの大きさに相当する。
この図4を図3の各状態と合わせて説明すると、図3(a)から図3(c)に至るまでは、円筒制振材3のみが変形して柱状制振材4は変形していないので、第1変形量D1以内でループを作って地震のエネルギーを吸収する。
続いて図3(c)から図3(d)では、円筒制振材3に加えて柱状制振材4も変形しているので、第2変形量D2までの間でループを作って、円筒制振材3と柱状制振材4の両方で地震のエネルギーを吸収する。
このように構成された制振装置1は、2つの制振部材(円筒制振材3と柱状制振材4)を備えており、各制振部材の変形開始時点のフランジ2A,2B間の相対変位が異なっている。
このため、中規模の地震に対しては円筒制振材3の制振機能によってエネルギーを吸収させ、大規模の地震に対しては円筒制振材3及び柱状制振材4の制振機能によってエネルギーを吸収させるというように、規模や周期の異なる複数の地震に対して多段階で有効に制振機能を発揮させることができる。
また、円筒制振材3の内部に、上端がフランジ2Aに固定され下端がフランジ2Bから離隔された柱状制振材4を配置し、円筒制振材3と柱状制振材4との間隔によって柱状制振材4の変形開始時点が調整される。
すなわち、円筒制振材3と柱状制振材4との間隔が広ければ、柱状制振材4の変形開始時点が遅くなり、間隔が狭ければ柱状制振材4の変形開始時点が早くなるので、どの段階の規模又は周期の地震から第2の制振部材を作動させるかを、間隔を調整するだけで容易に設定することができる。
また、一種類の制振部材(円筒制振材3)だけでは、対象とする地震の規模を超えると急激に建物の変形が大きくなってしまうおそれがあるが、変形開始時点が異なる別の制振部材(柱状制振材4)を備えることで、ユニット建物5に過大な変形が発生することを抑えることができる。
さらに、大規模な地震に対応できるように円筒制振材3と柱状制振材4を合わせたような一種類の制振部材を使用した場合は、中規模や小規模な地震で制振部材を充分に作動させることが難しいが、変形開始時点が異なる円筒制振材3と柱状制振材4とに分けることにより、中規模や小規模の地震に対しても制振部材を確実に作動させることができる。
このように、円筒制振材3と柱状制振材4の間隔を調整するだけで複数の地震に対応できるようにすれば、制振性能の調整を容易におこなうことができる。
さらに、このような制振装置1,・・・を基礎51と一階部53間や1階部53と2階部54間に配置するだけで、様々な規模や周期の地震に対しても、段階的に的確にエネルギーを吸収させて制振機能を充分に発揮可能なユニット建物5とすることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
図5は、この実施例で説明する制振装置6の構成を説明する側面図である。
この制振装置6は、一対の取付面部として略平行に配置されるフランジ7A,7Bと、そのフランジ7A,7B間に配置される第1の制振部材としての制振板8と、その制振板8の両端に接合されて各フランジ7A,7Bにそれぞれ固定するための拘束部81,81と、フランジ7A,7B間に配置される第2の制振部材としての制振板9と、その制振板9の一端に接合される拘束部91と他端に接合される変形許容部92とから主に構成される。
このフランジ7A,7Bには、それぞれ対向する略平行な対向面71,71と、その対向面71,71に略直交する側面72,72とがそれぞれ形成されており、例えば一般構造用圧延鋼材などの剛性の高い鋼材によって成形される。
また、制振板8,9は、前記実施の形態で説明したような低降伏点鋼によって成形される。この2つの制振板8,9は、同じ材料で成形してもよいし、降伏応力が異なる材料でそれぞれ成形することもできる。
さらに、拘束部81は、一般構造用圧延鋼材などの剛性の高い鋼材によって成形される固定板81aと、その固定板81aをフランジ7A,7Bに固定するためのボルト81b,81bとを有している。
この固定板81aは、一端が制振板8の端部に溶接などによって接合されており、他端がフランジ7A,7Bの側面72,72にボルト81b,・・・で摩擦接合されている。
また、第2の制振板9の一方の端部に接合される拘束部91も、上記した拘束部81と同様の構成であり、固定板91aとボルト91bとを有している。
これに対して制振板9の他方の端部に接合される変形許容部92は、長穴92cが形成された取付板92aと、ボルト92bとを有している。
この取付板92aに形成される長穴92c,92cは、フランジ7Bの対向面71の面方向と略平行する方向が長手方向となる略長方形の穴で、取付板92aの制振板9と接合する端部とは反対側の端部付近に設けられている。
そして、この長穴92c,92cに通したボルト92b,92bは、フランジ7Bの側面72に固定される。
このように構成された制振装置6の図5の状態は、地震が発生していない平常時の状態を示している。この状態では、下側のフランジ7Bの真上に上側のフランジ7Aが位置しており、フランジ7A,7B間に相対変位は生じていない。そして、並行に配置された2枚の制振板8,9は、この状態では変形しておらず、両方とも変形開始時点には至っていない。また、変形許容部92のボルト92b,92bは、それぞれ長穴92c,92cの略中央に位置している。
続いて、図6に示した状態は、小規模又は中規模の地震が発生した状態を示している。この状態では、下側のフランジ7Bに対して上側のフランジ7Aは右側にずれており、フランジ7A,7B間に相対変位が生じている。そして、第1の制振板8は変形しており変形開始時点は過ぎているが、第2の制振板9は長穴92c,92cの範囲内で取付板92aが面方向に移動したことによって拘束部91を固定した上側のフランジ7Aとの間で相対変位が生じておらず、その拘束部91に伴って移動した制振板9も変形せずに変形開始時点には至っていない。
そして、図6の状態よりもフランジ7A,7B間の相対変位が大きくなると、長穴92c,92cの範囲内での取付板92aのスライドはできなくなっているので、ボルト92b,92bで取付板92aの移動が拘束されて制振板9の変形が開始されることになる。
次に、本実施例の制振装置6の作用について説明する。
このように構成された本実施例の制振装置6は、第2の制振板9の一端が、取付板92aに設けられた長穴92c,92cを介してフランジ7Bの側面72に取り付けられている。
このため、地震の揺れによってフランジ7A,7B間に相対変位が発生しても、その相対変位が長穴92c,92cの範囲内であれば第2の制振板9は変形せず、長穴92c,92cの範囲を超えるような相対変位を発生させる大規模な地震時に第2の制振板9が変形して制振部材として作動する。
そして、このような構成であれば、地震の大きさに合わせて段階的にエネルギーを吸収させることが可能な制振装置6を、簡単に製作することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を実施例により詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、取付面部としてフランジ7A,7Bを利用したが、これに限定されるものではなく、建物の基礎51面や床下面が剛性の高いものであればそのまま取付面部として利用することができる。
また、前記実施例では、制振部材として低降伏点鋼を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、高減衰ゴム、粘弾性ゴムなどを制振部材として使用することもできる。さらに、第1の制振部材を高減衰ゴムとし、第2の制振部材を低降伏点鋼とするなど、異なる種類の制振部材を組み合わせることもできる。
また、前記実施例では、2つの制振部材を配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、変形開始時点の異なる制振部材を3つ以上配置することもできる。このように変形開始時点の異なる制振部材を多数配置することで、様々な規模又は周期の地震に対して幅広く制振機能を発揮させることができるようになる。
そして、基礎51と1階部53との間、及び1階部53と2階部54との間に制振装置1,・・・をそれぞれ配置したが、これに限定されるものではなく、例えば1階部53と2階部54との間にだけ制振装置1,・・・を配置してもよい。また、制振装置1,6を配置する位置又は個数は、所望する減衰効果が得られるように適宜、調整することができる。
また、前記実施例では拘束部81,91によって制振板8,9をフランジ7A,7Bに固定したが、これに限定されるものではなく、制振板8,9の端面を、直接、フランジ7A,7Bに接合することで拘束部としてもよい。
5 ユニット建物(制振建物)
51 基礎
53 1階部
54 2階部
6 制振装置
7A,7B フランジ(取付面部)
8 制振板(第1の制振部材)
81 拘束部
81a 固定板
81b ボルト
9 制振板(第2の制振部材)
91 拘束部
91a 固定板
91b ボルト
92 変形許容部
92a 取付板
92b ボルト
92c 長穴

Claims (5)

  1. 対向する略平行な面の面方向の相対変位が許容された状態で間隔を置いて配置される一対の取付面部と、
    前記取付面部のそれぞれに対して、前記面方向の相対変位が拘束される拘束部を介して両側の端部が取り付けられる第1の制振部材と、
    前記取付面部のそれぞれに対して、一方の端部が前記面方向の相対変位が拘束されるとともに、他方の端部が前記面方向の相対変位が許容された状態で取り付けられる第2の制振部材とを備え、
    前記第2の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位が、前記第1の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位より大きくなるように設定される制振装置であって、
    前記一対の取付面部には、それぞれ対向する対向面とそれに略直交する側面とが形成されており、
    前記第1の制振部材の両端に配置される前記拘束部は固定板とボルトとを有し、前記固定板の一端はその制振部材に接合され、他端は前記ボルトによって前記側面に固定されるとともに、
    前記第2の制振部材の一方の端部は前記拘束部と同様に一方の前記側面に固定され、他方の端部は前記面方向が長手方向となる長穴が形成された取付板の一端に接合され、かつ、その取付板の他端は前記長穴を通したボルトによって他方の前記側面に取り付けられることを特徴とする制振装置。
  2. 対向する略平行な面の面方向の相対変位が許容された状態で間隔を置いて配置される一対の取付面部と、
    前記取付面部のそれぞれに対して、前記面方向の相対変位が拘束される拘束部を介して両側の端部が取り付けられる第1の制振部材と、
    前記取付面部のそれぞれに対して、一方の端部が前記面方向の相対変位が拘束されるとともに、他方の端部が前記面方向の相対変位が許容された状態で取り付けられる第2の制振部材とを備え、
    前記第2の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位が、前記第1の制振部材の変形開始時点の前記取付面部間の相対変位より大きくなるように設定される制振装置であって、
    前記第1の制振部材の両端に配置される前記拘束部は固定板とボルトとを有し、前記固定板の一端はその制振部材の端部に溶接によって接合され、他端は前記ボルトによって前記取付面部に固定されるとともに、
    前記第2の制振部材の一方の端部は前記拘束部と同様に一方の前記取付面部に固定される前記固定板の端部に溶接によって接合され、他方の端部は前記面方向が長手方向となる長穴が形成された取付板の一端に溶接によって接合され、かつ、その取付板の他端は前記長穴を通したボルトによって他方の前記取付面部に取り付けられることを特徴とする制振装置。
  3. 前記制振部材に加えて、前記第1及び前記第2の制振部材とは変形開始時点の前記取付面部間の相対変位が異なる制振部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振装置。
  4. 前記第1及び前記第2の制振部材が低降伏点鋼によって成形されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制振装置。
  5. 建物の基礎と一階間及び階層間の少なくとも一箇所に請求項1乃至のいずれか一項に記載の制振装置を備えたことを特徴とする制振建物。
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