JP2004232063A - 金属箔の表面メッキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メッキ液がストリップ材の裏面に回り込むことなく、均質なメッキを達成できる金属箔の表面メッキ装置を提供すること。
【解決手段】メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施す金属箔の表面メッキ装置であって、メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、案内ベルトに沿って密着させた状態でアノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すので、メッキ液がストリップ材の裏面に回り込むことなく、均質なメッキ処理を達成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施す金属箔の表面メッキ装置であって、メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、案内ベルトに沿って密着させた状態でアノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すので、メッキ液がストリップ材の裏面に回り込むことなく、均質なメッキ処理を達成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔の表面メッキ装置に関し、特に、電気メッキにより金属箔ストリップ材の表面(片面)に連続的に特殊金属膜を形成する金属箔の表面メッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂と銅箔とを貼り合わせたポリイミドフィルムは、プリント配線基板(ソフト基板)として、携帯電話等のIT開連機器で採用され、近年、その需要が増大している。そして、従来、それらポリイミドフィルムは、銅箔とポリイミド樹脂とを接着剤を用いて貼り含わせた3層構進のものが主流であったが、その超薄肉化・高集積化のために、接着剤を用いずに高接着強度を有する2層構造化の要求が高まっている。
【0003】
一方、ポリイミドフィルムを2層構造化するには、銅箔の片面を、ポリイミド樹脂と親和性の高い構造に改質する必要がある。また、その方法としては、スパッター処理やエッチングによって銅箔表面を改質する方法や、電気メッキ法、無電解メッキ法、ラミネート法等で銅箔表面に薄い特殊金属膜を形成する方法がある。そして、それらのうちで最適な製造方法として、連続処理が可能な電気メッキ法が注目されている。
【0004】
【発明が解決ようとする課題】
しかし、数ミクロンから数十ミクロンオーダーの厚さの銅箔に対する電気メッキは、シート状でのバッチ処理は実施されているものの、例えば、コイルによる連続処理などの、連続処理技術は未だ確立されておらず、電気メッキにより安定かつ連続的に銅箔その他の金属箔の表面に特殊金属膜を形成できる表面メッキ装置の早期な実現が望まれている。また、従来のメッキ装置により片面のみメッキ処理しようとしても、本来メッキを必要としない裏面端部まで電荷が回り込みメッキがなされてしまっていた。この為、最終製品にする段階で裏面の不要な両端部をスリッターによって切断する加工処理が必要であった。
【0005】
従来のメッキ装置として例えば、特表平6−504584号公報に記載されるように、メッキ液を収容するメッキ槽、このメッキ槽のメッキ液中に部分的に浸漬して配設されるラジアル陰極(導体ロール)、このラジアル陰極の浸漬部分の周囲に配設される陽極、および前記メッキ槽内のメッキ液の上方に配設される偏向ロールを有し、ストリップ材(銅ストリップ材)を、偏向ロールで偏向させてガイドロールに巻き付け、その上面をガイドロールに密着させた状態でメッキ槽内のメッキ液中を移動させて、ストリップ材の下面に連続的に電気メッキするラジアルセル型の電気メッキ装置は知られている。しかし、この装置では、ラジアル陰極(導体ロール)を利用するものであり、ストリップ材の上面にメッキ液が浸入しないようにストリップ材に高い張力を与え、ガイドロールに密着させる必要がある。したがって、数ミクロンから数十ミクロンオーダーの厚さしかなく、剛性に劣る金属箔ストリップ材にそのまま適用することはできない。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景および課題に鑑みなされたもので、電荷の裏面への回り込みを防止して、金属箔ストリップ材の片面のみに安定かつ連続的に特殊金属膜を形成することのできる金属箔の表面メッキ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置は、メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、前記ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施すものであって、前記メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、該案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、前記メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、前記メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、前記ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、前記案内ベルトに沿って密着させた状態で前記アノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、前記案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明において、前記案内ベルトの幅は、前記ストリップ材の幅寸法より大きいことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明において、前記入側コンダクターロールの近傍に、前記案内ベルトに密着される前のストリップ材の前記案内ベルトと接する側面に純水を噴霧する純水噴霧ノズルを配設したことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明において、前記メッキ槽内に、前記ストリップ材のメッキ処理面に向けてメッキ液を吐出するメッキ液吐出ノズルを配設したことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明において、前記案内ベルトの巻回された第二のローラは、前記メッキ槽のメッキ液外に配設されたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置の側面方向から見た縦断面図、図2は本発明の金属箔の表面メッキ装置の正面方向から見た縦断面図である。
【0013】
図1、図2に示すように、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置10は、メッキ液Mを収容したメッキ槽11内を電圧を印加したストリップ材Sを移動させることにより、前記ストリップ材Sの一面に連続的にメッキ処理を施すものである。また、メッキ槽11内のメッキ液内に配置された第一のローラ12と前記メッキ槽11の上端に配置された第二のローラ13との間に巻回された案内ベルト14と、該案内ベルト14の外側に対向配置されたアノード15と、前記メッキ槽11の上に配設された入側コンダクターロール16と、前記メッキ槽11の上に配設された出側コンダクターロール17とを備えている。
【0014】
また、メッキ液Mを収容するメッキ槽11には、メッキ液による腐食及び、帯電食性を考慮して、金属材料にゴム又はFRPなどのライニングを施した材料が使用されている。
【0015】
そして、図外の銅箔コイルから送給されてくる銅箔ストリップ材S(金属箔ストリップ材)を、入側コンダクターロール16で偏向させて案内ベルト14の外周表面に一定の張力でもって接触させ、その銅箔ストリップ材Sの上面を案内ベルト14の外周表面に密着させた状態でメッキ槽11内のメッキ液M中を移動させ、メッキ槽11の第一のローラ12で反転した後、出側コンダクターロール17で偏向させてから取り出す。
【0016】
また、上記アノード15は、チタン製の基部に酸化イリジウムをコーテイングしたチタン製の電極をビス止めした不溶性アノードとして構成されている。そして、図1および図2に示すように、アノード15は、案内ベルト14の中心線Lを中心として左右対称に配設され、それぞれ案内ベルト14表面との間に20mm以下の均等な間隔を保って配設される。
【0017】
また、上記入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、ロール胴部が優れた耐食性を有する導電性材料で構成されると共に、図外の電力供給装置に接続される。これにより、入側コンダクターロール16は、偏向させる銅箔ストリップ材Sに電流を伝播するコンダクターロールとしての機能を兼ねるように構成されている。
【0018】
また、上記入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、銅箔ストリップ材Sとの接触面積を十分に確保するため、外径が300mm程度(本例では、264mmの外径)に形成されている。
【0019】
一方、上記メッキ槽11の上部には、図1に示すように、メッキ液Mの液面高さを一定に保つ越流堰11aが設けられており、ここから溢れたメッキ液は溢流パイプ18から排出される。また、メッキ槽11の底部に、メッキ液吐出ノズル19が第一のローラ12に対向するように一対が配設されている。このメッキ液吐出ノズル19により、銅箔ストリップ材Sの下面に新鮮なメッキ液Mを常に吐出するので、イオンリッチな新鮮なメッキ液を供給して、均質でかつ微細なメッキ膜を形成することができる。また、メッキ槽11のメッキ液吐出ノズル19には、図外のメッキ液循環供給装置に接続されている。
【0020】
また、このメッキ槽11においては、図1に示すように、入側コンダクターロール16と案内ベルト14の近傍には、案内ベルト14に巻き付けられる前の銅箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)に向けて純水を噴霧する純水噴霧ノズル20を配設している。この純水噴霧ノズル20は、図外の純水供給装置に接続されている。
【0021】
メッキ槽11の底部に高圧で送給されたメッキ液Mは、図中に示すように、メッキ液吐出ノズル19を介して、第一のローラ12の周囲に巻回されたストリップ材Sの外周表面に向けて圧送される。また、メッキ液Mは、ストリップ材S及び案内ベルト14とアノード15の間隙に沿って上昇し、メッキ槽11の越流堰11aから溢流パイプ18を介して図外のメッキ液循環供給装置に還流する。
【0022】
そして、この案内ベルト14は、図1,2に示すように、第一のローラ12と第二のローラ13の間に架け渡され、鉛直方向に配設されている。また、案内ベルト14の幅は、ストリップ材Sの幅寸法より大きく構成されている。そして、巻き付けられた銅箔ストリップ材Sの所定位置よりも下位となる部分がメッキ槽11内のメッキ液中に浸漬するように配設されている。これにより、メッキ槽11内でメッキ液上面よりも上方に位置し、未だ密着していない銅箔ストリップ材Sと案内ベルト14との間にメッキ液Mが回り込み、非メッキ面である上面側に回り込むことを回避することができる。
【0023】
一方、アノード15には、銅箔ストリップ材Sの両側端面への電流集中によるエッジオバーコーティングを防止するため、銅箔ストリップ材Sの幅に含わせて配設された図1に示すアノードマスク15aを設けている。
【0024】
上記構成の本例装置では、図外の銅箔コイルから、洗浄・表面処理等の前処理を施されて送給されてくる銅箔ストリップ材Sを、金属箔の表面メッキ装置10の前後部の入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17で偏向させて案内ベルト14に巻き付け、その上面を案内ベルト14に密着させた状態でメッキ槽11内のメッキ液M中を通過させる。このとき、図外の電力供給装置からメッキ槽11のアノード15にメッキ電流が供給されている。また、図外のメッキ液循環供給装置からメッキ槽11にメッキ液Mを循環供給し、併せて純水噴霧ノズル20から、案内ベルト14の表面および上記案内ベルト14に巻き付ける銅箔ストリップ材Sの上面に純水が噴霧される。
【0025】
上記銅箔ストリップ材Sは、コンダクターロールとしての入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17に接触してカソード化しているので、アノード15に印加された電流がメッキ液M中を通って銅箔ストリップ材Sに流れる。イオン化したメッキ液M中の金属成分が、銅箔ストリップ材Sの下面に電気メッキされる。そして、メッキ後の電流は、銅箔ストリップ材Sから入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17を介して電力供給装置へと流れる。
【0026】
また、図外のメッキ液循環供給装置から高圧で送給されたメッキ液Mは、メッキ液吐出ノズル19を介して、案内ベルト14に巻き付けられた銅箔ストリップ材Sの表面(下面)に、イオンリッチな新鮮なメッキ液Mが絶えず供給され、均質かつ微細なメッキ膜を形成することができる。
【0027】
一方、上記案内ベルト14は、非電導性のポリウレタン等の耐薬品性のベルトから構成されているので、メッキ液M中に浸漬されていてもメッキされることはない。また、入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、メッキ液Mの液面上方に位置して配設されているので、メッキ作用を受けにくい。
【0028】
しかも、案内ベルト14を、第一のローラ12と第二のローラ13の間に架け渡された無端ロールに形成しているので、外周から巻き付けられた銅箔ストリップ材Sに、応力集中部を形成させることなく、強い張力を負荷することができる。したがって、しわや絞りの発生を防止できる。また、案内ベルト14に対する密着度を高めて、銅箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)ヘのメッキ液Mの回り込みを防止することができる。
【0029】
加えて、この案内ベルト14は、例えばポリウレタン等から構成しているので、比較的軽量で、回転慣性モーメントが小さくて加滅速時の応答性が高く、その回転速度と銅箔ストリップ材Sの移送速度との同期が容易である。また、案内ベルト14は、メッキ液Mに対する耐性に優れ、長期に安定した連続メッキを行うことができる。
【0030】
また、アノード15は、案内ベルト14との間の間隙を20mm以下の小さな間隙としているので、アノード15と案内ベルト14との極間抵抗を低く抑え、もってメッキ電流効率を高めて消費電力を低減させることができる。また、アノード15は、表面に酸化イリジウムをコーティングしたチタン製の電極をビス止めした不溶性材料にて構成されているので、通電およびメッキ液Mの影響による損耗を低く抑え、案内ベルト14との間の間隙を安定的に維持し、長期に安定したメッキを行うことができる。
【0031】
また、純水噴霧ノズル20から案内ベルト14の外周表面部および銅箔ストリップ材Sの上面に純水を噴霧するので、噴霧した純水を、銅箔ストリップ材Sの案内ベルト14への密着動作に伴って両側方に押出して排出させる。その排出により、両側方からメッキ液Mが銅箔ストリップ材Sの上面側に回り込むことを防止できる。さらに、銅箔ストリップ材Sと案内ベルト14との間に水膜を形成させて、両者間に微小な同期ずれが生じた際の潤滑膜とし、非メッキ面の傷発生を防止する作用も得られる。これらの複合効果により、非メッキ面の表面性状を損なうことなく、安定した片面メッキを行うことができる。
【0032】
一方、図外のメッキ液循環供給装置は、メッキ液Mの温度・濃度の調整機能に加えて蒸発除去機能を備えており、メッキ槽11内でも用いられてメッキ液M中に混入した純水(水分)を蒸発除去して、最適な温度・濃度のメッキ液Mをメッキ槽11に常に循環供給する。したがって、均質かつ安定した連続メッキを行うことができる。
【0033】
以上に述べたように、本発明の装置によれば、コイルから送給される極薄肉の銅箔ストリップ材Sを、しわや絞り、および局部放電による損傷等を生じさせることなく、その片面を連続的に電気メッキすることができる。よって、均一かつ微細な待殊金属膜を有し、かつ非メッキ面に傷やメッキ液の回り込みのない、片面メッキ銅箔を得ることができる。
【0034】
しかも、案内ベルト14や入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17のメンテナンス負担を軽減できる。
【0035】
尚、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置において、上記アノード15には、チタン製の基部に酸化イリジウムをコーティングしたチタン製の電極をビス止めしたものを採用しているが、これは、通電およびメッキ液の影響による損耗を低く抑えて、案内ベルト14との間の間隙を安定に維持できるからであるが、別の種類の材料からなる不溶牲のアノードを採用することもできる。また、本発明の金属箔の表面メッキ装置は、既存の設備に最小限の改造を施すことで、裏面へのメッキを効果的に防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置は、メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、前記ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施す金属箔の表面メッキ装置であって、前記メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、該案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、前記メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、前記メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、前記ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、前記案内ベルトに沿って密着させた状態で前記アノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、前記案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すので、しわや絞りの発生を防止すると共に、案内ベルトに対する密着度を高めて、金属箔ストリップ材の上面(非メッキ面)へのメッキ液の回り込みを防止することができる。また、案内ベルトに沿ってストリップ材Sがガイドされながら移動するので、ストリップ材の蛇行に起因する板切れを防止することができる。更に、メッキ液の噴流によるストリップ材Sのバタツキを阻止することができる。また、ストリップ材Sのバタツキを阻止することにより、アノードとの距離が均一に保たれ、ストリップ材Sに一定のメッキ付着量を確保し、金属箔ストリップ材の片面に安定した特殊金属膜を形成することができる。
【0037】
また、請求項2に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、案内ベルトの幅をストリップ材Sの幅寸法より大きく構成したので、メッキ槽内においてメッキ液が裏面に回り込むのを効果的に防止すると共にストリップ材Sのガイドの役目を果たすことができる。したがって、ストリップ材Sの裏面端部がメッキされてしまうことを阻止すると共に、ストリップ材の蛇行による切断を防止することができる。
【0038】
また、請求項3に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、入側コンダクターロールの近傍に、前記案内ベルトに密着される前のストリップ材の前記案内ベルトと接する側面に純水を噴霧する純水噴霧ノズルを配設したので、金属箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)側にメッキ液が回り込むのを確実に防止できる。また、金属箔ストリップ材Sと案内ベルトとの間に水膜が形成されるので、両者の間に微小な同期ずれが生じた際に前記水膜が潤滑膜として機能し、金属箔ストリップ材Sの非メッキ面の傷の発生を防止することもできる。
【0039】
また、請求項4に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、メッキ槽内に、ストリップ材のメッキ処理面に向けてメッキ液を吐出するメッキ液吐出ノズルを配設したので、常に新たなメッキ液を流通させることとなり、金属箔ストリップ材Sの下面に、イオンリッチな新鮮なメッキ液を供給して、均質でかつ微細なメッキ膜を形成することができる。
【0040】
また、請求項5に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、案内ベルトの巻回された第二のローラは、前記メッキ槽のメッキ液外に配設されたので、ストリップ材Sと案内ベルトとの密着がメッキ液外で行われるため、ストリップ材がメッキ液内に入る際のバタ付きを防止することができる。また、出側においてもストリップ材と案内ベルトとの剥離がメッキ液外で行われるので、ストリップ材と案内ベルトとの剥離を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属箔の表面メッキ装置の側面方向から見た縦断面図である。
【図2】同金属箔の表面メッキ装置の正面方向から見た縦断面図である。
【符号の説明】
M メッキ液
S 銅箔ストリップ材(金属箔ストリップ材)
10 金属箔の表面メッキ装置
11 メッキ槽
11a 越流堰
12 第一のローラ
13 第二のローラ
14 案内ベルト
15 アノード
15a アノードマスク
16 入側コンダクターロール
17 出側コンダクターロール
18 溢流パイプ
19 メッキ液吐出ノズル
20 純水噴霧ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔の表面メッキ装置に関し、特に、電気メッキにより金属箔ストリップ材の表面(片面)に連続的に特殊金属膜を形成する金属箔の表面メッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂と銅箔とを貼り合わせたポリイミドフィルムは、プリント配線基板(ソフト基板)として、携帯電話等のIT開連機器で採用され、近年、その需要が増大している。そして、従来、それらポリイミドフィルムは、銅箔とポリイミド樹脂とを接着剤を用いて貼り含わせた3層構進のものが主流であったが、その超薄肉化・高集積化のために、接着剤を用いずに高接着強度を有する2層構造化の要求が高まっている。
【0003】
一方、ポリイミドフィルムを2層構造化するには、銅箔の片面を、ポリイミド樹脂と親和性の高い構造に改質する必要がある。また、その方法としては、スパッター処理やエッチングによって銅箔表面を改質する方法や、電気メッキ法、無電解メッキ法、ラミネート法等で銅箔表面に薄い特殊金属膜を形成する方法がある。そして、それらのうちで最適な製造方法として、連続処理が可能な電気メッキ法が注目されている。
【0004】
【発明が解決ようとする課題】
しかし、数ミクロンから数十ミクロンオーダーの厚さの銅箔に対する電気メッキは、シート状でのバッチ処理は実施されているものの、例えば、コイルによる連続処理などの、連続処理技術は未だ確立されておらず、電気メッキにより安定かつ連続的に銅箔その他の金属箔の表面に特殊金属膜を形成できる表面メッキ装置の早期な実現が望まれている。また、従来のメッキ装置により片面のみメッキ処理しようとしても、本来メッキを必要としない裏面端部まで電荷が回り込みメッキがなされてしまっていた。この為、最終製品にする段階で裏面の不要な両端部をスリッターによって切断する加工処理が必要であった。
【0005】
従来のメッキ装置として例えば、特表平6−504584号公報に記載されるように、メッキ液を収容するメッキ槽、このメッキ槽のメッキ液中に部分的に浸漬して配設されるラジアル陰極(導体ロール)、このラジアル陰極の浸漬部分の周囲に配設される陽極、および前記メッキ槽内のメッキ液の上方に配設される偏向ロールを有し、ストリップ材(銅ストリップ材)を、偏向ロールで偏向させてガイドロールに巻き付け、その上面をガイドロールに密着させた状態でメッキ槽内のメッキ液中を移動させて、ストリップ材の下面に連続的に電気メッキするラジアルセル型の電気メッキ装置は知られている。しかし、この装置では、ラジアル陰極(導体ロール)を利用するものであり、ストリップ材の上面にメッキ液が浸入しないようにストリップ材に高い張力を与え、ガイドロールに密着させる必要がある。したがって、数ミクロンから数十ミクロンオーダーの厚さしかなく、剛性に劣る金属箔ストリップ材にそのまま適用することはできない。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景および課題に鑑みなされたもので、電荷の裏面への回り込みを防止して、金属箔ストリップ材の片面のみに安定かつ連続的に特殊金属膜を形成することのできる金属箔の表面メッキ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置は、メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、前記ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施すものであって、前記メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、該案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、前記メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、前記メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、前記ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、前記案内ベルトに沿って密着させた状態で前記アノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、前記案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明において、前記案内ベルトの幅は、前記ストリップ材の幅寸法より大きいことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明において、前記入側コンダクターロールの近傍に、前記案内ベルトに密着される前のストリップ材の前記案内ベルトと接する側面に純水を噴霧する純水噴霧ノズルを配設したことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明において、前記メッキ槽内に、前記ストリップ材のメッキ処理面に向けてメッキ液を吐出するメッキ液吐出ノズルを配設したことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明において、前記案内ベルトの巻回された第二のローラは、前記メッキ槽のメッキ液外に配設されたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置の側面方向から見た縦断面図、図2は本発明の金属箔の表面メッキ装置の正面方向から見た縦断面図である。
【0013】
図1、図2に示すように、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置10は、メッキ液Mを収容したメッキ槽11内を電圧を印加したストリップ材Sを移動させることにより、前記ストリップ材Sの一面に連続的にメッキ処理を施すものである。また、メッキ槽11内のメッキ液内に配置された第一のローラ12と前記メッキ槽11の上端に配置された第二のローラ13との間に巻回された案内ベルト14と、該案内ベルト14の外側に対向配置されたアノード15と、前記メッキ槽11の上に配設された入側コンダクターロール16と、前記メッキ槽11の上に配設された出側コンダクターロール17とを備えている。
【0014】
また、メッキ液Mを収容するメッキ槽11には、メッキ液による腐食及び、帯電食性を考慮して、金属材料にゴム又はFRPなどのライニングを施した材料が使用されている。
【0015】
そして、図外の銅箔コイルから送給されてくる銅箔ストリップ材S(金属箔ストリップ材)を、入側コンダクターロール16で偏向させて案内ベルト14の外周表面に一定の張力でもって接触させ、その銅箔ストリップ材Sの上面を案内ベルト14の外周表面に密着させた状態でメッキ槽11内のメッキ液M中を移動させ、メッキ槽11の第一のローラ12で反転した後、出側コンダクターロール17で偏向させてから取り出す。
【0016】
また、上記アノード15は、チタン製の基部に酸化イリジウムをコーテイングしたチタン製の電極をビス止めした不溶性アノードとして構成されている。そして、図1および図2に示すように、アノード15は、案内ベルト14の中心線Lを中心として左右対称に配設され、それぞれ案内ベルト14表面との間に20mm以下の均等な間隔を保って配設される。
【0017】
また、上記入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、ロール胴部が優れた耐食性を有する導電性材料で構成されると共に、図外の電力供給装置に接続される。これにより、入側コンダクターロール16は、偏向させる銅箔ストリップ材Sに電流を伝播するコンダクターロールとしての機能を兼ねるように構成されている。
【0018】
また、上記入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、銅箔ストリップ材Sとの接触面積を十分に確保するため、外径が300mm程度(本例では、264mmの外径)に形成されている。
【0019】
一方、上記メッキ槽11の上部には、図1に示すように、メッキ液Mの液面高さを一定に保つ越流堰11aが設けられており、ここから溢れたメッキ液は溢流パイプ18から排出される。また、メッキ槽11の底部に、メッキ液吐出ノズル19が第一のローラ12に対向するように一対が配設されている。このメッキ液吐出ノズル19により、銅箔ストリップ材Sの下面に新鮮なメッキ液Mを常に吐出するので、イオンリッチな新鮮なメッキ液を供給して、均質でかつ微細なメッキ膜を形成することができる。また、メッキ槽11のメッキ液吐出ノズル19には、図外のメッキ液循環供給装置に接続されている。
【0020】
また、このメッキ槽11においては、図1に示すように、入側コンダクターロール16と案内ベルト14の近傍には、案内ベルト14に巻き付けられる前の銅箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)に向けて純水を噴霧する純水噴霧ノズル20を配設している。この純水噴霧ノズル20は、図外の純水供給装置に接続されている。
【0021】
メッキ槽11の底部に高圧で送給されたメッキ液Mは、図中に示すように、メッキ液吐出ノズル19を介して、第一のローラ12の周囲に巻回されたストリップ材Sの外周表面に向けて圧送される。また、メッキ液Mは、ストリップ材S及び案内ベルト14とアノード15の間隙に沿って上昇し、メッキ槽11の越流堰11aから溢流パイプ18を介して図外のメッキ液循環供給装置に還流する。
【0022】
そして、この案内ベルト14は、図1,2に示すように、第一のローラ12と第二のローラ13の間に架け渡され、鉛直方向に配設されている。また、案内ベルト14の幅は、ストリップ材Sの幅寸法より大きく構成されている。そして、巻き付けられた銅箔ストリップ材Sの所定位置よりも下位となる部分がメッキ槽11内のメッキ液中に浸漬するように配設されている。これにより、メッキ槽11内でメッキ液上面よりも上方に位置し、未だ密着していない銅箔ストリップ材Sと案内ベルト14との間にメッキ液Mが回り込み、非メッキ面である上面側に回り込むことを回避することができる。
【0023】
一方、アノード15には、銅箔ストリップ材Sの両側端面への電流集中によるエッジオバーコーティングを防止するため、銅箔ストリップ材Sの幅に含わせて配設された図1に示すアノードマスク15aを設けている。
【0024】
上記構成の本例装置では、図外の銅箔コイルから、洗浄・表面処理等の前処理を施されて送給されてくる銅箔ストリップ材Sを、金属箔の表面メッキ装置10の前後部の入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17で偏向させて案内ベルト14に巻き付け、その上面を案内ベルト14に密着させた状態でメッキ槽11内のメッキ液M中を通過させる。このとき、図外の電力供給装置からメッキ槽11のアノード15にメッキ電流が供給されている。また、図外のメッキ液循環供給装置からメッキ槽11にメッキ液Mを循環供給し、併せて純水噴霧ノズル20から、案内ベルト14の表面および上記案内ベルト14に巻き付ける銅箔ストリップ材Sの上面に純水が噴霧される。
【0025】
上記銅箔ストリップ材Sは、コンダクターロールとしての入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17に接触してカソード化しているので、アノード15に印加された電流がメッキ液M中を通って銅箔ストリップ材Sに流れる。イオン化したメッキ液M中の金属成分が、銅箔ストリップ材Sの下面に電気メッキされる。そして、メッキ後の電流は、銅箔ストリップ材Sから入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17を介して電力供給装置へと流れる。
【0026】
また、図外のメッキ液循環供給装置から高圧で送給されたメッキ液Mは、メッキ液吐出ノズル19を介して、案内ベルト14に巻き付けられた銅箔ストリップ材Sの表面(下面)に、イオンリッチな新鮮なメッキ液Mが絶えず供給され、均質かつ微細なメッキ膜を形成することができる。
【0027】
一方、上記案内ベルト14は、非電導性のポリウレタン等の耐薬品性のベルトから構成されているので、メッキ液M中に浸漬されていてもメッキされることはない。また、入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17は、メッキ液Mの液面上方に位置して配設されているので、メッキ作用を受けにくい。
【0028】
しかも、案内ベルト14を、第一のローラ12と第二のローラ13の間に架け渡された無端ロールに形成しているので、外周から巻き付けられた銅箔ストリップ材Sに、応力集中部を形成させることなく、強い張力を負荷することができる。したがって、しわや絞りの発生を防止できる。また、案内ベルト14に対する密着度を高めて、銅箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)ヘのメッキ液Mの回り込みを防止することができる。
【0029】
加えて、この案内ベルト14は、例えばポリウレタン等から構成しているので、比較的軽量で、回転慣性モーメントが小さくて加滅速時の応答性が高く、その回転速度と銅箔ストリップ材Sの移送速度との同期が容易である。また、案内ベルト14は、メッキ液Mに対する耐性に優れ、長期に安定した連続メッキを行うことができる。
【0030】
また、アノード15は、案内ベルト14との間の間隙を20mm以下の小さな間隙としているので、アノード15と案内ベルト14との極間抵抗を低く抑え、もってメッキ電流効率を高めて消費電力を低減させることができる。また、アノード15は、表面に酸化イリジウムをコーティングしたチタン製の電極をビス止めした不溶性材料にて構成されているので、通電およびメッキ液Mの影響による損耗を低く抑え、案内ベルト14との間の間隙を安定的に維持し、長期に安定したメッキを行うことができる。
【0031】
また、純水噴霧ノズル20から案内ベルト14の外周表面部および銅箔ストリップ材Sの上面に純水を噴霧するので、噴霧した純水を、銅箔ストリップ材Sの案内ベルト14への密着動作に伴って両側方に押出して排出させる。その排出により、両側方からメッキ液Mが銅箔ストリップ材Sの上面側に回り込むことを防止できる。さらに、銅箔ストリップ材Sと案内ベルト14との間に水膜を形成させて、両者間に微小な同期ずれが生じた際の潤滑膜とし、非メッキ面の傷発生を防止する作用も得られる。これらの複合効果により、非メッキ面の表面性状を損なうことなく、安定した片面メッキを行うことができる。
【0032】
一方、図外のメッキ液循環供給装置は、メッキ液Mの温度・濃度の調整機能に加えて蒸発除去機能を備えており、メッキ槽11内でも用いられてメッキ液M中に混入した純水(水分)を蒸発除去して、最適な温度・濃度のメッキ液Mをメッキ槽11に常に循環供給する。したがって、均質かつ安定した連続メッキを行うことができる。
【0033】
以上に述べたように、本発明の装置によれば、コイルから送給される極薄肉の銅箔ストリップ材Sを、しわや絞り、および局部放電による損傷等を生じさせることなく、その片面を連続的に電気メッキすることができる。よって、均一かつ微細な待殊金属膜を有し、かつ非メッキ面に傷やメッキ液の回り込みのない、片面メッキ銅箔を得ることができる。
【0034】
しかも、案内ベルト14や入側コンダクターロール16、出側コンダクターロール17のメンテナンス負担を軽減できる。
【0035】
尚、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置において、上記アノード15には、チタン製の基部に酸化イリジウムをコーティングしたチタン製の電極をビス止めしたものを採用しているが、これは、通電およびメッキ液の影響による損耗を低く抑えて、案内ベルト14との間の間隙を安定に維持できるからであるが、別の種類の材料からなる不溶牲のアノードを採用することもできる。また、本発明の金属箔の表面メッキ装置は、既存の設備に最小限の改造を施すことで、裏面へのメッキを効果的に防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る金属箔の表面メッキ装置は、メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、前記ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施す金属箔の表面メッキ装置であって、前記メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、該案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、前記メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、前記メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、前記ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、前記案内ベルトに沿って密着させた状態で前記アノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、前記案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すので、しわや絞りの発生を防止すると共に、案内ベルトに対する密着度を高めて、金属箔ストリップ材の上面(非メッキ面)へのメッキ液の回り込みを防止することができる。また、案内ベルトに沿ってストリップ材Sがガイドされながら移動するので、ストリップ材の蛇行に起因する板切れを防止することができる。更に、メッキ液の噴流によるストリップ材Sのバタツキを阻止することができる。また、ストリップ材Sのバタツキを阻止することにより、アノードとの距離が均一に保たれ、ストリップ材Sに一定のメッキ付着量を確保し、金属箔ストリップ材の片面に安定した特殊金属膜を形成することができる。
【0037】
また、請求項2に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、案内ベルトの幅をストリップ材Sの幅寸法より大きく構成したので、メッキ槽内においてメッキ液が裏面に回り込むのを効果的に防止すると共にストリップ材Sのガイドの役目を果たすことができる。したがって、ストリップ材Sの裏面端部がメッキされてしまうことを阻止すると共に、ストリップ材の蛇行による切断を防止することができる。
【0038】
また、請求項3に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、入側コンダクターロールの近傍に、前記案内ベルトに密着される前のストリップ材の前記案内ベルトと接する側面に純水を噴霧する純水噴霧ノズルを配設したので、金属箔ストリップ材Sの上面(非メッキ面)側にメッキ液が回り込むのを確実に防止できる。また、金属箔ストリップ材Sと案内ベルトとの間に水膜が形成されるので、両者の間に微小な同期ずれが生じた際に前記水膜が潤滑膜として機能し、金属箔ストリップ材Sの非メッキ面の傷の発生を防止することもできる。
【0039】
また、請求項4に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、メッキ槽内に、ストリップ材のメッキ処理面に向けてメッキ液を吐出するメッキ液吐出ノズルを配設したので、常に新たなメッキ液を流通させることとなり、金属箔ストリップ材Sの下面に、イオンリッチな新鮮なメッキ液を供給して、均質でかつ微細なメッキ膜を形成することができる。
【0040】
また、請求項5に記載の金属箔の表面メッキ装置のように、案内ベルトの巻回された第二のローラは、前記メッキ槽のメッキ液外に配設されたので、ストリップ材Sと案内ベルトとの密着がメッキ液外で行われるため、ストリップ材がメッキ液内に入る際のバタ付きを防止することができる。また、出側においてもストリップ材と案内ベルトとの剥離がメッキ液外で行われるので、ストリップ材と案内ベルトとの剥離を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属箔の表面メッキ装置の側面方向から見た縦断面図である。
【図2】同金属箔の表面メッキ装置の正面方向から見た縦断面図である。
【符号の説明】
M メッキ液
S 銅箔ストリップ材(金属箔ストリップ材)
10 金属箔の表面メッキ装置
11 メッキ槽
11a 越流堰
12 第一のローラ
13 第二のローラ
14 案内ベルト
15 アノード
15a アノードマスク
16 入側コンダクターロール
17 出側コンダクターロール
18 溢流パイプ
19 メッキ液吐出ノズル
20 純水噴霧ノズル
Claims (5)
- メッキ液を収容したメッキ槽内を電圧を印加したストリップ材を移動させることにより、前記ストリップ材の一面に連続的にメッキ処理を施す金属箔の表面メッキ装置であって、
前記メッキ槽内のメッキ液内に配置された第一のローラと前記メッキ槽の上端に配置された第二のローラとの間に巻回された案内ベルトと、
該案内ベルトの外側に対向配置されたアノードと、
前記メッキ槽の上に配設された入側コンダクターロールと、
前記メッキ槽の上に配設された出側コンダクターロールとを備え、
前記ストリップ材を入側コンダクターロールで偏向させた後、前記案内ベルトに沿って密着させた状態で前記アノードと対向しつつメッキ液内を移動させて、前記案内ベルトに密着していない面にのみメッキ処理を施すことを特徴とする金属箔の表面メッキ装置。 - 前記案内ベルトの幅は、前記ストリップ材の幅寸法より大きいことを特徴とする請求項1に記載の金属箔の表面メッキ装置。
- 前記入側コンダクターロールの近傍に、前記案内ベルトに密着される前のストリップ材の前記案内ベルトと接する側面に純水を噴霧する純水噴霧ノズルを配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の金属箔の表面メッキ装置。
- 前記メッキ槽内に、前記ストリップ材のメッキ処理面に向けてメッキ液を吐出するメッキ液吐出ノズルを配設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属箔の表面メッキ装置。
- 前記案内ベルトの巻回された第二のローラは、前記メッキ槽のメッキ液外に配設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属箔の表面メッキ装置。
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JP2009173952A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-08-06 | Nippon Mining & Metals Co Ltd | エッジオーバーコート防止装置及びそれを用いた電気めっき材の製造方法 |
JP2010236037A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Hitachi Cable Ltd | 銅箔のめっき方法及びそのめっき装置 |
JP2011202219A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 長尺導電性基板の電気めっき方法及びその装置、金属化ポリイミドフィルム及びその製造方法 |
JP2011246754A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 金属化樹脂フィルム基板の製造方法 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024378A patent/JP2004232063A/ja active Pending
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