JP2004231822A - アニオン性水溶性重合体分散液の製造方法 - Google Patents

アニオン性水溶性重合体分散液の製造方法 Download PDF

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由美 山野
Takumi Ohara
工 大原
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Abstract

【課題】塩水溶液中でアニオン性水溶性重合体を該塩水溶液に可溶なイオン性高分子分散剤共存下で、前記塩水溶液に不溶な重合体粒子を生成させる分散重合において、製造法が容易で純度が高く一定品質であるイオン性高分子分散剤を用いて、効率良く安定した分散液の状態で保存できる製造方法を開発する。
【解決手段】前記イオン性高分子分散剤がスルホン酸基を含有する水溶性高分子を酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子を使用することによって達成できる。
【選択図】 なし

Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、アニオン性水溶性重合体分散液の製造方法に関するものであり、詳しくはアニオン性単量体及びその塩を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子分散剤を共存させ前記塩水溶液に不溶な重合体粒子を生成させる分散重合法において、前記イオン性高分子分散剤がスルホン基を含有する水溶性高分子を酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子であることを特徴とするアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭62−5170号公報
【特許文献2】特開2002−302521号公報
高分子量のアニオン性水溶性高分子は、凝集剤など多岐にわたる用途に応用されている。たとえば、一般水処理剤として排水中の固液分離に使用され、カチオン性凝集剤と組み合わせて汚泥の脱水や製紙工業における歩留向上剤としても使用されている。さらに土木において、土壌の固化剤としても使用されている。これらアニオン性高分子製造方法として従来、以下のような重合方法が知られている。たとえば、水溶液重合法はペ−スト上製品として供給され、油中水型エマルジョン重合品は重合後、転相剤とよばれる親水性乳化剤を加えラテックスの形態で供給され、油中水型分散重合法は、粉末状製品を製造するため適用される場合が多く、30〜50重量%の単量体水溶液をそのまま重合しゲル状重合物をミ−トチョッパ−などで造粒後、直接乾燥する方法も粉末品の製造に応用されている。さらに最近では、ポリエチレングリコ−ル水溶液中に単量体を溶解し、重合させ、高分子中高分子分散液を製造する方法も行われているが(特許文献1)、この方法では、凝集剤として実用的性能のある高分子量のものは合成されていない。
【0003】
高重合度のアニオン性高分子が、高重合度のカチオン性高分子にくらべ塩水溶液中、分散重合法により合成することが難しいのは、一つには重合物を塩水中に析出させ、安定な分散液とすることである。カチオン性単量体の場合、ベンジル基や長鎖アルキル基のような疎水基を導入した単量体を合成すれば容易に塩水中に不溶な高分子が合成でき、また重合度も凝集剤として使用可能なものになる。アニオン性単量体の場合、それ自身分子内に疎水基を導入することが、難しいので疎水性単量体を共重合する方法が考えられるが、それら疎水性単量体を共重合すると重合度が高いものが得られない場合が多い。また、もう一つの要因として、原料として主に使用されるアクリル酸の分子量が、カチオン性単量体の分子量に較べ小さく溶液の重量濃度当たりの発熱量が非常に大きいことである。そのため、重合反応の制御が難しく、重合途中で反応物が塊状化してしまって安定な分散液を合成することができない。あるいは発熱量が大きいということは、重合温度の制御が容易でなく重合系の温度が、制御範囲から外れてしまい、生成したアニオン性水溶性高分子の重合度が低下してしまうことを意味する。そのため、重合速度を制御し、発熱を制御範囲内におさめ凝集剤グレ−ド品を合成することは重要な課題となっている。これを解決する方法のひとつには、分散剤を工夫することである。特許文献2には、メタクリル酸と2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体を分散剤とし塩水中で分散重合する方法が合成例中に記載されている。しかし、上記共重合体は、二つの単量体共重合性比が大きく異なることにより、一定品質の共重合体を合成することが難しいなど企業的規模で製造するには適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩水溶液中でアニオン性水溶性重合体を分散重合する場合、製造法が容易で純度が高く一定品質であるイオン性高分子分散剤を用いて、高分子量のアニオン性水溶性高分子を効率良く、安定した分散液の状態で保存できる製造方法を開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は、詳細な検討を行った結果、特定の分散剤を使用することにより、高分子量のアニオン性水溶性高分子を効率良く、安定した分散液の状態で保存できる製造方法を発見し本発明を完成させた。すなわち、本発明の請求項1の発明は、アニオン性単量体及びその塩を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子分散剤を共存させ前記塩水溶液に不溶な粒径100μm以下の重合体粒子を生成させる分散重合法において、前記イオン性高分子分散剤がスルホン基を含有する水溶性高分子を酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子であることを特徴とするアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法に関する。
【0006】
請求項2の発明は、前記低分子化高分子が、10〜60重量%の範囲で含有する3000mPa・s以上の水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により重合度を低下させることによって生成したものであることを特徴とする請求項1に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0007】
請求項3の発明は、前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0008】
請求項4の発明は、前記スルホン基を含有する水溶性高分子が、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸の重合体、あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸と(メタ)アクリルアミドとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0009】
請求項5の発明は、前記低分子化高分子の重量分子量が、1万〜100万であることを特徴とする請求項1〜3に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のアニオン性水溶性重合体分散液は、原料として使用するアニオン性単量体の10〜50モル%を中和し、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸及び/またはその塩の(共)重合体などを分散剤とし、その共存下、攪拌しながら重合することにより製造できる。重合開始は、2、2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩化水素化物、あるいはペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムを組み合わせたレドクッス系などを対単量体当たり約5〜100ppm、好ましくは5〜50ppm添加し、重合を開始することができる。開始剤は、多量に添加すると重合が速く進みすぎて制御が難しくなるので開始時の添加量は、少ないほうが好ましく、重合の後半で追加する方法を採用するが好ましい。開始温度は5〜50℃、好ましくは10〜30℃に設定し、低温でも開始可能なレドックス系開始剤を使用すると便利である。単量体濃度は20〜35重量%で行なうと制御がしやすく経済的にも効率良い。このように比較的低温で重合も緩やかに進行させると、分子量も500万〜1500万のものが生成し、凝集剤として十分使用に耐えるものが生成する。
【0011】
以下本発明を具体的に説明するが、初めに本発明で使用する塩水溶液に溶解するイオン性高分子分散剤について説明する。前記イオン性高分子分散剤は、スルホン基を含有する水溶性高分子を酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子を使用する。従来、低重合度高分子は、ビニル化合物の重合あるいは重縮合反応によって合成されている。このうちビニル化合物の重合による方法は、連鎖移動剤や重合開始剤を多量に共存させる、高温で重合するなどの方法が採られていた。一方、重縮合系高分子は、重合度的には、低分子量のものしか生成しないが、イオン性の面からはカチオン性のものが生成しやすく、重合度やイオン性など自由度は選択しにくい。従って、応用面を考慮するとビニル化合物の重合物が最も便利である。
【0012】
反応温度的に見ると、低重合度高分子は高温で重合するという処方が常識的であったし、重合の理論の一つにはかなっていた。高温で実施する根拠は、重合開始剤の分解速度が速いこと、連鎖移動反応が加速されることに基いている。その結果、重合度が低下する。ところが高温度で重合すると、側鎖活性基の変性などが起き、これを重合の分散剤として使用することは、好ましくない。また、連鎖移動剤を多量に添加して重合度を下げて合成した高分子は、これをそのまま使用すると、後の重合反応に影響を与えることは十分に予想される。
【0013】
そのため本発明においては、酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子を使用する。低分子化する原料となる水溶性高分子は、水溶液品あるいは粉末品など使用可能だが、純度が高いものが得られやすい粉末品を使用することが好ましい。具体的には、水溶性高分子を含有する粒状物としては、例えば水溶性高分子粉末を20〜60重量%の水分散液とした後、これに例えば過酸化水素水溶液を含浸させ、外部を一定の温度に保ち、無攪拌下、数時間から数日間、酸化反応させ分子を切断する。反応後は、流動性の良い低重合度高分子水溶液として得ることができる。
【0014】
反応温度は、反応初期は攪拌ができないので無攪拌であるが、外部温度によって反応速度が大きく影響されるので、速くおこなう場合は、外部温度を高めに設定し、ゆっくり行なう場合は、外部温度を低めに設定する。水溶性高分子の組成によっては、酸化反応を高くして行なうと副反応を起こし好ましくない場合がるので注意する。凡そ外部温度として5〜60℃、好ましくは20〜50℃である。
【0015】
低分子化するアニオン性高分子は、アニオン性単量体の重合体、あるいは非イオン性単量体との共重合によって合成されるものである。アニオン性単量体の例としては、スルホン酸基を有する単量体であり、スルホン酸基含有単量体の例は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などである。これらアニオン性高分子中のスルホン酸基のモル%としては、5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%であり、好ましくはスルホン酸基のモル%として50〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%である。
【0016】
また、原料として使用するスルホン酸基含有水溶性高分子の分子量としては、10万〜2000万である。また、酸化反応後の水溶性高分子の分子量は、1,000〜3,000,000であり、好ましくは10,000〜1,000,000である。これら高分子からなる分散剤の添加量としては、対単量体3〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。
【0017】
本発明のアニオン性水溶性重合体分散液を塩水溶液中で重合し製造する場合、使用する単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などである。また非イオン性の単量体との共重合体でも良が、その場合、単量体の例として(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられる。最も好ましい組み合わせとしては、アクリル酸とアクリルアミドである。高分子分散液を構成する高分子中のアニオン性単量体のモル比としては、2〜100モル%であるが、2〜70モル%がより製造しやすい。
【0018】
分散重合の条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては10〜60℃の範囲で行い、好ましくは20℃〜50℃で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。使用する開始剤は、水溶性あるいは油溶性アゾ系、過酸化物系、あるいはレドックス系開始剤などが使用できる。レドックス系開始剤としては、酸化性物質と還元性物質を組み合わせる。酸化性物質の例としては、ペルオクソニ硫酸アンモニウム、ペルオクソニ硫酸カリウム、過酸化水素などであり、還元性物質の例としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、チオ硫酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、トリエタノ−ルアミンあるいはテトラメチルエチレンジアミンなどであるが、このうちペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせが最も好ましい。
【0019】
油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0020】
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0021】
本発明のアニオン性水溶性重合体の分子量としては、200万〜2000万であり、好ましくは300万〜1500万であり、この範囲のものが最も製造しやすい。
【0022】
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、7重量%〜飽和濃度まで使用できる。
【0023】
本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法により製造されたアニオン性高分子に較べ、水に溶解した場合の見かけ粘度が非常に低い。たとえば、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドを30/70のモル比で含有する共重合体の場合、分子量約1300万で0.2重量%の水溶液の粘度は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法による重合物では、400〜800mPa・sであるのに対し、本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、20〜100mPa・sである。これは重合時共存させる無機塩類の影響もある。この現象は、塩水溶液中で生成した高分子を析出させながら重合していることも原因していると推定されるが、詳細な機構は未解明である。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0025】
(イオン性高分子分散剤合成例1)ビーカー中に35%過酸化水素水34.2g、蒸留水254.2を入れ均一溶液とし、この水溶液に粉末のスルホン酸基含有水溶性重合体(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体、分子量約300万)200gを投入し、おおよそ均一に分散した状態になるように攪拌し、均一な水溶液とした。この時、濃度は41.0重量%である。これをウォーターバス中で50℃に10日間保温し、濃度25%の均一なポリマー水溶液400gを得た。水溶液pHを4.5に調節した後、粉末の亜硫酸水素ナトリウム3.6g(対過酸化水素10モル%)を加え、未反応過酸化水素を消去した。静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定したところ約35万であった。これを分散剤−1とする。
【0026】
(イオン性高分子分散剤合成例2)ビーカー中に35%過酸化水素水34.2g、蒸留水254.2gを入れ均一溶液とし、この水溶液にスルホン酸基含有水溶性重合体(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム80モル%とアクリルアミド20モル%共重合体、分子量約450万)200gを投入し、おおよそ均一に分散した状態になるように攪拌すると、間もなくゲル状の塊となった。これをウォーターバス中で50℃に3日間保温し、濃度30%の均一なポリマー水溶液400gを得た。水溶液pHを5.5に調節した後、粉末の亜硫酸水素ナトリウム2.5g(対過酸化水素7モル%)を加え、未反応過酸化水素を消去した。溶液中のポリマーの平均分子量を測定したところ約50万であった。これを分散剤−2とする。
【0027】
(イオン性高分子分散剤合成例3)ビーカー中に35%過酸化水素水34.2g、蒸留水254.2gを入れ均一溶液とし、この水溶液にスルホン酸基含有水溶性重合体(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム30モル%、アクリル酸30モル%及びアクリルアミド40モル%共重合体、分子量約500万)200gを投入し、おおよそ均一に分散した状態になるように攪拌すると、間もなくゲル状の塊となった。これをウォーターバス中で50℃に3日間保温し、濃度30%の均一なポリマー水溶液400gを得た。水溶液pHを5.5に調節した後、粉末の亜硫酸水素ナトリウム2.5g(対過酸化水素7モル%)を加え、未反応過酸化水素を消去した。溶液中のポリマーの平均分子量を測定したところ約30万であった。これを分散剤−3とする。
【0028】
(イオン性高分子分散剤比較合成例1〜2)水溶液重合法により、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体(比較分散剤−1)及び2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム80モル%とアクリルアミド20モル%共重合体(比較分散剤−2)を調製した。重合度調節剤としてメタリルスルホン酸ナトリウム体単量体0.07重量%を添加し、20重量%水溶液にて、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物を対単量体0.04%添加、温度70℃一定で10時間重合して前記重合体を得た。分子量は各々、20万(比較分散剤−1)及び30万(比較分散剤−2)である。
【0029】
【実施例1】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウム44.7g、60%アクリル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。この中にイオン性高分子分散剤合成例1で調製した低分子化2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体(分散剤−1)25重量%水溶液15.6g(対単量体6.0%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で0.6g(対単量体、9.4ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後3時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ1.8g追加し15時間で反応を終了した。この試作品を試作−1とする。この試作−1のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、粘度は240mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また重量平均分子量を測定した。組成を表1、結果を表2に示す。
【0030】
【実施例2】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウム44.7g、60%アクリル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。この中にイオン性高分子分散剤合成例1で調製した低分子化2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体(分散剤−1)25重量%水溶液15.6g(対単量体6.0%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物0.3g(対単量体50ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後6時間たったところで前記開始剤を0.3g追加し、15時間で反応を終了した。この試作品を試作−2とする。この試作−2のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、粘度は450mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。組成を表1、結果を表2に示す。
【0031】
【実施例3】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウム44.7g、60%アクリル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。この中にイオン性高分子分散剤合成例2で調製した低分子化2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとアクリルアミド共重合体(分散剤−2)25重量%水溶液19.5g(対単量体7.5%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で0.6g(対単量体、9.4ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後3時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ1.8g追加し15時間で反応を終了した。この試作品を試作−3とする。この試作−3のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、粘度は280mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。組成を表1、結果を表2に示す。
【0032】
【実施例4〜8】
実施例1〜3と同様な操作により、表1に示す組成とイオン性高分子分散剤の添加率によりアニオン性水溶性重合体分散液を製造した。重合後の結果は表2に示す。
【0033】
【比較例1】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウム44.7g、60%アクリル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。この中にイオン性高分子分散剤比較合成例1で調製した2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体(比較分散剤−1)20重量%水溶液19.5g(対単量体6.0%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で0.6g(対単量体、9.4ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後3時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ1.8g追加し15時間で反応を終了した。この試作品を試作−1とする。この試作−1のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、粘度は240mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また重量平均分子量を測定した。組成を表1、結果を表2に示す。
【0034】
【比較例2〜4】
比較例1と同様な操作により、表1に記載した比較分散剤と単量体組成によりアニオン性水溶性重合体分散液を製造した。結果は表2に示す。
【0035】
【表1】
Figure 2004231822
AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、AMP:アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、単量体の比率はモル%、分散剤添加率;対単量体重量
【0036】
【表2】
Figure 2004231822
分散液粘度:mPa・s、

Claims (5)

  1. アニオン性単量体及びその塩を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子分散剤を共存させ、前記塩水溶液に不溶な粒径100μm以下の重合体粒子を生成させる分散重合法において、前記イオン性高分子分散剤としてスルホン酸基を含有する水溶性高分子を酸化反応により重合度を低下させることによって生成した低分子化高分子を使用することを特徴とするアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法。
  2. 前記低分子化高分子が、10〜60重量%の範囲で含有する3000mPa・s以上の水溶液あるいは粒状物に酸化剤水溶液を混合・含浸させ、酸化反応により重合度を低下させることによって生成したものであることを特徴とする請求項1に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法。
  3. 前記酸化反応を実質的に無攪拌下で行なうことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法。
  4. 前記スルホン酸基を含有する水溶性高分子が、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸の重合体、あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸と(メタ)アクリルアミドとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法。
  5. 前記低分子化高分子の重量平均分子量が、1,000〜100万であることを特徴とする請求項1〜3に記載のアニオン性水溶性重合体分散液の製造方法。
    【0001】
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