JP2004231674A - 感圧性接着シートの製造装置および感圧性接着シートの製造方法 - Google Patents

感圧性接着シートの製造装置および感圧性接着シートの製造方法 Download PDF

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等 高比良
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徹夫 岸本
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Abstract

【課題】少ない管状ランプであっても効率よく光を照射し、生産性の高い感圧性接着シートの製造装置および製造方法を提供する事を目的としている。
【解決手段】支持体3を移動させながら、この支持体上に設けられた光硬化性組成物2に向けて管状ランプ5から光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置および製造方法において、
管状ランプ5が支持体3の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプ5を覆うように反射板が配置されている光照射部を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置および製造方法。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状、フィルム状の支持体の表面に設けられた光硬化性組成物に光を照射して硬化させて感圧性接着剤層を得ることを特徴とする感圧性接着シートの製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状、フィルム状などの支持体の上に光硬化性組成物を適宜の厚さに塗工し、塗工後の光硬化性組成物を光照射により硬化させて感圧性接着シートを製造する装置が知られている。光照射により硬化させて得られる感圧性接着シートは、耐候性、耐熱性、耐薬品性などに優れているばかりでなく、昨今問題となっている大気汚染の原因となる有機溶剤を使用する事無く製造する事ができるという利点がある。
【0003】
光照射による感圧性接着シートの製造装置では、生産効率を上げる為に、光照射部を長くして生産速度を上昇させる手法がとられる。このため従来、図6に示すような管状ランプを支持体の移動方向に対して垂直方向に複数本配置し、光照射部を構成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また図7に示すような複数の管状ランプを支持体の移動方向に並行に並列させることを特徴とする紫外線照射装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら例えば図6の照射装置には、支持体の幅方向での照度にばらつきが生じるという問題があり、このため幅方向での光重合組成物の重合率や分子量がばらつき、接着特性に影響を及ぼすという問題があった。また例えば図7の照射装置では、照射部を長くするためには管状ランプが数多く必要となり、イニシャルコストやランニングコストが増加し、またランプの管理も煩雑になるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−20706号公報(第1図)
【特許文献2】特開平7−275775号公報(特許請求の範囲、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の状況に鑑み、少ない管状ランプであっても効率よく光を照射し、生産性の高い感圧性接着シートの製造装置および製造方法を提供する事を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、支持体を移動させながら、この支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、
管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されている光照射部を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されることにより、少ない本数の管状ランプで光照射部を長く取ることができ、かつ反射板の使用により支持体の幅方向に均一に光を分散させることが可能となる。その結果、管状ランプの使用本数を減らせるため、イニシャルコストやランニングコストを抑えることができ、またランプの管理も簡便に行える。また支持体の幅方向においても光が均一に照射されることにより、重合率が均一で特性が安定した感圧性接着シートを製造することが出来る。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の移動方向に0〜100mmの間隔を隔てて複数本直列状に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、管状ランプの支持体の移動方向への配置が所定間隔となるよう規定されているので、支持体の流れ方向の光の照射を均一とすることが可能となる。これにより目的とする照度で均一に照射可能になるため、重合時間の短縮が可能である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の移動方向にランプの発光長の30%以下の重なりを保って複数本直列状に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、管状ランプの支持体の移動方向への配置が所定間隔で重なり合うよう配置されているので、光強度が弱く低照度となりがちな管状ランプ端部からの光の照射領域は照度が増し、支持体の流れ方向の光の照射を均一とすることが可能となる。これにより目的とする照度で均一に照射可能になるため、理想に近い光量を得ることができ重合時間の短縮が可能である。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の幅方向に支持体幅長の20%以下の間隔を保って複数本直列状に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、管状ランプの幅方向への配置が所定間隔となるよう規定されているので、支持体の幅方向の光の照射を均一とすることが可能となる。これにより幅方向での光重合組成物の重合率や分子量を均一にすることができ接着特性のばらつきを抑えることが可能である。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記支持体の両側から前記管状ランプの光を照射するよう支持体の両側に前記光照射部を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、支持体の両側から管状ランプの光を照射するので、遮光性の高い支持体を用いた場合であっても一回の照射で両面の感圧性接着シートを製造することが可能である。
【0017】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜5記載の感圧性接着シートの製造装置において高圧放電型の管状ランプを用いることを特徴とするものである。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、管状ランプに高圧放電型の管状ランプを用いるので、一本で高い出力が得られ、より少ない本数の管状ランプで支持体全体を均一に照射することができる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、支持体を移動させながら、この支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、
管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されている光照射部から光を照射し光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得ることを特徴とする感圧性接着シートの製造方法である。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されるので、少ない本数の管状ランプで光照射部を長く取ることができ、イニシャルコストやランニングコストを抑えることができ、またランプの管理も簡便に行える。また反射板の使用により支持体の幅方向に均一に光を分散させることが可能となるので支持体の幅方向においても光が均一に照射されることにより、重合率が均一で特性が安定した感圧性接着シートを製造することが出来る。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の感圧性接着シートの製造方法であって、支持体の両面に光硬化性組成物を設け、支持体の両側からこの支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得ることを特徴とする感圧性接着シートの製造方法である。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、支持体の両面に光硬化性組成物を設け、支持体の両側から管状ランプの光を照射するので、一回の照射で両面の感圧性接着シートを製造することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る感圧性接着シートの製造装置における光照射部の一例を示した断面図、図2は、光照射部の側面図、図3および図4は、光照射部における管状ランプの配置関係を示した概略平面図である。
【0024】
本実施例に係る光照射部1は、図1および図2に示すように、表面に光硬化性組成物2が設けられたシート状,テープ状あるいはフィルム状などの支持体3が搬送(移動)される搬送機構の上方に前記支持体の移動方向と平行となる向きで支持体の中央近傍の上方に管状ランプ5が配置され、当該管状ランプ上方周辺に反射板6が配置された構成としている。
【0025】
具体的には、支持体3の移動方向に平行かつ支持体の中央近傍の上方に複数本の管状ランプ5を直列状に配置している。本実施例の管状ランプ5の配列は、前後関係にある管状ランプ5が支持体の中央近傍で概略直列状に配置されていれば良く、必ずしも支持体中心線上に直線的に配置される必要はない。また配置される管状ランプ5の本数は特に限定されるものではなく、2本以上配置することができる。複数本の管状ランプ5を配置し光照射部を長く設けることで、支持体3の移動速度を上げることができ、生産性を向上させることができる。
【0026】
本実施例では前後2本の管状ランプ5は、図3に示すように所定の間隔を隔てて管状ランプ5を配置してもよい。管状ランプ間の間隔aが広くなると、管状ランプ間に照度の低い部分が生じてしまい支持体の移動方向の照度の均一性が著しく低下し、目的とする照度で均一に照射が困難となる。従って所定の間隔を隔てて管状ランプ5を配置する場合は、管状ランプ間の間隔aは0〜100mm、好ましくは0〜50mm、更に好ましくは0〜30mmの間隔を隔てて配置されることが望ましい。
【0027】
また本実施例では図4に示すように所定の重なりbを保って管状ランプ5が配置されても構わない。このように管状ランプ5を配置することで、光強度が弱く低照度となりがちな管状ランプ端部からの光の照射領域は照度が増し、支持体の流れ方向の光の照射を均一とすることが可能となる。つまり、前後2本の管状ランプ5の光強度の弱い両端部分近くから光硬化性組成物2に向けて光が照射される低照度の領域を互いに重ね合わせ、管状ランプ両端の電極部分の下方にある照射領域を管状ランプ中央部分の照射領域の照度と略同一となるようにしている。これにより目的とする照度で均一に照射可能になるため、理想に近い光量を得ることができ重合時間の短縮が可能である。一方管状ランプ同士の重なりbが広くなると、重なり合った部分に照度の高い部分が生じてしまい、この場合も支持体の移動方向の照度の均一性が著しく低下し、目的とする照度で均一に照射が困難となる。従って、所定の重なりを保って管状ランプ5が配置される場合は、管状ランプ間の重なりbは用いる管状ランプの発光長の30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下の重なりを保って配置されることが望ましい。
【0028】
上述のように管状ランプ5を所定の重なりbを保って配置する場合、管状ランプ5は支持体の幅方向に間隔cを保って配置される。この場合、管状ランプ5の間隔cが広くなりすぎるとランプ間に照度の低い部分が生じてしまい支持体の幅方向の照度の均一性が著しく低下し、目的とする照度で均一に照射が困難となる。従って所定の間隔を隔てて管状ランプ5を配置する場合は、管状ランプ間の間隔cは支持体幅長の20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下の間隔cを保って配置されていることが望ましい。このように、管状ランプ5の幅方向への配置が所定間隔となるよう規定することで支持体の幅方向の光の照射を均一とすることが可能となる。これにより幅方向での光重合組成物の重合率や分子量を均一にすることができ接着特性のばらつきを抑えることが可能である。
【0029】
なお重なり合う管状ランプ5は、支持体の中心線を挟んで左右均等な位置に配置されることが好ましい。すなわち距離cを10mmとする場合であれば、支持体の中心線から左右5mmの位置に、それぞれ管状ランプ5を配置することが好ましい。
【0030】
なお、上述の管状ランプ5を配置する設定条件である距離a、距離bおよび距離cは、使用するランプの種類、ランプから搬送機構上の光硬化性組成物2までの距離(高さ)などに応じて適宜に設定変更される。本実施例において光硬化性組成物2から管状ランプ5までの高さは、50mm以上に設定されている。この高さとしては、好ましくは100〜2000mmである。特に管状ランプ5に高圧放電型ランプを用いる場合は、300〜1500mm、好ましくは400〜1000mm、低圧放電型ランプを用いる場合は、50〜500mm、好ましくは100〜400mmである。管状ランプ5の高さが50mm未満では、光硬化性組成物への照度を均一に保つことができない場合がある。
【0031】
この光照射部1における管状ランプ5としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの高圧放電型ランプや、ケミカルランプ、ブラックランプ、殺菌ランプなどの低圧放電型ランプなどを用いる事ができ、高圧放電型ランプと低圧放電型ランプとを組み合わせても使用することができる。特に本発明においては、支持体全体を均一に照射するために、高出力の管状ランプを用いることが好ましく、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの高圧放電型ランプは賞用される。
【0032】
反射板6は管状ランプ5の上方周辺に配置され、支持体3の幅方向の照度を均一にする目的で配置される。本実施例に使用する反射板6は、光を反射する材料であれば特に限定されず、例えばガラス板、アルミ板、ステンレス板等を用いる事が出来る。また照度を均一にするようその形状を加工されており、また反射板の表面に微小な凹凸を施すこともできる。
【0033】
本実施例においては、管状ランプ5からの光を支持体に均一に照射することが重要であり、これにより理想に近い光量を光硬化性組成物に照射することができ重合時間の短縮が可能である。また幅方向での光重合組成物の重合率や分子量を均一にすることができ接着特性のばらつきを抑えることが可能である。従って、支持体上で測定される光の照度のばらつきは、30%以内、好ましくは20%以内であることが好ましい。30%以上のばらつきが生じると、重合率や粘着特性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0034】
次に、上述の光照射部1を用いて感圧性接着シートの製造が可能な製造装置の一実施形態について図5を参照しながら説明する。本実施例では、両面に感圧性接着剤層を設けた感圧性接着シートを製造する場合を例に採って説明する。なお、光照射部1については、上述しているので、構成の詳細な説明は省略する。図5は、感圧性接着シート製造装置の概略構成を示した側面図である。
【0035】
本実施例に係る感圧性接着シートの製造装置は、図5に示すように、シート状、テープ状あるいはフィルム状などの支持体3を繰り出し供給する支持体供給ロール11と、この支持体供給ロール11から繰り出された支持体3に光硬化性組成物2を所定の厚さに塗工する塗工部12と、支持体3に塗工された光硬化性組成物2に光を照射するための光照射装置1と、支持体3から後述する光透過性フィルムである剥離ライナー13を剥離する剥離部14と、光硬化組成物2が塗工された支持体3を巻き取る支持体巻き取り部15とから構成されている。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0036】
支持体3は特に限定されるものではなく、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルムなどのプラスチックフィルムや、不織布、織布、紙、ウレタンフォームなどが用いられる。
【0037】
また剥離ライナー13は、光を透過する基材、例えばポリエステルフィルムにシリコーン系剥離処理剤のような剥離処理剤を塗工して剥離処理したものを用いる事ができる。
【0038】
また光硬化性組成物2は、光照射により硬化して感圧性接着剤となるものであり、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系などの光硬化性組成物が用いられる。これらの中でもアクリル系の光硬化性組成物が特に好ましく用いられ、例えばアクリル系モノマーとその一部重合物と光重合開始剤とを含有するものを挙げることができる。
【0039】
塗工部12は、支持体供給ロール11から繰り出された支持体3に光硬化性組成物2を、その支持体3の幅方向に所定幅で、所定厚さとなるように支持体3の表面および裏面の両面に塗工するためのものである。この塗工部12は、例えば、支持体3の表面側および裏面側のそれぞれには、剥離ライナー13を繰り出し供給する剥離ライナー供給ロール16と、この剥離ライナー供給ロール16から繰り出された剥離ライナー13に光硬化性組成物2を塗布するためのリップコータ17と、光硬化性組成物2が塗布された剥離ライナー13を支持体2の裏面に搬送するためのバックアップロール18とを備えている。
【0040】
また、塗工部12は、光硬化性組成物2を塗布した剥離ライナー13を、支持体3の両面にほぼ同時に貼り合わせるように、コーティングロール19(19a、19b)を支持体3の表面および裏面の同じ箇所に備えている。
【0041】
なお、塗工部12の構成は、上述したようなリップコータ17に限定されるものではなく、ダイコータ、コンマコータ、リバースコータ、およびグラビアコータなどの他の塗工方式のものであっても良く、光硬化性組成物2の厚み調整の手法も各塗工方式に合わせて適宜に変更実施することが可能である。
【0042】
光照射部1は、支持体3の表面に塗工された光硬化性組成物2に光を照射するためのものである。したがって、本実施例装置の場合、図5に示されるように、支持体3の両面に塗工された光硬化性組成物2に向けて光を照射するように、支持体3を挟んで上下方向のそれぞれに光照射部1が配備されている。
【0043】
なお図示していないが、管状ランプ5からの放射熱を防ぐため、および光硬化性組成物2の硬化に伴う発熱を冷却するため、適宜冷却装置を設け、支持体3及び光硬化性組成物2を冷却することもできる。
【0044】
剥離部14は、支持体3の表面側にある剥離ライナー13と、支持体3および裏面側にある剥離ライナー13とを剥離するように剥離ロール20を支持体3の表面および裏面の同じ箇所に備えているとともに、剥離された表面側の剥離ライナー13を巻き取る巻き取りロール21を備えている。
【0045】
剥離部14の剥離ロール20によって剥離された、支持体3の表面側にある剥離ライナー13は巻き取りロール21によって巻き取られるとともに、支持体3および裏面側にある剥離ライナー5は支持体巻き取り部15によって巻き取られる。この際、巻きズレを防ぐために巻き取り補正装置を配設するのが望ましい。支持体3の表面側にある剥離ライナー13が支持体3より剥離されることで、支持体3の両面には、光硬化性組成物2から光照射によって光硬化された感圧性接着剤が塗布され、さらに支持体1の裏面側には剥離ライナー13が貼り合わされた状態となる。
【0046】
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
【0047】
上述した感圧性接着シートの製造装置では、両面の接着シートを製造する場合を例に採って説明したが、両面接着シートに限定されず、支持体3の両面のいずれか一方に光硬化性組成物2を塗工して感圧性接着シートを形成するようにしてもよい。
【0048】
また、上述の実施例装置では、光硬化性組成物2を塗布した剥離ライナー13を支持体3に貼り合わせて光硬化性組成物2を塗工する形態を例に採って説明したが、次のような形態であってもよい。
【0049】
ダイコータなどを利用して供給される支持体3の面上に光硬化性組成物2を直接に塗工し、光照射部1によって光硬化性組成物2を硬化させた後に、剥離ライナー13を光硬化性組成物2の表面に貼り合せるようにしてもよい。
【0050】
上述した感圧性接着シート製造装置は、光照射部1により光硬化性組成物2を光硬化した後に巻き取り回収していたが、光照射部1の後段に冷却手段、例えばエアーを支持体3の表面に吹き付けるように構成し、支持体3を冷却した後に巻き取り回収するようにしてもよい。
【0051】
次に上記のように構成され感圧性接着シート製造装置により、感圧性接着シートとして、例えば、光透過性フィルムを剥離ライナーとして使用する両面感圧性接着シートを製造する製造工程について、以下に説明する。
【0052】
まず、支持体供給ロール11から支持体3を供給するとともに、支持体3の表面側および裏面側のそれぞれに向けて剥離ライナー供給ロール16から剥離ライナー13を供給する。表面側(図5では上方側)および裏面側(図5では下方側)において、1組のダイコータ(リップコータ17)は、支持体3の表面側と裏面側に貼り合わされる剥離ライナー13のそれぞれに対して、光硬化性組成物2をその剥離ライナー13の所定の幅で、なおかつ、所定の厚さとなるように塗工する。このように光硬化性組成物2が塗工された剥離ライナー13は、移動方向(矢印a方向)に移動されてコーティングロール19(19a、19b)へと搬送される。
【0053】
上方から供給された剥離ライナー13は、コーティングロール19a、19bにより上下方向から同時に把持され、光硬化性組成物2が塗布された剥離ライナー13を支持体1の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせる。剥離ライナー13が両面に貼り合わされた支持体3は、移動方向(矢印a方向)に移動されて光照射部1の配備箇所へと搬送される。
【0054】
光照射部1は、支持体3と支持体3の両面にそれぞれ貼り合わされた剥離ライナー13との間に塗工された光硬化性組成物2に対して、光を照射する。具体的には、光硬化性組成物2が塗布された剥離ライナー13が両面にそれぞれ貼り合わされた支持体3は、コーティングロール19から巻き取りロール21までを移動方向(矢印a方向)に移動する。この移動過程で、支持体3の上下方向に配備された複数本の管状ランプ5により支持体3の両面のそれぞれに向けて光(紫外線)が連続的に照射される。光照射を受けた光硬化性組成物2は、光硬化反応により光反応生成物層となる。
【0055】
光の照射が終了した後に、剥離ロール20は、支持体3の表面側にある剥離ライナー13と、支持体3および裏面側にある剥離ライナー13とを剥離する。剥離された支持体3の表面側にある剥離ライナー13は巻き取りロール21によって巻き取られるとともに、支持体3および裏面側にある剥離ライナー13は支持体巻き取り部15によって巻き取られる。支持体巻き取り部15によって巻き取られる際には、支持体3の裏面側にある剥離ライナー13が剥離ライナーとなる。
【0056】
以上により、ロール状に巻き取られた感圧性接着シートが形成される。
【0057】
次に、図5に示した装置と同等の構成を有する装置を用いて得られた感圧性接着シートの具体例を示す。
【0058】
本具体例では、図3および図4に示す光照射装置1を利用し、以下の条件に基づいて感圧性接着シートを得る実験を行った。
【0059】
なお光硬化性組成物の重合率は、硬化後の組成物の初期重量と、このサンプルを130℃×2時間乾燥後の重量の比より算出した。
【0060】
(具体例1)
光硬化性組成物は、アルキリアクリレート単体を主成分とする主単量体としての2−エチルヘキシルアクリレート90重量部、極性基含有の共重合性単量体アクリル酸10重量部に、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.2重量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露することによって部分的に光重合したシロップを得た。この部分重合したシロップ100重量部に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.3重量部を、均一に混合し、光硬化性組成物を得た。
【0061】
この光硬化性組成物の厚さが50μmになる様、シリコーン処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工幅500mmとなるようリップコータにより塗布した後、支持体である両面にシリコーン処理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム(600mm幅)と貼り合せ、光照射を行った。なお塗工速度は、10m/minとした。
【0062】
光照射装置1における管状ランプ5には、東芝ライフテック株式会社製の高圧水銀ランプ(出力30W/cm,発光長1400mm)を使用した。これを図3において、aを5mmとなるよう、6本の管状ランプを配置し、アルミ製反射板を設置して各ランプ直下の照度が20mW/cmとなるよう調整を行った。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは30%以内であった。上記条件に基づいて感圧性接着シートを製造した。その結果、光硬化性組成物の重合率は93%であった。
【0063】
(具体例2)
管状ランプの配置を、図3においてaを50mmとなるよう、6本の管状ランプを配置した以外は、具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは30%以内であった。その結果、光硬化性組成物の重合率は93%であった。
【0064】
(具体例3)
管状ランプの配置を、図4においてbを140mm(発光長の10%)、Cを5mm(支持体幅の0.8%)となるよう、7本の管状ランプを配置し、各ランプ直下の照度が20mW/cmとなるよう調整を行った。これ以外は具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは20%以内であった。その結果、光硬化性組成物の重合率は94%であった。
【0065】
(具体例4)
管状ランプの配置を、図4においてbを210mm(発光長の15%)Cを50mm(支持体幅の8.3%)となるよう、7本の管状ランプを配置し、各ランプ直下の照度が20mW/cmとなるよう調整を行った。これ以外は具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは30%以内であった。その結果、光硬化性組成物の重合率は95%であった。
【0066】
(具体例5)
管状ランプの配置を、図4においてbを350mm(発光長の25%)Cを80mm(支持体幅の13.3%)となるよう、7本の管状ランプを配置し、各ランプ直下の照度が20mW/cmとなるよう調整を行った。これ以外は具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは30%以内であった。その結果、光硬化性組成物の重合率は96%であった。
【0067】
(比較例1)
管状ランプの配置を、図6のように7本の管状ランプを等間隔(200mm幅)に配置した。これ以外は具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは30%以上であり、特に支持体両端部付近での照度が低下していた。その結果、支持体中心部の光硬化性組成物の重合率は94%であったが、両端部での重合率は80%と低くなっていた。
【0068】
(比較例2)
管状ランプの配置を、図7のように6本の管状ランプを配置した(200mm間隔で3本並列に配置し、これを2列配置)。これ以外は具体例1と同様にして感圧性接着シートを製造した。この時支持体上で測定される光の照度のばらつきは、30%以上であり、特にランプ間での照度が低下していた。その結果、ランプ直下の光硬化性組成物の重合率は95%であったが、ランプ間の光硬化性組成物の重合率は75%と低くなっていた。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されることにより、少ない本数の管状ランプで光照射部を長く取ることができ、かつ反射板の使用により支持体の幅方向に均一に光を分散させることが可能となる。その結果、管状ランプの使用本数を減らせるため、イニシャルコストやランニングコストを抑えることができ、またランプの管理も簡便に行える。また支持体の幅方向においても光が均一に照射されることにより、重合率が均一で特性が安定した感圧性接着シートを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光照射部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る光照射部を示す側面図である。
【図3】本発明に係る管状ランプの配置関係を説明した平面図である。
【図4】本発明に係る管状ランプの配置関係を説明した平面図である。
【図5】本発明に係る粘着シート製造装置の概略構成を示した側面図である。
【図6】従来の管状ランプの配置関係を説明した平面図である。
【図7】従来の管状ランプの配置関係を説明した平面図である。
【符号の説明】
1:光照射部
2:光硬化性組成物
3:支持体
5:管状ランプ
11:支持体供給ロール
12:塗工部
13:剥離部
15:支持体巻き取り部

Claims (8)

  1. 支持体を移動させながら、この支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、
    管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されている光照射部を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。
  2. 請求項1記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の移動方向に0〜100mmの間隔を隔てて複数本直列状に配置されていることを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。
  3. 請求項1記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の移動方向にランプの発光長の30%以下の重なりを保って複数本直列状に配置されていることを特徴とする感圧接着性シートの製造装置。
  4. 請求項2または3記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記管状ランプが前記支持体の幅方向に支持体幅長の20%以下の間隔を保って複数本直列状に配置されていることを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。
  5. 請求項1〜4記載の感圧性接着シートの製造装置において、前記支持体の両側から前記管状ランプの光を照射するよう支持体の両側に前記光照射部を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。
  6. 高圧放電型の管状ランプを用いることを特徴とする請求項1〜5記載の感圧性接着シートの製造装置。
  7. 支持体を移動させながら、この支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、
    管状ランプが支持体の移動方向に平行となる向きで支持体の中央近傍に複数本直列状に配置され、管状ランプを覆うように反射板が配置されている光照射部から光を照射し光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得ることを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。
  8. 請求項7記載の感圧性接着シートの製造方法であって、支持体の両面に光硬化性組成物を設け、支持体の両側からこの支持体上に設けられた光硬化性組成物に向けて管状ランプから光を照射し、光硬化性組成物を硬化させて感圧性接着剤層を得ることを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009262050A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 紫外線照射装置

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