JP2004231233A - 情報記録機能付き載置トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】物品及びトレイに関する情報の読取り及び書込み、物品の内部項目を計測する作業が正確且つ確実に行える情報記録機能付き載置トレイを提供する。
【解決手段】載置トレイ10を構成するトレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の孔部11a,14a,15aを介して、照明装置30から投光される検出光を載置部13に載置された果菜物Aに照射し、果菜物A内部を透過した透過光を撮像カメラ26で撮像すると共に、その画像情報に基づいて、果菜物Aの内部項目を項目判定装置28で判定する。且つ、情報通信装置27を記録媒体14に対峙して、果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を記録媒体14に記録する。仕分け時において、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を情報通信装置27で読取り、果菜物Aを項目別に仕分け処理する。
【選択図】 図10
【解決手段】載置トレイ10を構成するトレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の孔部11a,14a,15aを介して、照明装置30から投光される検出光を載置部13に載置された果菜物Aに照射し、果菜物A内部を透過した透過光を撮像カメラ26で撮像すると共に、その画像情報に基づいて、果菜物Aの内部項目を項目判定装置28で判定する。且つ、情報通信装置27を記録媒体14に対峙して、果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を記録媒体14に記録する。仕分け時において、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を情報通信装置27で読取り、果菜物Aを項目別に仕分け処理する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばミカンやリンゴ、トマト、柿、梨、桃、胡瓜、茄子、人参、芋、ネギなどの農作物(果菜物を含む)、魚介類、球技用ボール、食品、部品等の物品を載置するときに用いられる情報記録機能付き載置トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の物品を仕分け処理する方法及び装置としては、例えば受皿に載置された被選果物の所定項目を読取り計測手段で読取り、その読取り情報に基づいて、被選果物の所定項目を演算処理手段で個々に判定する。且つ、受皿に付設した発信装置から発信される固有情報を受信装置で受信して、上述の仕分け情報を、受皿の固有情報と対応させて演算処理手段に記憶する。仕分け時において、受皿の発信装置から発信される固有情報を受信装置で受信すると共に、その固有情報と対応して演算処理手段に記憶された仕分け情報を読出して、被選果物を項目別に仕分け処理する特許文献1の選別装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特願第2730765号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の受皿側面に付設された発信装置を受信装置に対峙する場合、発信装置及び受信装置の向きや高さ、位置がずれていると、情報を読取ったり、書込んだりする作業が正確に行えず、仕分けミスが多くなるため、受皿を、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置しなければならず、発信装置の付設及び受信装置の設置に高い精度が要求されるため、各装置の点検作業及び設置作業に手間が掛かる。
【0005】
且つ、受皿に付設された発信装置は、受皿を識別する固有情報だけしか発信しないため、被選果物の仕分け情報を記録及び固有情報を変更する機能がなく、バーコードと略同一の目的及び用途のみに限られる。且つ、受皿に付設した発信装置が発信する固有情報を受信装置で受信して、その受信装置から出力される受皿の固有情報と対応して記憶された仕分け情報を演算処理手段から読出して、被選果物を項目別に仕分け処理するので、演算処理手段に記憶される情報量が多くなるほど、仕分け情報の処理速度が遅くなり、作業能率が悪くなる。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、物品及びトレイに関する情報を該トレイの底面側中央部に付設した情報記録手段に記録し、該物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段で検出することにより、物品及びトレイに関する情報の読取り及び書込み、物品の内部項目を計測する作業が正確且つ確実に行える情報記録機能付き載置トレイの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、物品内部を透過する検出光が該物品に対して照射され、該物品内部を透過した透過光が検出される状態に載置する載置トレイであって、上記物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報が読取り可能に記録される情報記録手段を、上記トレイの底面側中央部に付設すると共に、上記物品下面に対して検出光が照射許容される孔部を、上記トレイ及び情報記録手段の略中心部に連通して形成した情報記録機能付き載置トレイであることを特徴とする。
【0008】
上述の物品は、例えばミカンやリンゴ、トマト、柿、梨、桃、胡瓜、茄子、人参、芋、ネギなどの農作物(果菜物を含む)、魚介類、球技用ボール、食品、部品等で構成することができる。また、物品が載置される載置トレイは、例えばフリーのトレイや受け皿、パン、カップ等で構成することができる。且つ、トレイは、例えばトレイ本体や載置部、緩衝部材等で構成することができる。
【0009】
また、物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報を読取り可能に記録する情報記録手段は、例えばIDタグやIDカード、データキャリア等の非接触型の記録媒体、磁気テープや磁気ストライプ、ICカード等の磁気記録体で構成することができる。また、情報を読取り及び書込むための情報通信手段は、例えばIDタグアンテナや磁気情報読取りヘッド等の非接触型の情報通信装置で構成することができる。
【0010】
また、物品内部を透過する検出光を照射する検出光照射手段は、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、紫外線ランプ、蛍光灯、白熱灯等の照明装置で構成することができる。また、物品内部を透過した透過光を検出する透過光検出手段は、例えばモノクロ及びカラーの撮像カメラ(CCDカメラ)、ディジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学的検出手段で構成することができる。また、項目判定手段は、例えばパーソナルコンピューターやCPU、ROM、RAMを備えた制御装置等で構成することができる。
【0011】
つまり、検出光照射手段(例えば照明装置)から投光される検出光を、トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を介して、トレイに載置された物品(例えば果菜物)に対して下方から略鉛直方向に照射する。且つ、物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段(例えば撮像カメラ)で上方から検出すると共に、透過光検出手段から出力される検出情報に基づいて、物品内部の所定項目(例えば糖酸度や空洞の有無、成熟度等)を項目判定手段(例えば項目判定装置)で判定する。且つ、情報通信手段(例えば非接触型の情報通信装置)を、トレイの底面側中心部に付設した情報記録手段(例えば非接触型の記録媒体)に対峙して、項目判定手段の仕分け情報及びトレイの識別情報(固有情報)を対応させて情報記録手段に記憶する。且つ、仕分け時において、情報通信手段をトレイの情報記録手段に対峙して、情報記録手段に記録された仕分け情報及び識別情報を読取り、その読取り情報に基づいて、トレイに載置された物品を項目別に仕分け処理する。
【0012】
実施の形態として、上記トレイに付設した情報記録手段を、該情報記録媒体に対峙される情報通信手段と対向して設けることができる。また、上記トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を、上記物品下面に対して検出光を下方から照射する検出光照射手段及び該物品内部を透過した透過光を上方から検出する透過光検出手段と対向して設けることができる。また、上記情報記録手段を、上記情報が読取り可能及び書込み可能に記録される非接触型の記録媒体で構成することができる。また、上記情報通信手段を、上記情報記録手段に記録された情報を読取り及び該情報を書込みする非接触型の情報通信装置で構成することができる。
【0013】
【作用及び効果】
この発明によれば、物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報を、トレイの底面側中央部に付設された情報記録手段に記録するので、従来例のようにトレイを、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置する必要がなく、トレイの向きが変位しても、情報の読取り及び書込みが正確且つ確実に行える。且つ、情報を搬送しながら連続して読取ったり、書込んだりすることができ、物品を項目別に仕分けする作業の能率アップを図ることができる。且つ、トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を介して、物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段により検出するので、その検出情報(画像情報)に基づいて、物品の内部項目を正確且つ確実に計測することができ、判定精度及び仕分け精度の向上を図ることができる。
【0014】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、物品の一例である果菜物を載置及び搬送するときに用いられるフリーの情報記録機能付き載置トレイを示し、図1及び図2、図3に於いて、この情報記録機能付き載置トレイ10は、平面から見て略丸形状のトレイ本体11と、トレイ本体11の外周面に対して上下動自在に遊嵌された平面から見て略筒状の支持リング12と、支持リング12の上端側開口部に取り付けられた平面から見て略円板状の載置部13と、トレイ本体11の底面側中央部に付設された果菜物Aに関する仕分け情報及びトレイ固有の識別情報を読取り可能に記録する記録媒体14とで構成される。
【0015】
上述のトレイ本体11は、後述する照明装置30(例えばハロゲンランプや白熱電球等)から投光される光を導光する孔部11aを、トレイ本体11の底面側中心部から後述する筒状部11cの底面側中心部に向けて略鉛直方向に貫通して形成している。且つ、果菜物Aに関する仕分け情報と、トレイ固有の識別情報とが読取り可能及び書込み可能に記録される非接触型の記録媒体14を、上述の孔部11aを中心として、トレイ本体11の底面側中央部に形成した凹部11bに取り付けている。
【0016】
且つ、果菜物Aが受け止められる側面から見て略凹面形状の緩衝部材15を、トレイ本体11の上面側中央部に形成した平面から見て略丸形の筒状部11cに装填し、その上面側載置面を、中央部載置面から外周部載置面に向けて徐々に高くなる角度に傾斜及び曲面に形成している。
【0017】
上述の緩衝部材15は、例えばウレタンゴムやスポンジゴム等の柔軟性を有するクッション材により形成され、果菜物Aを定位置及び定姿勢に載置された状態に支持するのに必要な接触抵抗を有している。且つ、孔部15aを、前述の孔部11aと連通して緩衝部材15の載置面中心部に形成している。また、果菜物Aの向きや姿勢を保持するのに必要な接触抵抗を付与する突起や舌片等を、載置部13の載置面や緩衝部材15の受け面に複数形成してもよい。
【0018】
前述の支持リング12は、上述の筒状部11c外周面に対して上下動自在に遊嵌され、果菜物Aが支持される上昇位置(伸張位置)及びその支持が解除される降下位置(収縮位置)に上下移動(伸縮動作)する。且つ、搬送路両側部に架設した略板状又は略棒状の案内レール21が係止される係止部12aを、支持リング12の下端側外周縁部に対して円周方向に連続して形成し、係止溝12bを、支持リング12の中央部外周面に対して円周方向に連続して形成している。
【0019】
且つ、係止部12a内周面に突設した後述する規制具16の筒状部材16cを、筒状部11c外周面に形成した縦長の溝部11dに対して上下動自在に係止すると共に、溝部11d及び筒状部材16dを円周方向に対して所定間隔に隔てて複数設けている。
【0020】
前述の載置部13は、図4にも示すように、例えば合成ゴムや軟質樹脂等の柔軟性及び伸縮性を有する弾性体により平面から見て略円板状に形成され、果菜物Aの大きさ及び形状に略対応して、その果菜物Aの外周面に沿った滑らかな曲面形状及び湾曲形状に変形可能に設けている。
【0021】
且つ、平面から見て略六角形状の孔部13aを、上述の孔部11a,15aと連通して載置部13の載置面中心部に形成し、その孔部13aを中心として、略線状の切込み部13bを円周方向に対して所定間隔に隔てて複数形成し、その切込み部13bを径方向に対して所定間隔に隔てて複数条形成すると共に、切込み部13b…を内周部から外周部に向けて互い違いとなるように平面から見て略六角形状に配列している。且つ、略舌状の支持片13cを、孔部13aの内周縁部に沿って所定間隔に隔てて複数形成している。
【0022】
且つ、載置部13の外周縁部を、前述した支持リング12の上端側外周縁部に嵌着固定して、載置部13の内周縁部及び外周縁部が略水平となる復元状態と、様々な大きさ及び形状を有する果菜物Aの外周面に沿った曲面状態とに変形を許容する。つまり、果菜物Aを載置すると該果菜物A外面と略対応する状態に変形し、果菜物Aを取り除くと載置前の状態に復元する。なお、載置部13の内外周縁部を、例えばネジ止め、貼着固定、接着固定する等してもよい。
【0023】
前述の記録媒体14は、図5、図6にも示すように、底面から見て略正方形に形成され、前述のトレイ本体11に形成した凹部11bの底面側中心部に付設すると共に、凹部11bの外周縁部よりも内側に没入した状態に取り付けている。且つ、孔部14aを、トレイ本体11の孔部11aと連通して記録媒体14の下面側中心部に形成している。なお、孔部14aを有する記録媒体14であれば、例えば略丸形や略矩形等の外観形状を有する記録媒体でもよい。
【0024】
実施例では、記録媒体14をトレイ本体11の凹部11bに固定する場合、ネジ14c,14cを、記録媒体14の外周縁部に形成した孔部14b,14bに挿通し、トレイ本体11の凹部11bに捩じ込んで一体的に固定するが、例えば接着剤や粘着剤、粘着テープ、面ファスナー等で固定することもできる。
【0025】
且つ、記録媒体14は、図8にも示すように、後述する搬送コンベア20の搬送路下部に配設した非接触型の情報通信装置27に対峙され、後述する計測装置23から出力される計測情報に基づいて、項目判定装置28により判定された果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報(固有情報)を読取り可能に記録する。
【0026】
なお、上述の孔部11a,14a,15aは、後述する照明装置30から投光される検出光が果菜物Aに対して略真っ直ぐに照射される大きさ及び形状に連通して形成すると共に、最小サイズの果菜物Aよりも大径に形成している。
【0027】
前述の規制具16は、図7にも示すように、支持リング12を上昇位置に規制する球体16a(ロックボール)と、球体16aを突出する方向に付勢するコイルスプリング16bと、球体16a及びコイルスプリング16bを収容保持する筒状部材16cとで構成される。
【0028】
上述の球体16aは、筒状部材16cの前端側開口部よりも内側に収容保持され、一部周面が突出される状態と、略全体が没入される状態とに出没可能に設けている。且つ、球体16a及び筒状部材16cの間に圧縮装填したコイルスプリング16b(又は板バネ、ゴム等の弾性体)は、その復元力により、球体16aを常時突出される方向に付勢している。
【0029】
前述の筒状部材16cは、支持リング12の係止部12a外周面から内周面に向けて径方向に貫通して形成した孔部12cに対して捩じ込み固定され、例えばレンチやドライバー等の回動操作具により係止部12a内周面に対して出没される方向に進退移動される。
【0030】
つまり、係止部12a内周面に突出される筒状部材16cの突出量を多くすると、コイルスプリング16bが、筒状部11cの溝部11d内壁面に当接した球体16aを介して圧縮され、コイルスプリング16bに蓄積される弾性力が大きくなるため、溝部11d上端に形成した凹部11eに対して球体16aが強固に係止され、支持リング12を上昇位置(図3参照)に規制及び保持する必要な係合抵抗(又は接触抵抗)が得られる。一方、突出量を少なくすると、コイルスプリング16bに蓄積される弾性力が減衰し、球体16aによる規制及び保持する力が弱くなる。
【0031】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、上述の情報記録機能付き載置トレイ10により果菜物Aを載置及び搬送する方法を説明する。
【0032】
先ず、果菜物Aを載置するとき及び後述する計測が終了したとき、図1、図3にも示すように、載置トレイ10…を搬送コンベア20により一列に整列して搬送すると共に、支持リング12の係止部12aを、搬送路両側部に架設した案内レール21に乗り上げさせて低位側から高位側に搬送しながら移動させ、支持リング12を上昇方向に引き上げる。且つ、支持リング12を規制具16により上昇位置(伸張位置)に規制及び保持した後、果菜物Aを、例えば蔕部が下向き又は下向きとなる姿勢に揃えて載置部13中央面に載置する。
【0033】
一方、果菜物Aの外部項目を計測装置23で計測する場合、図2に示すように、支持リング12の係止溝12bを案内レール21に係止して高位側から低位側に搬送しながら移動させ、支持リング12を降下方向に押し下げる。且つ、規制具16による規制を解除して、支持リング12を降下位置(収縮位置)に停止させ、果菜物Aの略全体を載置部13の載置面よりも上方に突出及び露出する。
【0034】
次に、図9に示すように、計測区間において、搬送路上部に配設した計測装置23の撮像カメラ24と、搬送路両側部(果菜物Aを中心として斜め前後)に配設した撮像カメラ25…とで載置部13上方に突出する果菜物Aの表面側外部項目を撮像する。且つ、搬送路下部に配設した情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、撮像カメラ24,25の撮像情報及び載置トレイ10の識別情報を対応させて項目判定装置28に記憶する。
【0035】
次に、果菜物Aの内部項目(例えば糖酸度)を計測する場合、図10に示すように、搬送路上部に配設した柔軟性を有する遮光パッド33を搬送方向に移動させながら、載置トレイ10のトレイ載置部13に載置された果菜物A上面に押圧し、照明装置30から投光される検出光を、トレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の孔部11a,14a,15aを介して、載置部13に載置された果菜物A下面に対して下方から略鉛直方向に照射すると共に、果菜物A内部の略中心部を透過した透過光を、遮光パッド33の受光孔33aを介して、搬送路上部に配設した撮像カメラ26で上方から撮像し、その画像情報を項目判定装置28に出力する。
【0036】
一方、撮像カメラ24〜26から出力される画像情報を、果菜物Aの所定項目を評価及び判定するのに適した情報形態に画像処理装置(図示省略)で変換処理(例えば2値化処理)すると共に、その画像情報に基づいて、果菜物Aの所定項目(例えば色相、損傷、成熟度、大きさ、形状、高さ、幅、体積、重量、偏平度、腐り具合、浮き皮具合、空洞の有無、規格外等の等階級、糖酸度)を項目判定装置28で個々に総合判定し、その判定結果と対応する仕分け情報を、項目判定装置28に対して計測順に記録及び随時更新する。
【0037】
且つ、計測時において、図8にも示すように、搬送路下部に配設した情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、項目判定装置28により判定された果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を対応させて、記録媒体14に対して読取り可能及び書込み可能に記録する。或いは、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を消去又は新しい情報を書込むか、初期状態にリセットすることもできる。
【0038】
仕分け時において、情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を情報通信装置27で読取り、その読取り情報に基づいて、載置トレイ10に載置された果菜物Aを項目別に設定した仕分け部に対して仕分け処理する。或いは、情報通信装置27から出力される仕分け情報及び識別情報と、仕分け部の仕分け情報及び識別情報とを項目判定装置28で比較して、同一であると判定された場合、載置トレイ10に載置された果菜物Aを、判定と対応する仕分け部に対して項目別に仕分け処理する。判定と異なる場合、残りの仕分け部に対して項目別に仕分け処理することもできる。
【0039】
且つ、内部項目を計測する他の計測方法として、例えば図11に示すように、回転装置36(例えば特願平11−279291号又は特願2000−6672号等)を構成する一対の保持体37で、載置部13上方に突出する果菜物Aを保持して所定角度(例えば略180度)に回転する。同時に、果菜物A上面に押圧された遮光パッド33の受光窓33aを介して、果菜物Aを透過した照明装置30の透過光を撮像カメラ26で計測することもできる。
【0040】
以上のように、果菜物Aに関する仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を、トレイ本体11の底面側中心部に付設された記録媒体14に記録するので、従来例のようにトレイを、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置する必要がなく、トレイの向きが変位しても、情報の読取り及び書込みが正確且つ確実に行える。且つ、仕分け情報及び識別情報を、搬送コンベア20で搬送しながら連続して読取ったり、書込んだりすることができ、果菜物Aを項目別に仕分けする作業の能率アップを図ることができる。且つ、トレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の略中心部に形成した孔部11a,14a,15aを介して、果菜物A内部の略中心部を透過した透過光を撮像カメラ26により撮像するので、その画像情報に基づいて、果菜物Aの内部項目を正確且つ確実に計測することができ、判定精度及び仕分け精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】果菜物が載置された載置トレイの外観形状を示す斜視図。
【図2】支持リングの降下状態を示す縦断面図。
【図3】支持リングの上昇状態を示す縦断面図。
【図4】平面から見て略六角形状の載置部を示す平面図。
【図5】記録媒体の付設状態を示す底面図。
【図6】記録媒体の外観形状を示す斜視図。
【図7】規制具の規制構造を示す拡大縦断面図。
【図8】非接触型の記録媒体及び情報通信装置の対峙状態を示す正面図。
【図9】果菜物の外部計測方法を示す正面図。
【図10】果菜物の内部計測方法を示す正面図。
【図11】果菜物の他の内部計測方法を示す正面図。
【符号の説明】
A…果菜物
10…載置トレイ
11…トレイ本体
12…支持リング
13…載置部
14…記録媒体
15…緩衝部材
11a,14a,15a…孔部
20…搬送コンベア
23…計測装置
24,25,26…撮像カメラ
27…情報通信装置
28…項目判定装置
30…照明装置
33…遮光パッド
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばミカンやリンゴ、トマト、柿、梨、桃、胡瓜、茄子、人参、芋、ネギなどの農作物(果菜物を含む)、魚介類、球技用ボール、食品、部品等の物品を載置するときに用いられる情報記録機能付き載置トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の物品を仕分け処理する方法及び装置としては、例えば受皿に載置された被選果物の所定項目を読取り計測手段で読取り、その読取り情報に基づいて、被選果物の所定項目を演算処理手段で個々に判定する。且つ、受皿に付設した発信装置から発信される固有情報を受信装置で受信して、上述の仕分け情報を、受皿の固有情報と対応させて演算処理手段に記憶する。仕分け時において、受皿の発信装置から発信される固有情報を受信装置で受信すると共に、その固有情報と対応して演算処理手段に記憶された仕分け情報を読出して、被選果物を項目別に仕分け処理する特許文献1の選別装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特願第2730765号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の受皿側面に付設された発信装置を受信装置に対峙する場合、発信装置及び受信装置の向きや高さ、位置がずれていると、情報を読取ったり、書込んだりする作業が正確に行えず、仕分けミスが多くなるため、受皿を、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置しなければならず、発信装置の付設及び受信装置の設置に高い精度が要求されるため、各装置の点検作業及び設置作業に手間が掛かる。
【0005】
且つ、受皿に付設された発信装置は、受皿を識別する固有情報だけしか発信しないため、被選果物の仕分け情報を記録及び固有情報を変更する機能がなく、バーコードと略同一の目的及び用途のみに限られる。且つ、受皿に付設した発信装置が発信する固有情報を受信装置で受信して、その受信装置から出力される受皿の固有情報と対応して記憶された仕分け情報を演算処理手段から読出して、被選果物を項目別に仕分け処理するので、演算処理手段に記憶される情報量が多くなるほど、仕分け情報の処理速度が遅くなり、作業能率が悪くなる。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、物品及びトレイに関する情報を該トレイの底面側中央部に付設した情報記録手段に記録し、該物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段で検出することにより、物品及びトレイに関する情報の読取り及び書込み、物品の内部項目を計測する作業が正確且つ確実に行える情報記録機能付き載置トレイの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、物品内部を透過する検出光が該物品に対して照射され、該物品内部を透過した透過光が検出される状態に載置する載置トレイであって、上記物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報が読取り可能に記録される情報記録手段を、上記トレイの底面側中央部に付設すると共に、上記物品下面に対して検出光が照射許容される孔部を、上記トレイ及び情報記録手段の略中心部に連通して形成した情報記録機能付き載置トレイであることを特徴とする。
【0008】
上述の物品は、例えばミカンやリンゴ、トマト、柿、梨、桃、胡瓜、茄子、人参、芋、ネギなどの農作物(果菜物を含む)、魚介類、球技用ボール、食品、部品等で構成することができる。また、物品が載置される載置トレイは、例えばフリーのトレイや受け皿、パン、カップ等で構成することができる。且つ、トレイは、例えばトレイ本体や載置部、緩衝部材等で構成することができる。
【0009】
また、物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報を読取り可能に記録する情報記録手段は、例えばIDタグやIDカード、データキャリア等の非接触型の記録媒体、磁気テープや磁気ストライプ、ICカード等の磁気記録体で構成することができる。また、情報を読取り及び書込むための情報通信手段は、例えばIDタグアンテナや磁気情報読取りヘッド等の非接触型の情報通信装置で構成することができる。
【0010】
また、物品内部を透過する検出光を照射する検出光照射手段は、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、紫外線ランプ、蛍光灯、白熱灯等の照明装置で構成することができる。また、物品内部を透過した透過光を検出する透過光検出手段は、例えばモノクロ及びカラーの撮像カメラ(CCDカメラ)、ディジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学的検出手段で構成することができる。また、項目判定手段は、例えばパーソナルコンピューターやCPU、ROM、RAMを備えた制御装置等で構成することができる。
【0011】
つまり、検出光照射手段(例えば照明装置)から投光される検出光を、トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を介して、トレイに載置された物品(例えば果菜物)に対して下方から略鉛直方向に照射する。且つ、物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段(例えば撮像カメラ)で上方から検出すると共に、透過光検出手段から出力される検出情報に基づいて、物品内部の所定項目(例えば糖酸度や空洞の有無、成熟度等)を項目判定手段(例えば項目判定装置)で判定する。且つ、情報通信手段(例えば非接触型の情報通信装置)を、トレイの底面側中心部に付設した情報記録手段(例えば非接触型の記録媒体)に対峙して、項目判定手段の仕分け情報及びトレイの識別情報(固有情報)を対応させて情報記録手段に記憶する。且つ、仕分け時において、情報通信手段をトレイの情報記録手段に対峙して、情報記録手段に記録された仕分け情報及び識別情報を読取り、その読取り情報に基づいて、トレイに載置された物品を項目別に仕分け処理する。
【0012】
実施の形態として、上記トレイに付設した情報記録手段を、該情報記録媒体に対峙される情報通信手段と対向して設けることができる。また、上記トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を、上記物品下面に対して検出光を下方から照射する検出光照射手段及び該物品内部を透過した透過光を上方から検出する透過光検出手段と対向して設けることができる。また、上記情報記録手段を、上記情報が読取り可能及び書込み可能に記録される非接触型の記録媒体で構成することができる。また、上記情報通信手段を、上記情報記録手段に記録された情報を読取り及び該情報を書込みする非接触型の情報通信装置で構成することができる。
【0013】
【作用及び効果】
この発明によれば、物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報を、トレイの底面側中央部に付設された情報記録手段に記録するので、従来例のようにトレイを、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置する必要がなく、トレイの向きが変位しても、情報の読取り及び書込みが正確且つ確実に行える。且つ、情報を搬送しながら連続して読取ったり、書込んだりすることができ、物品を項目別に仕分けする作業の能率アップを図ることができる。且つ、トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を介して、物品内部の略中心部を透過した透過光を透過光検出手段により検出するので、その検出情報(画像情報)に基づいて、物品の内部項目を正確且つ確実に計測することができ、判定精度及び仕分け精度の向上を図ることができる。
【0014】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、物品の一例である果菜物を載置及び搬送するときに用いられるフリーの情報記録機能付き載置トレイを示し、図1及び図2、図3に於いて、この情報記録機能付き載置トレイ10は、平面から見て略丸形状のトレイ本体11と、トレイ本体11の外周面に対して上下動自在に遊嵌された平面から見て略筒状の支持リング12と、支持リング12の上端側開口部に取り付けられた平面から見て略円板状の載置部13と、トレイ本体11の底面側中央部に付設された果菜物Aに関する仕分け情報及びトレイ固有の識別情報を読取り可能に記録する記録媒体14とで構成される。
【0015】
上述のトレイ本体11は、後述する照明装置30(例えばハロゲンランプや白熱電球等)から投光される光を導光する孔部11aを、トレイ本体11の底面側中心部から後述する筒状部11cの底面側中心部に向けて略鉛直方向に貫通して形成している。且つ、果菜物Aに関する仕分け情報と、トレイ固有の識別情報とが読取り可能及び書込み可能に記録される非接触型の記録媒体14を、上述の孔部11aを中心として、トレイ本体11の底面側中央部に形成した凹部11bに取り付けている。
【0016】
且つ、果菜物Aが受け止められる側面から見て略凹面形状の緩衝部材15を、トレイ本体11の上面側中央部に形成した平面から見て略丸形の筒状部11cに装填し、その上面側載置面を、中央部載置面から外周部載置面に向けて徐々に高くなる角度に傾斜及び曲面に形成している。
【0017】
上述の緩衝部材15は、例えばウレタンゴムやスポンジゴム等の柔軟性を有するクッション材により形成され、果菜物Aを定位置及び定姿勢に載置された状態に支持するのに必要な接触抵抗を有している。且つ、孔部15aを、前述の孔部11aと連通して緩衝部材15の載置面中心部に形成している。また、果菜物Aの向きや姿勢を保持するのに必要な接触抵抗を付与する突起や舌片等を、載置部13の載置面や緩衝部材15の受け面に複数形成してもよい。
【0018】
前述の支持リング12は、上述の筒状部11c外周面に対して上下動自在に遊嵌され、果菜物Aが支持される上昇位置(伸張位置)及びその支持が解除される降下位置(収縮位置)に上下移動(伸縮動作)する。且つ、搬送路両側部に架設した略板状又は略棒状の案内レール21が係止される係止部12aを、支持リング12の下端側外周縁部に対して円周方向に連続して形成し、係止溝12bを、支持リング12の中央部外周面に対して円周方向に連続して形成している。
【0019】
且つ、係止部12a内周面に突設した後述する規制具16の筒状部材16cを、筒状部11c外周面に形成した縦長の溝部11dに対して上下動自在に係止すると共に、溝部11d及び筒状部材16dを円周方向に対して所定間隔に隔てて複数設けている。
【0020】
前述の載置部13は、図4にも示すように、例えば合成ゴムや軟質樹脂等の柔軟性及び伸縮性を有する弾性体により平面から見て略円板状に形成され、果菜物Aの大きさ及び形状に略対応して、その果菜物Aの外周面に沿った滑らかな曲面形状及び湾曲形状に変形可能に設けている。
【0021】
且つ、平面から見て略六角形状の孔部13aを、上述の孔部11a,15aと連通して載置部13の載置面中心部に形成し、その孔部13aを中心として、略線状の切込み部13bを円周方向に対して所定間隔に隔てて複数形成し、その切込み部13bを径方向に対して所定間隔に隔てて複数条形成すると共に、切込み部13b…を内周部から外周部に向けて互い違いとなるように平面から見て略六角形状に配列している。且つ、略舌状の支持片13cを、孔部13aの内周縁部に沿って所定間隔に隔てて複数形成している。
【0022】
且つ、載置部13の外周縁部を、前述した支持リング12の上端側外周縁部に嵌着固定して、載置部13の内周縁部及び外周縁部が略水平となる復元状態と、様々な大きさ及び形状を有する果菜物Aの外周面に沿った曲面状態とに変形を許容する。つまり、果菜物Aを載置すると該果菜物A外面と略対応する状態に変形し、果菜物Aを取り除くと載置前の状態に復元する。なお、載置部13の内外周縁部を、例えばネジ止め、貼着固定、接着固定する等してもよい。
【0023】
前述の記録媒体14は、図5、図6にも示すように、底面から見て略正方形に形成され、前述のトレイ本体11に形成した凹部11bの底面側中心部に付設すると共に、凹部11bの外周縁部よりも内側に没入した状態に取り付けている。且つ、孔部14aを、トレイ本体11の孔部11aと連通して記録媒体14の下面側中心部に形成している。なお、孔部14aを有する記録媒体14であれば、例えば略丸形や略矩形等の外観形状を有する記録媒体でもよい。
【0024】
実施例では、記録媒体14をトレイ本体11の凹部11bに固定する場合、ネジ14c,14cを、記録媒体14の外周縁部に形成した孔部14b,14bに挿通し、トレイ本体11の凹部11bに捩じ込んで一体的に固定するが、例えば接着剤や粘着剤、粘着テープ、面ファスナー等で固定することもできる。
【0025】
且つ、記録媒体14は、図8にも示すように、後述する搬送コンベア20の搬送路下部に配設した非接触型の情報通信装置27に対峙され、後述する計測装置23から出力される計測情報に基づいて、項目判定装置28により判定された果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報(固有情報)を読取り可能に記録する。
【0026】
なお、上述の孔部11a,14a,15aは、後述する照明装置30から投光される検出光が果菜物Aに対して略真っ直ぐに照射される大きさ及び形状に連通して形成すると共に、最小サイズの果菜物Aよりも大径に形成している。
【0027】
前述の規制具16は、図7にも示すように、支持リング12を上昇位置に規制する球体16a(ロックボール)と、球体16aを突出する方向に付勢するコイルスプリング16bと、球体16a及びコイルスプリング16bを収容保持する筒状部材16cとで構成される。
【0028】
上述の球体16aは、筒状部材16cの前端側開口部よりも内側に収容保持され、一部周面が突出される状態と、略全体が没入される状態とに出没可能に設けている。且つ、球体16a及び筒状部材16cの間に圧縮装填したコイルスプリング16b(又は板バネ、ゴム等の弾性体)は、その復元力により、球体16aを常時突出される方向に付勢している。
【0029】
前述の筒状部材16cは、支持リング12の係止部12a外周面から内周面に向けて径方向に貫通して形成した孔部12cに対して捩じ込み固定され、例えばレンチやドライバー等の回動操作具により係止部12a内周面に対して出没される方向に進退移動される。
【0030】
つまり、係止部12a内周面に突出される筒状部材16cの突出量を多くすると、コイルスプリング16bが、筒状部11cの溝部11d内壁面に当接した球体16aを介して圧縮され、コイルスプリング16bに蓄積される弾性力が大きくなるため、溝部11d上端に形成した凹部11eに対して球体16aが強固に係止され、支持リング12を上昇位置(図3参照)に規制及び保持する必要な係合抵抗(又は接触抵抗)が得られる。一方、突出量を少なくすると、コイルスプリング16bに蓄積される弾性力が減衰し、球体16aによる規制及び保持する力が弱くなる。
【0031】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、上述の情報記録機能付き載置トレイ10により果菜物Aを載置及び搬送する方法を説明する。
【0032】
先ず、果菜物Aを載置するとき及び後述する計測が終了したとき、図1、図3にも示すように、載置トレイ10…を搬送コンベア20により一列に整列して搬送すると共に、支持リング12の係止部12aを、搬送路両側部に架設した案内レール21に乗り上げさせて低位側から高位側に搬送しながら移動させ、支持リング12を上昇方向に引き上げる。且つ、支持リング12を規制具16により上昇位置(伸張位置)に規制及び保持した後、果菜物Aを、例えば蔕部が下向き又は下向きとなる姿勢に揃えて載置部13中央面に載置する。
【0033】
一方、果菜物Aの外部項目を計測装置23で計測する場合、図2に示すように、支持リング12の係止溝12bを案内レール21に係止して高位側から低位側に搬送しながら移動させ、支持リング12を降下方向に押し下げる。且つ、規制具16による規制を解除して、支持リング12を降下位置(収縮位置)に停止させ、果菜物Aの略全体を載置部13の載置面よりも上方に突出及び露出する。
【0034】
次に、図9に示すように、計測区間において、搬送路上部に配設した計測装置23の撮像カメラ24と、搬送路両側部(果菜物Aを中心として斜め前後)に配設した撮像カメラ25…とで載置部13上方に突出する果菜物Aの表面側外部項目を撮像する。且つ、搬送路下部に配設した情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、撮像カメラ24,25の撮像情報及び載置トレイ10の識別情報を対応させて項目判定装置28に記憶する。
【0035】
次に、果菜物Aの内部項目(例えば糖酸度)を計測する場合、図10に示すように、搬送路上部に配設した柔軟性を有する遮光パッド33を搬送方向に移動させながら、載置トレイ10のトレイ載置部13に載置された果菜物A上面に押圧し、照明装置30から投光される検出光を、トレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の孔部11a,14a,15aを介して、載置部13に載置された果菜物A下面に対して下方から略鉛直方向に照射すると共に、果菜物A内部の略中心部を透過した透過光を、遮光パッド33の受光孔33aを介して、搬送路上部に配設した撮像カメラ26で上方から撮像し、その画像情報を項目判定装置28に出力する。
【0036】
一方、撮像カメラ24〜26から出力される画像情報を、果菜物Aの所定項目を評価及び判定するのに適した情報形態に画像処理装置(図示省略)で変換処理(例えば2値化処理)すると共に、その画像情報に基づいて、果菜物Aの所定項目(例えば色相、損傷、成熟度、大きさ、形状、高さ、幅、体積、重量、偏平度、腐り具合、浮き皮具合、空洞の有無、規格外等の等階級、糖酸度)を項目判定装置28で個々に総合判定し、その判定結果と対応する仕分け情報を、項目判定装置28に対して計測順に記録及び随時更新する。
【0037】
且つ、計測時において、図8にも示すように、搬送路下部に配設した情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、項目判定装置28により判定された果菜物Aの仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を対応させて、記録媒体14に対して読取り可能及び書込み可能に記録する。或いは、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を消去又は新しい情報を書込むか、初期状態にリセットすることもできる。
【0038】
仕分け時において、情報通信装置27を載置トレイ10の記録媒体14に対峙して、記録媒体14に記録された仕分け情報及び識別情報を情報通信装置27で読取り、その読取り情報に基づいて、載置トレイ10に載置された果菜物Aを項目別に設定した仕分け部に対して仕分け処理する。或いは、情報通信装置27から出力される仕分け情報及び識別情報と、仕分け部の仕分け情報及び識別情報とを項目判定装置28で比較して、同一であると判定された場合、載置トレイ10に載置された果菜物Aを、判定と対応する仕分け部に対して項目別に仕分け処理する。判定と異なる場合、残りの仕分け部に対して項目別に仕分け処理することもできる。
【0039】
且つ、内部項目を計測する他の計測方法として、例えば図11に示すように、回転装置36(例えば特願平11−279291号又は特願2000−6672号等)を構成する一対の保持体37で、載置部13上方に突出する果菜物Aを保持して所定角度(例えば略180度)に回転する。同時に、果菜物A上面に押圧された遮光パッド33の受光窓33aを介して、果菜物Aを透過した照明装置30の透過光を撮像カメラ26で計測することもできる。
【0040】
以上のように、果菜物Aに関する仕分け情報及び載置トレイ10の識別情報を、トレイ本体11の底面側中心部に付設された記録媒体14に記録するので、従来例のようにトレイを、発信装置及び受信装置が対峙される向きに規制及びガイドしたり、各装置を互いに対峙される高さや位置に配置する必要がなく、トレイの向きが変位しても、情報の読取り及び書込みが正確且つ確実に行える。且つ、仕分け情報及び識別情報を、搬送コンベア20で搬送しながら連続して読取ったり、書込んだりすることができ、果菜物Aを項目別に仕分けする作業の能率アップを図ることができる。且つ、トレイ本体11及び記録媒体14、緩衝部材15の略中心部に形成した孔部11a,14a,15aを介して、果菜物A内部の略中心部を透過した透過光を撮像カメラ26により撮像するので、その画像情報に基づいて、果菜物Aの内部項目を正確且つ確実に計測することができ、判定精度及び仕分け精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】果菜物が載置された載置トレイの外観形状を示す斜視図。
【図2】支持リングの降下状態を示す縦断面図。
【図3】支持リングの上昇状態を示す縦断面図。
【図4】平面から見て略六角形状の載置部を示す平面図。
【図5】記録媒体の付設状態を示す底面図。
【図6】記録媒体の外観形状を示す斜視図。
【図7】規制具の規制構造を示す拡大縦断面図。
【図8】非接触型の記録媒体及び情報通信装置の対峙状態を示す正面図。
【図9】果菜物の外部計測方法を示す正面図。
【図10】果菜物の内部計測方法を示す正面図。
【図11】果菜物の他の内部計測方法を示す正面図。
【符号の説明】
A…果菜物
10…載置トレイ
11…トレイ本体
12…支持リング
13…載置部
14…記録媒体
15…緩衝部材
11a,14a,15a…孔部
20…搬送コンベア
23…計測装置
24,25,26…撮像カメラ
27…情報通信装置
28…項目判定装置
30…照明装置
33…遮光パッド
Claims (5)
- 物品内部を透過する検出光が該物品に対して照射され、該物品内部を透過した透過光が検出される状態に載置する載置トレイであって、
上記物品に関する仕分け情報及びトレイの識別情報が読取り可能に記録される情報記録手段を、上記トレイの底面側中央部に付設すると共に、
上記物品下面に対して検出光が照射許容される孔部を、上記トレイ及び情報記録手段の略中心部に連通して形成した
情報記録機能付き載置トレイ。 - 上記トレイに付設した情報記録手段を、該情報記録媒体に対峙される情報通信手段と対向して設けた
請求項1記載の情報記録機能付き載置トレイ。 - 上記トレイ及び情報記録手段に形成した孔部を、上記物品下面に対して検出光を下方から照射する検出光照射手段及び該物品内部を透過した透過光を上方から検出する透過光検出手段と対向して設けた
請求項1記載の情報記録機能付き載置トレイ。 - 上記情報記録手段を、上記情報が読取り可能及び書込み可能に記録される非接触型の記録媒体で構成した
請求項1,2又は3記載の情報記録機能付き載置トレイ。 - 上記情報通信手段を、上記情報記録手段に記録された情報を読取り及び該情報を書込みする非接触型の情報通信装置で構成した
請求項2記載の情報記録機能付き載置トレイ。
Priority Applications (1)
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JP2003022289A JP2004231233A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 情報記録機能付き載置トレイ |
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003022289A patent/JP2004231233A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20140036123A (ko) * | 2010-09-24 | 2014-03-25 | 플렉스링크 컴포넌츠 아크티에볼라그 | 캐리어 퍽 및 컨베이어 시스템 |
KR101876592B1 (ko) * | 2010-09-24 | 2018-08-02 | 플렉스링크 컴포넌츠 아크티에볼라그 | 캐리어 퍽 및 컨베이어 시스템 |
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