JP2003325074A - 鶏卵の情報管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装容器に包装された鶏卵の固有情報を管理
することができる鶏卵の情報管理システムを提供するこ
と。 【解決手段】 鶏卵を搬送経路に沿って搬送する搬送装
置と、搬送経路途上にある鶏卵を秤量する秤量装置８
と、秤量された結果に基づいて鶏卵を選別・包装する選
別・包装装置と、選別・包装される鶏卵又は鶏卵の包装
容器にＩＣタグ２０を取り付けるタグ取り付け装置２１
と、ＩＣタグ２０に鶏卵に関する固有情報（生産地名
称、採卵鶏の飼育環境、採卵鶏の餌の種類、賞味期限、
成分表示等）を書き込むデータ書き込み装置２２とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＩＣタグを用いて
鶏卵の固有情報を管理することができる鶏卵の情報管理
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】鶏卵は一般市場において、パックのよう
な包装容器に複数個が包装された状態で販売されてい
る。鶏舎で取れた鶏卵が、パックに包装されるまでの処
理手順の概要を説明する。鶏舎から運び込まれた鶏卵
は、まず、洗卵・乾燥された後、方向整列部（オリエン
ター）にて鶏卵の鋭端部と鈍端部の方向を決められた方
向になるように揃えられる。ついで、検卵部にて検卵さ
れ、秤量装置により秤量される。秤量された秤量データ
はコンピュータに取り込まれる。

【０００３】選別・包装装置は、秤量データに基づいて
鶏卵の選別を行う。選別は、例えば、農林規格に基づい
て行われる。選別された鶏卵は、選別結果に対応した包
装ステーションに送り込まれ、所定の包装容器に包装さ
れる。包装された鶏卵は、所定の流通経路を通って市場
に送り込まれ販売される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ここで、市場において
食品である鶏卵に何らかの問題が発生した場合、原因を
究明するため、その鶏卵の生産、出荷、流通経路やその
他の鶏卵の固有情報が必要になることが考えられる。し
かしながら、鶏卵に関するかかる固有情報を短期間で調
査することは難しい。鶏卵を包装している包装容器内に
は、鶏卵の生産者、生産地等を記載したラベルが投入さ
れてはいるが、それほど詳しい情報が記載されているわ
けではなく、またラベルの大きさに鑑みても、記載でき
る情報の量には限度がある。

【０００５】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その課題は、包装容器に包装された鶏卵の固有情
報を管理することができる鶏卵の情報管理システムを提
供することである。

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る鶏卵の情報管理システムは、鶏卵を搬送経
路に沿って搬送する搬送装置と、前記搬送経路途上にあ
る鶏卵を秤量する秤量装置と、秤量された結果に基づい
て鶏卵を選別・包装する選別・包装装置と、選別・包装
される鶏卵又は鶏卵の包装容器にＩＣタグを取り付ける
タグ取り付け装置と、前記ＩＣタグに鶏卵に関する固有
情報を書き込むデータ書き込み装置とを備えたことを特
徴とするものである。

【０００６】この構成による鶏卵の情報管理システムの
作用・効果は、以下の通りである。鶏卵は、搬送装置に
より搬送経路に沿って搬送される、搬送経路途上に鶏卵
を秤量する（鶏卵の重量を測定する）秤量装置が設けら
れている。秤量された結果に基づいて、鶏卵は選別及び
包装される。包装は所定の包装容器（パックやトレイ
等）により行われる。そして鶏卵又は包装容器にＩＣタ
グを取り付ける。このＩＣタグに鶏卵に関する固有情報
を書き込む。

【０００７】ここでＩＣタグは、内部にメモリを備えた
メディアである。ＩＣタグは、無線自動認証技術を利用
して、無線通信を行い、内部のメモリに種々の情報を書
き込み、及び／又は、読み出すことができる。かかるＩ
Ｃタグを利用して、鶏卵に関する固有情報を書き込むこ
とができる。その結果、包装容器に包装された鶏卵の固
有情報を管理することができる鶏卵の情報管理システム
を提供することができる。

【０００８】本発明の好適な実施形態として、前記固有
情報には、鶏卵の生産及び／又は出荷に関する情報が含
まれているものがあげられる。

【０００９】鶏卵の固有情報として、鶏卵の生産及び／
又は出荷に関する情報を書き込むことができる。市場に
おいて鶏卵に何らかの問題が発生した場合、鶏卵が採れ
てから市場に投入されるまでの流通経路を調査すること
は重要である。そこで、生産や出荷に関する情報を書き
込むことで、鶏卵の流通経路を容易に知ることができ
る。

【００１０】本発明の別の好適な実施形態として、前記
生産に関する情報には、生産地の名称、採卵鶏の飼育環
境、採卵鶏の餌の種類のうちの少なくとも１つが含まれ
るものがあげられる。

【００１１】生産に関する情報として、特に、生産地名
称、採卵鶏の飼育環境、採卵鶏の餌の種類を情報として
書き込むことで、問題が生じた鶏卵が採れた場所を、正
確に特定することができる。よって、鶏卵の衛生管理を
行うことができる。

【００１２】本発明の更に別の好適な実施形態として、
前記固有情報には、鶏卵の品質特性に関する情報が含ま
れるものがあげられる。鶏卵の品質特性を書き込むこと
で、品質管理を行うことができる。品質特性に関する情
報には、賞味期限、成分表示等が挙げられる。特にこれ
らの情報は、品質管理上、重要であり、これらの情報を
書き込むことでシステムの価値を高めることができる。

【００１３】本発明の更に別の好適な実施形態として、
ＩＣタグには、前記固有情報を読み出すためのパスワー
ドも書き込まれているものがあげられる。これにより、
固有情報を不用意に読み取られないようにし、情報を確
実に管理することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明に係る鶏卵の情報管理シス
テムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図１
は、鶏卵の情報管理システムを採用した鶏卵の自動選別
包装装置の平面図である。

【００１５】このシステムは、矢印Ａ方向に鶏卵１を６
列で搬送する給卵コンベア２（搬送装置に相当する。）
と、給卵コンベア２から鶏卵１を受け取って矢印Ｂの方
向に鶏卵を１列で搬送する単列コンベア３（搬送装置に
相当する。）と、単列コンベア３の鶏卵搬送方向に直交
する矢印Ｃで示す方向に包装容器であるパック４を搬送
する複数（図１では５箇所）の選別コンベア５ａ〜５ｅ
を備えたパッキングステーション５と、装置の各部の作
動の制御などを行う制御装置６と、不良卵の検査を行う
不良卵検出装置７とを備えている。不良卵検出装置７
は、ヒビ卵や血卵や汚卵や腐敗卵などの不良卵かどうか
の検査をする。制御装置６は、主にＣＰＵ、記憶装置な
どのハードウェアの部分と、装置の作動プログラムなど
のソフトウェアの部分で構成されている。また、パッキ
ングステーション５に隣接して不良卵を回収する回収容
器１５が搬送される不良卵回収コンベア１４ａを備えた
不良卵回収ステーション１４が設けられている。給卵コ
ンベア２から供給される鶏卵１は、各鶏卵１毎に秤量装
置８において秤量された後、単列コンベア３に移載さ
れ、選別コンベア５ａ〜５ｅとの交差箇所まで搬送され
る。この間、制御装置６は、各鶏卵１の計量値に基づい
て、農林規格によるサイズ別の詰め方等により選別コン
ベア５ａ〜５ｅのパック４に移載させる。又、不良卵に
ついては計量値に関わらず不良卵回収コンベア１４ａの
回収容器１５に移載される。制御装置６は、選別・包装
装置として機能する。

【００１６】選別コンベア５ａ〜５ｅの容器搬送下流側
には、それぞれ卵包装装置１６（選別・包装装置として
機能する。）が設けられている。鶏卵１が収納されたパ
ック４は、卵包装装置１６により蓋がされ包装が完了す
る。包装が完了したパック４は、タグ取り付け位置１７
に送り込まれ、パック４の蓋にＩＣタグが取り付けられ
る。このＩＣタグには、鶏卵に固有の固有情報が書き込
まれているが、この点は後述する。ＩＣタグが取り付け
られたパックは、搬出コンベア１８に載せられて矢印Ｄ
方向に搬出される。

【００１７】なお、どの選別コンベア５ａ〜５ｅにおい
て、どの様なパッキングを行うかは任意に設定できる。
たとえば、選別コンベア５ｃは、農林規格のＭサイズの
鶏卵１を包装するステーションとして、選別コンベア５
ｄは、Ｓサイズの鶏卵１を包装するステーションとして
設定することができる。

【００１８】給卵コンベア２は鶏卵１を適当に離間した
状態で搬送し、給卵コンベア２の搬送経路最下流に鶏卵
１の重量を測定する計量装置８が備えられている。計量
装置８で計量された鶏卵１の計量データは、制御装置６
に送られる。

【００１９】単列コンベア３は駆動モータ９により駆動
され、鶏卵１を給卵コンベア２の計量装置８から単列コ
ンベア３の鶏卵を収納するカップに移しかえる移し替え
装置１０と、カップから鶏卵１を落下させるキック装置
１１と、キック装置１１の作動によりカップから落下す
る鶏卵１を受け止めパック４に収納させるための収納装
置１２とが備えられている。

【００２０】駆動モータ９は制御装置６により制御さ
れ、カップ上の鶏卵１の搬送量は、制御用エンコーダ１
３により検出され制御装置６に送られる。なお、駆動モ
ータ９の動力は給卵コンベア２にも供給される。給卵コ
ンベア２上の鶏卵１の搬送量も制御用エンコーダ１３に
より制御される。

【００２１】不良卵も含めた鶏卵１が計量装置８に到達
すると、その計量値に基づいて、選別コンベア５ａ〜５
ｅのいずれかに放出される。制御装置６はどの選別コン
ベア５ａ〜５ｅで放出すべきかを決めると共に、計量装
置６からパッキングステーション５までの搬送距離を各
鶏卵１について設定する。この搬送距離はエンコーダ１
３のパルス数として設定される。そして搬送装置６から
鶏卵が単列コンベア３に搭載されて搬送されると、その
搬送に伴って発生するエンコーダ１３のパルス数に基づ
いて前記設定されたパルス数を減算していき、パルス数
がゼロになった時点で単列コンベア３から選別コンベア
５ａ〜５ｅに向けて鶏卵１を放出させる。また、不良卵
検出装置７にて不良卵あるとして検出された鶏卵１は、
計量値にかかわらず不良卵回収コンベア１４ａのいずれ
かにて回収される。あるいは、不良卵回収コンベア１４
ａの数を増やして、不良卵の種類に応じていずれかの不
良卵回収コンベアに区別して回収するようにしてもよ
い。不良卵回収ステーション１４は、正常卵のパッキン
グステーション５よりも上流側に配置しているから、直
ちに不良卵を回収することができる。給卵コンベア２と
単列コンベア３とは連動して駆動されるようになってお
り、単列コンベア３における鶏卵１の搬送速度は給卵コ
ンベア２の６倍の速さとなっている。

【００２２】＜ＩＣタグ＞次に、ＩＣタグに関して説明
する。ＩＣタグの内部にはメモリが設けられており、鶏
卵固有の情報を書き込む。ＩＣタグに関連するシステム
の構成を図２に示す。ＩＣタグ２０は、パック４の蓋４
１に装着される。ＩＣタグ２０は、ＩＣタグ取付装置２
１により取り付けられる。データ書き込み装置２２は、
無線アンテナを備えており、ＩＣタグ２０に無線により
データを書き込むことができる。ＩＣタグコントローラ
２３は、ＩＣタグ取付装置２１及びデータ書き込み装置
２２を制御する。データ入力装置２４は、ＩＣタグ２０
に書き込むべきデータを入力することができる。

【００２３】ＩＣタグ取付装置２１は、例えば、多数の
積層されたＩＣタグを１つずつつかむことができる機構
を有し、ＩＣタグを蓋４１の上の適宜の箇所に取り付け
る。取り付けは、例えば、両面テープや接着剤を利用し
て行われる。データ書き込み装置２２は、無線電波を利
用してメモリにデータを書き込む。入力すべきデータ
は、データ入力装置２４を介して取得したものや、秤量
装置８により秤量した結果得られた秤量データが利用さ
れる。

【００２４】ここで、ＩＣタグを用いたシステムについ
て説明する。現在は、バーコードを利用した物品管理が
行われているが、バーコードの場合は、一旦バーコード
を取り付けた後は、情報の書き換えや、追記ができない
という不便さがある。これに対し、ＩＣタグの場合はメ
モリを利用するので、情報の書き換えや追記が自由にで
きるという利点がある。そこで、本願ではＩＣタグを用
いて、鶏卵の情報管理を行う。特に、鶏卵のような食品
の場合、市場で何らかの問題が発生した場合、その原因
を突き止めることは重要である。また、鶏卵が生産され
てから流通経路にのり、市場に置かれるまでの過程にお
いて、問題の原因があることが多い。例えば、鶏卵の場
合は、サルモネラ菌による食中毒の可能性がある。サル
モネラ菌に汚染される原因として、親鶏がサルモネラ菌
に感染していたり、流通経路で人手により感染したり、
湿気の高い容器を介して汚染されたりするので、流通経
路を特定することは重要である。

【００２５】そういう意味でも、鶏卵の固有情報をＩＣ
タグに記憶させることは、衛生管理上重要である。これ
により、鶏卵の安全性を消費者にアピールすることが可
能である。

【００２６】次に、ＩＣタグに書き込むべきデータの内
容について説明する。データとしては、鶏卵に固有の固
有情報が書き込まれる。固有情報としては、鶏卵の生産
や出荷（配送）に関するものがあげられる。生産に関す
る固有情報として、生産地（土地、場所の名称、生産
者、経営者の名称）、採卵鶏の飼育環境、採卵鶏の餌の
種類等がある。飼育環境として、平飼いかゲージ飼育か
（飼育方式）、またどのゲージで飼育されていたのか、
という情報がある。これは、飼育環境が変わると、鶏卵
の中味が変わるからである。

【００２７】また餌の種類としては、飼料の種類、飼料
の配合内容、栄養内容があげられる。また、鶏卵の品質
に関する情報として、鶏卵のサイズや賞味期限があげら
れる。サイズとしては、例えば、農林規格に基づくもの
があり、Ｍサイズ、Ｓサイズ等の区分がある。この情報
は、秤量装置８により秤量された結果の秤量データに基
づいて、データを書き込むことが可能である。賞味期限
についても、品質管理上は重要な情報である。また、成
分表示データを書き込むことで、誤った成分表示ラベル
を容器に貼り付けた場合でも、正しい成分表示をＩＣタ
グから読み出して確認することができる。

【００２８】また、データの書き込みは、図２に示すＩ
Ｃタグ書き込み装置２２で書き込まれた後も、追加書き
込みされるように構成しても良い。例えば、スーパーに
納入された場合は、そのスーパーにおいて、販売店名を
書き込むことができる。また、データを厳格に管理する
ために、データの読み出しや書き込みをする際には、パ
スワードが必要である。これにより、勝手にデータが読
み書きされたり、変更されたりすることを防ぐことがで
きる。以上のようにして、ＩＣタグを利用することで、
鶏卵を生産してから消費者に至るまでの流通経路を明ら
かにすることができ、消費者に対して信頼性の高い安全
衛生管理システムを提供することができる。

【００２９】図３は、ＩＣタグ２０が取り付けられたパ
ック４の様子を示す。パック４は、収容部４０と蓋部４
１とから構成される。収容部４０には、所定個数の鶏卵
１が収容される。収容部４０と蓋部４１とは、接着ある
いは熱融着により固定される。

【００３０】＜別実施形態＞ （１）本発明に係る鶏卵の情報管理システムを適用可能
な鶏卵自動選別装置は、本実施形態のものに限定される
ものではない。鶏卵自動選別装置としては、種々の構造
のものが知られており（例えば、本出願人による特開平
１１−３１４６１）あらゆる形態のものに適用が可能で
ある。

【００３１】（２）本実施形態では包装容器の例とし
て、収容部と蓋部とからなるパックをあげたが、収容部
と蓋部が透明樹脂で一体化されたパックを用いても良
い。また、トレイを用いても良い。 （３）本実施形態では、ＩＣタグを包装容器に取り付け
ているが、鶏卵に直接取り付けてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】鶏卵の自動選別包装装置の平面図

【図２】ＩＣタグに関連するシステムの構成を示す図

【図３】ＩＣタグが取り付けられたパックを示す図

【符号の説明】

１ 鶏卵 ４ パック ６ 制御装置 ８ 秤量装置 ２０ ＩＣタグ ２１ ＩＣタグ取付装置 ２２ データ書き込み装置 ２３ ＩＣタグコントローラ ２４ データ入力装置

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E062 AA03 AB14 DA08 3E095 AA20 BA10 CA01 DA72 DA82 FA30 3E096 AA04 BA26 BB09 CA06 CB03 CC01 DA13 DB06 DC02 FA11 GA07

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鶏卵を搬送経路に沿って搬送する搬送装
   置と、 前記搬送経路途上にある鶏卵を秤量する秤量装置と、 秤量された結果に基づいて鶏卵を選別・包装する選別・
   包装装置と、 選別・包装される鶏卵又は鶏卵の包装容器にＩＣタグを
   取り付けるタグ取り付け装置と、 前記ＩＣタグに鶏卵に関する固有情報を書き込むデータ
   書き込み装置とを備えたことを特徴とする鶏卵の情報管
   理システム。
2. 【請求項２】 前記固有情報には、鶏卵の生産及び／又
   は出荷に関する情報が含まれていることを特徴とする請
   求項１に記載の鶏卵の情報管理システム。
3. 【請求項３】 前記生産に関する情報には、生産地の名
   称、採卵鶏の飼育環境、採卵鶏の餌の種類のうちの少な
   くとも１つが含まれることを特徴とする請求項２に記載
   の鶏卵の情報管理システム。
4. 【請求項４】 前記固有情報には、鶏卵の品質特性に関
   する情報が含まれることを特徴とする請求項１〜３のい
   ずれか１項に記載の鶏卵の情報管理システム。
5. 【請求項５】 前記品質特性に関する情報には、賞味期
   限、成分表示のうちの少なくとも１つが含まれているこ
   とを特徴とする請求項４に記載の鶏卵の情報管理システ
   ム。
6. 【請求項６】 ＩＣタグには、前記固有情報を読み出す
   ためのパスワードも書き込まれていることを特徴とする
   請求項１〜５のいずれか１項に記載の鶏卵の情報管理シ
   ステム。