JP2004231038A - クロスカービームのステアリング支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストが安価で成形作業が簡単なクロスカービームを用いたステアリング支持構造を提供する。
【解決手段】車幅方向に沿ってクロスカービーム12を延設し、クロスカービーム12の運転席側の部位の外周面に車両前後方向に突出するステアリング支持用ブラケット20を設け、ステアリング支持用ブラケット20にステアリング装置を支持することによって、ステアリング装置をステアリング支持部材を介してクロスカービーム12に支持するクロスカービームのステアリング支持構造であって、ステアリング支持用ブラケット20を、クロスカービーム12の外周面から車両前後方向に延びる断面コ字状の本体部50と、本体部50の車両前後方向の先端に設けられた開口端部を塞ぐ側壁部51とから構成している。
【選択図】 図4
【解決手段】車幅方向に沿ってクロスカービーム12を延設し、クロスカービーム12の運転席側の部位の外周面に車両前後方向に突出するステアリング支持用ブラケット20を設け、ステアリング支持用ブラケット20にステアリング装置を支持することによって、ステアリング装置をステアリング支持部材を介してクロスカービーム12に支持するクロスカービームのステアリング支持構造であって、ステアリング支持用ブラケット20を、クロスカービーム12の外周面から車両前後方向に延びる断面コ字状の本体部50と、本体部50の車両前後方向の先端に設けられた開口端部を塞ぐ側壁部51とから構成している。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリング支持部材を介してステアリング装置をクロスカービームに支持するクロスカービームのステアリング支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動車にはインストルメントパネルやステアリング装置を支持するために、車幅方向に沿ってクロスカービームが延設されている。このクロスカービームの外周面には、ステアリング支持用ブラケットが設けられ、該ステアリング支持用ブラケットにステアリング装置を支持する取付ボルトを後加工によって取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
よって、前記ステアリング装置は、前記取付ボルトを介してステアリング支持用ブラケットに支持されている。ここで、ステアリング装置は重量が大きいため、前記ステアリング支持用ブラケットは高い機械的強度が必要とされている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−284018公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のステアリング支持用ブラケットでは、高剛性を確保すべく板厚を大きくしているため、部品コストが上昇するという問題があった。また、前記取付ボルトは、ステアリング支持用ブラケットを設けたのちに、後加工によって取り付けるため、クロスカービームの成形作業に手間がかかった。
【0006】
そこで、本発明は、コストが安価で成形作業が簡単なクロスカービームを用いたステアリング支持構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクロスカービームのステアリング支持構造は、前記請求項1にあっては、車幅方向に沿ってクロスカービームを延設し、該クロスカービームの運転席側の部位の外周面に車両前後方向に突出するステアリング支持部材を設け、該ステアリング支持部材にステアリング装置を支持することによって、ステアリング装置をステアリング支持部材を介してクロスカービームに支持するクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材を、前記クロスカービームの外周面から車両前後方向に延びる断面コ字状の本体部と、該本体部の車両前後方向の先端に設けられた開口端部を塞ぐ側壁部とから、車両上方側が開口した略箱形状に形成したことを特徴としている。
【0008】
前記請求項2に記載された発明は、請求項1に記載のクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記クロスカービームの外周面におけるステアリング支持部材の下部側にステアリング装置を支持し、このステアリング支持部材の近傍部のクロスカービーム上面に、車両室内に向けて風を吹き出すベント吹出口を穿設したことを特徴とする。
【0009】
前記請求項3に記載された発明は、前記請求項1又は2に記載されたクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材を、前記クロスカービームの車両前方側及び車両後方側の双方の外周面に設けたことを特徴とする。
【0010】
前記請求項4に記載された発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載のクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材に、下方に突出する締結部材を射出成形によって一体成形し、該締結部材にステアリング装置を取り付けることによって、ステアリング装置を締結部材とステアリング支持部材を介してクロスカービームに支持したことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された発明によれば、ステアリング支持部材は上方側が開口した略蓋状に形成されているため、特に車両上下方向の荷重に対する機械的強度が大幅に向上する。よって、部品コストをほとんど上昇させることなく、重量の大きいステアリング装置を確実に保持することができる。また、クロスカービームを射出成形によって成形する際、前記ステアリング支持部材をクロスカービームに一体成形すれば、ステアリング支持部材の取付強度を向上させることができる。この場合は、上型と下型の簡単な射出成形用の型構成によって、前記蓋状のステアリング支持部材を成形することができる。
【0012】
前記請求項2に記載された発明によれば、前記ステアリング支持部材によってクロスカービーム本体の剛性も向上するため、クロスカービームにベント吹出口が開口していても、この開口は縦壁面ではなく、ステアリング装置が保持される下面と反対側の上面にあるため、ステアリング装置からの上下振動に対してもクロスカービームの強度を保持することができる。
【0013】
前記請求項3に記載された発明によれば、前記ステアリング支持部材をクロスカービームの車両前方側と車両後方側の双方に形成したため、ステアリング装置の荷重を均等に支持することができる。
【0014】
前記請求項4に記載された発明によれば、ステアリング支持部材に締結部材を一体成形したため、締結部材を取り付ける別途の工程を設ける必要がなく、クロスカービームの成形作業が簡略化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態によるクロスカービームのステアリング支持構造を適用した車体10の車両室内を示している。
【0017】
車両室内の前部には、車幅方向に沿ってインストルメントパネル11が運転席側から助手席側にかけて配設されている。前記インストルメントパネル11の内方、即ち車両前方側にはクロスカービーム12が延設されている。
【0018】
図2は、本実施形態によるクロスカービーム12の斜視図である。車幅方向の左右両端には、車幅方向の外方に延びる板状の取付フランジ13,13が形成されている。該取付フランジ13には、ボルト43を挿入するための挿通孔19が穿設されている。また、クロスカービーム12の運転席側には、後述するように、車両後方側及び車両前方側の外周面にステアリングホイールを支持するためのステアリング支持部材であるステアリング支持用ブラケット20が形成されている。
【0019】
一方、助手席側にはエアバック収容用ケーシング22が設けられており、左右両端部の上面には円筒状のベント吹出口23,24が開口している。
【0020】
図3は、本実施形態によるクロスカービーム12の分解斜視図である。
【0021】
クロスカービーム12は、予め樹脂により成形された第一筒状体28と、該第一筒状体28の助手席側(左側)の端部の外周側に樹脂により鋳ぐるみ成形される蓋状部材29と、第一筒状体28の運転席側(右側)の外周側に樹脂により鋳ぐるみ成形される第二筒状体30とから構成されている。
【0022】
前記第一筒状体28は、上部側の断面略U字状の半割部材31と下部側の断面略U字状の半割部材32とからなる。これら半割部材31,32の長手方向端部は縦壁31a,32aにより塞がれている。そして、上部側の半割部材31における車幅方向外側部分の上面には、ベント吹出口23,24となる開口44,24が、上方に延びるフランジ44a,24aによって囲まれて一体に形成されている。下部側の半割部材32の助手席側の後面には前述のエアバック収容用ケーシング22が斜め上後方に向けて開放した有底の箱形状で一体形成されており、その底部分には図示しない円盤状のエアバックインフレータが収まる開口22aが設けられている。
【0023】
一方、第二筒状体30の車幅方向内側の端部は開口しており、この第二筒状体30の車幅方向外側の端部には略垂直状に延びる板状の取付フランジ13が、そしてこの取付フランジ13の近傍の車幅方向内方の上面には、上方に延びるフランジを備えた吹出口45が、それぞれ一体で形成されている。なお、図2における前記ベント吹出口23は、内周側に配設された第一筒状体28の吹出口44と、該吹出口44の外周側に配設された第二筒状体30の吹出口45とから密着状態の二重管構造に構成されている。
【0024】
そして、図3と図4に示すように、第二筒状体30の車両後方側の外周面からは、車両後方に向けて2つのステアリング支持用ブラケット20,20が突出して一体成形されており、第二筒状体30の車両前方側の外周面からも、2つのステアリング支持用ブラケット20,20が車両前方に向けて形成されている。これらのステアリング支持用ブラケット20,20は、互いに車幅方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
【0025】
また、例えば、車両後方側に設けられたステアリング支持用ブラケット20は、図4から明らかなように、第二筒状体30の車両後方側の外周面30aから車両後方に向けて延びる断面コ字状の本体部50と、該本体部50の車両後方側の開口端部を塞ぐ側壁部51とから構成されており、前記本体部50は略水平状に配置された底面部50aと、該底面部50aの左右両端から上方に立設した側面部50b,50bとから断面コ字状に形成されている。よって、これらの外周面30a、底面部50a、側面部50b,50b及び側壁部51によって、上方側が開口した略蓋状(略箱形状)に形成されている。また、前記底面部50aには、下方に向けて延びる植込ボルト(締結部材)52がインサート成形されている。この植込ボルト52の上面は、底面部50aとほぼ面一の高さに設けられている。
【0026】
さらに、図5に示すように、ステアリング装置53はクロスカービーム12のステアリング支持用ブラケット20に下方から取り付けることができる。
【0027】
前述したように、ステアリング支持用ブラケット20からは下方に向けて植込ボルト52が延びている。一方、ステアリング装置53の上部には、平面状に形成された取付面54が形成されており、該取付面54の角部には、前記植込ボルト52が挿通される挿通孔55が穿設されている。
【0028】
よって、ステアリング装置53を上方に持ち上げ、取付面54の挿通孔55に植込ボルト52を挿入したのち、該植込ボルト52にナット56を螺合させることによって、ステアリング装置53をクロスカービーム12に支持することができる。
【0029】
簡単にクロスカービーム12の成形方法を説明する。
【0030】
まず、第一筒状体28を成形する。予め、上部側の半割部材31と下部側の半割部材32(図3参照)とを別々に樹脂により射出成形し、これらの周縁部同士33,34を互いに振動溶着させることによって、内部が中空の第一筒状体28を成形する。
【0031】
次いで、第一筒状体28の左右両端部の外周側に、蓋状部材29及び第二筒状体30を樹脂により鋳ぐるむ。第二筒状体30は、図6に示すように、上型35、下型36及びサイド型37から構成された金型38を用いて鋳ぐるむことができる。
【0032】
予め成形された第一筒状体28と図示しない植込ボルトを金型38内に収容し、上型35、下型36及びサイド型37を移動させて金型38を閉成すると、図6に示すように、第一筒状体28と金型38の内面との間にキャビティ40が形成される。上型35に設けられた湯口39から前記キャビティ40内に溶融樹脂41を注入して該溶融樹脂41をキャビティ40内に充填させ、この状態で溶融樹脂41を硬化させることによって、第一筒状体28の外周側に第二筒状体30と植込ボルトを同時に鋳ぐるむことができる。こののち、矢印に示す方向に上型35、下型36及びサイド型37を移動させることによって金型38を開くと、本実施形態によるクロスカービーム12が得られる。ここで、前記溶融樹脂41は、第一筒状体28を構成する樹脂よりも高い強度を有するものを用いることが好ましい。例えば、繊維を混入させた溶融樹脂等を用いることができる。
【0033】
前記クロスカービームのステアリング装置支持構造によれば、以下の作用効果を奏する。
【0034】
図4に示す矢印方向である上下方向に上型35と下型36を開成すれば、側壁部51が設けられたステアリング支持用ブラケット20を有するクロスカービーム12を成形することができる。また、上下型35,36の抜き方向を上下方向にすれば、前記植込ボルト52を効率的に押さえ込むことができ、インサート成形でステアリング支持用ブラケット20に一体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるクロスカービームを配設した車体前部の斜視図である。
【図2】本実施形態によるクロスカービーム全体を示す斜視図である。
【図3】本実施形態によるクロスカービームの分解斜視図である。
【図4】図3におけるステアリング支持ブラケット近傍を示す拡大斜視図である。
【図5】本実施形態によるクロスカービームにステアリング装置を取り付ける状態を示す斜視図である。
【図6】本実施形態によるクロスカービームを成形する金型の断面図である。
【符号の説明】
12 クロスカービーム
20 ステアリング支持ブラケット(ステアリング支持部材)
23 ベント吹出口
50 本体部
51 側壁部
52 植込ボルト(締結部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリング支持部材を介してステアリング装置をクロスカービームに支持するクロスカービームのステアリング支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動車にはインストルメントパネルやステアリング装置を支持するために、車幅方向に沿ってクロスカービームが延設されている。このクロスカービームの外周面には、ステアリング支持用ブラケットが設けられ、該ステアリング支持用ブラケットにステアリング装置を支持する取付ボルトを後加工によって取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
よって、前記ステアリング装置は、前記取付ボルトを介してステアリング支持用ブラケットに支持されている。ここで、ステアリング装置は重量が大きいため、前記ステアリング支持用ブラケットは高い機械的強度が必要とされている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−284018公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のステアリング支持用ブラケットでは、高剛性を確保すべく板厚を大きくしているため、部品コストが上昇するという問題があった。また、前記取付ボルトは、ステアリング支持用ブラケットを設けたのちに、後加工によって取り付けるため、クロスカービームの成形作業に手間がかかった。
【0006】
そこで、本発明は、コストが安価で成形作業が簡単なクロスカービームを用いたステアリング支持構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクロスカービームのステアリング支持構造は、前記請求項1にあっては、車幅方向に沿ってクロスカービームを延設し、該クロスカービームの運転席側の部位の外周面に車両前後方向に突出するステアリング支持部材を設け、該ステアリング支持部材にステアリング装置を支持することによって、ステアリング装置をステアリング支持部材を介してクロスカービームに支持するクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材を、前記クロスカービームの外周面から車両前後方向に延びる断面コ字状の本体部と、該本体部の車両前後方向の先端に設けられた開口端部を塞ぐ側壁部とから、車両上方側が開口した略箱形状に形成したことを特徴としている。
【0008】
前記請求項2に記載された発明は、請求項1に記載のクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記クロスカービームの外周面におけるステアリング支持部材の下部側にステアリング装置を支持し、このステアリング支持部材の近傍部のクロスカービーム上面に、車両室内に向けて風を吹き出すベント吹出口を穿設したことを特徴とする。
【0009】
前記請求項3に記載された発明は、前記請求項1又は2に記載されたクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材を、前記クロスカービームの車両前方側及び車両後方側の双方の外周面に設けたことを特徴とする。
【0010】
前記請求項4に記載された発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載のクロスカービームのステアリング支持構造であって、前記ステアリング支持部材に、下方に突出する締結部材を射出成形によって一体成形し、該締結部材にステアリング装置を取り付けることによって、ステアリング装置を締結部材とステアリング支持部材を介してクロスカービームに支持したことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
前記請求項1に記載された発明によれば、ステアリング支持部材は上方側が開口した略蓋状に形成されているため、特に車両上下方向の荷重に対する機械的強度が大幅に向上する。よって、部品コストをほとんど上昇させることなく、重量の大きいステアリング装置を確実に保持することができる。また、クロスカービームを射出成形によって成形する際、前記ステアリング支持部材をクロスカービームに一体成形すれば、ステアリング支持部材の取付強度を向上させることができる。この場合は、上型と下型の簡単な射出成形用の型構成によって、前記蓋状のステアリング支持部材を成形することができる。
【0012】
前記請求項2に記載された発明によれば、前記ステアリング支持部材によってクロスカービーム本体の剛性も向上するため、クロスカービームにベント吹出口が開口していても、この開口は縦壁面ではなく、ステアリング装置が保持される下面と反対側の上面にあるため、ステアリング装置からの上下振動に対してもクロスカービームの強度を保持することができる。
【0013】
前記請求項3に記載された発明によれば、前記ステアリング支持部材をクロスカービームの車両前方側と車両後方側の双方に形成したため、ステアリング装置の荷重を均等に支持することができる。
【0014】
前記請求項4に記載された発明によれば、ステアリング支持部材に締結部材を一体成形したため、締結部材を取り付ける別途の工程を設ける必要がなく、クロスカービームの成形作業が簡略化される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態によるクロスカービームのステアリング支持構造を適用した車体10の車両室内を示している。
【0017】
車両室内の前部には、車幅方向に沿ってインストルメントパネル11が運転席側から助手席側にかけて配設されている。前記インストルメントパネル11の内方、即ち車両前方側にはクロスカービーム12が延設されている。
【0018】
図2は、本実施形態によるクロスカービーム12の斜視図である。車幅方向の左右両端には、車幅方向の外方に延びる板状の取付フランジ13,13が形成されている。該取付フランジ13には、ボルト43を挿入するための挿通孔19が穿設されている。また、クロスカービーム12の運転席側には、後述するように、車両後方側及び車両前方側の外周面にステアリングホイールを支持するためのステアリング支持部材であるステアリング支持用ブラケット20が形成されている。
【0019】
一方、助手席側にはエアバック収容用ケーシング22が設けられており、左右両端部の上面には円筒状のベント吹出口23,24が開口している。
【0020】
図3は、本実施形態によるクロスカービーム12の分解斜視図である。
【0021】
クロスカービーム12は、予め樹脂により成形された第一筒状体28と、該第一筒状体28の助手席側(左側)の端部の外周側に樹脂により鋳ぐるみ成形される蓋状部材29と、第一筒状体28の運転席側(右側)の外周側に樹脂により鋳ぐるみ成形される第二筒状体30とから構成されている。
【0022】
前記第一筒状体28は、上部側の断面略U字状の半割部材31と下部側の断面略U字状の半割部材32とからなる。これら半割部材31,32の長手方向端部は縦壁31a,32aにより塞がれている。そして、上部側の半割部材31における車幅方向外側部分の上面には、ベント吹出口23,24となる開口44,24が、上方に延びるフランジ44a,24aによって囲まれて一体に形成されている。下部側の半割部材32の助手席側の後面には前述のエアバック収容用ケーシング22が斜め上後方に向けて開放した有底の箱形状で一体形成されており、その底部分には図示しない円盤状のエアバックインフレータが収まる開口22aが設けられている。
【0023】
一方、第二筒状体30の車幅方向内側の端部は開口しており、この第二筒状体30の車幅方向外側の端部には略垂直状に延びる板状の取付フランジ13が、そしてこの取付フランジ13の近傍の車幅方向内方の上面には、上方に延びるフランジを備えた吹出口45が、それぞれ一体で形成されている。なお、図2における前記ベント吹出口23は、内周側に配設された第一筒状体28の吹出口44と、該吹出口44の外周側に配設された第二筒状体30の吹出口45とから密着状態の二重管構造に構成されている。
【0024】
そして、図3と図4に示すように、第二筒状体30の車両後方側の外周面からは、車両後方に向けて2つのステアリング支持用ブラケット20,20が突出して一体成形されており、第二筒状体30の車両前方側の外周面からも、2つのステアリング支持用ブラケット20,20が車両前方に向けて形成されている。これらのステアリング支持用ブラケット20,20は、互いに車幅方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
【0025】
また、例えば、車両後方側に設けられたステアリング支持用ブラケット20は、図4から明らかなように、第二筒状体30の車両後方側の外周面30aから車両後方に向けて延びる断面コ字状の本体部50と、該本体部50の車両後方側の開口端部を塞ぐ側壁部51とから構成されており、前記本体部50は略水平状に配置された底面部50aと、該底面部50aの左右両端から上方に立設した側面部50b,50bとから断面コ字状に形成されている。よって、これらの外周面30a、底面部50a、側面部50b,50b及び側壁部51によって、上方側が開口した略蓋状(略箱形状)に形成されている。また、前記底面部50aには、下方に向けて延びる植込ボルト(締結部材)52がインサート成形されている。この植込ボルト52の上面は、底面部50aとほぼ面一の高さに設けられている。
【0026】
さらに、図5に示すように、ステアリング装置53はクロスカービーム12のステアリング支持用ブラケット20に下方から取り付けることができる。
【0027】
前述したように、ステアリング支持用ブラケット20からは下方に向けて植込ボルト52が延びている。一方、ステアリング装置53の上部には、平面状に形成された取付面54が形成されており、該取付面54の角部には、前記植込ボルト52が挿通される挿通孔55が穿設されている。
【0028】
よって、ステアリング装置53を上方に持ち上げ、取付面54の挿通孔55に植込ボルト52を挿入したのち、該植込ボルト52にナット56を螺合させることによって、ステアリング装置53をクロスカービーム12に支持することができる。
【0029】
簡単にクロスカービーム12の成形方法を説明する。
【0030】
まず、第一筒状体28を成形する。予め、上部側の半割部材31と下部側の半割部材32(図3参照)とを別々に樹脂により射出成形し、これらの周縁部同士33,34を互いに振動溶着させることによって、内部が中空の第一筒状体28を成形する。
【0031】
次いで、第一筒状体28の左右両端部の外周側に、蓋状部材29及び第二筒状体30を樹脂により鋳ぐるむ。第二筒状体30は、図6に示すように、上型35、下型36及びサイド型37から構成された金型38を用いて鋳ぐるむことができる。
【0032】
予め成形された第一筒状体28と図示しない植込ボルトを金型38内に収容し、上型35、下型36及びサイド型37を移動させて金型38を閉成すると、図6に示すように、第一筒状体28と金型38の内面との間にキャビティ40が形成される。上型35に設けられた湯口39から前記キャビティ40内に溶融樹脂41を注入して該溶融樹脂41をキャビティ40内に充填させ、この状態で溶融樹脂41を硬化させることによって、第一筒状体28の外周側に第二筒状体30と植込ボルトを同時に鋳ぐるむことができる。こののち、矢印に示す方向に上型35、下型36及びサイド型37を移動させることによって金型38を開くと、本実施形態によるクロスカービーム12が得られる。ここで、前記溶融樹脂41は、第一筒状体28を構成する樹脂よりも高い強度を有するものを用いることが好ましい。例えば、繊維を混入させた溶融樹脂等を用いることができる。
【0033】
前記クロスカービームのステアリング装置支持構造によれば、以下の作用効果を奏する。
【0034】
図4に示す矢印方向である上下方向に上型35と下型36を開成すれば、側壁部51が設けられたステアリング支持用ブラケット20を有するクロスカービーム12を成形することができる。また、上下型35,36の抜き方向を上下方向にすれば、前記植込ボルト52を効率的に押さえ込むことができ、インサート成形でステアリング支持用ブラケット20に一体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるクロスカービームを配設した車体前部の斜視図である。
【図2】本実施形態によるクロスカービーム全体を示す斜視図である。
【図3】本実施形態によるクロスカービームの分解斜視図である。
【図4】図3におけるステアリング支持ブラケット近傍を示す拡大斜視図である。
【図5】本実施形態によるクロスカービームにステアリング装置を取り付ける状態を示す斜視図である。
【図6】本実施形態によるクロスカービームを成形する金型の断面図である。
【符号の説明】
12 クロスカービーム
20 ステアリング支持ブラケット(ステアリング支持部材)
23 ベント吹出口
50 本体部
51 側壁部
52 植込ボルト(締結部材)
Claims (4)
- 車幅方向に沿ってクロスカービーム(12)を延設し、該クロスカービーム(12)の運転席側の部位に車両前後方向に突出するステアリング支持部材(20)を設け、該ステアリング支持部材(20)にステアリング装置(53)を支持するクロスカービームのステアリング支持構造であって、
前記ステアリング支持部材(20)は、前記クロスカービーム(12)の外周面から車両前後方向に延びる断面コ字状の本体部(50)と、該本体部(50)の車両前後方向の開口端部を塞ぐ側壁部(51)とから構成されて車両上方側が開口した略蓋状に形成されていることを特徴とするクロスカービームのステアリング支持構造。 - 前記クロスカービーム(12)のステアリング支持部材(20)の下面にステアリング装置(53)が支持され、このステアリング支持部材(20)の近傍部に、車両室内に向けて風を吹き出すベント吹出口(23)を車両上方側が開口するように形成したことを特徴とする請求項1に記載のクロスカービームのステアリング支持構造。
- 前記ステアリング支持部材(20)を、前記クロスカービーム(12)の車両前方側及び車両後方側の双方の外周面に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のクロスカービームのステアリング支持構造。
- 前記ステアリング支持部材(20)に、下方に突出する締結部材(52)を一体成形し、該締結部材(52)にステアリング装置(53)を取り付けることによって、ステアリング装置(53)をステアリング支持部材(20)を介してクロスカービーム(12)に支持したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクロスカービームのステアリング支持構造。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021938A JP2004231038A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | クロスカービームのステアリング支持構造 |
US10/763,254 US6988764B2 (en) | 2003-01-28 | 2004-01-26 | Cross car beam for vehicle |
EP04001730A EP1442964B1 (en) | 2003-01-28 | 2004-01-27 | Cross car beam for vehicle |
DE602004000648T DE602004000648T2 (de) | 2003-01-28 | 2004-01-27 | Querträger eines Kraftfahrzeugs |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003021938A JP2004231038A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | クロスカービームのステアリング支持構造 |
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JP2004231038A true JP2004231038A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32951144
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004231038A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7491969B2 (ja) | 2022-08-01 | 2024-05-28 | フタバ産業株式会社 | ステアリングサポート |
-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021938A patent/JP2004231038A/ja active Pending
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JP7491969B2 (ja) | 2022-08-01 | 2024-05-28 | フタバ産業株式会社 | ステアリングサポート |
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