JP2005186465A - 二重管部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気流音が発生せず、重量の増大もない二重管部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 断面略半円状に形成された第一の半割部材31と第二の半割部材32の接合用フランジ部同士33,34を互いに接合して内側筒状体28を成形し、該内側筒状体28の外周側の開口部用フランジ61a以外に溶融樹脂を射出成形することによって、内側筒状体28の外周側に外側筒状体30をインサート成形すると共に、これらの内側筒状体28及び外側筒状体30の開口部用フランジ61a以外の所定部位に開口部61を形成する二重管部材の製造方法であって、前記第一の半割部材31における前記所定部位の内面に、この内面から第二の半割部材32の内面にまで延びる支持リブ63を設け、前記外側筒状体30を内側筒状体28にインサート成形した後に、前記所定部位の側面及び支持リブ63を除去することにより、前記開口部61を形成している。
【選択図】 図9
【解決手段】 断面略半円状に形成された第一の半割部材31と第二の半割部材32の接合用フランジ部同士33,34を互いに接合して内側筒状体28を成形し、該内側筒状体28の外周側の開口部用フランジ61a以外に溶融樹脂を射出成形することによって、内側筒状体28の外周側に外側筒状体30をインサート成形すると共に、これらの内側筒状体28及び外側筒状体30の開口部用フランジ61a以外の所定部位に開口部61を形成する二重管部材の製造方法であって、前記第一の半割部材31における前記所定部位の内面に、この内面から第二の半割部材32の内面にまで延びる支持リブ63を設け、前記外側筒状体30を内側筒状体28にインサート成形した後に、前記所定部位の側面及び支持リブ63を除去することにより、前記開口部61を形成している。
【選択図】 図9
Description
本発明は、二重管部材の製造方法に関し、更に詳しくは、開口部を有する二重管部材を射出成形やブロー成形によって成形する方法に関する。
自動車のスロットルバルブ下流に接続する吸気管などの二重管部材は、図16に示すように、吸気管本体101の内管部102をブロー成形によって一体に形成し、内管部102の吸気ダクト103と吸気チャンバ104とを支柱105,106で固定したのち、内管部102の外周に外皮部107を射出成形することによって成形される(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−215025号公報
しかしながら、前記従来の技術では、吸気管の内方に支柱105,106が残っているため、吸気管の内部を空気等の気体が流通した場合に、この気体が支柱105,106に当たって、気流音(風切音)が発生するという問題があった。また、支柱105,106の分だけ重量が大きいため、車両重量も大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、内部を気体が流通した場合でも気流音の発生がなく、車両重量を増大させることがない二重管部材の製造方法を提供する。
本願の請求項1に記載された二重管部材の製造方法は、断面略半円状に形成された第一の半割部材と第二の半割部材の端縁同士を互いに接合して内側筒状体を成形し、該内側筒状体の外周側に溶融樹脂を流し込んで硬化させることによって、内側筒状体の外周側の所定部位以外に外側筒状体をインサート成形すると共に、これらの内側筒状体及び外側筒状体の前記所定部位に開口部を形成する二重管部材の製造方法であって、前記第一の半割部材における前記所定部位の内面に、この内面から第二の半割部材の内面にまで延びる支持リブを設け、前記外側筒状体を内側筒状体にインサート成形した後に、前記所定部位の側面及び支持リブを除去することにより、前記開口部を形成することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載された二重管部材の製造方法は、請求項1に記載の二重管部材の製造方法であって、前記支持リブを、所定部位の内面に一体に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載された二重管部材の製造方法は、請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法であって、前記支持リブを、矩形状の板材同士を互いに交差させることによって断面略十字状に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載された二重管部材の製造方法は、請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法であって、前記支持リブを、外周側の円筒部と、該円筒部の内方に設けられた、断面略十字状の交差リブ部とから構成したことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載された二重管部材の製造方法は、請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法であって、前記支持リブを、複数の棒状材を並設することにより構成したことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載された二重管部材の製造方法は、請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法であって、前記支持リブを、有底円筒状に形成したことを特徴とする。
前記請求項1によれば、所定部位の側面及び支持リブを除去して、前記開口部を形成するため、完成品である二重管部材の内部には、支持リブが残っておらず、二重管部材の内部に気体が流通した場合でも、気流音が発生することがない。また、所定部位の側面及び支持リブの分だけ重量が軽減される。さらに、最終的に開口部となる所定部位を塞いだまま、内側筒状体の外周側に溶融樹脂を流入させるため、内側筒状体に開口部を開放したまま外周側に溶融樹脂を流入させる場合よりも、内側筒状体の開口部近傍における変形量が小さくなる。そして、第一の半割部材における所定部位の内面に、この内面から第二の半割部材の内面にまで延びる支持リブを設けているため、内側筒状体の外周側に溶融樹脂を流入させる際においても、内側筒状体が内方に潰れ変形を起こしにくくなる。
前記請求項2によれば、前記支持リブを、所定部位の内面に一体に形成しているため、内側筒状体の所定部位の側面と支持リブとの結合強度が大きく、内側筒状体が外側から受ける荷重を支持リブで確実に支持することができる。
前記請求項3によれば、前記支持リブを、矩形状の板材を互いに交差させることによって断面略十字状に形成しているため、簡単な構造で支持剛性を高めることができる。
前記請求項4によれば、前記支持リブを、外周側の円筒部と、該円筒部の内方に設けられた、断面略十字状の交差リブ部とから構成しているため、内側筒状体の外周側に溶融樹脂を流入させる際に、内側筒状体が外周側から受ける荷重に対する支持剛性を更に高めることができる。
前記請求項5によれば、前記支持リブを、複数の棒状材から構成しているため、内側筒状体の外周側に溶融樹脂を流入させる際に、内側筒状体が外周側から受ける荷重に対する支持剛性を更に高めることができる。
前記請求項6によれば、前記支持リブを、有底円筒状に形成しているため、簡単な構造で支持剛性を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態によるクロスカービームの取付構造を適用した車体10の車両室内を示している。
車両室内の前部には、インストルメントパネル11が配設されており、該インストルメントパネル11の内方、即ち車両前方側には、運転席側から助手席側にかけてクロスカービーム12が延設されている。
図2に示すように、クロスカービーム12の左右両端には取付部13,13が設けられ、該取付部13には取付面51が形成されており、この取付面51には、ボルト孔52が穿設されている。また、クロスカービーム12の車両前方側には、ダッシュロアパネル14が配設されており、該ダッシュロアパネル14の車幅方向側縁から後方へ折曲したサイドパネル部15a,15aの後縁から車外方向に折曲された取付フランジ15,15に、前記クロスカービーム12の取付部13,13がボルト43によって締結されている。さらに、クロスカービーム12の車幅方向中央側は、支持スティ16とL字型の取付ブラケット17を介してフロアパネルのトンネル部18の上面18aに支持されている。なお、運転席側の車両前方側には、取付ブラケット21が設けられており、該取付ブラケット21は、コ字状に形成された支持ブラケット48を介してダッシュロアパネル14の後面14aに取り付けられている。
図3は、本実施形態によるクロスカービーム12の斜視図である。クロスカービーム12の運転席側には、車両後方側の外周面にステアリング装置を支持するステアリング支持用ブラケット20が設けられており、前述のように、車両前方側にはクロスカービーム12をダッシュロア14に固定するための取付ブラケット21が形成されている。このステアリング支持用ブラケット20には、植込ボルト49が下方に突出してインサート成形されている。また、運転席側の上面には、円筒状のベント吹出口22,23が開口し、助手席側の上面にもベント吹出口24が開口して設けられている。そして、クロスカービーム12の車幅方向中央付近の運転席側には、支持スティ16が接続されるリブ25が形成され、該リブ25の下方側に支持スティ用取付部26が形成されている。このクロスカービームは、内部に形成された中空部が空調ダクトとして機能すると共に、ステアリングメンバとしても機能する。
図4は、本実施形態によるクロスカービーム12の分解斜視図である。
クロスカービーム12は、予め樹脂により成形された内側筒状体28と、該内側筒状体28の左右両端の外周側に樹脂により鋳ぐるみ成形(インサート成形)された外側筒状体29,30とから構成されている。
前記内側筒状体28は、上部側の断面略半円状に形成された第一の半割部材31と下部側の断面略半円状に形成された第二の半割部材32とからなる。これら半割部材31,32の長手方向端部は縦壁31a,32aにより塞がれている。そして、上部側の第一の半割部材31における上面には、上方に延びる略円筒状の開口部用フランジ44a,61a,45aが形成され、これらには、ベント吹出口23,22,24となる開口部44,61,45が形成されている。
一方、運転席側の外側筒状体30の車幅方向内側の端部は開口しており、前述したように、この端部を全周に亘って取り囲むようにリブ25がクロスカービーム12の径方向に連続して突出するように一体成形されている。
図5は、図3のA−A線による拡大断面図である。
内側筒状体28の上面には、前述したように、上方に延びる開口部用フランジ61aが延設されており、該開口部用フランジ61aの上端は、開口されている。また、内側筒状体28の外周側には、開口部用フランジ61aを除いた部分に外側筒状体がインサート成形されている。
次いで、本発明の実施形態による二重管部材の製造方法について説明する。
まず、第一の半割部材31及び第二の半割部材32をそれぞれ別個に射出成形によって成形する。
図6は第一の半割部材を示す断面図、図7は第二の半割部材を示す断面図である。第一の半割部材31の端縁には、左右に延びる接合用フランジ部33,33が延設され、上面には、開口部用フランジ61aが上方に延設され、かつ、この開口部用フランジ61aの上端の内方側(所定部位)は蓋部61bによって塞がれており、この蓋部61bは、のちに切除されて開口部61が形成される。この蓋部61bの下面には、棒状の支持リブ63が下面から下方に向けて延設されている。なお、これらの蓋部61bと支持リブ63とは、第一の半割部材31に一体に形成されている。また、第二の半割部材32は、左右両端に接合用フランジ部34,34が形成されている。
次に、第一の半割部材31と第二の半割部材32とを接合することによって、内側筒状体28を成形する。
図8は第一の半割部材と第二の半割部材とを接合している状態を示す断面図である。
第一の半割部材31と第二の半割部材32にそれぞれ形成された接合用フランジ部同士33,34を振動溶着させることによって、閉断面構造の内側筒状体28を形成する。このとき、図8に示すように、第一の半割部材31における所定部位の内面に一体形成された支持リブ63は、該支持リブ63の下端が第二の半割部材32の内面に当接する長さに設定されている。ただし、支持リブ63の下端63aは第二の半割部材32の内面には接合されず、単に、当接しているのみである。
図9は、内側筒状体の外周側に外側筒状体をインサート成形している状態を示す断面図である。
内側筒状体28を図外の金型内に配置し、この内側筒状体28の外周側に溶融樹脂を射出成形又は射出圧縮成形することにより、開口部用フランジ61a以外の部分を外側筒状体によって鋳包む。このとき、開口部用フランジ61a及び蓋部61bには、外側筒状体を形成しない。なお、前記溶融樹脂は、内側筒状体28を構成する樹脂よりも高い強度を有するものを用いることが好ましく、例えば、繊維を混入させた溶融樹脂等を用いることができる。
図10は、内側筒状体の蓋部と支持リブを切除している状態を示す断面図である。
最後に、開口部を塞いでいる蓋部61bをカッター等の切除工具を用いて除去する。即ち、開口部用フランジ61aの上端における内周に沿ってカッターで蓋部61bを切除することにより、蓋部61bと支持リブ63を同時に除去することができる。
なお、以下に、支持リブの変形例を示す。
図11に示す支持リブ64は、矩形状の板材65,66を2枚用い、これらの板材同士65,66を互いに略直交させることにより、断面十字状に形成している。
図12に示す支持リブ67は、円筒状に形成された外周側の円筒部68と、該円筒部68の内方に一体形成された、断面十字状の交差リブ部69とから構成されている。
図13に示す支持リブ70は、多数の細長い円柱状の棒状材71を並設することにより構成している。これの棒状材71は、全て、同じ長さに形成されている。
図14に示す支持リブ72は、有底円筒状に形成されており、開口部用フランジ61aの上端と、支持リブ72の上端とが一体に連結されている。一方、図15に示す支持リブ73は、有底円筒状に形成されているが、開口部用フランジ61aの下端の内面に一体に形成されている。
本実施形態による二重管部材の製造方法によれば、以下の作用効果を得ることができる。
前記支持リブ63,64,67,70,72,73は、蓋部61bと共に切除されるため、クロスカービーム12の内方に空気等の気体が流通する場合でも、気流音が発生することがない。
また、開口部61を蓋部61bで塞いだまま、外側筒状体30を形成するため、この開口部近傍における内側筒状体28の反り等の変形を抑制することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想に基づいて、種々の変形及び変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、開口部61について説明したが、これ以外の開口部44,45についても、同様の成形方法を適用することができる。また、クロスカービーム12以外の筒状部材についても、本発明の製造方法を適用することができる。
22,23,24…ベント吹出口(所定部位)
28…内側筒状体
29,30…外側筒状体
31…第一の半割部材
32…第二の半割部材
33,34…接合用フランジ部(端縁)
44,45,61…開口部
63,64,67,70,72,73…支持リブ
65,66…板材
68…円筒部
69…交差リブ部
71…棒状材
28…内側筒状体
29,30…外側筒状体
31…第一の半割部材
32…第二の半割部材
33,34…接合用フランジ部(端縁)
44,45,61…開口部
63,64,67,70,72,73…支持リブ
65,66…板材
68…円筒部
69…交差リブ部
71…棒状材
Claims (6)
- 断面略半円状に形成された第一の半割部材(31)と第二の半割部材(32)の端縁同士(33,34)を互いに接合して内側筒状体(28)を成形し、該内側筒状体(28)の外周側に溶融樹脂を流し込んで硬化させることによって、内側筒状体(28)の外周側の所定部位(23,22,24)以外に外側筒状体(29,30)をインサート成形すると共に、これらの内側筒状体(28)及び外側筒状体(29,30)の前記所定部位(23,22,24)に開口部(44,61,45)を形成する二重管部材の製造方法であって、
前記第一の半割部材(31)における前記所定部位(23,22,24)の内面に、この内面から第二の半割部材(32)の内面にまで延びる支持リブ(63,64,67,70,72,73)を設け、
前記外側筒状体(29,30)を内側筒状体(28)にインサート成形した後に、前記所定部位(23,22,24)の側面及び支持リブ(63,64,67,70,72,73)を除去することにより、前記開口部(44,61,45)を形成することを特徴とする二重管部材の製造方法。 - 前記支持リブ(63,64,67,70,72,73)を、所定部位の内面に一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の二重管部材の製造方法。
- 前記支持リブ(64)を、矩形状の板材同士(65,66)を互いに交差させることによって断面略十字状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法。
- 前記支持リブ(67)を、外周側の円筒部(68)と、該円筒部(68)の内方に設けられた、断面略十字状の交差リブ部(69)とから構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法。
- 前記支持リブ(70)を、複数の棒状材(71)を並設することにより構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法。
- 前記支持リブ(72,73)を、有底円筒状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の二重管部材の製造方法。
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JP2003431209A JP2005186465A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 二重管部材の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20230077133A (ko) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | 사단법인 캠틱종합기술원 | 이종재질의 중공 구조 성형품 및 이를 제조하기 위한 금형 |
-
2003
- 2003-12-25 JP JP2003431209A patent/JP2005186465A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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KR20230077133A (ko) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | 사단법인 캠틱종합기술원 | 이종재질의 중공 구조 성형품 및 이를 제조하기 위한 금형 |
KR102560224B1 (ko) | 2021-11-25 | 2023-07-28 | 사단법인 캠틱종합기술원 | 이종재질의 중공 구조 성형품 및 이를 제조하기 위한 금형 |
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