JP2004230722A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体上における画像光の走査性能を簡単な構成で容易かつ正確に検出できるようにする。
【解決手段】感光体ドラム20の表面における走査光の走査範囲20a内であって画像形成領域20b両端の外側のそれぞれに検出用マーク21,22を形成し、この検出用マーク21,22における走査光の反射光を検出する光学センサ31,32を設けた。光学センサ31,32の検出信号に基づいて走査光の走査状態を検出する。感光体ドラム20の表面の画像形成領域20b内に静電潜像を形成する画像光を照射するLSU10からの走査光によって検出用マーク21,22が走査され、その反射光を検出する光学センサ31,32の検出信号によって走査光の走査状態を画像形成に影響を与えることなく正確に検出できる。
【選択図】図2
【解決手段】感光体ドラム20の表面における走査光の走査範囲20a内であって画像形成領域20b両端の外側のそれぞれに検出用マーク21,22を形成し、この検出用マーク21,22における走査光の反射光を検出する光学センサ31,32を設けた。光学センサ31,32の検出信号に基づいて走査光の走査状態を検出する。感光体ドラム20の表面の画像形成領域20b内に静電潜像を形成する画像光を照射するLSU10からの走査光によって検出用マーク21,22が走査され、その反射光を検出する光学センサ31,32の検出信号によって走査光の走査状態を画像形成に影響を与えることなく正確に検出できる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル複写機、レーザプリンタ又はレーザファクシミリ等の電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置に関し、特に、光走査装置からの感光体に対する画像光の傾きや画像倍率等の走査性能を検出する機能を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機、レーザプリンタ又はレーザファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置は、画像データに基づく画像光の露光によって感光体の表面に形成された静電潜像を現像剤像に顕像化して転写することにより記録媒体に画像を形成する。電子写真方式の画像形成装置として、副走査方向(主走査方向に直交する方向)に移動する感光体表面に、画像光を主走査方向に走査させる光走査装置を用いたものがある。
【0003】
このような画像形成装置において、画像データを忠実に再現した画像を記録媒体上に形成するためには、光走査装置から照射される画像光を感光体表面に適正な走査状態で露光させなければならない。
【0004】
このため、従来の画像形成装置では、感光ドラムの走査始端位置の周面に帯状マークを形成し、それからの反射光を受光センサで受光することにより、始端信号を作成し、画像光の走査方向における露光開始位置を検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、複数の画像光を走査してカラー画像を形成する際の各色のずれを補正するものとして、第1のレーザ露光手段及び現像手段とによって感光ドラム上に位置合せマークを形成し、第2以降のレーザ露光手段及び受光手段により、位置合せマークを検出して、露出位置の基準とするようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−255815号
【特許文献2】
特開平2−107463号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、画像光の露光開始位置や複数の画像光の誤差を検出することはできるが、画像形成装置における感光体や光走査装置の取付位置の誤差による感光体上におけるレーザ光等の画像光の走査方向の傾き、及び、画像光の走査速度の誤差による主走査方向の画像倍率の誤差を検出することができなかった。
【0008】
また、光走査装置の組立調整時に露光性能の測定が行われているが、この場合には専用の測定器が必要であり、また、画像形成装置に光走査装置を搭載した状態では測定できないために画像形成装置における光走査装置の取付位置の誤差による感光体上におけるレーザ光等の画像光の走査方向の傾きを検出することができなかった。
【0009】
この発明の目的は、感光体上における画像光の走査性能を簡単な構成で容易かつ正確に検出することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)副走査方向に移動する感光体表面を走査光によって主走査方向に往復走査して電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置において、
前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに検出用マークを形成し、この検出用マークにおける走査光の反射光を検出する光学センサを設け、この光学センサの検出信号に基づいて走査光の走査状態を検出することを特徴とする。
【0011】
この構成においては、感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークが走査光によって走査され、その反射光を検出する光学センサの検出信号によって走査光の走査状態が検出される。したがって、画像形成に影響を与えることなく、走査光の走査状態が検出される。
【0012】
(2)前記検出用マークが、外形線の少なくとも一部が主走査方向に対して傾斜した平面形状を呈することを特徴とする。
【0013】
この構成においては、外形線の少なくとも一部が傾斜した平面形状を呈する検出用マークが走査光によって走査される。したがって、走査光が横切る検出用マーク内の主走査方向又は副走査方向の位置に応じて、走査光が副走査方向又は主走査方向について検出用マークを横切る時間が変化し、光学センサが検出用マークからの反射光を検出している時間から走査光の主走査方向又は副走査方向の位置が特定される。
【0014】
(3)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して拡散反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向しない位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、感光体表面が強い正反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くが拡散光として反射して光学センサによって検出され、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出されない。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0016】
(4)前記検出用マークが、前記感光体表面を粗化して形成されていることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、感光体表面を粗化して検出用マークが形成される。したがって、一般に正反射特性の強い感光体表面に拡散反射特性の強い検出用マークが容易に形成される。
【0018】
(5)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して正反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向する位置に配置されていることを特徴とする。
【0019】
この構成においては、感光体表面が強い拡散反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くが正反射光として反射して光学センサによって検出され、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出されない。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0020】
(6)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して走査光の波長についての吸収特性を強くされていることを特徴とする。
【0021】
この構成においては、検出用マークを露光した走査光の多くが検出用マークに吸収されて光学センサによって検出されず、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出される。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0022】
(7)前記走査光が、前記感光体表面における走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれにおいて、主走査方向の1箇所を副走査方向の全域にわたって露光することを特徴する。
【0023】
この構成においては、走査光が主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを、副走査方向の2本のラインとして露光する。したがって、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークが、走査光によって確実に露光され、その反射光の光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0024】
(8)前記光学センサが走査光の反射光を検出しない場合に、走査光による主走査方向の露光位置を変更することを特徴とする。
【0025】
この構成においては、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置が変更される。したがって、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じている場合にも、走査光によって検出用マークが確実に露光され、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0026】
(9)前記光学センサが、前記走査光による主走査方向の露光位置の変更中に継続して反射光を検出することを特徴とする。
【0027】
この構成においては、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更しつつ光学センサの検出信号に基づく検出用マークの検出が継続される。したがって、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じており、検出用マークが比較的小さい場合にも、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0028】
(10)主走査方向の1ラインの走査光のうち前記感光体表面における画像形成領域内を走査する光が、画像形成の対象となる画像データに基づく画像光であることを特徴とする。
【0029】
この構成においては、画像形成処理時に感光体表面の画像形成領域内を走査する画像光の主走査方向における両側の走査光によって感光体表面に形成された検出用マークが走査される。したがって、画像形成処理中に走査光の走査状態の検出処理の実行が可能になる。
【0030】
(11)前記検出用マークが一部を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記走査光を少なくとも前記検出用マークに対向する主走査方向の1ラインについて走査することを特徴とする。
【0031】
この構成においては、感光体表面における画像形成領域両端の外側のそれぞれに形成される検出用マークの外形の一部が副走査方向に平行な直線で構成され、両方の検出用マークが単一ラインの走査光によって走査される。したがって、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、及び、走査光の走査速度が変化しない場合、走査光が主走査方向の一端側から他端側に向けて感光体表面を走査する間に、一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間は変化しない。このため、光学センサの検出信号に基づいて走査光が一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間を測定し、この測定結果を基準値と比較することにより、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度が検出される。
【0032】
(12)前記検出用マークが主走査方向の外側を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記感光体表面を主走査方向の複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査することを特徴とする。
【0033】
この構成においては、副走査方向における前記感光体表面の画像形成領域が、複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査される。したがって、主走査方向における感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークの両方が単一ラインの走査光によって確実に走査され、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度が検出される。
【0034】
(13)前記主走査方向の各ラインのうち前記感光体表面の画像形成領域外のみに走査光を照射することを特徴とする。
【0035】
この構成においては、検出用マークを検出するための走査光は感光体表面の画像形成領域外のみを走査し、感光体表面の画像形成領域内が検出用マークを検出するための走査光によって走査されることがない。したがって、画像形成処理時以外のタイミングで感光体表面の画像形成領域が露光されることがなく、感光体の劣化が促進されることがない。
【0036】
(14)前記検出用マークが、検出用マークであることを示す識別用部分を一部に含むことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、検出用マークの一部に検出用マークであることを示す識別用部分が形成される。したがって、光学センサの検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マークについての検出信号であるか否かが判別され、感光体表面に付着した塵埃等を検出用マークと誤検出することがない。
【0038】
(15)前記感光体表面の副走査方向の移動を停止した状態で走査光の走査状態の検出を行うことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、感光体表面を副走査方向に移動させることなく検出用マークについての光学センサの検出信号に基づく走査状態の検出が行われる。したがって、副走査方向における感光体表面の位置を特定する手段がある場合、検出用マークにおける走査光の反射光が光学センサによって受光される位置に感光体を停止させることにより、検出用マークからの反射光が光学センサによって確実に検出される。
【0040】
(16)前記検出センサの検出信号に基づいて検出する走査状態が、主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置のいずれか1つ又は複数であることを特徴とする。
【0041】
この構成においては、主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置の少なくとも1つが、走査光の走査状態として検出される。したがって、光学センサによる検出用マークの検出信号に基づいて、画像形成状態を良好に維持するための走査光の調整内容が確実に獲得される。
【0042】
(17)前記検出用マークが、前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに、検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類ずつ設けられることを特徴とする。
【0043】
この構成においては、検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類の検出マークが感光体表面に形成される。したがって、複数種類の検出用マークのそれぞれにおける走査光の反射光についての光学センサの検出信号に基づいて、複数種類の走査状態のそれぞれが正確に検出される。
【0044】
(18)前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域外の前記光学センサに対向する位置に、走査状態の検出に関する情報を表記する情報用マークを形成したことを特徴とする。
【0045】
この構成においては、走査状態の検出に関する情報を表記した情報用マークが、感光体表面において光学センサが検出することができる位置に形成される。したがって、走査状態の検出時に光学センサは、検出用マークとともに情報用マークを検出し、この検出結果から走査状態の検出に関する情報が獲得される。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す斜視図であり、光走査装置(LSU)及び感光体の関係を示す図である。LSU10は、半導体レーザ1から照射された光ビーム(入射ビーム)を回転方向に沿って複数の反射面が形成された回転多面鏡2によって反射した走査光(出射ビーム)により、感光体ドラム20の表面を露光走査し、感光体ドラム20の表面に静電潜像を形成する。
【0047】
半導体レーザ1から回転多面鏡2までの光路(入射ビーム光路)、及び、回転多面鏡2から感光体ドラム20の表面までの光路(出射ビーム光路)には、種々の光学部品が配置されている。入射ビーム光路に配置されている光学部品を入射光学系、出射ビーム光路に配置されている光学部品を出射光学系という。
【0048】
入射光学系は、半導体レーザ2から照射された光ビームを平行光に変換するコリメートレンズ、略中央部に矩形の開口を備えた開口板、及び、光ビームを副走査方向について集光するシリンドリカルレンズを一体的に備えた入射光学系部品3によって構成されている。回転多面鏡2は、周囲に複数の反射面を備え、一定速度で矢印方向に回転する。
【0049】
出射光学系は、回転多面鏡2の反射面により反射された出射ビームを、所定のビーム径で感光体ドラム20の表面において等速度で走査させるものであり、回転多面鏡2から感光体ドラム20の表面に向かって順に配置されたfθレンズ4及び出射折返しミラー6によって構成されている。fθレンズ4は、回転多面鏡2によって等角速度偏向された出射ビームを等速度偏向する。また、fθレンズ4は、副走査方向に屈折力を持ち、回転多面鏡2の反射面付近と感光体ドラム20の表面とを共役な結像関係にする。これによって、fθレンズ4は、回転多面鏡2の面倒れ補正を行なう。出射折返しミラー6は、出射ビームを感光体ドラム20の表面に向けて反射する。
【0050】
これにより、半導体レーザ1から照射された入射ビームは、回転多面鏡2を構成するポリゴンミラー2a又は2bの何れかの反射面における高さ方向の中央域に照射され、回転多面鏡2の回転によって主走査方向(感光体ドラム20の軸方向に平行な方向)に偏向された出射ビームとして感光体ドラム20の表面を走査する。
【0051】
出射ビームは、回転多面鏡2の反射面における回転方向の位置により、主走査方向における異なる出射ビーム光路を通って感光体ドラム20の表面に至る。主走査ラインを走査するために出射ビーム(主走査ビーム)は、感光体ドラム20の表面において画像形成に使用される画像形成領域を走査する間に、画像データにより変調された画像光とされる。
【0052】
出射ビームが感光体ドラム20の表面を主走査方向に定期的に往復走査する間に感光体ドラム20が回転するため、感光体ドラム20の画像形成領域は主走査方向に直交する副走査方向に移動し、出射ビームは一定期間毎に感光体ドラム20の表面の異なる場所を走査する。
【0053】
感光体ドラム20の表面の主走査方向における出射ビームの走査範囲20a内であって画像形成領域20bの両端の外側のそれぞれには、検出用マーク21,22が形成されている。検出用マーク21,22のそれぞれは、三角形状を呈しており、外形線の一部が主走査方向に対して傾斜し、かつ、主走査方向の外側端部が副走査方向に平行な直線によって構成され、互いに主走査方向に対称となるように形成されている。
【0054】
検出用マーク21,22は、感光体ドラム20の表面と異なる反射特性にされている。例えば、感光体ドラム20の表面が強い正反射特性を有する場合には、感光体ドラム20の表面を部分的に粗化することによって強い拡散反射特性を有するように形成されるか、又は、感光体ドラム20の一部に半導体レーザ1から照射されるレーザ光の波長に対して吸収特性の強い塗料を塗布して形成される。逆に、感光体ドラム20の表面が強い拡散反射特性を有する場合には、感光体ドラム20の表面を部分的に鏡面研磨することによって強い拡散反射特性を有するように形成される。
【0055】
図2及び図3は、上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。この検出方法では、感光体ドラム20の表面の主走査方向における出射ビームの走査範囲20a内であって画像形成領域20bの両端の外側に形成された検出用マーク21,22のそれぞれを、LSU10から照射される走査光によって、主走査方向について両側の検出用マーク21,22のそれぞれに含まれる各1ヶ所の露光位置41,42で連続的に露光する。
【0056】
感光体ドラム20は、矢印方向A方向に回転しているため、感光体ドラム20の表面には、主走査方向の両端部の2ヶ所で図2中一点鎖線で示すように線状の露光位置41,42に走査光が露光される。この走査光の検出用マーク21,22における反射光が、光学センサ31,32によって検出される。
【0057】
例えば、図3(A)に示す状態では、露光位置41,42を走査光が矢印方向に露光していく。このため、光学センサ31,32は、検出用マーク22の底辺を検出した後に時間差ΔTfrが経過した時検出用マーク21の底辺を検出し、光学センサ31は時間ΔTfにわたって検出用マーク21を検出し、光学センサ32は時間ΔTrにわたって検出用マーク22を検出する。この光学センサ31,32の検出結果に基づいて、以下のようにして走査光の走査状態が検出される。
【0058】
(a)装置前側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置前側の検出用マーク21の外側端部21aから露光位置41までの距離Yfは、図3(B)に示すように、露光位置41を露光する走査光の検出用マーク21における反射光の光学センサ31による検出時間をΔTfとすると、
Yf=Lkw−(ΔTf×Vp×Lkw÷Lkh)
によって求められる。ここに、Vpはプロセス速度(副走査速度)、Lkwは検出用マーク21の主走査方向の幅(底辺の長さ)、Lkhは検出用マーク21の副走査方向の高さであり、これらは既知である。
【0059】
装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYfは、基準値をYfoとして、
ΔYf=Yf−Yfo
によって求められる。したがって、光学センサ31の検出信号に基づいてΔTfを計測することにより、走査光の走査状態として、装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYfを検出できる。
【0060】
(b)装置後側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置後側の検出用マーク22の外側端部22aから露光位置42までの距離Yrは、図3(B)に示すように、露光位置42を露光する走査光の検出用マーク22における反射光の光学センサ32による検出時間をΔTrとすると、
Yr=Lkw−(ΔTr×Vp×Lkw÷Lkh)
によって求められる。ここに、Vpはプロセス速度(副走査速度)、Lkwは検出用マーク22の主走査方向の幅(底辺の長さ)、Lkhは検出用マーク22の副走査方向の高さであり、これらは既知である。
【0061】
装置前側の露光位置ずれΔYrは、基準値をYroとして、
ΔYr=Yr−Yro
によって求められる。したがって、光学センサ32の検出信号に基づいてΔTrを計測することにより、走査光の走査状態として、装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYrを検出できる。
【0062】
(c)主走査方向の画像倍率の検出
露光位置41,42の主走査方向の間隔Lkは、図3(B)に示すように、検出用マーク21,22のそれぞれの外側端部21a,22aの間隔をLwとして、上記(a)の検出用マーク21の外側端部21aから露光位置41までの距離Yf、及び、上記(b)の検出用マーク22の外側端部22aから露光位置42までの距離Yrを用いて、
Lk=Lw−Yf+Yr
により求められる。
【0063】
露光位置41,42の主走査方向の間隔の設計値Lkoは、同様に、
Lko=Lw−Yfo+Yro
である。主走査方向の画像倍率βは、
β=Lk÷Lko
によって求められる。したがって、光学センサ31及び32の検出信号に基づいてΔTf及びΔTrを計測することにより、走査光の走査状態として、主走査方向の画像倍率βを検出できる。
【0064】
(d)主走査方向の傾きの検出
走査光の主走査方向の傾きによる検出用センサ22の副走査方向の誤差ΔHは、図3(C)に示すように、両検出用マーク21,22の底辺の検出時間差ΔTfr及びプロセス速度(副走査速度)Vpから、
ΔH=Vp×ΔTfr
によって求められる。したがって、光学センサ31による検出用マーク21における走査光の反射光の検出開始タイミングと光学センサ32による検出用マーク22における走査光の反射光の検出開始タイミングとの差である検出時間差ΔTfrを測定することにより、走査光の走査状態として、主走査方向の傾きを検出できる。
【0065】
図4は、上記画像形成装置における光学センサの配置状態を説明する図である。前述のように、感光体ドラム20の表面が強い正反射特性である場合には、拡散反射特性の強い検出用マーク21,22が形成される。この場合、図4(A)において、実線で示すように照射された走査光は、感光体ドラム20の表面において同図中二点鎖線で示すように正反射し、検出用マーク21,22において同図中一点鎖線で示すように拡散反射する。そこで、光学センサ31,32を感光体ドラム20の表面における走査光の正反射方向から外して配置することにより、検出用マーク21,22からの拡散反射光を受光することができる。
【0066】
一方、感光体ドラム20の表面が強い拡散反射特性である場合には、正反射特性の強い検出用マーク21,22が形成される。この場合、図4(B)において、実線で示すように照射された走査光は、感光体ドラム20の表面において同図中二点鎖線で示すように拡散反射し、検出用マーク21,22において同図中一点鎖線で示すように正反射する。そこで、光学センサ31,32を感光体ドラム20の表面における走査光の拡散反射領域から外して配置することにより、検出用マーク21,22からの正反射光を受光することができる。
【0067】
なお、感光体ドラム20の表面にコーティングを施すことにより、検出用マーク21,22の反射特性の変化を小さくできる。
【0068】
また、光学センサ31,32が検出用マーク21,22を検出できない場合には、主走査方向の露光位置を変更して再度光学センサ31,32による検出用マーク21,22の検出を行う。この場合に、露光位置を画像形成装置の操作パネルから設定できるようにしてもよく、光学センサ31,32の検出信号に基づいて自動的に露光位置を変更するようにしてもよい。
【0069】
光学センサ31,32は、走査光の露光中において、継続して検出信号を出力する。
【0070】
図5は、上記画像形成装置における第2の走査状態の検出方法を説明する図である。この検出方法では、図5(A)に示すように、走査光によって感光体ドラム20の表面を主走査方向のライン状に露光して検出用マーク21,22を検出する。検出用マーク21,22の形状は、第1の検出方法と同様に三角形とする。走査光は、検出用マーク21,22の副走査方向の長さよりも短いピッチで複数本のライン上を繰返し露光する。光学センサ31,32の検出結果に基づいて、以下のようにして走査光の走査状態が検出される。
【0071】
(a)主走査方向の画像倍率の検出
装置前側の検出用マーク21の外側端部21aが検出されてから装置後側の検出用マーク22の外側端部22aが検出されるまでの時間差ΔTwを測定し、この時間差ΔTwに相当する距離Lwを、
Lw=ΔTw×Fd×INCH÷DPI
によって求める。ここに、Fdは走査光の変調周波数、DPIは1インチ当りの画素数、INCHは1インチの長さ(単位はmm)である。
この結果、主走査方向の画像倍率βiは、装置前側の検出用マーク21の外側端部21aから装置後側の検出用マーク22の外側端部22aまでの実際の長さLwoを用いて、
βi=Lw÷Lwo
によって求められる。
【0072】
(b)装置前側の主走査方向の露光位置ずれの検出
同期センサ7(図1参照。)が走査光を検出した時から光学センサ31が装置前側の検出用マーク21の外側端部21aを検出するまでの時間差ΔTsを測定する。装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔPsは、
ΔPs=(ΔTso−ΔTs)×VLB
によって求められる。ここに、ΔTsoは上記時間差の設計値、VLBは感光体ドラム20の表面における主走査速度である。
【0073】
(c)装置後側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置後側の主走査方向の露光位置ずれΔPrは、
ΔPr=ΔPs+Lw−Lwo
によって求められる。
【0074】
(d)主走査方向の傾きの検出
走査光の主走査方向の傾きによる検出用センサ22の副走査方向の誤差ΔHは、
ΔH=(ΔTf−ΔTr)×Lkh÷Lkw
によって求められる。ここに、Lkhは検知マークの副走査方向の高さ、Lkwは検知マークの主走査方向の幅、ΔTfは走査光が装置前側の検出用マーク21を横切る時間、ΔTrは走査光が走査後側の検出用マーク22を横切る時間である。
【0075】
この結果、走査光の主走査方向の傾きΔH/Lwは、
ΔH/Lw=(ΔTf−ΔTr)×Lkh÷Lkw÷Lw
によって求められる。
【0076】
なお、図5(B)に示すように、主走査方向のライン状の走査光を画像形成領域の全域にわたって、即ち、最大で感光体ドラム20の円周方向の全周にわたって、連続的に又は間欠的に繰り返し走査し、同図中実線で示すように、2個の検出用マーク21,22の両方を露光する走査光を用いて走査状態を検出する。
【0077】
光学センサ31,32は、走査光の露光中において、継続して検出信号を出力する。
【0078】
また、図5(C)に示すように、主走査方向における検出用マーク21,22の形成領域付近、即ち、感光体ドラム20の表面において主走査方向の画像形成領域21bの両端の外側にのみ、走査光を露光するようにしてもよい。これによって、走査光の走査状態の検出処理時の露光によって感光体ドラム20の表面における画像形成領域21bを疲労させることがない。さらに、主走査方向の走査光のうち、感光体ドラム20の表面における画像形成領域21bを露光する光を画像データによって変調した画像光とし、通常の画像形成処理と同時に走査光の走査状態の検出処理を行うことができる。
【0079】
検出用マーク21,22が、走査光の走査方向における上流側に、検出用マーク21,22を識別するための識別用部分を一部に含むものであってもよい。例えば、第1の検出方法のように、検出用マーク21,22に対して走査光を副走査方向に平行に露光する場合、検出用マーク21,22の副走査方向の前端部に認識用部分を配置する。これによって、光学センサ231,32の検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マーク21,22についての検出信号であるか否かを判別することができ、感光体ドラム20の表面に付着した塵埃等を検出用マーク21,22と誤検出することを防止できる。この識別用部分は、例えば、バーコードを簡略化した形状のように、光学センサ31,32に特定パターンの検出信号を発生させるものである。
【0080】
また、走査状態の検出処理時に、検出用マーク21,22における反射光を光学センサ31,32が受光できる位置で感光体ドラム20の回転を停止させるようにしてもよい。これによって、主走査方向のライン状の走査光を照射することにより、検出用マーク21,22の主走査方向の位置、及び、副走査方向の位置の両方について走査状態を検出することができる。
【0081】
この場合に、画像形成装置内のLSU10から感光体ドラム20の表面までの走査光の光路中に、検出用マーク21,22を形成した走査状態検出用の治具を設置してもよい。光学センサ31,32は、この治具に形成された検出用マーク21,22における反射光を受光できる位置に配置する。この治具には、画像形成領域内に光学センサを配置して主走査方向の走査光の曲がり、強度又はビーム径を検出するようにしてもよい。この治具は、画像形成装置に着脱自在にされていてもよい。また、この治具に検出用マーク21,22と同一の形状の受光面で走査光を受光する光学センサを備え、光学センサ31,32を省略することもできる。
【0082】
さらに、検出用マーク21,22を、感光体ドラム20の表面の主走査方向における画像形成領域両端の外側において、副走査方向(円周方向)の複数箇所に形成してもよい。これによって、光学センサ31,32が検出用マーク21,22をより早く検出できるようにし、走査光の走査状態の検出処理を早期に完了させることができる。この場合に、複数の検出用マーク21,22のそれぞれについて検出した複数の検出データに基づいて、例えばこれら検出データの平均値を求めて走査光の走査状態を検出することもできる。また、副走査方向の複数箇所のそれぞれに形成する検出用マーク21,22を互いに異なる形状とし、それぞれから互いに異なる情報を検出するようにしてもよい。
【0083】
検出用マーク21,22の形状は、図2、図3又は図5に示したものに限るものではない。例えば、図6(A)に示すように斜辺を主走査方向の外側に向けた直角三角形状とすることもできる。この場合には、副走査方向の同一位置に配置された左右の検出用マーク21,22において主走査方向の間隔が一定である間隔検出用の副走査方向に平行な辺が感光体ドラム20の表面における画像形成領域22bのより近くに配置することができる。また、図6(B)に示すように2個の検出用マーク21,22をそれぞれの斜辺が主走査方向の同一側に向くように配置することもできる。
【0084】
図6(C)に示すように、検出用マーク21,22を、三角形の鋭角部について、厚みを加えた5角形とすることにより、検出用マーク21,22の主走査方向及び副走査方向の検出幅が著しく狭くなることがなく、検出用マークについての検出信号とゴミや汚れについての検出信号との峻別が容易になる。
【0085】
図6(D)に示すように、検出用マーク21,22を矩形に形成した場合、走査状態の検出時における走査光の露光方向を副走査方向と主走査方向とに切り換えることにより、副走査方向の露光時に主走査方向の傾きを検出し、主走査方向の露光時に画像倍率などを検出できる。
【0086】
なお、感光体ドラム20の表面の主走査方向における走査光の走査範囲22a内であって画像形成領域22b外に検出用マーク21,22とは別に、走査状態の検出に関する情報、例えば、検出用マーク21,22の種類、位置、形状若しくは検出項目、検出結果の判定基準、又は、感光体ドラム20の種類等を表すバーコード等の情報用マークを形成し、光学センサ31,32を介してこれらの走査状態の検出に関する情報を読み取るようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0088】
(1)感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークを走査光によって走査し、その反射光を検出する光学センサの検出信号によって走査光の走査状態を検出することにより、画像形成に影響を与えることなく、走査光の走査状態を検出できる。
【0089】
(2)外形線の少なくとも一部が傾斜した平面形状を呈する検出用マークを走査光によって走査することにより、走査光が横切る検出用マーク内の主走査方向又は副走査方向の位置に応じて、走査光が副走査方向又は主走査方向について検出用マークを横切る時間を変化させ、光学センサが検出用マークからの反射光を検出している時間から走査光の主走査方向又は副走査方向の位置を特定することができる。
【0090】
(3)感光体表面が強い正反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くを拡散光として反射させて光学センサによって検出し、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出しないようにすることにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0091】
(4)感光体表面を粗化して検出用マークを形成することにより、正反射特性の強い感光体表面に拡散反射特性の強い検出用マークを容易に形成できる。
【0092】
(5)感光体表面が強い拡散反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くを正反射光として反射させて光学センサによって検出し、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出しないようにすることにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0093】
(6)検出用マークを露光した走査光の多くが検出用マークに吸収されるようにして光学センサによって検出しないようにし、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出することにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0094】
(7)走査光が主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを、副走査方向の2本のラインとして露光することにより、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークを、走査光によって確実に露光し、その反射光の光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0095】
(8)主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更することにより、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じている場合にも、走査光によって検出用マークを確実に露光でき、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0096】
(9)主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更しつつ光学センサの検出信号に基づく検出用マークの検出を継続することにより、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じており、検出用マークが比較的小さい場合にも、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0097】
(10)画像形成処理時に感光体表面の画像形成領域内を走査する画像光の主走査方向における両側の走査光によって感光体表面に形成された検出用マークを走査することにより、画像形成処理中に走査光の走査状態の検出処理の実行を可能にできる。
【0098】
(11)感光体表面における画像形成領域両端の外側のそれぞれに形成される検出用マークの外形の一部を副走査方向に平行な直線で構成し、両方の検出用マークを主走査方向の単一ラインの走査光によって走査し、光学センサの検出信号に基づいて走査光が一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間を測定し、この測定結果を基準値と比較することにより、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度を検出できる。
【0099】
(12)副走査方向における前記感光体表面の画像形成領域を、複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査することにより、主走査方向における感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークの両方を主走査方向の単一ラインの走査光によって確実に走査でき、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度を検出できる。
【0100】
(13)検出用マークを検出するための走査光が感光体表面の画像形成領域外のみを走査し、感光体表面の画像形成領域内が検出用マークを検出するための走査光によって走査されることがないようにすることにより、画像形成処理時以外のタイミングで感光体表面の画像形成領域が露光されることがなく、感光体の劣化の促進を防止できる。
【0101】
(14)検出用マークの一部に検出用マークであることを示す識別用部分を形成することにより、光学センサの検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マークについての検出信号であるか否かを判別し、感光体表面に付着した塵埃等を検出用マークと誤検出することを防止できる。
【0102】
(15)感光体表面を副走査方向に移動させることなく検出用マークについての光学センサの検出信号に基づく走査状態の検出を行い、検出用マークにおける走査光の反射光が光学センサによって受光される位置に感光体を停止させることにより、検出用マークからの反射光を光学センサによって確実に検出できる。
【0103】
(16)主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置の少なくとも1つを、走査光の走査状態として検出することにより、光学センサによる検出用マークの検出信号に基づいて、画像形成状態を良好に維持するための走査光の調整内容を確実に獲得できる。
【0104】
(17)検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類の検出マークを感光体表面に形成することにより、複数種類の検出用マークのそれぞれにおける走査光の反射光についての光学センサの検出信号に基づいて、複数種類の走査状態のそれぞれを正確に検出できる。
【0105】
(18)走査状態の検出に関する情報を表記した情報用マークを、感光体表面において光学センサが検出することができる位置に形成することにより、走査状態の検出時に光学センサによって検出用マークとともに情報用マークを検出し、この検出結果から走査状態の検出に関する情報を獲得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す斜視図であり、光走査装置(LSU)及び感光体の関係を示す図である。
【図2】上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図3】上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図4】上記画像形成装置における光学センサの配置状態を説明する図である。
【図5】上記画像形成装置における第2の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置の感光体ドラムに形成される検出用マークの形状を示す図である。
【符号の説明】
1−半導体レーザ
10−LSU(光走査装置)
20−感光体ドラム
20a−走査光の走査範囲
20b−画像形成領域
21−(装置前側の)検出用マーク
22−(装置後側の)検出用マーク
31−(装置前側の)光学センサ
32−(装置後側の)光学センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル複写機、レーザプリンタ又はレーザファクシミリ等の電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置に関し、特に、光走査装置からの感光体に対する画像光の傾きや画像倍率等の走査性能を検出する機能を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機、レーザプリンタ又はレーザファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置は、画像データに基づく画像光の露光によって感光体の表面に形成された静電潜像を現像剤像に顕像化して転写することにより記録媒体に画像を形成する。電子写真方式の画像形成装置として、副走査方向(主走査方向に直交する方向)に移動する感光体表面に、画像光を主走査方向に走査させる光走査装置を用いたものがある。
【0003】
このような画像形成装置において、画像データを忠実に再現した画像を記録媒体上に形成するためには、光走査装置から照射される画像光を感光体表面に適正な走査状態で露光させなければならない。
【0004】
このため、従来の画像形成装置では、感光ドラムの走査始端位置の周面に帯状マークを形成し、それからの反射光を受光センサで受光することにより、始端信号を作成し、画像光の走査方向における露光開始位置を検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、複数の画像光を走査してカラー画像を形成する際の各色のずれを補正するものとして、第1のレーザ露光手段及び現像手段とによって感光ドラム上に位置合せマークを形成し、第2以降のレーザ露光手段及び受光手段により、位置合せマークを検出して、露出位置の基準とするようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−255815号
【特許文献2】
特開平2−107463号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、画像光の露光開始位置や複数の画像光の誤差を検出することはできるが、画像形成装置における感光体や光走査装置の取付位置の誤差による感光体上におけるレーザ光等の画像光の走査方向の傾き、及び、画像光の走査速度の誤差による主走査方向の画像倍率の誤差を検出することができなかった。
【0008】
また、光走査装置の組立調整時に露光性能の測定が行われているが、この場合には専用の測定器が必要であり、また、画像形成装置に光走査装置を搭載した状態では測定できないために画像形成装置における光走査装置の取付位置の誤差による感光体上におけるレーザ光等の画像光の走査方向の傾きを検出することができなかった。
【0009】
この発明の目的は、感光体上における画像光の走査性能を簡単な構成で容易かつ正確に検出することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)副走査方向に移動する感光体表面を走査光によって主走査方向に往復走査して電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置において、
前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに検出用マークを形成し、この検出用マークにおける走査光の反射光を検出する光学センサを設け、この光学センサの検出信号に基づいて走査光の走査状態を検出することを特徴とする。
【0011】
この構成においては、感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークが走査光によって走査され、その反射光を検出する光学センサの検出信号によって走査光の走査状態が検出される。したがって、画像形成に影響を与えることなく、走査光の走査状態が検出される。
【0012】
(2)前記検出用マークが、外形線の少なくとも一部が主走査方向に対して傾斜した平面形状を呈することを特徴とする。
【0013】
この構成においては、外形線の少なくとも一部が傾斜した平面形状を呈する検出用マークが走査光によって走査される。したがって、走査光が横切る検出用マーク内の主走査方向又は副走査方向の位置に応じて、走査光が副走査方向又は主走査方向について検出用マークを横切る時間が変化し、光学センサが検出用マークからの反射光を検出している時間から走査光の主走査方向又は副走査方向の位置が特定される。
【0014】
(3)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して拡散反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向しない位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、感光体表面が強い正反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くが拡散光として反射して光学センサによって検出され、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出されない。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0016】
(4)前記検出用マークが、前記感光体表面を粗化して形成されていることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、感光体表面を粗化して検出用マークが形成される。したがって、一般に正反射特性の強い感光体表面に拡散反射特性の強い検出用マークが容易に形成される。
【0018】
(5)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して正反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向する位置に配置されていることを特徴とする。
【0019】
この構成においては、感光体表面が強い拡散反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くが正反射光として反射して光学センサによって検出され、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出されない。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0020】
(6)前記検出用マークが前記感光体表面に比較して走査光の波長についての吸収特性を強くされていることを特徴とする。
【0021】
この構成においては、検出用マークを露光した走査光の多くが検出用マークに吸収されて光学センサによって検出されず、感光体表面における走査光の反射光は光学センサによって検出される。したがって、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かが正確に検出される。
【0022】
(7)前記走査光が、前記感光体表面における走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれにおいて、主走査方向の1箇所を副走査方向の全域にわたって露光することを特徴する。
【0023】
この構成においては、走査光が主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを、副走査方向の2本のラインとして露光する。したがって、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークが、走査光によって確実に露光され、その反射光の光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0024】
(8)前記光学センサが走査光の反射光を検出しない場合に、走査光による主走査方向の露光位置を変更することを特徴とする。
【0025】
この構成においては、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置が変更される。したがって、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じている場合にも、走査光によって検出用マークが確実に露光され、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0026】
(9)前記光学センサが、前記走査光による主走査方向の露光位置の変更中に継続して反射光を検出することを特徴とする。
【0027】
この構成においては、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更しつつ光学センサの検出信号に基づく検出用マークの検出が継続される。したがって、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じており、検出用マークが比較的小さい場合にも、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークが確実に検出される。
【0028】
(10)主走査方向の1ラインの走査光のうち前記感光体表面における画像形成領域内を走査する光が、画像形成の対象となる画像データに基づく画像光であることを特徴とする。
【0029】
この構成においては、画像形成処理時に感光体表面の画像形成領域内を走査する画像光の主走査方向における両側の走査光によって感光体表面に形成された検出用マークが走査される。したがって、画像形成処理中に走査光の走査状態の検出処理の実行が可能になる。
【0030】
(11)前記検出用マークが一部を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記走査光を少なくとも前記検出用マークに対向する主走査方向の1ラインについて走査することを特徴とする。
【0031】
この構成においては、感光体表面における画像形成領域両端の外側のそれぞれに形成される検出用マークの外形の一部が副走査方向に平行な直線で構成され、両方の検出用マークが単一ラインの走査光によって走査される。したがって、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、及び、走査光の走査速度が変化しない場合、走査光が主走査方向の一端側から他端側に向けて感光体表面を走査する間に、一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間は変化しない。このため、光学センサの検出信号に基づいて走査光が一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間を測定し、この測定結果を基準値と比較することにより、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度が検出される。
【0032】
(12)前記検出用マークが主走査方向の外側を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記感光体表面を主走査方向の複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査することを特徴とする。
【0033】
この構成においては、副走査方向における前記感光体表面の画像形成領域が、複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査される。したがって、主走査方向における感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークの両方が単一ラインの走査光によって確実に走査され、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度が検出される。
【0034】
(13)前記主走査方向の各ラインのうち前記感光体表面の画像形成領域外のみに走査光を照射することを特徴とする。
【0035】
この構成においては、検出用マークを検出するための走査光は感光体表面の画像形成領域外のみを走査し、感光体表面の画像形成領域内が検出用マークを検出するための走査光によって走査されることがない。したがって、画像形成処理時以外のタイミングで感光体表面の画像形成領域が露光されることがなく、感光体の劣化が促進されることがない。
【0036】
(14)前記検出用マークが、検出用マークであることを示す識別用部分を一部に含むことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、検出用マークの一部に検出用マークであることを示す識別用部分が形成される。したがって、光学センサの検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マークについての検出信号であるか否かが判別され、感光体表面に付着した塵埃等を検出用マークと誤検出することがない。
【0038】
(15)前記感光体表面の副走査方向の移動を停止した状態で走査光の走査状態の検出を行うことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、感光体表面を副走査方向に移動させることなく検出用マークについての光学センサの検出信号に基づく走査状態の検出が行われる。したがって、副走査方向における感光体表面の位置を特定する手段がある場合、検出用マークにおける走査光の反射光が光学センサによって受光される位置に感光体を停止させることにより、検出用マークからの反射光が光学センサによって確実に検出される。
【0040】
(16)前記検出センサの検出信号に基づいて検出する走査状態が、主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置のいずれか1つ又は複数であることを特徴とする。
【0041】
この構成においては、主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置の少なくとも1つが、走査光の走査状態として検出される。したがって、光学センサによる検出用マークの検出信号に基づいて、画像形成状態を良好に維持するための走査光の調整内容が確実に獲得される。
【0042】
(17)前記検出用マークが、前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに、検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類ずつ設けられることを特徴とする。
【0043】
この構成においては、検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類の検出マークが感光体表面に形成される。したがって、複数種類の検出用マークのそれぞれにおける走査光の反射光についての光学センサの検出信号に基づいて、複数種類の走査状態のそれぞれが正確に検出される。
【0044】
(18)前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域外の前記光学センサに対向する位置に、走査状態の検出に関する情報を表記する情報用マークを形成したことを特徴とする。
【0045】
この構成においては、走査状態の検出に関する情報を表記した情報用マークが、感光体表面において光学センサが検出することができる位置に形成される。したがって、走査状態の検出時に光学センサは、検出用マークとともに情報用マークを検出し、この検出結果から走査状態の検出に関する情報が獲得される。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す斜視図であり、光走査装置(LSU)及び感光体の関係を示す図である。LSU10は、半導体レーザ1から照射された光ビーム(入射ビーム)を回転方向に沿って複数の反射面が形成された回転多面鏡2によって反射した走査光(出射ビーム)により、感光体ドラム20の表面を露光走査し、感光体ドラム20の表面に静電潜像を形成する。
【0047】
半導体レーザ1から回転多面鏡2までの光路(入射ビーム光路)、及び、回転多面鏡2から感光体ドラム20の表面までの光路(出射ビーム光路)には、種々の光学部品が配置されている。入射ビーム光路に配置されている光学部品を入射光学系、出射ビーム光路に配置されている光学部品を出射光学系という。
【0048】
入射光学系は、半導体レーザ2から照射された光ビームを平行光に変換するコリメートレンズ、略中央部に矩形の開口を備えた開口板、及び、光ビームを副走査方向について集光するシリンドリカルレンズを一体的に備えた入射光学系部品3によって構成されている。回転多面鏡2は、周囲に複数の反射面を備え、一定速度で矢印方向に回転する。
【0049】
出射光学系は、回転多面鏡2の反射面により反射された出射ビームを、所定のビーム径で感光体ドラム20の表面において等速度で走査させるものであり、回転多面鏡2から感光体ドラム20の表面に向かって順に配置されたfθレンズ4及び出射折返しミラー6によって構成されている。fθレンズ4は、回転多面鏡2によって等角速度偏向された出射ビームを等速度偏向する。また、fθレンズ4は、副走査方向に屈折力を持ち、回転多面鏡2の反射面付近と感光体ドラム20の表面とを共役な結像関係にする。これによって、fθレンズ4は、回転多面鏡2の面倒れ補正を行なう。出射折返しミラー6は、出射ビームを感光体ドラム20の表面に向けて反射する。
【0050】
これにより、半導体レーザ1から照射された入射ビームは、回転多面鏡2を構成するポリゴンミラー2a又は2bの何れかの反射面における高さ方向の中央域に照射され、回転多面鏡2の回転によって主走査方向(感光体ドラム20の軸方向に平行な方向)に偏向された出射ビームとして感光体ドラム20の表面を走査する。
【0051】
出射ビームは、回転多面鏡2の反射面における回転方向の位置により、主走査方向における異なる出射ビーム光路を通って感光体ドラム20の表面に至る。主走査ラインを走査するために出射ビーム(主走査ビーム)は、感光体ドラム20の表面において画像形成に使用される画像形成領域を走査する間に、画像データにより変調された画像光とされる。
【0052】
出射ビームが感光体ドラム20の表面を主走査方向に定期的に往復走査する間に感光体ドラム20が回転するため、感光体ドラム20の画像形成領域は主走査方向に直交する副走査方向に移動し、出射ビームは一定期間毎に感光体ドラム20の表面の異なる場所を走査する。
【0053】
感光体ドラム20の表面の主走査方向における出射ビームの走査範囲20a内であって画像形成領域20bの両端の外側のそれぞれには、検出用マーク21,22が形成されている。検出用マーク21,22のそれぞれは、三角形状を呈しており、外形線の一部が主走査方向に対して傾斜し、かつ、主走査方向の外側端部が副走査方向に平行な直線によって構成され、互いに主走査方向に対称となるように形成されている。
【0054】
検出用マーク21,22は、感光体ドラム20の表面と異なる反射特性にされている。例えば、感光体ドラム20の表面が強い正反射特性を有する場合には、感光体ドラム20の表面を部分的に粗化することによって強い拡散反射特性を有するように形成されるか、又は、感光体ドラム20の一部に半導体レーザ1から照射されるレーザ光の波長に対して吸収特性の強い塗料を塗布して形成される。逆に、感光体ドラム20の表面が強い拡散反射特性を有する場合には、感光体ドラム20の表面を部分的に鏡面研磨することによって強い拡散反射特性を有するように形成される。
【0055】
図2及び図3は、上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。この検出方法では、感光体ドラム20の表面の主走査方向における出射ビームの走査範囲20a内であって画像形成領域20bの両端の外側に形成された検出用マーク21,22のそれぞれを、LSU10から照射される走査光によって、主走査方向について両側の検出用マーク21,22のそれぞれに含まれる各1ヶ所の露光位置41,42で連続的に露光する。
【0056】
感光体ドラム20は、矢印方向A方向に回転しているため、感光体ドラム20の表面には、主走査方向の両端部の2ヶ所で図2中一点鎖線で示すように線状の露光位置41,42に走査光が露光される。この走査光の検出用マーク21,22における反射光が、光学センサ31,32によって検出される。
【0057】
例えば、図3(A)に示す状態では、露光位置41,42を走査光が矢印方向に露光していく。このため、光学センサ31,32は、検出用マーク22の底辺を検出した後に時間差ΔTfrが経過した時検出用マーク21の底辺を検出し、光学センサ31は時間ΔTfにわたって検出用マーク21を検出し、光学センサ32は時間ΔTrにわたって検出用マーク22を検出する。この光学センサ31,32の検出結果に基づいて、以下のようにして走査光の走査状態が検出される。
【0058】
(a)装置前側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置前側の検出用マーク21の外側端部21aから露光位置41までの距離Yfは、図3(B)に示すように、露光位置41を露光する走査光の検出用マーク21における反射光の光学センサ31による検出時間をΔTfとすると、
Yf=Lkw−(ΔTf×Vp×Lkw÷Lkh)
によって求められる。ここに、Vpはプロセス速度(副走査速度)、Lkwは検出用マーク21の主走査方向の幅(底辺の長さ)、Lkhは検出用マーク21の副走査方向の高さであり、これらは既知である。
【0059】
装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYfは、基準値をYfoとして、
ΔYf=Yf−Yfo
によって求められる。したがって、光学センサ31の検出信号に基づいてΔTfを計測することにより、走査光の走査状態として、装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYfを検出できる。
【0060】
(b)装置後側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置後側の検出用マーク22の外側端部22aから露光位置42までの距離Yrは、図3(B)に示すように、露光位置42を露光する走査光の検出用マーク22における反射光の光学センサ32による検出時間をΔTrとすると、
Yr=Lkw−(ΔTr×Vp×Lkw÷Lkh)
によって求められる。ここに、Vpはプロセス速度(副走査速度)、Lkwは検出用マーク22の主走査方向の幅(底辺の長さ)、Lkhは検出用マーク22の副走査方向の高さであり、これらは既知である。
【0061】
装置前側の露光位置ずれΔYrは、基準値をYroとして、
ΔYr=Yr−Yro
によって求められる。したがって、光学センサ32の検出信号に基づいてΔTrを計測することにより、走査光の走査状態として、装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔYrを検出できる。
【0062】
(c)主走査方向の画像倍率の検出
露光位置41,42の主走査方向の間隔Lkは、図3(B)に示すように、検出用マーク21,22のそれぞれの外側端部21a,22aの間隔をLwとして、上記(a)の検出用マーク21の外側端部21aから露光位置41までの距離Yf、及び、上記(b)の検出用マーク22の外側端部22aから露光位置42までの距離Yrを用いて、
Lk=Lw−Yf+Yr
により求められる。
【0063】
露光位置41,42の主走査方向の間隔の設計値Lkoは、同様に、
Lko=Lw−Yfo+Yro
である。主走査方向の画像倍率βは、
β=Lk÷Lko
によって求められる。したがって、光学センサ31及び32の検出信号に基づいてΔTf及びΔTrを計測することにより、走査光の走査状態として、主走査方向の画像倍率βを検出できる。
【0064】
(d)主走査方向の傾きの検出
走査光の主走査方向の傾きによる検出用センサ22の副走査方向の誤差ΔHは、図3(C)に示すように、両検出用マーク21,22の底辺の検出時間差ΔTfr及びプロセス速度(副走査速度)Vpから、
ΔH=Vp×ΔTfr
によって求められる。したがって、光学センサ31による検出用マーク21における走査光の反射光の検出開始タイミングと光学センサ32による検出用マーク22における走査光の反射光の検出開始タイミングとの差である検出時間差ΔTfrを測定することにより、走査光の走査状態として、主走査方向の傾きを検出できる。
【0065】
図4は、上記画像形成装置における光学センサの配置状態を説明する図である。前述のように、感光体ドラム20の表面が強い正反射特性である場合には、拡散反射特性の強い検出用マーク21,22が形成される。この場合、図4(A)において、実線で示すように照射された走査光は、感光体ドラム20の表面において同図中二点鎖線で示すように正反射し、検出用マーク21,22において同図中一点鎖線で示すように拡散反射する。そこで、光学センサ31,32を感光体ドラム20の表面における走査光の正反射方向から外して配置することにより、検出用マーク21,22からの拡散反射光を受光することができる。
【0066】
一方、感光体ドラム20の表面が強い拡散反射特性である場合には、正反射特性の強い検出用マーク21,22が形成される。この場合、図4(B)において、実線で示すように照射された走査光は、感光体ドラム20の表面において同図中二点鎖線で示すように拡散反射し、検出用マーク21,22において同図中一点鎖線で示すように正反射する。そこで、光学センサ31,32を感光体ドラム20の表面における走査光の拡散反射領域から外して配置することにより、検出用マーク21,22からの正反射光を受光することができる。
【0067】
なお、感光体ドラム20の表面にコーティングを施すことにより、検出用マーク21,22の反射特性の変化を小さくできる。
【0068】
また、光学センサ31,32が検出用マーク21,22を検出できない場合には、主走査方向の露光位置を変更して再度光学センサ31,32による検出用マーク21,22の検出を行う。この場合に、露光位置を画像形成装置の操作パネルから設定できるようにしてもよく、光学センサ31,32の検出信号に基づいて自動的に露光位置を変更するようにしてもよい。
【0069】
光学センサ31,32は、走査光の露光中において、継続して検出信号を出力する。
【0070】
図5は、上記画像形成装置における第2の走査状態の検出方法を説明する図である。この検出方法では、図5(A)に示すように、走査光によって感光体ドラム20の表面を主走査方向のライン状に露光して検出用マーク21,22を検出する。検出用マーク21,22の形状は、第1の検出方法と同様に三角形とする。走査光は、検出用マーク21,22の副走査方向の長さよりも短いピッチで複数本のライン上を繰返し露光する。光学センサ31,32の検出結果に基づいて、以下のようにして走査光の走査状態が検出される。
【0071】
(a)主走査方向の画像倍率の検出
装置前側の検出用マーク21の外側端部21aが検出されてから装置後側の検出用マーク22の外側端部22aが検出されるまでの時間差ΔTwを測定し、この時間差ΔTwに相当する距離Lwを、
Lw=ΔTw×Fd×INCH÷DPI
によって求める。ここに、Fdは走査光の変調周波数、DPIは1インチ当りの画素数、INCHは1インチの長さ(単位はmm)である。
この結果、主走査方向の画像倍率βiは、装置前側の検出用マーク21の外側端部21aから装置後側の検出用マーク22の外側端部22aまでの実際の長さLwoを用いて、
βi=Lw÷Lwo
によって求められる。
【0072】
(b)装置前側の主走査方向の露光位置ずれの検出
同期センサ7(図1参照。)が走査光を検出した時から光学センサ31が装置前側の検出用マーク21の外側端部21aを検出するまでの時間差ΔTsを測定する。装置前側の主走査方向の露光位置ずれΔPsは、
ΔPs=(ΔTso−ΔTs)×VLB
によって求められる。ここに、ΔTsoは上記時間差の設計値、VLBは感光体ドラム20の表面における主走査速度である。
【0073】
(c)装置後側の主走査方向の露光位置ずれの検出
装置後側の主走査方向の露光位置ずれΔPrは、
ΔPr=ΔPs+Lw−Lwo
によって求められる。
【0074】
(d)主走査方向の傾きの検出
走査光の主走査方向の傾きによる検出用センサ22の副走査方向の誤差ΔHは、
ΔH=(ΔTf−ΔTr)×Lkh÷Lkw
によって求められる。ここに、Lkhは検知マークの副走査方向の高さ、Lkwは検知マークの主走査方向の幅、ΔTfは走査光が装置前側の検出用マーク21を横切る時間、ΔTrは走査光が走査後側の検出用マーク22を横切る時間である。
【0075】
この結果、走査光の主走査方向の傾きΔH/Lwは、
ΔH/Lw=(ΔTf−ΔTr)×Lkh÷Lkw÷Lw
によって求められる。
【0076】
なお、図5(B)に示すように、主走査方向のライン状の走査光を画像形成領域の全域にわたって、即ち、最大で感光体ドラム20の円周方向の全周にわたって、連続的に又は間欠的に繰り返し走査し、同図中実線で示すように、2個の検出用マーク21,22の両方を露光する走査光を用いて走査状態を検出する。
【0077】
光学センサ31,32は、走査光の露光中において、継続して検出信号を出力する。
【0078】
また、図5(C)に示すように、主走査方向における検出用マーク21,22の形成領域付近、即ち、感光体ドラム20の表面において主走査方向の画像形成領域21bの両端の外側にのみ、走査光を露光するようにしてもよい。これによって、走査光の走査状態の検出処理時の露光によって感光体ドラム20の表面における画像形成領域21bを疲労させることがない。さらに、主走査方向の走査光のうち、感光体ドラム20の表面における画像形成領域21bを露光する光を画像データによって変調した画像光とし、通常の画像形成処理と同時に走査光の走査状態の検出処理を行うことができる。
【0079】
検出用マーク21,22が、走査光の走査方向における上流側に、検出用マーク21,22を識別するための識別用部分を一部に含むものであってもよい。例えば、第1の検出方法のように、検出用マーク21,22に対して走査光を副走査方向に平行に露光する場合、検出用マーク21,22の副走査方向の前端部に認識用部分を配置する。これによって、光学センサ231,32の検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マーク21,22についての検出信号であるか否かを判別することができ、感光体ドラム20の表面に付着した塵埃等を検出用マーク21,22と誤検出することを防止できる。この識別用部分は、例えば、バーコードを簡略化した形状のように、光学センサ31,32に特定パターンの検出信号を発生させるものである。
【0080】
また、走査状態の検出処理時に、検出用マーク21,22における反射光を光学センサ31,32が受光できる位置で感光体ドラム20の回転を停止させるようにしてもよい。これによって、主走査方向のライン状の走査光を照射することにより、検出用マーク21,22の主走査方向の位置、及び、副走査方向の位置の両方について走査状態を検出することができる。
【0081】
この場合に、画像形成装置内のLSU10から感光体ドラム20の表面までの走査光の光路中に、検出用マーク21,22を形成した走査状態検出用の治具を設置してもよい。光学センサ31,32は、この治具に形成された検出用マーク21,22における反射光を受光できる位置に配置する。この治具には、画像形成領域内に光学センサを配置して主走査方向の走査光の曲がり、強度又はビーム径を検出するようにしてもよい。この治具は、画像形成装置に着脱自在にされていてもよい。また、この治具に検出用マーク21,22と同一の形状の受光面で走査光を受光する光学センサを備え、光学センサ31,32を省略することもできる。
【0082】
さらに、検出用マーク21,22を、感光体ドラム20の表面の主走査方向における画像形成領域両端の外側において、副走査方向(円周方向)の複数箇所に形成してもよい。これによって、光学センサ31,32が検出用マーク21,22をより早く検出できるようにし、走査光の走査状態の検出処理を早期に完了させることができる。この場合に、複数の検出用マーク21,22のそれぞれについて検出した複数の検出データに基づいて、例えばこれら検出データの平均値を求めて走査光の走査状態を検出することもできる。また、副走査方向の複数箇所のそれぞれに形成する検出用マーク21,22を互いに異なる形状とし、それぞれから互いに異なる情報を検出するようにしてもよい。
【0083】
検出用マーク21,22の形状は、図2、図3又は図5に示したものに限るものではない。例えば、図6(A)に示すように斜辺を主走査方向の外側に向けた直角三角形状とすることもできる。この場合には、副走査方向の同一位置に配置された左右の検出用マーク21,22において主走査方向の間隔が一定である間隔検出用の副走査方向に平行な辺が感光体ドラム20の表面における画像形成領域22bのより近くに配置することができる。また、図6(B)に示すように2個の検出用マーク21,22をそれぞれの斜辺が主走査方向の同一側に向くように配置することもできる。
【0084】
図6(C)に示すように、検出用マーク21,22を、三角形の鋭角部について、厚みを加えた5角形とすることにより、検出用マーク21,22の主走査方向及び副走査方向の検出幅が著しく狭くなることがなく、検出用マークについての検出信号とゴミや汚れについての検出信号との峻別が容易になる。
【0085】
図6(D)に示すように、検出用マーク21,22を矩形に形成した場合、走査状態の検出時における走査光の露光方向を副走査方向と主走査方向とに切り換えることにより、副走査方向の露光時に主走査方向の傾きを検出し、主走査方向の露光時に画像倍率などを検出できる。
【0086】
なお、感光体ドラム20の表面の主走査方向における走査光の走査範囲22a内であって画像形成領域22b外に検出用マーク21,22とは別に、走査状態の検出に関する情報、例えば、検出用マーク21,22の種類、位置、形状若しくは検出項目、検出結果の判定基準、又は、感光体ドラム20の種類等を表すバーコード等の情報用マークを形成し、光学センサ31,32を介してこれらの走査状態の検出に関する情報を読み取るようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0088】
(1)感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークを走査光によって走査し、その反射光を検出する光学センサの検出信号によって走査光の走査状態を検出することにより、画像形成に影響を与えることなく、走査光の走査状態を検出できる。
【0089】
(2)外形線の少なくとも一部が傾斜した平面形状を呈する検出用マークを走査光によって走査することにより、走査光が横切る検出用マーク内の主走査方向又は副走査方向の位置に応じて、走査光が副走査方向又は主走査方向について検出用マークを横切る時間を変化させ、光学センサが検出用マークからの反射光を検出している時間から走査光の主走査方向又は副走査方向の位置を特定することができる。
【0090】
(3)感光体表面が強い正反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くを拡散光として反射させて光学センサによって検出し、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出しないようにすることにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0091】
(4)感光体表面を粗化して検出用マークを形成することにより、正反射特性の強い感光体表面に拡散反射特性の強い検出用マークを容易に形成できる。
【0092】
(5)感光体表面が強い拡散反射特性を有する場合に、検出用マークを露光した走査光の多くを正反射光として反射させて光学センサによって検出し、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出しないようにすることにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0093】
(6)検出用マークを露光した走査光の多くが検出用マークに吸収されるようにして光学センサによって検出しないようにし、感光体表面における走査光の反射光を光学センサによって検出することにより、光学センサの検出信号の有無によって走査光が検出用マークを露光しているか否かを正確に検出できる。
【0094】
(7)走査光が主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを、副走査方向の2本のラインとして露光することにより、主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークを、走査光によって確実に露光し、その反射光の光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0095】
(8)主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更することにより、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じている場合にも、走査光によって検出用マークを確実に露光でき、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0096】
(9)主走査方向について感光体表面の画像形成領域両端の外側のそれぞれにおける1箇所ずつを副走査方向の2本のラインとして露光する走査光が検出用マークを露光できず、光学センサの受光状態が検出用マークによって変化しない場合に、主走査方向における走査光の露光位置を変更しつつ光学センサの検出信号に基づく検出用マークの検出を継続することにより、走査光の露光位置と検出用マークの形成位置とに誤差を生じており、検出用マークが比較的小さい場合にも、光学センサにおける受光状態に応じて検出用マークを確実に検出できる。
【0097】
(10)画像形成処理時に感光体表面の画像形成領域内を走査する画像光の主走査方向における両側の走査光によって感光体表面に形成された検出用マークを走査することにより、画像形成処理中に走査光の走査状態の検出処理の実行を可能にできる。
【0098】
(11)感光体表面における画像形成領域両端の外側のそれぞれに形成される検出用マークの外形の一部を副走査方向に平行な直線で構成し、両方の検出用マークを主走査方向の単一ラインの走査光によって走査し、光学センサの検出信号に基づいて走査光が一方の検出用マークを露光し始めてから他方の検出用マークを露光し終わるまでの時間を測定し、この測定結果を基準値と比較することにより、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度を検出できる。
【0099】
(12)副走査方向における前記感光体表面の画像形成領域を、複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査することにより、主走査方向における感光体表面の画像形成領域両端の外側に形成された検出用マークの両方を主走査方向の単一ラインの走査光によって確実に走査でき、走査光の走査方向の主走査方向に対する傾き、又は、走査光の走査速度を検出できる。
【0100】
(13)検出用マークを検出するための走査光が感光体表面の画像形成領域外のみを走査し、感光体表面の画像形成領域内が検出用マークを検出するための走査光によって走査されることがないようにすることにより、画像形成処理時以外のタイミングで感光体表面の画像形成領域が露光されることがなく、感光体の劣化の促進を防止できる。
【0101】
(14)検出用マークの一部に検出用マークであることを示す識別用部分を形成することにより、光学センサの検出信号に識別用部分における反射光に基づく信号が含まれるか否かに応じて、適正な検出用マークについての検出信号であるか否かを判別し、感光体表面に付着した塵埃等を検出用マークと誤検出することを防止できる。
【0102】
(15)感光体表面を副走査方向に移動させることなく検出用マークについての光学センサの検出信号に基づく走査状態の検出を行い、検出用マークにおける走査光の反射光が光学センサによって受光される位置に感光体を停止させることにより、検出用マークからの反射光を光学センサによって確実に検出できる。
【0103】
(16)主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置の少なくとも1つを、走査光の走査状態として検出することにより、光学センサによる検出用マークの検出信号に基づいて、画像形成状態を良好に維持するための走査光の調整内容を確実に獲得できる。
【0104】
(17)検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類の検出マークを感光体表面に形成することにより、複数種類の検出用マークのそれぞれにおける走査光の反射光についての光学センサの検出信号に基づいて、複数種類の走査状態のそれぞれを正確に検出できる。
【0105】
(18)走査状態の検出に関する情報を表記した情報用マークを、感光体表面において光学センサが検出することができる位置に形成することにより、走査状態の検出時に光学センサによって検出用マークとともに情報用マークを検出し、この検出結果から走査状態の検出に関する情報を獲得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す斜視図であり、光走査装置(LSU)及び感光体の関係を示す図である。
【図2】上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図3】上記画像形成装置における第1の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図4】上記画像形成装置における光学センサの配置状態を説明する図である。
【図5】上記画像形成装置における第2の走査状態の検出方法を説明する図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係る画像形成装置の感光体ドラムに形成される検出用マークの形状を示す図である。
【符号の説明】
1−半導体レーザ
10−LSU(光走査装置)
20−感光体ドラム
20a−走査光の走査範囲
20b−画像形成領域
21−(装置前側の)検出用マーク
22−(装置後側の)検出用マーク
31−(装置前側の)光学センサ
32−(装置後側の)光学センサ
Claims (18)
- 副走査方向に移動する感光体表面を走査光によって主走査方向に往復走査して電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置において、
前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに検出用マークを形成し、この検出用マークにおける走査光の反射光を検出する光学センサを設け、この光学センサの検出信号に基づいて走査光の走査状態を検出することを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出用マークが、外形線の少なくとも一部が主走査方向に対して傾斜した平面形状を呈することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが前記感光体表面に比較して拡散反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが、前記感光体表面を粗化して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが前記感光体表面に比較して正反射特性を強くして形成され、前記光学センサが前記感光体表面における走査光の正反射光に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが、前記感光体表面に比較して走査光の波長についての吸収特性を強くされていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記走査光が、前記感光体表面における走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれにおいて、主走査方向の1箇所を副走査方向の全域にわたって露光することを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記光学センサが走査光の反射光を検出しない場合に、走査光による主走査方向の露光位置を変更することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記光学センサが、前記走査光による主走査方向の露光位置の変更中に継続して反射光を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 主走査方向の1ラインの走査光のうち前記感光体表面における画像形成領域内を走査する光が、画像形成の対象となる画像データに基づく画像光であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが一部を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記走査光を少なくとも前記検出用マークに対向する主走査方向の1ラインについて走査することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが主走査方向の外側を前記走査光の走査範囲内に位置する副走査方向に平行な直線で構成した外形を呈し、前記感光体表面を主走査方向の複数ラインの走査光によって連続的に又は間欠的に走査することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記主走査方向の各ラインのうち前記感光体表面の画像形成領域外のみに走査光を照射することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
- 記検出用マークが、検出用マークであることを示す識別用部分を一部に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記感光体表面の副走査方向の移動を停止した状態で走査光の走査状態の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出センサの検出信号に基づいて検出する走査状態が、主走査方向の露光位置、主走査方向の画像倍率、主走査方向の傾き、及び、副走査方向の露光位置のいずれか1つ又は複数であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出用マークが、前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域両端の外側のそれぞれに、検出すべき走査状態が互いに異なる複数種類ずつ設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記感光体表面における走査光の走査範囲内であって画像形成領域外の前記光学センサに対向する位置に、走査状態の検出に関する情報を表記する情報用マークを形成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006264173A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
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-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003022222A patent/JP2004230722A/ja active Pending
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