JP4677124B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光スポットで感光体上を走査し、電子写真プロセスを用いて画像を形成する光走査装置及び画像形成装置に関する。特に本発明の画像形成装置はレーザービームプリンター(LBP)或いはデジタル複写機等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザービームプリンターやデジタル複写機等の画像形成装置においては、例えば半導体レーザから成る光源から画像信号に応じて光変調された光束を出射させ、この光束を用いて画像を形成している。
【0003】
図11はこの種の画像形成装置に用いられる従来の光走査装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。
【0004】
同図において半導体レーザを含むレーザユニット61から出射した平行光束は副走査方向にのみ所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ62に入射する。シリンドリカルレンズ62に入射した平行光束は主走査断面内においては、そのまま平行光束の状態で出射する。
【0005】
一方、上記の平行光束は副走査断面内においては集束され、回転多面鏡(ポリゴンミラー)から成る光偏向器63の偏向面63aに主走査方向に長い線像として結像される。そしてこの光偏向器63の偏向面63aで反射及び偏向された光束はfθ特性を有する結像光学系(fθレンズ系)71によって被走査面である感光ドラム面66上に光スポットとして結像される。そしてこの光スポットによって感光ドラム面66上を繰り返し走査する。結像光学系71は球面レンズ64とトーリックレンズ65とから構成されている。
【0006】
上記の光走査装置においては感光ドラム面66上を光スポットで走査する前に該感光ドラム面66上における画像形成を開始するタイミングを調整するために光検出器としてのBD(beam detector)センサー69が設けられている。
【0007】
このBDセンサー69は光偏向器63で偏向された光束の一部であるBD光束、すなわち感光ドラム面66上の画像形成領域を走査する前の画像形成領域外の領域を走査しているときの光束を受光する。このBD光束はBDミラー67で反射され、BDレンズ(集光レンズ)68で集光されてBDセンサー69に入射する。そしてこのBDセンサー69の出力信号からBD信号(同期信号)を検出し、このBD信号に基づいて感光ドラム面66上における画像記録の走査開始タイミングを調整している。
【0008】
感光ドラムはレーザユニット61内の半導体レーザの駆動信号に同期して一定速度で回転し、感光ドラム面66は走査される光スポットに対して副走査方向に移動する。このようにして感光ドラム面66上に静電潜像が形成される。この静電潜像は周知の電子写真プロセスによって現像され、紙などの被転写材に転写されて画像が具現化される。
【0009】
画像形成装置に用いられる感光ドラムは主走査方向に画像形成領域(有効画像領域)と、この画像形成領域を挟んで両側に配されたブランク領域(画像非形成領域)とを有している。画像形成領域とは最終的にトナー像が被転写材に転写される領域である。このような感光ドラム上を光スポットが主走査方向に走査するとき、図12において画像形成領域を走査している期間を画像形成期間と表す。そして光スポットがブランク領域を走査している期間をブランク期間と表す。図12から分かるように光スポットの1回の走査において画像形成期間の前後にそれぞれブランク期間が存在することになる。
【0010】
図12に示すように画像形成期間において半導体レーザから出射される光束は画像信号に応じて光変調されており、これに伴い感光ドラム面上を走査する光スポットもオン/オフされている。予め感光ドラム面は帯電されており、このように強度変調された光スポットの照射によって感光ドラム面上に電位差が生じ、静電潜像が形成される。つまり感光ドラム面の光スポットが照射された部分(露光部)は電荷が消失し、光スポットが照射されなかった部分(非露光部)は電荷が残る。
【0011】
従来の正規現像の画像形成装置においては上記のように形成された静電潜像に対し、予め感光ドラムを帯電させた電荷と反対極性のトナーを用い、所謂反転現像を行っていた。つまり非露光部が画線部(トナーが付着する部分)となる。正規現像の画像形成装置においては非露光部分にはトナーが付着するために走査開始側の非画像領域と走査終了側の非画像領域においてはトナーを付着しないようにするために光束を点灯させて露光を行う、所謂ブランク露光を行っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらブランク露光を行うためにはその分、走査光学系の描画エリアが大きくなり、それに伴ない走査レンズや光偏向器(ポリゴンミラー)が大きくなり、装置全体が大型化し、コストがかかるという問題点がある。またポリゴンミラーの偏向面(反射面)に対して、該ポリゴンミラーに入射する光束の幅を広く取る、所謂オーバーフィルド走査光学系においてはポリゴンミラーの面数を増やし、走査効率を上げることでポリゴンミラー径を小さくできるが、その反面、面数を増やした分だけ光ビームの偏向角度は小さくなり、走査幅を確保するには焦点距離を長くする必要があり、装置全体が大型化するといった問題点があった。
【0013】
本発明はブランク領域(非有効領域)を走査開始側と走査終了側に形成し、走査終了側のブランク領域を露光する光源手段から出射した光束の一部を使用して走査開始側のブランク領域を露光を行うことにより、走査効率を上げることができる光走査装置及び画像形成装置の提供を目的とする。
【0014】
また本発明は走査終了側のブランク領域を露光する光源手段から出射した光束の一部を使用してBD検知を行うことにより、走査効率を向上させることができる光走査装置及び画像形成装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の画像形成装置は、画像信号に応じて変調された光束を発する光源手段と、前記光源手段から発した光束を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の偏向面によって偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学系と、前記被走査面に設けられた感光体と、前記感光体を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる第1の駆動手段と、選択的に露光された感光体の非露光部にトナーを付着させて画像を形成する現像手段と、前記光源手段を制御する第2の駆動手段とを備え、前記感光体は、画像形成領域と主走査方向において前記画像形成領域を挟んで両側にブランク領域とを有する画像形成装置において、
主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する光束は、前記偏向面の主走査方向の幅よりも広い幅で入射しており、
前記第2の駆動手段は、光スポットが前記感光体の上の画像形成領域を走査している期間中、画像信号に応じて前記光源手段を駆動し、光スポットが感光体上のブランク領域を走査している全ての期間、前記光源手段を点灯させており、
前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち一方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査終了側のブランク領域を走査し、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち他方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査開始側のブランク領域を走査している期間、前記第2の駆動手段は、前記光源手段を点灯させ続ける制御を行っており、
前記走査開始側のブランク領域の最端部の像高をYbtop、前記走査終了側のブランク領域の最端部の像高をYbend、前記画像形成領域の端部の走査開始側の像高をYgtop、前記画像形成領域の端部の走査終了側の像高をYgend、前記結像光学系のfθ係数をf、前記回転多面鏡の偏向面の数をnとするとき、
【数1】
を満足することを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明の画像形成装置は、画像信号に応じて変調された光束を発する光源手段と、前記光源手段から発した光束を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の偏向面によって偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学系と、前記被走査面に設けられた感光体と、前記感光体を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる第1の駆動手段と、選択的に露光された感光体の非露光部にトナーを付着させて画像を形成する現像手段と、前記光源手段を制御する第2の駆動手段とを備え、前記感光体は、画像形成領域と主走査方向において前記画像形成領域を挟んで両側にブランク領域と、主走査方向において前記ブランク領域の走査開始側の外側に同期信号検出用の領域と、前記同期信号検出用の領域に設けられた同期検知手段と、を有する画像形成装置において、
主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する光束は、前記偏向面の主走査方向の幅よりも広い幅で入射しており、
前記第2の駆動手段は、光スポットが前記感光体の上の画像形成領域を走査している期間中、画像信号に応じて前記光源手段を駆動し、光スポットが感光体上のブランク領域と前記同期信号検出用の領域を走査している全ての期間、前記光源手段を点灯させており、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち一方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査終了側のブランク領域を走査し、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち他方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の前記同期信号検出用の領域を走査している期間、前記第2の駆動手段は、前記光源手段を点灯させ続ける制御を行っており、
前記走査開始側のブランク領域の最端部の像高をYbtop、前記走査終了側のブランク領域の最端部の像高をYbend、前記画像形成領域の端部の走査開始側の像高をYgtop、前記画像形成領域の端部の走査終了側の像高をYgend、走査開始のタイミング検知の最周部の像高をYbd、前記結像光学系のfθ係数をf、前記回転多面鏡の偏向面の数をnとするとき、
【数2】
を満足することを特徴としている。
【0017】
請求項3の発明の画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像形成装置は、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記画像形成装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
[画像形成装置]
図1は本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。図1において、符号204は画像形成装置を示す。この画像形成装置204には、パーソナルコンピュータ等の外部機器217からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ211によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは光走査装置200に入力される。そして、この光走査ユニット(光走査装置)200からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム(光束)203が射出され、この光ビーム203によって感光ドラム201の感光面が主走査方向に走査される。
【0035】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム201は、モータ(第1の駆動手段)215によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム201の感光面が光ビーム203に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム201の上方には、感光ドラム201の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ202が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ202によって帯電された感光ドラム201の表面に、前記光走査装置200によって走査される光ビーム203が照射されるようになっている。
【0036】
先に説明したように、光ビーム203は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム203を照射することによって感光ドラム201の表面に選択的に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光ビーム203の照射位置よりもさらに感光ドラム201の回転断面内における下流側で感光ドラム201に当接するように配設された現像器207によってトナー像として現像される。
【0037】
ここで用いられるトナー粒子は、帯電ローラ202によって帯電された電荷とは逆符号を持つものが用いられる。そして、感光ドラムの非露光部がトナーが付着する部分(画線部)となる、所謂正規現像が行われる。
【0038】
現像器207によって現像されたトナー像は、感光ドラム201の下方で、感光ドラム201に対向するように配設された転写ローラ(転写器)208によって被転写材たる用紙212上に転写される。用紙212は感光ドラム201の前方(図1において右側)の用紙カセット209内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット209端部には、給紙ローラ210が配設されており、用紙カセット209内の用紙212を搬送路へ送り込む。
【0039】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙212はさらに感光ドラム201後方(図1において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ213とこの定着ローラ213に圧接するように配設された加圧ローラ214とで構成されており、転写部から撒送されてきた用紙212を定着ローラ213と加圧ローラ214の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙212上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ213の後方には排紙ローラ216が配設されており、定着された用紙212を画像形成装置の外に排出せしめる。
【0040】
図1においては図示していないが、プリントコントローラ211は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ215を始め画像形成装置内の各部や、光走査装置200内のポリゴンモータなどの制御を行う。
【0041】
[光走査装置]
図2は図1の画像形成装置における光走査装置の構成を示す主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。また図3は図2の光走査装置の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)を示す。図4は図2の光走査装置の光学系を光束に沿って主走査断面内に展開した展開図、図5は図2の光走査装置の光学系を光束に沿って副走査断面内に展開した展開図をそれぞれ示す。図2〜図5において同一の部材には同一の符号を付している。
【0042】
尚、本明細書において偏向手段によって光ビーム(光束)が反射偏向(偏向走査)される方向を主走査方向、結像光学系の光軸及び主走査方向と直交する方向を副走査方向と定義する。
【0043】
本実施形態においては高速、高精細な画像形成装置に適用するのに適した、所謂オーバーフィルド(0verfilled)光学系(OFS)を用いている。OFSは回転多面鏡に入射する光ビームの主走査方向の幅が、該回転多面鏡の複数の偏向面(反射面)のうちの1つの主走査方向の幅よりも大きいものをいう。
【0044】
図2〜図5において符号1は光源である半導体レーザを示す。半導体レーザ1はレーザ駆動信号に基づいて第2の駆動手段で制御され、光ビームを出射する。符号2はコリメーターレンズを示す。このコリメーターレンズ2は半導体レーザ1から出射した発散光束を平行光束又は収束光束に変換している。尚、半導体レーザ1とコリメーターレンズ2とを一体化にして構成しても良い。
【0045】
符号3は開口絞りを示す。この開口絞り3は通過光束(光量)を制限する。符号4はシリンドリカルレンズ(シリンダーレンズ)を示す。シリンドリカルレンズ4は副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、開口絞り3を通過した光ビームを副走査断面内で後述する光偏向器6の偏向面(反射面)6aに主走査方向に長い線像として結像させている。符号9は折り返しミラーを示す。この折り返しミラー9は入射光束を光偏向器6側へ折り返している。尚、コリメーターレンズ2、開口絞り3、シリンドリカルレンズ、そして折り返しミラー9等の各要素は入射光学系21の一要素を構成している。
【0046】
符号6は偏向手段としての光偏向器を示す。光偏向器6は、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成り、不図示のポリゴンモータにより矢印A方向に一定速度で回転している。
【0047】
尚、本実施形態においては光源手段1から出射した光ビームを入射光学系21を介してポリゴンミラー6の反射面6aに入射させているが、該入射光学系21を用いない構成、即ち光源手段1から出射した光ビームを直接、ポリゴンミラー6の反射面6aに入射させても良い。
【0048】
符号22は集光機能とfθ特性を有する結像光学系を示す。結像光学系22は単一のfθレンズ(fθレンズ系)5と、副走査方向にのみ所定のパワーを有するシリンドリカルミラー7とを有しており、光偏向器6からの偏向光束を被走査面8上に結像させる。また結像光学系22は副走査断面内において光偏向器6の偏向面6aと被走査面8との間を光学的に略共役関係に形成している。このような構成は光偏向器6の偏向面6aの加工誤差や、光偏向器の回転軸の傾きによる偏向面6aの傾きを補償するもので倒れ補正と呼ばれている。
【0049】
尚、光偏向器6に入射する光ビームは一度fθレンズ5の一部を通過している。つまりfθレンズ5は入射光学系21の構成要素の一部にもなっている。また結像光学系22を本実施形態のような単レンズではなく、複数枚のレンズより構成しても良い。被走査面8は図1における感光ドラム201の感光ドラム面に相当する。
【0050】
本実施形態の光走査装置においては被走査面(感光ドラム面)8上の画像形成領域を光スポットで走査する前に、画像形成を開始するタイミングを調整するために同期信号検出用の光検出器(同期検知手段)としてのBD(beam detector)センサー12が設けられている。このBDセンサー12は光偏向器6で偏向された光ビームの一部であるBD光束、すなわち感光ドラム面8上の画像形成領域を走査する前の、画像形成領域外の領域(ブランク領域)を走査している時の光ビームを受光する。このBD光束はBDミラー(同期信号検出用ミラー)10で反射され、BDレンズ(集光レンズ)11で集光されてBDセンサー12に入射する。そしてこのBDセンサー12の出力信号からBD信号(同期信号)を検出し、このBD信号に基づいて被走査面(感光ドラム面)8における画像記録の走査開始タイミングを調整している。
【0051】
尚、BDミラー10、BDレンズ11、BDセンサー12等の各要素はBD光学系(同期検出光学系)の一要素を構成している。
【0052】
図6は本実施形態によって走査効率が改善されることを説明した説明図である。
【0053】
同図において、81は不図示の入射光学系による、主走査方向が近平行光であり、副走査方向についてポリゴンミラ反射面(偏向面)付近で一旦結像するポリゴンミラー82への入射光、82はポリゴンミラー、83はfθレンズ、84は感光ドラム、84aは有効領域としての画像形成エリア(画像描画エリア)、85、86は各々互いに隣接するポリゴン反射面、87は走査開始側の非有効領域としてのブランク領域(BAE領域)、88は走査終了側の非有効領域としてのブランク領域(BAE領域)、90、92は各々ポリゴン反射面85により反射された光ビームの主光線、91,93は各々ポリゴン反射面86により反射された光ビームの主光線を示している。90、91は各々あるポリゴンミラー82の回転角におけるそれぞれのポリゴン反射面による光線を示しており、同様に92,93は各々ポリゴン反射面がポリゴンミラー82の回転角からさらに回転したときの光線を示している。
【0054】
ポリゴンミラー82への入射光81はポリゴン反射面(偏向面)の面幅(主走査方向の幅)よりも広いために、ポリゴンミラー82の隣接反射面(偏向面)85,86による反射光が発生する。ポリゴン反射面86に入射した入射光81は画像描画エリア(画像形成領域)84aを走査したのちに、光ビーム91はブランク領域88の点88aに到達する、このとき光源は連続点灯状態となり、ポリゴンミラー82の回転とともにブランク領域88の全域(全ての期間中)を露光しながら走査し、さらに走査して光ビーム93はブランク領域88の位置(端部)88bまで走査する。
【0055】
同時に入射光81のうちポリゴンミラー82の反射面86の他方の隣接面の反射面(偏向面)85により、反射偏向された光ビーム90は走査開始側のブランク領域87の一部に入射し露光し始め、ポリゴンミラー82の回転とともに光ビーム90はブランク領域87の点87aを露光しながら走査し、光ビーム92はブランク領域87の位置87bまで到達する。
【0056】
従って、走査開始側のブランク領域87は光ビーム90で、走査終了側のブランク領域88は光ビーム93で同時に露光することができ、走査効率を改善することが可能となる。
【0057】
このとき図6に示したように走査光学装置の走査開始側のブランク領域87の最周部の像高である最大像高87cまでの光軸Laからの高さをYbtop、走査終了側のブランク領域88の最周部の像高である最大像高88cまでの光軸Laからの高さをYbendとし、画像描画エリア84aの走査開始側の最周部の像高である最大像高84bまでの光軸Laからの高さをYgtop、画像描画エリア84aの走査終了側の最周部の像高である最大像高84cまでの光軸Laからの高さをYgend、回転多面鏡6の偏向面6aの数をnとしたとき、結像光学系83のfθ係数fが以下の式(1)〜(3)を満たすことが、走査開始側のブランク領域87と走査終了側のブランク領域88の全域または一部を同時に光ビームで露光するときの条件となる。
【0058】
【数5】
【0059】
ここでfθ係数fとはポリゴンミラー82による光ビームの偏向角をθ、感光ドラム面上に入射する光ビームの像高(走査中心からの高さ)をYとするとき、Y=fθを満足するfの値(fθ係数)をいう。
【0060】
(1)式を満たさない場合は画像描画エリア84aの走査終了側を光ビームが走査している時に、走査開始側のブランク領域87を光ビームが走査してしまい、連続点灯する場合には走査終了側の画像を描画することが出来ない。
【0061】
また(2)式を満たさない場合は走査終了側のブランク領域88を露光している時に隣接面により反射光が画像描画エリア84aに入射してしまうために、画像描画エリア84aの走査開始側の描画が出来なくなる。
【0062】
(3)式を満たさない場合にはブランク領域87・88の双方をポリゴンミラーの隣接反射面で同時に露光することができない。
【0063】
「実施形態2」
図7は本発明の実施形態2の要部説明図である。
【0064】
同図において、101は不図示の入射光学系による、主走査方向が略平行光であり、副走査方向についてポリゴンミラー102の反射面付近で一旦結像する該ポリゴンミラー102への入射光、102はポリゴンミラー、103はfθレンズ、104は感光ドラム、104aは有効領域としての画像形成エリア(画像描画エリア)、105、106は各々互いに隣接するポリゴン反射面、107は走査開始側のブランク領域(BAE領域)、108は走査終了側のブランク領域(BAE領域)、110,112は各々ポリゴン反射面105により反射された光ビームの主光線、111,113は各々ポリゴン反射面106により反射された光ビームの主光線、114は走査開始側に設定した同期検出領域(BD検出領域)であり、走査開始側のブランク領域107の外側に位置しているときを示している。
【0065】
ポリゴンミラー102への入射光101はポリゴン反射面の面幅(主走査方向の幅)よりも広いために、ポリゴンミラーの隣接反射面105,106による反射光が発生する。ポリゴン反射面106に入射した入射光101は画像描画エリア104aを走査したのちに、光ビーム111はブランク領域108の点108aに到達する、このとき光源は連続点灯状態となり、ポリゴンミラー102の回転とともにブランク領域108の全域を露光しながら走査し、さらに走査して光ビーム113はブランク領域108の位置108bまで走査する。
【0066】
同時にポリゴンミラー102の反射面106の隣接面の反射面105による反射ビーム110は走査開始側の走査のタイミングを検知するためのBD検出領域114に到達し、BD光検出器114aに入射し、これによりBD用の信号を出力する。さらにポリゴンミラー102の回転とともに光ビーム110はBD検出領域114を過ぎた後に走査開始側のブランク領域107を露光しながら走査し、光ビーム112は画像描画エリア104aの端部104b(ブランク領域107の端部107b)まで到達する。
【0067】
従って、光ビーム110で走査開始側のBD検出を行なうと同時に光ビーム112または光ビーム113で走査終了側のブランク領域108を露光しながら行うことが出来、走査効率を改善することが可能となる。
【0068】
このとき図7に示したように走査光学装置の走査開始側のBD検知領域(タイミング検知)114の最周部の光軸Laからの像高をYbd、走査開始側のブランク領域107の最周部の像高である最大像高107cまでの光軸Laからの高さをYbtop、走査終了側のブランク領域108の最周部の像高である最大像高108cまでの光軸Laからの高さをYbendとし、画像描画エリア104aの走査開始側の最周部の像高である最大像高104bまでの光軸Laからの高さをYgtop、画像描画エリア104aの走査終了側の最周部の像高である最大像高104cまでの光軸Laからの高さをYgendとしたとき、結像光学系103のfθ係数fが以下の式(4)〜(6)を満足することが、走査開始側のBD検出領域114と走査終了側のブランク領域108の全域または一部を同時に光ビームで露光するときの条件である。
【0069】
【数6】
【0070】
(4)式を満たさない場合は画像描画エリア104aの走査終了側を光ビームが走査している時に、走査開始側のBD検出領域114を光ビームが走査してしまい、BD検出のために連続点灯した場合には走査終了側の画像を描画することが出来ない。
【0071】
また(5)式を満たさない場合は走査終了側のブランク露光領域108を露光している時に隣接面により反射光が画像描画エリア104aに入射してしまうために、走査開始側の描画が出来なくなる。
【0072】
(6)式を満たさない場合には走査終了側のブランク露光領域108を走査しているときにポリゴンミラーの隣接する2つの反射面で同時にBD信号の検出を行うことができなくなる。
【0073】
図8は本発明のBD検出領域における光量の低下について説明した説明図である。図9は本実施形態における光量落ちを計算したグラフである。
【0074】
図8はポリゴンミラーに入射する光ビームの分布とその時のポリゴンミラーの反射面による反射光量を示した図である。グラフにおいて縦軸は被走査面上における光量であり、横軸は像高である。グラフの曲線が光量分布を示している。通常レーザの光量分布はガウシアン分布で表現される。
【0075】
本実施形態においては軸上Laの光線が画像中心を描画しており、このときポリゴン反射面は入射光束の中央に入射光線と主走査断面において垂直となっている。この状態で使用するポリゴン反射面で反射する光量は図の斜線で示す範囲121の部分の積分光量となる。またBD検知時のポリゴン反射面は入射光束内を移動し、図の別の斜線で示す範囲122の部分の積算光量となる。従って、図からも明らかのようにBD検知時の積算光量は画像中心を描画している時の積算光量よりも少ない光量と成る。この入射光束内のポリゴン反射面の移動による光量変化は主に主走査方向のレーザのファーフィールドパターンと入射光束を形成する光学系のFNo、ポリゴン径、ポリゴン面数及び走査光学系の焦点距離により決まり、例えば図9のように走査中央から走査周辺にかけて徐々に露光光量が低下する形となる。
【0076】
従来のアンダーフィルドタイプ(ポリゴン反射面に入射する光束径がポリゴン反射面の幅より小さいタイプ)の走査光学系においては、通常はポリゴン径を出来る限り小さくするように設計されている。このため有効走査幅の外側の光線は像高が増加するに従って光ビームの一部がポリゴンファセット面でカバーできなくなり、像面における光量が急激に低下する。
【0077】
しかしながら、本実施形態のようにオーバーフィルド走査光学系は、有効走査幅内である程度の光量分布の一様性を確保した場合、図9のようにBD検知用の光ビームが使用する範囲においても光分布がガウス分布で低下する光ビームの一部を使用するため、BD検知が出来ないほどの光量の低下にならない。
【0078】
つまり、BD検知系は光量低下について通常電気的なゲインアップ等で対応できる検知光量幅が大きく、本発明における隣接面の光ビームを使用しても全く問題が無い。
【0079】
「実施形態3」
図10は本発明の実施形態3の一部分の説明図である。図において121は感光ドラム面、122は光ビーム分離手段としてのハーフミラー、123はスリット、124はBD用のレンズ、125はBD用のBDセンサー、126はBD検出領域に入射する走査光、127は画像描画エリア121aに入射する走査光である。121bは走査開始側のブランク領域である。
【0080】
走査光126はハーフミラー122においてBDセンサ−125に向かう光ビームと感光ドラム面121に向かう光ビームに分離され、感光ドラム面121に入射した光ビームはブランク露光領域121bを露光する。
【0081】
一方、ハーフミラー122によりBDセンサー125方向に反射された光ビームはスリット123を通過し、BD用のレンズ124で屈折集光され、BDセンサー125面に入射することで、描画のタイミングを与える。
【0082】
同図に示したように、ハーフミラー122を通過することで、感光ドラム面121におけるスポットのピント位置がずれるが、ブランク露光領域121bにおいては光量が確保できることが重要であり問題が無い。
【0083】
またハーフミラーの透過率をあげておくことと、一時的な光量アップ等で対応すれば問題が無い。
【0084】
本実施形態によればブランク露光を行っている時にBD検知を行うために、BD検知のために効率を犠牲にする必要がなく、さらにブランク露光領域の描画開始側と、終了側を同時に露光することで走査効率を向上することが可能となる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如くブランク領域(非有効領域)を走査開始側と走査終了側に形成し、走査終了側のブランク領域を露光する光源手段から出射した光束の一部を使用して、走査開始側のブランク領域を露光を行うことにより、走査効率を上げることができる光走査装置及び画像形成装置を達成することができる。
【0086】
また本発明によれば前述の如く走査終了側のブランク領域を露光する光源から出射した光束の一部を使用してBD検知を行うことにより、走査効率を向上させることができる光走査装置及び画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査断面図
【図2】 本発明の実施形態1の光走査装置の主走査断面図
【図3】 本発明の実施形態1の光走査装置の副走査断面図
【図4】 本発明の実施形態1の主走査方向の展開図
【図5】 本発明の実施形態1の副走査方向の展開図
【図6】 本発明の実施形態1の走査効率改善の説明図
【図7】 本発明の実施形態2の走査効率改善の説明図
【図8】 本発明の実施形態2の光量分布の変化を示した説明図
【図9】 本発明の実施形態2の光量分布の変化を示したグラフ
【図10】 本発明の実施形態3のBD光学系周辺の副走査断面図
【図11】 従来の光走査装置の走査光学系の主走査断面図
【図12】 ブランク露光の説明図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザ)
2 コリメータ−レンズ
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 fθレンズ
6 偏向手段(光偏向器)
6a 偏向面
7 シリンドリカルミラー
8 被走査面(感光ドラム面)
9 折り返しミラー
10 BDミラー
11 BDレンズ
12 BDセンサー
21 入射光学手段
22 結像光学系
200 光走査装置
201 感光ドラム
202 帯電ローラ
203 光ビーム
204 画像形成装置
207 現像装置
208 転写ローラ
209 用紙カセット
210 給紙ローラ
211 プリンタコントローラ
212 転写材(用紙)
213 定着ローラ
214 加圧ローラ
215 モータ
216 排紙ローラ
217 外部機器
Claims (3)
- 画像信号に応じて変調された光束を発する光源手段と、前記光源手段から発した光束を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の偏向面によって偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学系と、前記被走査面に設けられた感光体と、前記感光体を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる第1の駆動手段と、選択的に露光された感光体の非露光部にトナーを付着させて画像を形成する現像手段と、前記光源手段を制御する第2の駆動手段とを備え、前記感光体は、画像形成領域と主走査方向において前記画像形成領域を挟んで両側にブランク領域とを有する画像形成装置において、
主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する光束は、前記偏向面の主走査方向の幅よりも広い幅で入射しており、
前記第2の駆動手段は、光スポットが前記感光体の上の画像形成領域を走査している期間中、画像信号に応じて前記光源手段を駆動し、光スポットが感光体上のブランク領域を走査している全ての期間、前記光源手段を点灯させており、
前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち一方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査終了側のブランク領域を走査し、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち他方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査開始側のブランク領域を走査している期間、前記第2の駆動手段は、前記光源手段を点灯させ続ける制御を行っており、
前記走査開始側のブランク領域の最端部の像高をYbtop、前記走査終了側のブランク領域の最端部の像高をYbend、前記画像形成領域の端部の走査開始側の像高をYgtop、前記画像形成領域の端部の走査終了側の像高をYgend、前記結像光学系のfθ係数をf、前記回転多面鏡の偏向面の数をnとするとき、
- 画像信号に応じて変調された光束を発する光源手段と、前記光源手段から発した光束を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の偏向面によって偏向された光束を被走査面上に光スポットとして結像させる結像光学系と、前記被走査面に設けられた感光体と、前記感光体を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる第1の駆動手段と、選択的に露光された感光体の非露光部にトナーを付着させて画像を形成する現像手段と、前記光源手段を制御する第2の駆動手段とを備え、前記感光体は、画像形成領域と主走査方向において前記画像形成領域を挟んで両側にブランク領域と、主走査方向において前記ブランク領域の走査開始側の外側に同期信号検出用の領域と、前記同期信号検出用の領域に設けられた同期検知手段と、を有する画像形成装置において、
主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する光束は、前記偏向面の主走査方向の幅よりも広い幅で入射しており、
前記第2の駆動手段は、光スポットが前記感光体の上の画像形成領域を走査している期間中、画像信号に応じて前記光源手段を駆動し、光スポットが感光体上のブランク領域と前記同期信号検出用の領域を走査している全ての期間、前記光源手段を点灯させており、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち一方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の走査終了側のブランク領域を走査し、前記回転多面鏡の隣接する2つの偏向面のうち他方の偏向面にて偏向された光束が前記感光体の上の前記同期信号検出用の領域を走査している期間、前記第2の駆動手段は、前記光源手段を点灯させ続ける制御を行っており、
前記走査開始側のブランク領域の最端部の像高をYbtop、前記走査終了側のブランク領域の最端部の像高をYbend、前記画像形成領域の端部の走査開始側の像高をYgtop、前記画像形成領域の端部の走査終了側の像高をYgend、走査開始のタイミング検知の最周部の像高をYbd、前記結像光学系のfθ係数をf、前記回転多面鏡の偏向面の数をnとするとき、
- 請求項1又は2に記載の画像形成装置は、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記画像形成装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴とする画像形成装置。
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