JP2004230094A - グリップベルト兼ハンドストラップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリップベルト状態からハンドストラップ状態への移行、またはその逆への移行を行うためには、その都度、第1の面ファスナーと第2の面ファスナーを着脱し、挿通部に第1のベルト端部を挿抜させる必要があり、非常に煩雑であった。
【解決手段】グリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行するには、挿通部5と突起部6との係合を解除するだけでよく、具体的には係合解除時は、操作部5aを回動させ、挿通部5を離脱方向へ引き抜くだけでよく、また係合時は、挿通部5の係合穴5aに突起部6を挿入させるだけでよく、簡単に着脱動作をすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】グリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行するには、挿通部5と突起部6との係合を解除するだけでよく、具体的には係合解除時は、操作部5aを回動させ、挿通部5を離脱方向へ引き抜くだけでよく、また係合時は、挿通部5の係合穴5aに突起部6を挿入させるだけでよく、簡単に着脱動作をすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の外観形状面に沿って電子機器を保持する為に電子機器の挿通部に両端を固定されたグリップベルト兼ハンドストラップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、グリップベルトは、電子機器の小型化の中で多目的に使用できる自在性が要求されている。使用法としては、電子機器本体の一種であるビデオカメラの筐体を使用者が手でグリップした際に、手を筐体側に所定圧力で保持してグリップ状態を良好に保つグリップベルト機能と、使用者が筐体を持って移動する際に、ループ状のベルト又は紐に使用者の手首を通すなどして持ちやすいようにしたハンドストラップ機能とがあり、またその両方の機能を併せ持つグリップベルトの構成がある。
【0003】
図9は前記グリップベルト兼ハンドストラップ構成の一例をグリップベルト状態で使用した時の斜視図、図10及び図11はグリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行する途中を示す斜視図、12はハンドストラップ状態で使用した時の斜視図である。
【0004】
図において、11は片手で保持可能なビデオカメラ本体、12は使用者の手、13はビデオカメラ本体11の側面に配された帯状のグリップベルト本体で、その第2の端部15はビデオカメラ本体11の側面に着脱できないように固定され、第1の端部14はビデオカメラ本体11に対して着脱自在になっている。16はグリップベルト本体13の第1の端部14近傍に配された第1の面ファスナー、17はグリップベルト本体13の長辺方向略中央に配された第2の面ファスナーで、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17とは互いに着脱自在に構成されている。18はビデオカメラ本体11に設けられた挿通部で、グリップベルト本体13を挿通可能な開口を有している。
【0005】
以上のように構成された従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置について、以下その着脱動作について説明する。
【0006】
図9に示すグリップベルト状態から、図12に示すハンドストラップ状態への移行方法は、先ず図9においては、第1及び第2の面ファスナー16及び17(図9では図示せず)が互いに添着されている状態から、第1の端部14を矢印H方向へ引っ張り、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17とを互いに剥離する。そして、図10に示すように第1の端部14を矢印Iのように移動させる。
【0007】
次に図11に示すように、第1の端部14を矢印Jのように、挿通部18の開口部を通して、挿通部18から抜き去る。次に、第1の端部14を矢印K方向へ移動させ、第1の面ファスナー16を第2の面ファスナー17に添着させ、図12のハンドストラップ状態にする。図12の状態では、グリップベルト本体13は第2の端部15のみで保持されることになり、矢印Lに示すように自由に移動可能となる。
【0008】
また、図12に示すハンドストラップ状態から図9に示すグリップベルト状態への移行は、前述の手順の逆動作となる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−225816号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、図9に示すグリップベルト状態から図12に示すハンドストラップ状態への移行、またはその逆への移行を行うためには、その都度、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17を着脱し、挿通部18に第1のベルト端部14を挿抜させる必要があり、非常に煩雑であった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑み、グリップベルト状態からハンドストラップ状態への移行を簡単に行い、グリップベルト状態では筐体を安全かつ安定して保持ができ、また簡単な構造で安価に製作することができるグリップベルト兼ハンドストラップ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、帯状のベルトの一端を機器本体に固定し、他端を機器本体に対して着脱可能にし、前記ベルトの一端と他端以外の部分に開口部を有したグリップベルト兼ハンドストラップ装置であって、前記ベルトの他端に配された係合手段と、前記機器本体における前記ベルトの一端が固定された部位から離間した位置に配された被係合手段とを備え、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させた第1の状態と、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない第2の状態とに移行可能なものである。
【0013】
これにより、グリップベルト兼ハンドストラップのベルト端部の一方を筐体に固定しておき、もう一方の端部を筐体に着脱可能な挿通部に挿入し、グリップベルト状態とハンドストラップ状態の切替では、着脱可能な挿通部を筐体から着脱することにより挿通部からベルトを挿抜すること無く簡単に機能の切替を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1及び2に記載の発明は、帯状のベルトの一端を機器本体に固定し、他端を機器本体に対して着脱可能にし、前記ベルトの一端と他端以外の部分に開口部を有したグリップベルト兼ハンドストラップ装置であって、前記ベルトの他端に配された係合手段と、前記機器本体における前記ベルトの一端が固定された部位から離間した位置に配された被係合手段とを備え、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させた第1の状態と、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない第2の状態とに移行可能なものであり、これにより、第1の状態から第2の状態への移行、及びその逆移行を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、係合手段と被係合手段との係合方向は、本装置を第1の状態で使用した時のベルトの荷重方向に対して略垂直方向としたことにより、係合手段及び被係合手段の係合強度を向上させることができる。
【0016】
以下、本発明のグリップベルト兼ハンドストラップ装置の実施の形態を図1〜図8に従って説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態のグリップベルト兼ハンドストラップ装置がグリップベルト状態の斜視図、図4は着脱可能な挿通部がビデオカメラ本体に固定された突起部に挿入保持されている状態を示した平面図(図4(a))とア−ア部の断面図(図4(b))である。図2は着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態を示した斜視図であり、図5は図2の状態での平面図(図5(a))とイ−イ部の断面図(図5(b))である。図6は図4の挿通部と突起部を拡大した断面図であり、係合状態を示す。図8は図5の挿通部と突起部を拡大した断面図であり、非係合状態(離間状態)を示す。図7は図6と図8の中間状態を示す断面図である。
【0018】
図において、2は片手で保持可能なビデオカメラ本体、1はビデオカメラ本体2の側面に配された帯状のグリップベルト本体で、その第2の端部4はビデオカメラ本体2の側面(把持面2aの側方下端)に着脱できないように固定され、第1の端部3側はビデオカメラ本体2に対して着脱自在になっている。7はグリップベルト本体1の第1の端部3近傍に配された第1の面ファスナー、8はグリップベルト本体1の長辺方向略中央に配された第2の面ファスナーで、第1の面ファスナー7と第2の面ファスナー8とは互いに着脱自在に構成されている。
【0019】
5はグリップベルト本体1に設けられた係合手段である挿通部で、グリップベルト本体1を挿通可能な開口を有し、ビデオカメラ本体2に対して着脱自在となっている。また挿通部5には突起部6を挿入及び係合可能な係合穴5aが設けられている。さらに、挿通部5には、図6の状態から図7の状態へ回動自在な操作部5bが設けられており、挿通部5と突起部6との係合及び係合解除時に回動するように構成されている。なお、係合解除時は操作部5bを使用者が指で回動操作することで、係合状態が解除し、突起部6と挿通部5とを係合解除し離間させることができる。操作部5bの回動中心は特に図示していないが、挿通部5に一体成型し、挿通部5と操作部5bとの境目部分を薄肉構造にして操作部5bが回動するような構成とした。他の構成例として、操作部5bを挿通部5に対して別部品とし、支軸などを設けて回動自在としてもよい。また、操作部5bは、挿通部5と一体成形されているため、常に図6に示す状態を維持するようになっている。
【0020】
6はビデオカメラ本体2においてグリップベルト本体1を着脱する位置(第2の端部4が固定された部位から離間した位置)に設けられた被係合手段である突起部で、挿通部5が着脱可能になるように構成されている。なお、突起部6は図2に示すように略平板状の形状を有しており、把持面2aと同方向を向いた面を平面部6aとする。その平面部6aはビデオカメラ本体2の把持面2aと略平行に配されている。また突起部6は、ビデオカメラ本体2内部に設けられたメインフレーム(図示せず)とサイドケース(図示せず)との間に挟み込んで、ビス(図示せず)などで共締めされていることで、ビデオカメラ本体2に固定されている構成としたが、メインフレームに一体に設ける構成とすることで、曲げ強度がさらに向上する。また、突起部6は、板金に樹脂をアウトサート成形した構成とした。9は突起部6の平面部6aに設けられたロック溝、10は挿通部5に設けられたロック爪で、挿通部5を突起部6に係合させる際にロック溝9とロック爪10とが互いに係合する。
【0021】
なお、本実施の形態では、挿通部5と突起部6とを係合させたグリップベルト状態を第1の状態、挿通部5と突起部6とを係合させないハンドストラップ状態を第2の状態と定義する。また、特許請求の範囲に記載のベルトの「一端」は第2の端部4に相当し、「他端」は第1の端部3ではなく、図2に示すように第1及び第2の面ファスナー7及び8を添着した状態で、挿通部5が設けられた部位近傍を指す。つまり、図示のグリップベルト状態におけるグリップベルト本体1の両端に相当するのである。
【0022】
以上のように構成された本実施の形態について、その構成を詳しく説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、グリップベルト本体1の第2の端部4は、ビデオカメラ本体2に対してビスなどで固定されており、第1の端部3は、予め突起部6に係合させた挿通部5に設けられた開口に挿入され、第1の端部3は第1の面ファスナー7を矢印Aのように、グリップベルト本体1の第2の面ファスナー8に添着することにより、グリップベルト本体1が挿通部5から脱落することなく保持されている。このようにしてできた状態をグリップベルト状態とし、具体的な使用例は図9(従来技術)のようになる。ビデオカメラ本体2はグリップベルト本体1で図4の矢印Dの方向に保持されている。着脱可能な挿通部5はビデオカメラ本体2に固定された突起部6に矢印Dと垂直な方向の矢印Eで係合保持されており、ベルト本体から矢印Dの力が加わっても突起部6から外れることなく保持されている。
【0024】
なお、グリップベルト本体1は図1に示す状態において、第1及び第2の面ファスナー7及び8を離間して、グリップベルト本体1を挿通部5の開口内を矢印M方向へ移動させて任意の長さにし、再度第1及び第2の面ファスナー7及び8を添着することで、使用者の手の大きさに合わせたグリップベルト本体1の長さを設定することができる。
【0025】
次に、本装置をグリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行する際の動作について説明する。
【0026】
図9及び図4に示すグリップベルト状態から、図2及び図5の矢印Bに示すように、挿通部5と突起部6との係合状態を解除し、挿通部5と突起部6とを離間させる。図6〜図8にその動作を詳しく示した。
【0027】
まず図6である係合状態(グリップベルト状態)では、突起部6の平面部6aに設けられたロック溝9と、挿通部5の係合穴5aに設けられたロック爪10とが図示のように係合している。この状態から、挿通部5の操作部5bを矢印N方向に押圧し、図7の矢印Fに示すように回動させる。
【0028】
ロック溝9とロック爪10との係合が解除可能な状態まで操作部5bを回動させた後、挿通部5を矢印O方向へ移動させることで、図7に示すようにロック溝9とロック爪10との係合が完全に解除される。さらに矢印O方向へ移動させ、突起部6を係合穴5aから抜出することで、図8に示すように突起部6と挿通部5との係合が完全に解除される。その係合解除状態を図2及び図5にも示す。
【0029】
次に、突起部6と挿通部5との係合が解除されたことにより、図3に示すようにグリップベルト本体1は矢印C方向へ自由に移動させることが可能になる。着脱可能な挿通部5が突起部6から抜去されると、グリップベルト本体1は図3の第1の固定部4のみで固定された状態となり、この状態でベルト本体1にループ部を作り、前記ループ部に使用者の手を通すことによりハンドストラップとして使用することが出来る。
【0030】
次に、本装置をハンドストラップ状態からグリップベルト状態へ移行する際の動作について説明する。
【0031】
まず図3に示すハンドストラップ状態から、挿通部5を矢印Pに示すように、突起部6近傍まで移動させる。そして、図2及び図5に示すように挿通部5の係合穴5aと突起部6の先端とが対向するようにし、挿通部5を矢印Q方向へ移動させる。以降の係合動作について図8から図6を用いて詳述する。
【0032】
図8に示すように突起部6と挿通部5とが離間した状態から、挿通部5を矢印Q方向へ移動させ、係合穴5aに突起部6を挿入する。ある程度のところまで突起部6を挿入すると、突起部6の先端が係合穴5a内に設けられたロック爪10に当接し、さらに突起部6を挿入していくことで図7に示すように突起部6の先端がロック爪10を押圧して、操作部5bが矢印F方向に回動する。
【0033】
図7に示す状態からさらに突起部6を挿入していくことで、図6及び図4に示すようにロック溝9とロック爪10とが互いに係合し、それとともに操作部5aが回動状態から元の状態へ復帰する。これにより、突起部6と挿通部5の係合が完了し、グリップベルト状態になる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、グリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行するには、挿通部5と突起部6との係合を解除するだけでよく、具体的には係合解除時は、操作部5aを回動させ、挿通部5を離脱方向へ引き抜くだけでよく、また係合時は、挿通部5の係合穴5aに突起部6を挿入させるだけでよく、簡単に着脱動作をすることができる。
【0035】
また、突起部6を、その平面部6aとビデオカメラ本体2の把持面2aとが平行になるように配したことにより、グリップベルト状態で使用した時にグリップベルト本体1にかかる荷重方向(図4の矢印D)と、突起部6と挿通部5との着脱方向(図4の矢印E)とが、異なる方向(本実施の形態では略垂直方向)となるため、突起部6と挿通部5との係合強度を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明は、グリップベルト状態とハンドストラップ状態との移行を簡単に操作することができ、また確実な保持ができるという優れた効果を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の斜視図
【図2】同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置の着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態を示した斜視図
【図3】同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置をハンドストラップ状態で使用した時の斜視図
【図4】(a)同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の平面図
(b)同実施の形態における図4(a)のア−ア部の断面図
【図5】(a)同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置の着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態の平面図
(b)同実施の形態における図5(a)のイ−イ部の断面図
【図6】同実施の形態における係合状態を示す拡大断面図
【図7】同実施の形態における係合状態と非係合状態との中間状態を示す拡大断面図
【図8】同実施の形態における非係合状態を示す拡大断面図
【図9】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の斜視図
【図10】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置のグリップベルトを挿通部に通した状態の斜視図
【図11】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置のグリップベルトを固定部の挿通部から外した状態の斜視図
【図12】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をハンドストラップ状態で使用した時の斜視図
【符号の説明】
1 グリップベルト本体
2 ビデオカメラ本体
3 第1の端部
4 第2の端部
5 挿通部
6 突起部
7 第1の面ファスナー
8 第2の面ファスナー
9 ロック溝
10 ロック爪
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の外観形状面に沿って電子機器を保持する為に電子機器の挿通部に両端を固定されたグリップベルト兼ハンドストラップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、グリップベルトは、電子機器の小型化の中で多目的に使用できる自在性が要求されている。使用法としては、電子機器本体の一種であるビデオカメラの筐体を使用者が手でグリップした際に、手を筐体側に所定圧力で保持してグリップ状態を良好に保つグリップベルト機能と、使用者が筐体を持って移動する際に、ループ状のベルト又は紐に使用者の手首を通すなどして持ちやすいようにしたハンドストラップ機能とがあり、またその両方の機能を併せ持つグリップベルトの構成がある。
【0003】
図9は前記グリップベルト兼ハンドストラップ構成の一例をグリップベルト状態で使用した時の斜視図、図10及び図11はグリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行する途中を示す斜視図、12はハンドストラップ状態で使用した時の斜視図である。
【0004】
図において、11は片手で保持可能なビデオカメラ本体、12は使用者の手、13はビデオカメラ本体11の側面に配された帯状のグリップベルト本体で、その第2の端部15はビデオカメラ本体11の側面に着脱できないように固定され、第1の端部14はビデオカメラ本体11に対して着脱自在になっている。16はグリップベルト本体13の第1の端部14近傍に配された第1の面ファスナー、17はグリップベルト本体13の長辺方向略中央に配された第2の面ファスナーで、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17とは互いに着脱自在に構成されている。18はビデオカメラ本体11に設けられた挿通部で、グリップベルト本体13を挿通可能な開口を有している。
【0005】
以上のように構成された従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置について、以下その着脱動作について説明する。
【0006】
図9に示すグリップベルト状態から、図12に示すハンドストラップ状態への移行方法は、先ず図9においては、第1及び第2の面ファスナー16及び17(図9では図示せず)が互いに添着されている状態から、第1の端部14を矢印H方向へ引っ張り、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17とを互いに剥離する。そして、図10に示すように第1の端部14を矢印Iのように移動させる。
【0007】
次に図11に示すように、第1の端部14を矢印Jのように、挿通部18の開口部を通して、挿通部18から抜き去る。次に、第1の端部14を矢印K方向へ移動させ、第1の面ファスナー16を第2の面ファスナー17に添着させ、図12のハンドストラップ状態にする。図12の状態では、グリップベルト本体13は第2の端部15のみで保持されることになり、矢印Lに示すように自由に移動可能となる。
【0008】
また、図12に示すハンドストラップ状態から図9に示すグリップベルト状態への移行は、前述の手順の逆動作となる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−225816号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、図9に示すグリップベルト状態から図12に示すハンドストラップ状態への移行、またはその逆への移行を行うためには、その都度、第1の面ファスナー16と第2の面ファスナー17を着脱し、挿通部18に第1のベルト端部14を挿抜させる必要があり、非常に煩雑であった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑み、グリップベルト状態からハンドストラップ状態への移行を簡単に行い、グリップベルト状態では筐体を安全かつ安定して保持ができ、また簡単な構造で安価に製作することができるグリップベルト兼ハンドストラップ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、帯状のベルトの一端を機器本体に固定し、他端を機器本体に対して着脱可能にし、前記ベルトの一端と他端以外の部分に開口部を有したグリップベルト兼ハンドストラップ装置であって、前記ベルトの他端に配された係合手段と、前記機器本体における前記ベルトの一端が固定された部位から離間した位置に配された被係合手段とを備え、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させた第1の状態と、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない第2の状態とに移行可能なものである。
【0013】
これにより、グリップベルト兼ハンドストラップのベルト端部の一方を筐体に固定しておき、もう一方の端部を筐体に着脱可能な挿通部に挿入し、グリップベルト状態とハンドストラップ状態の切替では、着脱可能な挿通部を筐体から着脱することにより挿通部からベルトを挿抜すること無く簡単に機能の切替を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1及び2に記載の発明は、帯状のベルトの一端を機器本体に固定し、他端を機器本体に対して着脱可能にし、前記ベルトの一端と他端以外の部分に開口部を有したグリップベルト兼ハンドストラップ装置であって、前記ベルトの他端に配された係合手段と、前記機器本体における前記ベルトの一端が固定された部位から離間した位置に配された被係合手段とを備え、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させた第1の状態と、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない第2の状態とに移行可能なものであり、これにより、第1の状態から第2の状態への移行、及びその逆移行を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、係合手段と被係合手段との係合方向は、本装置を第1の状態で使用した時のベルトの荷重方向に対して略垂直方向としたことにより、係合手段及び被係合手段の係合強度を向上させることができる。
【0016】
以下、本発明のグリップベルト兼ハンドストラップ装置の実施の形態を図1〜図8に従って説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態のグリップベルト兼ハンドストラップ装置がグリップベルト状態の斜視図、図4は着脱可能な挿通部がビデオカメラ本体に固定された突起部に挿入保持されている状態を示した平面図(図4(a))とア−ア部の断面図(図4(b))である。図2は着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態を示した斜視図であり、図5は図2の状態での平面図(図5(a))とイ−イ部の断面図(図5(b))である。図6は図4の挿通部と突起部を拡大した断面図であり、係合状態を示す。図8は図5の挿通部と突起部を拡大した断面図であり、非係合状態(離間状態)を示す。図7は図6と図8の中間状態を示す断面図である。
【0018】
図において、2は片手で保持可能なビデオカメラ本体、1はビデオカメラ本体2の側面に配された帯状のグリップベルト本体で、その第2の端部4はビデオカメラ本体2の側面(把持面2aの側方下端)に着脱できないように固定され、第1の端部3側はビデオカメラ本体2に対して着脱自在になっている。7はグリップベルト本体1の第1の端部3近傍に配された第1の面ファスナー、8はグリップベルト本体1の長辺方向略中央に配された第2の面ファスナーで、第1の面ファスナー7と第2の面ファスナー8とは互いに着脱自在に構成されている。
【0019】
5はグリップベルト本体1に設けられた係合手段である挿通部で、グリップベルト本体1を挿通可能な開口を有し、ビデオカメラ本体2に対して着脱自在となっている。また挿通部5には突起部6を挿入及び係合可能な係合穴5aが設けられている。さらに、挿通部5には、図6の状態から図7の状態へ回動自在な操作部5bが設けられており、挿通部5と突起部6との係合及び係合解除時に回動するように構成されている。なお、係合解除時は操作部5bを使用者が指で回動操作することで、係合状態が解除し、突起部6と挿通部5とを係合解除し離間させることができる。操作部5bの回動中心は特に図示していないが、挿通部5に一体成型し、挿通部5と操作部5bとの境目部分を薄肉構造にして操作部5bが回動するような構成とした。他の構成例として、操作部5bを挿通部5に対して別部品とし、支軸などを設けて回動自在としてもよい。また、操作部5bは、挿通部5と一体成形されているため、常に図6に示す状態を維持するようになっている。
【0020】
6はビデオカメラ本体2においてグリップベルト本体1を着脱する位置(第2の端部4が固定された部位から離間した位置)に設けられた被係合手段である突起部で、挿通部5が着脱可能になるように構成されている。なお、突起部6は図2に示すように略平板状の形状を有しており、把持面2aと同方向を向いた面を平面部6aとする。その平面部6aはビデオカメラ本体2の把持面2aと略平行に配されている。また突起部6は、ビデオカメラ本体2内部に設けられたメインフレーム(図示せず)とサイドケース(図示せず)との間に挟み込んで、ビス(図示せず)などで共締めされていることで、ビデオカメラ本体2に固定されている構成としたが、メインフレームに一体に設ける構成とすることで、曲げ強度がさらに向上する。また、突起部6は、板金に樹脂をアウトサート成形した構成とした。9は突起部6の平面部6aに設けられたロック溝、10は挿通部5に設けられたロック爪で、挿通部5を突起部6に係合させる際にロック溝9とロック爪10とが互いに係合する。
【0021】
なお、本実施の形態では、挿通部5と突起部6とを係合させたグリップベルト状態を第1の状態、挿通部5と突起部6とを係合させないハンドストラップ状態を第2の状態と定義する。また、特許請求の範囲に記載のベルトの「一端」は第2の端部4に相当し、「他端」は第1の端部3ではなく、図2に示すように第1及び第2の面ファスナー7及び8を添着した状態で、挿通部5が設けられた部位近傍を指す。つまり、図示のグリップベルト状態におけるグリップベルト本体1の両端に相当するのである。
【0022】
以上のように構成された本実施の形態について、その構成を詳しく説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、グリップベルト本体1の第2の端部4は、ビデオカメラ本体2に対してビスなどで固定されており、第1の端部3は、予め突起部6に係合させた挿通部5に設けられた開口に挿入され、第1の端部3は第1の面ファスナー7を矢印Aのように、グリップベルト本体1の第2の面ファスナー8に添着することにより、グリップベルト本体1が挿通部5から脱落することなく保持されている。このようにしてできた状態をグリップベルト状態とし、具体的な使用例は図9(従来技術)のようになる。ビデオカメラ本体2はグリップベルト本体1で図4の矢印Dの方向に保持されている。着脱可能な挿通部5はビデオカメラ本体2に固定された突起部6に矢印Dと垂直な方向の矢印Eで係合保持されており、ベルト本体から矢印Dの力が加わっても突起部6から外れることなく保持されている。
【0024】
なお、グリップベルト本体1は図1に示す状態において、第1及び第2の面ファスナー7及び8を離間して、グリップベルト本体1を挿通部5の開口内を矢印M方向へ移動させて任意の長さにし、再度第1及び第2の面ファスナー7及び8を添着することで、使用者の手の大きさに合わせたグリップベルト本体1の長さを設定することができる。
【0025】
次に、本装置をグリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行する際の動作について説明する。
【0026】
図9及び図4に示すグリップベルト状態から、図2及び図5の矢印Bに示すように、挿通部5と突起部6との係合状態を解除し、挿通部5と突起部6とを離間させる。図6〜図8にその動作を詳しく示した。
【0027】
まず図6である係合状態(グリップベルト状態)では、突起部6の平面部6aに設けられたロック溝9と、挿通部5の係合穴5aに設けられたロック爪10とが図示のように係合している。この状態から、挿通部5の操作部5bを矢印N方向に押圧し、図7の矢印Fに示すように回動させる。
【0028】
ロック溝9とロック爪10との係合が解除可能な状態まで操作部5bを回動させた後、挿通部5を矢印O方向へ移動させることで、図7に示すようにロック溝9とロック爪10との係合が完全に解除される。さらに矢印O方向へ移動させ、突起部6を係合穴5aから抜出することで、図8に示すように突起部6と挿通部5との係合が完全に解除される。その係合解除状態を図2及び図5にも示す。
【0029】
次に、突起部6と挿通部5との係合が解除されたことにより、図3に示すようにグリップベルト本体1は矢印C方向へ自由に移動させることが可能になる。着脱可能な挿通部5が突起部6から抜去されると、グリップベルト本体1は図3の第1の固定部4のみで固定された状態となり、この状態でベルト本体1にループ部を作り、前記ループ部に使用者の手を通すことによりハンドストラップとして使用することが出来る。
【0030】
次に、本装置をハンドストラップ状態からグリップベルト状態へ移行する際の動作について説明する。
【0031】
まず図3に示すハンドストラップ状態から、挿通部5を矢印Pに示すように、突起部6近傍まで移動させる。そして、図2及び図5に示すように挿通部5の係合穴5aと突起部6の先端とが対向するようにし、挿通部5を矢印Q方向へ移動させる。以降の係合動作について図8から図6を用いて詳述する。
【0032】
図8に示すように突起部6と挿通部5とが離間した状態から、挿通部5を矢印Q方向へ移動させ、係合穴5aに突起部6を挿入する。ある程度のところまで突起部6を挿入すると、突起部6の先端が係合穴5a内に設けられたロック爪10に当接し、さらに突起部6を挿入していくことで図7に示すように突起部6の先端がロック爪10を押圧して、操作部5bが矢印F方向に回動する。
【0033】
図7に示す状態からさらに突起部6を挿入していくことで、図6及び図4に示すようにロック溝9とロック爪10とが互いに係合し、それとともに操作部5aが回動状態から元の状態へ復帰する。これにより、突起部6と挿通部5の係合が完了し、グリップベルト状態になる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、グリップベルト状態からハンドストラップ状態へ移行するには、挿通部5と突起部6との係合を解除するだけでよく、具体的には係合解除時は、操作部5aを回動させ、挿通部5を離脱方向へ引き抜くだけでよく、また係合時は、挿通部5の係合穴5aに突起部6を挿入させるだけでよく、簡単に着脱動作をすることができる。
【0035】
また、突起部6を、その平面部6aとビデオカメラ本体2の把持面2aとが平行になるように配したことにより、グリップベルト状態で使用した時にグリップベルト本体1にかかる荷重方向(図4の矢印D)と、突起部6と挿通部5との着脱方向(図4の矢印E)とが、異なる方向(本実施の形態では略垂直方向)となるため、突起部6と挿通部5との係合強度を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明は、グリップベルト状態とハンドストラップ状態との移行を簡単に操作することができ、また確実な保持ができるという優れた効果を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の斜視図
【図2】同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置の着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態を示した斜視図
【図3】同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置をハンドストラップ状態で使用した時の斜視図
【図4】(a)同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の平面図
(b)同実施の形態における図4(a)のア−ア部の断面図
【図5】(a)同実施の形態におけるグリップベルト兼ハンドストラップ装置の着脱可能な挿通部が突起部から抜去された状態の平面図
(b)同実施の形態における図5(a)のイ−イ部の断面図
【図6】同実施の形態における係合状態を示す拡大断面図
【図7】同実施の形態における係合状態と非係合状態との中間状態を示す拡大断面図
【図8】同実施の形態における非係合状態を示す拡大断面図
【図9】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をグリップベルト状態で使用した時の斜視図
【図10】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置のグリップベルトを挿通部に通した状態の斜視図
【図11】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置のグリップベルトを固定部の挿通部から外した状態の斜視図
【図12】従来のグリップベルト兼ハンドストラップ装置をハンドストラップ状態で使用した時の斜視図
【符号の説明】
1 グリップベルト本体
2 ビデオカメラ本体
3 第1の端部
4 第2の端部
5 挿通部
6 突起部
7 第1の面ファスナー
8 第2の面ファスナー
9 ロック溝
10 ロック爪
Claims (3)
- 帯状のベルトの一端を機器本体に固定し、他端を機器本体に対して着脱可能にし、前記ベルトの一端と他端以外の部分に開口部を有したグリップベルト兼ハンドストラップ装置であって、前記ベルトの他端に配された係合手段と、前記機器本体における前記ベルトの一端が固定された部位から離間した位置に配された被係合手段とを備え、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させた第1の状態と、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない第2の状態とに移行可能なことを特徴とするグリップベルト兼ハンドストラップ装置。
- 係合手段と被係合手段とを係合させた時は、ベルトと機器本体との間に使用者の手を挿入して前記機器本体を保持可能とし、前記係合手段と前記被係合手段とを係合させない時は、前記ベルトの開口部を使用者が保持することで前記機器本体を保持可能としたことを特徴とする請求項1記載のグリップベルト兼ハンドストラップ装置。
- 係合手段と被係合手段との係合方向は、本装置を第1の状態で使用した時のベルトの荷重方向に対して異なる方向としたことを特徴とする請求項1記載のグリップベルト兼ハンドストラップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003025586A JP2004230094A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | グリップベルト兼ハンドストラップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003025586A JP2004230094A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | グリップベルト兼ハンドストラップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004230094A true JP2004230094A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32953827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003025586A Pending JP2004230094A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | グリップベルト兼ハンドストラップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004230094A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008018106A (ja) * | 2006-07-14 | 2008-01-31 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | グリップベルトとこれを用いた携帯機器 |
JP7396025B2 (ja) | 2019-12-20 | 2023-12-12 | カシオ計算機株式会社 | 携帯電子機器用ベルトおよび携帯電子機器 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025586A patent/JP2004230094A/ja active Pending
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