JP2004229696A - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前ウェスト部から股間部を経て後ウェスト部に至る縦長形状でかつ前ウェスト部と後ウェスト部にそれぞれ両側外方に延出する前サイドフラップと後サイドフラップを有し、かつ後サイドフラップに止着テープ13を、前ウェスト部にフロントターゲットテープ14をそれぞれ設けた使い捨ておむつにおいて、フロントターゲットテープ14を、基材テープ20の表面に模様を形成する印刷層21と、その印刷層21を被覆する透明樹脂からなるオーバーコート層22とを設けて構成した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、幼児、失禁者等を対象とする使い捨ておむつに関し、特にフラット型の使い捨ておむつにおけるフロントターゲットテープの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使い捨ておむつは、フラット型とパンツ型に大別される。フラット型の使い捨ておむつは、液不透過性シートからなる外面シートと液透過性シートからなる内面シートとの間に吸収体を介在させた構成で、前ウェスト部から股間部を経て後ウェスト部に至る縦長形状に形成され、かつ前ウェスト部と後ウェスト部にそれぞれ両側外方に延出する前サイドフラップと後サイドフラップが設けられている。後サイドフラップには止着テープが設けられ、前ウェスト部にフロントターゲットテープが設けられており、着用者の背側に後ウェスト部を、腹側に前ウェスト部を当てがって、後サイドフラップの止着テープを前ウェスト部のフロントターゲットテープに止着することで、この使い捨ておむつを装着するように構成されている。
【0003】
このフラット型の使い捨ておむつにおける止着テープとフロントターゲットテープには一般に面状ファスナーが適用され、止着テープには多数の微小フックが分散形成されたフックテープが固着され、フロントターゲットテープは微小フックが係合する多数の微小ループが分散形成されたループテープとして、不織布からなるテープが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、そのフロントターゲットテープには、短時間で装着できるように、着用者の胴回りの大きさに応じて止着テープの止着位置が一目で分かるように表示するデザイン化した目盛りや、幼児などに好印象を与えるための各種の図柄などの模様が印刷されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−70340号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4(a)に示すように、フロントターゲットテープ30の基材テープ31の表面にインク層32を印刷形成して上記のような模様を形成した場合、止着テープの着脱を繰り返すと、インク層32がフックテープの微小フックによって削り取られて基材テープ31から剥がれ、模様が汚く消えて見栄えが悪くなるという問題があった。
【0007】
そこで、図4(b)に示すように、基材テープ31の裏面にインク層32を印刷形成することも考えられたが、フロントターゲットテープ30の表面から見える模様が鮮明でなくなってしまい、模様を形成する効果が著しく低減して商品上の付加価値がなくなってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、フロントターゲットテープに鮮明でかつ止着動作の繰り返しに対する耐久性の高い印刷を有する使い捨ておむつを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の使い捨ておむつは、前ウェスト部から股間部を経て後ウェスト部に至る縦長形状でかつ前ウェスト部と後ウェスト部にそれぞれ両側外方に延出する前サイドフラップと後サイドフラップを有し、かつ後サイドフラップに止着テープを、前ウェスト部にフロントターゲットテープをそれぞれ設けた使い捨ておむつにおいて、フロントターゲットテープを、基材テープの表面に模様を形成する印刷層と、その印刷層を被覆する透明樹脂からなるオーバーコート層とを設けて構成したものである。
【0010】
この構成によれば、基材テープの表面に印刷しているのでフロントターゲットテープの表面に鮮明な模様を形成することができ、かつその印刷層を被覆するオーバーコート層を設けているので、止着テープを繰り返し着脱操作しても印刷したインクが剥がれるのを防止し、模様が汚く消えるのを確実に防止することができ、繰り返し着脱しても見栄えの良い使い捨ておむつを提供できる。
【0011】
また、基材テープが不織布から成り、印刷前にコロナ放電処理が施されていると、不織布から成る安価な基材テープを用いながら、その繊維表面にコロナ放電によって凹凸を付与してインクの定着性を向上でき、鮮明で消えにくい模様を形成することができる。
【0012】
また、オーバーコート層を、ワニスを塗工して形成すると、模様の鮮明さを損なうことなく強度の高い被覆層を簡単な工程にて形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨ておむつの一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
図1、図2は、フラット型の使い捨ておむつ1の全体構成を示す。この使い捨ておむつ1は、液不透過性の外面シート2と液透過性の内面シート3との間に吸収体4(図3参照)を介在させた構成で、前ウェスト部5から股間部6を経て後ウェスト部7に至る縦長形状に形成されている。図3に示すように、外面シート2は液不透過性のポリエチレンシートなどから成る防水シート16の外面にクロスのような感触を与えるための薄い不織布などからなるバックシート17を貼り合わせて構成され、内面シート3は不織布にて構成されている。
【0015】
前ウェスト部5と後ウェスト部7の間では、吸収体4の両側部に、糸ゴム等の弾性伸縮部材を伸長状態にして配置してシート2、3に接合することで立体ギャザー部8及びギャザリングされた外縁部9が形成され、前ウェスト部5と後ウェスト部7では、発泡ポリウレタンなどから成るテープ状の弾性伸縮部材をギャザリングしたシート2、3に接合することでウェストにフィットするように構成されている。前ウェスト部5及び後ウェスト部7には、それぞれ両側外方に延出する前サイドフラップ11と後サイドフラップ12が設けられている。
【0016】
後サイドフラップ12には止着テープ13が設けられ、前ウェスト部5に止着テープ13の止着面となるフロントターゲットテープ14が設けられている。フロントターゲットテープ14には、着用者の胴回りの大きさに応じて止着テープの止着位置が一目で分かるように表示するデザイン化した目印や、幼児などに好印象を与えるための各種の図柄などの模様15が印刷されている。
【0017】
この使い捨ておむつ1の装着時には、着用者の背側に後ウェスト部7、腹側に前ウェスト部5を当てがい、模様15の目印などを目安に着用者の体格、体型に応じて止着テープ13の止着位置を決め、図2に示すように、フロントターゲットテープ14に止着する。この止着テープ13の止着によりレッグ開口部が形成され、着用者の股部分を外縁部9で包み込み、その内側に立体ギャザー部8が位置して尿漏れが防止される。
【0018】
このような全体構成の使い捨ておむつ1において、止着テープ13は、図3に示すように、不織布から成る連結テープ18のフロントターゲットテープ14に対向する面の先端部に、多数の微小フック19aが分散形成されたフックテープ19を固着して構成されている。また、フロントターゲットテープ14は、図3に示すように、不織布から成る基材テープ20の表面に模様15を形成する印刷層21を設け、この印刷層21の上にこれを被覆する透明樹脂からなるオーバーコート層22を設けて構成されている。
【0019】
基材テープ20は、芯部がPETでその外周にPE層を形成した1.5〜8デニールのPE/PET繊維を用いて30〜60g/m2 のエアスルーを有するように構成された不織布のテープにて構成され、さらに印刷前にコロナ放電処理が施されている。この基材テープ20の裏面側が外面シート2のバックシート17に熱溶着にて固着されている。
【0020】
模様15を構成する印刷層21は、無機顔料や有機顔料を含有した非水溶性インクにて印刷形成されている。無機顔料としては、二酸化チタン、アルミナホワイト、硫化亜鉛、紺青、沈降性硫酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、含水ケイ酸塩、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、カーボンブラックなどが好適に用いられ、有機顔料としては、ナフトールグリーンB、ナフトールエローS、リソールレッド、ファストエロー、クロモフタールエロー、クロモフタールレッド、ピーコックブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ローダミンレーキ、フタロシアンニンブルー、アントラビリジンエロー、キナカリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、イソインドリノンエロー、昼光蛍光顔料などが好適に用いられる。
【0021】
オーバーコート層22は、樹脂材料を溶媒に溶かして成り、塗工すると透明な硬い表面被覆層を形成するワニスが好適に用いられる。例えば、合成樹脂が10〜25%、溶媒として酢酸プロピルが10〜20%、ノルマルプロピルアルコールが20〜30%、メチルプロピレングリコールが5〜10%の組成を有する、東洋インキ製造(株)製の「FBキングX」などが好適に用いられる。
【0022】
以上の構成によれば、フラット型の使い捨ておむつ1のフロントターゲットテープ14において、その基材テープ20を不織布にて構成しかつ印刷前にコロナ放電処理を施しているので、不織布から成る安価な基材テープ20を用いながら、その繊維表面にコロナ放電によって凹凸を付与してインクの定着性を向上でき、鮮明で消えにくい模様を形成することができる。
【0023】
そして、この基材テープ20の表面に印刷層21を形成しているので、フロントターゲットテープ14の表面に鮮明な模様15を描き出すことができ、かつその印刷層21をオーバーコート層22にて被覆しているので、止着テープ13のフックテープ19を繰り返し着脱操作しても印刷したインクが剥がれるのを防止できる。また、ワニスの塗工によってオーバーコート層22を形成しているので、模様15の鮮明さを損なうことなく強度の高い被覆層を簡単な工程にて形成することができる。
【0024】
従って、本実施形態によれば、模様15が汚く消えるのを確実に防止することができ、繰り返し着脱しても見栄えの良い使い捨ておむつ1を提供できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつによれば、フロントターゲットテープを、基材テープの表面に模様を形成する印刷層と、その印刷層を被覆する透明樹脂からなるオーバーコート層とを設けて構成したので、フロントターゲットテープの表面に鮮明な模様を形成することができ、かつその印刷層をオーバーコート層に被覆しているので、止着テープを繰り返し着脱操作しても印刷したインクが剥がれるのを防止し、模様が汚く消えるのを確実に防止することができ、繰り返し着脱しても見栄えの良い使い捨ておむつを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨ておむつの一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の使い捨ておむつの正面図である。
【図3】図2のA−A矢視拡大断面図である。
【図4】従来例の使い捨ておむつにおけるフロントターゲットテープを示し、(a)は印刷層を表面側に形成した例の断面図、(b)は印刷層を表面側に形成した例の断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
5 前ウェスト部
6 股間部
7 後ウェスト部
11 前サイドフラップ
12 後サイドフラップ
13 止着テープ
14 フロントターゲットテープ
15 模様
20 基材テープ
21 印刷層
22 オーバーコート層
Claims (3)
- 前ウェスト部から股間部を経て後ウェスト部に至る縦長形状でかつ前ウェスト部と後ウェスト部にそれぞれ両側外方に延出する前サイドフラップと後サイドフラップを有し、かつ後サイドフラップに止着テープを、前ウェスト部にフロントターゲットテープをそれぞれ設けた使い捨ておむつにおいて、フロントターゲットテープを、基材テープの表面に模様を形成する印刷層と、その印刷層を被覆する透明樹脂からなるオーバーコート層とを設けて構成したことを特徴とする使い捨ておむつ。
- 基材テープが不織布から成り、印刷前にコロナ放電処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の使い捨ておむつ。
- オーバーコート層は、ワニスを塗工して形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
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