JP2004181152A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透液性を有するトップシートと、不透液性を有するバックシートと、前記シート間に介在する吸収体とにより形成された本体の前記バックシート側に排泄物の水分によって変化する排泄インジケーターを備えた吸収性物品において、前記排泄インジケーターを前記バックシートの前記吸収体側に染料及び顔料を主成分とする印刷インキで印刷する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透液性を有するトップシートと、不透液性を有するバックシートと、前記シート間に介在する吸収体とにより本体が形成された吸収性物品に関し、さらに詳細には、前記本体バックシートの前記吸収体側に排泄物の水分によって変化する排泄インジケーターを備えた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、使い捨ての紙おむつや内装パッド等の吸収性物品は、通常、透液性を有するトップシートと、不透液性を有するバックシートと、前記シート間に介在する吸収体とにより本体が形成され、乳幼児や要介護者等の排泄孔部に装着して使用される。そして、使用中、便や尿等の排泄物により汚れた場合には、新しい吸収性物品と交換される。
【0003】
ところが、着用者が乳幼児や要介護者等である場合には、吸収性物品がこのように汚れたことを母親や看護婦、あるいは付添人等の吸収性物品を交換する人(以下、「介護者」という)に知らせることができないため、介護者が新しい吸収性物品と交換することを忘れたり、あるいは遅れたりすることがあった。
【0004】
そこで、従来、このように排泄により吸収性物品が汚れたことを介護者に知らせる方式(以下、「排泄インジケーター」という)が一般に知られている。例えば、排泄があった場合に音を発するもの、あるいは排泄物に含まれる水分やアンモニアによって反応し、吸収性物品に印刷された文字や図柄等のデザインが発色するもの等がそれである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前者の排泄インジケーターによるときは、音を出すための構成にコストがかかり、また騒音の面でも問題があることから、一般の家庭用としてはあまり好ましいものではなかった。
【0006】
これに対し、後者の排泄インジケーターについては種々のものが提案され、実用化されている。例えば、(イ)染料を主成分とする印刷インキでデザインを吸収性物品のバックシート面側の内部に印刷しておき、排泄があるとその水分によって前記デザインの色が消え、あるいは薄くなったことを外側から目視できるようにしたもの、(ロ)バックシートと吸収体との間に印刷インキでデザインを印刷した紙を装着しておき、排泄物の水分によって濡れると裏写りして外側から目視できるようにしたもの、(ハ)変色性を有するホットメルト接着剤を予め所定の場所に施しておき、水分によって例えば黄色から青色に変化するようにしたもの、(ニ)尿に含まれる水分やアンモニアによって完全な無色から発色するもの、あるいは濃度の薄いものから濃いものに変化するもの(例えば、特許文献1参照。)等である。
【0007】
【特許文献1】特開2002−282301号公報(第3頁第10行〜第14行)
【0008】
しかしながら、上述した排泄インジケーターのうち、(イ)については水分によってデザインが消えたり薄くなってしまうため介護者にとって分りにくく、(ロ)及び(ハ)については材料や工数が増えるためにコストアップとなる欠点がある。なお、(ニ)は乳幼児のおむつ離れの促進あるいは躾のための補助材に関するもので、本発明のような吸収性物品とは目的が異なり、また構成も異なるものであるが、いずれにしても、このような排泄インジケーターは専用の素材及び印刷工数が必要となるためコスト面で問題があった。
【0009】
本発明は上述したような実情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、排泄があったことが介護者に一目で分り、また低コストで実現し得る排泄インジケーターを備えた吸収性物品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、透液性を有するトップシートと、不透液性を有するバックシートと、前記シート間に介在する吸収体とにより形成された本体の前記バックシート側に排泄物の水分によって変化する排泄インジケーターを備えた吸収性物品において、前記排泄インジケーターを前記バックシートの前記吸収体側に染料及び顔料を主成分とする印刷インキで印刷したことを特徴とする吸収性物品を提供することにより達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記排泄インジケーターの印刷位置は前記本体の排泄孔付近における防水フィルム面であることを特徴とする吸収性物品を提供することにより、より効果的に達成される。
【0012】
さらにまた、本発明の上記目的は、前記印刷インキは前記排泄物の水分によって対照色に変化することを特徴とする吸収性物品を提供することにより、より効果的に達成される。
【0013】
以下、本発明の内容を、吸収性物品がテープ式の使い捨て紙おむつの場合を例に詳述する。なお、本発明はこのような紙おむつに限定されるものではなく、このほか内装パッド等の吸収性物品に適用され得ることはいうまでもない。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるテープ式の使い捨て紙おむつ1の斜視図で、乳幼児の股間部の排泄孔付近に装着されて使用される場合の状態を示したものであり、図2は、図1におけるX−X断面矢視図で、本紙おむつ1の層構成を示したものである。
【0015】
図示するように、本紙おむつ1は、透液性を有するトップシート2と、不透液性を有するバックシート3と、前記シート間に介在する吸収体4とにより形成されたおむつ本体5のバックシート3側に、後述するような排泄物の水分によってデザインの色が変化する排泄インジケーター6を備えたものである。なお、トップシート2の内側にはセカンドシート7が配設され、その内側にはティッシュ8で被覆された吸収体4が配置されている。吸収体4の外側には防水フィルム9が、その外側には不織布層10が配設されてクロスライクのバックシート3が構成されている。これらの各シート及び吸収体4とは互いにホットメルト接着剤等により接着され、おむつ本体5が形成されている。なお、これらの層構成は一般によく知られているものである。
【0016】
おむつ本体5は、前身頃F、後身頃B、両者を連結する股間部Cによって構成され、前身頃Fの腹部位置にはフロントターゲットテープ11が、後身頃Bの腰部位置両端には止着用のファスニングテープ12が付設されている。また、トップシート2の内面両側の脚回り部には漏れ防止用のギャザー13が設けられている。
【0017】
おむつ本体5の外面側には、方向表示あるいは知育等を目的として印刷されたキャラクターや動物等の絵柄によるデザイン14が施されており、前記排泄インジケーター6がこのデザイン14,14間、すなわち、前身頃Fの一部から股間部Cの排泄孔付近を通り後身頃Bの一部に跨って配設されている。なお、デザイン14,14は水分によって流れたり消えたりすることのないように顔料を主成分とする印刷インキにより印刷されている。
【0018】
排泄インジケーター6は、防水フィルム9の外面に、染料及び顔料を主成分とする印刷インキを用い、複数個のデザイン(例えば動物の絵柄デザイン6a1,魚の絵柄デザイン6a2,……等)を、図3に展開して外面側から見た平面図で示すように、所定形状並びに一定間隔をもって印刷したものである。なお、このデザインは、このほか文字と絵柄の組合せ、あるいは絵柄同士の組合せ等、種々の形態のものが適用できる。
【0019】
ここに、前記印刷インキは、例えば食品添加物に用いられる公知の染料と、ポリエチレンフィルムに定着性を有する公知の顔料を主成分とし、混合して所望の比率、すなわち排泄物に含まれる水分によって希望する色に変化するような比率に調製される。なお、この印刷インキの調製に当たっては、原色、すなわち最初の印刷に用いる印刷インキの色と、後で変色する色とが互いに対照的となるように、例えば原色が青の場合には赤ないしピンク色に、また原色が緑の場合にはオレンジ色に夫々変化するように選定される。このようにインキを調製すると、排泄物の水分により原色と全く対照的な色が排泄インジケーター6に現れるので、介護者は一目で排泄のあったことを認知することができる。もちろん、比率を変えることにより上記以外の色の組合せが可能であることはいうまでもない。
【0020】
上述したような排泄インジケーター6を防水フィルム9面に設ける場合には、従来の印刷用製版をそのまま使用することができ、印刷も1回で完了させることができる。このため、新たに印刷用の設備を準備する必要がないので製造コストがアップせず、また、2度刷りの場合に生じるような印刷ずれがないためデザインを非常に綺麗に印刷することができる。なお、印刷面は防水フィルム9の外面であることが好ましいが、内面であってもよい。
【0021】
また、本実施の形態では排泄インジケーター6の配置、すなわちデザインの印刷位置をおむつ本体5の前身頃Fから後身頃Bに渡って設けたが、この位置は着用者の排泄孔付近であれば目的を達成することができる。
【0022】
本紙おむつ1は以上のとおり作られているので、排泄があった場合には、排泄物に含まれる水分によって排泄インジケーター6におけるデザイン印刷の染料部分がにじみ流され、顔料部分だけが残って、図3に斜線で示すように原色と対照的な色に変化するので、介護者は容易に排泄のあったことを知ることができ、直ちに新しい紙おむつと交換することができる。
【0023】
なお、排泄インジケーター6のデザインを、例えば原色が青色のりんごとし発色すると赤色のりんごとなるように構成することにより、乳幼児の知育やおむつ離れの目的としても適用することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明に係る吸収性物品によれば、排泄インジケーターにより介護者が排泄のあったことをはっきりと目視することができるので、吸収性物品の交換を忘れたり遅れたりすることがなくなる。
【0025】
また、排泄インジケーターを吸収性物品に設けるに際し、従来の製版機及び版をそのまま使用し、印刷も同一の版で1回で済むので、製造コストがかからない上、印刷面を綺麗に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る捨て紙おむつの使用状態時における斜視図である。
【図2】図1のX−X断面矢視図である。
【図3】本発明の要部である排泄インジケーターの展開平面図である。
【符号の説明】
1 使い捨て紙おむつ
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 おむつ本体
6 排泄インジケーター
7 セカンドシート
8 ティッシュ
9 防水フィルム
10 不織布層
11 フロントターゲットテープ
12 ファスニングテープ
13 ギャザー
14 デザイン
Claims (3)
- 透液性を有するトップシートと、不透液性を有するバックシートと、前記シート間に介在する吸収体とにより形成された本体の前記バックシート側に排泄物の水分によって変化する排泄インジケーターを備えた吸収性物品において、前記排泄インジケーターを前記バックシートの前記吸収体側に染料及び顔料を主成分とする印刷インキで印刷したことを特徴とする吸収性物品。
- 前記排泄インジケーターの印刷位置は前記本体の排泄孔付近における防水フィルム面であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記印刷インキは前記排泄物の水分によって対照色に変化することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002355222A JP2004181152A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 吸収性物品 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=32755979
Family Applications (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285191A (ja) * | 2003-03-20 | 2004-10-14 | Osaka Insatsu Ink Seizo Kk | 水分により変色するインジケーターインキ組成物 |
JP2006025847A (ja) * | 2004-07-12 | 2006-02-02 | Nichiei:Kk | 化粧用シート体 |
JP2012513843A (ja) * | 2008-12-30 | 2012-06-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 一次及び二次湿潤度表示を有する吸収性物品 |
JP2012513841A (ja) * | 2008-12-30 | 2012-06-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 一方の性に特化したしるしを有する使い捨て着用可能吸収性物品 |
JP2012513842A (ja) * | 2008-12-30 | 2012-06-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 可視充満度インジケータと一次及び二次しるしとを有する吸収性物品 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355222A patent/JP2004181152A/ja active Pending
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JP4632705B2 (ja) * | 2004-07-12 | 2011-02-16 | 株式会社ニチエイ | 化粧用シート体 |
JP2012513843A (ja) * | 2008-12-30 | 2012-06-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 一次及び二次湿潤度表示を有する吸収性物品 |
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