JP3949114B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品に関し、更に詳しくは液不透過性のバックシートにおける透湿度を低下させずに該バックシートに大きな面積の印刷部が鮮明に形成された吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品に用いられているバックシートには、これら吸収性物品の外観を向上させること等を目的として各種絵柄等が印刷される場合がある。そのような絵柄等の印刷が施されたバックシートとして、微多孔性のフィルムからなる透湿性のものが近年用いられている(例えば特許文献1参照)。しかし、微多孔性のフィルムからなるバックシートに印刷を施すと、該フィルムに形成されている微細孔がインクによって閉塞されてしまい、バックシートの透湿度が低下してしまう。その結果、着装内の湿度が上昇して蒸れやカブレが発生しやすくなる。製品のデザイン性を向上させ付加価値を高める観点からは、印刷面積が広いことが好ましい。しかし印刷面積を広くすると前述の不都合が顕著になる。そのため従来は印刷面積を大きくすることができず、線画や、ごく一部にのみ印刷を施すスポット印刷等が一般的であった。
微多孔性のフィルムに印刷を施した印刷フィルムも知られている(特許文献2参照)。この印刷フィルムは、顔料を練り込んで微多孔性のフィルムを製造しようとすると、濃い色の調整が困難であるという問題の解決を目的としている。この特許文献には、微多孔性のフィルムの全面に印刷を施しても、良好な通気性及び透湿性があると記載されている。この理由としてインクの厚みが薄いこと及びインクが微孔を塞いでいる度合いが小さいことが挙げられている。具体的な印刷条件として、グラビア印刷において画素の大きさが175線/インチであることが記載されている。しかし、この特許文献に記載の技術を用いて広面積の印刷を施す場合、印刷の鮮明さを維持したまま透湿性の低下を防止することは困難である。
特表2000−513645号公報 特開平7−278329号公報
従って本発明は、製品のデザイン性を向上させる目的で、透湿性のバックシートに絵柄等が印刷された吸収性物品において、印刷面積を広くしても、バックシートの透湿性が高いレベルで維持された吸収性物品を提供することにある。
バックシートに施される印刷は、通常ドットと呼ばれる微小印刷部が数多く集まって一つ一つの絵柄を構成している。本発明者らはこの印刷絵柄の実印刷面積(絵柄を構成するドット一つ一つの面積の総和)が同一であっても、この印刷絵柄を構成しているドットの面積の大小によって、印刷部が微多孔性フィルムの通気性を阻害する程度に差があることを知見した。
本発明は前記知見に基づきなされたもので、液不透過性で且つ透湿性のバックシートに、文字、図形又は記号等を表す印刷部が形成されており、該印刷部における印刷ドットの線数が1インチ当たり60〜100で且つ印刷ドットの網点濃度が30〜80%であり、バックシートの面積に対する該印刷部の見掛けの面積の割合が18%以上である吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品では、バックシートに各種絵柄が印刷されているにもかかわらず、高い透湿性が維持される。従って本発明の吸収性物品では、着装内が高湿度状態にならず、蒸れやカブレが防止されると共に絵柄による付加価値が高まる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の吸収性物品を展開型の使い捨ておむつに適用した一実施形態を示したものである。これらの図において符号1は、展開型の使い捨ておむつを示している。
おむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、トップシート2及びバックシート3間に介在された液保持性の吸収体4とを有して構成されている。吸収体4は、おむつ1の股下領域に対応する領域がくびれた砂時計形状に湾曲形成され、トップシート2及びバックシート3も、吸収体4の形状に即しておむつ1の股下領域に対応する領域が湾曲形成されている。そして、吸収体4は、トップシート2及びバックシート3によって挟持固定されている。
吸収体4の前後から外方に延出している背側及び腹側のウエストフラップ5,5'には、おむつ1を着用した際に、ウエストフラップ5,5'を着用者の身体にフィットさせるための帯状の弾性伸縮部材5a,5a'が伸張状態で配されている。また吸収体4の左右側縁部から側方に延出している一対のレッグフラップ6,6には、糸状の3本の弾性伸縮部材6a,6aが伸張状態で配されている。そして、これらの弾性伸縮部材5a,6aが収縮することで、ウエストギャザー部W及びレッグギャザー部Lが形成される。
おむつ1の左右両側部それぞれには、トップシート2の側部を覆うように立体ギャザー形成用シート7,7が配されている。各立体ギャザー形成用シート7は、その外側部及び前後端部がトップシート2に固着されていると共にその内側部が自由状態となっている。そして、該内側部の側縁に、その長手方向に沿って弾性伸縮部材7a,7aが固定されている。そして弾性伸縮部材7aが収縮することで、立体ギャザー形成用シート7の前記内側部が立ち上がり、おむつ1における着用者の身体側に起立した立体ギャザー部Rが形成される。
背側のウエストフラップ5の幅方向両側縁にはそれぞれテープファスナー等からなる一対の止着具8が取り付けられており、また、腹側のウエストフラップ5’におけるバックシート3上には矩形状のランディングテープ等からなる被着具(図示せず)が貼付されている。そして、本実施形態の使い捨ておむつ1が着用される際に、止着具8,8が被着具上に止着するようになされている。止着具8の配置部位におけるおむつ幅方向内側には、複数の胴回り弾性部材9が伸張状態でおむつ幅方向に亘って配されている。この弾性部材が収縮することで、胴回りギャザー部Dが形成される。
おむつ1を構成するこれらの部材のうち、例えばトップシート2としては各種不織布や開孔フィルムを用いることができる。吸収体4としては、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーの粒子の混合体をティッシュペーパー等の紙で包んだものを用いることができる。バックシート3は、微多孔性の透湿フィルム3aと不織布3bとのラミネートから構成されている。この場合、バックシート3はそれを構成する不織布3bがおむつの外方を向くように配されている。なお、透湿フィルム3aと不織布3bとの大きさは同じではなく、透湿フィルム3aは、吸収体4とほぼ同じか又はそれよりも大きくなっているのに対し、不織布3bは、透湿フィルム3aよりも大きく、おむつ1の外形をなしている。本実施形態においては、透湿フィルム3aと不織布3bとが重なっている領域をバックシート3と呼んでいる。
バックシート3における透湿性フィルム3aには、不織布3bとの対向面(以下、不織布対向面という)に、文字、図形及び/又は記号等(以下これらを総称して絵柄等という)からなる印刷部が形成されている。つまり、印刷部は、透湿性フィルム3aと不織布3bとの間に位置している。そして印刷部は、不織布3bを通じておむつ外側から視認されるようになっている。印刷部はフレキソ印刷又はグラビア印刷によって形成されている。特に、後述する版ドットのコントロールの点からフレキソ印刷によって形成されていることが好ましい。印刷部の絵柄等の一例を図2に示す。図2に示すように印刷部Pは、縦横格子状の模様と、動物等の図形とから構成されている。透湿性フィルム3aに印刷部Pが形成されていることによって、印刷後の該透湿性フィルム3aは印刷前のそれに比べて透湿度が低下する。従って、バックシート3全体としても透湿度が低下する。バックシート3の透湿度の低下は、印刷前に比べて30%以下であることが好ましく、20%以下であることが更に好ましく、10%以下であることが一層好ましい。バックシート3全体の透湿度の低下を抑える観点から、印刷部Pの透湿度は、印刷前の当該印刷部P又は未印刷部に対して60%以上であることが好ましく、80%以上であることが一層好ましい。同様に、バックシート3全体の透湿度と未印刷部との透湿度の差が0.8g/(100cm2・h)以下、特に0.3g/(100cm2・h)以下であることが好ましい。更に、印刷部Pの透湿度と未印刷部の透湿度との差が1g/(100cm2・h)以下、特に0.5g/(100cm2・h)以下であることが好ましい。
図3には図2に示す絵柄の印刷部を拡大した状態が示されている。印刷部は先に述べた印刷法によって印刷された多数のドットから構成されている。同図中、黒点が印刷ドットである。一般的にドットはおむつの幅方向及び長さ方向に対してそれぞれ等間隔に配列されている。印刷技術の分野においては通常ドットの数と面積はそれぞれ線数と綱点濃度で表現される。線数とは、1インチ間に配列(配置)されるドットの数を表しており、線数が多いほど隣り合うドットとドットの距離が狭くなり、逆に線数が少ないとドット間距離が大きくなる。網点濃度とは、単位面積当たりのドット面積の総和の比率である。従って線数が多いほどドットの数は増加し、同じ線数(ドットの数が同一)であれば、網点濃度が高いほどドット一個の面積は大きくなる。一般的に網点濃度は絵柄等の見栄えを大きく左右する。網点濃度が高いほど単位面積当たりの実印刷面積(実際にインクが乗っている面積)が増加するので絵柄等は鮮明に見える。また同一網点濃度の場合は、線数が多いほどドットの数が増加し、より緻密な絵柄等となる。しかし、実印刷面積が増加するとバックシート3の透湿度が低下してしまうため、絵柄等の見栄えとバックシート3の透湿度とはトレードオフの関係にある。本発明者らは、網点濃度(実印刷面積)及び線数をそれぞれ特定の範囲とすることにより、個々の絵柄等の見栄えを高いレベルに維持したまバックシート3の透湿度の低下を抑制でき、バックシート3に形成する絵柄等を増加させても、その透湿度を高いレベルに維持し得ることを知見した。
詳細には、本発明者らの検討の結果、以下のことが判明した。前述したように、通常網点濃度が高いほど絵柄等の見栄えは向上するものの、単位面積当たりの実印刷面積(実際にインクが乗っている面積)が増加するため、インクの塗膜によって、透湿性フィルム3aの微細孔が閉塞される割合が増加し、バックシート3の透湿度が低下してしまう。しかし同じ網点濃度でも、印刷ドットの形状を小さくしていくと、透湿度の低下率が比較的低い範囲が存在することが判明した。具体的には、ドットの面積が比較的大きい範囲では実印刷面積と透湿度の低下率とが完全に相関関係にあるが、ドット一個当たりの面積がある値以下になると実印刷面積に対して透湿度の低下率が小さくなることが判明した。この理由については完全に解明されているわけではないが、以下の理由であると本発明者らは推測している。ドット一個当たりの面積が比較的大きい場合には、インクの塗膜面や密着力が安定しており透湿性フィルム3a中の微細孔を完全に閉塞すると考えられる。ドット一個当たりの面積が小さくなってくると、透湿性フィルム3aの表面粗さに対して、インクの塗膜が完全に密着した形で覆いきれないので、通気性が維持されていると考えられる。
印刷インクは一般的に着色剤、ビヒクル(樹脂、添加剤、溶剤)とからなり、着色剤は大別して顔料と染料に分類される。着色剤には耐光性の観点から顔料が使われることが多い。顔料は有機顔料と無機顔料に分類される。また印刷インクは、ビヒクルの種類に応じて、溶剤型インキ、水性インキ、UVインキなどに分類される。樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、硬化ロジン、塩化ゴム、石油、ニトロセルロース、セルロース誘導体、エチルセルロース、ポリアミド、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ポリケトン、シュラック、プロテイン、フェノール樹脂、メタクリル酸樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。添加剤としては、ワックス、金属石けん、界面活性剤、ゲル化剤などが用いられる。溶剤としては、アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール)、エステル(酢酸エチル、酢酸イソピロピル、酢酸n−プロピル)、脂肪族炭化水素(n−ヘキサン、n−ヘプタン、VM&Pナフサ)、グリコールエーテル、グリコール、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン)、ケトン、水等が用いられる。
印刷ドットによって絵柄等を表すことによって、以下の利点が生ずることも判明した。即ち、薄い色の印刷を施す場合、これをベタ印刷で形成するには、インク中の樹脂成分の割合が顔料に対して多くなり、これに起因して印刷部の耐光性が低下する傾向がある。これに対して印刷ドットによって絵柄等を表すことで、インク中の顔料濃度を低下させることなく、見た目に薄い色の印刷を施すことが可能となり、また印刷部の耐光性の低下を防止できる。この観点から、インク中の樹脂成分は揮発成分を除いた全量に対して20〜90重量%、特に30〜70重量%であることが好ましい。また、樹脂成分が多いほどインク塗膜中の空孔を樹脂が埋めるため、透湿度が低下する傾向があることが判明した。インク中の揮発成分を除いた全量に対して樹脂成分の割合が70重量%以下であると透湿度の低下が少なく、60重量%以下であると低下が更に少なくなることから好ましい。しかし、樹脂成分の割合が低すぎるとインク塗膜の密着強度が低下する場合があるため、樹脂成分は40重量%以上、特に40〜60重量%であることが好ましい。
以上の知見に基づき、本発明においては、印刷部における印刷ドットの線数をインチ当たり60〜100とし、好ましくは70〜90としている。これに加えて印刷部における印刷ドットの網点濃度を30〜80%とし、好ましくは30〜70%とし、更に好ましくは30〜50%としている。印刷ドットの線数は、前述の通り印刷ドットの密度のことであり、1インチ当たりの線数で表される。線数が小さくなるほどドットは粗くなる。印刷ドットの網点濃度は、前述の通り印刷部の面積に対する各印刷ドットの面積の総和の割合である。印刷ドットの線数及び網点濃度は、印刷部を光学顕微鏡で20倍に拡大して写真撮影し、その写真を画像解析プログラムを用いて二値化処理することで測定される。
本発明において、印刷部における印刷ドットの線数が1インチ当たり60未満であると、インクが透湿性フィルム3aにおける微細孔に入り込みやすく透湿度が低下してしまい、さらに絵柄等の鮮明さが低下する。100超となると、版の耐久性が悪くドット先がつぶれ(膨潤)やすくなり、すぐに印刷不可能となってしまう。また印刷部における印刷ドットの網点濃度が30%未満であると、絵柄等の色が薄くなりその外観が低下してしまう。80超となると、実印刷面積が上がるのでバックシート3の透湿度が低下してしまう。印刷ドットの網点濃度が70%以下、特に50%以下であると透湿度の低下が一層小さくなるので好ましい。
また本発明においては、前述した印刷ドットの線数及び網点濃度に加え、バックシート上見掛け面積率の値を18%以上とし、好ましくは25以上とする。バックシート3に必要とされる透湿度を確保するためには見掛け面積率が小さい方が好ましいが、見掛け面積率が18%未満では、絵柄等を施すことによる商品の付加価値効果が低くなってしまい、絵柄等を施す意義がなくなってしまう。見掛け面積率の上限値に特に制限はなく100%でもよい。十分な透湿度を確保する観点からは、上限値は60%程度であることが好ましい。見掛け面積率(%)は、距離が1mm以下の隣り合う印刷ドットを結んで画定された各印刷部の最外周内の面積(この面積を見掛け面積という)の総和を、バックシートの面積で除し、100を乗じた値である。絵柄等は、網点部のみから構成されていてもよく、或いはベタ印刷部と網点部とから構成することもできる。絵柄等をベタ印刷部と網点部とから構成する場合は、全体の印刷面積からベタ印刷部の印刷面積を差し引き、網点部におけるバックシート上見掛け印刷面積率を求めることが出来る。この場合も網点部におけるバックシート上見掛け印刷面積率は18%以上とする。
更に本発明においては、バックシート上実印刷面積率が好ましくは4〜40%、更に好ましくは10〜20%である。バックシート上実印刷面積率は、各印刷部について網点濃度と見掛け面積とを掛け合わせた値(この値を実印刷面積という)の総和を、バックシートの面積で除し、100を乗じた値である。バックシート上実印刷面積率がこの範囲内であれば、必要な透湿度を確保しつつ商品の付加価値を上げることが可能となるので好ましい。
見掛け面積率及び実印刷面積率に関しては、バックシート3の領域のうち、吸収体4と対向する領域(以下、この領域を吸収体対向領域という)に形成されている印刷部の面積も重要である。吸収体対向領域は、バックシート3の領域の大部分を占め、しかも蒸気の大半は吸収体対向領域を通じて外部に放出されるからである。この観点から、本発明においては、吸収体対向領域に形成されている各印刷部の見掛け面積の総和の割合を、該吸収体対向領域の面積に対して好ましくは25〜100%、更に好ましくは35〜85%とする(この値を吸収体上見掛け面積率という)。また、吸収体対向領域に形成されている各印刷部の実印刷面積の総和の割合を、該吸収体対向領域の面積に対して好ましくは6〜80%、更に好ましくは15〜40%とする(この値を吸収体上実印刷面積率という)。
前述した印刷が施された透湿性フィルム3aにおいては、印刷部における透湿度が0.5g/(100cm2・h)以上、特に2g/(100cm2・h)以上であることが好ましい。透湿性フィルム3aにおける無地の領域(即ち未印刷部)の透湿度は1.5g/(100cm2・h)以上、特に2.2g/(100cm2・h)以上であることが好ましい。また、透湿性フィルム3aの外面に不織布3bが積層されてなるバックシート3は、その透湿度が1.5g/(100cm2・h)以上、特に1.8g/(100cm2・h)以上であることが好ましい。バックシート3の透湿度は、バックシート3における印刷部の透湿度と無地部それぞれの透湿度の測定から求められる。バックシート全体の透湿度は、おむつに対して平均的な値が得られる点数(例えばおむつ3枚当たり各n=6)を測定し、それらの平均値を求めることで得られる。透湿度は30℃・90%RHにて60mmφのカップを用いJIS Z0208に準じて測定される。おむつからバックシート3を取り出して測定する場合には、吸収体を水等で剥がしバックシート3単体の状態にする。
バックシートの透湿度の測定方法の別法として、印刷部の透湿度と無地部の透湿度からバックシート全体の透湿度を下記の方法により求めることができる。尚、以下の式における印刷部見掛け面積率とは印刷部の透湿度測定部分(60mmφ相当)における見掛け上の印刷面積率を意味する。同様に見掛け印刷部透湿度は、印刷部における見掛け上印刷されている部分の単位面積あたりの透湿度を意味する。
見掛け印刷部透湿度=(印刷部透湿度−無地部透湿度×(1−印刷部見掛け面積率))/印刷部見掛け面積率
バックシート全体の透湿度=見掛け印刷部透湿度×バックシート上見掛け面積率+無地部透湿度×(1−バックシート上見掛け面積率)
透湿性フィルム3aに用いられる基材としては、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる微多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。微多孔性フィルムはその表面の孔の直径が0.1〜10μm、特に0.5〜5μmであることが、フィルムの機械的強度を維持しつつ、孔がインクによって塞がれにくくなり透湿性が維持され得る点から好ましい。好ましい透湿性フィルム3aとしては、本出願人の先の出願に係る特開昭63−146943号公報に記載のものが挙げられる。
本実施形態においては、透湿性フィルム3aにおける不織布対向面に印刷部が形成されていたが、これに代えて透湿性フィルム3aにおける吸収体との対向面に印刷部が形成されていてもよい。その場合には、おむつ外側から印刷部が透けて見えるようにするため、バックシート3は所定の光透過率を有することが好ましい。この観点から、バックシート3に用いられる透湿性フィルム3aの光透過率は、30〜80%であることが好ましく、35〜80%であることがより好ましく、40〜80%であることがさらに好ましい。光透過率は、反射・透過率計((株)村上色彩研究所製、商品名「HR−100」)で測定される。測定には、A光源を用い、全光透過率Ttの値を測定する。サンプル上の任意の点を10点測定し、その平均値をもって光透過率の値とする(以下、光透過率というときはこの方法で測定されたものをいう)。
印刷部が透湿性フィルム3aの何れの面に形成されている場合であっても、印刷部がおむつ外側から透けて見えるようにするために、不織布3bには所定の光透過率を有するものを用いることが好ましい。この観点から、不織布3bは、光透過率が50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。同様の観点から、不織布3bとして、前記光透過率が得られる坪量及び厚さのものを用いることが好ましい。具体的には、その坪量が5〜45g/m2、特に10〜40g/m2であることが好ましい。またその厚みが0.1〜3.0mm、特に0.2〜2.0mmであることが好ましい。
不織布3bとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂単独からなる繊維や、これらの樹脂の二種以上を用いてなる芯鞘型やサイドバイサイド型の構造を有する複合繊維から構成される不織布が挙げられる。不織布はエアースルー法、メルトブローン法、ヒートシール法、スパンボンド法、サクションヒートボンド法等の一般的な製法によって製造されたものを用いることが好ましい。
不織布3bは、その地色が白色であるか、又は非常に淡い色であることが好ましいが、印刷部の鮮明さやおむつ1の外観を損なわない範囲で着色することもできる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の範囲は前記実施形態に制限されるものではなく種々の変更が可能である。例えば前記した通り、印刷部は透湿性フィルム3aにおける何れの面に形成されていてもよい。また前記の実施形態においては、バックシート3が透湿性フィルムと不織布とのラミネートから構成されていたが、これに代えて単一の透湿性フィルムからバックシートを構成してもよい。その場合にも、印刷部は透湿性フィルムの何れの面に形成されていてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
透湿性フィルムとして、炭酸カルシウムの粒子を含むポリエチレンの延伸微多孔性フィルムを用いた。このフィルムの坪量は20g/m2で、透湿度は2.2g/(100cm2・h)であった。このフィルムは、花王(株)製の乳児用使い捨ておむつ「メリーズ」テープ止めタイプに使用されているものである。このフィルムの表面を電子顕微鏡観察したところ、表面の孔の直径は平均で0.6μmであった(倍率1000倍)。このフィルムの片面に、六色フレキソ印刷機を用い、またインクとして各色の有機顔料及びポリウレタン樹脂を含有したフレキソカラーインクを用い、図2に示す絵柄の印刷を行った。印刷の詳細は表1に示す通りである。インク中の樹脂成分は揮発成分を除いた全量に対して60〜85質量%であった。印刷部の上に坪量15g/m2のスパンボンド不織布をホットメルト粘着剤によってラミネートした。得られたバックシートの透湿度は未印刷部で2.1g/(100cm2・h)であった。このようにして得られたバックシートを用い、その他公知の部材を用いて図1に示す使い捨ておむつを得た。
〔比較例1〕
網点濃度が100%であるベタ印刷によって絵柄の印刷を行う以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
〔比較例2〕
透湿性のバックシートに印刷が施されている市販の使い捨ておむつ(プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク製の乳幼児用使い捨ておむつパンパース コットンケア(Lサイズ))を比較例2とした。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られたおむつについて、各種面積率及び透湿度を測定した。また絵柄の外観を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
〔絵柄の外観の評価〕
3人のパネラーに評価させた。おむつを約30cmの距離から観察し、絵柄の色の濃度、ドットの粗さや鮮明さを評価のポイントとして、外観の良否を○、△、×の三段階で評価させた。パネラーの評価が異なる場合はその範囲で示した。
○:絵柄のドットが認識できず、また絵柄が鮮明で見栄えが良好な場合。
△:明瞭ではないがドットが認識できる場合、また鮮明さにやや欠ける場合。
×:ドットが明確に認識できる場合、また色が薄くて鮮明でない場合。
Figure 0003949114
表1に示す結果から明らかなように、実施例1のおむつは、良好な外観を示し、しかも十分に高い透湿度を有していることが判る。これに対し、ベタ印刷で絵柄が形成されている比較例1のおむつは、絵柄の外観は良好であるものの、透湿度が低レベルであることが判る。また比較例2のおむつは透湿性及び絵柄の外観ともに高いレベルには達していないことが判る。
〔実施例2〜10〕
実施例1で用いた透湿性フィルムと同様のフィルム(但し透湿度は2.0g/(100cm2・h))に、フレキソ印刷機にて青色の有機顔料系の印刷インクを用い、表2に示す条件で印刷を行った。絵柄は網点印刷による別のうさぎ柄にて行った。得られたバックシートについて、各種面積率及び透湿度を測定した。また絵柄の色差を以下の方法で測定すると共に絵柄の外観を前述の方法で評価した。その結果を表2に示す。
〔実施例11〕
実施例1で用いた透湿性フィルムと同様のフィルム(但し透湿度は2.3g/(100cm2・h))を用い、全面に単色印刷を行った。インクは実施例1と同種の主にポリウレタン樹脂を含有したグリーン色の有機顔料系インクであり、インク塗膜の樹脂成分の割合は約45%であった。その他は実施例2と同様に行った。得られたバックシートについて、各種面積率及び透湿度を測定した。また絵柄の色差を以下の方法で測定すると共に絵柄の外観を前述の方法で評価した。その結果を表2に示す。全面に印刷を行っても実施例1と比較してインクの樹脂成分が少ないことによりバックシート上実面積率が大きな割に透湿度の高いものが得られた。
〔比較例3〜6〕
実施例11で用いたインクと同じインクを用い、実施例11と同様の操作を行った。得られたバックシートについて、各種面積率及び透湿度を測定した。また絵柄の色差を以下の方法で測定すると共に絵柄の外観を前述の方法で評価した。その結果を表2に示す。
〔絵柄の色差の測定〕
日本電色製色差計nR−1を用い、白色紙の上にバックシートをのせ、無地部の色差と印刷部の色差との差(ΔEH)を測定した。ΔEHが大きい程、見かけ上の色の濃度が濃いことを示す。測定は、バックシートにおける印刷部の形成面側を対象に行った。△EHが20以上であるとやや鮮明であり、25以上であることが好ましい。
Figure 0003949114
表2に示す結果から明らかなように、各実施例のバックシートは、絵柄が鮮明で良好な外観を示し、しかも十分に高い透湿度を有していることが判る。
本発明の吸収性物品に係る展開型の使い捨ておむつを、トップシート側からみた平面図である。 印刷部の絵柄を示す図である。 印刷部を拡大して示す図である。
符号の説明
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 トップシート
3 バックシート
3a 透湿性フィルム
3b 不織布
4 吸収体

Claims (5)

  1. 液不透過性で且つ透湿性のバックシートに、文字、図形又は記号等を表す印刷部が形成されており、該印刷部における印刷ドットの線数が1インチ当たり60〜100で且つ印刷ドットの網点濃度が30〜80%であり、バックシートの面積に対する該印刷部の見掛けの面積の割合が18%以上である吸収性物品。
  2. 前記印刷部における印刷ドットの線数が1インチ当たり70〜90で且つ印刷ドットの網点濃度が30〜50%である請求項1記載の吸収性物品。
  3. バックシートの領域のうち、液保持性の吸収体と対向する領域に形成されている前記印刷部の見掛けの面積の割合が、該吸収体と対向する領域の面積に対して25〜100%である請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記印刷部がフレキソ印刷によって形成されている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 前記バックシートが微多孔性フィルムからなり、前記印刷部を形成するインク中の樹脂成分が20〜90質量%である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
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