JP2004229539A - 手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】刈刃停止装置40は、クラッチドラム11の外周に巻回されて一端部が左支持部23に支持されて他端部が引っ張られるとクラッチドラム11の外周を締め付けて制動摩擦を作用させる制動帯41と、制動帯41の他端部周辺に設けられたアーム軸支部26に中間部が回動可能に軸支されてアーム軸支部26の両側に延びて一端側に制動帯41の他端部が接続されたアーム部材50と、一端部がスロットルレバーに接続されて他端部がアーム部材50の一端側の制動帯41の他端部が接続された側に接続されたブレーキケーブル55と、アーム部材50の一端側を制動帯41が接続された側と逆側に回動させるためアーム部材50の他端側を引っ張る引っ張りばね60とを有する。ブレーキケーブル55の一端部はスロットルレバーに対して所定距離内で移動可能に接続される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置に関し、特に、刈刃を非使用時に速やかに停止させる手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような刈刃停止装置には、クラッチドラムに連結した伝動軸の外周に装着されて一体化されたブレーキドラムと、ブレーキドラムの外周に掛け回された帯状の板バネ製のブレーキバンドとを有し、ブレーキバンドがスロットルレバーの操作に応じて解放可能に構成されているのがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ブレーキバンドは、内側にブレーキドラムに接触する摩擦部材が取り付けられ、ブレーキバンドの一方側の端部はブレーキバンドの周辺に設けられた支持ピンに軸支され、ブレーキバンドの他方側の端部には支持ピンに隣接して設けられた偏心カムに当接する当接部が形成されている。偏心カムはその中心軸を回動中心として回動可能に軸支されたアーム部材の一端側端部に形成され、アーム部材の中間部には係止部が形成されている。この係止部にスロットルレバーから延びるスロットルケーブルが接続され、アーム部材の他端側端部にはエンジンのスロットル弁を操作するリンクが接続されている。
【0004】
この刈刃停止装置によれば、スロットルレバーの非操作時には、ブレーキバンド自身の弾性復元力によりブレーキドラムを締め付けて、遠心クラッチのクラッチドラムに制動力を加え、スロットルレバーの操作時には、スロットルケーブルが引っ張られてアーム部材及び偏心カムを回動させてブレーキバンドを押し開き、遠心クラッチのクラッチドラムを回動可能にしている。このため、作業中にスロットルレバーを解放すれば、ブレーキバンドの締め付け作用が働いてブレーキドラムの回転動を停止させ、クラッチドラムもそれに伴って停止して、刈刃の作動を速やかに停止させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−313682号公報(第4頁−第5頁、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような刈刃停止装置は、繰り返して使用されると、ブレーキバンドの摩擦部材が摩耗する。また、ブレーキバンドの当接部は偏心カムに常に当接しているので、ブレーキバンドの内径の縮小方向の変化は偏心カムにより制限される。このため、繰り返し使用によって摩擦部材が摩耗してブレーキバンドのばね弾性により内径が縮小動するようにブレーキバンド自身が変形しようとしても、ブレーキバンドの内径の縮小は偏心カムにより制限される。このため、ブレーキバンドの締め付けが小さくなって、適正な制動効果を得ることが困難になるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブレーキバンドの繰り返し使用による制動効果の低下を未然に防止することができる手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる発明は、エンジンからの出力を遠心クラッチのクラッチドラムを介して刈刃に伝動し、スロットルレバーの操作に応じてエンジンの出力を調整する手持ち式刈り取り機(例えば、実施形態における剪枝機1)において、スロットルレバーの非操作時に刈刃を停止させる手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置であって、クラッチドラムの外周に巻回され、該クラッチドラムから延出する一端部がクラッチドラムの前側周辺に設けられた支持部(例えば、実施形態における左支持部23)に支持され、クラッチドラムから延出する他端部が引っ張られるとクラッチドラムの外周を締め付けて制動摩擦を作用させる制動帯と、クラッチドラムの後側周辺に設けられた軸支部(例えば、実施形態におけるアーム軸支部26)に中間部が回動可能に軸支されて該軸支部の両側に延び、一端側に制動帯の他端部が接続されたアーム部材と、一端部がスロットルレバーに接続され、他端部がアーム部材の一端側の制動帯の他端部が接続された側に接続されたブレーキケーブルと、アーム部材の一端側を制動帯が接続された側と逆側に回動させるためアーム部材の他端側を付勢する付勢手段(例えば、実施形態における引っ張りばね60)とを有し、ブレーキケーブルの一端部はスロットルレバーから延びるブレーキケーブルの延出方向に所定範囲内で移動可能に接続される。
【0009】
上記構成の刈刃停止装置によれば、ブレーキケーブルの一端部をスロットルレバーから延びるブレーキケーブルの延出方向に所定範囲内で移動可能に接続することで、制動帯の内側が磨耗した状態でスロットルレバーが非操作位置に戻されると、スロットルレバーに接続されたブレーキケーブルはスロットルレバーに対して移動可能であるので、付勢手段によるアーム部材の付勢によりアーム部材がブレーキケーブルを引っ張り方向に回動させて、アーム部材に接続された制動帯を引っ張る。その結果、内径が拡径した制動帯が縮小動して、摩耗した制動帯がクラッチドラムの外周に密接し、さらに摩耗した制動帯がクラッチドラムを締め付けて制動摩擦を作用させてクラッチドラムを制動させる。このため、スロットルレバーを非操作位置に移動させることで、クラッチドラムを停止状態にすることができ、刈刃を瞬時に停止させることができる。
【0010】
また、回動状態にあるクラッチドラムを制動させるためには、所望の制動摩擦が生じるように制動帯の他端部を所定の引き代で引っ張る必要があるが、本発明では、制動帯の内側が磨耗した状態でスロットルレバーを非操作位置に移動させると、ブレーキケーブルはアーム部材の回動を規制せずに許容する。このため、アーム部材の回動により、摩耗で拡開した制動帯の内側面がクラッチドラムの外周に密接するように制動帯の他端部を引っ張り、さらに制動帯がクラッチドラムを制動させるため制動帯の他端部を引っ張る。このため、クラッチドラムを制動させるに必要な制動帯の引き代の設定作業や調整作業を容易にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、刈刃停止装置を備えた手持ち式刈り取り機の一例である枝や葉を剪断する剪枝機について説明する。なお、説明の都合上、図1(a)(平面図)及び図1(b)(内部側面図)中の矢印が示す方向を前後方向、左右方向及び上下方向として、以下説明する。
【0012】
剪枝機1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、エンジンE,動力伝達部3,刈り取り作業部4,フロントハンドル部5及びリアハンドル部6を有して構成されている。二点鎖線で示したエンジンEの出力軸には遠心クラッチ10が連結され、この遠心クラッチ10を介して動力が動力伝達部3のギヤ或いは往復運動機構に伝達され、その往復運動機構の出力部に刈り取り作業部4の可動刃8aが連結されている。刈り取り作業部4は、可動刃8aと固定刃8bとを備えたバリカン式の刈刃8を有してなり、刈り取り作業部4の後端側の上方位置にはフロントハンドル部5に取り付けられた板状のプロテクタ12が配設されている。
【0013】
この剪枝機1は、エンジンEを始動させた後、作業者の一方の手でフロントハンドル部5に設けられたフロントハンドル7を持ち、他方の手でリアハンドル部6に形成されたリアハンドル13を持って、リアハンドル13に設けられたスロットルレバー14を操作して、エンジン出力の調整を適宜行いながら刈り取り作業を行うものである。
【0014】
遠心クラッチ10に内蔵されたクラッチドラム11の周辺には、図2に示すように、前後方向に延びる基体フレーム21が設けられている。クラッチドラム11はその回転中心Okが基体フレーム21の前後方向に延びる中心軸線S上に位置するように基体フレーム21に配設され、このクラッチドラム11の前方側の基体フレーム21上には中心軸線Sに対して左右対称に配置された一対の左支持部23及び右支持部24が上方へ突出して形成され、クラッチドラム11よりも後方側の基体フレーム21上には中心軸線S上を通る位置に配置されて上方へ突出したアーム軸支部26が配設されている。
【0015】
クラッチドラム11にはこの回転動作を規制して図1に示す刈刃8を停止させるための刈刃停止装置40が接続されている。刈刃停止装置40は、クラッチドラム11の外周に巻回されてクラッチドラム11から延出する一端部41aが左支持部23に係止されて支持され、クラッチドラム11から延出する他端部41bが引っ張られるとクラッチドラム11の外周を締め付けて制動摩擦をクラッチドラム11に作用させる制動帯41を有している。制動帯41の内側面には、大きな摩擦係数を有したライニング部材42が装着されている。制動帯41は可撓性の帯状部材であって、革ベルト,合成樹脂ベルト,金属ワイヤ等が用いられる。制動帯41の他端部41bは後述するアーム部材50に接続されている。
【0016】
なお、クラッチドラム11は、制動帯41の一端部41aが左支持部23から外れないようにするため制動帯41の一端部41aに引っ張り力が作用するように、平面視において反時計方向に回転する。
【0017】
アーム軸支部26には刈刃停止装置40の一部を構成してアーム軸支部26を回動中心として前後方向に回動可能に軸支されたアーム部材50が設けられている。アーム部材50はアーム軸支部26の両側に延びた左側腕部50a及び右側腕部50bを有して形成され、左側腕部50aの中間部には制動帯41の他端部41bが接続され、左側腕部50aの先端部には刈刃停止装置40の一部を構成するブレーキケーブル55のインナーケーブル55aの他端部が接続されている。左側腕部50a及び右側腕部50bは、左側腕部50a及び右側腕部50bの各先端部がアーム軸支部26を中心として左右に略対象位置にくるように形成されている。なお、ブレーキケーブル55は内側に配置されて延びる前述したインナーケーブル55aとこれを被覆するアウターケーブル55bとを有してなり、アウターケーブル55b内をインナーケーブル55aが摺動自在である。
【0018】
ブレーキケーブル55は、図1(b)に示すように、一端部がスロットルレバー14に接続されて他端側が前側へ延びて、図1(a)に示す基体フレーム21上に延出して後側へ延び、他端部が前述した図1(a)に示すアーム部材50の左側腕部50aの先端部に接続されている。なお、ブレーキケーブル55のアウターケーブル55bの両端部はリアハンドル部6及び基体フレーム21上に設けられた図2及び図3に示すケーブル保持部28、29にそれぞれ保持されている。
【0019】
図2に示すように、アーム部材50の右側腕部50bの先端部と右支持部24の右側に設けられたばね保持部30との間には刈刃停止装置40の一部を構成する引っ張りばね60が接続されている。なお、ケーブル保持部28及びばね保持部30は中心軸線Sに対して略左右対称位置に配設されている。引っ張りばね60は、制動帯41の他端部41bが左側腕部50aに接続された側と逆側(即ち、矢印A方向側)にアーム部材50を回動させるように、右側腕部50bの先端部をばね保持部30側に引っ張るように作動し、引っ張りばね60の他端部にはこのばねの伸長量を調整する伸長量調整治具63が接続されている。伸長量調整治具63はばね保持部30に対して前後方向に移動可能に螺合し、先端部に引っ張りばね60の他端部が接続されている。引っ張りばね60は、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置に移動したときに、制動帯41がクラッチドラム11を締め付けてクラッチドラム11を制動させるに必要な制動摩擦力が発生するように設定され、伸長量調整治具63により制動摩擦力が調整される。このため、図3に示すロットルレバー14が非操作位置に位置すると、クラッチドラム11を制動させることができる。なお、図3に示すスロットルレバー14の非操作位置及びクラッチドラム11を制動させる作動内容については後述する。
【0020】
また、図3に示すスロットルレバー14を非操作位置から操作すると、ブレーキケーブル55及びアーム部材50を介して制動帯41の緊張が解除されて、クラッチドラム11を回動可能な状態にすることができる。なお、図3に示すスロットルレバー14の操作に応じたクラッチドラム11を回動させる作動内容については後述する。
【0021】
ここで、ブレーキケーブル55の図3に示すスロットルレバー14への接続について説明する。ブレーキケーブル55の他端部は、図3(側面図)に示すように、スロットルレバー14に形成された長孔15内を移動可能に接続されている。長孔15はスロットルレバー14から延びるインナーケーブル55bの延出方向と略同一方向に延び、この長孔15内にインナーケーブル55bの他端部に接続された円柱状の係止部16が長孔15内を長孔15の延びる方向に沿って摺動可能に係合している。スロットルレバー14が非操作位置にあるときの長孔15内における係止部16の位置は、図4(b)に示すように、長孔15の後側端部に係止部16が当接した位置にある。長孔15の長さは、係止部16が長孔15の前側端部に当接したときの係止部16の中心位置O2と係止部16が長孔15の後側端部に当接したときの係止部16の中心位置O1との距離が所定距離Xになるような長さを有している。
【0022】
この所定距離Xについて図4(a)をさらに追加して説明する。なお、図4(a)は、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置にあるときの制動帯41の内径を示し、同図中、実線は制動帯41の内側に装着された図2に示すライニング部材42が図2に示すクラッチドラム11の外周面に密接しているときの制動帯41の内径を示し、破線は制動帯41が図2に示すクラッチドラム11を締め付けて制動させたときの制動帯41の内径を示し、二点鎖線は図2に示すライニング部材42が摩耗したときの制動帯41の内径を示している。
【0023】
図4(a)及び図4(b)に示すように、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置にあるときに、係止部16の中心位置が長孔15の後端側の位置O1に位置し、且つ図2に示すライニング部材42がクラッチドラム11の外周面に密接した状態にあると想定した場合、制動帯41がクラッチドラム11を制動させるに必要なブレーキケーブル55の引き代をx1とすると、図2に示す引っ張りばね60により係止部16が長孔15内を位置O1から前側に距離x1を有した位置O3に移動すると、制動帯41が図2に示すクラッチドラム11を制動させる。また、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置にあるときに図2に示すライニング部材42が摩耗してライニング部材42の内径が大きくなると、先ずライニング部材42をクラッチドラム11の外周面に密接させるため、図2に示す引っ張りばね60により係止部16を長孔15の前側に距離x2を有した位置O4に移動させる。そして、さらに引っ張りばね60により係止部16を長孔15の前側に距離x1を有した位置に移動させると、図2に示すクラッチドラム11は制動帯41により制動される。なお、距離x2はライニング部材42の摩耗に応じた任意の距離である。
【0024】
このため、図2に示すライニング部材42が摩耗したときでも図2に示すクラッチドラム11を制動可能にするための係止部16の移動距離、即ち、前述した所定距離Xは、距離x1と距離x2を加算した距離となる。なお、長孔15は、摩耗した図2に示すライニング部材42によりクラッチドラム11が制動された状態にあるときに、係止部16が長孔15の前端部に当接し又は係止部16と長孔15の前端部内側面間に隙間が生じるように形成されてもよい。但し、この隙間が大きい場合には、図3に示すスロットルレバー14を非操作位置から操作すると、図2に示すクラッチドラム11の制動解除が遅れて制動帯41の摩耗を増加させる虞が生じるので、隙間の大きさは小さい方が好ましい。
【0025】
さて、図3に示すように、前述したスロットルレバー14はリアハンドル部6に設けられ、スロットルレバー14はリアハンドル部6の前側上部に左右方向に延びた状態で配設されたレバー軸支部17を回動中心として上下方向に回動自在であり、スロットルレバー14が矢印C方向に操作されるとレバー軸支部17を回動中心として回動してブレーキケーブル55のインナーケーブル55aを引く。また、スロットルレバー14には、一端部が図1(b)に示すエンジンE側に接続されたスロットルケーブル33のインナーケーブルが接続されている。図1(b)に示すスロットルケーブル33はエンジンEのスロットル弁の開度を調整可能にエンジン側に接続され、スロットルケーブル他端側のインナーケーブルの端部(図示せず)がスロットルレバー14に枢結されている。このため、スロットルレバー14が操作されると、スロットルレバー14の回動角度に応じてスロットル弁の開度を調整することができる。
【0026】
スロットルレバー14を回動自在に保持するレバー軸支部17には図示しないねじりコイルバネが設けられており、このねじりコイルバネは、スロットルレバー14が解放されると、スロットルレバー14を矢印Cと逆方向に戻すように付勢する。スロットルレバー14が矢印Cと逆方向に付勢されると、スロットルレバー14が矢印Cと逆方向に回動し、ブレーキケーブル55に接続された係止部16が長孔15の後方側端部15aに当接されて、ブレーキケーブル55のインナーケーブル55aを押し、係止部16が長孔15の後方側端部15aに当接した状態でスロットルレバー14が停止する。このスロットルレバー14が停止した位置が前述したスロットルレバー14の非操作位置である。なおスロットルレバー14の上方には安全レバー67が設けられており、この安全レバー67は、スロットルレバー14が操作されると同時に安全レバー67を矢印D方向へ回動させて、その先端67aをスロットルレバー14から退避させないとスロットルレバー14の操作ができないように構成されている。
【0027】
次に、刈刃停止装置40の作動について説明する。図3に示すように、安全レバー67を握りながらスロットルレバー14を操作してスロットルレバー14を矢印C方向に回動させると、ブレーキケーブル55及び図1(b)に示すスロットルケーブル33が矢印B方向に引かれ、図2に示すブレーキケーブル55が矢印G方向に引かれて図2に示すアーム部材50が矢印A方向に回動する。このため、図2に示すように、緊張状態にある制動帯41の緊張が解除されてクラッチドラム11が回動可能な状態になる。これと同時に、図1(b)に示すスロットルケーブル33が引かれてエンジンE側のスロットル弁が開放され、エンジン回転数が上昇して遠心クラッチ10が作動して、クラッチドラム11を介して図1(a)に示す刈刃8に動力が伝達されて刈刃8が駆動する。
【0028】
一方、図1(a)に示す刈刃8が駆動している状態から図3に示すスロットルレバー14が解放されると、図3に示すように、スロットルレバー14のねじりコイルバネの付勢によりスロットルレバー14が矢印Cと逆方向に回動して、図1(b)に示すスロットルケーブル33のインナーケーブル及びブレーキケーブル55のインナーケーブル55aが矢印Bと逆方向に押されるとともに、ブレーキケーブル55のインナーケーブル55aが、図2に示すように、引っ張りバネ60の付勢をさらに受けて矢印G方向と逆方向に押される。そして、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置に移動すると、引っ張りばね60の引っ張り力により、図4(b)に示す係止部16が位置O1から前側にさらに距離x1だけ移動して、制動帯41がクラッチドラム11を締め付けて制動させる。
【0029】
ここで、長時間の使用によりライニング部材42の内側面が摩耗した状態で、図3に示すスロットルレバー14が非操作位置に移動したときのライニング部材42の内径の変化について考慮する。ライニング部材42が摩耗すると、制動帯41の他端部41bの位置がそのままの状態であると、ライニング部材42の摩耗によりライニング部材42の内側面の内径は拡大する。この状態で、制動帯41の他端部41bが図4(b)に示す距離x1だけ引っ張られても、制動帯41を制動可能な制動帯41の内径にすることはできない。これは、クラッチドラム11と制動帯41との間に発生する摩擦制動力が、摩耗していないライニング部材42のそれよりも小さくなるからである。その結果、回転動するクラッチドラム11を制動させるまでの制動時間が長くなり、駆動している図1に示す刈刃8を瞬時に停止させることが困難になる。
【0030】
しかしながら、本発明に係わる刈刃停止装置40では、ライニング部材42の内側が磨耗してライニング部材42の内径が大きくなった状態で図3に示すスロットルレバー14が非操作位置に戻されると、引っ張りばね60によりアーム部材50を矢印A方向に回動して、アーム部材50を介してブレーキケーブル55の他端部55aを矢印G方向と逆方向に引っ張る。このときのブレーキケーブル55の引き代は前述したように図4(b)に示す距離x2及び距離x1を加算した距離Xである。その結果、内径が大きくなったライニング部材42の内径は縮小動して、ライニング部材42がクラッチドラム11の外周に密接し、さらに制動帯41がクラッチドラム11の外周を締め付ける。このため、ライニング部材42とクラッチドラム11の外周との間に所望の制動摩擦力が発生して、回転動するクラッチドラム11を停止させて、駆動する刈刃8を瞬時に停止させることができる。なお、図4(b)に示す係止部16が位置O1から前側に距離Xを有した位置に移動したときに、係止部16が長孔15の前側端部に当接し又は係止部16と長孔15の前側端部との間に隙間が形成されるように長孔15が形成されているので、係止部16の移動量が距離Xよりも小さくなることはない。その結果としてクラッチドラム11を瞬時に停止させることができる。
【0031】
また、回動状態にあるクラッチドラム11を制動させるためには、所望の制動摩擦力が発生するように制動帯41の他端部41bを所定の引き代で引っ張る必要があるが、本発明の刈刃停止装置40では、ライニング部材42が磨耗した状態で図3に示すスロットルレバー14を非操作位置に移動させると、ブレーキケーブル55はアーム部材50の回動を規制せずに許容する。このため、アーム部材50の回動により、摩耗で拡開したライニング部材42の内側面がクラッチドラム11の外周に密接するように制動帯41の他端部を引っ張り、さらに制動帯41がクラッチドラム11を締め付けるために制動帯41の他端部41bを引っ張る。このため、クラッチドラム11を制動させるに必要な制動帯の引き代x1の設定作業や調整作業を容易にすることができる。
【0032】
なお、前述した実施の形態では、図2に示すように、クラッチドラム11の回転方向が反時計方向である場合を示したが、この回転方向を時計方向に回転動させる場合には、図5に示すようにブレーキケーブル55等を配置する。即ち、アーム部材50の左側腕部50aをアーム軸支部26の右側に位置し、且つ、アーム部材50の右側腕部50bをアーム軸支部26の左側に位置するように、アーム部材50をアーム軸支部26に対して左右逆方向に配置する。また、制動帯41の端部の延出位置が中心軸線Sに対して右側になるように配置し、これに伴ってブレーキケーブル55や引っ張りばね60の取り付け位置を図2に示す場合と逆側に配置する。ここで、左支持部23及び右支持部24、ケーブル保持部28及びばね保持部30のそれぞれは、前述したように中心軸線Sに対して略左右対称位置に配設されているので、引っ張りばね60を右側腕部50bの先端部とケーブル保持部28との間において前述した図2に示した引っ張りばね60と同様の関係を有して接続させることができる。また、ブレーキケーブル55を左側腕部50aの先端部とばね保持部30との間において前述した図2に示すブレーキケーブル55と同様の関係を有して接続させることができる。このため、前述した図2に示す剪枝機1と同様の効果を得ることができ、また図5に示すクラッチドラム11の回転方向が時計方向である剪枝機1を提供する場合、クラッチドラム11の回転方向が反時計方向である図2に示す剪枝機1に用いられた部品(アーム部材50、ブレーキケーブル55、引っ張りばね60)をそのまま使用することができるので、部品が共通化された仕様の異なる剪枝機1を容易に提供することができる。なお、アーム部材50に接続された引っ張りばね60の代わりに板バネを用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置によれば、ブレーキケーブルの一端部をスロットルレバーに所定範囲内で移動可能に接続することで、制動帯の内側が磨耗して制動帯の内径が大きくなった場合でも、スロットルレバーを非操作位置に戻すと、アーム部材が回動して制動帯を引っ張るので、摩耗した制動帯がクラッチドラムに密接し、さらに制動帯がクラッチドラムを締め付けて制動摩擦を作用させる。このため、クラッチドラムを停止にさせて刈刃を瞬時に停止させることができる。また、回動状態にあるクラッチドラムを制動させるためには、制動帯の他端部の引き代が所定値になるように制動帯の他端部を引っ張る必要があるが、本発明に係わる刈刃停止装置では、制動帯の内側が磨耗してもスロットルレバーを非操作位置に移動させると、制動帯をクラッチドラムに密接させるための制動帯の引き代分とクラッチドラムを制動させるための引き代分をアーム部材が回動して引っ張る。このため、クラッチドラムを制動させるに必要な制動帯の引き代の設定作業や調整作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる剪枝機を示し、同図(a)は剪枝機の平面図であり、同図(b)は剪枝機の内部構造を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる剪枝機の要部平面図を示す。
【図3】この剪枝機のリアハンドル部の内部側面図を示す。
【図4】この剪枝機の作動を説明するための図であり、同図(a)はクラッチドラムに巻回された制動帯の側面図であり、同図(b)は制動帯に接続された係止部と長孔との位置関係を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる剪枝機の要部平面図を示す。
【符号の説明】
1 剪枝機(手持ち式刈り取り機)
8 刈刃
10 遠心クラッチ
11 クラッチドラム
14 スロットルレバー
23 左支持部材(支持部材)
26 アーム軸支部(軸支部)
40 刈刃停止装置
41 制動帯
41a 一端部
41b 他端部
50 アーム部材
55 ブレーキケーブル
60 引っ張りばね(付勢手段)
E エンジン
Claims (1)
- エンジンからの出力を遠心クラッチのクラッチドラムを介して刈刃に伝動し、スロットルレバーの操作に応じて前記エンジンの出力を調整する手持ち式刈り取り機において、前記スロットルレバーの非操作時に前記刈刃を停止させる手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置であって、
前記クラッチドラムの外周に巻回され、該クラッチドラムから延出する一端部が前記クラッチドラムの前側周辺に設けられた支持部に支持され、前記クラッチドラムから延出する他端部が引っ張られると前記クラッチドラムの外周を締め付けて制動摩擦を作用させる制動帯と、
前記クラッチドラムの後側周辺に設けられた軸支部に中間部が回動可能に軸支されて該軸支部の両側に延び、一端側に前記制動帯の前記他端部が接続されたアーム部材と、
一端部が前記スロットルレバーに接続され、他端部が前記アーム部材の一端側の前記制動帯の前記他端部が接続された側に接続されたブレーキケーブルと、
前記アーム部材の一端側を前記制動帯が接続された側と逆側に回動させるため前記アーム部材の他端側を付勢する付勢手段とを有し、
前記ブレーキケーブルの前記一端部は前記スロットルレバーから延びる前記ブレーキケーブルの延出方向に所定範囲内で移動可能に接続されていることを特徴とする手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003020442A JP2004229539A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003020442A JP2004229539A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004229539A true JP2004229539A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32950072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003020442A Pending JP2004229539A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 手持ち式刈り取り機の刈刃停止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004229539A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101467507B (zh) * | 2007-12-27 | 2011-08-03 | 苏州宝时得电动工具有限公司 | 园林工具制动装置 |
JP2013188769A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Sharp Corp | 熱交換器 |
CN106069241A (zh) * | 2016-08-02 | 2016-11-09 | 山东农业大学 | 一种农作物夹持式智能打顶装置 |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020442A patent/JP2004229539A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101467507B (zh) * | 2007-12-27 | 2011-08-03 | 苏州宝时得电动工具有限公司 | 园林工具制动装置 |
JP2013188769A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Sharp Corp | 熱交換器 |
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