JP2004228894A - 圧電発振器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水晶片を収容して構成される水晶振動部10と、底面部3aと、この底面部3a上の対向する二辺に側壁部3bが積層され、底面部3aの下部に表面実装用の電極端子4が形成されている容器3にICチップ5を搭載して形成される発振回路部2とからなり、発振回路部2の側壁部3b上面に水晶振動部10を接合して成る。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動子と発振回路を一体とした圧電発振器と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯電話等の電子機器においては、例えば、温度補償形水晶発振器(TCXO;Temperature Compensated Crystal Oscillator)などの水晶振動子を利用した水晶発振器が広く利用されている。
【0003】
このような水晶発振器の構造は各種提案されており、例えば、図7に示すような構造のものが良く知られている(特許文献1)。
この図7に示す水晶発振器100は、例えばセラミックからなる、浅い箱形形状の容器101に、発振回路を構成するICチップ102などが収容される。そして、この容器101の上に容器103の底面部を接合するようにしている。
容器103には水晶片104が収容され、蓋105によって容器103の内部を気密封止することで水晶振動部10が構成されている。
【0004】
しかしながら、上記図8に示したような水晶発振器100においては、容器101に搭載されるICチップ102の固着補強のために、図示していないが、ICチップ102の周囲にアンダーフィル材を充填する必要がある。
容器101の内部に収容したICチップ102の周囲にアンダーフィル材を注入するには、容器101の壁面とICチップ102との間にアンダーフィル材を注入するためのスペースを設ける必要があり、このようなスペースが小型化を図るうえで妨げになっていた。
【0005】
そこで、上記したような点を考慮した水晶発振器としては、図8に示すような構造のものが提案されている(特許文献2)。
図8(a)は、水晶発振器を上方側(圧電振動子の収納側)から見た図であり、図8(b)は下方側(電極端子側)から見た図である。
この図8に示す水晶発振器110においては、図8(a)に示すように、セラミックを積層して形成した容器111の片側(上方側)に設けられた凹部に水晶片112を収容し、この開口部に蓋113をして密閉構造とする。そして、同図(b)に示すように、容器111の反対側にICチップ114を搭載するようにしている。
【0006】
このような水晶発振器110では、ICチップ114が機器側の基板(以下、「搭載基板」という)に接触しないように、容器111の四隅に柱部115,115・・を設けるようにしている。そして、これらの柱部115,115・・の先端面にそれぞれ電極端子116,116・・を形成するようにしている。
【0007】
しかしながら、上記図8に示した水晶発振器110は、電極端子116,116・・が形成される部分が、柱部115,115・・とされることから、外部からの衝撃に対して機械的な強度が弱いという欠点がある。
また、容器111に搭載されるICチップ114の固着補強のために、ICチップ114にアンダーフィル材を充填する際に、アンダーフィル材が漏れだしてしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、上記したような点を考慮した水晶発振器として、図9に示すような構造のものが提案されている(特許文献3)。
この図9に示す水晶発振器120は、容器121において電極端子を形成した部分の強度を確保するため、電極端子間の少なくとも一辺を壁部122となるように形成することで、外部からの衝撃に対する機械的な強度の向上を図るようにしている。
また、このように壁部122を形成することでアンダーフィル材の漏れだしを防止するようにしている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−315918号公報
【特許文献2】特開2000−299611号公報
【特許文献3】特開2002−164587号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような構造の水晶発振器120では、小型化を推し進めていくと、最終的には壁部122の肉厚を強度限界まで薄くする必要が生じることになる。そして、その場合には、壁部122に形成される電極端子の形状も小さくなる。
【0011】
このため、例えば水晶発振器120を搭載する搭載基板の材質と、水晶発振器120の容器121の材質が異なる場合は、その熱膨張係数の違いにより生じる応力によって、水晶発振器の電極端子と搭載基板のランドとを接続するハンダにクラックが発生して接続不良となるおそれがあった。
【0012】
そこで、本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、小型化した場合でも、搭載基板との間で接続強度が得られる圧電発振器と、そのような圧電発振器の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の圧電発振器は、圧電片を収容して構成される圧電振動部と、容器底面部の上に側壁部が積層され、容器底面部の底面外側に表面実装用の電極端子が設けられている容器に、ICチップを搭載して形成される発振回路部とを備え、発振回路部の側壁部上面に圧電振動部を接合して成る。
【0014】
このような本発明によれば、圧電発振器の小型化を図るために、発振回路部の容器形状を小型化した場合でも、表面実装用の電極端子の形状を側壁部の肉厚に関係なく設定することができる。これにより、側壁部の肉厚を強度限界まで薄くした場合でも、必要な電極端子の接続強度を確保することが可能になる。
【0015】
また、本発明の、圧電片を収容して構成される圧電振動部と、容器底面部上に側壁部が積層され、容器底面部の底面外側に表面実装用の電極端子が設けられている容器に、ICチップを搭載して形成される発振回路部とを備え、発振回路部の側壁部上面に圧電振動部を接合して成る圧電発振器の製造方法は、少なくとも、複数の前記容器がシート状に形成されている状態のもとで、前記シート状態にある容器に対して前記ICチップを搭載していく工程を備えるようにした。これにより、個々の容器にICチップを搭載して接続するための冶具や工数が不要になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、図1、図2を用いて第1の実施の形態とされる水晶発振器の構造について説明する。
図1は第1の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図であり、図2(a)には、第1の実施の形態の水晶発振器を側面側から見た側面図、図2(b)には、第1の実施の形態の水晶発振器を底面側から見た底面図がそれぞれ示されている。
【0017】
これら図1、図2に示す水晶発振器1は、例えば温度補償形水晶発振器(TCXO)であり、発振回路部2と水晶振動部10とから成る。
発振回路部2は発振回路部用容器(以下、単に「容器」という)3にICチップ5が搭載されて形成される。
容器3は、図2(a)に示されているように、例えばセラミックから成る矩形板状の底面部3aと、この底面部3a上の対向する二辺に同じくセラミックからなる側壁部3bが積層されて成る。
【0018】
また容器3においては、図2(b)にも示されているように、外側の底面から側面にかけて電極端子4,4・・が形成されている。これらの電極端子4,4,・・は、本実施の形態の水晶発振器1が搭載される機器側の搭載基板(図示しない)に設けられている島状電極(ランド)の表面に接続可能とされる。
【0019】
また、容器3の内部底面には、ICチップ5から引き出されている引出電極5a,5aを接続するための接続電極8,8・・が設けられている。これらの接続電極8,8・・は、図示していない回路パターンである導電路を介して容器3の外側の電極端子4,4・・や、上面部に設けられている接合面7,7・・と接続されることになる。また、接続電極8,8・・の一部は底面部3aの長手部分に設けられている補助電極端子6,6・・とも接続されている。
【0020】
補助電極端子6,6・・は、水晶発振器を作製する際に、水晶発振器ごとに異なる温度補正用の補正データをICチップ5内のメモリ(図示しない)に書き込むための端子とされる。
【0021】
ICチップ5には、当該温度補償形水晶発振器を構成するための温度補償用回路や発振回路各種電子回路が形成されている。そして、このICチップ5から引き出されている引出電極5a,5a・・・が接続電極8,8・・と接続されている。
【0022】
この場合のICチップ5は、フリップチップ方式が採用され、図示していないICチップ5の外部電極取出用パッド(ボンディングパッド)上に、引出電極5a,5a・・・となるバンプ(突起)を形成するようにしている。
そして、このバンプ状の引出電極5a,5a・・・と、容器3内に設けられている接続電極8,8・・・とを例えば加圧又は加熱した状態で超音波振動を加えて接続する、或いはハンダや導電性接着剤などの導電性部材を用いて接続するようにしている。
また、この場合は、ICチップ5と容器3との隙間には保護材として例えばエポキシ系の接着剤などのアンダーフィル材9を注入することで、ICチップ5の回路面の保護とICチップ5と容器3との接続を強固にしている。
【0023】
なお、ICチップは、例えばICチップをチップサイズでパッケージ化した、いわゆるチップサイズパッケージICを用いることも可能である。
【0024】
水晶振動部10は、上記図7に示したように、例えば浅い箱形形状のセラミック製の容器103に水晶片104を収容し、蓋105によって、容器103の内部を気密封止して形成される。
この場合、容器103内に収容される水晶片104は長方形の薄い板状で、両面に蒸着等で金属電極が形成され、この金属電極が容器103内に形成された電極引出部と導電性接着剤により接続されている。そして、この電極引出部がスルーホールや容器103の内層に形成された導電路などを経由して、容器103の底面に設けられている図示していない接続電極と接続されている。そして、この水晶振動部10の接続電極を容器3の上縁部に形成された接合面7,7・・に対して接続するようにしている。
水晶振動部10の接続電極10a,10aと容器3の接合面7,7・・との接続には、例えば、ハンダや導電性接着剤などの導電性部材が用いられる。
【0025】
このように本実施の形態の水晶発振器1では、容器3の底面部3aを平板状にセラミック基板により形成し、この底面部3aの外側底面から側壁部3bにかけて電極端子4,4・・を設けるようにした。これにより、例えば水晶発振器の小型化を図るために、容器3の側壁部3bの肉厚を強度限界まで薄くした場合でも、容器3の底面部3aから側壁部3bにかけて形成する電極端子4,4・・のサイズを大きくすることができる。即ち、本実施の形態の水晶発振器1によれば、側壁部3bの肉厚に関係なく、電極端子4,4・・のサイズを適宜設定することが可能になる。
【0026】
従って、水晶発振器1を搭載する搭載基板の材質と、水晶発振器1の容器3の材質が異なる場合でも、これら材質の熱膨張係数の違いによって生じる応力を考慮して電極端子4,4・・のサイズを設定すれば、電極端子4,4・・と搭載基板のランドとを接続するハンダにクラックが発生することがなく、水晶発振器1の電極端子4,4・・と搭載基板のランドとの接続不良を防止することができるようになる。
【0027】
また、この場合は、水晶振動部10が接続される容器3の接合面7,7・・の形状は小さくなるが、容器3と水晶振動部10の容器103の材質は、共に同じ材質(セラミック)であるので、容器3の接合面7,7・・の形状を小さくした場合でも、容器3の接合面7,7・・と水晶振動部10の接続電極10a,10a間のハンダにクラックが発生することもなく、したがって水晶振動部10の接続不良が発生するということもない。
【0028】
また、この場合は、容器3の側壁部3bを底面部3a上の二辺に対してのみ形成するようにしているので、側壁部3bの部分からICチップ5と底面部3aとの隙間に保護材としてアンダーフィル材9を注入することが可能になるため、それだけ容器3の小型化を図ることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、容器3の側壁部3bを底面部3a上の短い2辺に対して形成するようにしているが、これはあくまでも一例であり、例えば底面部3a上の長い2辺に形成することも可能である。また、容器3の側壁部3bを底面部3a上の3辺に形成する、或いは強度的に可能で有れば、底面部3aの1辺にのみ形成するようにしても良い。さらに、例えば底面部3a上の四隅に柱状に形成することも可能である。
【0030】
図3は、上記したような水晶発振器1の製造方法の一例を示した図である。
この図3(a)に示すように、水晶発振器1は、先ず、底面部3aとなるシート状セラミック基板11上に側壁部3bとなる凸状セラミック12を積層して焼成するなどして、複数の容器3を組み合わせたシート状セラミック容器13を形成するようにされる。このとき、シート状セラミック容器13の所要位置にはホール14が形成されており、このホール14を利用して容器3の底面部3aの側面から側壁部3bにかけて電極端子4,4・・が形成されていると共に、底面部3aの側面に補助電極端子6,6・・が形成されている。
そして、図3(b)に示すように、シート状セラミック容器13に対してICチップ5,5・・・・を搭載するようにしている。そして、次に図示していないがシート状セラミック容器13に対して別途作製した水晶振動部10を搭載して、これらICチップ5,5・・と水晶振動部10を接合するようにしている。
【0031】
この後、後述するような温度補償のための工程を行った後、シート状セラミック容器13に形成されている分割線(図3(a)に示した破線)で分割し、側壁部3bが形成されていない部分からICチップ5と容器3の底面部3aとの隙間にアンダーフィル材を注入することで、図1に示したような水晶発振器1を得ることができる。
【0032】
このようにすれば、水晶発振器1を作製するにあたって、容器3に対してICチップ5を接続する際には、シート状セラミック容器13にICチップ5を並べて接続していくことが可能になるため、水晶発振器1の製造を容易に行うことができる。例えば冶具に容器3を並べてICチップ5接続していく場合と比較すれば、容器3を並べるための冶具、及び冶具に容器3を並べる工程が不要になるため、それだけ冶具と製造工程の簡略化を図ることができる。
また、同様にシート状セラミック容器13のもとで水晶振動部10,10・・を搭載、接合することができるため、冶具と製造工程の簡略化が図られることになる。
【0033】
また、TCXOなどの水晶発振器では、発振回路部2で温度補償動作を行うあたって、温度に対応した補償データを予めICチップ5内に設けられている記憶部に書き込む必要がある。このため、水晶発振器では、発振回路部と水晶振動部を組み合わせた状態で、温度補償のための温度補償工程として、温度特性の測定を行い、最良となる補償データをICチップ5に書き込みを行う必要あるが、本実施の形態のように、複数の容器3,3・・がシート状態にあるシート状セラミック容器13にICチップ5,5・・を載せ置いた後、圧電振動部10を,10・・を載置して接合すれば、温度特性の測定やデータの書き込みなどもシート状セラミック容器13単位で行うことが可能になるため、温度補償工程を簡略化することができる。
なお、上記した温度補償工程は、シート状セラミック基板31を個々に分割した後で行うようにしても良い。
【0034】
但し、この場合は、シート状セラミック容器13に水晶振動部10を接合した状態で温度特性の測定やデータの書き込みを行う場合は、シート状セラミック容器13の配線パターンを各容器3ごとに電気的に独立して形成しておく必要があるため、配線パターンのメッキは無電界メッキにより行う必要がある。
一方、セラミック基板13を分割した状態で温度特性の測定やデータの書き込みを行うようにすると、配線パターンのメッキを無電界メッキよりコストが安い電界メッキで形成することができる。
【0035】
ところで、水晶発振器1においては、発振回路部2において、温度補償動作を行うにあたっては、上述したような温度に対応した補償データを予め発振回路部2のICチップ5内に設けられた記憶部に書き込む必要があるが、水晶発振器1の温度特性は個々に異なるため、補償データも個々に測定して書き込みを行う必要がある。即ち、水晶振動部10を取り付けた状態で、温度特性の測定を行い、最良となる補償データを発振回路部2内のICチップ5に書き込む必要がある。このため、上記したような水晶発振器1の容器3の底面部3a側面には、ICチップ5にデータを書き込むための補助電極端子6,6を設けるようにしていたが、容器3には複数の電極端子4,4・・が設けられていることから、容器3の形状が小さくなるにしたがって、容器側面に補助電極端子6,6を設けるのが困難になる。
【0036】
そこで、次に、第2の実施の形態として、容器側面に補助電極端子を設ける必要がない水晶発振器の一例を示す。
図4は、第2の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図であり、図5(a)には、第2の実施の形態の水晶発振器の側面図、図5(b)には、その底面図がそれぞれ示されている。
【0037】
図4は、第2の実施の形態としての水晶発振器の構造を示した図であり、図4(a)は水晶発振器の側面図、図4(b)は底面図である。なお、上記図1及び図2に示す水晶発振器と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0038】
図4、図5に示す水晶発振器(TCXO)20も、例えば発振回路部21と水晶振動部10とから構成される。
この場合、発振回路部21を形成する容器22は、上記同様、例えばセラミックかな成る矩形板状の底面部22aと、この底面部22a上の対向する二辺に、同じくセラミックからなる側壁部22bが積層されて成るが、容器22の底面部22a側面には、容器22に搭載されたICチップ5にデータを書き込むための補助電極端子が設けられていないものとされる。
従って、このように水晶発振器20を構成すれば、容器22の側面に補助電極端子を設ける必要が無いだけ、容器22の小型化が可能になり、結果的には水晶発振器の小型化を図ることができる。
【0039】
また、この場合も、図5(b)に示されているように、容器22の底面部22aはを平板状にセラミック基板により形成したことで、容器22の側壁部22bの肉厚を強度限界まで薄くした場合でも、容器22の底面部22aに形成する電極端子4,4・・のサイズを大きく形成することができるので、搭載基板の材質と、容器22の材質が異なる場合でも、これら材質の熱膨張係数の違いによって生じる応力を考慮して電極端子4,4・・のサイズを設定すれば、上記図1図2に示した水晶発振器1同様、電極端子4,4・・と搭載基板のランドとを接続するハンダにクラックが発生することがなく、水晶発振器1の電極端子4,4・・と搭載基板のランドとの接続不良を防止することができる。
またこの場合も、容器22の側壁部22bを底面部22a上の二辺にのみ形成するようにしているので、側壁部22bの部分からICチップ5と底面部22aとの隙間に保護材としてアンダーフィル材9を注入することができる。
【0040】
図6は、上記したような水晶発振器20の製造方法の一例を示した図である。この場合、図6(a)に示されているように、シート状セラミック基板31は容器基板32と補助基板33とからなり、容器基板32上には側壁部22bとなる凸状セラミック34が積層され、さらに容器基板32から補助基板33にかけて補助電極端子として機能する導電路35が形成されている。
そして、図6(b)に示すように、このようなシート状セラミック基板31の容器基板32に対してICチップ5を接続していくと共に、ICチップ5と容器基板32との隙間にアンダーフィル材を注入するようにしている。この後、図示していないが、容器基板32の凸状セラミック34に対して、別途作製した水晶振動部10を接続するようにしている。
【0041】
そして、その状態で温度特性の測定を行い、最良となる補償データを補助基板33の導電路35からICチップ5内の記憶部に書き込みを行い、書き込み終了後に、シート状セラミック基板31を分割して容器基板32だけを取り出すことで、上記図4及び図5に示したような水晶発振器20を得ることができる。
【0042】
この場合も、水晶発振器20を作製するにあたって、容器22に対してICチップ5を接続する場合は、図6(b)に示すようにシート状セラミック基板31の状態でICチップ5を接続することが可能になるため、容器22に冶具に並べてICチップ5接続していく場合に比べて、容器22を並べるための冶具、及び冶具に容器22を並べる工程が不要になるため、それだけ冶具と製造工程の簡略化を図ることができるという利点がある。
【0043】
また、この場合も、シート状セラミック基板31の状態で温度補償工程を行うことが可能になり、工程を簡略化することができる。もちろん、シート状セラミック基板31を分割して、各容器基板32にそれぞれ補助基板33が接合されている状態で温度補償工程を行うことも可能である。またこの場合は配線パターンのメッキをコストの安い電界メッキによりで形成することができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、水晶発振器1として、温度補償形水晶発振器(TCXO)を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば電圧制御形水晶発振器(VCXO;Voltage Controlled Crystal Oscillator)などの水晶振動子を利用した各種水晶発振器に適用可能である。また水晶発振器のみならずレゾネータなどの圧電素子を利用した圧電発振器にも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の圧電発振器によれば、圧電発振器の小型化を図るために、発振回路部の容器形状を小型化した場合でも、表面実装用の電極端子の形状を側壁部の肉厚に関係なく設定することができるため、側壁部の肉厚を強度限界まで薄くした場合でも、必要な電極端子の接続強度を確保することが可能になる。
例えば本発明の圧電発振器の材質と、当該圧電発振器が搭載される搭載基板の材質とが異なる場合は、これらの材質の熱膨張係数の違いを考慮して電極端子の形状を設定すれば、水晶発振器と搭載基板との間で接続不良が発生するのを防止することができる。
【0046】
また、本発明の圧電発振器の製造方法によれば、本発明の圧電発振器を作製するにあたって、複数の容器がシート状に形成されている状態のもとで、シート状態にある容器にICチップを搭載して接合するようにしているので、個々の容器にICチップを搭載して接合するための冶具、及び工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の水晶発振器の側面図及び底面図である。
【図3】第1の実施の形態の水晶発振器の製造方法の説明図である。
【図4】第2の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図である。
【図5】第2の実施の形態の水晶発振器の側面図及び底面図である。
【図6】第2の実施の形態の水晶発振器の製造方法の説明図である。
【図7】従来の水晶発振器の容器構造を示した図である。
【図8】従来の水晶発振器の容器構造を示した図である。
【図9】従来の水晶発振器の他の容器構造を示した図である。
【符号の説明】
1 20 水晶発振器、2 21 発振回路部、3a 22a 容器底面部、3b 22b 側壁部、3 22 容器、4 電極端子、5a 引出電極、5 ICチップ、6 補助電極端子、7 接合面、8 接続電極、9 アンダーフィル材、10 水晶振動部、10a 接続電極、11 31 シート状セラミック基板、12 34 凸状セラミック、13 シート状セラミック容器、14 ホール、32 容器基板、33 補助基板 35 導電路、
Claims (6)
- 圧電片を収容して構成される圧電振動部と、
容器底面部上に側壁部が積層され、前記容器底面部の底面外側に表面実装用の電極端子が設けられている容器に、ICチップを搭載して形成される発振回路部と、
を備え、
前記発振回路部の側壁部上面に前記圧電振動部を接合して成ることを特徴とする圧電発振器。 - 前記側壁部は、前記容器底面部の対向する二辺に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
- 前記発振回路部の容器には、前記ICチップに対して所要のデータを書き込むための補助電極端子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
- 前記補助電極端子は、前記容器底面部の側面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の圧電発振器。
- 圧電片を収容して構成される圧電振動部と、容器底面部上に側壁部が積層され、前記容器底面部の底面外側に表面実装用の電極端子が設けられている容器に、ICチップを搭載して形成される発振回路部とを備え、前記発振回路部の側壁部上面に前記圧電振動部を接合して成る圧電発振器の製造方法として、
少なくとも、複数の前記容器がシート状に形成されている状態のもとで、前記シート状態にある容器に対して前記ICチップを搭載していく工程
を備えることを特徴とする圧電発振器の製造方法。 - 前記ICチップが搭載された前記シート状態の前記容器に対して前記圧電振動部を搭載して接合する工程と、
前記シート状態にある前記容器を個々の容器に分割する工程と、
からなることを特徴とする請求項5に記載の圧電発振器の製造方法。
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Cited By (6)
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