JP2004227360A - 統合ログ表示方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のログ情報の中から、特定の処理に関係するログ情報のみを収集し統合する方法を提供する。
【解決手段】サーバが保持するログ情報中に含まれる、ログ情報で処理毎に付与されるセッション情報をセッション情報管理テーブルに記録し、また異なるログ情報間でのセッション情報の対応関係についてセッション情報対応テーブルに記録する。利用者が表示箇所入力部によって指示したセッション情報から、セッション情報対応テーブルを再帰的に検索することにより、利用者が注目している処理に関連する一連のセッション情報を特定できる。関連する一連のセッション情報のそれぞれについて、対応する情報をログ情報より収集し、ログの記録された日時に従って統合し、処理の流れが理解し易い形に整形し利用者に提示する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークにより接続された複数の計算機から構成されるシステムにおいて、それぞれの計算機が独立に持つログ情報を統合するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、インターネット上でオンラインショッピングなどのサービスを利用者に提供するシステムが普及している。このようなシステムでは、WWW(World Wide Web)の仕組みを利用して、利用者はWWW用の汎用のブラウザを用いてサービスを提供する計算機であるWebサーバにアクセスすることによりサービスが受けられる。
【0003】
初期の段階では、サービスの内容は、情報検索サービスなどの情報提供型の基本的で単純なサービスが主であった。現在では、実際のお金のやり取りを伴った物品やサービスの売買を行うオンラインショッピングサービスや、銀行との取引を行うことができるオンラインバンキングサービスなど、より複雑なサービスが提供されている。
【0004】
このような複雑なサービスを利用者に対して提供するためには、サービスを提供するサーバ側のシステムも従来のようにWebサーバのみではなく、役割分担毎に複数の種類のサーバが配置されている。一般的な例として、ユーザに提供する情報を生成するWebサーバ、業務の実際の動きを制御するアプリケーションサーバ、及び在庫情報や口座情報のような業務データを保存するためのデータベースサーバの3種類のサーバで1つのシステムが構成されている。
【0005】
また、インターネットを利用した利用者へのサービスでは、利用者が利用したい時間に自由に利用してもらう形式のため、大人数の利用者からのアクセスが集中する場合があり、サーバ側のシステムの性能にある程度の余裕を持たせる設計が必要となる。このような場合、1台のサーバだけではなく、同種のサーバを複数台の並べることにより性能に幅を持たせた構成をとることが一般的である。
【0006】
このように、現在のWebシステムでは、異なった機能を持った複数種類のサーバが、それぞれ複数台存在する構成となっている。このようなシステム構成では、ある利用者の処理の履歴に関する一連の情報が、各サーバがそれぞれ独立にファイルとして出力している複数のログ情報中に分散して格納されてしまう。
【0007】
このようなシステムの運用管理を行うシステムの中には、管理者をサポートする機能として、サーバ側のシステム構成が一覧形式で表示されている統合管理画面から、管理者が取得したいと思ったログ情報を簡単な動作で取得し、管理者に提示する機能がある。
【0008】
また、従来技術としては、各種のログ情報を中間形式に変換し、時間順序でソート及びマージしたログ情報において、ログ情報中のキーワードの出現頻度等の統計的情報を管理者に対して同時に提示することにより、ログ情報の解析を容易にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−356939号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法においては、次のような問題がある。すなわち、管理者が通常一度に見ることができる1つのログ情報の中には、本来管理者が見たいと思っている一連の流れの処理履歴情報の一部しか入っていない。つまり、全体の処理を管理者が把握するためには、関連すると思われる全てのサーバが出力する全ログ情報を取得し、その中から関連すると思われる情報を収集し、処理の流れを推定する作業が必要となる。しかし、現在のWebシステムのようにより複雑化しているシステムにおいては、その作業は事実上不可能であると考えられる。
【0011】
また、特許文献1で示されるキーワードの出現頻度を用いた方法では、時間順序において統合されたログ情報からは、偶然に同時刻に記録されてしまったログ情報が混合されて管理者に提示されてしまい、管理者が本来必要としている処理履歴情報のみを取得できない。例えば、Webサーバを複数の利用者が同時に利用した場合に、それぞれの利用者がアクセスしたログ情報が、単純に時間順にログファイル中に連続して記録されてしまい、時間順序からはこの2系統のログ情報を分離できない。つまり、管理者がシステムの動作を把握するためには、全てのログ情報を参照する必要があるが、処理の流れを追跡するためには、単純なマージと時間順ソートでは目的を達成できない。
【0012】
本発明の目的は、Webシステムのように複数種類のサーバ及び複数台のサーバから構成される複雑なシステムにおいて、これらのサーバ群が保持するログ情報の中から、管理者が必要とする情報を収集して管理者に提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の統合ログ表示方法は、互いにネットワークによって接続された複数のサーバによって構成されたシステムにおける利用を前提とする。システムを構成する各サーバは、自サーバ内での処理の履歴としてログ情報を保持している。このログ情報の中には、複数の処理が実行された場合に、それぞれの処理を特定するための情報(以下セッション情報と呼称)が記録されている。また、処理の中間層として存在するサーバのログ情報内には、自サーバで有効なセッション情報と、次の処理が行われる別サーバで有効なセッション情報の対応関係が記録されている。
【0014】
本発明では、各サーバが保持するログ情報中に含まれるセッション情報をセッション情報管理テーブルに記録する。また、それらのセッション情報の対応関係をログ情報より収集してセッション情報対応テーブルに記録する。
【0015】
本発明の統合ログファイル方法では、ログ情報の中から利用者が注目している処理に関係するログ情報の一部分を指定する。その指定された部分に対応するセッション情報について、セッション情報対応テーブルを検索することにより、セッション情報と関連がある他のセッション情報(以下、関連セッション情報と呼称)を検索できる。検索した関連セッション情報のそれぞれを、当該セッション情報と考えて、セッション情報対応テーブルを再度検索し、その結果として関連セッション情報が得られる。この検索処理を再帰的に行うことにより、利用者が注目している処理に関連する一連のセッション情報を特定できる。
【0016】
次に、関連する一連のセッション情報のそれぞれについて、セッション情報に対応するログ情報を収集し、それらの収集したログ情報を、ログの記録された日時に従って統合する。この統合したログ情報は、利用者が注目した処理に関係するログ情報であり、この情報を処理の流れが理解しやすい形に整形し利用者に提示する。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の第1の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明における一実施例の全体的な構成図を示す。本実施例では、Webクライアント101を利用する利用者に対して、インターネット102を経由してオンラインショッピング等のサービスを提供するシステムを表している。サービスを提供するサーバ側のシステムは、一般的に異なる機能を持った複数台の計算機であるサーバが、ネットワーク103で接続される構成になっている。
【0018】
図1の実施例では、Webクライアント101の画面に表示するデータを生成する機能を持ったWebサーバ105、提供するサービスの動作を制御する機能を持ったアプリケーションサーバ(以下、APサーバと略記)106、及びサービスに必要なデータを保持する機能を持ったデータベースサーバ(以下、DBサーバと略記)107の3種類のサーバによってサービスを提供するシステムが構成されている。
【0019】
一連の処理に対するこれらのサーバの機能分担としては、Webクライアント101からの処理要求をWebサーバ105が受信し、処理要求の内容をAPサーバ106へ送信する。APサーバ106は、処理に必要なデータをDBサーバ107から取り出し、サービスの処理を行い、DBサーバ107内のデータを変更する必要がある場合にはデータを更新し、処理結果をWebサーバ105へ送信する。Webサーバ105は、処理結果をWebクライアント101が解釈できるHTML(HyperText Markup Language)形式に変換し、Webクライアント101へ返信する。これら3種類のサーバ間では、処理の分担と処理の流れ方が決まっており、このサーバ側の構造を、それぞれのサーバを1つの層(レイヤ)に例えて、3層構造と呼称する。
【0020】
各々のサーバは、独自にそのサーバ内での動作の履歴情報を記録しているログ情報108、109及び110を保持している。各サーバに保持されているログ情報は、通常テキストファイルの形式で保存されており、ネットワーク103経由で統合ログ表示サーバ104からログ情報の内容を参照できるように設定されている。本実施例では、Webサーバ105、APサーバ106及びDBサーバ107の3種類のサーバで構成されているが、この3種類の中の一部の種類のサーバによって構成されるシステムや、ログ情報を持つ他の機能のサーバを含む構成のシステムにおいても本実施例を適用できる。
【0021】
図1は、統合ログ表示サーバ104の詳細な構成、及びログ情報209を保持するサーバ208との関係を示す。図1中のサーバ208は、ログ情報209を持つサーバを汎用的に表現したものであり、Webサーバ105、APサーバ106及びDBサーバ107は、サーバ208の1つの種類である。
【0022】
Webサーバ105のログ情報108を例として、ログ情報209の一般的な形式を図2(左上)に示す。ログ情報209は、サーバ208で行われた処理の履歴を記録したものなので、1回の記録単位であるログエントリ301がログ情報への記録順に従って追記される形式になっている。
【0023】
また、ログエントリ301内には、ログエントリ301を記録した日時を表すログ記録日時情報303及び、ログ情報209内にあるどの処理単位に関係するログエントリ301であるかを表すためのセッション情報302が出力されている。例として、Webサーバ105の場合には、Webサーバ105にアクセスしてきたWebクライアント101毎に識別するための識別子であるCookieがセッション情報302に相当する。
【0024】
他のログ情報の形式として、APサーバ106におけるログ情報109のログ形式を図2(右上)に示す。基本的にはWebサーバ105のログ形式と同じであるが、ログ情報109におけるセッション情報302には、Webサーバ105のセッション情報302とは異なる独自のセッション情報302が付与される。
【0025】
また、APサーバ106は、3層構造の中間の層に位置するため、自身のログ情報109内のセッション情報302以外に、他の層であるWebサーバ105やDBサーバ107におけるセッション情報302も関連セッション情報401としてログ情報109内に記録されている。ログ情報109における「Cookie1」や「TranID1」の部分がこの関連セッション情報401に該当する。この関連セッション情報401及びセッション情報302を関係づけることによって、異なる層、例えばWebサーバ105とAPサーバ106におけるセッション情報302の関連を判断できる。
【0026】
また、他のログ情報の形式として、DBサーバ107におけるログ情報110のログ形式を図2(左下)に示す。基本的にはWebサーバ105のログ形式と同じであるが、ログ情報110におけるセッション情報302は、DBサーバ107におけるトランザクションと呼ばれる処理単位で付与される。
【0027】
次に、図1に示した統合ログ表示サーバ104内の構成について説明する。統合ログ表示サーバ104で管理している全てのログ情報209に関する情報は、ログ構成定義テーブル204に定義されている。
【0028】
ログ情報収集部201は、サーバ208内のログ情報209から指定された条件に合致したログ情報を選択的に収集する。セッション情報抽出部202は、ログ情報収集部201によって収集されたログ情報から、セッション情報302及びセッション関連情報402を抽出して、セッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成する。ログ情報統合部203は、ログ情報収集部201によって収集されたログ情報を利用者が理解しやすい形に統合して、統合ログ情報207を生成する。表示箇所入力部210は、本発明の利用者が統合ログ情報207として得たいと思っている箇所を指示する。
【0029】
現在、一般的なWebシステムは、システムの冗長性やそのシステム全体の性能にスケーラビリティ(幅)を持たせるために、各層を同様な機能を持った複数台のサーバで構成されている。図3は、Webサーバが3台(WebサーバA601、WebサーバB603、WebサーバC605)、APサーバが2台のサーバ(APサーバA607、APサーバB609)及び1台のDBサーバ611から構成されたシステム構成を示す。
【0030】
本実施例の全体の処理の流れについてフローチャート図13を用いて説明する。最初に、このシステム構成に含まれる全てのログ情報209に関する定義情報をログ構成定義テーブル204に定義する(ステップ1701)。ログ構成定義テーブル204の詳細を図4に示す。ログ構成定義テーブル204は、1つの行が1つのログ情報209に対応している。レイヤIDは、サーバの位置する層を表す項目で、Webサーバの層が1、APサーバの層が2、DBサーバの層が3を表している。ログ情報IDは、各ログを一意に特定する為に付与された識別子である。サーバ名は、ログ情報209の存在するサーバ208を一意に特定する為の識別子であり、サーバ208のネットワーク上での名称を用いる。
【0031】
ログファイル名は、ログ情報209が記録されているファイルの名称を表す。
ログ形式は、ログ情報209の記録されている形式を表している。本実施例では、Webは図2に示すログ情報108の記録形式を表し、同様にAPはログ情報109、DBはログ情報110の記録形式を表している。関連セッションフラグは、そのログ情報209の中に関連セッション情報401を含んでいるかどうかを表わすフラグであり、値が1の場合には、関連セッション情報401を含んでいることを示す。
【0032】
ログ情報収集部201は、ログ構成定義テーブル204の情報に基づいて、指定されたログ情報IDに対応するログ情報209から、ログ記録日時情報303の範囲指定やセッション情報302の指定等の条件に合致したログエントリ301のみを収集する。
【0033】
次に、セッション情報抽出部202は、ログ構成定義テーブル204に定義されている定義情報に従って、セッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成する(ステップ1702)。この動作の詳細についてフローチャート図6を用いて説明する。セッション情報抽出部202は、ログ構成定義テーブル204に定義されているログ情報209に関する定義情報を1つ選択し、ログ情報収集部201を経由してサーバ208に含まれるログ情報209を収集する(ステップ901)。
【0034】
収集したログ情報209から1つのログエントリ301を取り出し(ステップ902)、そのログエントリ301にセッション情報302が含まれるかを判断する(ステップ903)。セッション情報302が含まれる場合には、セッション情報302と現在走査しているログ情報209のログ情報IDを、図5に示すセッション情報管理テーブル205に追加する(ステップ904)。
【0035】
現在走査しているログ情報209の関連セッションフラグが1の場合には、ログエントリ301の中に関連セッション情報401が含まれるかを判断し(ステップ905)、関連セッション情報401が含まれる場合には、セッション情報302と現在走査しているログ情報209のログ情報ID及び関連セッション情報401を、図7に示すセッション情報対応テーブル206に追加する(ステップ906)。
【0036】
ログ情報209に未処理のログエントリ301が存在する場合には、再度ステップ902以降の処理を行う(ステップ907)。1つのログ情報209の処理が終了した後には、ログ構成定義テーブル204に定義されているログ情報209の中で、未処理のログ情報209が有る場合には、再度ステップ901以降の処理を行う(ステップ908)。以上の処理により、全てのログ情報209に含まれているセッション情報302及び関連セッション情報401に関する情報を収集できる。
【0037】
ステップ1702の処理が終わった後、利用者は、表示箇所入力部210を用いてログ情報ID及びセッション情報302を指定する(ステップ1703)。
図14は、表示箇所入力部210における入力画面の一例を示す。サーバ名選択ボックス1801には、ログ構成定義テーブル204に定義されている全てのサーバ名が表示されており、その中から1つのサーバ名を選択できる。
【0038】
サーバ名選択ボックス1801を選択することにより、選択されたサーバ名に該当するサーバ208が持つログファイル名が、ログ定義テーブル204から検索され、該当する全てのログファイル名がログファイル名選択ボックス1802に表示される。ログファイル名選択ボックス1802でログファイル名を選択後、表示日時入力ボックス1803に表示したいログ情報の日時を入力し、ログ表示情報ボタン1804を押すことにより条件に該当するログ情報209がログ情報表示領域1805に表示される。
【0039】
利用者は、このログ情報表示領域1805内において、1つのログエントリ301を選択することにより、ログ情報ID及びセッション情報302を指定できる。また、ログ情報表示領域1805を用いる代わりに、セッション情報入力ボックス1806に直接、セッション情報302の値を入力することによっても、同様にログ情報ID及びセッション情報302を指定できる。
【0040】
次に、統合ログ表示ボタン1807を押下することにより指定されたセッション情報302に関連した統合ログ情報207が作成される(ステップ1704)。ステップ1704の処理の詳細を、フローチャート図8を用いて以下に説明する。
【0041】
指定されたログ情報ID及びセッション情報302を検索条件として、セッション情報対応テーブル206を検索することにより、関連セッション情報401が得られる。この関連セッション情報401を新たな検索条件として、セッション情報対応テーブル206を検索することにより、さらに関連セッション情報401が得られる。この検索動作を再帰的に行うことによって、表示箇所入力部210によって指定されたセッション情報301に関係のある、一連の関連セッション情報401が得られる(ステップ1102)。
【0042】
前記ステップ1102で取得した、関連セッション情報401のそれぞれに対して、セッション情報管理テーブル205からログ情報IDを取得する(ステップ1103)。前記ステップ1103で取得したログ情報IDと関連セッション情報401を、ログ情報収集部201における収集条件に指定して、ログ情報を取得する(ステップ1104)。以下の説明では、この収集条件に合致したログ情報を、サーバ208内の加工していないログ情報209と区別するために、部分ログ情報と呼称する。
【0043】
前記ステップ1104で収集した複数の部分ログ情報を、ログエントリ内のログ記録日時情報303を統合の順番として、ログ情報統合部203において統合し、統合ログ情報207を作成する(ステップ1105)。作成された統合ログ情報207は、統合ログ表示テキストエリア1808に出力される(ステップ1705)。
【0044】
図2(右下)は、統合ログ情報207の一例を示す。図2における統合ログ情報207の例は、同じく図2に示した各ログ情報(108,109,110)において、表示箇所入力部201でセッション情報302としてSession1を指定した場合の統合ログ情報207である。セッション情報302であるSession1に関連する関連セッション情報401は、図7よりCookie1、TranID1及びTranID2の3つのセッション情報であるので、これらのセッション情報に該当するログ情報を各ログ情報(108,109,110)から収集し、1つのログ情報として統合したものが、図2に示す統合ログ情報207となる。
【0045】
本実施例では、部分ログ情報を統合する際に、ログエントリ301がどの層のログ情報209に含まれていたかを利用者に理解し易いように、ログ構成定義テーブルで定義しているレイヤIDに従って、ログ記録日時情報303に続いてレイヤIDの大きさに対応した適当な個数の空白文字を挿入することによりインデントを行い、統合ログ情報207を作成している。つまり、図2中の統合ログ情報207に示すようにAPサーバ106におけるログエントリ301(レイヤID1)は、Webサーバ105におけるログエントリ301(レイヤID2)よりも、ログ記録日時情報303以降の部分が右側に離れている。
【0046】
本実施例では、前記のインデントによるログ情報の統合を行っているが、他の方法、例えばレイヤIDの違いによって統合ログ情報207内での色を変化させるなどの方法を用いる場合でも、本実施例を適用できる。
【0047】
以上のように、本実施例で説明した統合ログ表示方法を適用したシステムを用いることにより、複数のサーバ208が個別に持っているログ情報209を1つの統合ログ情報207に統合した形で、かつ利用者が注目している処理に関係する情報のみを選択的に利用者に提供できる。
【0048】
上述の実施例においては、利用者が統合ログ表示を作成する為に表示箇所入力部210を操作する前に、セッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成しているが、表示箇所入力部210を操作した後に、セッション管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206をフローチャート図6に従って作成する方法においても、本実施例を適用できる。
【0049】
(実施例2)実施例1においては、ステップ1702における処理において、既に記録されたログ情報209からセッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成していた。実施例2では、このステップ1702の処理の代わりに、サーバ208側でログ情報209を追加記録すると同時に、セッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成する処理を追加する。
【0050】
本実施例の構成を図9に示す。サーバ208では、ログ情報209に新しいログエントリ301を記録する際に、そのログエントリ301に含まれるセッション情報302とログ情報IDをセッション情報送信部1301から、統合ログ表示サーバ104内のセッション情報受信部1302へ送信する。また、この時にログエントリ内に関連セッション情報401も含まれている場合には、関連セッション情報401も送信する。
【0051】
セッション情報受信部1302は、受信したセッション情報302及びログ情報IDをセッション情報管理テーブル205に追加する。また、関連セッション情報401も同時に受信した場合には、セッション情報302、ログ情報ID及び関連セッション情報401の3つの情報を、セッション情報対応テーブル206に追加する。以上の処理により、実施例1と同じセッション情報管理テーブル205及びセッション情報対応テーブル206を作成できる。
【0052】
本実施例の上記処理以外の構成及び処理に関しては実施例1と同様である。本実施例で説明した統合ログ表示方法を適用したシステムを用いることにより、複数のサーバ208が個別に持っているログ情報209の中に関連セッション情報401を記録しない場合においても、それらのログ情報209を1つの統合ログ情報207に統合した形で、かつ利用者が注目している処理に関係する情報のみを選択的に利用者に提供できる。
【0053】
(実施例3)実施例3は、実施例1において、関連セッション情報401が含まれていない場合にログ情報の記録日時の順序関係からセッション情報の関連を推定する実施例である。本実施例におけるログ情報の一例を図10に示す。図10のAPサーバ106のログ情報1402と図2のAPサーバ106のログ情報109を比較すれば明らかなように、APサーバ106のログ情報1402には、関連セッション情報401が記録されていない。本実施例では、実施例1におけるステップ1702の処理として、フローチャート図6の処理の代わりに、フローチャート図12に示す処理を行う。
【0054】
フローチャート図12の処理について、フローチャート図6の処理と異なる部分について説明する。セッション情報302をセッション情報管理テーブル205に追加する処理(ステップ904)の後に、セッション記録日時情報303、ログ情報ID、レイヤID及びセッション情報302の4種類の情報を図11に示すセッション情報記録日時テーブル1501に記録する(ステップ1601)。
【0055】
フローチャート図12の処理が終了した後の、セッション情報記録日時テーブル1501の例を図11に示す。このセッション情報記録日時テーブル1501において、隣接する行を比較して、後の行の方が前の行よりも1層深い(レイヤIDが1だけ大きい)場合に、相互のセッション情報302に関連があると判断して、セッション情報対応テーブル206を作成する。例えば、図11中の行1502及び行1503は、レイヤIDが1だけ異なるので、それぞれのセッション情報302である、Cookie1及びSession1に関連があると判断できる。
【0056】
上述の処理により、セッション情報対応テーブル206を作成できる。また、本実施例では、セッション情報記録日時テーブル1501上での隣接関係を用いて、セッション情報302間の関連を推定しているが、より正確度を上げるために、セッション情報記録日時テーブル1501内での隣接関係の統計的な傾向から、セッション情報302間の関連を推定する方法を適用した場合においても、本実施例を適用できる。
【0057】
本実施例の上述の処理以外の構成及び処理に関しては実施例1と同様である。本実施例で説明した統合ログ表示方法を適用したシステムを用いることにより、複数のサーバ208が個別に持っているログ情報209の中に関連セッション情報401を記録されていない場合においても、それらのログ情報209を1つの統合ログ情報207に統合した形で、かつ利用者が注目している処理に関係と推定される情報を選択的に利用者に提供できる。
【0058】
以上に述べた本発明の方法を実行するためのプログラムを、計算機で読み取り可能な記憶媒体に格納し、このプログラムメモリに読み込んで実行することもできる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、Webシステム等のように異なった機能を持つ複数種類のサーバ及び複数台のサーバから構成される複雑なシステムにおいて、これらのサーバ群が保持する複数のログ情報の中から、利用者が注目している処理に関係するログ情報の一部分を指定することにより、その指定した処理に関係するログ情報のみを収集し、統合した形で利用者に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるWebクライアントとサーバ及び統合ログ表示サーバの全体構成図である。
【図2】ログ情報の記録形式及び、統合ログ情報の一例を表した図である。
【図3】実施例1におけるWebサーバ、APサーバ、DBサーバ及び統合ログ表示サーバの関係を表したブロック図である。
【図4】ログ構成定義テーブルの構成を表した図である。
【図5】セッション情報管理テーブルの構成を表した図である。
【図6】実施例1におけるセッション情報に関連するテーブルを作成する処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】セッション情報対応テーブルの構成を表した図である。
【図8】実施例1における統合ログ情報を作成する処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】実施例2における統合ログ表示サーバ内の構成要素のブロック図である。
【図10】実施例3におけるログ情報の例を示した図である。
【図11】実施例3におけるセッション情報記録日時テーブルの構成を表した図である。
【図12】実施例3におけるセッション情報に関連するテーブルを作成する処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】実施例1における全体の処理の流れを示したフローチャートである。
【図14】表示箇所入力部の入力画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
101:Webクライアント、105:Webサーバ、106:アプリケーション(AP)サーバ、107:データベース(DB)サーバ、104:統合ログ表示サーバ、201:ログ情報収集部、202:セッション情報抽出部、203:ログ表示統合部、204:ログ構成定義テーブル、205:セッション情報管理テーブル、206:セッション情報対応テーブル、207:統合ログ情報、208:サーバ、209:ログ情報、210:表示箇所入力部、301:ログエントリ、302:セッション情報、303:ログ記録日時情報、401:関連セッション情報、1301:セッション情報送信部、1302:セッション情報受信部、1501:セッション情報記録日時テーブル

Claims (7)

  1. 互いに情報を授受しながら一連の処理を行なう複数の処理サーバとネットワークを介して接続され、前記一連の処理に関する動作履歴としてのログ情報を保持する統合サーバにおける統合ログ表示方法は、
    前記処理サーバ内での処理単位毎に付与される、前記ログ情報内に記録された識別子を利用して、前記処理サーバ毎に保持している前記ログ情報から前記識別子で関連付けられる部分ログ情報を収集し、
    各前記処理サーバから収集した複数の前記部分ログ情報を1つの統合ログ情報として統合することを特徴とする統合ログ表示方法。
  2. 請求項1記載の統合ログ表示方法において、前記処理サーバが、前記識別子を、前記統合サーバの、前記統合ログ情報を作成する手段に送信することを特徴とする統合ログ表示方法。
  3. 請求項1記載の統合ログ表示方法において、複数の前記ログ情報の時系列的な順序関係から前記ログ情報に含まれる前記識別子間の関連関係を判断することを特徴とする統合ログ表示方法。
  4. 互いに情報を授受しながら一連の処理を行なう複数の処理サーバ、及び前記処理サーバとネットワークを介して接続され、前記一連の処理に関する動作履歴としてのログ情報を保持する統合サーバからなる統合ログ表示システムにおいて、前記統合サーバは、
    前記処理サーバ内での処理単位毎に付与される前記ログ情報内に記録された識別子と、前記処理サーバ毎に保持している複数の前記ログ情報から前記識別子に関連した部分ログ情報を収集する手段と、
    前記部分ログ情報を1つの統合ログ情報に統合する手段を備えることを特徴とする統合ログ表示システム。
  5. 請求項3記載の統合ログ表示システムにおいて、前記処理サーバは、統合ログ表示を作成する手段に前記識別子を送信する手段を備えることを特徴とする統合ログ表示システム。
  6. 請求項3記載の統合ログ表示システムにおいて、前記統合サーバは、複数の前記ログ情報から前記ログ情報に含まれる前記識別子の関連関係を判断する手段を備えることを特徴とする統合ログ表示システム。
  7. 互いに情報を授受しながら一連の処理を行なう複数の処理サーバとネットワークを介して接続され、前記一連の処理に関する動作履歴としてのログ情報を保持する統合サーバにおける統合ログ表示方法を実行するプログラムを格納した、計算機で読み取り可能な記憶媒体であって、前記方法は、
    前記処理サーバ内での処理単位毎に付与される、前記ログ情報内に記録された識別子を利用して、前記処理サーバ毎に保持している前記ログ情報から前記識別子で関連付けられる部分ログ情報を収集し、
    各前記処理サーバから収集した複数の前記部分ログ情報を1つの統合ログ情報として統合することを特徴とする記憶媒体。
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