JP2004227221A - データ管理決定方法、データ管理決定装置、データ管理決定プログラム、およびデータ管理決定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】データの新しい管理方法を管理方法推定手段2で推定し、その推定過程などを推定過程提示手段3で提示する。ユーザは、推定された管理方法や提示された情報を見て、管理方法を管理方法指定手段4で指定し、この指定に基づいて管理方法設定手段5がデータの管理方法を設定する。なお、管理方法の指定は、推定方法の修正という形で行われることもある。
管理方法推定手段2は、ユーザが指定した管理方法あるいは推定方法の修正から、新たな推定方法に修正する。
これにより、ユーザの手間をできるだけ減らしながら、データに応じた適切なデータ管理方法を決定することができるようになる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データの管理方法を決定する方法および装置およびプログラムおよびプログラム媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
データを格納する領域には通常、限りがあるので、データ量が増えてくると、格納領域が不足してしまうという問題が出てくる。また、格納領域が不足していないとしても、データ量が増えてくると、検索などの処理に時間がかかってしまうという問題も出てくる。
【0003】
これらの問題を解決する為、不要なデータを自動的に消去するなどという方法がある。
【0004】
例えば、特許文献1では、スケジュール情報の重要度に応じて保存期間を指定して、期限切れのスケジュール情報を自動的に削除するスケジュール管理装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、ファイル作成時にそのファイルの有効期限を指定しておき、期限の切れたファイルを自動的に削除することにより、ファイル管理の省略化と外部記憶装置のメモリ容量の有効利用とを可能にするデータ処理装置が開示されている。
【0006】
また、上記の2つの公報例のように有効期限などが切れたデータを自動的には消去せず、ユーザに処理方法を選択させる従来技術が存在する。
【0007】
例えば、特許文献3では、当該有効期限が到来したときに、機器側において確認のメッセージを表示し、ユーザによる当該ファイルの削除に同意する指示入力に応じて当該ファイルを削除したり、当該ファイルの保持を継続する指示入力に応じて当該ファイルの保持を継続したりするファイル管理装置が開示されている。
【0008】
上記特許文献1〜3では、当該ファイルの処理方法をユーザが選択できるので、必要なデータが勝手に消去されてしまうという事態を防ぐことができる効果が述べられている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭64−42765号公報(1989年2月15日公開)
【0010】
【特許文献2】
特開平1−276346号公報(1989年11月6日公開)
【0011】
【特許文献3】
特開平7−225704号公報(1995年8月22日公開)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来技術には、大きく2つの問題が存在する。
【0013】
問題の詳細を説明する前に、これらの問題が発生する背景を順を追って説明する。
【0014】
まず、特許文献1に開示されているスケジュール管理装置、および特許文献2に開示されている情報処理装置では、情報を自動消去する前提として、事前に設定する有効期限が常に正しいという前提がある。
【0015】
しかし、実際の利用を考えると、データの正確な有効期限を事前に設定することは難しい。特許文献2の様に、データの種類をスケジュールデータなどに限定すれば、ある程度正確な有効期限を設定することは可能となる場合もある。しかし、種類を問わない汎用的なデータに関しては、通常、状況の変化によって、データの必要性は変わってくるので、正確な有効期限を事前に知ることは難しい。
有効期限が到来した時に、そのデータが必要な状況が変化していたとしたら、必要なデータが勝手に消去されてしまうという問題が発生してしまう。
【0016】
従って、特許文献3の様に、汎用的なデータに関しては、有効期限が到来した時に、処理方法をユーザに選択させることで、データの重要性の変化に柔軟に対応するのが現実的と考えられる。
【0017】
以上の背景説明から、汎用的なデータに関しては、有効期限が到来した時に処理方法をユーザに選択させる方法が現実的と考えられるが、この方法にも、ユーザの手間を省くという観点からは、大きく2つの問題が存在する。
【0018】
まず、1つ目の問題として、データが不要かどうかがすぐに判断しにくいという問題がある。
【0019】
もし、有効期限の切れたあるデータについて、不要かどうかを急に尋ねられても、即座に正確に答えるのは難しい。例えば、最近使っていないと思っていても、実は最近使ったことがあることを忘れている場合もある。あるいは、そのデータを直接は最近使っていなくても、関連する別のデータは必要で、関連するそのデータはまだ置いておきたい場合もある。また、例えば、そのデータがどういう種類のデータであったかを思い出すのにも時間がかかる場合もある。
【0020】
なお、特許文献3では、ユーザに処理方法をどのように選択させるかについて、詳細な説明は無い。
【0021】
この問題は、別の言い方をすれば、ユーザの手間が増える問題であると言える。データが不要かどうかを判断するのに時間がかかるということは、結局、手間がかかるということである。時間をかけてよく調べなかった為、誤った判断を下してしまう問題も、正確な判断を下す為には手間がかかるということに含まれる。
【0022】
次に、2つ目の問題として、総データ量が増えるに従い、有効期限が切れて処理方法を判断しないといけないデータ量も増えてくるという問題がある。判断しないといけないデータ量があまりに増えると、ユーザの手間もそれだけ増えることになってしまう。
【0023】
また、ユーザがいちいち判断していると、個々のデータの判断にかける時間が短くなりがちで、あまり内容も確認せずに適当に判断してしまい、結果的に誤った判断をしがちである。この問題も、ユーザの手間が増える問題であるといえる。
【0024】
結局、上記2つの問題は、まとめて言えば、ユーザの手間が増える問題であると言える。
【0025】
本発明の目的は、汎用的なデータに関して、ユーザの手間をできるだけ減らしながら、データに応じた適切なデータ管理方法を決めることのできるデータ管理決定方法およびデータ管理決定装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、データ管理決定装置が各データの管理方法を決定するデータ管理決定方法であって、各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定ステップと、管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示ステップと、当該提示した情報に対するユーザの指定に応じて、データ管理決定装置が新たな管理方法を決定する管理方法指定ステップと、を有することを特徴とする。
【0027】
上記の構成において、「管理方法」は、データを管理する方法に関するあらゆるものを指す。例えば、データの記録先などである。記録先としては、例えば、主記憶、外部記憶、ネットワーク先などがある。
【0028】
同じ外部記憶でも、アクセス速度や容量、信頼度などの違いで、複数の記録先に分かれる場合もある。例えば、HDD(hard disk drive)に記録する場合とテープドライブを使ってテープメディアに記録する場合とでは、アクセス速度などが違う。
【0029】
また、データの削除も管理方法の一つである。他にも、データ自体を可逆圧縮したり不可逆圧縮したりする管理方法もある。不可逆圧縮の例としては、画像をJPEG(joint picture engineering group)形式で不可逆圧縮したり、画像サイズを縮小したり、テキスト情報などであれば要約したりといった場合がある。
【0030】
また、管理方法には、管理方法の更新条件の情報などが含まれる場合もある。更新条件が真となる場合に、管理方法が更新される。更新条件としては、例えば、有効期限がある。この場合は、データの有効期限が切れたら、所定の処理を行ったりする。所定の処理としては、例えば、別の記録先に移動したり、削除したり、ユーザに処理の仕方を尋ねたりすることなどがある。
【0031】
更新条件の例としては、他にも、他のデータの更新に同調することや、他のデータからの参照数や、そのデータの過去の履歴数などがある。
【0032】
なお、これらの管理方法の情報は、データ自身が保持していても良いし、データとは別に保持していてもよい。
【0033】
「推定の過程において用いられる情報」には、例えば、推定に使われるデータの情報、推定処理途中で使われる情報、推定方法、推定で使われるパラメータ、推定される管理方法などの情報が含まれる。さらに、推定ステップにより推定された新たな管理方法をも同時に表示することとしてもよい。
【0034】
上記情報の提示の仕方は、例えば、文字列や数値で表示したり、グラフ、図などで表示したりなど様々な方法がある。
【0035】
「提示した情報に対するユーザの指定」は、一般に何らかのインターフェースを使って、指定される。インターフェースは、物理的な実体を持ったボタンなどの場合もあるし、画面上の仮想的なボタン表示や、音声や画像を認識処理することで行われる場合もある。
【0036】
推定過程提示ステップによる提示処理と、管理方法指定ステップによる指定処理は、同時に処理する場合も、提示処理後に指定処理する場合もある。つまりデータ管理決定装置がユーザに対して推定過程を提示しながら、ユーザが推定の過程において用いられる情報の選択や変更、あるいは推定された新たな管理方法を指定する場合と、データ管理決定装置によって推定過程が提示された後に、ユーザが推定の過程において用いられた情報の選択や変更や、推定された新たな管理方法を指定する場合とがある。また、ユーザによる指定処理によって、推定過程などが変更され、変更された推定過程などを再度提示処理し、さらにそれをユーザが見て、再度指定処理を行う、ということを繰り返しても良い。
【0037】
また、推定過程提示ステップによる提示処理と、管理方法指定ステップによる指定処理は、同じインターフェースを利用する場合もあるし、別々の場合もある。
【0038】
また、これらの管理方法に関する情報は、データ毎に異なっていてもよいし、複数のデータや全てのデータで同じでもよい。
【0039】
そこで、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、まず、最初に何らかのタイミングでデータの管理方法を決定する必要が発生する。
【0040】
この最初に管理方法を決定するタイミングとしては、例えば、データが新たに生成されそのデータの管理方法を決める時や、既存のデータが更新される時、既存のデータに対して指定されている管理方法の更新条件が成立した時/あるいは成立した後、などが挙げられる。
【0041】
そして、管理方法を決定すべきデータに対して、新たな管理方法を管理方法推定ステップで推定する。推定には、例えば、管理方法を決定すべきデータ、管理方法の推定方法、推定で使われるパラメータや閾値、推定処理途中で使われる情報、などが用いられる。推定方法、推定で使われるパラメータや閾値などは、所定の値や方法が使われる。所定の値や方法は、管理方法を決定すべきデータ自身が保持していたり、あるいはデータ外部で保持されていたりしており、そこから得られる。
【0042】
これら推定の過程で使われる情報や、推定された管理方法などの情報の少なくとも一部を、推定過程提示ステップでユーザに提示する。提示は通常、ディスプレイなどを通じて提示される。
【0043】
そして、推定過程提示ステップで提示された情報をユーザが見て、ボタンやマウスなど何らかのインターフェースを通じて、管理方法指定ステップで、ユーザが、推定の過程で使われる情報の選択や変更、新たな管理方法などを指定する。この指定に応じて、データ管理決定装置が新たな管理方法を決定する。
【0044】
本発明の方法を使わずに、つまり管理方法の推定や推定過程の提示無しに、ユーザが新たな管理方法を決定しようとすると、そのデータの内容などをユーザ自らが閲覧操作などをして確認し、その内容などから、どう管理すべきかを判断する必要がある。
【0045】
しかし本発明のように、データの内容などから新たな管理方法を、データ管理決定装置が自動的に推定して、推定される管理方法をユーザに提示することで、ユーザが新たな管理方法を指定する際に、提示される管理方法を参考にすることができるという効果が出てくる。これは新たな管理方法を決定すべきデータの内容をユーザ自らが確認することなどによる判断の手間を省く効果とも言える。
【0046】
また、データ管理決定装置による管理方法の推定の精度が高ければ、つまり、推定される管理方法とユーザの意向が一致する確率が高ければ、新たな管理方法の指定操作は、推定/提示される管理方法をそのまま了承するだけで済むことが多くなる。これに対して、従来のデータ管理決定方法のように、何も推定が無ければ、全ての場合において、ユーザ自らが管理方法の一覧から選ぶなどして、指定しなければならない。了承するだけで済むことが多ければ、指定操作が簡単なことが多いということになり、ユーザの手間が省ける効果が出てくる。
【0047】
また、推定過程提示ステップにおいて、データの内容などが自動的に提示されれば、データを選んで開く操作を省くことができ、ユーザの手間が省ける効果が出てくる。
【0048】
また、データ管理決定装置により自動的に実行される推定過程を提示することで、ユーザは推定過程提示ステップにおいて提示された情報により、推定された管理方法が妥当かどうかを判断しやすくなり、そのデータの管理方法を一から考えるのに比べて、判断の手間を省くことができるという効果が出てくる。
【0049】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記推定過程提示ステップにおいて管理方法決定装置がユーザに提示する情報には、前記管理方法推定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法が含まれており、管理方法決定装置が、前記管理方法指定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更が指定されたか否かについて判断し、変更が指定された場合に、前記管理方法推定ステップにより、当該変更された情報および/または推定方法を用いて新たな管理方法を再度推定することを特徴とする。
【0050】
上記の構成において、前記推定過程提示ステップにおいて管理方法決定装置がユーザに提示する情報に含まれる「推定に使われる情報および/または推定方法」の変更には、例えば、前記管理方法推定ステップで管理方法の推定に使われる情報を取捨選択したり、推定で使われるパラメータなどを変更したり、推定で使われる計算式や手順を変更したり、などの処理がある。
【0051】
なお、「推定に使われる情報」や「推定方法」は、各データの更新条件を含む場合もある。
【0052】
なお、管理方法推定ステップによる再度の推定処理により推定された管理方法を、そのまま新たな管理方法として決定してもよいが、管理方法推定ステップと管理方法指定ステップによる管理方法の決定処理との間に、前記推定過程提示ステップによる再度の推定過程の提示処理をしてもよい。
【0053】
また、管理方法指定ステップにおける変更の指定と、管理方法推定ステップによる新たな管理方法の推定と、推定過程提示ステップによる再度の推定過程の提示と、の一連の処理を、ユーザが納得するまで何度でも繰り返してもよい。すなわち、管理方法決定装置により、ユーザが納得したとの判断がなされるまで上記一連の処理を繰り返し、管理方法指定ステップにおいて、管理方法決定装置が、ユーザの納得示す指示がなされたと判断した場合に、新たな管理方法を決定することとしてもよい。
【0054】
本発明に係るデータ管理決定方法によれば、管理方法決定装置が、前記推定過程提示ステップにおいて、管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更が指定されたか否かについて判断し、変更が指定された場合、新たな管理方法を管理方法推定ステップにおいて推定する。
【0055】
例えば、管理方法推定ステップにおいては、管理方法決定装置が、データの属性などからデータの重要度を計算で求めて、求めた重要度を各管理方法の閾値と比較することで、どの管理方法かを推定するなどするとする。この推定の過程では、例えば、データの重要度を求める際に使われる計算式や、計算式中で使われるパラメータ(例えば、データの各属性の内、どの属性を重要視するかを表す重み係数や、管理方法を判断する際に使われるパラメータである閾値など)や、重要度の値などが出てくる。
【0056】
これら推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報は、管理方法決定装置により、推定過程提示ステップにおいてユーザに提示される。
【0057】
そして、推定過程提示ステップで提示された情報をユーザが見て、ボタンやマウスなど何らかのインターフェースを通じて、推定に使われる情報および/または推定方法をユーザが変更する。すなわち、ユーザは管理方法自体の変更を指定するのではなく、管理方法を推定するために用いられる情報および/または推定方法の変更を指定する。例えば、ユーザは上記した重み係数や閾値などの変更を指定する。
【0058】
そして、ユーザにより変更が指定された推定に使われる情報および/または推定方法を使って、管理方法決定装置は、再び、管理方法推定ステップで管理方法を推定する。そして、再度推定された管理方法を、管理方法指定ステップで、新たな管理方法として決定する。
【0059】
なお、上記したように、管理方法推定ステップによる再度の推定処理と、管理方法指定ステップによる管理方法の指定処理との間に、推定過程提示ステップによる再度の推定過程の提示処理をしてもよい。
【0060】
また、管理方法指定ステップにおける変更と、管理方法推定ステップによる推定と、推定過程提示ステップによる再度の推定過程の提示と、の一連の処理を、ユーザが納得するまで何度でも繰り返してもよい。
【0061】
本発明の方法を使わず、管理方法指定ステップで単に新たな管理方法を直接指定するだけだと、なぜ推定した管理方法と、ユーザが望む(ユーザが指定する)管理方法とが食い違ったのかの原因が分かりにくい。
【0062】
これに対して、本発明のデータ管理決定方法を使うことで、ユーザが望む管理方法となるように、推定方法やパラメータの変更をユーザが指定することができるので、それ以降に、データ管理決定装置がデータの新たな管理方法を推定する場合に、推定精度を上げることができるという効果が出てくる。
【0063】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、提示される情報の時間経過による変化をも提示することを特徴とする。
【0064】
上記の構成において、「推定に使われる情報を時間経過による変化と共に提示」する方法としては、例えば、グラフや表などの形式でユーザに提示する方法が考えられる。
【0065】
そこで、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、推定に使われる情報に関して、過去の分の情報も得て、グラフや表などの形式にして、時間経過による変化と共に提示する。特定のデータに関する過去の分の情報は、当該データの最新のデータとは別途記録してあるとする。
【0066】
時間経過による変化と共に提示するような情報としては、例えば、データのアクセス数、データの参照数、データサイズ、そのデータのカテゴリのアクセス数などが考えられる。
【0067】
例えば、データのアクセス数の時間経過による変化をグラフなどで提示したとする。この場合、アクセス数の増減は、そのデータがその時によく使われているかどうかを表していると考えられる。したがって、よく使われているデータは重要なデータであると言えるので、消去などせず、保存しておくべきデータであろう、とユーザが判断する際の参考にすることができるという効果が出てくる。
【0068】
また、例えば、どういうデータであるかユーザがよく覚えていなかったとしても、そのデータが過去のいつ頃によく使われていたかが分かれば、その当時の仕事や生活に関連するデータであることが分かり、そのデータがどういうデータであるかを思い出し易くなるという効果もある。
【0069】
また、データの参照数の時間経過に伴う増減を提示したとすると、データの参照数の増減は、そのデータが他のデータからどのくらい必要とされているか/関連しているかを表していると考えられる。たとえあるデータに対して直接的なアクセスが少なかったとしても、参照されているということは、他のデータと何らかの関連があると言える。このため、単にアクセス数が提示されるだけでは、すぐには分からないデータの別の側面の重要性などをユーザは知ることができるから、管理方法指定ステップにおいて誤った判断がなされることを防止することができるという効果が出てくる。
【0070】
このように、推定に使われる情報をその情報の時間経過による変化と共に提示することで、そのデータの管理方法をユーザが判断する際の参考になるという効果などが出てくる。
【0071】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、前記管理方法推定ステップにおいて新たな管理方法を推定する前記データの少なくとも一部の出力形態を提示することを特徴とする。
【0072】
上記の構成において、「前記データの少なくとも一部の出力形態」とは、例えば、管理方法が推定されるデータを画面などに表示する時の表示形態である。すなわち、基本的には、その表示形態をユーザが見ることにより、どういうデータであるかを識別するための補助となりうる情報として用いることができる、データ出力の形態のことをいう。
【0073】
例えば、管理方法が推定されるデータが画像や図であったら、そのデータの少なくとも一部の出力形態とは、その画像や図の少なくとも一部が出力された形態である。このような画像や図を表示する表示範囲が、データの大きさに比して小さい場合は、画像や図を縮小して表示したりすることとしてもよい。また、前記データがテキストを含むデータであれば、データの少なくとも一部の出力形態としては、それらのテキストデータ全体や、テキストデータの先頭部分、あるいはテキストデータの要約などを出力する形態が考えられる。
【0074】
前記データが音声など、画面に表示することによっては確認しにくいデータは、例えば音声再生ボタンをクリックすることにより音声データの全部または一部が再生されるような出力形態としてもよい。
【0075】
このように、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、推定過程提示ステップにおいて、前記データの少なくとも一部の出力形態を求めて、すなわち管理方法が推定されるデータ出力形態に応じて、その少なくと一部をユーザに提示する。
【0076】
出力形態を求めるには、例えば、前記データが画像や図であったらその画像や図の少なくとも一部を提示すればよい。表示手段の表示範囲が小さい場合は、表示範囲に合わせて、画像や図の大きさを縮小したりすることもできる。また、前記データがテキストを含むデータであれば、それらのテキストデータ全体や、テキストデータの先頭部分を抜き出したり、あるいはテキストデータの要約を作成したりして、これらをユーザに提示すればよい。
【0077】
これによって、管理方法が推定される前記データがどういう内容であるかをユーザがすぐに知ることができるという効果が出てくる。それによって、新たな管理方法を指定する際の、ユーザの手間や時間を減らすことができる。
【0078】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法推定ステップは、各データの新たな管理方法を推定するとともに、推定された管理方法の確信度を求めるものであり、前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の一部として、管理方法推定ステップおいて求められた確信度を提示することを特徴とする。
【0079】
このように、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、前記管理方法推定ステップにおいて、推定される管理方法の確信度を求める。例えば、前記管理方法推定ステップが、データの重要度を求めて、その重要度と閾値とを比較することで管理方法を推定する方法ならば、推定される管理方法の閾値の上限と下限との間に重要度の値が挟まれているはずである。しかしながら、挟まれている重要度の値が、閾値の上限あるいは下限に近ければ近いほど、重要度のほんのちょっとの変化で推定結果である管理方法が変わってしまうことになる。
【0080】
そこで、閾値に挟まれている重要度の値と、閾値の上限と下限のとの離れ具合を確信度として求める。
【0081】
そして、このようにして得られた確信度を、前記推定過程提示ステップで提示する。提示する確信度は、パーセントなどの数字で表しても良いし、色の違いや文字などのインターフェースの表示の仕方の変化で提示してもよい。
【0082】
このように、確信度をユーザに提示することで、管理方法推定ステップにおいて推定された管理方法の推定精度がどの程度かについてユーザは把握することができる。したがって、提示された確信度が低い場合は、推定が間違っている可能性も高い、すなわち、他により適切なデータの管理方法が存在する可能性が高いと思われる。そこで、提示された確信度が低い場合は、当該提示に基づいて、推定される管理方法がユーザの意向に沿っているかどうかを詳しくチェックすればよい。
【0083】
一方、提示された確信度が高い場合は、推定が合っているすなわち適切なものである可能性が高いと思われる。このため、ユーザは、当該確信度の提示に基づいて、推定された管理方法がユーザの意向に沿っているかどうかをそれほど詳しくチェックせず、了承することができる。
【0084】
このように、管理方法推定ステップにおいて得られた確信度提示することで、当該提示に基づいて、推定された管理方法をどのぐらい注意して判断したらが良いかをユーザが知ることができる。これにより、ユーザ時間を有効に使い効率的な処理を行うことができるという効果が出てくる。
【0085】
また、推定結果が間違っているかもしれないものには注意を傾けて判断することができるので、ユーザの意向に沿わない管理方法が推定されているのをそのまま了承してしまうミスを、より確実に防ぐことができるという効果も出てくる。
【0086】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法指定ステップは、前記推定された管理方法の確信度に基づいて、当該推定された管理方法提示形態を変化させることを特徴とする。
【0087】
前記説明したように、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、まず、管理方法推定ステップにおいて推定された管理方法がユーザの意に沿ったものであるか否かについての確信度を推定過程提示ステップにおいて得ることができる。
【0088】
そこで、得られた確信度が高いほど、推定された管理方法を指定しやすくするようなインターフェースなどにする。すなわち、前記確信度が高い程、推定された管理方法の提示形態を、ユーザが容易に指定することが可能な形態とする。推定された管理方法を指定しやすくするようなインターフェースの例としては、例えば、推定された管理方法をユーザの指定管理方法として了承する「OK」ボタンの大きさを、大きくしたり目立つような表示にしたりする方法がある。例えば、「OK」ボタンを大きくすれば、間違って、別のボタンを押してしまう間違いを減らすことができる。
【0089】
これにより、確信度が高いほど、推定される管理方法をユーザの指定管理方法として了承しやすくなり、了承処理の際のミスを減らすことができるという効果が出てくる。
【0090】
また、逆に、推定された管理方法が、管理方法としてユーザが指定する際の提示形態が、どのくらい指定しやすくなっているかを見れば、ユーザは、その推定された管理方法の確信度が直感的に分かるという効果も出てくる。
【0091】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法推定ステップにおいて、データ管理決定装置が、過去に前記管理方法指定ステップでユーザにより指定された管理方法に基づいて、推定に使われる情報および/または推定方法を変更することを特徴とする。
【0092】
上記の構成において、「過去に前記管理方法指定ステップでユーザにより指定された管理方法」は、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
【0093】
そこで、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、管理方法指定ステップでのユーザによる指定がなされた後においては、データ管理決定装置は、管理方法推定ステップにおいて、まず、過去に管理方法指定ステップでユーザが指定した管理方法を得る。このユーザにより指定された管理方法は、管理方法指定ステップなどにおいて記録媒体などに別途記録してあるとする。
【0094】
次に、管理方法推定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報や推定方法を、ある情報や推定方法に変更してみて、管理方法推定する。そして、このようにして推定された管理方法と、過去に管理方法指定ステップでユーザが指定した管理方法とが一致する数(一致度)を求める。そして、管理方法推定ステップにおいて、管理方法を推定するために使われる情報や推定方法を、色々な情報や推定方法に変更してみて、上記の処理を繰り返す。
【0095】
全ての情報や推定方法に変更し、それぞれを用いて管理方法を推定して終えたら、これら全ての情報や推定方法の中で、過去に管理方法指定ステップでユーザにより指定された回数が最も多い管理方法と一致する管理方法の推定に用いられたものを求める。ここでは、管理方法指定ステップにおいて、ユーザにより指定された回数が最大である管理方法と一致する数が最も大きくなる情報や推定方法を求めればよい。
【0096】
このようにして、過去に指定された回数が最も多い管理方法と一致する管理方法を得ることができる情報や推定方法が求まったら、管理方法推定ステップで、推定に使われる情報や推定方法を、この求められた一致度の最も大きい情報や推定方法に変更する。
【0097】
なお、管理方法推定ステップにおいて用いられる、全ての情報や推定方法をしらみつぶしに調べるのではなく、これらをどのように変更すればより一致度が高くなるかを求めることができるのならば、全ての情報や推定方法を調べず、より一致度が高くなるものだけを調べるようにしてもよい。
【0098】
このように、過去に管理方法指定ステップでユーザにより指定された管理方法とより一致するように推定に使われる情報や推定方法を変更すること、すなわち、過去にユーザにより指定された管理方法の回数を、管理方法の推定に使われる情報や推定方法をフィードバックすることにより、管理方法推定ステップにおいて推定される管理方法の推定精度を高めることができるという効果が出てくる。
【0099】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法推定ステップは、管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法をデータ毎に設定可能でであり、第1のデータに関する管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を変更することを特徴としている。
【0100】
上記構成により、第1のデータの管理方法に用いられた情報および/または推定方法の変更結果を、別のデータである第2のデータの管理方法を推定するために用いることができる。すなわち、本発明に係る上記データ管理決定方法によれば、あるデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法が変更される際、何らかの関係がある他のデータに関して、そのデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を、あるデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法についての変更結果を使って、変更することができる。
【0101】
ここで、変更結果に基づいて変更する、すなわち変更結果を使って変更するとは、第1のデータと第2のデータとで、管理方法を推定する際に使われる情報および/または推定方法を必ずしもまったく同じにするということではなく、これらのうちの一部だけ同じにしたり、近い値にしたり、という場合も含む。
【0102】
また、何らかの関係があるデータとは、例えば、同じカテゴリのデータであるとか、同じ種類のデータであるとか、参照関係があるデータなどである。例えば、管理方法を推定するデータがメールデータである場合に、あるプロジェクトに関係する複数のメールデータの内、第1のデータとしての一つのメールデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法をユーザが指定した場合、第2のデータとしての同じプロジェクトに関係する他のメールも同じ管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法にしたりする。
【0103】
これにより、あるデータの管理方法の推定方法についての変更を、他のデータの管理方法を推定するためにフィードバックすることができる。したがって、全てのデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を指定する必要がなくなる。このため、関連するデータの内の一部のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を指定するだけで済むので、ユーザの手間を減らすことができるという効果が出てくる。
【0104】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法推定ステップは、前記データ管理決定装置が前記第1のデータと第2のデータとの関連度を計算し、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を、前記第1のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて変更する際に、計算された関連度により補正することを特徴としている。
【0105】
上記の構成により、あるデータのデータ管理方法の推定において、当該データと関連性の大きいデータに関する情報および/または推定方法の変更の影響を大きくすることができる。
【0106】
ここで、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、前記管理方法推定ステップにおいて、まず、第1のデータと第2のデータとの関連度を求める。データ間の関連度の求め方は色々ありえるが、例えば、カテゴリが一緒かどうか、過去に相互に参照されたことがあるかどうか、などにより求められる。
【0107】
前記管理方法推定ステップにおいて、自動的に求められた関連度が強い程、前記第1のデータの管理方法における情報および/または推定方法の変更による影響を強く受けるように、情報および/または推定方法を変更する。例えば、データの管理方法の推定においてパラメータを使う場合は、第1のデータと第2のデータとの関連度の大きさに比例して、推定に用いられるパラメータが近い値になるようにする。
【0108】
例えは、完全に同一のデータ間の関連度を1、全く関連のないデータ間の関連度を0とすると、上記パラメータに関連度を乗ずることにより、推定に用いられるパラメータの値を関連度の大きさに比例させることができる。
【0109】
ここで、第1のデータと第2のデータとの間の関連度が強いほど、これらデータは一緒に使用される確率が高いといえるため、管理方法も似た管理方法でよいといえる。このため、上記したように、第1のデータと第2のデータとの間の関連度が強い程、より近い情報および/または推定方法を採用することになり、第2のデータの管理方法の推定精度を高くすることができるという効果が出てくる。
【0110】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記管理方法推定ステップにおいて、データ管理決定装置が、新たな管理方法を推定するデータの重要度を自動的に計算し、当該計算されたデータの重要度が高いほど、データアクセスが速い管理方法を新たな管理方法として推定することを特徴とする。
【0111】
上記の構成において、データアクセス速度は、データに直接アクセスする場合の速度に限られるものではなく、例えば圧縮されたデータならデータを展開する時間、外部記録メディアに記録されているデータならば外部記録メディアをメディアリーダにセットする手間や時間なども含めて考えることとする。
【0112】
なお、「データの消去」は、アクセス速度が無限大に遅いものとする。
【0113】
そこで、本発明に係るデータ管理決定方法によれば、管理方法推定ステップにおいて、データアクセスが速い管理方法ほど、データ管理方法として推定されるための閾値が大きくなるように設定しておく。そして、前記データ管理決定装置により求められたデータの重要度と、データの各管理方法の閾値とを比較して、この比較結果に基づいて管理方法を推定する。これにより、データの重要度が高いほど、データアクセスが速い管理方法を新しい管理方法として推定することができる。
【0114】
ここで、重要度が高いデータは、ユーザに頻繁にアクセスされる確率が高いデータ、あるいは利用するまでに時間がかかると不便なデータである確率が高いと思われる。従って、重要度が高いデータほど、そのデータの管理方法として、データアクセス速度が速い管理方法を新しい管理方法として推定することで、よく使われるデータや敏速性が求められるデータへのアクセスを高速で行い、データ管理をすることができるようになるから、ユーザの利便性が増すという効果が出てくる。
【0115】
本発明に係るデータ管理決定方法は、上記の課題を解決するために、前記データの管理方法の情報には、当該管理方法の更新に関する更新条件が含まれており、前記更新条件が満たされた場合に、データ管理決定装置は、前記管理方法推定ステップにより自動的に新たなデータの管理方法を推定することを特徴とする。
【0116】
上記の構成において、自動的に推定される「新たな管理方法」には、更新する新たな条件の情報をも含まれる。
【0117】
本発明に係るデータ管理決定方法によれば、データの管理方法の情報に管理方法を更新する条件、すなわち更新条件に関する情報を含めて記録しておく。
【0118】
そして、更新条件の充足の有無、換言すれば更新条件が成立するかどうかを、適当なタイミングでチェックする。例えば、データ内容を更新した時や、あるいは1日に1回などと定期的なタイミングでチェックする。
【0119】
もし更新条件が成立するならば、前記データ管理決定装置により自動的に管理方法推定ステップによって、新たな管理方法が推定される。この新たな管理方法の推定の際には、当該新たな管理方法を更新するための新たな更新条件も含んで推定される。なお、新たな更新条件の推定は、管理方法の推定方法と同様の手法で行われる。
【0120】
推定される管理方法や推定の過程の情報を推定過程提示ステップでユーザに提示し、管理方法指定ステップによって、ユーザは新たな管理方法(新たな更新条件をも含む)を指定する。
【0121】
同様にして、新たな更新条件も、管理方法推定ステップにおいて各データの新たな管理方法と同様の手法で推定されて、推定過程提示ステップにおいてこの管理方法推定ステップでの推定の過程の少なくとも一部をユーザに提示し、管理方法指定ステップにおいてユーザが新たな管理方法を指定することにより更新される。なお、管理方法推定ステップ、推定過程提示ステップおよび管理方法指定ステップは、それぞれ、更新条件推定ステップ、更新条件推定過程提示ステップおよび更新条件指定ステップでもあるといえる。
【0122】
このように、データの管理方法の更新条件を定めておくことで、管理方法を更新するタイミングを自由に設定することができるようになり、管理方法の柔軟性が高まるという効果が出てくる。例えば、更新条件として有効期限を設定しておけば、有効期限までの間、データが削除されないことを保障するデータ管理ができることになる。これは単に記録先を決めるだけの管理方法よりは、柔軟な管理方法であるといえる。
【0123】
一方、例えば、更新条件を定めておくことなしに、管理方法の更新をユーザの指定によるタイミングでやる場合、更新すべきタイミングを考える手間が増えたり、適切なタイミングを逃してしまったり、更新を忘れてしまったりという問題がある。これに対し、本発明のデータ管理方法は、管理方法の更新条件を、当該管理方法と関連して予め定めておくことで、これらの問題を解決することができる。そして、データの管理方法を半自動的かつ継続的に更新させることが可能となるという効果が出てくる。
【0124】
また、管理方法推定ステップにおいてデータの管理方法の更新条件も推定することで、ユーザが更新条件を指定する際の参考になるという効果が出てくる。
【0125】
本発明に係るデータ管理決定装置は、上記の課題を解決するために、各データの管理方法を決定するデータ管理決定装置であって、各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定手段と、管理方法推定手段での推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示手段と、前記推定過程提示手段による情報の提示を行いながら、あるいは提示後に、ユーザの指示に応じて新たな管理方法を決定する管理方法指定手段と、を有することを特徴とする。
【0126】
上記の構成により、上記説明した本発明のデータ管理方法と同様の効果が出てくる。
【0127】
本発明に係るデータ管理決定装置によれば、まず、何らかのタイミングでデータの管理方法を決定する必要が発生する。このタイミングは、既に説明したタイミングと同じでよい。
【0128】
そして、管理方法を決定すべきデータに対して、新たな管理方法を管理方法推定手段で推定する。推定には、例えば、推定に使われるデータ、推定方法、推定で使われるパラメータや閾値、推定処理途中で使われる情報、などが使われる。推定方法、推定で使われるパラメータや閾値などは、所定の値や方法が使われる。所定の値や方法は、データ自身が保持していたり、あるいはデータ外部で保持されていたりしていて、そこから得られる。
【0129】
これら推定の過程で使われる情報や、推定された管理方法などの情報の少なくとも一部を、推定過程提示手段でユーザに提示する。提示は通常、ディスプレイなどを通じて提示される。
【0130】
そして、推定過程提示手段で提示された情報をユーザが見て、ボタンやマウスなど何らかのインターフェースを通じて、管理方法指定手段で、ユーザが新たな管理方法を指定する。これによる種々の効果は、前述したとおりである。
【0131】
本発明に係るデータ管理決定プログラムは、上記の課題を解決するために、上記データ管理決定が備える各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。これによる種々の作用効果は、前述したとおりである。
【0132】
本発明に係るデータ管理決定プログラムは、上記の課題を解決するために、上記データ管理決定装置が備える各手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0133】
これによる種々の作用効果は、前述したとおりである。
【0134】
本発明に係る記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記データ管理決定プログラムを記録したものであることを特徴とする。
【0135】
これにより、上記記録媒体、またはネットワークを介して、一般的なコンピュータにデータ管理決定プログラムをインストールすることによって、該コンピュータを用いて上記のデータ管理決定方法を実現する、言い換えれば、該コンピュータをデータ管理決定装置として機能させることができる。
【0136】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0137】
まず、言葉の定義について説明しておく。
【0138】
「管理方法」は、データを管理する方法に関するあらゆるものを指す。例えば、データの記録先などである。記録先としては、例えば、主記憶手段、外部記憶手段、ネットワークにより接続された先の記憶手段などがある。
【0139】
同じ外部記憶手段でも、アクセス速度や容量、信頼度などの違いで、複数の記録先に分かれる場合もある。例えば、HDD(hard disk drive)に記録する場合とテープドライブを使ってテープメディアに記録するのでは、アクセス速度などが違う。
【0140】
また、データの削除も管理方法の一つである。他にも、データ自体を可逆圧縮や不可逆圧縮したりする管理方法もある。不可逆圧縮の例としては、画像をJPEG(joint picture engineering group)形式で不可逆圧縮したり、画像サイズを縮小したり、テキスト情報などであれば要約したりといった場合がある。
【0141】
また、管理方法には、管理方法の更新条件の情報などが含まれる場合もある。
更新条件が真となる場合に、管理方法が更新される。更新条件としては、例えば、有効期限がある。データの有効期限が切れたら、コンピュータなどにより実現されるデータ管理決定装置により、自動的に所定の処理を行ったりする。所定の処理としては、例えば、データを別の記録先に移動したり、削除したり、ディスプレイ等により実現される推定過程提示手段に、当該データの有効期限が切れたデータに関する情報を提示することにより、ユーザに処理の仕方を尋ねたりすることなどがある。
【0142】
更新条件の例としては、他にも、他のデータの更新に同調することや、他のデータからの参照数や、そのデータの過去の履歴数、などがある。
【0143】
なお、これらの管理方法の情報は、データの一部としてデータ自身が保持していても良いし、データとは別に保持していてもよい。なお、データとは別に保持される場合には管理方法の情報とデータとを関連付けることとする。この関連付けは、例えば、両者の関連付けのための情報を管理方法の情報とデータとの少なくとも一方に記録することにより行う。
【0144】
「提示される推定の過程」には、例えば、推定に使われるデータの情報、推定処理途中で使われる情報、推定方法、推定で使われるパラメータ、推定される管理方法などの情報が含まれる。
【0145】
ユーザに対する推定過程の一部の提示の仕方は、例えば、文字列や数値で表示すること、グラフ、図で表示することなど様々な方法がある。
【0146】
ユーザによる「新たな管理方法の指定」は、一般に何らかのインターフェースを使って、指定される。インターフェースは、物理的な実体を持ったボタンなどの場合もあるし、画面上の仮想的なボタン表示や、音声や画像を認識処理することで行われる場合もある。この指定に応じて、データ管理決定装置は、各データの新たな管理方法を決定する。
【0147】
推定過程提示ステップによる提示処理と、管理方法指定ステップによる指定処理とは、同時に処理する場合も、提示処理後に指定処理する場合もある。つまり提示しながらユーザが指定する場合すなわちユーザに対する推定の過程に関する情報の提示の最中にユーザが管理方法を指定する場合と、提示後にユーザが指定する場合とがある。
【0148】
また、推定過程提示ステップによる提示処理を行う推定過程提示手段と、管理方法指定ステップによる指定処理を行う管理方法指定手段とは、同じインターフェースを利用する場合もあるし、別々の場合もある。
【0149】
また、これらの管理方法に関する情報は、データ毎に異なっていてもよいし、複数のデータや全てのデータで同じでもよい。
【0150】
「推定に使われる情報および/または推定方法をユーザが変更すること」には、例えば、推定に使われる情報をユーザが取捨選択したり、推定で使われるパラメータなどを変更したり、推定で使われる計算式や手順を変更したり、などの処理がある。
【0151】
なお、「推定に使われる情報」や「推定方法」には、更新条件を含む場合もある。
【0152】
なお、管理方法推定ステップによる再度の推定処理と、管理方法指定ステップによる管理方法の指定処理の間に、推定過程提示ステップによる再度の推定過程の提示処理をしてもよい。
【0153】
また、管理方法指定ステップにおけるユーザの指定に基づいた管理方法の変更と、管理方法推定ステップおけるによる管理方法の推定と、推定過程提示ステップによるユーザへの再度の推定過程の提示と、の一連の処理を、ユーザが納得するまで何度でも繰り返してもよい。この場合、管理方法指定ステップにおいて、ユーザが再度の推定過程の提示を指定できるように、ユーザの選択肢中に再提示を含むことや、ユーザによる指定が一定時間以内になされなかった場合には、自動的に再度管理方法推定ステップに移行することとしてもよい。また、上記一連の処理が繰り返しなされる場合には、推定過程の一部として、以前ユーザに提示されたものとは異なる情報を提示することが好ましい。
【0154】
「推定に使われる情報をその情報の時間経過による変化と共に提示」する方法としては、例えば、グラフや表などの形式が考えられる。
【0155】
「データの少なくとも一部の出力形態」とは、例えば、そのデータを画面などに表示する時の表示形態である。基本的には、その表示形態をユーザが見て、どういうデータであるかを識別する補助となりうる情報である。
【0156】
例えば、管理方法を決定するデータが画像や図であったら、そのデータの少なくとも一部の出力形態とは、その画像や図である。データとして記録されている画像や図に対してディスプレイの画面等の表示範囲が小さい場合は、画像や図を縮小して表示したりする。管理方法を決定するデータが、テキストを含むデータであれば、そのデータの少なくとも一部の出力形態としては、それらのテキストデータ全体や、テキストデータの先頭部分、あるいはテキストデータの要約などが考えられる。
【0157】
管理方法を決定するデータが、音声など、画面に表示しにくいデータは、例えば画面に音声再生ボタンを表示し、この音声再生ボタンをクリックすることで音声データが再生されて音声出力手段から出力されるような出力形態でもよい。
【0158】
「過去に管理方法指定ステップでユーザが指定した管理方法」は、1つの場合もあるし、複数の場合もある。
【0159】
データアクセス速度は、直接アクセスする速度すなわちデータに直接アクセスするために要する時間だけでなく、例えば圧縮されたデータならデータを展開する時間、外部記録メディアに記録されているデータならば外部記録メディアをメディアリーダにセットする手間や時間なども含めて考えるとする。
【0160】
なお、本実施の形態においては、「データの消去」は、アクセス速度が無限大に遅いとする。
【0161】
本実施の形態のデータ管理方法により「決定される新たな管理方法」には、更新する新たな条件の情報も含まれる。
【0162】
なお、以降では、一般的意味合いの「データ」と区別する為、管理方法が対象とするデータを「管理データ」と呼ぶことにする。
【0163】
図2は、本発明の実施の一形態に係るデータ管理決定方法を実施するデータ管理決定装置の機能的な構成の概略を示すブロック図である。
【0164】
すなわち、本実施の形態のデータ管理決定装置の要部を、管理データ/管理方法取得手段1、管理方法推定手段2、推定過程提示手段3、管理方法指定手段4、管理方法設定手段(管理方法指定手段)5の主要な機能ブロックに展開して示すことができる。
【0165】
図3は、図2の番号1〜5を用いて示した各手段を具体的に実現する装置の構成例である。
【0166】
CPU(central processing unit)70は、管理方法推定手段2、推定過程提示手段3、管理方法指定手段4として機能し、これら各手段2〜4の処理手順が記述されたプログラムを主記憶74、外部記憶75、通信デバイス77を介したネットワーク先などから得る。
なお、管理データ/管理方法取得手段1、管理方法設定手段5についても、データや管理方法の取得、設定の各種処理に対する内部制御などの為にCPU70を使っている場合もある。
【0167】
また、CPU70は、CPU70を含めてバス79を通じ相互に接続されたディスプレイ71、キーボード72、タブレット73、主記憶74、外部記憶75、マウス76、通信デバイス77、ボタン78、スピーカ80とデータのやりとりを行いながら、処理を行う。
【0168】
なお、データのやりとりは、バス79を介して行う以外にも、図示しない通信ケーブルや無線通信装置などのような、データを送受信できるものを介して行ってもよい。また、各手段1〜5の実現手段としては、CPUに限らず、DSP(digital signal processor)や処理手順が回路として組み込まれているロジック回路などを用いることもできる。
【0169】
ディスプレイ71は、通常はグラフィックカードなどと組み合わされて実現されるものであり、このグラフィックカード上に有するVRAM(video random access memory)上のデータを表示信号に変換して、表示信号を画像として表示する。すなわち、VRAM上のデータは、モニターなどにより実現されるディスプレイ(表示/出力媒体)71に送られて、この送られたデータがディスプレイに表示される。
【0170】
ユーザの指示を入力する手段として、キーボード72、タブレット73、マウス76、ボタン78などがあり、ユーザの指示はバス79を介して、各手段1〜5(図2参照)に入力される。この他にも各種操作機器、マイクによる音声入力など、様々な入力手段が使用可能である。キーボード72は、押下されたキーを検出するメカニカルもしくは電子的なスイッチなどからなる。タブレット73は、ペンとペン位置を検出する検出機器とからなる。マウス76は、マウスボタンの押下状態を検出するメカニカルもしくは電子的なスイッチなどと、マウスの縦と横の相対移動距離を検出するメカニカルもしくは電子的なセンサからなる。ボタン78は、メカニカルもしくは電子的なスイッチなどからなる。
【0171】
主記憶74は、通常はDRAM(dynamic random access memory)やフラッシュメモリなどのメモリデバイスで構成される。なお、CPU内部に含まれるメモリやレジスタなども一種の主記憶として解釈してもよい。
【0172】
外部記憶75は、HDD(hard disk drive)やPC(personal computer) カードなどの装脱着可能な記憶手段である。あるいはCPU70とネットワークを介して有線または無線で接続された他のネットワーク機器に取り付けられた主記憶や外部記憶を外部記憶75として用いることもできる。
【0173】
通信デバイス77は、ネットワークインターフェースカードなどにより実現され、無線や有線などにより接続された他のネットワーク機器とデータをやりとりする。
【0174】
スピーカ80は、バス79などを介して送られて来る音声データを音声信号として解釈し、音声として出力する。出力される音声は、単波長の単純な音の場合もあるし、音楽や人間の音声など複雑な場合もある。出力する音声が予め決まっている場合、送られて来るデータは音声信号ではなく、単なるオン、オフの動作制御信号だけという場合もある。
【0175】
次に、図2の各手段1〜5を各手段間のデータ授受の観点から説明する。
【0176】
なお、各手段1〜5間でのデータのやりとりは、特に注釈なく「**手段から得る」、「**手段へ送る(渡す)」という表現をしている時は、主にバス79(図3参照)を介してデータをやりとりしているとする。その際、直接各手段1〜5間でデータのやりとりをする場合もあれば、主記憶74や外部記憶75、通信デバイス77を介したネットワークなどを間に挟んでデータをやりとりする場合もある。
管理データ/管理方法取得手段1は、主に主記憶74および/または外部記憶75からなり、管理方法推定手段2や推定過程提示手段3などからの読み込み要求に応じて、管理データや管理データの管理方法の情報などを主記憶74や外部記憶75などから読み取り、管理方法推定手段2や推定過程提示手段3などに渡す。また、主記憶74、外部記憶75に限らず、通信デバイス77を介したネットワーク先の機器などから、読み込む場合もある。
なお、管理データ/管理方法取得手段1は、要求の解釈や、管理データや管理方法の情報の取得に対する内部制御などの為にCPU70などを使っている場合もある。たとえば、データ読み書きなどの処理にデータベースを利用している場合、データベースを制御するアプリケーションなどでCPU70が使われる。
管理方法設定手段5は、主に主記憶74および/または外部記憶75からなり、管理方法指定手段4からの書き込み要求に応じて、管理方法指定手段4から得られる管理データや管理データの管理方法の情報などを主記憶74や外部記憶75などに書き込む。また、主記憶74、外部記憶75に限らず、通信デバイス77を介したネットワーク先の機器などへ、管理データや管理データの管理方法の情報などを書き込む場合もある。
なお、管理方法設定手段5は、要求の解釈や、管理データや管理方法の情報の取得に対する内部制御などの為にCPU70などを使っている場合もある。たとえば、データ読み書きなどの処理にデータベースを利用している場合、データベースを制御するアプリケーションなどでCPU70が使われる。
通常、管理データ/管理方法取得手段1と管理方法設定手段5とでは、管理データなどの所在や管理手段は同じになる。たとえば、これは同じデータベースを利用するということである。
【0177】
管理方法推定手段2としてのCPU70は、主記憶74、外部記憶75、通信デバイス77を介したネットワーク先などから読み取られるプログラムに基づき、管理データ/管理方法取得手段1から得られる管理データや管理データの管理方法の情報などから、新たな管理方法を推定し、推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報を、推定過程提示手段3、管理方法指定手段4に送る。
【0178】
また、推定過程提示手段3や管理方法指定手段4から得られるユーザの指定/修正情報から、再度、新たな管理方法を推定し、推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報を、推定過程提示手段3、管理方法指定手段4に送ることもある。
【0179】
なお、推定方法や推定に使われるパラメータなどは、各管理データに共通の所定の方法やパラメータである場合もあるし、管理データ毎に設定されている方法やパラメータである場合もある。推定方法や推定に使われるパラメータは、管理データ毎に設定されている場合には、管理データとして記録されているものを読み込んだり、主記憶74や外部記憶75上などに管理データと対応付けられてファイルなどとして記録されているものから読み込んだりする。管理データ毎のパラメータなどの設定は、管理方法指定手段4(図2参照)でユーザによる指定/修正によって直接あるいは間接的に設定されるとする。
【0180】
推定過程提示手段3としてのCPU70は、主記憶74、外部記憶75、通信デバイス77を介したネットワーク先などから読み取られるプログラムに基づき、管理データ/管理方法取得手段1から得られる管理データや管理データの管理方法の情報と、管理方法推定手段2から得られる推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報とを、ユーザに提示する。提示は、通常、ディスプレイ71に行われるが、スピーカ80などその他の出力デバイスを利用/併用してもよい。
【0181】
また、管理方法指定手段4から得られるユーザの指定/修正情報が、提示された情報を修正する形で指定される場合などは、ユーザの指定/修正情報を管理方法推定手段2に送る。なお、ユーザの指定/修正情報は、推定過程提示手段3を経由せず、管理方法指定手段4から直接管理方法推定手段2に送られる場合もある。
【0182】
送られたユーザの指定/修正情報は、管理方法推定手段2で、管理方法の新たな推定に使われ、推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報を、管理方法推定手段2から得て、推定過程提示手段3で推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報が新たに提示される。
【0183】
管理方法指定手段4としてのCPU70は、主記憶74、外部記憶75、通信デバイス77を介したネットワーク先などから読み取られるプログラムに基づき、入力手段などを使って、管理方法あるいは推定方法などの指定/修正をユーザから得て、得られる指定/修正の情報を管理方法推定手段2、管理方法設定手段5に送る。入力手段としては、キーボード72、タブレット73、マウス76、ボタン78などがある。
【0184】
推定過程提示手段3で提示される内容を、ユーザが変更することにより、指定/修正する場合もある。この場合、ユーザは推定過程提示手段3との間で必要な情報のやりとりを行う。この時、ユーザから見ると、推定過程提示手段3と管理方法指定手段4は一体となった手段として見える場合がある。
【0185】
管理方法指定手段4で推定方法などが修正される場合、管理方法推定手段2で再度、新たな管理方法が推定され、推定過程提示手段3で提示される。提示される情報を見て、再度、管理方法指定手段4で指定/修正を行う。この繰り返しを、管理方法指定手段4で管理方法が指定されるまで行うことになる。
【0186】
上記ユーザと推定過程提示手段3との間で必要な情報のやりとりによって、管理方法指定手段4で新たな管理方法が指定される場合(別の言い方で言えば、決定される場合)、指定された管理方法は、管理方法設定手段5に送られる。
【0187】
図4は、本発明に係るデータ管理決定装置の外観例を示している。本体85上に表示部兼タブレット81がある。
【0188】
表示部兼タブレット81は入出力装置(ディスプレイ71およびタブレット73等)および推定過程提示手段3、管理方法指定手段4に相当する。
【0189】
表示部兼タブレット81上には、図4のように、推定過程提示手段3で提示される情報や管理方法指定手段4で指定するユーザインターフェースなどが表示される。なお、各種設定などの操作手段として、タブレット73だけでなく、マウス76やキーボード72、ボタン78などがこの他にあってもよい。また、警告やエラーを通知する為などに、スピーカ80があってもよい。
【0190】
なお、データ管理決定装置は、専用装置とは限らず、他の目的も兼ねた汎用的な装置である場合がある。例えば、一般的なパーソナルコンピュータやサーバなどの上で、データ管理決定方法のプログラムが動く、などといった場合である。
【0191】
図5(a)は、管理データのデータ構造の一例を説明する説明図である。図5(a)の管理データは、管理データ本体10、管理データ属性11、管理方法12、更新条件13および推定方法14についてのデータからなる。ここでは説明の為、図5(a)のような順番と構造としているが、これは一例であり、この順番や構造などに限るものではない。また、管理データに、図5(a)の構造の一部のデータが含まれていなかったり、図5(a)中には無い別のデータが含まれていたり、することもある。
【0192】
管理データ本体10は、管理データが表現しようとしている内容のデータ、すなわちコンテンツデータである。コンテンツデータのデータ形式は目的により様々である。
【0193】
管理データ属性11は、管理データが本来もっている属性としての情報である。ここでいう「属性」とは、推測やユーザの意思により設定される情報などではなく、客観的事実としての情報が主となるという意味である。管理データ属性11の詳細は、後で説明する。
【0194】
管理方法12は、管理データの現在の管理方法の情報である。情報の内容や形態は様々考えられるが、最も簡単で基本的な情報として、管理方法の種類を示す数字などが考えられる。例えば、「データベースAで管理」、「データベースBで管理」、「データベースCで一時保管」、「メディアDで管理」、「メディアEで管理」などといった管理方法の種類にID番号を振り、その番号が記録されている場合などである。
【0195】
なお、管理方法12の情報は、単に管理方法の種類を示すだけならば、必須ではない。例えば、データベースAで管理されているデータは、データベースAにアクセスすれば得られるのは自明であるから、わざわざ示す必要はない。管理方法12の情報は、同じデータベースやメディア中に複数の管理方法が存在するような場合などに、有効である。
【0196】
例えば、「管理方法A」と「管理方法B」という管理方法の種類があり、どちらの種類の管理データも同じデータベース中に存在する場合がある。同じデータベース中であっても、データベースを検索/一覧する時に、管理方法の種類を指定して検索/一覧することで対象の管理データを絞ることができるので、複数種類の管理方法に対応する管理データが、同じデータベース中に存在していても問題無い。
【0197】
更新条件13は、管理データの管理方法を更新する条件の情報である。この条件をチェックし、条件が成立する場合、管理データの更新処理が開始される。更新条件13の詳細は、後で図6を使って説明する。更新条件13は、図5では管理データに含ませているが、管理データとは別に管理されていてもよい。
【0198】
推定方法14は、管理データの管理方法を更新する際、新たな管理方法や更新条件を推定する際の処理に使われる情報である。推定方法14の詳細は、後で図6を使って説明する。推定方法14も、更新条件13同様、管理データとは別に管理されていてもよい。また、推定方法を管理データ毎に指定せず、共通の推定方法を使う場合は、推定方法14は管理データに持たせる必要は無い。
【0199】
図5(b)は、管理データ属性11のデータ構造の一例を説明する説明図である。図5(b)の管理データ属性11は、管理データID20、生成日時21、最終変更日時22、最終アクセス日時23、参照数24、キーワード25、分野26、親管理データ27、関連管理データ28、履歴29からなる。管理データのデータ構造同様、管理データ属性のデータ構造は、この順番や構造などに限るものではなく、また、図5(b)の構造の一部のデータが含まれていなかったり、図5(b)中には無い別のデータが含まれていたりすることもある。
【0200】
管理データID20は、管理データ属性11を表す管理データを識別する為のIDであり、数字もしくは文字列で表現されることが多い。
【0201】
生成日時21は、管理データが生成された時間に関する情報である。数字もしくは文字列で表現されることが多い。例えば、2000年1月1日12時0分0秒を文字列で表現するならば、そのまま「2000年1月1日12時0分0秒」となり、あるいは日時表記の国際標準ISO 8061形式で表現するならば「2000−01−01T12:00:00」などとなる。あるいは、生成日時21をある時刻からの相対秒数の数字として表現する場合もある。
【0202】
最終変更日時22は、管理データが最後に変更された時間に関する情報である。形式は、生成日時21と同様でよい。
【0203】
最終アクセス日時23は、管理データが最後にアクセスされた時間に関する情報である。形式は、生成日時21と同様でよい。
【0204】
参照数24は、この管理データが他の管理データから参照された回数を表す数である。「参照」にも様々な意味/レベルがあり、例えば、参照先の管理データが存在しなくなると参照元の管理データをきちんと利用できないような場合もあるし、単に参考データ程度の参照という場合もある。どのような意味/レベルの参照で使うかはここでは問わない。すなわち、参照された回数としてカウントするレベルについては、ユーザが自由に決めればよい。
【0205】
どの管理データがどの管理データを参照するかについての指定はは、通常、データ管理決定装置(方法)を利用するユーザや処理プログラム/装置などにより与えられる。このような指示はユーザにより与えられる場合もあるし、管理データの種類や内容に基づいて自動的に管理データ間の参照関係が決まる場合もある。例えば、後で説明する親管理データ27の「親子関係」などから、参照関係を自動的に決めるという方法もある。参照関係の与え方については、本発明の主旨ではないので、その他の詳細な説明は省略する。
【0206】
参照関係については、管理データ本体10から、図示しないキーワード抽出装置や分野推定装置などにより、機械的に決められる場合もある。キーワード抽出装置や分野推定装置については、本発明の主旨ではないので、説明は省略する。
【0207】
なお、参照数を使う場合、本発明とは別に参照数を管理する処理が必要である。参照数の管理処理は本発明の主旨ではないので詳細は省略するが、基本的な処理としては、新たな参照関係を登録する際は、参照先の管理データの参照数を1増やし、既存の参照関係を削除する際は、参照先の管理データの参照数を1減らせばよい。
【0208】
なお、参照されている回数である参照数24ではなく、参照元の管理データの情報(例えば管理データIDなど)を記録することとしてもよい。また、参照数24や参照元/先の情報である参照関係については、管理データ自体で管理せず、別のデータとしてまとめて管理してもよい。
【0209】
キーワード25や分野26は、管理データ本体10に関するキーワードや分野の情報である。文字列あるいは予め決められたIDなどで表現されることが多い。1つの管理データの属性として、キーワード25や分野26に複数のキーワードや分野が記録される場合もある。各管理データのキーワード25や分野26は、通常、予め与えられる。ユーザが与える場合もあるし、管理データ本体10から図示しないキーワード抽出装置や分野推定装置などにより、キーワードを抽出、あるいは分野を推定することにより、機械的に決められる場合もある。キーワード抽出装置や分野推定装置については、本発明の主旨ではないので、説明は省略する。
【0210】
親管理データ27は、管理データの親に当たる管理データ(親管理データ)の情報(例えば親管理データの管理データIDなど)である。ある管理データ27に対する親管理データが複数存在する場合は、親管理データを複数記録できるようになっていてもよい。ここで言う「親」とは、他の1つ以上の管理データをまとめて管理するような立場のことである。親管理データに対して、まとめて管理される方の管理データを「子管理データ」と呼ぶことにする。また、親管理データと子管理データの関係を「親子関係」と呼ぶことにする。
【0211】
例えば、HTML(hyper text markup language)ファイル中で、画像ファイルを埋め込んで表示するように指定されている場合、HTMLファイルや画像ファイルを管理データとすると、画像ファイルが子管理データであり、HTMLファイルが親管理データであると解釈できる。どのような関係を親子関係とするかは、ここでは問わない。すなわち、管理データ間の親子関係については、ユーザが自由に決めればよい。
【0212】
親子関係は、通常、データ管理決定装置(方法)を利用するユーザや処理プログラム/装置などにより与えられる。ユーザが与える場合もあるし、管理データの種類や内容で自動的に参照関係が決まる場合もある。例えば、HTMLファイルの例ならば、HTMLファイルを解析すれば、HTMLファイル内で指定されている画像ファイルが子管理データであることは自動的に求められる。親子関係の与え方については、本発明の主旨ではないので、その他の詳細な説明は省略する。
【0213】
親子関係に関しても、参照数同様、本発明とは別に親子関係を管理する処理が必要である。親子関係の管理処理は本発明の主旨ではないので詳細は省略するが、基本的な処理としては、例えば、新たな親子関係を登録する際は、子管理データ管理データ属性11の親管理データ27に親管理データの管理データID20を追加し、既存の親子関係を削除する際は、子管理データの親管理データ27から親管理データの管理データID20を削除すればよい。
【0214】
関連管理データ28は、特定の管理データ(第1のデータ)と関連する他の管理データ(第2の管理データ)の情報(例えば管理データID20など)である。関連する他の管理データが複数存在する場合は、複数記録できるようになっていてもよい。「関連」(関連度)には様々な解釈がありえ、例えば、キーワードや分野が同じあるいは近いという場合もあるし、親データが同じという場合や、あるいは、ユーザの判断で関連があるとする場合もある。関連する管理データ同士の関係を「関連関係」と呼ぶことにする。
【0215】
関連関係の与え方に関しても、親子関係同様、通常、データ管理決定装置(方法)を利用するユーザや処理プログラム/装置などにより与えられる。関連関係の与え方については、本発明の主旨ではないので、詳細な説明は省略する。
【0216】
また、関連関係の管理に関しても、親子関係同様、本発明とは別に関連関係を管理する処理が必要である。関連関係の管理処理は本発明の主旨ではないので詳細は省略するが、基本的な処理は、親子関係の管理の処理と同様である。
【0217】
履歴29は、管理データの履歴を表す情報である。文字列や数字で表されることが多い。管理データID20に重複を許し、管理データID20と履歴29を合わせて、唯一のIDとすることに決めれば、履歴29を履歴情報として使用することができる。この場合、管理データID20は、管理データの時間を超えた同一性を表すことになり、履歴29が時間を表すことになる、と解釈することもできる。
【0218】
例えば、ある管理データID20をもつ管理データが存在し、履歴29の値が「1」だったとする。この管理データの内容を書き換える場合、同じ管理データID20で、履歴29の値が「2」となる管理データを生成し、登録する。これによって、同じ管理データID20で、時間的に管理データ本体の中身が異なる2つの管理データが存在することになる。
【0219】
管理データに対して履歴を残せるようにすると、いわゆるアンドゥ操作などができることになる。アンドゥ操作とは、誤って消去してしまったり、変更してしまったりしたデータを元に戻す操作のことである。
【0220】
なお、履歴の管理に関しても、親子関係同様、本発明とは別に履歴を管理する処理が必要である。履歴の管理処理は本発明の主旨ではないので詳細は省略する。
【0221】
履歴を使わない場合は、管理データID20に重複を許さず、管理データID20で、管理データが唯一決まるようにしておけばよい。
【0222】
図1は、本発明の実施の一形態に係るデータ管理決定方法の一例を示すフローチャート図である。
【0223】
まずステップS1(以下、「ステップS」を「S」と略記する。)で、管理データ/管理方法取得手段1(図2参照)が、管理方法を更新する管理データを取得し、連結点P10(以下、「連結点P」を「P」と略記する)を経て、S2へ処理が進む。S1において取得される管理データは、管理方法を更新する管理データでなく、新たに登録する管理データである場合もある。管理方法を更新する管理データを特定する方法については、後で図6(a)、図7などを使って説明する。
【0224】
S2では、管理方法推定手段2が、新しい管理方法を推定して、P20を経て、S3へ処理が進む。ここでの処理の詳細は、後で図9を使って説明する。
【0225】
S3では、推定過程提示手段3が、管理データ/管理方法取得手段1から得られる管理データの情報と、管理方法推定手段2から得られる推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報とを、ユーザに提示し、P30を経てS4へ処理が進む。提示の仕方については、後で具体例を示す図を使って説明する。
【0226】
S4では、管理方法指定手段4と管理方法推定手段2とが、ユーザによる指示に基づき、管理方法あるいは推定方法などの指定/修正を行い、最終的な管理方法を求めて、P40を経てS5へ処理が進む。ユーザの指示は、通常、推定過程提示手段3により推定過程の少なくとも一部が提示されるインターフェースを使って行われる。管理方法指定手段4のユーザによる指示を行う指示手段としては、キーボード72、タブレット73、マウス76、ボタン78(図3参照)などが考えられる。S5における推定方法の修正の仕方については、後で具体例を示す図を使って説明する。
【0227】
最終的な管理方法は、S4においてユーザによって直接指定されるものである場合もあるし、S5における推定方法の修正指示を通して、管理方法推定手段2で、再度、推定される管理方法を最終的な管理方法とする場合もある。
【0228】
S5では、管理方法推定手段2が、管理方法指定手段4から得られる指定/修正、および過去の指定/修正を使って、推定方法や更新条件などを修正して、P50を経てS6へ処理が進む。ここでの処理の詳細は、後で説明する。
【0229】
なお、推定方法の修正処理を行わない場合は、S5の処理を省いてもよい。
【0230】
S6では、管理方法設定手段5が、管理方法指定手段4あるいは管理方法推定手段2から得られる最終的な管理方法を、管理データに設定して、処理を終える。
【0231】
以上のS1からS6の処理で、ユーザの手間をできるだけ減らしながら、管理データに応じた適切なデータ管理方法を決めることができるようになる。
【0232】
図6(a)は、図5の更新条件13のデータ構造の一例を説明する説明図である。図6(a)の更新条件13は、条件式30、計算式31、34、重み32、35、パラメータ33、36などからなる。ここでは説明の為、図6(a)のような順番と構造としているが、この順番や構造などに限るものではない。また、更新条件13には、図6(a)の構造の一部のデータが含まれていなかったり、図6(a)中には無い別のデータが含まれていたりすることもある。
【0233】
更新条件13は、図1のS1で、管理方法を更新すべき管理データを特定する際などに使われる。
【0234】
条件式30は、更新条件を定める基本となる条件式である。
【0235】
図7は、条件式30のデータ構造の一例を説明する説明図である。図7の条件式30は、条件フラグ50、有効期限51、参照数52、更新に合わせる管理データ53、最大履歴数54、拡張条件55、更新後の予定管理方法56からなる。
【0236】
条件フラグ50は、どの個別条件を更新条件として使うかを示す。図7では、「AND」フラグ、「永久保存」フラグ、「有効期限」フラグ、「参照数」フラグ、「他の管理データの更新に合わせる」フラグ、「最大履歴数」フラグ、「拡張条件」フラグ、および「自動更新」フラグからなる。図7では、それぞれに1ビットを割り当て、フラグを有効にする時は「1」を、無効にする時は「0」にするとする。
【0237】
なお、以降の説明で「削除(管理方法が更新)」という表現をすることがあるが、これは、一般的には管理方法が更新されることを意味する。通常は、不要な管理データは、アクセスの遅い管理方法に移動させられたり、削除されたりすることが多いから、管理方法が更新されることの具体例として、削除という管理方法例で説明した方が利点が分かりやすいので、「削除(管理方法が更新)」という表現にしている。
【0238】
有効期限フラグは、現在時刻が有効期限51で指定されている日時を過ぎると、管理データの管理方法を更新する場合に有効にする。有効期限51は、図5(b)の生成日時などと同様の形式で記録すればよい。
【0239】
なお、有効期限51を指定することに関しては、あまり重要でない一時的な管理データなどは、有効期限51を設定することで、いずれ削除(管理方法が更新)されるので、自然と重要な管理データしか残らなくなるという利点がある。
【0240】
条件フラグ50の参照数フラグは、図5(b)の管理データの参照数24が、参照数52で指定される数以下となる時に、管理データの管理方法12を更新する場合に有効にする。例えば参照数52を0にして、参照数フラグを有効にすると、どこの管理データからも参照されなくなった時に、管理方法が更新されることになる。
【0241】
なお、参照数に52関しては、必要無くなった管理データなどは、他の管理データから参照されることも少なくなるので、参照数52を設定することで、いずれ削除(管理方法が更新)され、自然と必要な管理データしか残らなくなるという利点がある。
【0242】
条件フラグ50の他の管理データの更新に合わせるフラグは、更新に合わせる管理データ53で指定される他の管理データの管理方法が更新される時に、この管理データの管理方法を更新する場合に有効にする。例えば、子管理データにおいて、更新に合わせる管理データ53を親管理データに設定すると、親管理データの管理方法が更新される時に、合わせて子管理データの管理方法も更新されることになる。
【0243】
なお、他の管理データの更新に合わせる事に関しては、全ての管理データの管理方法を指定/修正せずに済むので、手間が省けるという利点がある。特に管理データ間に親子関係がある場合などは、有効である。また、関連管理データを更新に合わせる管理データとして、親管理データ以外のほかの管理データを設定する場合もある。
【0244】
条件フラグ50の最大履歴数フラグは、図5(b)の管理データの管理データID20と履歴29を使って求められる履歴数が、最大履歴数54で指定される数に1を足した値より大きくなる時に、管理データの管理方法を更新する場合に有効にする。
【0245】
管理データの履歴数は、例えば、管理データID20が同じで履歴29が異なる管理データの数を求めることで得られる。あるいは、管理データID20が同じである管理データの数を求めることで得られる場合もある。履歴が連続しておらず途中が抜けている場合に、抜けている管理データの数をカウントするのかどうかとか、最新の履歴から連続した履歴の数だけをカウントするのかどうかなど、履歴数の数え方には色々考えられるが、目的に応じて選べばよい。
【0246】
例えば最大履歴数54を1にして、条件フラグ10の最大履歴数フラグを有効にすると、最新の管理データと1つ前の履歴の管理データだけが常に残り、それより古い履歴の管理データは削除(管理方法が更新)されることになる。最大履歴数54を0にすると、最新の管理データだけが常に残り、それより古い履歴の管理データ削除(管理方法が更新)されることになる。
【0247】
最大履歴数54を設定することで、古い管理データなどは、同じ管理データIDで比較的新しい管理データを残して、いずれ削除(管理方法が更新)されるので、自然と新しい管理データしか残らなくなるという利点がある。また、最大履歴数54で指定される履歴分の管理データは残されているので、アンドゥ操作などもある程度可能となる利点がある。
【0248】
条件フラグ50の永久保存フラグが有効の時は、その管理データの管理方法を更新せず、現状の管理方法を永遠に続けることを意味する。従って、永久保存フラグが有効の時には、条件フラグ50のその他のフラグは無意味である。永久保存フラグは、非常に重要なデータや、長期間内容が変わらないデータや、内容は時々変わるがその履歴を全て残しておきたいデータなどに指定すると便利である。
【0249】
条件フラグ50の拡張条件フラグは、拡張条件55が成り立つ時に、管理データの管理方法を更新する場合に有効にする。拡張条件55には、永久保存フラグ、有効期限フラグ、参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグだけでは表現しきれない条件を指定するのが通常である。拡張条件55で指定される条件の形式は色々考えられるが、後で説明する。
【0250】
条件フラグ50のANDフラグは、有効期限フラグ、参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグ、拡張条件フラグの内、有効となっているフラグの個別条件が全て成立する時に、管理データの管理方法を更新する場合に有効にする。ANDフラグが無効の場合は、有効期限フラグ、参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグ、拡張条件フラグの内、いずれかの個別条件が成立する時に、管理データの管理方法を更新することになる。
【0251】
条件フラグ50の自動更新フラグは、条件フラグ50で指定される更新条件が成立する時、管理データの管理方法を自動的に更新する場合に有効にする。自動フラグが無効の場合は、例えば、ユーザに管理方法の更新について確認したりすることになる。更新後の新たな管理方法は、例えば、更新後の予定管理方法56で指定されていればその管理方法を使い、指定がなければ、推測される管理方法を使うなどすれば良い。更新後の予定管理方法56の形式は、図5(a)の管理方法12と同じ形式で良い。
【0252】
自動更新は、例えば、有効期限51が過ぎたら、削除(管理方法が更新)して良いことが明らかな管理データの場合、いちいちユーザに確認を求められないので、ユーザの手間が減るという利点がある。
【0253】
次に、図7の条件式30の例を使って、管理方法を更新する対象となる管理データを特定する処理について簡単に説明する。
【0254】
まず、全ての管理データの中で、条件フラグ50のうち、永久保存フラグが無効で、有効期限フラグ、参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグ、拡張条件フラグが有効になっている管理データを抜き出す。一般的なデータベースでは、特定の項目(ここでは条件フラグ50)が指定の値であるデータを抜き出すような操作は簡単に行える。例えば、リレーショナルデータベースでデータを処理する際に良く使われるSQL式を使って、この操作を表現すると、有効期限フラグの場合、
SELECT * from 全管理データ where ( 条件フラグ & 0x20 ) != 0
などという式となる。
【0255】
上式は、「全管理データの内、条件フラグと0x20とでアンド計算した結果が0でないものを、全て選ぶ」とうい意味である。なお、ここでは条件フラグ50のANDフラグが最上位ビット、自動更新フラグが最下位ビットであるとして、有効期限フラグが有効になっている場合を、0x20という値で表現している。参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグ、拡張条件フラグの場合も、同様に、0x10、0x08、0x04、0x02という値で表現できる。
【0256】
そして、これらのフラグが有効になっている管理データについて、条件が成立するかどうかを調べる。例えば、有効期限フラグの場合、
SELECT * from 全有効期限管理データ where 有効期限 <= NOW
などとなる。なおここでは、「全有効期限管理データ」は、先の処理で抽出された有効期限フラグが有効となっている全ての管理データを指し、「NOW」は、処理をしている現在の時刻を指す。「有効期限 <= NOW」は、指定された有効期限が現在時刻を過ぎるという条件を意味する。
【0257】
これによって、有効期限フラグが有効で、有効期限を過ぎた管理データを特定することができる。
【0258】
参照数に関しても、有効期限と同様の方法で管理データを特定することができる。
【0259】
最大履歴数に関しても、SQL式で得られる管理データの数を返す関数を使って、指定管理データIDと同じ管理データIDを持つ管理データの個数を求め、その個数を最大履歴数と比較することで、管理データを特定することができる。
なお、存在する全ての管理データIDを、次々と指定管理データIDとして調べる必要がある。SQL式は複雑となるので、ここでは、省略する。
【0260】
拡張条件に関しては、一つ一つ、拡張条件が成立するかどうかを調べなければいけない。このため、SQL式だけで特定することはできない。
【0261】
以上のようにして、有効期限フラグ、参照数フラグ、他の管理データの更新に合わせるフラグ、最大履歴数フラグ、拡張条件フラグの個々の条件に関して成立する管理データを特定することができる。
【0262】
次に、特定した管理データに関して、ANDフラグについて調べる。ANDフラグが無効になっている場合は、全て、管理方法を更新する対象の管理データとする。ANDフラグが有効になっている場合は、その他の有効になっているフラグでも成立するか調べ、全て成立している場合は、管理方法を更新する対象の管理データとする。
【0263】
以上の処理によって、管理方法を更新する対象の管理データを特定することができる。
【0264】
管理方法を更新する対象の管理データを特定するに、SQLが使えると、データベースで処理しやすいという利点が出てくる。
【0265】
なお、自動更新フラグが有効になっている管理データに関しては、図7の更新後の予定管理方法56で指定されている管理方法、あるいは管理方法推定手段2(S2)で推定される管理方法を、ユーザの確認などせず、管理方法設定手段5(S6)で処理してしまってよい。すなわち、自動更新フラグが有効になっている管理データに関しては、図1のS3,S4,S5などの処理は省いてよいことになる。
【0266】
なお、図7では条件式30のデータ構造だけを示したが、条件式30にSQL式などを含めた形としてもよい。
【0267】
条件式30の表現の仕方は、図7のようなデータ構造とSQL式以外にも考えられる。例えば、プログラミング言語などを用いて表現する方法がある。プログラミング言語としては、例えばC言語、Java(登録商標)言語、ECMAscriptなどが考えられる。例えば、先のSQL式を、C言語風の形式で表現すると、
などと表現できる。上記の場合、特定管理データ配列にj個の特定された管理データのインデックス番号が入ることになる。
【0268】
なお、説明が分かりやすいように、変数名などに日本語を使っているが、通常は変数名などは英数字のみである。また、説明が分かりやすいように、上記のプログラム例は効率などは無視している。なお、now()は現在時刻を数字で返す関数である。
【0269】
条件式30の表現形式としてプログラミング言語を使う場合は、複雑な条件も表現しやすくなる。例えば、有効期限51の日時が休日、祝祭日の場合は、平日まで延長した有効期限にするとか、ユーザのスケジュールと連動させて、有効期限51を延長するなどの処理が可能である。
【0270】
条件式30の表現形式としてプログラミング言語を用いなくても、例えば、外部のプログラムを呼び出すようにしてもよい。外部のプログラムを呼び出し、結果を通信やファイル経由などで得ればよい。
【0271】
なお、条件式30のこれらの表現は、図7の拡張条件55の表現形式としても同様に利用できる。
【0272】
以上の条件式30の説明、特に図7に示したデータ構造を使う例では、例えば、有効期限51や参照数52の条件が成立するかどうか、ANDを取るかどうか、という、いわば0か1かというデジタル的な形の判断をしている。しかし、管理データの管理方法を更新する条件をもっと柔軟な、いわばアナログ的な表現にしたい場合がある。
【0273】
アナログ的な表現を実現する方法として、例えば、管理データの重要度を数値化して、その重要度を所定の閾値と比較するなどして決める方法がある。重要度を決める時に、例えば有効期限51や参照数52など個々の条件の判定結果を数値化し、それらに重みを割り振って足し合わせるなどすればよい。このようにすると個々の条件をまとめて総合的に判断できるという利点がある。
【0274】
図6(a)の計算式31、34、重み32、35、パラメータ33、36などは、重要度で判断する方法で使われるデータ構造の一例である。ここでは、計算式31と、重み32と、パラメータ33との組を、個々の条件から重要度を求めるのに必要なデータとしている。同様に、計算式34と、重み35と、パラメータ36との組も、個々の条件から重要度を求めるのに必要なデータである。なお、パラメータ33、36は、それぞれ1個だけでなく、複数もっていてもよい。
すなわち、パラメータ33、36は、それぞれ1個のパラメータのみからなるだけでなく、複数のパラメータからなるものであってもよい。
【0275】
なお、重要度で管理データを更新するか否かを判断する方法を表現するデータ構造は、図6(a)に限らず、様々な形が考えられるが、個々の条件から個々の重要度を求めて、重みを使って、総合的な重要度を求めるという処理を表現できる形式ならば何でも良い。
【0276】
例えば、有効期限の条件の場合、計算式31は、
( 有効期限−現在時刻 ) × パラメータ33
となっているとする。上式では、有効期限が現在時刻より先にあればあるほど、値が大きくなる(ただし、パラメータ33が正の値の場合)。有効期限が先にあるということは、それだけ長い間使うということであるから、重要な管理データである可能性が高い。なお、以降では、重要度の値が正の方向に大きいほど、重要度が高いとする。
【0277】
パラメータ33は、ここでは、有効期限が現在時刻の差にどれだけの倍率を掛けるかという係数である。上記説明した場合においては、パラメータ33を大きくすると、重要度の値が時刻の差に敏感となる。
【0278】
なお、ここでは時刻の差から線形な形で値を求めているが、非線形の形、例えば差の乗数を取るとか、対数を使うなどの形で値を求めてもよい。また、この例ではパラメータは1個だが、例えば、係数と乗数の2つのパラメータを使うようにもできる。
【0279】
参照数に関しても同様に、計算式34で、
参照数 × パラメータ36
などとすればよい。
【0280】
なお、有効期限51や参照数52などに基づく個々の重要度は、できれば正規化しておいた方が、後の判断処理などがやりやすい。正規化とは、例えば、0から1の間の数に変換されるということである。正規化しなくても、管理データ同士の重要度の大小を比較することはできるが、重要度の下限、上限が定まっていないと、管理データの管理方法の更新の判断処理において、個々の重要度の取り扱いが困難になる。
【0281】
正規化の仕方としては、例えば管理データのアクセス数を総アクセス数で割ったり、管理データの参照数を、全管理データの参照数の和で割ったりする方法が考えられる。有効期限に関しては、例えば、過去も含めた全ての管理データの中で最初に生成された管理データの生成日時と現在時刻との差で割るなどすればよい。
【0282】
個々の条件の重要度が、計算式31、34とパラメータ33、36とを使って求められたら、求めた個々の条件の重要度に重み32、35を掛けて、足しあわすことで、総合的な重要度Iが求められる。上記説明において、例に挙げた2例で説明すると、
I=(有効期限−現在時刻)×パラメータ33×重み32+参照数×パラメータ36×重み35
となる。
【0283】
求めた総合的な重要度Iを、所定の閾値と比較することで、管理データの管理方法を更新すべきかどうかが決められる。所定の閾値より総合的な重要度Iが低ければ、重要度が低いと判断して、管理データの管理方法を更新すべきとすればよい。
【0284】
所定の閾値は、管理方法決定方法(装置)に共通なものとしてもよいし、管理データ毎に設定できるようにしてもよい。管理データ毎に設定できるようにする場合、図6(a)には記してないが、閾値のデータ領域を持たせてやればよい。
所定の閾値は、ユーザが変更できるようにしてもよい。ユーザが変更する場合、後で説明するようなユーザの指定/修正のインターフェースを使って行うなどすればよい。管理データ毎に設定できたり、ユーザが変更できたりすることで、きめ細かな設定ができる利点がある。
【0285】
計算式31、34やパラメータ33,36、重み32、35も同様に、ユーザが変更できると、きめ細かく更新条件13を設定できるという利点がある。
【0286】
なお、パラメータ33、36のデータを図6(a)のデータ構造から無くして、計算式にパラメータ33、36の値を埋め込んでしまってもよいが、パラメータ33、36として、計算式31、34から独立させておいた方が、変更などがしやすい利点がある。重み32、35も同様である。一般に計算式31、34はあまり変更しないが、パラメータ33、36や重み32,35などは変更する可能性が高い。
【0287】
パラメータ33、36や重み32、35を変更する例としては、例えば、これらをデータの種類によって変更する場合がある。例えば管理データがスケジュールデータである場合は、そのスケジュールの日時が過ぎてしまったら、後で使うことはあまりないので、有効期限51を重視するようにパラメータ33、36や重み32、35を調節する場合がある。一方、管理データが住所録のようなデータである場合は、有効期限51はスケジュールほどははっきりしていないので、参照数52などを重視するような設定にしてもよい。
【0288】
条件式30や計算式31,34などに使える条件は、今まで挙げた例以外にも色々考えられる。例えば、データ属性を使う方法が考えられる。
【0289】
例えば、最終アクセス日時23を使って、計算式を
パラメータ33 / ( 現在時刻−最終アクセス日時23+1 )
とすれば、最終アクセス日時が現在時刻に近いほど、すなわち利用頻度が高いほど、重要度を高くすることができる。
【0290】
利用頻度ということでは、図5(b)の管理データ属性11には含まれていないが、アクセス回数のような項目を持たせて、アクセス回数が多いほど、重要度を高くするようにしてもよい。
【0291】
また、これまでの説明では、パラメータは重要度などを計算する式中での係数などとして利用していたが、処理の閾値などとして使うこともできる。
【0292】
例えば、有効期限51を使う条件式30や計算式31、34で、判断処理をC言語風に表現すると、
などとなる。この場合、if文の分岐処理で、パラメータ33、36は閾値として使われることになる。
【0293】
上記の条件は、図7の拡張条件55でも同様に使うことができる。
【0294】
図7の条件式30と、計算式31、34、重み32、35、およびパラメータ33、36の組とは、片方だけ使うようにしてもよいし、両方を使うようにしてもよい。片方だけ使う場合は、当然、使わない方のデータはデータ構造として不要である。両方使う場合とは、例えば、図7の条件フラグ50で、何の条件を使うかを指定して、個別の条件の計算は、計算式31、34などを使うというような場合である。あるいは、閾値として、図7の有効期限51などのデータを使うという方法も考えられる。
【0295】
また、条件フラグ50などを使って個別の条件を絞らない場合、総合的な重要度で判断すると、特定の個別の条件を絶対的な条件とすることが難しい問題がある。絶対的な条件とは、つまり、その特定の個別の条件が成立したら、残りの個別の条件の結果は無視して、管理方法を更新すると決定することである。この問題に対しては、例えば重み32、35の値が特定の値であったら、その条件(計算式)の結果だけで決定する、などとすればよい。
【0296】
これまでの説明で、図5(a)の更新条件13を使って、図1のS1で、管理方法を更新すべき管理データを特定する処理を説明した。次に、S2の処理について説明する。
【0297】
まずデータ構造を説明する。図6(b)は、図5(a)の推定方法14のデータ構造の一例を説明する説明図である。図6(b)の推定方法14は、
推定式40、計算式43、46、重み44、47、パラメータ41、42、45、48などからなる。ここでは説明の為、図6(b)のような順番と構造としているが、この順番や構造などに限るものではなく、また、図6(b)の構造の一部のデータが含まれていなかったり、図6(b)中には無い別のデータが含まれていたりすることもある。
【0298】
図8は、推定される管理方法に関する情報のデータ構造の一例を説明する説明図である。処理フラグ60は、主に管理方法の種類を示している。図8では、管理方法の例として、「削除」、「移動」、「圧縮」、「保留」の4つのフラグを挙げているが、これ以外の様々な管理方法を入れてもよい。図7の条件フラグ50同様、それぞれにビットが割り振られ、「0」は無効、「1」は有効の意味である。
【0299】
「確認/選択」のフラグは、推定される管理方法をユーザに確認させるか、または他の管理方法に変更/修正できるようにするか、を指定するフラグである。図7の条件フラグ50の自動更新フラグの逆である。常に確認や変更/修正を行う、あるいは、図7の条件フラグ50の自動更新フラグを使う場合は、確認/選択フラグは無くても良い。自動更新フラグと確認/選択フラグは、どちらかだけ使えばよい。
【0300】
削除フラグが有効の場合は、管理データを削除するという管理方法を意味する。
【0301】
移動フラグが有効の場合は、管理データを移動先61で指定される管理場所に移動するという管理方法を意味する。
【0302】
圧縮フラグが有効の場合は、管理データを圧縮率62で指定される圧縮率で圧縮するという管理方法を意味する。なお、ここでは可逆圧縮を想定しているが、不可逆圧縮の場合もある。例えば、BMP画像をJPEG画像に変換する処理は、不可逆圧縮である。また、同じJPEG画像でも圧縮率を高めると画質が落ちるので、不可逆圧縮である。画像サイズを小さく変換するのも不可逆圧縮である。管理データ本体が、画像データでなく、例えばテキストデータならば、不可逆圧縮は、例えば要約という形となる。不可逆圧縮も指定できるようにする場合は、処理フラグ60に不可逆圧縮フラグを追加するとよい。
【0303】
保留フラグが有効の場合は、他のフラグで指定される管理方法をすぐに実行しないで、保留時間63で指定される時間だけ、処理を一時保留しておくことを意味する。あるいは、処理をしても、処理前のデータを一時保留する一時領域などにしばらく残しておくのでもよい。保留時間でなく、一時領域の総データ量が一定以下となるように、一時領域に移動してきた時刻が古いものから順に消していくのでもよい。
【0304】
例えば、削除の管理方法の場合、その管理データをすぐには削除せず、一時領域を移動させておく。ユーザが削除後にやはり復活させたいと思ったら、一時領域を見て、そこに存在すれば、管理データを復活させることができる。このような仕組みは、一般的なコンピュータOSで「ゴミ箱」などと呼ばれる機能に相当する。
【0305】
削除フラグ、移動フラグ、圧縮フラグ、保留フラグ、確認/選択フラグは、それぞれ独立に指定できる。例えば、移動フラグと圧縮フラグとが両方とも有効の場合は、管理データを圧縮して移動することになる。但し、削除フラグと移動フラグのように、同時に有効にすると管理方法が決められない場合もあるので、そのような組み合わせは除く。
【0306】
図9は、図1のS2の処理、すなわち新しい管理方法を推定する処理の一方法を説明するフローチャート図である。
【0307】
P10を経たS2−1では、管理方法推定手段2(図2参照)が、管理データの個別の重要度を算出して、S2−2へ処理が進む。ここでは、計算式43(図6(b)参照)、パラメータ45などを使って、個別の重要度を算出する。算出の仕方は、図6(a)の計算式31やパラメータ33を使って個別の条件の重要度を算出するのと、同様の方法でよい。
【0308】
S2−2では、管理方法推定手段2が、個別の重要度から、総合重要度を算出して、S2−3へ処理が進む。ここの処理も、先に更新条件13で総合的な重要度を算出する方法同様、個別の重要度に重み44、47などを掛けた値を足し合わせればよい。ここでは、この計算は、推定式40に含まれるとしてもよい。
【0309】
S2−3では、管理方法推定手段2が、算出した総合重要度から、新たな管理方法を推定して、S2−4へ処理が進む。
【0310】
総合重要度から、新たな管理方法を推定する方法は色々考えられるが、ここでは単純に、管理方法毎に相当する総合重要度の範囲を決めておく方法で説明する。
【0311】
例えば、総合重要度が、0から1の間の数字で表現されるとし、総合重要度が0以上、0.3未満の場合は「削除」、0.1以上、0.3未満の場合は「保留」、0.3以上、0.65未満の場合は「第2データベース」へ「移動」、0.65以上の場合は「第1データベース」へ「移動」とする。「削除」、「移動」、「保留」は、それぞれ、図8の処理フラグ60の削除フラグ、移動フラグ、保留フラグを有効にすることになる。移動の場合、「第1データベース」あるいは「第2データベース」が移動先61に指定されることになる。
【0312】
なお、0.1以上、0.3未満の範囲では、削除と保留がどちらも当てはまるが、この場合、削除フラグと保留フラグを同時に有効にすることを意味する。
【0313】
「0」、「0.1」、「0.3」、「0.65」、「1」などの数字は、閾値である。これらの閾値は、図6(b)のパラメータ41、42などに記録されているとする。
【0314】
ここでは、「第1データベース」、「第2データベース」はそれぞれ異なるデータベースであり、異なるデータ管理方法である。ここでは、第1データベースの方が良く使われる管理データの管理方法であるとしている。第1データベースと、第2データベースの処理速度(データアクセスに必要な時間)は、同じでも良いが、差をつけるとしたら、第1データベースの方を速くするのが一般的である。
【0315】
一般に、重要度が高いほど、管理データの処理速度が速い管理方法にするとよい。それにより、良く使われる管理データの処理速度を速くすることができる利点が出てくる。従って、推定も、重要度が高いほど、処理速度が速い管理方法を推定するようにすると良い。「削除」は、管理データにアクセスすること自体できなくなってしまう訳だが、アクセス速度が無限大に遅い管理方法と解釈することもできる。
【0316】
S2−3での判断の状況を視覚的に表現した例が、図10である。図10の詳細については後で説明するが、図中の「推定重要度:0.75、確信度:0.25」という項目とその下のグラフが、S2−3での判断の状況を視覚的に表現している部分である。ここではS2−2で算出された総合重要度が0.75であり、0.65と1の間なので、「延長」となっている。「第1データベース」でなく、「延長」となっているのは、現在、対象の管理データが第1データベース中に存在するので、移動は起こらず、そのまま維持するということを意味している。ここでは、有効期限を延長することで維持しようとしているので、「延長」という言葉を使っている。
【0317】
ここでは推定重要度は「保留」の範囲には入っていないので必要無いが、もし「保留」の判断がなされる場合、保留時間に関しては、所定の値にしてもよいし、
(0.3 − 総合重要度)×パラメータ
などの計算式で、閾値と総合重要度との差から算出してもよい。この計算式は、推定式40に含めてもよいし、個別の計算式やパラメータとして、図6(b)のデータ構造に追加してもよい。なお、上記例では「0.3」と書いているが、これは固定値ではなく、実際は、閾値0.3に相当するパラメータの値を動的に参照することになる。閾値と総合重要度との差から保留時間を算出することで、例えば、「削除」と「第2へ移動」の境界に総合重要度が近い場合は保留時間を長くする、などという処理ができるという効果が得られる。
【0318】
圧縮は、ここでの例では扱っていないが、総合重要度に対する範囲をパラメータで設定し、また圧縮率も保留時間と同様、閾値と総合重要度との差から計算式で求めてやればよい。
【0319】
なお、S2−3では、総合重要度から新たな管理方法を推定するだけでなく、新たな更新条件をも推定してもよい。その場合、図6(a)や図7で説明したようなデータ構造のデータを推定すればよい。新たな更新条件の推定については、後でS5の処理の説明と一緒に説明する。
【0320】
S2−4では、管理方法推定手段2が、推定の確信度を算出して、P20へ処理が抜ける。推定の確信度とは、S2−3での管理方法の推定に、どの程度確信しているかを示す値である。
【0321】
最も単純な求め方として、S2−3で保留時間を求めたのと同様の考え方で、総合重要度と閾値との差を使って求める方法がある。例えば、C言語風に表現すると、次のようになる。
【0322】
なお、SWITCH ( A )は、Aの値をcaseの後の値を順に比較していって、一致したら、breakまで処理を行うことを意味する。MIN(A,B)は、Aの値とBの値の内、小さい方の値を返す関数である。
【0323】
つまり、総合重要度が、最も近い閾値からパラメータAだけ離れていれば、総合重要度が多少変更されても大きくは変わらないとして確信度1、そうでなければ総合重要度が閾値から離れれば離れるほど確信度が大きくなるとして、最も近い閾値と総合重要度との差にパラメータBを掛けた値を確信度としている。
【0324】
図10では、パラメータAを0.4、パラメータBを2.5(=1/パラメータA)、総合重要度を0.75とすると、「第1データベースへ移動」の推測管理方法であり、「0.65+パラメータA < 総合重要度」は成立しないので、
より、確信度0.25となる。
【0325】
以上のS2−1からS2−3により、図1のS2の処理、すなわち新しい管理方法を推定する処理を行うことができる。
【0326】
次に図1のS3の処理、すなわち管理データ/管理方法取得手段1から得られる管理データの情報と、管理方法推定手段2から得られる推定された管理方法及び推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報とを、ユーザに提示する処理の詳細と、S4の処理、すなわちユーザ指示に基づき、管理方法あるいは推定方法などの指定/修正を行い、最終的な管理方法を求める処理の詳細と、について説明する。情報の提示と指定/修正は、一緒に行われることが多いので、ここではまとめて説明する。
【0327】
図11は、予定されている管理方法と推定される管理方法において情報が表示された表示部の画面の情報をユーザに提示する方法の一例を説明する説明図である。以降では、ウィンドウシステムをもつシステム上での例で説明する。図11は、ウィンドウとして提示されている例である。
【0328】
「管理方法決定」という文字列のある矩形部分は、ウィンドウのタイトルバーである。このウィンドウの目的を簡単に説明している。
【0329】
左側の「概要:」という文字列と、その下の図形は、管理データの概要を提示している部分である。ここでは、HTMLデータを管理データとする例で説明しているので、概要表示は、HTMLデータを表示させたものになっている。ここでは概要なので、HTMLデータ表示を縮小した図形として提示している。HTMLデータでなく、例えば画像データならば画像の縮小画像が、テキストデータならば、先頭の部分や縮小表示、要約表示などが提示される。もし縮小された表示だけでは、何のデータか良く分からない時は、「概要:」の横の「開く」ボタンを押すことで、管理データの詳細表示が行われるとする。
【0330】
右上の部分は、図5(b)の管理データ属性11に主に対応する情報を提示している。「種類」は、「HTML」ファイルである。これは例えば、管理データをファイル単位で管理しているとしたら、そのファイル名の拡張子で判断したり、あるいはファイル中に種類を示す情報(リソースとも言う)があり、その情報に基づいて判断したりすれば得られる。
【0331】
「カテゴリ」は、ここでは、「Aプロジェクト」としている。これは例えば、図5(b)の親データなどを調べることで、Aプロジェクト関連のデータであることが得られる。あるいは単純に、図5(b)の「分野」をそのまま提示してもよい。
【0332】
概要、種類、カテゴリは、管理データの属性などの情報を提示しているが、もっと詳細な情報が知りたい場合は、カテゴリの右側の「詳細」ボタンを押すことで、後で説明する図12のような詳細情報のウィンドウが現れる。
【0333】
「カテゴリ」の下の「予定管理方法」は、図7の更新後の予定管理方法56から得られる。予定管理方法も、管理データの情報の一部である。図11では、「削除」となっている。予定管理方法の枠中の「決定」ボタンを押すと、この管理データの管理方法は、予定管理方法で提示されている管理方法に決定され、図11のウィンドウは閉じられる。
【0334】
「推定管理方法」は、管理方法推定手段2(S2)で推定される管理方法である。図11では、「有効期間延長(2年間)」となっている。S2の説明では、「(2年間)」という値の推定の仕方は説明していなかったが、これについては、後でS5で説明を行う。推定管理方法の枠中の「決定」ボタンを押すと、この管理データの管理方法は、推定管理方法で提示されている管理方法に決定され、図11のウィンドウは閉じられる。
【0335】
「詳細/修正…」ボタンを押すと、この管理データの新たな管理方法、あるいは新たな管理方法を推定する推定の方法などを指定/修正することができる。通常は、指定/修正ができる別のウィンドウが現れるが、指定/修正の詳細については後で説明する。
【0336】
図11は、管理データの図7の条件フラグ30の自動更新フラグが無効の場合、あるいは図8の処理フラグ60の確認/選択フラグが有効の場合、通常、管理データの管理方法が更新されるタイミングで、ユーザに提示される。つまり、「この管理データの管理方法が予定管理方法あるいは推定管理方法に更新されますが、構わないでしょうか?」と確認を求めている。予定管理方法あるいは推定管理方法が望ましくないとユーザが思えば、後でS4の説明で説明するように、望ましい管理方法になるようにユーザが指定/修正することができる。
【0337】
図12は、管理データの情報の詳細をユーザに提示する方法において情報が表示された表示部の画面の一例を説明する説明図である。この提示ウィンドウは、例えば、図11の詳細ボタンを押すことで現れる。
【0338】
概要、種類、カテゴリについては、図11と同様である。「キーワード」、「生成日時」、「最終変更日時」、「最終アクセス日時」などは、図5(b)の対応する情報をそのまま提示している。
【0339】
このウィンドウは、右下の「OK」ボタンを押すことで閉じることができる。閉じた後は、図11の詳細ボタンから呼ばれた場合は、図11のウィンドウに制御が戻るのが一般的である。
【0340】
図12でも、管理データの全ての情報を提示しきれていないが、その場合は、別のウィンドウやスクロール表示、タブ表示などを使うことで、提示すればよい。
【0341】
図10は、新たな管理方法の推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報を提示する方法において情報が表示された表示部の画面の一例を説明する説明図である。この提示ウィンドウは、例えば、図11の詳細/修正ボタンを押すことで現れる。
【0342】
左下のバランスグラフは、推定に使われる管理データの個別の重要度を提示している。ここでは「アクセス頻度」、「キーワード」、「参照数」、「カテゴリ」の4つの軸で提示している。各軸の値は、図9のS2−1で説明した個別の重要度である。4つに限らず、もっと多くの軸で提示/推定してもよいが、ここでは説明を簡単にする為、4つに絞ってある。また、提示の仕方はバランスグラフに限らず、棒グラフ、表など、様々な表示方法が考えられる。バランスグラフはパッと見た目で傾向を掴み易い特徴があるので、ユーザが瞬間的に判断したい場合などには向いている。
【0343】
図10のバランスグラフでは、中央の軸の交点を0とし、外側の位置ほど大きい値となる。例えば、アクセス頻度が高いほど、参照数が多いほど外側になる。通常、各軸のデータの値は、正規化しておく。
【0344】
キーワードとカテゴリの軸の意味は色々考えられるが、ここでは、この管理データの持つキーワードやカテゴリに関して、同じキーワードやカテゴリを持つ全ての管理データの数の、全管理データ中の割合などとする。あるいは、管理データの数ではなく、管理データのアクセス数や参照数でもよい。
【0345】
図10では、各軸の値は、アクセス頻度が「0.2」、キーワード、参照数、カテゴリが「0.8」とする。
【0346】
図10のバランスグラフでは、各軸の値が大きいほど、すなわち各軸の値の点を結んでできる四角形の面積が大きいほど、重要なデータであるとみなせる。従って、バランスグラフを見ることで、その管理データの重要度がユーザにある程度推測できる。
【0347】
また、バランスグラフでは、各軸のバランスも重要である。四角形が正方形に近い場合はバランスが取れていると言えるが、どこかの軸が突き出していたり引っ込んでいたりするとバランスが悪いことになる。通常の管理データがどのようなバランスを取ることが多いかは、使うデータの内容や使い方などによるが、多くの管理データのバランスと異なるバランスのデータは、何か特殊なデータかもしれないので、ユーザは注意してみる方が良い。バランスグラフはこのようなバランスも瞬時かつ直感的に理解しやすいという特徴をもつ。
【0348】
なお、図10のバランスグラフは、現在の重要度を示しているが、例えば、過去、それぞれの重要度が時間的にどう変化してきたか、すなわち時間の経過に伴う重要度の変化を知りたいこともある。各軸の重要度の時間変化を折れ線グラフとして提示した例が図13である。例えば、図10のバランスグラフをダブルクリックなどして選択することで、図13を提示するなどすればよい。
【0349】
図13では、横軸が時間軸、縦軸が重要度である。これでみると、2000年と2010年の辺りの重要度が比較的高くなり、2005年頃に低くなっていることが分かる。時間的な変化を見ることで、このデータが現在、よく使われているのかどうかなどを判断する手がかりとすることができる効果がある。
【0350】
図10では、左上の「重み:」の項のグラフは、図6(b)の重みのデータを割合グラフで表したものである。図10では、重みは、アクセス頻度が「0.083」(正確には1/12で、0.8333、と3が続くが、以降では小数点以下第4位を四捨五入することにする。但し、計算では四捨五入しない値を使う)、キーワード、参照数が「0.333」、カテゴリが「0.25」とする。
【0351】
右側の数直線の下の2つの棒グラフの内、上の棒グラフ(説明の為、以降、「総合重要度グラフ」と呼ぶ)は総合重要度の内訳を示している。図9のS2−2で説明した通り、総合重要度は、個別の重要度に重みを掛けて求める。個別の重要度に重みを掛けた値は、
アクセス頻度:0.2×0.083=0.0167
キーワード:0.8×0.333=0.267
参照数:0.8×0.333=0.267
カテゴリ:0.8×0.333=0.2
となる。総合重要度グラフ中のアクセス頻度、キーワード、参照数、カテゴリの部分の幅が、上記の値となっている。なお、これらの値は上の数直線に合わせた幅として提示されている。また、アクセス頻度の部分は、幅が小さいので文字も表示できず、線のようになってしまっている。
【0352】
上記の値を足すと、0.0167+0.267+0.267+0.2=0.75となり、推定される総合重要度は、「0.75」となる。これは右上の「推定重要度:0.75」としても提示されている。
【0353】
右側の数直線の下の2つの棒グラフの内、下の棒グラフ(説明の為、以降、「管理方法判定グラフ」と呼ぶ)は総合重要度から新たな管理方法を求める際に使われる閾値などを示している。図9のS2−3で説明した通り、総合重要度の値を所定の閾値と比較することで、新たな管理方法を推定している。
【0354】
図10の管理方法判定グラフでは、S2−3の説明で使ったのと同じ閾値、すなわち、0から0.3が削除、0.1から0.3が保留、0.3から0.65が第2データベースへ移動、0.65から1が第1データベースへ移動としている。なお、図10では、管理データが現在、第1データベース中に存在しているので、「第1データベースへ移動」は「延長」という表現にしている。もし、管理データが現在、第2データベース中に存在しているのなら、「第2へ移動」が「延長」という表現になることになる。管理データの現状に合わせた表現にすることで、わかり易くなるという利点が出てくる。
【0355】
図10では、総合重要度が0.75なので、総合重要度グラフの右端から下に矢印を下ろした位置の管理方法、すなわち「第1データベースへ移動」(延長)の管理方法と推定され、延長の部分が反転して示されている。
【0356】
以上のように、図10のように提示することで、管理方法の推定の過程を知ることができるという効果が出てくる。
【0357】
図14は、推定された管理方法ではなく、別の管理方法をユーザが指定する様子を説明する説明図であり、表示部に表示される画面の一例を示している。
【0358】
ここでは、「第1データベースへ移動」(延長)が推定された管理方法だが、これを「第2データベースへ移動」に指定したいとする。その場合、管理方法判定グラフの指定したい管理方法の部分をユーザが指定してやればよい。指定の方法は、例えば図4のペン82や図3のマウス76でタッチ(クリック)するなどの方法が考えられる。
【0359】
指定した後の状態が、図14である。図10ではデータ管理決定装置により推定された管理方法である「延長」が反転表示されていたのが、図14ではユーザにより指定された管理方法である「第2へ移動」が反転表示されている。
【0360】
この後、OKボタンを押すことで、指定が確定する。図11のウィンドウに戻ると、「推定管理方法」の部分が、「有効期限延長(2年間)」から、指定された管理方法「第2データベースへ移動」に表示を変えてやるとよい。その場合、これは指定された管理方法であることが分かるように、「推定管理方法」の表示を「指定管理方法」の表示に変えたり、あるいは図11中には無いが、「指定」のチェックボックスのようなものを使ったり、文字フォントを変えたり、などすると良い。
【0361】
その後、図11で推定管理方法の欄の決定ボタンを押すことで、管理方法が決定される。あるいは、図14のOKボタンを押す段階で、既にユーザの意思ははっきりしているのだから、図11に戻らず、図14のOKボタンを押す段階で、管理方法を決定してしまっても良い。この方がユーザの手間は減るが、手間が減る分、うっかりミスが増える可能性もある。
【0362】
このように、推定結果がユーザの意思に沿っている場合は、図11の決定ボタンを押すだけで済み、推定結果がユーザの意思に沿っていない場合だけ、ユーザが管理方法を指定すれば済むようになる。更新すべき管理データの管理方法を、いちいちユーザが指定するのに比べ、手間が大幅に省略できる。自動更新される場合は、さらに手間が省ける。
【0363】
図14では、新たな管理方法をユーザが直接指定したが、推定された管理方法から変更されたということは、推定方法に何らかの誤りがあることになる。あるいは、誤りとは言わないまでも推定精度を下げる要因が何かあるということである。
【0364】
そこで、推定精度が上がるように推定方法を修正すると良い。これはある程度、ユーザが教えてやる必要がある。
【0365】
図15は、ユーザが推定方法を修正する様子を説明する説明図である。修正の仕方は色々考えられるが、ここでは左上の重みの部分を修正したとする。図10ではアクセス頻度の重みは「0.083」で非常に小さく、キーワード、参照数、カテゴリの重みの方が大きいことが分かる。図15では、ユーザの修正によりアクセス頻度の重みが増やされ「0.5」に、キーワード、参照数、カテゴリの重みはそれぞれ「0.167」になったとする。
【0366】
修正の仕方としては、例えば、数値などで直接指定してもよいが、ペン82やマウス76などで、重みの境界位置を指定してやる方が、直感的でよい。例えば、図10で重みの棒グラフ上で、アクセス頻度とキーワードの境界部分をペンやマウスで選択(タッチやマウスボタン押下)する。そしてそのまま希望の大きさの境界位置までペンやマウスをひきずって動かす(ドラッグ操作)。そして、希望の大きさの境界位置でペンやマウスを離す(表示部兼タブレット81からペン82を放す、あるいはマウスボタン押下をやめる)。
【0367】
この時、アクセス頻度とキーワードの境界以外の境界は、動かさないようにしてもよいが、例えば、アクセス頻度とキーワードの境界が、キーワードと参照の境界を越えて右側に設定しようとする時は、キーワードと参照の境界も一緒に動かさざるを得ない。
【0368】
あるいは、修正の仕方として、境界位置を指定するのではなく、どの重みを増やすか減らすかだけを指定する方法なども考えられる。例えば、棒グラフのアクセス頻度の範囲をペンやマウスで選択することで、アクセス頻度の重みを所定の量だけ増やす、などという形である。1回の選択で増える量は少なくしておき、所望の重みになるまで、何回か選択してやればよい。増えた重みの分は、他の範囲を減らす。減らす重みの量を、単純に残りの範囲の数で割って、それぞれ引いてもよいし、残りの範囲の重みの比に応じて、減らす量を割り振ってもよい。
【0369】
また、選択操作で重みを増やすのか減らすのかを、メニューやアイコンなどを使って選べるようにするのもよい。
【0370】
重みを修正した時、総合重要度グラフ、管理方法判定グラフ、確信度、推定管理方法の反転なども連動して変更されるようにすると、どのように修正すればどういう結果が得られるのかという傾向を、ユーザが知ることができ、修正がし易いという利点が出てくる。特に、範囲を選択して重みを少しずつ増減させる場合、総合重要度グラフ、管理方法判定グラフ、確信度などの表示が一種のアニメーションのように変わっていくので、効果が高い。
【0371】
重みが、アクセス頻度は「0.5」、キーワード、参照数、カテゴリの重みは「0.167」の時の、総合重要度は、
アクセス頻度:0.2×0.5=0.1
キーワード:0.8×0.167=0.133
参照数:0.8×0.167=0.133
カテゴリ:0.8×0.167=0.133
となる。総合重要度グラフ中のアクセス頻度、キーワード、参照数、カテゴリの部分の幅が、上記の値となっている。なお、これらの値は上の数直線に合わせた幅として提示されている。図10では、アクセス頻度の部分は、幅が小さいので文字も表示できず、線のようになってしまっていたが、図15では、ユーザによる重みの修正の結果、アクセス頻度の部分の幅が他の部分と同程度となっている。
【0372】
上記の値を足すと、0.1+0.133+0.133+0.133=0.5となり、推定される総合重要度である推定重要度は、「0.50」となる。これは右上の「推定重要度:0.50」としても提示されている。なお、確信度についても、先に説明した方法により、「0.38」となり、右上の「確信度:0.38」として提示されている。
【0373】
総合重要度が0.5なので、先に説明した推定管理方法を決定する方法により、新たな推定される管理方法は、「第2データベースへ移動」となる。図15では、総合重要度グラフの右端の矢印が、管理方法判定グラフ中の「移動」の所を指し、「移動」が反転表示され、新たな推定される管理方法が「移動」(第2データベースへ移動)であることを示している。
【0374】
図10と図15を比べると、重みをユーザが修正することで、推定される管理方法を修正することができるようになることが分かる。
【0375】
なお、図15では、修正後の状態を図10と同じように表示させているが、修正や変更がある部分を目立たせるように表示してもよい。例えば、重みのグラフや総合重要度グラフ、管理方法判定グラフ、推定重要度、確信度などのうち、図10の状態から変更があるものは赤い色で表示するとか、点滅表示する、などという方法が考えられる。
【0376】
また、どのように変更されたが分かりやすいように、変更以前の状態(図10の状態)を薄い色や点線などで表示するなどの方法も有効である。
【0377】
図14と図15の修正/変更の方法の違いを説明すると、図14の方法では、ユーザは推定方法などは構わず、推定される管理方法という結論だけを直接指定している。ユーザが、その管理データについて、提示情報などを元に、どう処理すべきかはっきり分かっている場合は、図14のような方法の方が手っ取り早いという利点がある。但し、後で説明する推定方法の修正などが難しくなるという欠点がある。
【0378】
図15の方法では、ユーザは推定される管理方法という結論を直接指定せず、推定方法を修正するという間接的な指定を行っている。ユーザが、その管理データについて、提示情報などを元に、どう処理すべきかはっきり分かっていない場合は、図15のような方法の方が判断し易い/修正し易いという利点がある。また、後で説明する推定方法の修正などが容易となるという利点もある。逆に図14の方法と比べて、修正の手間がかかるという欠点もある。
【0379】
図16は、S2−4で求めた確信度に応じて、ユーザが推定された管理方法を指定しやすい(了承しやすい)ように、図11を変更して表示させた例である。図16では、図11より確信度が高い場合の例であり、「決定」ボタンが大きくなっている。
【0380】
確信度が高いということは、それだけ推定精度が高いという確率が高いので、ユーザが、推定された管理方法をそのまま指定する確率が高くなる。従って、推定された管理方法を指定しやすいように、例えば、「決定」ボタンを大きくするなどの表示を行う。これによって、ユーザの利便性が高まる効果が出てくる。
【0381】
なお、「決定」ボタンを大きく表示する以外にも、様々な方法が考えられる。例えば、ボタンの色を目立つような色にしたり、点滅させたり、位置を変えたり、などの方法である。
【0382】
次に図1のS5の処理、すなわち管理方法推定手段2が、管理方法指定手段4から得られる指定/修正、および過去の指定/修正を使って、推定方法や更新条件などを修正する処理の詳細について説明する。
【0383】
修正する対象としては、図6(a)で説明した更新条件や、図6(b)で説明した推定方法で使われる、条件式30、推定式40、計算式43、46、重み44,47、パラメータ41、42などになる。
【0384】
推定方法や更新条件を修正する方法は、色々考えられる。また、修正する対象の管理データによっても変わってくる。
【0385】
例えば、単純な方法として、新たに登録する管理データの更新条件や推定方法を求める場合を考えてみる。なお、「修正」とは、既存のものに対する変更を言うのが普通だが、ここでは、新たに登録する管理データの更新条件や推定方法を求める処理も、まとめて「修正」に含まれるとしておく。
【0386】
最も簡単な修正方法として、ユーザの修正をそのまま反映させる方法が考えられる。例えば、図15で説明した例のように、ユーザが重みを修正したら、その重みを図6(b)の推定方法の重み44,47の項目に設定すればよい。これにより、今後、この管理データの重要度の算出において、ユーザの指定/修正した重みを使って重要度を算出でき、ユーザの価値基準が反映された方法(この場合、重み)で推定できることができるようになる。
【0387】
ユーザの修正をそのまま反映できない場合として、図14で説明した例などが考えられる。図14の例では、ユーザが推定方法でなく、管理方法を直接指定する場合は、どのような重みにすればよいのかを直接知ることはできない。そこで、指定された管理方法となるような重みを推定する必要がある。
【0388】
図17は、図1のS5の処理において、指定された管理方法となるような重みを推定する処理の一例を説明するフローチャート図である。
【0389】
P40を経たS5−1では、管理方法推定手段2が、最初の重み候補を設定して、S5−2へ処理が進む。
【0390】
重み候補とは、推定する重みの候補である。重み候補の選び方は色々考えられるが、例えば、重みを所定の単位(例えば0.1単位)に限定してしまい、その全ての組み合わせを使う方法が考えられる。図14では、「アクセス頻度」、「キーワード」、「参照数」、「カテゴリ」の4つの重みから総合重要度を求めているので、順に0.1ずつ変えて、和が1となるものを選び出せばよい。
【0391】
重みの組み合わせを考えてみると、例えば、最初は「0、0、0、0」、次は「0、0、0、0.1」、次は「0、0、0、0.2」などとなり、「0、0、0、1」の次は、「0、0、0.1、0」となる。これらの組み合わせの中から、重みの和が1となる組み合わせを求める。この例では、最初に和が1となる組み合わせは「0、0、0、1」で、次は「0、0、0.1、0.9」である。和が1となる組み合わせに関しては、ここで説明した方法よりも効率的な方法も考えられるが、ここでは最も単純な方法で説明する。重み変更の単位も、ここでは0.1単位で説明しているが、別の単位でも構わない。
【0392】
S5−2では、管理方法推定手段2が、現在の重み候補から、総合重要度およびそれから導かれる管理方法を求めて、S5−3へ処理が進む。総合重要度や管理方法の求め方に関しては、図9などに基づいて前記説明した方法を使えばよい。
【0393】
S5−3では、管理方法推定手段2が、現在の重み候補、S5−2で求めた総合重要度、管理方法を記録して、S5−4へ処理が進む。記録方法については特に問わない。例えば、表形式や配列のような形でよい。
【0394】
S5−4では、管理方法推定手段2が、現在の重み候補が最後の重み候補かどうか判断し、最後ならばS5−5へ処理が進み、最後で無ければS5−6へ処理が進む。最後かどうかは、重み候補の決め方にもよるが、S5−1で説明した方法ならば、「1、0、0、0」が最後となる。
【0395】
S5−5では、管理方法推定手段2が、S5−3で記録されている重み候補、総合重要度、管理方法の組の一覧から、現在の指定管理方法に最も適合する重み候補を求め、S5で修正する重み/推定方法として、P50を経てS5の処理を抜ける。
【0396】
現在の指定管理方法に最も適合する重み候補を求めるには、重み候補、総合重要度、管理方法の各組について、管理方法が実際の管理方法と一致するかどうかを判断する。全ての組中で、管理方法が最も一致するものを、最も適合する重み候補であると判断すればよい。
【0397】
S5−6では、管理方法推定手段2が、次の重み候補を設定して、S5−2へ処理が戻る。
【0398】
以上のS5−1からS5−6の処理で、図1のS5の処理、すなわち指定された管理方法となるような重みを推定する処理を行うことができる。
【0399】
なお、S5の処理は、この管理データ(第1のデータ)に限らず、他の既存の管理データ(第2のデータ)や新たに登録する管理データ(第2のデータ)に関しても、重みを推定するようにしてもよい。S5−5で、最も適合する重み候補を求めているが、単独の管理データでは、管理方法が一致する組(関連度の高い組)は複数出てくる場合がある。これは、図14のように管理方法だけ指定される場合は、管理方法が一致するかどうかしか判断できない為である。
【0400】
複数の管理データについて、重みを推定するようにすると、各管理データの管理方法が一致するかどうかが管理データ数分求められるので、それだけで全体の一致度にばらつきが出て、よりユーザの意向に沿った重みが求められる可能性が高くなる。
【0401】
その際、単に管理方法が一致する、一致しないだけでなく、推定される総合重要度を一致の度合い(関連度)として使ってもよい。例えば、推定される総合重要度から「削除」が推定されるが、実際の管理方法は「移動」の場合、推定される総合重要度と、「削除」と「移動」の判断の閾値との差がどのくらい離れているかを、一致の度合いとして使うことができる。管理方法が一致する場合は差は0と考えればよい。管理方法が一致しない場合、原理的には差は最大で1.0となりうる。
【0402】
この場合、例えば、全ての組で差の和をとり、差の和が最も小さいものが最も適合すると判断できる。
【0403】
また、他の既存の管理データや新たに登録する管理データに関しても、重みを推定する場合、全ての管理データの重みを推定して変更してもよいし、一部の管理データ(第2のデータ)だけ、例えば、ユーザが修正した管理データ(第1のデータ)と同じカテゴリの(関連度の高い)管理データ(第2のデータ)だけ変更する、などとしてもよい。
【0404】
なお、図15などのように、ある管理データ(第1のデータ)の重みがユーザにより直接指定される場合、同様に、他の管理データ(第2のデータ)の重みを上記直接指定された重みに変更してしまってもよい。重みの変更の対象となる他の管理データ(第2のデータ)も同様に、全部の管理データであったり、一部の管理データであったりする。
【0405】
S5では、主に推定方法の修正を例にあげて説明したが、更新条件についても、更新条件の推定方法さえあれば、同様の方法で修正することができる。つまり、更新条件についても推定方法同様、ユーザの指定を基にして推定すればよい。
【0406】
図18は、ユーザが更新条件を確認したり、指定したりする際に使われるインターフェースの例を示す図である。各項目は、図7の更新条件の各項目にほぼそのまま相当する。「AND」から「自動更新」まで、ラジオボタンがついており、選択された項目は黒丸となっており、選択されていない項目は白丸となっている。これは図7の条件フラグが立っているかどうかに相当する。
【0407】
「有効期限」や「参照数」、「最大履歴数」などは、ラジオボタンの横の編集可能な枠で、日時や数字が指定できるようななっている。「更新に合わせるデータ」を指定する際は、管理データ一覧などから選ぶようにする。「拡張条件」は、先に説明した条件の記述の方法に応じて指定することになる。「更新後の予定管理方法」は、例えば、図10などの管理方法の提示/指定インターフェースと同様のインターフェースで指定すればよい。
【0408】
図18のインターフェース画面は、例えば、図10の「詳細...」ボタンを押すと出てくるなどとしてもよい。
【0409】
図18のようなインターフェース画面を使って指定された更新条件から、他の管理データや新たな管理データの更新条件を推定するには、色々な方法が考えられる。
【0410】
例えば、有効期限については、有効期限までの残り時間に着目すれば、他の管理データの有効期限の推定にも使える。例えば、ユーザが指定する残り時間の平均を取ればよい。2年後と指定する場合が多ければ、他の管理データの有効期限も2年後と推定すればよい。
【0411】
あるいは、総合重要度と関連させて、総合重要度が高いほど残り時間が長いとして、総合重要度と残り時間とを関係付ける関係式や係数などを推測してやればよい。
【0412】
参照数や最大履歴数など、数字を使う項目に関しても有効期限と同様の考え方で推定すればよい。
【0413】
各項目の条件を使うかどうかの判断は、有効期限などのように度合いを表すものではなく、使うか使わないかの二者択一となる。
【0414】
最も単純な推定方法としては、ユーザの過去の指定で、統計的に最も多い指定方法を使う方法である。例えば、永久保存の指定は、過去100回中、23回だったとしたら、43/100=0.43より、43%の確率である。確率50%を閾値とすれば、43%では閾値を下回るので、永久保存の指定はしないと推定すればよい。
【0415】
なお、ここでは単純に回数のみで確率を求めたが、ユーザの指定が時間的に近いほど重要視する、などしてもよい。例えば、過去1年以内の指定は2倍の重みを付けるとして、43回中、20回が過去1年以内だとすれば、
((43−20)+20×2)/100=(23+40)/100=0.63
より、63%の確率なので、永久保存の指定をすると推定すればよい。
【0416】
なお、重みのつけかたについては様々な考え方がある。例えば、先の例の2倍の重みについても、分子の方だけ2倍にすると100%を超える場合もでてくるので、分母の方も2倍としてもよい。つまり、2回指定があったとみなすわけである。すると
((43−20)+20×2)/((100−20)+20×2)=(23+40)/(80+40)=0.525
より、52.5%の確率となる。
【0417】
また、これでは指定しなかった場合についての重みが入っていないので、それを分母に反映させてもよい。例えば、先の例で、過去100回中、1年以内に永久保存を指定しなかった場合が15件あるとすると、
((43−20)+20×2)/((100−20−15)+(20+15)×2)=(23+40)/(65+70)=0.467
より、46.7%の確率となる。
【0418】
また、重みをつける対象についても、時間だけでなく、例えば、カテゴリなどで重みなどをつけてもよい。同じカテゴリの管理データの指定については重みを増すなどという場合である。カテゴリだけでなく、参照関係がある管理データ間でも、重みを増すなどしてもよい。
【0419】
このように、各項目を指定するか、しないかの推定でも、考慮する要素の組み合わせや重みのつけかたなどによって、様々な推定方法が考えられる。考慮する要素が増える場合、管理方法の推定で図10などを使ったように、更新条件についても同様のインターフェース画面を使用してもよい。どの要素を組み合わせるか、それぞれの重みはどうするか、などを図10同様、指定してやればよい。その指定の仕方を推定にフィードバックできるので、推定精度が高まる可能性が出てくる。
【0420】
なお、管理データを更新条件に従って更新処理をするタイミングは、常に更新すべき状態かどうかチェックする必要は必ずしもない。定期的、あるいは何か管理データを処理した時などのタイミングでチェックすれば、通常は十分である。
【0421】
例えば、1日に1回、有効期限が切れている管理データがないか、参照数が閾値以下となっている管理データがないかなどを、チェックすればよい。
【0422】
あるいは、ある管理データを削除するタイミングで、その管理データを参照していたり、更新に合わせるデータに指定している更新条件を持つ管理データを抽出したりして、チェックする方法などが考えられる。同様に、ある管理データの中身を変更した場合、その管理データの履歴として記録されている管理データ数と最大履歴数を比較して、チェックする方法が考えられる。
【0423】
通常は管理データの削除や変更にあわせたタイミングで、有効期限や参照数などの比較的単純にチェックしやすいものをチェックし、拡張条件など、複雑な条件が設定されている場合などは、定期的なチェックで精査するなどすると効率がよい。
【0424】
なお、図12や図10、図18などのインターフェース画面で、ここで説明した以外に、個別の情報の詳細を見たり、修正したい場合は、別途ボタンを設けたり、バランスグラフなどをダブルクリックするなどして、別のウィンドウを使って提示してもよい。
【0425】
以上のようにして、管理データの管理方法や更新条件などについて、ユーザインターフェースなどを用いて分かりやすく提示し、ユーザが簡単に修正できるようにし、またその修正などを使って、管理方法や更新条件を推定して提示し、必要があればユーザがさらに推定結果を修正できるようにすることで、データ管理に関して、ユーザの手間をできるだけ減らしながら、データに応じた適切なデータ管理方法などを決めることができるようになる効果が出てくる。
【0426】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0427】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0428】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,等を用いることができる。
【0429】
また、上記プログラムコードは、通信ネットワークのような伝送媒体を介して、他のコンピュータシステムからデータ管理決定装置の主記憶74または外部記憶75へダウンロードされるものであってもよい。
【0430】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0431】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0432】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードを格納することになる。
【0433】
本発明は上述した各実施形態に限らず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0434】
なお、本発明は、以下のデータ管理方法、データ管理決定装置として構成することもできる。
【0435】
各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定ステップと、管理方法推定ステップでの推定の過程の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示ステップと、ユーザが新たな管理方法を指定する管理方法指定ステップと、を有する第1のデータ管理決定方法。
【0436】
前記第1のデータ管理方法の、前記管理方法指定ステップにおいて、推定に使われる情報および/または推定方法をユーザが変更することで、管理方法推定ステップで新たに推定される管理方法を、ユーザが指定するものであってもよい。
【0437】
前記第1のデータ管理方法は、推定過程提示ステップにおいて、推定に使われる情報を時間経過による変化と共に提示するものである第2のデータ管理方法。
【0438】
前記第1のデータ管理方法は、推定過程提示ステップにおいて、データの少なくとも一部の出力形態を提示するものであってもよい。
【0439】
前記第1のデータ管理方法は、管理方法推定ステップにおいて、推定される管理方法の確信度を求め、推定過程提示ステップにおいて、推定される管理方法の確信度を提示するものであってもよい。また、管理方法指定ステップにおいて、確信度が高いほど、推定される管理方法を指定しやすくするものであってもよい。
【0440】
前記第1および第2のデータ管理方法は、管理方法指定ステップでの指定後、管理方法推定ステップにおいて、過去に管理方法指定ステップでユーザーが指定した管理方法と、管理方法推定ステップで推定される管理方法との違いが少なくなるように、推定に使われる情報および/または推定方法を変更するものであってもよい。
【0441】
前記第1および第2のデータ管理方法は、管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法が、データ毎に設定可能で、他のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果を使って、別のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を変更するものであってもよい。また、他のデータの推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果を使って、別のデータの推定に使われる情報および/または推定方法を変更する際、互いのデータの関連度が強い程、前記変更結果の影響を強く受けて変更するものであってもよい。
【0442】
前記第1のデータ管理方法は、前記管理方法推定ステップにおいて、推定する管理方法を、データの重要度が高いほど、データアクセスが速い管理方法とするものであってもよい。
【0443】
前記第1および第2のデータ管理方法は、データの管理方法の情報に管理方法を更新する条件の情報が含まれ、前記条件が満たされ、データの管理方法が更新される時、データの新たな管理方法を決定するものであってもよい。
【0444】
第1のデータ管理決定装置は、各データの管理方法を決定するデータ管理決定装置であって、各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定手段と、管理方法推定手段での推定の過程の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示手段と、決定方法提示手段による提示を行いながら、あるいは提示後に、ユーザが新たな管理方法を指定する管理方法指定手段と、を有するもとして構成することができる。
【0445】
また、本発明は、前記各データ管理方法が備える各ステップを、コンピュータに実行させるためのデータ管理決定プログラム、前記第1のデータ管理決定装置が備える各手段として、コンピュータを機能させるためのデータ管理決定プログラム、あるいは、これらデータ管理決定プログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。
【0446】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るデータ管理決定方法は、各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定ステップと、管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示ステップと、当該提示した情報に対するユーザの指定に応じて、データ管理決定装置が新たな管理方法を決定する管理方法指定ステップとを有するものである。
【0447】
本発明の方法を使わずに、つまり管理方法の推定や推定過程の提示無しに、ユーザが新たな管理方法を決定しようとすると、そのデータの内容などをユーザ自らが閲覧操作などをして確認し、その内容などから、どう管理すべきかを判断する必要がある。
【0448】
しかし、本発明のように、データの内容などから新たな管理方法を推定して、推定される管理方法を提示することで、新たな管理方法を指定する際に、提示される管理方法を参考にすることができるという効果が出てくる。これは判断の手間を省く効果とも言える。
【0449】
また、管理方法の推定の精度が高ければ、つまり、推定される管理方法とユーザの意向が一致する確率が高ければ、ユーザによる新たな管理方法の指定のための操作は、推定/提示される管理方法をそのまま了承するだけで済むことが多くなる。何も推定が無ければ、全ての場合において、ユーザ自らが管理方法の一覧から選ぶなどして、指定し管理方法を決定しなければならない。了承するだけで済むことが多ければ、指定操作が簡単なことが多いということになり、ユーザの手間が省ける効果が出てくる。
【0450】
また、提示において、データの内容などが自動的に提示されれば、データを選んで開く操作を省くことができ、ユーザの手間が省ける効果が出てくる。
【0451】
また、推定過程を提示することで、推定される管理方法が妥当かどうかを判断しやすくなり、そのデータの管理方法を一から考えるのに比べて、判断の手間を省く効果が出てくる。
【0452】
本発明に係るデータ管理決定方法は、管理方法決定装置が、前記管理方法指定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更が指定されたか否かについて判断し、変更が指定された場合に、前記管理方法推定ステップにより、当該変更された情報および/または推定方法を用いて新たな管理方法を再度推定するものであってもよい。
【0453】
本発明の方法を使わず、管理方法指定ステップで単に新たな管理方法を直接指定するだけだと、なぜ推定した管理方法と、ユーザが望む(ユーザが指定する)管理方法とが食い違ったのかの原因が分かりにくい。
【0454】
これに対し、本発明の方法を使うことで、ユーザが望む管理方法となるように、推定方法やパラメータなどが変更されるので、それ以降にデータの新たな管理方法を推定する場合に、推定精度を上げることができる効果が出てくる。
【0455】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記推定過程提示ステップは、管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、提示される情報の時間経過による変化をも提示するものであってもよい。
【0456】
これにより、例えば、データのアクセス数の時間経過による変化をグラフなどで提示したとすると。アクセス数の増減は、そのデータがその時によく使われているかどうかを表していると考えられる。よく使われているデータは重要なデータであると言えるので、消去などせず、保存しておくべきデータであろう、とユーザが判断する際の参考になるという効果が出てくる。
【0457】
また、例えば、どういうデータがユーザがよく覚えていなかったとして、そのデータが過去のいつ頃によく使われていたかが分かれば、その当時の仕事や生活に関連するデータであることが分かり、そのデータがどういうデータであるかを思い出し易くなるという効果もある。
【0458】
また、データの参照数の増減を提示したとすると、データの参照数の増減は、そのデータが他のデータからどのくらい必要とされているか/関連しているかを表していると考えられる。たとえ直接的なアクセスが少なかったとしても、参照されているということは、何らかの関連があると言える。アクセス数だけではすぐには分からないデータの別の側面の重要性などを知ることができ、誤った判断を防止する効果が出てくる。
【0459】
このように、推定に使われる情報を時間経過による変化と共に提示することで、そのデータの管理方法を判断する参考になるという効果などが出てくる。
【0460】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記推定過程提示ステップは、管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、管理方法推定ステップにおいて新たな管理方法を推定する前記データの少なくとも一部の出力形態を提示するものであってもよい。
【0461】
これによって、データがどういう内容であるかをユーザがすぐに知ることができるという効果が出てくる。それによって、新たな管理方法を指定する際の手間や時間を減らすことができる。
【0462】
本発明に係るデータ管理決定方法の、前記管理方法推定ステップは、各データの新たな管理方法を推定するとともに、推定された管理方法の確信度を求めるものであり、前記推定過程提示ステップは、管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の一部として、管理方法推定ステップおいて求められた確信度を提示するものであってもよい。
【0463】
確信度をユーザに提示することで、推定される管理方法の推定精度がどの程度かをユーザが予想することができる。確信度が低い場合は、推定が間違っている可能性も高いと思われるので、推定される管理方法がユーザの意向に沿っているかどうかを詳しくチェックすればよい。確信度が高い場合は、推定が合っている可能性も高いと思われるので、推定される管理方法がユーザの意向に沿っているかどうかをそれほど詳しくチェックせず、了承することができる。
【0464】
このように確信度を提示することで、推定される管理方法をどのぐらい注意して判断した方が良いかをユーザが知ることができ、ユーザの時間/処理を有効に使うことができる効果が出てくる。
【0465】
また、推定結果が間違っているかもしれないものには注意を傾けて判断することができるので、ユーザの意向に沿わない管理方法が推定されているのをそのまま了承してしまうミスを防ぐことができる効果も出てくる。
【0466】
本発明に係るデータ管理決定方法の前記管理方法指定ステップは、前記推定された管理方法の確信度に基づいて、当該推定された管理方法提示形態を変化させるものであってもよい。これにより、確信度が高いほど、推定される管理方法をユーザの指定管理方法として了承しやすくなり、了承処理の際のミスを減らすことができる効果が出てくる。
【0467】
また、逆に、推定される管理方法をユーザの指定管理方法としてどのくらい指定しやすくなっているかを見れば、その推定の確信度が直感的に分かる効果も出てくる。
【0468】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記管理方法推定ステップにおいて、データ管理決定装置が、過去に前記管理方法指定ステップでユーザにより指定された管理方法に基づいて、推定に使われる情報および/または推定方法を変更するものであってもよい。
【0469】
このように、過去に管理方法指定ステップでユーザが指定した管理方法とより一致するように、推定に使われる情報や推定方法を変更することで、今後の推定精度を高めることができる効果が出てくる。
【0470】
本発明に係るデータ管理決定方法の前記管理方法推定ステップは、管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法をデータ毎に設定可能であり、第1のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を変更するものであってもよい。これにより、全てのデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を指定する必要がなくなり、関連するデータの内の一部のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を指定するだけで済むので、ユーザの手間が減る効果が出てくる。
【0471】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記管理方法推定ステップは、前記データ管理決定装置が前記第1のデータと第2のデータとの関連度を計算し、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を、前記第1のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて変更する際に、計算された関連度により補正するものであってもよい。
【0472】
データ間の関連が強いほど、そのデータは一緒に使用される確率が高いと言え、その為、管理方法も似た管理方法でよいといえる。
【0473】
このように、データ間の関連が強い程、近い推定方法とすることになり、推定精度が高まる可能性が高くなる効果が出てくる。
【0474】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記管理方法推定ステップにおいて、前記データ管理決定装置が、新たな管理方法を推定するデータの重要度を自動的に計算し、当該計算されたデータの重要度が高いほど、データアクセスが速い管理方法を新たな管理方法として推定するものであってもよい。
【0475】
重要度が高いデータは、頻繁にアクセスされる確率が高い、あるいはデータを利用するまでに時間がかかると不便である確率が高いと思われる。
【0476】
従って、重要度が高いデータほど、データアクセス速度が速くなる管理方法として推定することで、よく使われるデータや敏速性が求められるデータを高速にアクセスすることができるようになり、ユーザの利便性が増す効果が出てくる。
【0477】
本発明に係るデータ管理決定方法は、前記データの管理方法の情報には、当該管理方法の更新に関する更新条件が含まれており、前記更新条件が満たされた場合に、前記データ管理決定装置は、前記管理方法推定ステップにより自動的に新たなデータの管理方法を推定するものであってもよい。
【0478】
データの管理方法の更新条件を定めておくことで、管理方法を更新するタイミングを自由に設定することができるようになり、管理方法の柔軟性が高まる効果が出てくる。例えば、更新条件として有効期限を設定しておけば、有効期限までの間、データが削除されないことを保障するデータ管理ができることになる。これは単に記録先を決めるだけの管理方法よりは、柔軟な管理方法であるといえる。
【0479】
また、例えば、管理方法の更新をユーザの指定によるタイミングでやる場合、更新すべきタイミングを考える手間が増えたり、適切なタイミングを逃してしまったり、更新を忘れてしまうという問題があるが、管理方法の更新条件を定めておくことで、これらの問題を解決できる。そして、管理方法を半自動的かつ継続的に更新させることが可能となる効果が出てくる。
【0480】
また、データの管理方法の更新条件も推定することで、ユーザが更新条件を指定する際の参考になる効果が出てくる。
【0481】
本発明に係るデータ管理決定装置は、 各データの管理方法を決定するデータ管理決定装置であって、各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定手段と、管理方法推定手段での推定の過程の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示手段と、推定過程提示手段による提示を行いながら、あるいは提示後に、ユーザの指定に応じて新たな管理方法を決定する管理方法指定手段と、を有するものである。
【0482】
本発明に係るデータ管理決定プログラムは、上記データ管理決定が備える各ステップをコンピュータに実行させるもの、または、上記データ管理決定装置が備える各手段として、コンピュータを機能させるものである。
【0483】
これにより、本発明のデータ管理方法の効果として前述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0484】
本発明に係る情報記録媒体は、上記データ管理決定プログラムを記録したものである。
【0485】
これにより、上記記録媒体、またはネットワークを介して、一般的なコンピュータにデータ管理決定プログラムをインストールすることによって、該コンピュータを用いて上記のデータ管理決定方法を実現する、言い換えれば、該コンピュータをデータ管理決定装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施一形態のデータ管理決定方法全体の流れを示すフローチャート図である。
【図2】本発明のデータ管理決定装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のデータ管理決定装置の各手段を具体的に実現する装置の構成例を説明するブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態のデータ管理決定装置の外観例を示す模式的な斜視図である。
【図5】(a)は、管理データのデータ構造の一例を説明する説明図であり、(b)は、管理データ属性のデータ構造の一例を説明する説明図である。
【図6】(a)は、更新条件のデータ構造の一例を説明する説明図であり、(b)は、推定方法のデータ構造の一例を説明する説明図である。
【図7】条件式のデータ構造の一例を説明する説明図である。
【図8】推定される管理方法に関する情報のデータ構造の一例を説明する説明図である。
【図9】新しい管理方法を推定する処理の一方法を説明するフローチャート図である。
【図10】新たな管理方法の推定の過程で使われる情報や推定方法などの情報を提示する方法において情報が表示された表示部の画面の一例を説明する説明図である。
【図11】予定されている管理方法と推定される管理方法の情報をユーザに提示する方法において情報が表示された表示部の画面の一例を説明する説明図である。
【図12】管理データの情報の詳細をユーザに提示する方法において情報が表示された表示部の画面の一例を説明する説明図である。
【図13】各軸の重要度の時間変化を折れ線グラフとして提示した例を説明する説明図である。
【図14】推定された管理方法ではなく、別の管理方法をユーザが指定する様子を説明する説明図である。
【図15】ユーザが推定方法を修正する様子を説明する説明図である。
【図16】確信度に応じて、ユーザが推定された管理方法を指定しやすいように、図11を変更して表示させた情報が表示された表示部の画面の例を説明するの説明図である。
【図17】指定された管理方法となるような重みを推定する処理の一例を説明するフローチャート図である。
【図18】ユーザが更新条件を確認したり、指定したりする際に使われるインターフェースの例を示す図である。
【符号の説明】
1 データ/管理方法取得手段
2 管理方法推定手段
3 推定過程提示手段
4 管理方法指定手段
5 管理方法設定手段(管理方法指定手段)
Claims (15)
- データ管理決定装置が各データの管理方法を決定するデータ管理決定方法であって、
各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定ステップと、
管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示ステップと、
当該提示した情報に対するユーザの指定に応じて、データ管理決定装置が新たな管理方法を決定する管理方法指定ステップと、を有することを特徴とするデータ管理決定方法。 - 前記推定過程提示ステップにおいて管理方法決定装置がユーザに提示する情報には、前記管理方法推定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法が含まれており、
管理方法決定装置が、前記管理方法指定ステップにおいて管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更が指定されたか否かについて判断し、変更が指定された場合に、前記管理方法推定ステップにより、当該変更された情報および/または推定方法を用いて新たな管理方法を再度推定することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理決定方法。 - 前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、提示される情報の時間経過による変化をも提示することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理決定方法。
- 前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の少なくとも一部をユーザに提示するとともに、前記管理方法推定ステップにおいて新たな管理方法を推定する前記データの少なくとも一部の出力形態を提示することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理決定方法。
- 前記管理方法推定ステップは、各データの新たな管理方法を推定するとともに、推定された管理方法の確信度を求めるものであり、
前記推定過程提示ステップは、前記管理方法推定ステップでの推定の過程において用いられる情報の一部として、管理方法推定ステップおいて求められた確信度を提示することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理決定方法。 - 前記管理方法指定ステップは、前記推定された管理方法の確信度に基づいて、当該推定された管理方法提示形態を変化させることを特徴とする請求項5に記載のデータ管理決定方法。
- 前記管理方法推定ステップにおいて、データ管理決定装置が、過去に前記管理方法指定ステップでユーザにより指定された管理方法に基づいて、推定に使われる情報および/または推定方法を変更することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ管理決定方法。
- 前記管理方法推定ステップは、管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法をデータ毎に設定可能であり、
第1のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を変更することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のデータ管理決定方法。 - 前記管理方法推定ステップは、前記データ管理決定装置が前記第1のデータと第2のデータとの関連度を計算し、第2のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法を、前記第1のデータの管理方法の推定に使われる情報および/または推定方法の変更結果に基づいて変更する際に、計算された関連度により補正することを特徴とする請求項8に記載のデータ管理決定方法。
- 前記管理方法推定ステップにおいて、データ管理決定装置が、
新たな管理方法を推定するデータの重要度を自動的に計算し、当該計算されたデータの重要度が高いほど、データアクセスが速い管理方法を新たな管理方法として推定することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理決定方法。 - 前記データの管理方法の情報には、当該管理方法の更新に関する更新条件が含まれており、
前記更新条件が満たされた場合に、データ管理決定装置は、前記管理方法推定ステップにより自動的に新たなデータの管理方法を推定することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のデータ管理決定方法。 - 各データの管理方法を決定するデータ管理決定装置であって、
各データの新たな管理方法を推定する管理方法推定手段と、
管理方法推定手段での推定の過程の少なくとも一部をユーザに提示する推定過程提示手段と、
推定過程提示手段による提示を行いながら、あるいは提示後に、ユーザの指定に応じて新たな管理方法を決定する管理方法指定手段と、を有することを特徴とするデータ管理決定装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載のデータ管理決定方法が備える各ステップを、コンピュータに実行させるためのデータ管理決定プログラム。
- 請求項12に記載のデータ管理決定装置が備える各手段として、コンピュータを機能させるためのデータ管理決定プログラム。
- 請求項13または14に記載のデータ管理決定プログラムを記録した記録媒体。
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