JP2004226687A - 鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、組み立て作業性が良く、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。
【解決手段】鍵盤シャーシ1と、この鍵盤シャーシ1上に回動可能に配置された鍵2と、この鍵2の押鍵操作に伴って回動変位して鍵2にアクション荷重を付与するハンマーアーム3とを備えた鍵盤装置において、鍵2に延出部27を鍵2の下方に突出させて延設し、この延出部27の下部に上下一対の板部30、31からなるハンマー保持部29を設けた。従って、押鍵時に一対の板部30、31が弾性変形せずに鍵2の動作をハンマーアーム3に伝えるので、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。また、鍵の下方に延設された延出部27の下部にハンマー保持部29を設けたので、その構造が簡単で、その製作も容易にできるほか、ハンマー保持部29に鍵当接部19が挿入しやすく、組み立て作業性が良い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子ピアノなどの鍵盤楽器に用いられる鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子ピアノなどの鍵盤楽器においては、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得るために、鍵の下側に錘を有するハンマーアームを上下方向に回動可能に設け、鍵の押鍵操作に伴ってハンマーアームがその錘の重量に抗して回動することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−352978(P2000−352978A)
【0004】
この種の鍵盤楽器は、鍵の内部にハンマーアームの一端部である鍵当接部が挿入する中空部を設け、この中空部に上弾性部と下弾性部とからなる弾性体を設け、この弾性体の上弾性部と下弾性部とで鍵当接部を上下方向から弾力的に挟むことにより、押鍵時および離鍵時にハンマーアームの鍵当接部が鍵の中空部内で振動しても、その振動を弾性体の上弾性部と下弾性部とによって吸収し、ハンマーアームの振動が鍵に伝わらないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような鍵盤楽器では、ハンマーアームによって鍵に所定のアクション荷重を付与することはできても、押鍵時および離鍵時に弾性体の上弾性部と下弾性部とが弾性変形するため、鍵を強く押鍵したときに、鍵の押鍵動作に対するハンマーアームの回動動作に遅れが生じることになり、このためアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られないという問題があるほか、押鍵操作に応じて常に弾性体の上弾性部と下弾性部とが弾性変形するため、上弾性部と下弾性部との耐久性にも問題がある。
【0006】
また、このような鍵盤楽器では、鍵の内部にハンマーアームの鍵当接部が挿入する中空部を設け、この中空部に弾性体を設けるときに、弾性体の上弾性部と下弾性部とを弾性変形可能に設けなければならないため、その構造が複雑であるばかりか、鍵に弾性体を一体に成形する場合、その成形用の金型が極めて複雑な構造になり、その製作が面倒で、鍵の製作コストが高くなるという問題もある。さらに、この鍵盤楽器では、弾性体が鍵の内部の中空部内に位置し且つ鍵の上面に接近して設けられているので、ハンマーアームの鍵当接部を弾性体に挟み込む際に、弾性体が見えにくいばかりか、ハンマーアームの鍵当接部を弾性体に挿入しにくいため、組み立て作業性も悪いという問題もある。
【0007】
この発明の課題は、簡単な構造で、耐久性および組み立て作業性が良く、且つアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が良好に得られるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。なお、各構成要素には、後述する各実施形態の項で説明される各要素に付されている図面の参照番号などを括弧と共に付す。
請求項1に記載の発明は、図1〜図14に示すように、鍵盤シャーシ(1、40)と、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に配置された複数の鍵(2)と、これら複数の鍵それぞれに対応して配置され、前記鍵の押鍵操作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するハンマーアーム(3、41)とを備えた鍵盤装置において、前記鍵に延出部(27)を前記鍵の下方に突出させて延設し、この延出部の下部に前記ハンマーアームの一端部(鍵当接部19、62)が挿入する上下一対の板部(30、31)からなるハンマー保持部(29)を設けたことを特徴とする鍵盤装置である。
【0009】
この発明によれば、鍵の延出部に設けられてハンマーアームの一端部(つまりハンマーアームの鍵当接部)が挿入するハンマー保持部を上下一対の板部で構成したので、押鍵時および離鍵時においてハンマー保持部の一対の板部が弾性変形することがなく、このため鍵を強く押鍵したときでも、鍵の押鍵動作をハンマーアームに動作遅れが生じることなく伝えることができ、これによりアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を良好に得ることができる。また、鍵に延出部を鍵の下方に突出させて延設し、この延出部の下部にハンマーアームの一端部が挿入するハンマー保持部を設けたので、押鍵時および離鍵時にハンマーアームの振動が鍵の押鍵面に伝わりにくいばかりか、特にハンマー保持部が一対の板部で構成されているので、鍵の内部に上弾性部と下弾性部とからなる弾性体を設ける場合に比べて、構造が簡単で、その製作が容易にできると共に、耐久性をも高めることができるほか、ハンマー保持部の一対の板部が鍵の下方に露出しているので、ハンマー保持部が見やすくなり、このためハンマーアームの一端部をハンマー保持部に容易に挿入することができ、これにより組み立て作業性を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、図1〜図14に示すように、前記延出部(27)における前記ハンマー保持部(29)の上方に位置する個所に、前記鍵盤シャーシ(1、40)に設けられた鍵ガイド(12)によってガイドされるガイド部(28)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置である。
この発明によれば、ハンマー保持部の上方に位置する延出部に設けられたガイド部が鍵盤シャーシの鍵ガイドによってガイドされるので、鍵の横振れを防ぐことができると共に、ハンマーアームの横振れをも防ぐことができ、これにより鍵およびハンマーアームを上下方向に円滑に動作させることができるので、良好に押鍵操作をすることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、図1〜図14に示すように、前記ハンマー保持部(29)の前記一対の板部(30、31)が、前記鍵(2)の上面とほぼ平行に形成され、これら一対の板部における前記鍵の長手方向の長さがそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤装置である。
この発明によれば、ハンマー保持部の一対の板部における鍵の長手方向の長さがそれぞれ異なっているので、ハンマーアームの一端部が挿入するハンマー保持部の挿入口を広くすることができ、これによっても組み立て作業性の向上を図ることができる。特に、一対の板部のうち、下側の板部の長さが上側の板部よりも短く、且つ下側の板部における挿入側の端部がこれに対応する上側の板部の端部から挿入側と反対側に向けて離れていれば、ハンマー保持部の挿入口を下側に向けて十分に広くすることができるので、より一層、ハンマー保持部にハンマーアームの一端部を挿入しやすくすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、図6〜図14に示すように、前記ハンマーアーム(3、41)の前記一端部(鍵当接部62)に、前記ハンマー保持部(29)の前記一対の板部(30、31)間に弾性変形可能に挿入する弾性突起(65)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鍵盤装置である。
この発明によれば、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部に挿入するときに、ハンマーアームの一端部に設けられた弾性突起が弾性変形してハンマー保持部に挿入するので、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部に容易に且つ確実に挿入させることができ、これによっても組み立て作業性の向上を図ることができるほか、ハンマーアームの一端部がハンマー保持部に挿入すると、弾性突起が弾性復帰するので、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部の一対の板部間に確実に保持させることができると共に、押鍵時に弾性突起が弾性変形するので、ハンマーアームの振動を吸収して鍵に伝わらないようにすることもでき、これによっても良好に押鍵操作ができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、図1〜図5、図13および図14に示すように、前記鍵盤シャーシ(1)の下面に、前記ハンマーアーム(3)を回動可能に支持するハンマー支持部(13)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鍵盤装置である。
この発明によれば、鍵盤シャーシの下面にハンマー支持部を設けたので、鍵盤シャーシの下側にハンマーアームを配置することができ、このため鍵盤シャーシ上に鍵を配置した状態でも、ハンマーアームをハンマー支持部に容易に支持させることができる。このため、ハンマーアームを鍵盤シャーシに組み付ける前に鍵を鍵盤シャーシに組み付けても良く、また鍵を鍵盤シャーシに組み付ける前にハンマーアームを鍵盤シャーシに組み付けても良いので、より一層、組み立て作業性の良いものを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1〜図5を参照して、この発明の鍵盤装置の第1実施形態について説明する。
この鍵盤装置は、図1および図2に示すように、合成樹脂製の鍵盤シャーシ1と、この鍵盤シャーシ1上に上下方向に回動可能に設けられた合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただしここでは白鍵について説明する。)2と、これら複数の鍵2にそれぞれアクション荷重を付与するハンマーアーム3と、各鍵2の押鍵動作に応じてオン信号を出力するゴムスイッチ4とを備えている。
【0015】
鍵盤シャーシ1は、図1および図2に示すように、楽器本体の下部ケースを構成するものであり、合成樹脂により後述する各部が一体に形成されている。すなわち、鍵盤シャーシ1の前端部(図1では右端部)には、前カバー部5が底部側から上方に突出して形成されており、その後部側には、断面形状がほぼN字状の補強部5aが形成されている。この鍵盤シャーシ1の中間部における前側には、前側脚部6がほぼ垂直に形成されており、鍵盤シャーシ1の後端部には、後側脚部7がほぼ垂直に形成されている。これら前側脚部6と後側脚部7とは、前カバー部5の高さよりも少し低い高さに形成されており、この前側脚部6の上端部から後側脚部7の上端部に亘って載置部8が形成されている。
【0016】
この載置部8の下側は、その底部が開放された空間部に形成されており、この開放された底部は、図1および図2に示すように、底板10で塞がれるように構成されている。すなわち、この底板10は、鍵盤シャーシ1における前側脚部6の前側に位置する個所、および載置部8の中間部と後端部とに位置する個所にそれぞれ垂下された取付ボス9の下端部にビス11によって取り付けられている。また、この載置部8における前端部の上面には、図1および図2に示すように、鍵2の横振れを防ぐための鍵ガイド12がほぼ垂直に起立して形成されている。
【0017】
この鍵ガイド12の後方に位置する載置部8の下面には、ハンマーアーム3を回動可能に支持するハンマー支持部13が下側に向けて形成されている。また、この載置部8の中間部は、図1および図2に示すように、その断面形状がほぼW字状で且つその下面が後上がり(図1では左上がり)に傾斜して形成され、これにより載置部8の強度およびハンマーアーム3の回動範囲を確保するように構成されている。この載置部8の中間部には、その所定個所に複数の支持ボス15が載置部8の上方に少し突出した状態で形成されており、これら支持ボス15上には、スイッチ基板14が取り付けられている。さらに、載置部8の後部における上面には、鍵2の後端部を回動可能に支持する鍵支持部16が上方に突出して形成されている。
【0018】
一方、ハンマーアーム3は、図1および図2に示すように、鍵盤シャーシ1の載置部8の下側に配置されるアーム本体17と、このアーム本体17の後端部(図1では左端部)に設けられた錘部18と、アーム本体17の上部前端(図1では上部右端)に設けられた鍵当接部19と、アーム本体17における鍵当接部19の近傍に設けられた回動支持部20とを備えている。このハンマーアーム3は、鍵当接部19が鍵盤シャーシ1の前側脚部6に設けられたスリット状の切欠部21を通して鍵ガイド12の下側に突出し、錘部18が鍵支持部16の後部下方に位置し、この状態で回動支持部20が鍵盤シャーシ1のハンマー支持部13に設けられたハンマー支持軸22に上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0019】
この場合、鍵当接部19は、その上面が円弧面に形成され、下面が前上がり(図1では右上がり)の傾斜面に形成されている。また、このハンマーアーム3は、図1に示すように、通常は錘部18の重量によって下方に付勢され、この錘部18が底板10上に設けられたフェルトなどの下限ストッパ23に当接し、これにより所定の下限位置に位置規制されるように構成されている。さらに、このハンマーアーム3は、錘部18の重量に抗して鍵2が押鍵された際に、図2に示すように、錘部18が鍵盤シャーシ1の載置部8の後部下面に設けられたフェルトなどの上限ストッパ24に当接し、これにより所定の上限位置に位置規制されるように構成されている。
【0020】
鍵2は、図1および図2に示すように、その後端部(図1では左端部)の両側面に鍵取付孔部2aが設けられ、この鍵取付孔部2aが鍵盤シャーシ1の鍵支持部16に設けられた鍵支持軸25に回動可能に取り付けられ、これにより鍵支持軸25を中心に上下方向に回動するように構成されている。この鍵2の中間部には、鍵盤シャーシ1の載置部8上に取り付けられたスイッチ基板14のゴムスイッチ4を押圧するスイッチ押圧部26が形成されている。また、この鍵2におけるスイッチ押圧部26の前側に位置する個所、つまり鍵盤シャーシ1の鍵ガイド12に対応する個所には、延出部27が鍵2の下方に突出して延設されている。すなわち、この延出部27は、鍵2内の下面から鍵盤シャーシ1の鍵ガイド12を経て載置部8の下側に突出して形成されている。この延出部27の上部には、鍵ガイド12が挿入して上下方向にガイドされるガイド部28が鍵2の後方(図1では左側)に開放された状態で形成されている。
【0021】
また、この延出部27の下部、つまり載置部8の下側に突出した下部には、ハンマーアーム3の鍵当接部19が挿入するハンマー保持部29が形成されている。このハンマー保持部29は、図1および図2に示すように、鍵2の上面つまり押鍵面とほぼ平行な上下一対の板部30、31からなり、これら一対の板部30、31における鍵2の長手方向の長さがそれぞれ異なった構成になっている。すなわち、このハンマー保持部29は、一対の板部30、31のうち、下側の板部31の長さが上側の板部30よりも短く形成され、且つハンマーアーム3の鍵当接部19が挿入する挿入側(図1では左側)に位置する下側の板部31の端部が上側の板部30の端部から前側(同図では右側)に離れて形成され、これら一対の板部30、31間にハンマーアーム3の鍵当接部19を摺動可能に挿入して挟むように構成されている。
【0022】
また、この鍵2は、ハンマーアーム3の鍵当接部19によって上方に付勢され、通常は図1に示すようにハンマーアーム3の錘部18が下限ストッパ23に当接することにより、鍵2の初期位置である上限位置に位置規制されている。また、この鍵2は、ハンマーアーム3の錘部18の重量に抗して鍵2が押鍵されたときに、図2に示すように、錘部18が上限ストッパ24に当接することにより、下限位置に位置規制されるように構成されている。なお、ゴムスイッチ4は、スイッチ基板14上に配置されるゴムシートを備え、このゴムシートにドーム状の膨出部が形成され、この膨出部内に可動接点が設けられ、この可動接点がスイッチ基板14上の固定接点に接離可能に離間して対向し、押鍵動作に応じて鍵2のスイッチ押圧部26によって膨出部が押圧されたときに、膨出部が弾性変形して可動接点が固定接点に接触し、これによりオン信号を出力するように構成されている。
【0023】
次に、このような鍵盤装置を組み立てる場合について説明する。
この実施形態では、鍵盤シャーシ1上に鍵2を取り付けた後に鍵盤シャーシ1の下側にハンマーアーム3を取り付けても良く、また逆に、鍵盤シャーシ1の下側にハンマーアーム3を取り付けた後に鍵盤シャーシ1上に鍵2を取り付けても良い。このため、まず、前者の組み立て手順について説明する。
この場合には、図3に示すように、予め、スイッチ基板14を鍵盤シャーシ1の載置部8の各支持ボス15に取り付ける。この状態で、鍵2を鍵盤シャーシ1上に配置する。このときには、図4に示すように、鍵2の前部に位置する延出部27のガイド部28内に鍵盤シャーシ1の鍵ガイド12を挿入させると共に、鍵2のスイッチ押圧部26をスイッチ基板14のゴムスイッチ4に対応させ、この状態で鍵2の後端部の鍵取付孔部2aを鍵盤シャーシ1の鍵支持部16の鍵支持軸25に回動可能に取り付ける。
【0024】
そして、図4に示すように、鍵盤シャーシ1の底部側からハンマーアーム3を載置部8の下側に挿入し、このハンマーアーム3の鍵当接部19を鍵盤シャーシ1の前側脚部6に設けられたスリット状の切欠部21に挿入させ、この挿入した鍵当接部19を図1に示すように鍵2のハンマー保持部29の一対の板部30、31間に挿入すると共に、ハンマーアーム3の回動支持部20を鍵盤シャーシ1の載置部8の下面に設けられたハンマー支持部13のハンマー支持軸22に回動可能に取り付ける。この後、鍵盤シャーシ1の底部に底板10を取付ボス9にビス11によって取り付ける。これにより、鍵盤シャーシ1上に鍵2が上下方向に回動可能に取り付けられると共に、鍵盤シャーシ1の下側にハンマーアーム3が上下方向に回動可能に取り付けられる。
【0025】
また、後者の場合には、図5に示すように、まず、鍵盤シャーシ1の底部側からハンマーアーム3を挿入し、このハンマーアーム3の鍵当接部19を前側脚部6の切欠部21に挿入させると共に、ハンマーアーム3の回動支持部20を鍵盤シャーシ1の載置部8の下面に設けられたハンマー支持部13のハンマー支持軸22に回動可能に取り付ける。そして、鍵盤シャーシ1の底部に底板10を取り付けた後、鍵盤シャーシ1の載置部8上にスイッチ基板14を取り付ける。この状態で、鍵盤シャーシ1上に鍵2を配置し、この鍵2のハンマー保持部29にハンマーアーム3の鍵当接部19を挿入させると共に、鍵2のガイド部28内に鍵盤シャーシ1の鍵ガイド12を上下方向に摺動可能に挿入させる。この後、鍵2のスイッチ押圧部26をゴムスイッチ4に対応させて、鍵2の後端部の鍵取付孔部2aを鍵盤シャーシ1の鍵支持部16の鍵支持軸25に回動可能に取り付ける。これによっても、鍵盤シャーシ1上に鍵2を上下方向に回動可能に取り付けることができると共に、鍵盤シャーシ1の下側にハンマーアーム3を上下方向に回動可能に取り付けることができる。
【0026】
このように組み立てられた鍵盤装置では、図1に示すように、通常はハンマーアーム3がその錘部18の重量によって下方に付勢され、この錘部18が底板10上の下限ストッパ23に当接し、これによりハンマーアーム3が所定の下限位置に位置規制されると共に、このハンマーアーム3の鍵当接部19によって鍵2が上方に付勢されて所定の初期位置である上限位置に位置規制されている。この状態で、ハンマーアーム3の錘部18の重量に抗して鍵2を押鍵すると、図2に示すように、その鍵2が後端部の鍵支持軸25を中心に時計回りに回動する。このときには、鍵2の延出部27のガイド部28が鍵ガイド12によってガイドされるので、鍵2が横振れすることなく、円滑に鍵2の延出部27が下方に移動する。
【0027】
これと同時に鍵2の延出部27のハンマー保持部29がハンマーアーム3の鍵当接部19を押し下げるので、ハンマーアーム3がハンマー支持軸22を中心に時計回りに回動する。これにより、鍵2にハンマーアームの錘部18の重量に応じたアクション荷重が付与される。このときには、ハンマーアーム3の鍵当接部19が鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29の一対の板部30、31間に挿入されているので、鍵当接部19が一対の板部30、31間で摺動しながらハンマーアーム3を回動させることができると共に、ハンマー保持部29の板部30、31が弾性変形せずに、鍵2の回動動作がハンマーアーム3に確実に伝達されるので、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0028】
このように鍵2が回動してハンマーアーム3を回動させると、図2に示すように、鍵2のスイッチ押圧部26がゴムスイッチ4を押圧して、ゴムスイッチ4をオンさせた後、ハンマーアーム3の錘部18が鍵盤シャーシ1の載置部8の下面における後部に設けられた上限ストッパ24に当接し、これによりハンマーアーム3および鍵2の回動が停止する。なお、この後は、ハンマーアーム3がその錘部18の重量によって上記と逆の方向に回動するので、これに伴って鍵2も上記と逆の方向に回動し、これにより鍵2およびハンマーアーム3が図1に示す初期位置に戻る。
【0029】
このように、この鍵盤装置では、鍵2に延出部27を鍵2の下方に突出させて延設し、この延出部27の下部にハンマーアーム3の鍵当接部19が挿入する上下一対の板部30、31からなるハンマー保持部29を設けたので、押鍵時にハンマー保持部29の上下一対の板部30、31が弾性変形することがない。このため、鍵2を強く押鍵しても、鍵2の回動動作をハンマーアーム3に確実に伝達することができるので、先行文献のように鍵2の回動動作に対してハンマーアーム3の回動動作が遅れることがなく、鍵2の動作をハンマーアーム3にほぼ同時に伝えることができ、これによりアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を良好に得ることができる。
【0030】
この場合、延出部27が鍵2の下方に突出し、この突出した延出部27の下部に鍵当接部19が挿入するハンマー保持部29を設けたので、押鍵時および離鍵時にハンマーアーム3の振動が鍵2の上面つまり押鍵面に伝わりにくいばかりか、ハンマー保持部29の上部に位置する延出部27に鍵盤シャーシ1の鍵ガイド12が挿入してガイドされるガイド部28が設けられているので、押鍵時および離鍵時に鍵2およびハンマーアーム3の横振れを防ぐことができ、これにより鍵2およびハンマーアーム3を上下方向に円滑に動作させることができるので、良好に押鍵操作をすることができる。
【0031】
また、この鍵盤装置では、鍵2の下方に突出した延出部27の下部に鍵当接部19が挿入する一対の板部30、31からなるハンマー保持部29を設けたので、先行文献のように鍵の内部に上弾性部と下弾性部とからなる弾性体を設ける場合に比べて、構造が簡単で、その製作が容易にできると共に、耐久性をも高めることができるほか、鍵2の延出部27の下部が鍵盤シャーシ1の載置部8の下側に突出し、この突出した下部にハンマー保持部29を設けたので、このハンマー保持部29にハンマーアーム3の鍵当接部19を挿入する際、ハンマー保持部29および鍵当接部19が見やすくなり、このためハンマー保持部29に鍵当接部19を容易に挿入することができ、これにより組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0032】
特に、ハンマー保持部29が一対の板部30、31からなり、これら一対の板部30、31のうち、下側の板部31の長さが上側の板部30よりも短く、且つ下側の板部31における鍵当接部19の挿入側の端部がこれに対応する上側の板部30の端部から挿入側と反対側(図1では右側)に向けて離れているので、ハンマー保持部29の挿入口を下側に向けて十分に広くすることができ、これによっても鍵当接部19をハンマー保持部29に挿入しやすくすることができる。また、鍵盤シャーシ1の下面に、ハンマーアーム3を回動可能に支持するハンマー支持部13を設けたので、鍵盤シャーシ1の下側にハンマーアーム3を配置することができ、このため鍵2を鍵盤シャーシ1上に配置した状態でも、ハンマーアーム3をハンマー支持部13に容易に支持させることができ、このためハンマーアーム3よりも先に鍵2を鍵盤シャーシ1に組み付けても良く、また鍵2よりも先にハンマーアーム3を鍵盤シャーシ1に組み付けても良いので、より一層、組み立て作業性の良いものを得ることができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、図6〜図12を参照して、この発明の鍵盤装置の第2実施形態について説明する。なお、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤装置は、鍵盤シャーシ40とハンマーアーム41とが第1実施形態と異なる構造で、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構造になっている。
すなわち、鍵盤シャーシ40は、第1実施形態と同様、楽器本体の下部ケースを構成するものであり、図6および図7に示すように、合成樹脂により後述する各部が一体に形成されている。この場合、鍵盤シャーシ40の前端部(図6では右端部)には、前カバー部42が底部側から上方に突出して形成されている。
【0034】
この前カバー部42の後部側には、断面形状がほぼN字状のガイド載置部43が前カバー部42の高さのほぼ半分程度の高さで形成されている。このガイド載置部43上には、鍵2の横振れを防ぐための鍵ガイド12が後方(図6では左側)に突出した先端部からほぼ垂直に起立した状態で形成されている。また、鍵盤シャーシ40の中間部における前部側には、ストッパ載置部44とハンマー載置部45とが形成されている。ストッパ載置部44は、ガイド載置部43の高さのほぼ半分程度の高さに形成されており、その上面には、押鍵されたときに鍵2の下限位置を規制するフェルトなどの下限ストッパ46が設けられている。ハンマー載置部45は、ストッパ載置部44よりも少し高く形成されており、その上面には、ハンマー支持部47が設けられている。
【0035】
この場合、ガイド載置部43の下面およびハンマー載置部45の下面には、図6および図7に示すように、取付ボス48がそれぞれ垂下されており、これら取付ボス48の下端部には、ガイド載置部43、ストッパ載置部44、およびハンマー載置部45の各底部を連続して塞ぐ前側の底板49がビス50によって取り付けられている。また、鍵盤シャーシ40の中間部における後部側は、鍵盤シャーシ40の強度を確保するための補強部51がほぼM字状に形成されている。この補強部51は、前部側がハンマー載置部45とほぼ同じ高さで、且つ後部側が次第に低くなるように形成されている。この補強部51の所定個所には、複数の支持ボス52がガイド載置部43よりも高く形成されており、これら支持ボス52上には、スイッチ基板14がビス止めされている。
【0036】
さらに、鍵盤シャーシ40の後部には、図6および図7に示すように、鍵保持部53が前カバー部42よりも少し低く、且つスイッチ基板14よりも少し高く形成されており、その上面には鍵2を回動可能に支持する鍵支持部54が形成されている。この場合、鍵保持部53の前側の脚部55には、ハンマーアーム41の後端部が挿入するスリット状の切欠部56が設けられている。また、この鍵保持部53にも、取付ボス57が垂下されており、これら取付ボス57の下端部には、鍵保持部53の底部を塞ぐ後側の底板58がビス59によって取り付けられている。この底板58の上面には、ハンマーアーム41の下限位置を規制するフェルトなどの下限ストッパ23が設けられており、鍵保持部53の下面には、ハンマーアーム41の上限位置を規制するフェルトなどの上限ストッパ24が設けられている。
【0037】
一方、ハンマーアーム41は、図6および図7に示すように、鍵盤シャーシ40の中間部の上側に配置されるアーム本体60と、このアーム本体60の後端部(図6では左端部)に設けられた錘部61と、アーム本体60の前端部(図6では右端部)に設けられた鍵当接部62と、アーム本体60における鍵当接部62の後部に位置する個所に設けられた回動支持部63とを備えている。このハンマーアーム41は、鍵盤シャーシ40の上方から、錘部61を鍵盤シャーシ40の鍵保持部53における前側の脚部55の切欠部56に挿入させた上、鍵当接部62を鍵盤シャーシ40の鍵ガイド12の下側に配置させ、この状態で回動支持部63を鍵盤シャーシ40のハンマー支持部47に設けられたハンマー支持軸64に上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0038】
この場合、鍵当接部62は、ゴムなどの弾性材料からなり、その上面が円弧状に形成され、下面が前上がり(図6では右上がり)の傾斜面に形成されている。この鍵当接部62の下部には、弾性突起65が鍵2の前方(図6では右方向)に向けて突出して形成されている。この弾性突起65は、後述する鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29の一対の板部30、31間に鍵当接部62が挿入するときに弾性変形して一対の板部30、31間に挿入され、且つ押鍵操作に応じてハンマーアーム41が回動するときにも弾性変形するように構成されている。
【0039】
このハンマーアーム41は、図6に示すように、通常は錘部61の重量によって下方に付勢され、この錘部61が底板58上に設けられたフェルトなどの下限ストッパ23に当接することにより、所定の下限位置に位置規制されるように構成されている。また、このハンマーアーム41は、錘部61の重量に抗して鍵2が押鍵され際に、図7に示すように、錘部61が鍵盤シャーシ40の鍵保持部53の下面に設けられたフェルトなどの上限ストッパ24に当接することにより、所定の上限位置に位置規制されるように構成されている。
【0040】
また、鍵2は、第1実施形態と同様、その後端部(図6では左端部)の両側面に鍵取付孔部2aが設けられ、この鍵取付孔部2aが鍵盤シャーシ40の鍵支持部54に設けられた鍵支持軸25に回動可能に取り付けられ、これにより鍵支持軸25を中心に上下方向に回動するように構成されている。この鍵2の中間部にも、スイッチ基板14のゴムスイッチ4を押圧するスイッチ押圧部26が下方に向けて形成されており、この鍵2におけるスイッチ押圧部26の前側に位置する個所、つまり鍵盤シャーシ40の下限ストッパ46に対応する個所には、延出部27が鍵2の下方に突出して延設されている。この延出部27の上部側には、鍵ガイド12が挿入して上下方向にガイドされるガイド部28が前側に開放されて形成されている。
【0041】
また、この延出部27の下部には、ハンマーアーム41の鍵当接部62が挿入するハンマー保持部29が形成されている。このハンマー保持部29も、第1実施形態と同様、鍵2の上面つまり押鍵面とほぼ平行に形成された上下一対の板部30、31からなり、これら一対の板部30、31における鍵2の長手方向の長さがそれぞれ異なった構成になっている。すなわち、このハンマー保持部29は、一対の板部30、31のうち、下側の板部31の長さが上側の板部30よりも短く形成され、且つハンマーアーム41の鍵当接部62が挿入する挿入側(図6では左側)に位置する下側の板部31の端部が上側の板部30の端部から前側(同図では右側)に向けて離れて形成され、これら一対の板部30、31間にハンマーアーム41の鍵当接部62を摺動可能に挿入して挟むように構成されている。
【0042】
次に、このような鍵盤装置を組み立てる場合について説明する。
この場合には、図8に示すように、予め、鍵盤シャーシ40の底部に底板49、58をそれぞれ取り付ける。この後、ハンマーアーム41を鍵盤シャーシ40上に配置する。このときには、ハンマーアーム41の錘部61を鍵盤シャーシ40の鍵保持部53における前側の脚部55の切欠部56に挿入させた上、鍵当接部62を鍵盤シャーシ40の鍵ガイド12の下側に配置させ、この状態で回動支持部63を鍵盤シャーシ40のハンマー支持部47に設けられたハンマー支持軸64に回動自在に取り付ける。
【0043】
そして、鍵盤シャーシ40の中間部に設けられた支持ボス52上にスイッチ基板14を取り付けた後、その上方から鍵2を鍵盤シャーシ40上に取り付ける。このときには、まず、延出部27の上部に設けられたガイド部28に鍵盤シャーシ40の鍵ガイド12を挿入させ、この状態で鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29の一対の板部30、31間にハンマーアーム41の鍵当接部62を挿入させる。この後、鍵2のスイッチ押圧部26をスイッチ基板14のゴムスイッチ4に対応させて、鍵2の後端部の鍵取付孔部2aを鍵盤シャーシ40の鍵支持部54の鍵支持軸25に回動可能に取り付ける。これにより、鍵盤シャーシ40上に鍵2が上下方向に回動可能に取り付けられると共に、鍵盤シャーシ40の下側にハンマーアーム41が上下方向に回動可能に取り付けられる。
【0044】
この場合、鍵2の延出部27に設けられたハンマー保持部29にハンマーアーム41の鍵当接部62を挿入させるときには、図9に示すように、ハンマー保持部29の下側の板部31の後方(図9では左側)に鍵当接部62を対応させ、この状態で鍵2を押し下げる。すると、図10に示すように、ハンマー保持部29の下側の板部31が鍵当接部62の弾性突起65に当接する。そして、図11に示すように、鍵2を更に押し下げると、ハンマー保持部29の下側の板部31が鍵当接部62の弾性突起65を押し下げるので、弾性突起65が下方に向けて弾性変形し、下側の板部31を弾性突起65が乗り越える。これにより、図12に示すように、鍵当接部62がハンマー保持部29の一対の板部30、31間に挿入されると共に、弾性突起65も一対の板部30、31間に挿入されて弾性復帰し、この弾性復帰した弾性突起65によって鍵当接部62が一対の板部30、31間に摺動可能に係止される。
【0045】
このような鍵盤装置においても、第1実施形態と同様、鍵2がハンマーアーム41の錘部61の重量に抗して押鍵されると、図7に示すように、鍵2が後端部の鍵支持軸25を中心に時計回りに回動し、鍵2の延出部27のガイド部28が鍵ガイド12によってガイドされながら下方に移動する。これに伴って鍵2の延出部27のハンマー保持部29がハンマーアーム41の鍵当接部62を押し下げるので、ハンマーアーム41がハンマー支持軸22を中心に時計回りに回動する。これにより、鍵2にハンマーアームの錘部61の重量に応じたアクション荷重が付与されるので、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。
【0046】
このときには、ハンマーアーム41の鍵当接部62が鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29の一対の板部30、31間に挿入されているので、鍵当接部62が一対の板部30、31間で摺動しながらハンマーアーム41が回動する。そして、図7に示すように、鍵2のスイッチ押圧部26がゴムスイッチ4を押圧してゴムスイッチ4をオンさせた後、ハンマーアーム41の錘部61が鍵盤シャーシ40の鍵保持部53の下面に設けられた上限ストッパ24に当接し、ハンマーアーム41および鍵2の回動が停止する。なお、この後は、ハンマーアーム41がその錘部61の重量によって上記と逆の方向に回動するので、これに伴って鍵2も上記と逆の方向に回動し、これにより鍵2およびハンマーアーム41が図6に示す初期位置に戻る。
【0047】
このように、この鍵盤装置においても、第1実施形態と同様の作用効果があるほか、特に鍵当接部62をゴムなどの弾性材料で形成し、この鍵当接部62の下部に弾性突起65を鍵2の前方(図6では右方向)に向けて突出させて形成したので、鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29に鍵当接部62を挿入させるときに、鍵当接部62の弾性突起65が弾性変形し、これにより鍵当接部62をハンマー保持部29の一対の板部30、31間に容易に且つ確実に挿入させることができ、これによっても組み立て作業性の向上を図ることができる。また、鍵当接部62がハンマー保持部29に挿入すると、弾性突起65が弾性復帰するので、鍵当接部62をハンマー保持部29の一対の板部30、31間に確実に保持させることができると共に、押鍵時に弾性突起65が弾性変形することにより、ハンマーアーム41の振動を吸収して鍵2に伝わらないようにすることができ、これによっても良好に押鍵操作ができる。
【0048】
なお、上記第2実施形態では、ハンマーアーム41を鍵盤シャーシ40上に配置した場合について述べたが、これに限らず、例えば図13および図14に示す変形例のように構成しても良い。この場合には、第1実施形態と同様に鍵盤シャーシ1およびハンマーアーム3を構成し、且つハンマーアーム3の鍵当接部62を第2実施形態と同様にゴムなどの弾性材料で形成し、この鍵当接部62の下部に弾性突起65を鍵2の前方(図13では右方向)に向けて突出させて形成すれば良い。この場合にも、弾性突起65は、第2実施形態と同様、鍵2の延出部27の下部に設けられたハンマー保持部29の一対の板部30、31間に鍵当接部62を挿入させるときに弾性変形し、ハンマー保持部29の一対の板部30、31間に挿入されると弾性復帰するように構成すれば良い。このような鍵盤装置では、第1実施形態と第2実施形態の両方の作用効果がある。
【0049】
また、上記第2実施形態では、鍵当接部62をゴムなどの弾性材料で形成し、この鍵当接部62の下部に弾性突起65を形成したが、必ずしも弾性突起65を形成する必要はない。また、必ずしも鍵当接部62をゴムなどの弾性部材で形成する必要もなく、第1実施形態と同様、アーム本体60と同じ材料で一体に形成した構造であっても良い。このように構成しても、第1実施形態と同様の作用効果がある。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に配置された複数の鍵と、これら複数の鍵それぞれに対応して配置され、鍵の押鍵操作に伴って回動変位して鍵にアクション荷重を付与するハンマーアームとを備えた鍵盤装置において、鍵に延出部を鍵の下方に突出させて延設し、この延出部の下部にハンマーアームの一端部が挿入する上下一対の板部からなるハンマー保持部を設けたので、押鍵時および離鍵時においてハンマー保持部の一対の板部が弾性変形することがない。このため、鍵を強く押鍵したときでも、鍵の押鍵動作をハンマーアームに動作遅れが生じることなく伝えることができ、これによりアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を良好に得ることができる。
【0051】
また、鍵に延出部を鍵の下方に突出させて延設し、この延出部の下部にハンマーアームの一端部が挿入するハンマー保持部を設けたので、押鍵時および離鍵時にハンマーアームの振動が鍵の押鍵面に伝わりにくいばかりか、ハンマー保持部が一対の板部で構成されているので、鍵の内部に上弾性部と下弾性部とからなる弾性体を設ける場合に比べて、構造が簡単で、その製作が容易にできると共に、耐久性をも高めることができるほか、ハンマー保持部の一対の板部が鍵の下方に露出しているので、ハンマー保持部が見やすくなり、このためハンマーアームの一端部をハンマー保持部に容易に挿入することができ、これにより組み立て作業性を向上させることができる。
【0052】
この場合、延出部におけるハンマー保持部の上側に位置する個所に、鍵盤シャーシの鍵ガイドによってガイドされるガイド部を設けたことにより、ハンマー保持部の上側に位置する延出部に設けられたガイド部が鍵盤シャーシの鍵ガイドによってガイドされるので、鍵の横振れを防ぐことができると共に、ハンマーアームの横振れをも防ぐことができ、これにより鍵およびハンマーアームを上下方向に円滑に動作させることができるので、良好に押鍵操作をすることができる。
【0053】
また、ハンマー保持部の一対の板部が鍵の上面とほぼ平行に形成され、これら一対の板部における鍵の長手方向の長さがそれぞれ異なっていることにより、ハンマーアームの一端部が挿入するハンマー保持部の挿入口を広くすることができ、これによっても組み立て作業性の向上を図ることができる。特に、一対の板部のうち、下側の板部の長さが上側の板部よりも短く、且つ下側の板部における挿入側の端部がこれに対応する上側の板部の端部から挿入側と反対側に向けて離れていれば、ハンマー保持部の挿入口を下側に向けて十分に広くすることができ、より一層、ハンマー保持部にハンマーアームの一端部を挿入しやすくすることができる。
【0054】
また、ハンマーアームの一端部には、ハンマー保持部に弾性変形可能に挿入する弾性突起が設けられていることにより、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部に挿入するときに、ハンマーアームの一端部に設けられた弾性突起が弾性変形してハンマー保持部に挿入するので、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部の一対の板部間に容易に且つ確実に挿入させることができ、これによっても組み立て作業性の向上を図ることができるほか、ハンマーアームの一端部がハンマー保持部に挿入すると、弾性突起が弾性復帰するので、ハンマーアームの一端部をハンマー保持部に確実に保持させることができると共に、押鍵時に弾性突起が弾性変形するので、ハンマーアームの振動を吸収して鍵に伝わらないようにすることができ、これによっても良好に押鍵操作ができる。
【0055】
さらに、鍵盤シャーシの下面にハンマーアームを回動可能に支持するハンマー支持部を設けたことにより、鍵盤シャーシの下側にハンマーアームを配置することができ、このため鍵盤シャーシ上に鍵を配置した状態でも、ハンマーアームをハンマー支持部に容易に支持させることができる。このため、ハンマーアームを鍵盤シャーシに組み付ける前に鍵を鍵盤シャーシに組み付けても良く、また鍵を鍵盤シャーシに組み付ける前にハンマーアームを鍵盤シャーシに組み付けても良いので、より一層、組み立て作業性の良いものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鍵盤装置の第1実施形態を示した断面図。
【図2】図1の鍵を押鍵した状態を示した断面図。
【図3】図1の鍵盤シャーシに鍵を取り付ける状態を示した断面図。
【図4】図3の鍵が取り付けられた鍵盤シャーシにハンマーアームを取り付ける状態を示した断面図。
【図5】図1の鍵盤シャーシにハンマーアームを取り付けた後に鍵を取り付ける状態を示した断面図。
【図6】この発明の鍵盤装置の第2実施形態を示した断面図。
【図7】図6の鍵を押鍵した状態を示した断面図。
【図8】図6の鍵盤シャーシにハンマーアームを取り付けた後に鍵を取り付ける状態を示した断面図。
【図9】図8においてハンマーアームの鍵当接部をハンマー保持部に挿入するときに鍵当接部を下側の板部の後方に対応させた状態を示した要部の断面図。
【図10】図9の状態で鍵を押し下げて下側の板部を鍵当接部の弾性突起に当接させた状態を示した要部の断面図。
【図11】図10の状態で鍵を更に押し下げて下側の板部で鍵当接部の弾性突起を下方に向けて弾性変形させた状態を示した要部の断面図。
【図12】図11の状態で更に鍵を押し下げて鍵当接部の弾性突起が下側の板部を乗り越えた後に鍵当接部がハンマー保持部に挿入された状態を示した要部の断面図。
【図13】第2実施形態の変形例における非押鍵状態を示した要部の断面図。
【図14】図13の鍵を押鍵した状態を示した要部の断面図。
【符号の説明】
1、40 鍵盤シャーシ
2 鍵
3、41 ハンマーアーム
4 ゴムスイッチ
8 載置部
12 鍵ガイド
13、47 ハンマー支持部
16、54 鍵支持部
17、60 アーム本体
18、61 錘部
19、62 鍵当接部
20、63 回動支持部
21、56 切欠部
27 延出部
28 ガイド部
29 ハンマー保持部
30、31 板部
65 弾性突起

Claims (5)

  1. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に配置された複数の鍵と、これら複数の鍵それぞれに対応して配置され、前記鍵の押鍵操作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するハンマーアームとを備えた鍵盤装置において、
    前記鍵に延出部を前記鍵の下方に突出させて延設し、この延出部の下部に前記ハンマーアームの一端部が挿入する上下一対の板部からなるハンマー保持部を設けたことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記延出部における前記ハンマー保持部の上方に位置する個所には、前記鍵盤シャーシに設けられた鍵ガイドによってガイドされるガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 前記ハンマー保持部の前記一対の板部は、前記鍵の上面とほぼ平行に形成され、これら一対の板部における前記鍵の長手方向の長さがそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤装置。
  4. 前記ハンマーアームの前記一端部には、前記ハンマー保持部の前記一対の板部間に弾性変形可能に挿入する弾性突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鍵盤装置。
  5. 前記鍵盤シャーシの下面には、前記ハンマーアームを回動可能に支持するハンマー支持部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鍵盤装置。
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