JP2004222598A - 調味梅干および調味梅干の製造方法 - Google Patents
調味梅干および調味梅干の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004222598A JP2004222598A JP2003014535A JP2003014535A JP2004222598A JP 2004222598 A JP2004222598 A JP 2004222598A JP 2003014535 A JP2003014535 A JP 2003014535A JP 2003014535 A JP2003014535 A JP 2003014535A JP 2004222598 A JP2004222598 A JP 2004222598A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seasoned
- plum
- iron
- dried
- ume
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Abstract
【課題】調味梅干としての味わいを低下させることなく、保健機能食品(栄養機能食品)との表示が可能となる程度に鉄分を強化させ、調味梅干を食するだけで、一日に必要な鉄分を補給・補完可能な調味梅干および調味梅干の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】原料となる白干し梅干を調味液に浸漬させて調味梅干を得る梅干の製造方法において、前記白干し梅干を浸漬させる前の調味液中に、クエン酸第一鉄ナトリウムを0.2重量%の割合で含有させるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを添加する工程を備えている構成とした。
【選択図】 なし
【解決手段】原料となる白干し梅干を調味液に浸漬させて調味梅干を得る梅干の製造方法において、前記白干し梅干を浸漬させる前の調味液中に、クエン酸第一鉄ナトリウムを0.2重量%の割合で含有させるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを添加する工程を備えている構成とした。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な健康増進効果を有する梅干に鉄を配合させて保健機能食品(栄養機能食品)としての効能を付加させた調味梅干および調味梅干の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
梅干は、古来より食され続けてきた食品であり、含有しているクエン酸の働きにより疲労回復効果や、含有しているベンズアルデヒドの働きにより抗菌効果など様々な効能を有していることが知られている。
【0003】
しかし、従来の梅干は、非常に塩分濃度が高いものであるため、一日当り複数個食するとなると塩分の摂取過剰となってしまい、却って健康によくないことも知られている。
【0004】
そこで、特開昭55−42505号公報などでは、梅干の塩分含有量を減らしても(塩分濃度7%以下)、食味を損なわない調味梅干について提案されている。前記調味梅干は、現在市販されている梅干の大部分を占めるまで一般的になってきている。
【特許文献1】特開昭55−42505号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昨今、不規則な生活や、偏った食生活などにより、人が生活していく上で必要となる栄養成分をバランスよく摂取できない人が増えてきている。
人の生活に必要な栄養成分の一つとして、鉄分が挙げられる。鉄分は、赤血球を作るのに必要な栄養素であり、厚生労働省が創設した栄養機能食品制度における保健機能食品(栄養機能食品)の対象にもなっている。
鉄分が不足すると貧血になり、めまい・食欲不振・疲れやすいなどの症状がでるが、現在わが国における女性の約半数は、潜在的な鉄分欠乏にあるともいわれている。
【0006】
そこで、鉄分が欠乏している人は、鉄分を多く摂取するために、意識して鉄分を多く含有している食品を摂取する必要がある。このような鉄分を多く含有している食品としては、レバーやほうれん草などが挙げられるが、これらの食品は癖のある味や臭いを有しているため、特に鉄分が欠乏している者にとって好まれない傾向がある。
【0007】
したがって、上記鉄分が欠乏している者が鉄分を補強するためには、鉄分を摂取するための錠剤などを摂取するなどの対策をとる必要があるが、現実問題として食事と別に鉄分含有錠剤を摂取するのは、非常に面倒であり飲み忘れも多く、実際に鉄分含有錠剤を飲んでいる者は少ない。
【0008】
調味梅干は、減塩されていることもあり、毎日複数個食することが可能であるため、この調味梅干を食することで、一日に必要な鉄分を摂取することができれば、通常の食生活において容易に必要な鉄分を摂取することが可能となる。
【0009】
しかし、従来の調味梅干は、確かに梅干としての効能は有しているが、上述したような鉄分は、大して多く含まれておらず、一般に白干し梅干(原料梅干を塩漬けした後干し上げ、その後熟成させた状態の梅干)の状態で可食部100g当り1.5mg程度しか含まれていない。
また、鉄は、独特の臭いを有するため、単にこのまま鉄の粉を振り掛けるなどして調味梅干に含有させようとしても、調味梅干の味が低下してしまい、製品としての品質を保つことができなくなってしまう。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされ、調味梅干としての味わいを低下させることなく、保健機能食品(栄養機能食品)との表示が可能となる程度に鉄分を強化させ、調味梅干を食するだけで、一日に必要な鉄分を補給・補完可能な調味梅干および調味梅干の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる調味梅干(以下、「請求項1の梅干」とのみ記す。)は、梅肉100gに対して、鉄分が10mg〜35mg含有されている構成とした。
上記構成において、本発明の梅干は、ウメの実を単に塩漬け調味しただけではなく、干し上げ(乾燥)工程を経て梅干独特の食感を出したものをいい、原料となる梅の種類としては、特に限定されない。
【0012】
また、請求項1の梅干は、保健機能食品(栄養機能食品)と表示を可能とするために、梅肉100gに対して、鉄分が10mg〜35mgの範囲で含有されている必要がある。
すなわち、梅肉に対する鉄分の含有量が上記範囲よりも少なければ、一日当り摂取するに必要な鉄分を、梅干を食することで得るためには、多くの梅干を食さなければならなくなり、いくら減塩されている梅干であっても塩分の取りすぎとなってしまう。
一方、梅肉に対する鉄分の含有量が上記範囲よりも多ければ、梅干の食味中に鉄分独特の味や臭いが生じて、食感が悪くなってしまうおそれが生じる。
【0013】
また、鉄分を梅肉に含有させるための手段としては、鉄分独特の味や臭いが調味梅干の味わいを低下させないのであれば、どのような手段を用いても良く特に限定されないが、pHに関係なく溶解される水溶性の鉄含有塩を調味梅干の製造時に添加させるようにすると、鉄分を調味梅干に含有させることが容易となるため好ましい。
上記鉄含有塩としては、たとえばクエン酸第一鉄ナトリウムが挙げられる。
【0014】
また、本発明の請求項2にかかる調味梅干の製造方法は、原料となる白干し梅干を調味液に浸漬させて調味梅干を得る梅干の製造方法において、前記白干し梅干を浸漬させる前の調味液中に、クエン酸第一鉄ナトリウムを0.2重量%の割合で含有させるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを添加する工程を備えていることを特徴とする構成とした。
【0015】
上記構成において、調味液は、最終的に製造させる調味梅干を複数個食した場合でも塩分過多とならないように、塩分濃度が7%以下の調味梅干が作られるように調整しておくことが好ましく、塩分濃度が5%以下の調味梅干が作られるように調整しておくことがより好ましい。
また、得られる調味梅干は、複数個無理せずに食することを可能とするために、蜂蜜などの甘味料を添加して、味をまろやかにしたり、さっぱりとさせたりすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、説明する。
本発明にかかる調味梅干(以下、「本調味梅干」と記す。)は、一粒(可食部約7g)に約1.5mgの鉄分が含まれている。これは、ほうれん草160g、小松菜70g、かき80g、レバー37gに相当する鉄分の量である。
【0017】
鉄の一日あたりの摂取目安量としては、上限値が10mgであり下限値が4mgであり、この範囲内に収まるように鉄分が配合されている食品は、厚生労働省が2001年4月に施工した保健機能食品制度により、保健機能食品(栄養機能食品)と表示することが可能となる。
【0018】
したがって、本調味梅干は、一日当り三粒食べたら、上述した範囲内の鉄分を摂取することができるため、保健機能食品(栄養機能食品)と表示することが可能となるのである。
また、本調味梅干は、塩分含有量が約5重量%となるように抑えられ、また、酸味も抑えられている。さらに、蜂蜜を含有させることで非常に甘い口当たりであり、鉄分が欠乏しがちな女性に食べやすい味付けに調整されている。
【0019】
したがって、本調味梅干は、通常の調味梅干と同じように、食事時やお茶受けとして一日に3〜5粒程度食することで、一日に必要な鉄分を補充することができるのである。
勿論、本調味梅干は、従来の梅干が有している「疲労回復」、「殺菌作用」、「カルシウム吸収を促進」、「体内の酸化を防ぐ」などの効能を有していることはいうまでもない。
【0020】
次に、本調味梅干の製造過程について説明する。
本調味梅干は、以下の▲1▼工程〜▲8▼工程を通じて製造される。
【0021】
▲1▼ 原料梅(収穫した完熟生梅)を洗浄して、傷物を取り除くとともに略同じ大きさをした梅実同士が同じグループに属するように選別を行う。
▲2▼ ▲1▼工程により選別された略同じ大きさをした梅実を樽内に入れ、1〜2ヶ月間食塩に漬け込む。
【0022】
▲3▼ ▲2▼工程を終えた塩漬けされた梅実を4〜7日間天日干しして乾燥させる。
▲4▼ ▲3▼工程により乾燥させた梅干は、樽に詰められて所定期間貯蔵され、この間に梅干の熟成が行われる。
上記▲1▼〜丸4の工程は、完熟生梅から白干し梅干を得るまでの工程であり、白干し梅干は、本発明にかかる調味梅干の原料として使用する。
【0023】
▲5▼ 次に調味梅干を製造するのに使用する調味液を以下の表1に示した配合比率で配合させて作成する。なお、クエン酸第一鉄ナトリウムは、市販の粉末状をしている製品(エーザイ(株)製:サンフェロール)を使用し、調味液内に以下の配合比率となるように割合で添加することで調味液内に混入させる。
【0024】
【表1】
【0025】
▲6▼ ▲5▼工程で得た調味液に、▲1▼〜▲4▼の工程で得た白干し梅干を漬け込んで、梅干の調味を行う。漬け込み期間は、7日〜10日位とする。
▲7▼ ▲6▼工程により梅干の果肉が十分調味され調味梅干となったら、この調味梅干を調味液から出し、液切りを行うことで調味梅干が完成する。
▲8▼ 完成した調味梅干は、所定量を計量してパック詰することで製品となる。
【0026】
本発明にかかる調味梅干は、上述したように、調味液にクエン酸第一鉄ナトリウムを添加することを除いて、通常の調味梅干と略同じ工程で製造することができるため、通常の梅干工場の設備を利用して製造を行うことができる。
また、上記製造方法において、調味梅干に鉄分を強化するために使用しているクエン酸第一鉄ナトリウムは、溶解性が高いため調味液に確実かつ容易に溶解させることができ、しかも、非イオン型であるため調味液の味を損なうこともない。
したがって、上記製造方法では、非常に高濃度の鉄分を含んだ調味梅干を、味わいを損なうことなく容易に製造することができるのである。
【0027】
なお、本発明にかかる調味梅干および調味梅干の製造方法は、上記実施の形態に限定されない。
たとえば、上記調味梅干は蜂蜜が含有されていたが、含有されていなくても構わず、塩分濃度は5重量%でなくても構わない。
【0028】
【発明の効果】
本発明にかかる請求項1の調味梅干は、通常の調味梅干と同様に食するだけで、味の劣化を伴うことなく、現代人が不足がちである鉄分を一日に必要な分だけ容易に摂取することが可能となる。
【0029】
また、本発明にかかる請求項2の調味梅干の製造方法は、従来行われてきた調味梅干の製造方法と殆ど手間のかかりかたが変わらないにも関らず、鉄分が強化された調味梅干を製造することができる。また、鉄分がクエン酸第一鉄ナトリウムの形で包含されているため、体内への鉄分の吸収が容易に行われるようになる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な健康増進効果を有する梅干に鉄を配合させて保健機能食品(栄養機能食品)としての効能を付加させた調味梅干および調味梅干の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
梅干は、古来より食され続けてきた食品であり、含有しているクエン酸の働きにより疲労回復効果や、含有しているベンズアルデヒドの働きにより抗菌効果など様々な効能を有していることが知られている。
【0003】
しかし、従来の梅干は、非常に塩分濃度が高いものであるため、一日当り複数個食するとなると塩分の摂取過剰となってしまい、却って健康によくないことも知られている。
【0004】
そこで、特開昭55−42505号公報などでは、梅干の塩分含有量を減らしても(塩分濃度7%以下)、食味を損なわない調味梅干について提案されている。前記調味梅干は、現在市販されている梅干の大部分を占めるまで一般的になってきている。
【特許文献1】特開昭55−42505号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昨今、不規則な生活や、偏った食生活などにより、人が生活していく上で必要となる栄養成分をバランスよく摂取できない人が増えてきている。
人の生活に必要な栄養成分の一つとして、鉄分が挙げられる。鉄分は、赤血球を作るのに必要な栄養素であり、厚生労働省が創設した栄養機能食品制度における保健機能食品(栄養機能食品)の対象にもなっている。
鉄分が不足すると貧血になり、めまい・食欲不振・疲れやすいなどの症状がでるが、現在わが国における女性の約半数は、潜在的な鉄分欠乏にあるともいわれている。
【0006】
そこで、鉄分が欠乏している人は、鉄分を多く摂取するために、意識して鉄分を多く含有している食品を摂取する必要がある。このような鉄分を多く含有している食品としては、レバーやほうれん草などが挙げられるが、これらの食品は癖のある味や臭いを有しているため、特に鉄分が欠乏している者にとって好まれない傾向がある。
【0007】
したがって、上記鉄分が欠乏している者が鉄分を補強するためには、鉄分を摂取するための錠剤などを摂取するなどの対策をとる必要があるが、現実問題として食事と別に鉄分含有錠剤を摂取するのは、非常に面倒であり飲み忘れも多く、実際に鉄分含有錠剤を飲んでいる者は少ない。
【0008】
調味梅干は、減塩されていることもあり、毎日複数個食することが可能であるため、この調味梅干を食することで、一日に必要な鉄分を摂取することができれば、通常の食生活において容易に必要な鉄分を摂取することが可能となる。
【0009】
しかし、従来の調味梅干は、確かに梅干としての効能は有しているが、上述したような鉄分は、大して多く含まれておらず、一般に白干し梅干(原料梅干を塩漬けした後干し上げ、その後熟成させた状態の梅干)の状態で可食部100g当り1.5mg程度しか含まれていない。
また、鉄は、独特の臭いを有するため、単にこのまま鉄の粉を振り掛けるなどして調味梅干に含有させようとしても、調味梅干の味が低下してしまい、製品としての品質を保つことができなくなってしまう。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされ、調味梅干としての味わいを低下させることなく、保健機能食品(栄養機能食品)との表示が可能となる程度に鉄分を強化させ、調味梅干を食するだけで、一日に必要な鉄分を補給・補完可能な調味梅干および調味梅干の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる調味梅干(以下、「請求項1の梅干」とのみ記す。)は、梅肉100gに対して、鉄分が10mg〜35mg含有されている構成とした。
上記構成において、本発明の梅干は、ウメの実を単に塩漬け調味しただけではなく、干し上げ(乾燥)工程を経て梅干独特の食感を出したものをいい、原料となる梅の種類としては、特に限定されない。
【0012】
また、請求項1の梅干は、保健機能食品(栄養機能食品)と表示を可能とするために、梅肉100gに対して、鉄分が10mg〜35mgの範囲で含有されている必要がある。
すなわち、梅肉に対する鉄分の含有量が上記範囲よりも少なければ、一日当り摂取するに必要な鉄分を、梅干を食することで得るためには、多くの梅干を食さなければならなくなり、いくら減塩されている梅干であっても塩分の取りすぎとなってしまう。
一方、梅肉に対する鉄分の含有量が上記範囲よりも多ければ、梅干の食味中に鉄分独特の味や臭いが生じて、食感が悪くなってしまうおそれが生じる。
【0013】
また、鉄分を梅肉に含有させるための手段としては、鉄分独特の味や臭いが調味梅干の味わいを低下させないのであれば、どのような手段を用いても良く特に限定されないが、pHに関係なく溶解される水溶性の鉄含有塩を調味梅干の製造時に添加させるようにすると、鉄分を調味梅干に含有させることが容易となるため好ましい。
上記鉄含有塩としては、たとえばクエン酸第一鉄ナトリウムが挙げられる。
【0014】
また、本発明の請求項2にかかる調味梅干の製造方法は、原料となる白干し梅干を調味液に浸漬させて調味梅干を得る梅干の製造方法において、前記白干し梅干を浸漬させる前の調味液中に、クエン酸第一鉄ナトリウムを0.2重量%の割合で含有させるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを添加する工程を備えていることを特徴とする構成とした。
【0015】
上記構成において、調味液は、最終的に製造させる調味梅干を複数個食した場合でも塩分過多とならないように、塩分濃度が7%以下の調味梅干が作られるように調整しておくことが好ましく、塩分濃度が5%以下の調味梅干が作られるように調整しておくことがより好ましい。
また、得られる調味梅干は、複数個無理せずに食することを可能とするために、蜂蜜などの甘味料を添加して、味をまろやかにしたり、さっぱりとさせたりすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、説明する。
本発明にかかる調味梅干(以下、「本調味梅干」と記す。)は、一粒(可食部約7g)に約1.5mgの鉄分が含まれている。これは、ほうれん草160g、小松菜70g、かき80g、レバー37gに相当する鉄分の量である。
【0017】
鉄の一日あたりの摂取目安量としては、上限値が10mgであり下限値が4mgであり、この範囲内に収まるように鉄分が配合されている食品は、厚生労働省が2001年4月に施工した保健機能食品制度により、保健機能食品(栄養機能食品)と表示することが可能となる。
【0018】
したがって、本調味梅干は、一日当り三粒食べたら、上述した範囲内の鉄分を摂取することができるため、保健機能食品(栄養機能食品)と表示することが可能となるのである。
また、本調味梅干は、塩分含有量が約5重量%となるように抑えられ、また、酸味も抑えられている。さらに、蜂蜜を含有させることで非常に甘い口当たりであり、鉄分が欠乏しがちな女性に食べやすい味付けに調整されている。
【0019】
したがって、本調味梅干は、通常の調味梅干と同じように、食事時やお茶受けとして一日に3〜5粒程度食することで、一日に必要な鉄分を補充することができるのである。
勿論、本調味梅干は、従来の梅干が有している「疲労回復」、「殺菌作用」、「カルシウム吸収を促進」、「体内の酸化を防ぐ」などの効能を有していることはいうまでもない。
【0020】
次に、本調味梅干の製造過程について説明する。
本調味梅干は、以下の▲1▼工程〜▲8▼工程を通じて製造される。
【0021】
▲1▼ 原料梅(収穫した完熟生梅)を洗浄して、傷物を取り除くとともに略同じ大きさをした梅実同士が同じグループに属するように選別を行う。
▲2▼ ▲1▼工程により選別された略同じ大きさをした梅実を樽内に入れ、1〜2ヶ月間食塩に漬け込む。
【0022】
▲3▼ ▲2▼工程を終えた塩漬けされた梅実を4〜7日間天日干しして乾燥させる。
▲4▼ ▲3▼工程により乾燥させた梅干は、樽に詰められて所定期間貯蔵され、この間に梅干の熟成が行われる。
上記▲1▼〜丸4の工程は、完熟生梅から白干し梅干を得るまでの工程であり、白干し梅干は、本発明にかかる調味梅干の原料として使用する。
【0023】
▲5▼ 次に調味梅干を製造するのに使用する調味液を以下の表1に示した配合比率で配合させて作成する。なお、クエン酸第一鉄ナトリウムは、市販の粉末状をしている製品(エーザイ(株)製:サンフェロール)を使用し、調味液内に以下の配合比率となるように割合で添加することで調味液内に混入させる。
【0024】
【表1】
【0025】
▲6▼ ▲5▼工程で得た調味液に、▲1▼〜▲4▼の工程で得た白干し梅干を漬け込んで、梅干の調味を行う。漬け込み期間は、7日〜10日位とする。
▲7▼ ▲6▼工程により梅干の果肉が十分調味され調味梅干となったら、この調味梅干を調味液から出し、液切りを行うことで調味梅干が完成する。
▲8▼ 完成した調味梅干は、所定量を計量してパック詰することで製品となる。
【0026】
本発明にかかる調味梅干は、上述したように、調味液にクエン酸第一鉄ナトリウムを添加することを除いて、通常の調味梅干と略同じ工程で製造することができるため、通常の梅干工場の設備を利用して製造を行うことができる。
また、上記製造方法において、調味梅干に鉄分を強化するために使用しているクエン酸第一鉄ナトリウムは、溶解性が高いため調味液に確実かつ容易に溶解させることができ、しかも、非イオン型であるため調味液の味を損なうこともない。
したがって、上記製造方法では、非常に高濃度の鉄分を含んだ調味梅干を、味わいを損なうことなく容易に製造することができるのである。
【0027】
なお、本発明にかかる調味梅干および調味梅干の製造方法は、上記実施の形態に限定されない。
たとえば、上記調味梅干は蜂蜜が含有されていたが、含有されていなくても構わず、塩分濃度は5重量%でなくても構わない。
【0028】
【発明の効果】
本発明にかかる請求項1の調味梅干は、通常の調味梅干と同様に食するだけで、味の劣化を伴うことなく、現代人が不足がちである鉄分を一日に必要な分だけ容易に摂取することが可能となる。
【0029】
また、本発明にかかる請求項2の調味梅干の製造方法は、従来行われてきた調味梅干の製造方法と殆ど手間のかかりかたが変わらないにも関らず、鉄分が強化された調味梅干を製造することができる。また、鉄分がクエン酸第一鉄ナトリウムの形で包含されているため、体内への鉄分の吸収が容易に行われるようになる。
Claims (2)
- 梅肉100gに対して、鉄分が10mg〜35mg含有されている調味梅干。
- 原料となる白干し梅干を調味液に浸漬させて調味梅干を得る梅干の製造方法において、
前記白干し梅干を浸漬させる前の調味液中に、クエン酸第一鉄ナトリウムを0.2重量%の割合で含有させるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを添加する工程を備えていることを特徴とする調味梅干の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003014535A JP2004222598A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 調味梅干および調味梅干の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003014535A JP2004222598A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 調味梅干および調味梅干の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004222598A true JP2004222598A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32902559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003014535A Pending JP2004222598A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 調味梅干および調味梅干の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004222598A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009268373A (ja) * | 2008-05-01 | 2009-11-19 | Maruso Ltd | Na/K比1以下の調味梅干の製造方法 |
JP2012065679A (ja) * | 2012-01-13 | 2012-04-05 | Maruso Ltd | Na/K比1以下の調味梅干の製造方法 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003014535A patent/JP2004222598A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009268373A (ja) * | 2008-05-01 | 2009-11-19 | Maruso Ltd | Na/K比1以下の調味梅干の製造方法 |
JP2012065679A (ja) * | 2012-01-13 | 2012-04-05 | Maruso Ltd | Na/K比1以下の調味梅干の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kumolu-Johnson et al. | The effects of smoking on the nutritional qualities and shelf-life of Clarias gariepinus (BURCHELL 1822) | |
KR101318023B1 (ko) | 조릿대추출물을 함유하는 광어포 및 그 제조방법 | |
KR101517120B1 (ko) | 돼지고기 육포의 제조방법 | |
CN107348205A (zh) | 一种提高宠物猫和狗抗病能力的速冻冷冻宠物食粮 | |
CN1860929A (zh) | 风干牛肉 | |
CN106974215A (zh) | 一种预调理贝肉的加工方法 | |
CN101623100B (zh) | 一种利用流化床喷涂技术生产营养强化米的方法 | |
IT201900011472A1 (it) | Processo per il trattamento di meduse destinate all’alimentazione umana e prodotti/ingredienti ottenuti mediante tale processo | |
KR20060130843A (ko) | 젓갈분말과 젓갈분말에 젓갈향을 첨가한 조미김 및 그제조방법 | |
JP2004222598A (ja) | 調味梅干および調味梅干の製造方法 | |
Dabuzova et al. | Functional dry-cured sausage production technology | |
JP2004222599A (ja) | 調味梅干および調味梅干の製造方法 | |
CN104172051B (zh) | 一种风味酸汤蘸水及其制作方法 | |
CN107048236A (zh) | 一种风味鳗鱼的腌制加工技术 | |
CN110754645A (zh) | 一种膏状香精及其制备方法 | |
KR100869408B1 (ko) | 매실을 첨가한 호두 고추장 장아찌의 제조방법 | |
JPH0686657A (ja) | 脂肪質および半脂肪質の青魚を基礎にした食品の製造方法 | |
KR20120064336A (ko) | 해조추출물을 함유하는 광어포 및 그 제조방법 | |
KR102179424B1 (ko) | 명태회 | |
KR101968084B1 (ko) | 전복 첨가 양념 명태회의 제조방법 및 그에 의해 제조된 전복 첨가 양념 명태회 | |
Ibrahim et al. | Nutrient composition and organoleptic assessment of fish Kilishi from and | |
Pepito et al. | Nutritional quality of the egg mass locally known as “lukot’of the wedge seahare dolabella auricularia (Lightfoot, 1786) | |
Alaba et al. | EFFECT OF DEBONING AND DRYING METHODS ON THE CHEMICAL CHARACTERISTICS OF CATFISH (CLARIAS GARIEPINUS) | |
Litaay et al. | The value of the nutritional composition of fresh fish and flour-anchovy | |
JP2005348710A (ja) | そら豆健康増進食品 |