JP2004220863A - 電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絞り加工やかしめ処理が施される電池缶の開口部における錆の発生を確実に防止する。
【解決手段】鋼板母材52の表面を金属めっき層53により被覆してなる表面処理鋼板金属板51に絞り加工等を施して有底筒状に形成した電池缶2の内部に電池素子3を装填し、電池缶2の開口部4にガスケット5を介して電池蓋6を組み付けた後にかしめ処理を施して封口する。電池缶2は、絞り加工後にトリミング処理が施されてなる中間体50の開口部4に、無電解めっき処理を施して金属コート層20が形成されることにより、鋼板母材52の露出部位54が被覆されるようにする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板母材の表面を金属めっき層で被覆した表面処理鋼板を用いて有底筒状に形成した電池缶を備える電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池は、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、或いは携帯型音響機器等の各種の携帯型電子機器の電源として広く用いられており、例えば形状的に円筒型、角筒型、フラット型或いはボタン型等に区分される。電池は、例えば一度放電することによって使用不能となる一次電池と、放電後に再充電を行うことによって繰り返し使用が可能な二次電池とに区分される。二次電池としては、例えば鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池或いはリチウムイオン電池等が提供されている。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、体積当たりの容量密度が高く、ニッケルカドミウム電池と比較して約3倍もの高電圧特性を有しており、電池内においてリチウムがイオン状態で存在することから安全性も極めて高いといった種々の特徴を有しており、各種の携帯型電子機器の電源として汎用されている。リチウムイオン二次電池は、シート状の負極材と正極材とをそれぞれセパレータを介して重ね合わすとともに渦巻き状に巻回して電池素子を構成し、この電池素子が非水電解液とともに電池缶内に収納されてなる。リチウムイオン二次電池は、負極を構成する電池缶の上端開口部に正極を構成する電池蓋をナイロン等の合成樹脂からなるガスケットを介してかしめ付けることにより、電池素子と非水電解液とを電池缶内に密封する。
【0004】
リチウムイオン二次電池には、例えばSPCE材(アルミキルド鋼板)等の鋼板を素材として、絞り加工を施して有底筒状に形成された電池缶が用いられる。電池缶は、素材に対して、例えばトランスファ型プレス機による深絞り加工と抜き加工とを連続して繰り返すトランスファ絞り工程によって所定の形状に形成される。また、電池缶は、素材に対してプレス機による深絞り加工を施して中間体を製作し、この中間体に対して絞りダイスを用いた絞り加工及び複数のしごきダイスを用いたしごき加工とを施すいわゆるDI(drawing−irong)加工によって所定の形状に形成される。
【0005】
電池缶は、上述した工程を経て製作された中間体を複数のしごきダイスとカップリングパンチとを多段に配置したしごきラインを通過させることにより、厚みが約1.0mm乃至0.2mm程度まで圧延されて完成される。電池缶には、例えばバレルめっき処理が施されて、表面全体を被覆して防錆性に優れたニッケル層が形成される。
【0006】
電池缶は、電子素子を収納した状態でビード加工が施されて開口部から所定の高さ位置において内方へと凹ませたビードが全周に亘って形成され、収納した電池素子が保持されるようにする。電池缶には、リード溶接や非水電解液の充填等を経て、開口部を閉塞するようにして電池蓋がガスケットを重ね合わせて組み付けられる。電池缶は、開口縁を全周に亘って内方へと折曲して先端部で電池蓋とガスケットとを圧着してかしめ付けが行われる。
【0007】
リチウムイオン二次電池においては、電池缶に封入される非水電解液が水分を吸着した場合に、化学反応を起こしてフッ酸(HF)を発生させる。フッ酸は、強酸で化学反応性が極めて高く、鉄等に付着した場合にはたちまちのうちに錆を発生させる。また、リチウムイオン二次電池は、電池素子や非水電解液内に水分を吸着或いは含水していると、内部インピーダンスが上昇したりサイクル特性が劣化する。したがって、リチウムイオン二次電池の製造工程は、水分を除去した空間、いわゆるドライルームにおいて製造が行われる。
【0008】
ところで、電池缶は、上述した絞り加工やかしめ処理が施されることによってニッケルめっき層から鋼板母材の一部が露出し、この露出部分から錆が発生することがある。電池缶に発生する錆に起因する問題については、例えば特許文献1に開示されている。
【0009】
特許文献1に開示された電池は、アルカリ二次電池であり、冷間圧延鋼板に絞り加工を施して製作した電池缶にニッケルめっきを施した後に熱処理を施してなる。電池は、熱処理を施すことによって鋼板とニッケル層との間に鉄−ニッケル合金層を形成して溶接性が保持され、絞り加工時のめっき剥がれを抑制して防錆性の向上が図られるようにする。
【特許文献1】
特開平11−307064号公報。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的なリチウムイオン二次電池においては、かしめ加工時に、図8に示すように電池缶50の開口部51が全周に亘って内周側に向かって断面略C字状に湾曲される。電池缶50は、図9に示すように湾曲された開口部51の内部にガスケット52の外周部を巻き込んで電池蓋53の上面側へと折り込むとともに、開口縁54によってガスケット52を押圧する。したがって、電池缶50は、ガスケット52が電池蓋53の外周縁55を全周に亘って内外から包み込んだ状態で開口縁54によって押圧されることにより、開口部51をしっかりと封口する。電池缶50は、開口縁を内側に折曲して電池蓋とガスケットとをかしめ付ける上述した特許文献1の電池の封口構造と比較して、より強固な封口構造を構成する。
【0011】
電池缶50は、上述したように開口部51が断面略C字状に大きく湾曲されることから、内周側と外周側とで曲率差が生じる。電池缶50には、このために図8に示すように開口縁54の外周側の先端部位55において、ニッケル層56から鋼板母材57の一部が露出する。また、電池缶50は、深絞り加工やしごき加工を施すことによって、鋼板母材57の外周側面側においてニッケル層56とのひずみにより上述した露出部位55を発生させる。
【0012】
電池缶50には、上述した露出部位55が、図8に示すように開口部51の内周側において全周に亘って出現する。電池缶50は、上述したかしめ処理を施すことによって露出部位55の一部が膨出したガスケット52の外周縁によって覆われるが、図9に示すように完全に被覆されることは無く数百μmの高さで鋼板母材57が露出した状態のままとなる。
【0013】
リチウムイオン二次電池の製造工程においては、上述したように非水電解液が水分との化学反応によりフッ酸を発生させるために、封口工程後に電池缶50から付着した非水電解液を洗浄する工程が施される。製造工程においては、電池缶50の内部に非水電解液を充填する際に、開口部51の内周側において全周に亘って存在する露出部位55に非水電解液が付着する。製造工程においては、この洗浄工程の際に、付着した非水電解液と洗浄水とが反応してフッ酸を発生させて露出部位55に錆(赤錆)を発生させる。リチウムイオン二次電池は、電池缶50の開口部51に発生した錆の進行により、電池缶50の孔あきや封口不良等の問題が発生する虞があった。
【0014】
したがって、本発明は、絞り加工やかしめ処理が施される電池缶の開口部における錆の発生を確実に防止する電池及びその製造方法を提供することを目的に提案されたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる電池は、金属板に絞り加工を施して有底筒状に形成した電池缶の内部に電池素子を装填し、電池缶の開口部にガスケットを介して電池蓋を組み付けた後にかしめ処理を施して開口部を封口してなる。電池は、鋼板母材の表面を金属めっき層により被覆してなる表面処理鋼板が用いられ、絞り加工後にトリミング処理が施されてなる中間体の開口部に無電解めっき処理を施して金属コート層が形成された電池缶が用いられる。
【0016】
以上のように構成された本発明にかかる電池によれば、素材の表面処理鋼板に絞り加工やしごき加工を施すとともにトリミング処理を施して形成された有底筒状の電池缶中間体に、開口部の内周部位において鋼板母材が露出する金属めっき層の非被覆部位が発生する。電池によれば、電池缶中間体の開口部に簡易な装置と作業で実施が可能な無電解めっき処理を施して金属コート層を形成し、この金属コート層により金属めっき層の非被覆部位が被覆されるようにする。したがって、電池によれば、金属コート層によって電池缶の開口部における錆発生が確実に防止されるようになる。
【0017】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる電池の製造方法は、鋼板母材の表面を金属めっき層により被覆してなる表面処理鋼板に絞り加工を施して有底筒状の電池缶中間体を形成する絞り工程と、電池缶中間体の開口部にトリミング処理を施すトリミング工程と、電池缶中間体の開口部に無電解めっきを施して金属コート層が形成された電池缶を製作する無電解めっき工程と、電池缶の内部に電池素子を装填するとともに開口部に電池蓋とガスケットとを組み付ける組付工程と、開口部の開口縁にかしめ処理を施して電池蓋とガスケットとをかしめ付けて電池缶の開口部を封口する封口工程とを有する。
【0018】
以上の工程を有する本発明にかかる電池の製造方法によれば、素材の表面処理鋼板に絞り加工やしごき加工を施すとともにトリミング処理を施して形成された有底筒状の電池缶中間体に、開口部の内周部位において鋼板母材が露出する金属めっき層の非被覆部位が発生する。電池の製造方法によれば、電池缶中間体の開口部に簡易な装置と作業で実施が可能な無電解めっき処理を施して金属コート層を形成し、この金属コート層によって金属めっき層の非被覆部位を被覆保護するようにしたことから、電池缶の開口部における錆発生が確実に防止され、大幅な工程変更や新規設備の導入を行うこと無く信頼性の高い電池を製造することを可能とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として図1及び図2に示した電池1は、円筒型リチウムイオン二次電池(以下、単に電池と略称する。)であり、基本的な構成を従来のリチウムイオン二次電池と同様とする。電池1は、有底円筒形の電池缶2の内部に電池素子3が非水電解液とともに充填され、電池缶2の開口部4をガスケット5を介して電池蓋6によって封口してなる。電池1は、電池缶2が負極リード7を介して負極材8と接続されて負極を構成するとともに、電池蓋6が正極リード9を介して正極材10と接続されて正極を構成する。
【0020】
電池1は、電池缶2の内部に絶縁シート11により絶縁を保持されて電池素子3が収納される。電池1は、ビード12によって区割りされた電池缶2の上部空間に電池蓋6とともに電流遮断素子(PCT)13や安全弁14が組み付けられる。電池1は、正極リード9が安全弁14に溶接によって固定されかつこの安全弁14を介して電池蓋6と接続されてなる。なお、電池素子3は、負極材8と正極材10とがセパレータ15,16を介して重ね合わされるとともに渦巻き状に巻回されてなる。
【0021】
電池缶2は、詳細を後述する絞り工程等を経て電池缶中間体50を形成し、この電池缶中間体50の開口部4に対して無電解めっき処理が施される。電池缶2には、電池缶中間体50の開口部4から内部空間に電池素子3や非水電解液を充填した後に、開口部4から所定の高さ位置にビード12が全周に形成される。電池缶2は、ビード12によって区割りされた電池缶中間体50の上部空間部に電池蓋6やその他の構成部材を組み込んだ後に、開口部4にかしめ処理が施されて電池1を製造する。
【0022】
ビード12は、詳細を省略するが回転する電池缶中間体50の開口部近傍の外周面に先端が円弧状に形成されたブレードを押し付けることにより、この電池缶中間体50の内周側に全周に亘って突出形成された断面円弧状の凸部からなる。ビード12は、電池缶2の内部に充填された電池素子3を係止するとともに、電池蓋6や安全弁14等の部材を電池素子3に対して隔離保持する作用を奏する。
【0023】
電池缶2には、上述したようにビード12により区割りされた上部空間部に、安全弁14や電池蓋6が組み合わされる。電池缶2には、開口縁に全周に亘ってかしめ部17が形成されるとともに、このかしめ部17に対してかしめ処理が施されることによって電池蓋6により開口部4が封口される。電池蓋6は、金属板を素材として電池缶2の内径とほぼ等しい外径を有して形成され、中央領域が台座状に膨出形成されてなる。ガスケット5は、例えば気密性や水密性を有しかつ塑性変形特性を有するナイロン樹脂シート等を素材として、電池缶2の内径よりもやや大径のリング状に形成されてなる。
【0024】
かしめ部17は、電池中間体50の開口部4に例えばロールプレス加工を多段に施すことによって先端側を基端から次第に丸めるようにして形成され、図3及び図4に示すように開口縁18を内方側に向けた断面略C字状を呈している。かしめ部17は、加工途中において曲げ基端19と開口縁18との間隔hがガスケット5と電池蓋6との厚みよりもやや大きな状態とされ、また全体が円弧状に折曲されることによってかしめ強度の向上と取り扱い上の安全性が図られている。電池缶2には、詳細を後述する無電解めっき処理が施されて、開口縁18を被覆する金属コート層20が形成されている。
【0025】
かしめ部17は、内部空間17aにガスケット5の外周部を巻き込むようにして次第に丸められる。かしめ部17は、丸められるにしたがって、図4に示すように内部空間17aに巻き込んだガスケット5の外周縁部位5aを電池蓋6の外周部6aの上面に覆い被させる。かしめ部17は、その開口縁18によりガスケット5の外周縁部位5aを圧着することにより、ガスケット5によって電池蓋6の外周部6aが全周に亘って密閉されるようにする。
【0026】
負極材8は、フィルム状の銅箔等からなる負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布されて形成される。負極材8には、負極活物質として例えばリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料やポリアセチレン,ポリピロール等の高分子材料或いはSnO等の酸化物が用いられ、これにポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした負極塗料が用いられる。負極材8は、この負極塗料を例えばドクターブレード法等によって負極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して分散媒の残留有機溶媒を蒸発させ、さらにロールプレスによる加圧処理を施して負極活物質を負極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。
【0027】
正極材10は、フィルム状のアルミニウム箔等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が塗布されて形成される。正極材10には、正極活物質として例えばLiMO(M:一種類以上の遷移金属、x:電池の放電状態によって異にし、通常0.05以上1.10以下)で表される高電圧の発生或いはエネルギー密度に優れた特性を有するリチウム複合酸化物やその他の金属酸化物、金属硫化物が用いられる。正極材10には、この正極活物質にポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした正極塗料が用いられる。正極材10は、正極塗料を、例えばドクターブレード法等によって正極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して有機溶媒を飛ばし、さらにロールプレスによる加圧処理を施して正極活物質を正極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。
【0028】
非水電解液には、電解質を有機溶媒中に溶解させた溶液が用いられる。有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,γ−ブチロラクトン,スルホラン,1・2−ジメトキシエタン,1・2−ジエトキシエタン,2−メチルテトラヒドロフラン,3−メチル−1・3−ジオキソラン,プロピオン酸メチル,酪酸メチル,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,ジプロピルカーボネート等が用いられる。有機溶媒は、これらのなかから1種類単独で、或いは2種類以上を混合して用いられる。電解質は、上述した有機溶媒に溶解可能でありかつイオン伝導性を有するリチウムイオン塩、例えばLiPF,LiClO,LiBF,LiCFSO或いはLiN(CFSO等が用いられる。
【0029】
電池素子3は、負極材8及び正極材10と、それぞれが例えば微小孔が形成されたポリエチレン(PE)シートを負極材8や正極材10よりもやや大きな幅で切断したセパレータ14,15とが、巻取ロール上の外周部上で重ね合わされて製作される。電池素子3は、上述したように絶縁シート11を装着した電池缶2の内部に装填され、負極材8が負極リード7を介して電池缶2の底面に接続されるるとともに正極材10が電池缶2の内部に組み付けられた安全弁14と接続される。
【0030】
以上のように構成される電池1は、上述した電池缶2の素材として、表面処理鋼板51が用いられる。表面処理鋼板51は、鋼板母材52に対して例えば電気めっきによってニッケルめっきを施して表面全体を被覆するニッケルめっき層53を成膜形成してなる。表面処理鋼板51は、めっき処理後にさらに熱処理を施すことにより、鋼板母材52とニッケルめっき層53との間で相互拡散を生じさせて鉄−ニッケル合金層が形成される。表面処理鋼板51は、この鉄−ニッケル合金層によって電池缶2を形成して負極リード7の溶接を行う際に、ニッケルめっき層53を流れる無効電流を小さくしかつ鋼板母材52を流れる有効電流を増加させて溶接強度が向上しかつ安定した溶接が行われるようにする。
【0031】
電池1の製造工程は、従来の電池缶の製造工程とほぼ同様であり、新規な設備を必要とするものでは無い。電池1の製造工程は、上述した表面処理鋼板51を用いることで、製作した電池缶中間体50に対するニッケルめっき工程や洗浄工程等を不要として工程や設備の合理化とコスト低減が図られる。
【0032】
電池1の製造工程は、図5に示すように、素材メーカから供給された表面処理鋼板51に対して、絞り加工工程s−1と、仕上げ処理工程s−2と、開口部4のトリミング処理工程s−3とを施して電池缶中間体50を製作する。電池1の製造工程は、この電池缶中間体50に対して部分的に無電解めっきを施す無電解めっき処理工程s−4と、電池素子3を装填する電池素子装填工程s−5と、電池缶中間体50にビード12を形成するビード加工工程s−6を経て電池缶2を製作する。電池1の製造工程は、非水電解液充填工程s−7と、構成部材組付工程s−8と、封口処理工程s−9及び洗浄処理工程s−10等の工程を経て電池1を製造する。
【0033】
絞り加工工程s−1は、平板の表面処理鋼板51を例えばトランスファ型プレス機に供給して絞り量を次第に大きくする深絞り加工等からなり、全体カップ形状の中間体を製作する。なお、絞り加工工程s−1は、プレス機による深絞り加工を行って製作したカップ形状の中間体に対して、さらに絞りダイスを用いた絞り加工或いはしごきダイスを用いたしごき加工等を施こす工程であってもよい。
【0034】
電池1の製造工程は、仕上げ処理工程s−2において、カップ状中間体をしごきダイスとカップリングパンチとを多段に配置したしごきラインを通過させることによって所定の形状仕上げを行う。仕上げ処理工程s−2は、厚みが約1.0mm乃至0.2mm程度まで圧延して所定形状の有底円筒形状の中間缶体を製作する。電池1の製造工程は、トリミング処理工程s−3において、中間缶体に対して開口部4の形状を整えるとともにバリ等を除去するトリミング処理を施すことによって、電池缶中間体50を製作する。
【0035】
電池缶中間体50には、表面処理鋼板51に対して上述したように絞り加工工程s−1や仕上げ処理工程s−2或いはトリミング処理工程s−3を施すことによって、図6に示すように開口部4の外周部位に鋼板母材52の露出部位54が生じる。すなわち、電池缶中間体50は、表面処理鋼板51に対して多段の深絞り加工やしごき加工が施されて有底円筒形に形成されるが、かかる加工を施すことにより内周部分と外周部分とで歪み量の差が発生する。電池缶中間体50は、ニッケルめっき層53に対して加工性が大きな鋼板母材52の伸び量が大きいことから、開口部4の外周部位において露出部位54が生じる。
【0036】
電池1の製造工程においては、無電解めっき処理工程s−4において、図6に示すように電池缶中間体50の開口部4をめっき液55に浸潤する無電解めっきが施される。無電解めっき法は、周知のように金属間相互の化学的置換や還元反応によって電源を用いずに簡易な設備によって対象物の表面に析出した金属を被膜形成する方法である。無電解めっき法は、対象物の形状や素材等に限定されずに均一な膜厚の被膜形成を可能とする。
【0037】
無電解めっき処理工程s−4は、めっき液55にリンの含有率が重量比で5%乃至12%のニッケル・リンめっき液が用いられる。めっき液55は、リンの含有率によって被膜の特性を異にさせ、含有率が大きいほど耐食性を高くするとともに小さいほど硬度が高く耐摩耗性を向上させる。無電解めっき処理工程s−4は、例えば電池缶中間体50が外径180mm、高さ670mmに形成された場合に、開口縁18から4±1.5mmの高さまでめっき液55に浸潤させる。無電解めっき処理工程s−4は、図7に示すように電池缶中間体50の開口部4に全周に亘ってニッケル・リンからなる金属コート層20を被膜形成して露出部位54を被覆する。
【0038】
電池1の製造工程においては、電池素子装填工程s−5において、上述した工程を経て形成された電池缶中間体50に対して、その開口部4から内部空間内に電池素子3が装填される。電池素子組付工程s−5は、電池缶中間体50の底面に負極リード7の溶接を行った後に、内部空間に電池素子3とスペーサとを装填する。
【0039】
電池1の製造工程においては、ビード加工工程s−6において、電池缶中間体50に、開口部4から所定の高さ位置においてビード12が形成される。ビード加工工程s−6は、上述したように電池缶中間体50を回転させた状態で外側面にブレードを押し付けて内方へと突出されたビード12を全周に亘って形成することで、電池缶中間体50から電池缶2の基本形状を形成する。
【0040】
電池1の製造工程においては、非水電解液充填工程s−7において、電池缶2の内部に定量の非水電解液を充填する。電池1の製造工程においては、構成部材組付工程s−8において、ビード12上に保持するようにして安全弁14や電流遮断素子13の組み付が行われる。構成部材組付工程s−8においては、さらに正極リード9の溶接を行ってガスケット5や電池蓋6の組み付けが行われる。
【0041】
電池1の製造工程においては、封口処理工程s−9において、電池缶2の開口部4を封口するかしめ処理が行われる。封口処理工程s−9は、上述したように開口部4に例えば多段のロールプレス加工をして開口縁18を内方側に向けた断面略C字状のかしめ部17を形成する。封口処理工程s−9は、内部空間17aにガスケット5の外周部を巻き込んで外周縁部位5aを電池蓋6の外周部6aの上面に覆い被させ、開口縁18によってガスケット5の外周縁部位5aを圧着することにより、ガスケット5によって電池蓋6の外周部6aを全周に亘って密閉して開口部4を封口して電池1を完成する。
【0042】
電池1は、電池缶2が、上述したように無電解めっき処理工程s−4を経て開口部4に所定の高さ位置まで金属コート層20を形成されたことによって、封口処理工程s−9によりかしめ部17が形成されても鋼板母材52の被覆状態が保持される。換言すれば、電池缶2は、かしめ処理を施しても、開口部4において露出部位54の発生が防止されている。
【0043】
電池1の製造工程においては、上述した電池素子3を装填する電池素子装填工程s−5から開口部4を封口する封口工程s−9の工程が、ドライルーム内において行われる。電池1の製造工程においては、後処理として、洗浄工程s−10において電池缶2の洗浄が行われて非水電解液充填工程s−7の際に付着した非水電解液が洗浄除去される。なお、電池1の製造工程においては、電池缶2にラベルを貼着する等の処理も施される。また、電池1の製造工程は、上述した工程順序に限定されるものでは無く、適宜の順序によって電池1の製造を行うようにしてもよいことは勿論である。
【0044】
電池1の製造工程においては、上述した無電解めっき処理工程s−4を施して電池缶2の開口部4に金属コート層20を形成したことによって、全体をニッケル−リン合金層による被覆状態を保持されるようにする。電池1の製造工程においては、上述したように付着した非水電解液が洗浄水と反応してフッ酸を生じても、このフッ酸によって電池缶2が侵食されて錆が発生するといった事態の発生が確実に防止されるようにする。電池1の製造工程においては、大幅な工程変更や新規設備の導入を行うこと無く、高信頼性の電池1を効率よく製造することを可能とする。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、素材の表面処理鋼板に絞り加工を施した後に開口部のトリミング処理を施してなる中間体に無電解めっき処理を施して金属コート層を形成した電池缶を用いることから、開口部の内周部位において金属めっき層から鋼板母材が露出する露出部位の発生が確実に防止されるようにする。したがって、本発明によれば、表面処理鋼板を用いたことにより電池缶を形成後のめっき工程や洗浄工程が不要とされて工程や設備の合理化によるコスト低減を図り、電池缶の開口部における錆発生或いはこれによる封口不良等の発生を抑制して信頼性の向上が図られるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムイオン二次電池の一部切欠き要部斜視図である。
【図2】リチウムイオン二次電池の封口部を説明する一部切欠き要部斜視図である。
【図3】電池缶のカシメ部を説明する要部縦断面図である。
【図4】同封口部の構成を説明する要部縦断面図である。
【図5】リチウムイオン二次電池の概略製造工程図である。
【図6】無電解めっき処理の説明図である。
【図7】金属コート層が形成された電池缶の縦断面図である。
【図8】従来の電池缶のカシメ部を説明する要部縦断面図である。
【図9】同封口部の構成を説明する要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池(電池)、2 電池缶、3 電池素子、4 開口部、5 ガスケット、6 電池蓋、8 負極材、10 正極材、12 ビード、17 かしめ部、18 開口縁、20 金属コート層、50 電池缶中間体、51 表面処理鋼板、52 鋼板母材、53 ニッケルめっき層、54 露出部位、55 めっき液

Claims (13)

  1. 金属板に絞り加工を施して有底筒状に形成した電池缶の内部に電池素子を装填し、上記電池缶の開口部にガスケットを介して電池蓋を組み付けた後にかしめ処理を施して上記開口部を封口してなる電池において、
    上記電池缶には、鋼板母材の表面を金属めっき層により被覆してなる表面処理鋼板が用いられ、絞り加工後にトリミング処理が施された上記開口部に無電解めっき処理が施されて金属コート層が形成されることを特徴とする電池。
  2. 上記電池缶が、有底円筒形であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 上記電池素子が、炭素系材料からなるシート状の負極材とリチウム含有材料からなるシート状の正極材とをセパレータを介して重ね合わて巻回してなり、上記電池缶に非水電解液とともに装填されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  4. 上記開口部に形成された金属コート層が、ニッケル−リン合金層であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  5. 金属コート層のリン含有率が、重量比5%乃至12%であることを特徴とする請求項4に記載の電池。
  6. 上記金属コート層が、上記開口部に対して開口縁から2.5mm乃至5.5mmの領域に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  7. 上記電池缶が、全周に亘って内周側に向かって断面略C字状に湾曲された上記開口部の開口縁によって、上記電池蓋の外周縁を上記ガスケットの外周縁で包み込むようにかしめて封口することを特徴とする請求項1に記載の電池。
  8. 鋼板母材の表面を金属めっき層により被覆してなる表面処理鋼板に絞り加工を施して有底筒状の電池缶中間体を形成する絞り工程と、
    上記電池缶中間体の開口部にトリミング処理を施すトリミング工程と、
    上記電池缶中間体の開口部に無電解めっきを施して金属コート層を形成して電池缶を製作する無電解めっき工程と、
    上記電池缶の内部に電池素子を装填するとともに、上記開口部に電池蓋とガスケットとを組み付ける組付工程と、
    上記開口部の開口縁にかしめ処理を施して上記電池蓋とガスケットとをかしめ付けて上記電池缶の開口部を封口する封口工程
    とを備えることを特徴とする電池の製造方法。
  9. 上記無電解めっき工程が、上記電池缶中間体の開口部にニッケル−リン合金からなる金属コート層を形成することを特徴とする請求項8に記載の電池の製造方法。
  10. 上記無電解めっき工程に、リン含有率が重量比5%乃至12%のニッケル−リン合金めっき液を用いることを特徴とする請求項9に記載の電池の製造方法。
  11. 上記無電解めっき工程が、上記電池缶中間体の開口部に、開口縁から2.5mm乃至5.5mmの領域に上記金属コート層を形成することを特徴とする請求項9に記載の電池の製造方法。
  12. 上記電池素子組付工程が、炭素系材料からなるシート状の負極材とリチウム含有材料からなるシート状の正極材とをセパレータを介して重ね合わて巻回した電池素子を電池缶に装填する工程であることを特徴とする請求項8に記載の電池の製造方法。
  13. 上記封口工程が、全周に亘って内周側に向かって断面略C字状に湾曲された上記開口部の開口縁によって、上記電池蓋の外周縁を上記ガスケットの外周縁で包み込むようにかしめることを特徴とする請求項8に記載の電池の製造方法。
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