JP2004218981A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止すること。
【解決手段】加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段1aと、加熱開始用操作部14,16によって加熱手段1aが加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と加熱開始用操作部によって加熱手段1aが加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられ、ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、加熱開始用操作部14,16の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段1aと、加熱開始用操作部14,16によって加熱手段1aが加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と加熱開始用操作部によって加熱手段1aが加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられ、ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、加熱開始用操作部14,16の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような加熱調理器は、ロック手段をロック解除状態に切り換えて、加熱開始用操作部によって加熱手段を加熱作動停止状態から加熱作動状態に切り換え、所望の加熱調理を行い、ロック手段をロック状態に切り換えることにより、加熱開始用操作部によって加熱手段が加熱作動停止状態から加熱作動状態に切り換えられることを阻止して、子供のいたずらなどにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するものである。
【0003】
ちなみに、上記のような加熱調理器において、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成としては、機械式のものと電気式のものとの2種類があるので、機械式のものと電気式のものとの夫々について説明を加える。
機械式のものでは、加熱開始用操作部を押圧操作して、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることにより、加熱手段を加熱作動状態に切り換えるように構成されている。
そして、機械式のものでは、ロック手段が、ロック状態において、加熱開始用操作部が加熱開始用位置まで押し込み移動されることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始用操作部が加熱開始用位置まで押し込み移動されることを許容するように構成されている。
【0004】
また、電気式のものでは、加熱開始用操作部を押圧操作して、加熱開始用操作部にて加熱開始を指令するようにして、加熱手段の作動状態を制御する制御部が、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されると、加熱手段を加熱作動状態に切り換えるように構成されている。
そして、電気式のものでは、ロック手段が、ロック状態において、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されても、制御部がその加熱開始の指令を受け付けないように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されると、制御部がその加熱開始の指令を受け付けるように構成されている。
【0005】
上記のような加熱調理器において、従来では、加熱開始用操作部が機器本体のケーシングの前面部に設けられ、ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、機器本体のケーシングの前面部で加熱開始用操作部の配設箇所の下側に設けられ、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−320120号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の加熱調理器では、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられているので、子供にとって、ロック用操作部が存在していることが分かりやすく、ロック用操作部をどのように操作するかも覚えやすいものとなっていた。
したがって、子供にとって、ロック用操作部を操作することは容易であるので、ロック用操作部を操作してロック手段をロック状態に切り換えても、子供がロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることになり、未だ子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられる虞があった。
【0008】
ちなみに、従来の加熱調理器では、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成としては、機械式のものと電気式のものとの2種類があるが、いずれにおいても、ロック用操作部が、機器本体のケーシングの前面部で加熱開始用操作部の配設箇所の下側に設けられ、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられていたので、機械式のものと電気式のものとの両方において、上述のような不都合があった。
【0009】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器において、
前記ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、前記加熱開始用操作部の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられている。
【0011】
すなわち、ロック用操作部が、加熱開始用操作部の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられているので、子供にとって、ロック用操作部の存在自体が分かりにくく、ロック用操作部をどのように操作するかを覚えにくいものとなっている。
したがって、子供にとって、ロック用操作部を操作することは難しく、子供のいたずらによりロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになる。
以上のことから、ロック用操作部を操作してロック手段をロック状態に切り換えておくことによって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができることとなって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記ロック用操作部が、ケーシングに形成された開口の内側箇所に設けられ、前記開口を通して、前記ロック用操作部がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能に構成されている。
【0013】
すなわち、ロック用操作部が、ケーシングに形成された開口の内側箇所に設けられているので、外部から開口を通してロック用操作部が見えるだけとなり、子供にとって、ロック用操作部の存在が分かりにくいものとなる。
しかも、ロック用操作部をロック状態とロック解除状態とに切換操作するときには、ケーシングに形成された開口に手指や手指よりも小径状の棒状体を挿入して、ロック用操作部をロック状態とロック解除状態とに切換操作することになるので、ロック用操作部の操作自体が行いにくいものとなる。
そして、ケーシングに形成される開口の大きさを小さくするほど、外部からロック用操作部が見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体が行いにくいものとなるので、ケーシングに形成される開口の大きさをより小さくすることにより、外部からロック用操作部がより一層見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体がより一層行いにくいものとすることができることになる。
【0014】
したがって、外部からロック用操作部が見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体が行いにくいので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることをより一層的確に阻止することができることになる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、前記開口がスリット状に形成され、前記加熱手段の加熱量を調整するための加熱量調節レバーが、前記スリット状の開口を貫通する状態で、かつ、前記スリット状の開口の長手方向に沿う移動により加熱量最大用位置と加熱量最小位置とに操作される状態で設けられている。
【0016】
すなわち、加熱手段の加熱量を調整するための加熱量調節レバーを設けるために、ケーシングにスリット状の開口が形成され、その開口の内側箇所に、ロック用操作部を設け、そのスリット状の開口を通して、ロック用操作部がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能であるので、加熱量調節レバーを設けるために形成されるスリット状の開口を利用しながら、ロック用操作部を、外部から見えにくく、しかも、操作自体が行いにくくなるように設けることができることになる。
したがって、既設のスリット状の開口を利用しながら、子供のいたずらによりロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止することができながら、構成の簡素化を図ることができることになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことにより、前記加熱手段の加熱作動を開始させるように構成され、
前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、前記加熱量調節レバーを前記加熱量最大用位置と前記加熱量最小用位置との間の加熱量中用位置に移動させる加熱量調節レバー操作手段が設けられ、
前記ロック手段は、前記ロック状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を阻止することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止するように構成され、かつ、前記ロック解除状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を許容することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを許容するように構成されている。
【0018】
すなわち、加熱量調節レバー操作手段が、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、加熱量中用位置を外れた位置に位置する加熱量調節レバーを加熱量中用位置に移動させるので、加熱手段の加熱量を中にした状態で、加熱手段の加熱作動を開始させることができることになる。
そして、例えば、加熱手段がバーナであるときには、加熱手段の加熱作動を開始させるときの加熱手段の加熱量が大きいと、必要以上に勢い良く着火することになって、使用者に不快感を与える虞があり、逆に、加熱手段の加熱作動を開始させるときの加熱手段の加熱量が小さいと、確実な点火を行うことができない虞がある。
したがって、加熱手段の加熱量を中にした状態で、加熱手段の加熱作動を開始させることによって、使用者に不快感を与えることもなく、しかも、確実な点火を行うことができない事態に陥ることも回避することができることになる。
【0019】
しかも、ロック手段は、加熱量中用位置を外れた位置に位置する加熱量調節レバーの加熱量中用位置への移動を加熱量調節レバー操作手段にて阻止したり、許容することにより、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止したり、許容するように構成されているので、ロック手段としては、ロック用操作部の操作に連動して、スリット状の開口での加熱量調節レバーの加熱量中用位置への移動を阻止または許容する構成を備えるだけでよいものとなる。
そして、請求項3に記載の如く、加熱量調節レバーを設けるために形成されるスリット状の開口の内側箇所に、ロック用操作部を設けられているので、ロック用操作部の配設箇所と加熱量調節レバーの配設箇所とが近くに存在することになる。
したがって、ロック手段としては、近くに配設されたロック用操作部の操作と加熱量調節レバーの移動とを連動させるように構成するだけでよく、ロック手段の構成の簡素化を図ることができることになる。
【0020】
以上のことから、使用者に不快感を与えることもなく、しかも、確実な点火を行うことができない事態に陥ることも回避することができながらも、ロック手段の構成を簡素な構成とすることができることになる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、前記ロック用操作部が、前記機器本体の電源用の電池を前記機器本体内に収納する電池収納部に、その電池収納部を開閉する蓋体を閉じた状態においてその蓋体の内方側に位置させるように設けられている。
【0022】
すなわち、ロック用操作部が、電池収納部を開閉する蓋体を閉じた状態においてその蓋体の内方側に位置させるように設けられているので、蓋体を閉じることにより、ロック用操作部が機器本体内に隠れた状態となる。
したがって、ロック用操作部が機器本体内に隠れているので、子供にとって、ロック用操作部が存在していること自体分かりにくいものとなって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることをより一層的確に阻止することができることになる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器において、
機器本体において、可動することが予測できない可動予測不可能部材が、ロック用位置とロック解除用位置とに可動自在に構成され、
前記ロック手段は、前記可動予測不可能部材をロック用位置に移動操作すると、前記ロック状態に切り換えられ、かつ、前記可動予測不可能部材をロック解除用位置に移動操作すると、前記ロック解除状態に切り換えられるように構成されている。
【0024】
すなわち、ロック手段は、可動することが予測できない可動予測不可能部材を可動させることにより、ロック状態とロック解除状態に切り換えられるように構成されているので、子供にとって、可動予測不可能部材を可動させることは思い付きにくく、ロック手段をロック状態とロック解除状態に切り換えることは難しいものとなる。
したがって、子供のいたずらによりロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、ロック手段をロック状態に切り換えておくことによって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができることになる。
以上のことから、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供できるに至った。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、前記機器本体は、装着用開口から挿入されて装着空間に装着されるビルトイン式に構成され、前記可動予測不可能部材は、前記装着空間に前記機器本体を装着させた状態において、前記装着空間における前記機器本体との隙間を埋める隙間埋め部材にて構成されている。
【0026】
すなわち、ロック手段は、装着空間におけるビルトイン式の機器本体との隙間を埋める隙間埋め部材を可動させることによって、ロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されているので、ビルトイン式の機器本体を装着するために設けられる隙間埋め部材にて、ロック手段をロック状態とロック解除状態に切り換える操作部を兼用することができることになる。
したがって、ビルトイン式の機器本体において、既設の構成を利用しながら、子供のいたずらによりロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができながらも、構成の簡素化を図ることができることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる加熱調理器をガスコンロに適応した例を図面に基づいて説明する。
このガスコンロは、図1および図2に示すように、3つのコンロバーナ部1およびそのコンロバーナ部1の下方側の内部に配置されてバーナを備えたグリル部2をケーシング3内に収納させた機器本体4から構成されている。
そして、機器本体4をシステムキッチン5のカウンタ(上面)に形成された装着用開口6に上方側から差し込み挿入することにより、装着空間7に機器本体4を装着して、機器本体4がビルトイン式に構成されている。
また、機器本体4の両横側部には、装着空間7における機器本体4との隙間を埋める隙間埋め部材10が設けられ、装着空間7に機器本体4を装着することにより、システムキッチン5の前側面に形成された操作用開口8から機器本体4のケーシング3の前面部が外部に臨む状態となるように構成されている。
【0028】
前記機器本体4の後方側箇所には、グリル部2におけるグリルバーナの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口11が形成され、各コンロバーナ部1の周囲は、トッププレート12にてガスコンロ上面が覆われており、このトッププレート12の上部に、各コンロバーナ部1に対する被加熱対象(鍋など)を受け止め支持するための五徳13が載置支持されている。
【0029】
前記コンロバーナ部1の夫々には、加熱手段としてのコンロバーナ1aが設けられ、図示はしないが、グリル部2にも、加熱手段としてのグリルバーナが設けられている。
そして、機器本体4のケーシング3の前面部には、その横方向の中央部分にグリル部2のグリル庫2aが設けられ、コンロバーナ1aやグリルバーナに対して、点火操作、消火操作や火力調節操作などを行う前面操作部9が、グリル庫2aの両側に分散して設けられている。
【0030】
前記前面操作部9には、コンロバーナ部1が3つ設けられているので、コンロバーナ1aの点火操作および消火操作を行うコンロ用の点火・消火ボタン14と、コンロバーナ1aの火力を調節するためのコンロ用の火力調節レバー15とが3つずつ備えられている。
また、前面操作部9には、グリル部グリルバーナの点火操作および消火操作を行うグリル用の点火・消火ボタン16と、グリルバーナの火力を調節するためのグリル用の火力調節レバー17とが備えられている。
【0031】
前記コンロ用およびグリル用の点火・消火ボタン14,16は、押圧操作により機器本体4の後方側への押し込み移動自在に設けられ、その押圧操作によりコンロ用およびグリル用の点火・消火ボタン14,16を押し込み移動させることによって、点火操作および消火操作を行うように構成されている。
【0032】
また、コンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の夫々は、ケーシング3の前面部に形成されたスリット状の開口18を貫通する状態で、かつ、スリット状の開口18の長手方向、すなわち機器本体4の横方向に沿う移動により加熱量最大位置としての最大強火位置と加熱量最小位置としての最小弱火位置とに操作される状態で設けられている。
そして、スリット状の開口18から機器本体4の前方側に突出したコンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の先端には、操作つまみ19が設けられ、この操作つまみ19にてコンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17を開口18内で機器本体4の横方向に移動させることによって、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの火力を調節するように構成されている。
【0033】
このようにして、コンロ用の点火・消火ボタン14およびグリル用の点火・消火ボタン16が、加熱開始用操作部として構成され、コンロ用の火力調節レバー15およびグリル用の火力調節レバー17が、加熱量調節レバーとして構成されている。
【0034】
前記コンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の夫々は、図3に示すように、バーナへの燃料ガスの供給を断続するとともに、バーナへの燃料ガス供給量を調節するガス量調節装置20に取り付けられている。
そして、ガス量調節装置20は、コンロバーナ部1に対応する3つと、グリル部2に対応するひとつと、合計4つ設けられ、それら4つのガス量調節装置20の夫々が、点火・消火ボタン14,16の点火操作によって、バーナの加熱を開始し、火力調節レバー15,17の開口18内での移動によって、バーナの火力を調節し、点火・消火ボタン14,16の消火操作によって、バーナの加熱を停止するように構成されている。
このようにして、この実施形態におけるガスコンロは、バーナを加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成が機械式に構成されている。
【0035】
以下、ガス量調節装置20の構成について説明するが、4つのガス量調節装置20は同様の構成であるので、コンロバーナ部1に対応するガス量調節装置20を例に挙げて説明し、他のものについては説明を省略する。
【0036】
前記ガス量調節装置20は、図3および図4に示すように、その長手方向が機器本体4の前後方向に沿う状態で、点火・消火ボタン14の配設箇所の後方側に設けられている。
そして、ガス量調節装置20は、開口の導入口21から供給される燃料ガスをガス流路23を介して導出口22からコンロバーナ1aへ供給するように構成され、ガス流路23には、火力調節レバー15の操作に連動して上下動しその位置に応じたガス流量に調節するニードル29が設けられている。
ちなみに、図3は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20を示す側面図であり、図4は、図3の一部を省略した縦断面図である。
【0037】
前記機器本体4の前後方向において、後端側には、ガス流路21を開閉する電磁式の安全弁24が内装され、前端側には、固定枠25に対してスライダ26が摺動自在に内嵌されている。
このスライダ26には、バルブロッド27が固着されて安全弁24側に延出され、このバルブロッド27には、ガス流路23を開閉するための弁体28が設けられている。
【0038】
そして、このガス量調節装置20には、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を消火位置から加熱用開始位置まで摺動させて、点火操作を行うことによって、弁体28および安全弁24を開き、その点火操作を解除しても、消火位置と加熱用開始位置との間の中間位置にスライダ26を保持して弁体28を開いた状態を保持し、再度、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を摺動させて、消火操作を行うことによって、スライダ26の中間位置への保持を解除し、その消火操作を解除すると、スライダ26を消火位置まで自動復帰させて弁体28を閉じるプッシュプッシュ機構が備えられている。
【0039】
このプッシュプッシュ機構は、公知技術であるので、図示はしないが、スライダ26と固定枠25との間や、弁体28とガス量調節装置本体20aとの間に介装されて、スライダ26をガス量調節装置本体20aの前端側に弾性付勢するコイルスプリング、スライダ26の下面に取り付けられるほぼハート型のカム溝を備えたハートカム部材、および、そのハートカム部材のカム溝に係合するピンなどから構成されている。
【0040】
前記プッシュプッシュ機構の動作について、詳述はしないが、説明を加えると、コンロバーナ1aを消火しているときには、図3に示す状態となり、スライダ26が消火位置に存在する。
そして、図3に示すスライダ26が消火位置に存在する状態から、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、図7に示すように、スライダ26が加熱開始用位置まで押し込み移動されると、弁体28がガス流路23を開き、かつ、バルブロッド27の先端が安全弁24を押圧して開弁され、その後、スライダ26の摺動により点火装置用の固定接点が接触状態に切り換えられ、図外の点火装置によってコンロバーナ1aに点火される。
前記コンロバーナ1aに点火した後、点火・消火ボタン14に対する押圧操作が解除され、点火操作が解除されると、カム溝とピンとの係合により、スライダ26が中間位置に位置保持され、点火装置用の固定接点が非接触状態に切り換えられて、弁体28はガス流路23を開いた状態を維持し、安全弁24はコンロバーナ1aの燃焼による図外サーモカップルの熱起電力により開弁状態に維持されるので、コンロバーナ1aの燃焼が続行される。
【0041】
そして、消火操作により、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、スライダ26が中間位置から固定枠25の後端側に摺動し、スライダ26の中間位置への位置保持が解除されて、点火・消火ボタン14に対する押圧操作が解除され、消火操作が解除されると、コイルスプリングの付勢力により、スライダ26が元の消火位置に自動復帰し、図3に示す状態となり、その自動復帰の際に、弁体28がガス流路23を閉じる。
【0042】
前記ニードル29の上部側側面には、図3に示すように、係合ピン30が設けられ、その係合ピン30が、ニードル29の側面側に設けられた傾斜孔32に遊貫され、その傾斜孔32に沿って摺動自在に設けられている。
前記火力調節レバー15は、固定枠25の上部側で機器本体4の上下方向に沿う固定軸33周りで回動自在に設けられ、その固定軸33の側面から垂下するピン係合板34が火力調節レバー15に一体的に設けられている。
そして、ピン係合板34には、縦方向に長い長孔が形成され、その長孔にニードル29の係合ピン30が遊貫されている。
【0043】
コンロバーナ1aの火力を調節するときには、図5および図6の(ロ)に示すように、火力調節レバー15の先端に設けられた操作つまみ19を機器本体4の横方向に移動させて、火力調節レバー15を固定軸33周りに回動させることにより、図5および図6の(イ)に示すように、ニードル29の係合ピン30が火力調節レバー25と一体的に回動するピン係合板34にて押されて傾斜孔32に沿って摺動させる。
そして、係合ピン30の傾斜孔32に沿う摺動により、ニードル29の上下位置を調節し、ガス流路23を流動する燃料ガス流量が調節されて、コンロバーナ1aの火力を調節するように構成されている。
【0044】
ちなみに、図5は、火力調節レバー15を最小弱火位置に操作した状態を示し、図6は、火力調節レバー15を最大強火位置に操作した状態を示しており、図5および図6の(イ)は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20を示す側面図であり、図5および図6の(ロ)は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20の一部を省略した平面図である。
【0045】
また、このガス量調節装置20には、加熱開始用操作部として作用するスライダ26を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、火力調節レバー15を最大強火位置と最小弱火位置との間の加熱量中用位置としての中火位置に移動させる加熱量調節レバー操作手段36が設けられている。
この加熱量調節レバー操作手段36は、スライダ26の上面に一体的に形成された押圧部37、機器本体4の横方向に沿う揺動軸38周りに揺動自在な揺動板39、火力調節レバー15の両横側部から垂下される状態で火力調節レバー15に一体的に形成された左右一対の案内板40などから構成されている。
【0046】
加熱量調節レバー操作手段36の動作について説明を加えると、図3に示す状態から、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を消火位置から加熱用開始位置まで摺動させることによって、図7に示すように、揺動板39の下端側部分がスライダ26の押圧部37にて押されて、揺動板39が揺動軸38周りに揺動するように構成されている。
そして、図5に示すように、火力調節レバー15が中火位置よりも弱火側の中火位置から外れた位置に位置するときには、揺動板39の揺動により、揺動板39の上端側部分が前方側に移動し、案内板40の一方側が揺動板39の上端側部分にて前方側に押されて火力調節レバー15を固定軸33まわりで回転させて、図7に示すように、火力調節レバー15を中火位置に移動させるように構成されている。
また、図6に示すように、火力調節レバー15が中火位置よりも強火側の中火位置から外れた位置に位置するときには、揺動板39の揺動により、揺動板39の上端側部分が前方側に移動し、案内板40の一方側が揺動板39の上端側部分にて前方側に押されて火力調節レバー15を固定軸33周りで回転させて、図7に示すように、火力調節レバー15を中火位置に移動させるように構成されている。
【0047】
ちなみに、スライダ26を加熱用開始位置まで摺動させることにより、揺動板39が揺動軸38周りに揺動するように、押圧部37と揺動板39の下端側部分との配設位置が調節されており、スライダ26が消火位置や中間位置に存在するときには、揺動板39の上端側部分が案内板40よりも後方側に位置して、火力調節レバー15が固定軸33周りで自由に回動できるように構成されている。
【0048】
以上のようにして、ガス量調節装置20は、点火・消火ボタン14の点火操作や消火操作によって、コンロバーナ1aの加熱の開始や停止を行い、火力調節レバー15の開口18内での移動によって、コンロバーナ1aの火力を調節するとともに、点火・消火ボタン14の点火操作によって、火力調節レバー15を中火位置に位置させた状態で、コンロバーナ1aの加熱を開始させるように構成されている。
【0049】
そして、このガスコンロには、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について、点火・消火ボタン14,16の点火操作によってバーナの加熱が開始されることを阻止するロック状態と点火・消火ボタン14,16の点火操作によってバーナの加熱が開始されることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段41が設けられている。
このロック手段41は、図8および図9に示すように、ロック状態において、中火位置を外れた位置に位置する火力調節レバー15,17の中火位置への移動を阻止することにより、点火・消火ボタン14,16の押し込み移動によりスライダ26を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、中火位置を外れた位置に位置する火力調節レバー15,17の中火位置への移動を許容することにより、点火・消火ボタン14,16の押し込み移動によりスライダ26を加熱開始用位置まで押し込むことを許容するように構成されている。
ちなみに、図8は、ロック手段41がロック状態に切り換えられている状態を示し、図9は、ロック手段41がロック解除状態に切り換えられている状態を示している。
【0050】
また、ロック手段41をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部42が、点火・消火ボタン14,16の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくい難視認状態で設けられている。
すなわち、ロック用操作部42は、ケーシング3の前面部に形成されたスリット状の開口18の内側箇所に設けられ、その開口18を通して、ロック用操作部42がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能に構成されている
【0051】
以下、ロック手段41およびロック操作部42の構成について図8および図9に基づいて説明を加えるが、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42も、グリルバーナについてのロック手段41およびロック操作部42も、同様の構成であるので、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42のひとつを例に挙げて説明し、その他のものについては説明を省略する。
【0052】
前記ロック手段41は、機器本体4の前後方向に沿う軸芯43周りで回動自在に支持されたロック板44と、軸芯43周りで弱火位置側から強火位置側へロック板44を回転操作することによって出退するシャフト付きのラッチ機構45とから構成され、ロック板44が、ロック用操作部42を兼用するように構成されている。
【0053】
そして、ロック板44は、図8に示すように、その一部が開口18の形成箇所よりも上昇側に突出して開口18内での火力調節レバー15の弱火側から中火位置への移動を阻止するロック用位置と、図9に示すように、開口18の形成箇所よりも下方側に退避して開口18内での火力調節レバー15の移動を許容するロック解除用位置とに回動操作自在に設けられている。
前記ラッチ機構45は、シャフト46が筒体47に対して出退自在に支持され、図8に示すように、シャフト46を筒体47から突出させた状態を保持する突出状態と、図9に示すように、シャフト46を筒体47内に退避させた状態を保持する退避状態とに切換自在で、かつ、シャフト46が筒体47側に押されるごとに、突出状態から退避状態にまたは退避状態から突出状態に切り換えられるように構成されている。
【0054】
前記ラッチ機構45の構成について説明を加える。
前記シャフト46は、スプリング48にて筒体47から突出させる側に弾性付勢され、シャフト46を筒体47内に退避させた状態を保持し、その保持した状態からシャフト46が筒体47側に押されることによって、その保持を解除する弾性体49が設けられている。
そして、シャフト46の外周部には、外方側に突出する係止突起46aと押圧部46bとが形成され、弾性体49には、シャフト46を筒体47内に退避させたときに係止突起46aを係止する係止段部49aと、退避状態からシャフト46が筒体47内に移動するときに押圧部46bにて押圧される被押圧部49bとが形成されている。
【0055】
前記ラッチ機構45の動作について説明を加えると、ラッチ機構45が突出状態のときに、シャフト46が筒体47側に押されて移動すると、シャフト46の係止突起46aが弾性体49の係止段部49aを外方側に押圧し、その押圧力によって弾性体49が弾性変形して、係止突起46aが係止段部49aを乗り越えることを許容し、係止突起46aが係止段部49aよりも下方側に移動して、係止突起46aが係止段部49aに係止され、退避状態に切り換えられる。
また、ラッチ機構45が退避状態のときに、シャフト46が筒体47側に押されて移動すると、シャフト46の押圧部46bが弾性体49の被押圧部49bを外方側に押圧し、その押圧力によって弾性体49が弾性変形して、係止突起46aが係止段部49aを乗り越えることを許容して、スプリング48の付勢力により係止突起46aが係止段部49aよりも上方側に移動して係止が解除され、突出状態に切り換えられる。
【0056】
そして、ロック板44の外周部は、円弧状に形成され、そのロック板44の外周部にラッチ機構45のシャフト46の上端部が接当するように設けられ、図8に示すように、ロック板44がロック用位置に位置するときには、シャフト46の上端部がロック板44の突出段部44aに接当することにより、ロック板44が弱火位置側から強火位置側へ回転するのを阻止するように構成されている。
【0057】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、火力調節レバー15を中火位置よりも弱火位置側に位置させた状態で、手指や手指よりも小径状の棒状体を開口18から挿入して、ロック解除用位置に位置するロック板44を軸芯43周りで図中時計方向へ回転操作するようにしている。
そして、このロック板44の回転に伴って、シャフト46の上端部がロック板44の外周部にて筒体47側に押されて、ラッチ機構45が突出状態から退避状態に切り換えられるので、シャフト46の上端部にてロック板44の外周部が押されて、ロック板44がロック用位置に回転移動して、ロック状態に切り換えられる。
【0058】
また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、ロック解除状態からロック状態からに切り換えるときと同様に、手指や手指よりも小径状の棒状体を開口18から挿入して、ロック用位置に位置するロック板44を軸芯43周りで図中時計方向へ回転操作してロック用解除位置まで回転移動させて、ロック解除状態に切り換えるようにしている。
そして、このロック板44の回転に伴って、シャフト46の上端部がロック板44の外周部にて筒体47側に押されて、ラッチ機構45が突出状態から退避状態に切り換えられる。
【0059】
前記ロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について設けられ、それら複数のロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について各別に、ロック板44を回転操作することによりロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
すなわち、ひとつのロック板44を回転操作することにより、ひとつのロック手段41がロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
【0060】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の別実施形態であるので、ロック手段41およびロック用操作部42を主として説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
また、この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42も、グリルバーナについてのロック手段41およびロック操作部42も、同様の構成であるので、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42のひとつを例に挙げて説明し、その他のものについては説明を省略する。
【0061】
この第2実施形態におけるロック手段41は、ロック状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを許容するように構成されている。
【0062】
また、ロック用操作部42は、点火・消火ボタン14,16の配設箇所とは別の箇所に、機器本体4内に隠れている難視認状態で設けられている。
すなわち、図1に示すように、機器本体4の電源用の電池50を機器本体4内に収納する電池収納部51が機器本体4の前面側に設けられ、ロック用操作部42は、図10および図11に示すように、電池収納部51に、その電池収納部51を開閉する蓋体52を閉じた状態においてその蓋体52の内方側に位置させるように設けられている。
【0063】
そして、図1に示すものでは、電池収納部51が、グリル庫2aよりも左側に設けられているので、電池収納部51に設けられたロック用操作部42を操作することによって、グリル庫2aよりも左側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成されている。
すなわち、電池収納部51に設けられたロック用操作部42を操作することによって、コンロバーナ1aの2つについて、ロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
ちなみに、グリル庫2aよりも右側に設けられている点火・消火ボタン14,16については、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の構成を適応するようにしている。
【0064】
以下、ロック手段41およびロック用操作部42の構成について、図10および図11に基づいて説明を加える。
ちなみに、図10および図11は、機器本体4の前面部のうち左側の一部を示す正面図であり、図10は、ロック手段41がロック解除状態のときを示し、図11は、ロック手段41がロック状態のときを示している。
【0065】
前記ロック手段41は、機器本体4の内方側空間において点火・消火ボタン14の配設箇所の裏側に相当する位置に挿脱自在な2つのロック板53から構成され、ロック板53の夫々が、図11に示すように、点火・消火ボタン14の裏側に相当するロック用位置と、図10に示すように、消火ボタン14の裏側から退避したロック解除用位置とに移動自在に設けられている。
そして、ロック板53をロック用位置に移動させることによって、点火・消火ボタン14の押圧操作をしても、ロック板53が点火・消火ボタン14に当たって、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止するように構成されている。
【0066】
前記ロック用操作部42は、蓋体52を開いた状態においてその一部が電池収納部51から露出して、機器本体4の横方向にスライド移動自在に支持されている。
そして、ロック用操作部42とロック板53の夫々とが、連結部材54にて連結され、ロック用操作部42を機器本体4の横方向にスライド移動させることによって、連結部材54を介して、ロック板53をロック用位置とロック解除用位置とに移動させるように構成されている。
【0067】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、ロック用操作部42をスライド移動させることにより、連結部材54を介してロック板53の夫々がロック用位置に移動され、ロック状態に切り換えられる。
また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、ロック解除状態からロック状態に切り換えるときとは逆方向に、ロック用操作部42をスライド移動させることにより、連結部材54を介してロック板53の夫々がロック解除用位置に移動され、ロック解除状態に切り換えられる。
【0068】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の別実施形態であるので、ロック手段41およびロック用操作部42を主として説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0069】
この第3実施形態におけるロック手段41は、図1に示すように、可動することが予測できない可動予測不可能部材としての隙間埋め部材10をロック用位置に移動操作すると、ロック状態に切り換えられ、隙間埋め部材10をロック解除用位置に移動操作すると、ロック解除状態に切り換えられるように構成され、隙間埋め部材10が、ロック用操作部42を兼用するように構成されている。
【0070】
そして、ロック手段41は、ロック状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容することにより、スライダ26が加熱開始用位置まで押し込まれることを許容するように構成されている。
【0071】
前記隙間埋め部材10は、図1に示すように、機器本体4のケーシング3の両横側部に設けられているので、左側部に設けられた隙間埋め部材10を可動させることによって、グリル庫2aよりも左側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成され、右側部に設けられた隙間埋め部材10を可動させることによって、グリル庫2aよりも右側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成されている。
すなわち、ひとつの隙間埋め部材10を可動操作することによって、2つのバーナについて、ロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
【0072】
以下、ロック手段41と隙間埋め部材10の構成について図12〜図15に基づいて説明を加えるが、左側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41も、右側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41も、同様の構成であるので、左側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41についてのみ説明を加える。
【0073】
ちなみに、図12および図13は、機器本体4の前面部のうち左側の一部を示すものであり、図12および図13の(イ)は、一部を切り欠いた正面図であり、図12および図13の(ロ)は、横断平面図である。
また、図12は、ロック手段41をロック解除状態に切り換えたときを示し、図13は、ロック手段41をロック状態に切り換えたときを示し、図14は、機器本体4の左側面を示す斜視図であり、図15は、機器本体4の左側面のうち一部を省略した側面図である。
【0074】
前記ロック手段41は、図12および図13に示すように、点火・消火ボタン14の機器本体4内側に形成された嵌合溝部14aに嵌合する嵌合位置と非嵌合位置とに移動自在な2つの嵌合突起部55aを備えたロック部材55から構成され、そのロック部材55は、機器本体4の横方向に移動自在でスプリング59により嵌合突起部55aを嵌合位置側に位置させるように弾性付勢されている。
そして、嵌合突起部55aを嵌合位置に位置させたときには、図12に示すように、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、嵌合突起部55aが嵌合溝部14aに嵌合されて、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容するように構成されている。
また、嵌合突起部55aを非嵌合位置に位置させたときには、図13に示すように、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、嵌合突起部55aが嵌合溝部14aに嵌合されず、そのロック部材55により点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止するように構成されている。
【0075】
前記隙間埋め部材10は、図14および図15に示すように、平面視L字状の板体に形成されて、その前面部が機器本体4のケーシング3の前面部と面一になり、かつ、上方側のロック解除用位置と下方側のロック用位置とに上下動自在に、機器本体4のケーシング3の横側部に設けられている。
そして、隙間埋め部材10は、機器本体4の後方側に突出する上下一対の突起大部10aを、機器本体4のケーシング3の横側部とその横側部に取り付けられた固定金具56にて挟み込むことによって支持され、機器本体4の後方側に突出する突起小部10bに下方側から機器本体4のケーシング3の横側部に形成された上下方向に長い長孔57を貫通しているシャフト58を接当させるように設けられている。
【0076】
前記シャフト58は、図12および図13に示すように、機器本体4の内側端部がロック部材55に接当されて、上下動自在でスプリング60により上方側に弾性付勢させた状態で支持されている。
そして、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、隙間埋め部材10の突起小部10bにてシャフト58が下方側に押されて下方側に移動し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、スプリング60の付勢力にてシャフト58が上方側に移動するように構成されている。
【0077】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、隙間埋め部材10を図15の(イ)に示すロック解除用位置から図15の(ロ)に示すロック用位置に下方移動させることにより、シャフト58を下方移動させて、シャフト58の機器本体4の内側端部とロック部材55との接当により、シャフト58にてロック部材55が押されて嵌合位置から非嵌合位置に移動され、ロック状態に切り換えられる。また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、隙間埋め部材10を図15の(ロ)に示すロック用位置から図15の(イ)に示すロック解除用位置に上方移動させることにより、シャフト58を上方移動させて、スプリング59の付勢力によりロック部材55を嵌合位置に移動させるとともに、スプリング60の付勢力によりシャフト58を上方移動させて、ロック解除状態に切り換えられる。
【0078】
〔別実施形態〕
(1)上記第1〜第3実施形態では、加熱手段としてのバーナを加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成が機械式に構成されているが、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成を電気式に構成して実施することも可能である。
この場合には、バーナへの燃料ガスの供給を断続する断続弁の開閉作動などを制御する制御部を設け、その制御部に対して加熱手段の加熱開始および加熱停止を指令する加熱開始・停止用操作部を設けて、制御部は、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されると、加熱手段の加熱を開始し、加熱開始・停止用操作部にて加熱停止が指令されると、加熱手段の加熱を停止するように構成する。そして、このような電気式のものにおいては、ロック手段を、ロック状態において、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されても、制御部がその加熱開始の指令を受け付けないように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されると、制御部がその加熱開始の指令を受け付けるように構成する。
【0079】
例えば、上記第2実施形態のようにロック用操作部42が、電池収納部51に、その電池収納部51を開閉する蓋体52を閉じた状態においてその蓋体52の内方側に位置させるように設けられているものでは、図16に示すように、バーナへの燃料ガスの供給を断続する断続弁の開閉作動を制御する制御部Hが、ロック用操作部42のON/OFFにより、ロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成され、この制御部63がロック手段41に構成されている。
ちなみに、この場合には、制御部63は、ロック用操作部42のON/OFFにより、すべてのバーナについて、ロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成することも可能である。
【0080】
また、例えば、上記第3実施形態のように隙間埋め部材10がロック用操作部42を兼用するように構成されているものでは、図17に示すように、制御部Hが、隙間埋め部材10を上下動させることにより、ロック解除状態とロック状態とに切り換えられるように構成され、この制御部63がロック手段41に構成されている。
【0081】
説明を加えると、上記第3実施形態と同様に、隙間埋め部材10が上下動可能に支持され、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、隙間埋め部材10の突起小部10bにてシャフト58が下方側に押されて下方側に移動し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、スプリング60の付勢力にてシャフト58が上方側に移動するように構成されている。
そして、隙間埋め部材10による上下動に伴うシャフト58の上下動によって、突出状態と退避状態とに切換自在なシャフト付きのラッチ機構61が設けられ、このラッチ機構61のシャフト63には、機器本体4内に設けられたマイクロスイッチ62をON/OFF操作する操作棒64が一体的に設けられている。
ちなみに、このラッチ機構61は、上記第1実施形態におけるラッチ機構45と同様の構成をしているので、その構成については説明を省略する。
【0082】
そして、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、ラッチ機構61が、退避状態に切り換えられると、操作棒64がマイクロスイッチ62をON操作し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、ラッチ機構61が、突出状態に切り換えられると、操作棒64がマイクロスイッチ62をOFF操作するように構成されている。
【0083】
(2)上記第1実施形態では、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について設けられた複数のロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について各別に、ロック板44を回転操作することによりロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されているが、ひとつのロック板44を回転操作することにより、複数のロック手段41がロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成して実施することも可能である。
例えば、図18に示すように、機器本体4の横方向に隣接する2つのロック板44をリンク機構65で連結して、2つのロック板44が一体的に回転移動するように構成され、2つのロック板44のうち、いずれか一方を回転操作することによって、2つのロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
【0084】
(3)上記第1実施形態では、既設の開口18を利用して、その開口18の内側箇所にロック用操作部42としてのロック板44を設けるようにしているが、あらたに手指よりも小径状の棒状体が挿入可能な大きさの開口を形成し、その開口の内側箇所にロック用操作部42を設け、そのロック用操作部42を操作することによってロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成して実施することも可能である。
【0085】
(4)上記第1および第2実施形態では、ビルトイン式に機器本体4を例示したが、機器本体4は、ビルトイン式に限らず、テーブル式でもよい。
【0086】
(5)上記第3実施形態では、隙間埋め部材10を上下動することにより、ロック手段41をロック状態とロック解除状態とに切り換えるようにしているが、隙間埋め部材10を前方側に弾性付勢した状態で前後動自在に支持し、隙間埋め部材10の前後動に連動して、機器本体4の横方向に移動させるリンク機構などを用いて、隙間埋め部材10を後方側に移動させるごとに、ロック手段41をロック解除状態からロック状態にまたはロック状態からロック解除状態に切り換えるように構成して実施することも可能である。
【0087】
(6)上記第1〜第3実施形態では、本発明にかかる加熱調理器をガスコンロに適応した例を示したが、電気式コンロに適応することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスコンロを装着するときの概略斜視図
【図2】ガスコンロの正面斜視図
【図3】ガス量調節装置の側面図
【図4】ガス量調節装置の縦断側面図
【図5】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図6】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図7】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図8】第1実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す縦断正面図
【図9】第1実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す縦断正面図
【図10】第2実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図11】第2実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図12】第3実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図と横断平面図
【図13】第3実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図と横断平面図
【図14】第3実施形態における隙間埋め部材を示す斜視図
【図15】第3実施形態における隙間梅部材を示す側面図
【図16】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図17】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図
【図18】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す正面図
【符号の説明】
1a 加熱手段
3 ケーシング
4 機器本体
6 装着用開口
7 装着空間
10 隙間埋め部材
18 スリット状の開口
41 ロック手段
42 ロック用操作部
51 電池収納部
52 蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような加熱調理器は、ロック手段をロック解除状態に切り換えて、加熱開始用操作部によって加熱手段を加熱作動停止状態から加熱作動状態に切り換え、所望の加熱調理を行い、ロック手段をロック状態に切り換えることにより、加熱開始用操作部によって加熱手段が加熱作動停止状態から加熱作動状態に切り換えられることを阻止して、子供のいたずらなどにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するものである。
【0003】
ちなみに、上記のような加熱調理器において、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成としては、機械式のものと電気式のものとの2種類があるので、機械式のものと電気式のものとの夫々について説明を加える。
機械式のものでは、加熱開始用操作部を押圧操作して、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることにより、加熱手段を加熱作動状態に切り換えるように構成されている。
そして、機械式のものでは、ロック手段が、ロック状態において、加熱開始用操作部が加熱開始用位置まで押し込み移動されることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始用操作部が加熱開始用位置まで押し込み移動されることを許容するように構成されている。
【0004】
また、電気式のものでは、加熱開始用操作部を押圧操作して、加熱開始用操作部にて加熱開始を指令するようにして、加熱手段の作動状態を制御する制御部が、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されると、加熱手段を加熱作動状態に切り換えるように構成されている。
そして、電気式のものでは、ロック手段が、ロック状態において、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されても、制御部がその加熱開始の指令を受け付けないように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始用操作部にて加熱開始が指令されると、制御部がその加熱開始の指令を受け付けるように構成されている。
【0005】
上記のような加熱調理器において、従来では、加熱開始用操作部が機器本体のケーシングの前面部に設けられ、ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、機器本体のケーシングの前面部で加熱開始用操作部の配設箇所の下側に設けられ、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−320120号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の加熱調理器では、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられているので、子供にとって、ロック用操作部が存在していることが分かりやすく、ロック用操作部をどのように操作するかも覚えやすいものとなっていた。
したがって、子供にとって、ロック用操作部を操作することは容易であるので、ロック用操作部を操作してロック手段をロック状態に切り換えても、子供がロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることになり、未だ子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられる虞があった。
【0008】
ちなみに、従来の加熱調理器では、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成としては、機械式のものと電気式のものとの2種類があるが、いずれにおいても、ロック用操作部が、機器本体のケーシングの前面部で加熱開始用操作部の配設箇所の下側に設けられ、ロック用操作部が、外部から見えやすい箇所に設けられていたので、機械式のものと電気式のものとの両方において、上述のような不都合があった。
【0009】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器において、
前記ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、前記加熱開始用操作部の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられている。
【0011】
すなわち、ロック用操作部が、加熱開始用操作部の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられているので、子供にとって、ロック用操作部の存在自体が分かりにくく、ロック用操作部をどのように操作するかを覚えにくいものとなっている。
したがって、子供にとって、ロック用操作部を操作することは難しく、子供のいたずらによりロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになる。
以上のことから、ロック用操作部を操作してロック手段をロック状態に切り換えておくことによって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができることとなって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供できるに至った。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記ロック用操作部が、ケーシングに形成された開口の内側箇所に設けられ、前記開口を通して、前記ロック用操作部がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能に構成されている。
【0013】
すなわち、ロック用操作部が、ケーシングに形成された開口の内側箇所に設けられているので、外部から開口を通してロック用操作部が見えるだけとなり、子供にとって、ロック用操作部の存在が分かりにくいものとなる。
しかも、ロック用操作部をロック状態とロック解除状態とに切換操作するときには、ケーシングに形成された開口に手指や手指よりも小径状の棒状体を挿入して、ロック用操作部をロック状態とロック解除状態とに切換操作することになるので、ロック用操作部の操作自体が行いにくいものとなる。
そして、ケーシングに形成される開口の大きさを小さくするほど、外部からロック用操作部が見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体が行いにくいものとなるので、ケーシングに形成される開口の大きさをより小さくすることにより、外部からロック用操作部がより一層見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体がより一層行いにくいものとすることができることになる。
【0014】
したがって、外部からロック用操作部が見えにくく、しかも、ロック用操作部の操作自体が行いにくいので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることをより一層的確に阻止することができることになる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、前記開口がスリット状に形成され、前記加熱手段の加熱量を調整するための加熱量調節レバーが、前記スリット状の開口を貫通する状態で、かつ、前記スリット状の開口の長手方向に沿う移動により加熱量最大用位置と加熱量最小位置とに操作される状態で設けられている。
【0016】
すなわち、加熱手段の加熱量を調整するための加熱量調節レバーを設けるために、ケーシングにスリット状の開口が形成され、その開口の内側箇所に、ロック用操作部を設け、そのスリット状の開口を通して、ロック用操作部がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能であるので、加熱量調節レバーを設けるために形成されるスリット状の開口を利用しながら、ロック用操作部を、外部から見えにくく、しかも、操作自体が行いにくくなるように設けることができることになる。
したがって、既設のスリット状の開口を利用しながら、子供のいたずらによりロック用操作部を操作してロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止することができながら、構成の簡素化を図ることができることになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことにより、前記加熱手段の加熱作動を開始させるように構成され、
前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、前記加熱量調節レバーを前記加熱量最大用位置と前記加熱量最小用位置との間の加熱量中用位置に移動させる加熱量調節レバー操作手段が設けられ、
前記ロック手段は、前記ロック状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を阻止することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止するように構成され、かつ、前記ロック解除状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を許容することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを許容するように構成されている。
【0018】
すなわち、加熱量調節レバー操作手段が、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、加熱量中用位置を外れた位置に位置する加熱量調節レバーを加熱量中用位置に移動させるので、加熱手段の加熱量を中にした状態で、加熱手段の加熱作動を開始させることができることになる。
そして、例えば、加熱手段がバーナであるときには、加熱手段の加熱作動を開始させるときの加熱手段の加熱量が大きいと、必要以上に勢い良く着火することになって、使用者に不快感を与える虞があり、逆に、加熱手段の加熱作動を開始させるときの加熱手段の加熱量が小さいと、確実な点火を行うことができない虞がある。
したがって、加熱手段の加熱量を中にした状態で、加熱手段の加熱作動を開始させることによって、使用者に不快感を与えることもなく、しかも、確実な点火を行うことができない事態に陥ることも回避することができることになる。
【0019】
しかも、ロック手段は、加熱量中用位置を外れた位置に位置する加熱量調節レバーの加熱量中用位置への移動を加熱量調節レバー操作手段にて阻止したり、許容することにより、加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止したり、許容するように構成されているので、ロック手段としては、ロック用操作部の操作に連動して、スリット状の開口での加熱量調節レバーの加熱量中用位置への移動を阻止または許容する構成を備えるだけでよいものとなる。
そして、請求項3に記載の如く、加熱量調節レバーを設けるために形成されるスリット状の開口の内側箇所に、ロック用操作部を設けられているので、ロック用操作部の配設箇所と加熱量調節レバーの配設箇所とが近くに存在することになる。
したがって、ロック手段としては、近くに配設されたロック用操作部の操作と加熱量調節レバーの移動とを連動させるように構成するだけでよく、ロック手段の構成の簡素化を図ることができることになる。
【0020】
以上のことから、使用者に不快感を与えることもなく、しかも、確実な点火を行うことができない事態に陥ることも回避することができながらも、ロック手段の構成を簡素な構成とすることができることになる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、前記ロック用操作部が、前記機器本体の電源用の電池を前記機器本体内に収納する電池収納部に、その電池収納部を開閉する蓋体を閉じた状態においてその蓋体の内方側に位置させるように設けられている。
【0022】
すなわち、ロック用操作部が、電池収納部を開閉する蓋体を閉じた状態においてその蓋体の内方側に位置させるように設けられているので、蓋体を閉じることにより、ロック用操作部が機器本体内に隠れた状態となる。
したがって、ロック用操作部が機器本体内に隠れているので、子供にとって、ロック用操作部が存在していること自体分かりにくいものとなって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることをより一層的確に阻止することができることになる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器において、
機器本体において、可動することが予測できない可動予測不可能部材が、ロック用位置とロック解除用位置とに可動自在に構成され、
前記ロック手段は、前記可動予測不可能部材をロック用位置に移動操作すると、前記ロック状態に切り換えられ、かつ、前記可動予測不可能部材をロック解除用位置に移動操作すると、前記ロック解除状態に切り換えられるように構成されている。
【0024】
すなわち、ロック手段は、可動することが予測できない可動予測不可能部材を可動させることにより、ロック状態とロック解除状態に切り換えられるように構成されているので、子供にとって、可動予測不可能部材を可動させることは思い付きにくく、ロック手段をロック状態とロック解除状態に切り換えることは難しいものとなる。
したがって、子供のいたずらによりロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、ロック手段をロック状態に切り換えておくことによって、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができることになる。
以上のことから、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができる加熱調理器を提供できるに至った。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、前記機器本体は、装着用開口から挿入されて装着空間に装着されるビルトイン式に構成され、前記可動予測不可能部材は、前記装着空間に前記機器本体を装着させた状態において、前記装着空間における前記機器本体との隙間を埋める隙間埋め部材にて構成されている。
【0026】
すなわち、ロック手段は、装着空間におけるビルトイン式の機器本体との隙間を埋める隙間埋め部材を可動させることによって、ロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されているので、ビルトイン式の機器本体を装着するために設けられる隙間埋め部材にて、ロック手段をロック状態とロック解除状態に切り換える操作部を兼用することができることになる。
したがって、ビルトイン式の機器本体において、既設の構成を利用しながら、子供のいたずらによりロック手段がロック解除状態に切り換えられることを阻止することができることになるので、子供のいたずらにより誤って加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを的確に阻止することができながらも、構成の簡素化を図ることができることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる加熱調理器をガスコンロに適応した例を図面に基づいて説明する。
このガスコンロは、図1および図2に示すように、3つのコンロバーナ部1およびそのコンロバーナ部1の下方側の内部に配置されてバーナを備えたグリル部2をケーシング3内に収納させた機器本体4から構成されている。
そして、機器本体4をシステムキッチン5のカウンタ(上面)に形成された装着用開口6に上方側から差し込み挿入することにより、装着空間7に機器本体4を装着して、機器本体4がビルトイン式に構成されている。
また、機器本体4の両横側部には、装着空間7における機器本体4との隙間を埋める隙間埋め部材10が設けられ、装着空間7に機器本体4を装着することにより、システムキッチン5の前側面に形成された操作用開口8から機器本体4のケーシング3の前面部が外部に臨む状態となるように構成されている。
【0028】
前記機器本体4の後方側箇所には、グリル部2におけるグリルバーナの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口11が形成され、各コンロバーナ部1の周囲は、トッププレート12にてガスコンロ上面が覆われており、このトッププレート12の上部に、各コンロバーナ部1に対する被加熱対象(鍋など)を受け止め支持するための五徳13が載置支持されている。
【0029】
前記コンロバーナ部1の夫々には、加熱手段としてのコンロバーナ1aが設けられ、図示はしないが、グリル部2にも、加熱手段としてのグリルバーナが設けられている。
そして、機器本体4のケーシング3の前面部には、その横方向の中央部分にグリル部2のグリル庫2aが設けられ、コンロバーナ1aやグリルバーナに対して、点火操作、消火操作や火力調節操作などを行う前面操作部9が、グリル庫2aの両側に分散して設けられている。
【0030】
前記前面操作部9には、コンロバーナ部1が3つ設けられているので、コンロバーナ1aの点火操作および消火操作を行うコンロ用の点火・消火ボタン14と、コンロバーナ1aの火力を調節するためのコンロ用の火力調節レバー15とが3つずつ備えられている。
また、前面操作部9には、グリル部グリルバーナの点火操作および消火操作を行うグリル用の点火・消火ボタン16と、グリルバーナの火力を調節するためのグリル用の火力調節レバー17とが備えられている。
【0031】
前記コンロ用およびグリル用の点火・消火ボタン14,16は、押圧操作により機器本体4の後方側への押し込み移動自在に設けられ、その押圧操作によりコンロ用およびグリル用の点火・消火ボタン14,16を押し込み移動させることによって、点火操作および消火操作を行うように構成されている。
【0032】
また、コンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の夫々は、ケーシング3の前面部に形成されたスリット状の開口18を貫通する状態で、かつ、スリット状の開口18の長手方向、すなわち機器本体4の横方向に沿う移動により加熱量最大位置としての最大強火位置と加熱量最小位置としての最小弱火位置とに操作される状態で設けられている。
そして、スリット状の開口18から機器本体4の前方側に突出したコンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の先端には、操作つまみ19が設けられ、この操作つまみ19にてコンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17を開口18内で機器本体4の横方向に移動させることによって、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの火力を調節するように構成されている。
【0033】
このようにして、コンロ用の点火・消火ボタン14およびグリル用の点火・消火ボタン16が、加熱開始用操作部として構成され、コンロ用の火力調節レバー15およびグリル用の火力調節レバー17が、加熱量調節レバーとして構成されている。
【0034】
前記コンロ用およびグリル用の火力調節レバー15,17の夫々は、図3に示すように、バーナへの燃料ガスの供給を断続するとともに、バーナへの燃料ガス供給量を調節するガス量調節装置20に取り付けられている。
そして、ガス量調節装置20は、コンロバーナ部1に対応する3つと、グリル部2に対応するひとつと、合計4つ設けられ、それら4つのガス量調節装置20の夫々が、点火・消火ボタン14,16の点火操作によって、バーナの加熱を開始し、火力調節レバー15,17の開口18内での移動によって、バーナの火力を調節し、点火・消火ボタン14,16の消火操作によって、バーナの加熱を停止するように構成されている。
このようにして、この実施形態におけるガスコンロは、バーナを加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成が機械式に構成されている。
【0035】
以下、ガス量調節装置20の構成について説明するが、4つのガス量調節装置20は同様の構成であるので、コンロバーナ部1に対応するガス量調節装置20を例に挙げて説明し、他のものについては説明を省略する。
【0036】
前記ガス量調節装置20は、図3および図4に示すように、その長手方向が機器本体4の前後方向に沿う状態で、点火・消火ボタン14の配設箇所の後方側に設けられている。
そして、ガス量調節装置20は、開口の導入口21から供給される燃料ガスをガス流路23を介して導出口22からコンロバーナ1aへ供給するように構成され、ガス流路23には、火力調節レバー15の操作に連動して上下動しその位置に応じたガス流量に調節するニードル29が設けられている。
ちなみに、図3は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20を示す側面図であり、図4は、図3の一部を省略した縦断面図である。
【0037】
前記機器本体4の前後方向において、後端側には、ガス流路21を開閉する電磁式の安全弁24が内装され、前端側には、固定枠25に対してスライダ26が摺動自在に内嵌されている。
このスライダ26には、バルブロッド27が固着されて安全弁24側に延出され、このバルブロッド27には、ガス流路23を開閉するための弁体28が設けられている。
【0038】
そして、このガス量調節装置20には、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を消火位置から加熱用開始位置まで摺動させて、点火操作を行うことによって、弁体28および安全弁24を開き、その点火操作を解除しても、消火位置と加熱用開始位置との間の中間位置にスライダ26を保持して弁体28を開いた状態を保持し、再度、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を摺動させて、消火操作を行うことによって、スライダ26の中間位置への保持を解除し、その消火操作を解除すると、スライダ26を消火位置まで自動復帰させて弁体28を閉じるプッシュプッシュ機構が備えられている。
【0039】
このプッシュプッシュ機構は、公知技術であるので、図示はしないが、スライダ26と固定枠25との間や、弁体28とガス量調節装置本体20aとの間に介装されて、スライダ26をガス量調節装置本体20aの前端側に弾性付勢するコイルスプリング、スライダ26の下面に取り付けられるほぼハート型のカム溝を備えたハートカム部材、および、そのハートカム部材のカム溝に係合するピンなどから構成されている。
【0040】
前記プッシュプッシュ機構の動作について、詳述はしないが、説明を加えると、コンロバーナ1aを消火しているときには、図3に示す状態となり、スライダ26が消火位置に存在する。
そして、図3に示すスライダ26が消火位置に存在する状態から、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、図7に示すように、スライダ26が加熱開始用位置まで押し込み移動されると、弁体28がガス流路23を開き、かつ、バルブロッド27の先端が安全弁24を押圧して開弁され、その後、スライダ26の摺動により点火装置用の固定接点が接触状態に切り換えられ、図外の点火装置によってコンロバーナ1aに点火される。
前記コンロバーナ1aに点火した後、点火・消火ボタン14に対する押圧操作が解除され、点火操作が解除されると、カム溝とピンとの係合により、スライダ26が中間位置に位置保持され、点火装置用の固定接点が非接触状態に切り換えられて、弁体28はガス流路23を開いた状態を維持し、安全弁24はコンロバーナ1aの燃焼による図外サーモカップルの熱起電力により開弁状態に維持されるので、コンロバーナ1aの燃焼が続行される。
【0041】
そして、消火操作により、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、スライダ26が中間位置から固定枠25の後端側に摺動し、スライダ26の中間位置への位置保持が解除されて、点火・消火ボタン14に対する押圧操作が解除され、消火操作が解除されると、コイルスプリングの付勢力により、スライダ26が元の消火位置に自動復帰し、図3に示す状態となり、その自動復帰の際に、弁体28がガス流路23を閉じる。
【0042】
前記ニードル29の上部側側面には、図3に示すように、係合ピン30が設けられ、その係合ピン30が、ニードル29の側面側に設けられた傾斜孔32に遊貫され、その傾斜孔32に沿って摺動自在に設けられている。
前記火力調節レバー15は、固定枠25の上部側で機器本体4の上下方向に沿う固定軸33周りで回動自在に設けられ、その固定軸33の側面から垂下するピン係合板34が火力調節レバー15に一体的に設けられている。
そして、ピン係合板34には、縦方向に長い長孔が形成され、その長孔にニードル29の係合ピン30が遊貫されている。
【0043】
コンロバーナ1aの火力を調節するときには、図5および図6の(ロ)に示すように、火力調節レバー15の先端に設けられた操作つまみ19を機器本体4の横方向に移動させて、火力調節レバー15を固定軸33周りに回動させることにより、図5および図6の(イ)に示すように、ニードル29の係合ピン30が火力調節レバー25と一体的に回動するピン係合板34にて押されて傾斜孔32に沿って摺動させる。
そして、係合ピン30の傾斜孔32に沿う摺動により、ニードル29の上下位置を調節し、ガス流路23を流動する燃料ガス流量が調節されて、コンロバーナ1aの火力を調節するように構成されている。
【0044】
ちなみに、図5は、火力調節レバー15を最小弱火位置に操作した状態を示し、図6は、火力調節レバー15を最大強火位置に操作した状態を示しており、図5および図6の(イ)は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20を示す側面図であり、図5および図6の(ロ)は、火力調節レバー15を取り付けたガス量調節装置20の一部を省略した平面図である。
【0045】
また、このガス量調節装置20には、加熱開始用操作部として作用するスライダ26を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、火力調節レバー15を最大強火位置と最小弱火位置との間の加熱量中用位置としての中火位置に移動させる加熱量調節レバー操作手段36が設けられている。
この加熱量調節レバー操作手段36は、スライダ26の上面に一体的に形成された押圧部37、機器本体4の横方向に沿う揺動軸38周りに揺動自在な揺動板39、火力調節レバー15の両横側部から垂下される状態で火力調節レバー15に一体的に形成された左右一対の案内板40などから構成されている。
【0046】
加熱量調節レバー操作手段36の動作について説明を加えると、図3に示す状態から、点火・消火ボタン14の押圧操作による押し込み移動により、スライダ26を消火位置から加熱用開始位置まで摺動させることによって、図7に示すように、揺動板39の下端側部分がスライダ26の押圧部37にて押されて、揺動板39が揺動軸38周りに揺動するように構成されている。
そして、図5に示すように、火力調節レバー15が中火位置よりも弱火側の中火位置から外れた位置に位置するときには、揺動板39の揺動により、揺動板39の上端側部分が前方側に移動し、案内板40の一方側が揺動板39の上端側部分にて前方側に押されて火力調節レバー15を固定軸33まわりで回転させて、図7に示すように、火力調節レバー15を中火位置に移動させるように構成されている。
また、図6に示すように、火力調節レバー15が中火位置よりも強火側の中火位置から外れた位置に位置するときには、揺動板39の揺動により、揺動板39の上端側部分が前方側に移動し、案内板40の一方側が揺動板39の上端側部分にて前方側に押されて火力調節レバー15を固定軸33周りで回転させて、図7に示すように、火力調節レバー15を中火位置に移動させるように構成されている。
【0047】
ちなみに、スライダ26を加熱用開始位置まで摺動させることにより、揺動板39が揺動軸38周りに揺動するように、押圧部37と揺動板39の下端側部分との配設位置が調節されており、スライダ26が消火位置や中間位置に存在するときには、揺動板39の上端側部分が案内板40よりも後方側に位置して、火力調節レバー15が固定軸33周りで自由に回動できるように構成されている。
【0048】
以上のようにして、ガス量調節装置20は、点火・消火ボタン14の点火操作や消火操作によって、コンロバーナ1aの加熱の開始や停止を行い、火力調節レバー15の開口18内での移動によって、コンロバーナ1aの火力を調節するとともに、点火・消火ボタン14の点火操作によって、火力調節レバー15を中火位置に位置させた状態で、コンロバーナ1aの加熱を開始させるように構成されている。
【0049】
そして、このガスコンロには、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について、点火・消火ボタン14,16の点火操作によってバーナの加熱が開始されることを阻止するロック状態と点火・消火ボタン14,16の点火操作によってバーナの加熱が開始されることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段41が設けられている。
このロック手段41は、図8および図9に示すように、ロック状態において、中火位置を外れた位置に位置する火力調節レバー15,17の中火位置への移動を阻止することにより、点火・消火ボタン14,16の押し込み移動によりスライダ26を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、中火位置を外れた位置に位置する火力調節レバー15,17の中火位置への移動を許容することにより、点火・消火ボタン14,16の押し込み移動によりスライダ26を加熱開始用位置まで押し込むことを許容するように構成されている。
ちなみに、図8は、ロック手段41がロック状態に切り換えられている状態を示し、図9は、ロック手段41がロック解除状態に切り換えられている状態を示している。
【0050】
また、ロック手段41をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部42が、点火・消火ボタン14,16の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくい難視認状態で設けられている。
すなわち、ロック用操作部42は、ケーシング3の前面部に形成されたスリット状の開口18の内側箇所に設けられ、その開口18を通して、ロック用操作部42がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能に構成されている
【0051】
以下、ロック手段41およびロック操作部42の構成について図8および図9に基づいて説明を加えるが、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42も、グリルバーナについてのロック手段41およびロック操作部42も、同様の構成であるので、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42のひとつを例に挙げて説明し、その他のものについては説明を省略する。
【0052】
前記ロック手段41は、機器本体4の前後方向に沿う軸芯43周りで回動自在に支持されたロック板44と、軸芯43周りで弱火位置側から強火位置側へロック板44を回転操作することによって出退するシャフト付きのラッチ機構45とから構成され、ロック板44が、ロック用操作部42を兼用するように構成されている。
【0053】
そして、ロック板44は、図8に示すように、その一部が開口18の形成箇所よりも上昇側に突出して開口18内での火力調節レバー15の弱火側から中火位置への移動を阻止するロック用位置と、図9に示すように、開口18の形成箇所よりも下方側に退避して開口18内での火力調節レバー15の移動を許容するロック解除用位置とに回動操作自在に設けられている。
前記ラッチ機構45は、シャフト46が筒体47に対して出退自在に支持され、図8に示すように、シャフト46を筒体47から突出させた状態を保持する突出状態と、図9に示すように、シャフト46を筒体47内に退避させた状態を保持する退避状態とに切換自在で、かつ、シャフト46が筒体47側に押されるごとに、突出状態から退避状態にまたは退避状態から突出状態に切り換えられるように構成されている。
【0054】
前記ラッチ機構45の構成について説明を加える。
前記シャフト46は、スプリング48にて筒体47から突出させる側に弾性付勢され、シャフト46を筒体47内に退避させた状態を保持し、その保持した状態からシャフト46が筒体47側に押されることによって、その保持を解除する弾性体49が設けられている。
そして、シャフト46の外周部には、外方側に突出する係止突起46aと押圧部46bとが形成され、弾性体49には、シャフト46を筒体47内に退避させたときに係止突起46aを係止する係止段部49aと、退避状態からシャフト46が筒体47内に移動するときに押圧部46bにて押圧される被押圧部49bとが形成されている。
【0055】
前記ラッチ機構45の動作について説明を加えると、ラッチ機構45が突出状態のときに、シャフト46が筒体47側に押されて移動すると、シャフト46の係止突起46aが弾性体49の係止段部49aを外方側に押圧し、その押圧力によって弾性体49が弾性変形して、係止突起46aが係止段部49aを乗り越えることを許容し、係止突起46aが係止段部49aよりも下方側に移動して、係止突起46aが係止段部49aに係止され、退避状態に切り換えられる。
また、ラッチ機構45が退避状態のときに、シャフト46が筒体47側に押されて移動すると、シャフト46の押圧部46bが弾性体49の被押圧部49bを外方側に押圧し、その押圧力によって弾性体49が弾性変形して、係止突起46aが係止段部49aを乗り越えることを許容して、スプリング48の付勢力により係止突起46aが係止段部49aよりも上方側に移動して係止が解除され、突出状態に切り換えられる。
【0056】
そして、ロック板44の外周部は、円弧状に形成され、そのロック板44の外周部にラッチ機構45のシャフト46の上端部が接当するように設けられ、図8に示すように、ロック板44がロック用位置に位置するときには、シャフト46の上端部がロック板44の突出段部44aに接当することにより、ロック板44が弱火位置側から強火位置側へ回転するのを阻止するように構成されている。
【0057】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、火力調節レバー15を中火位置よりも弱火位置側に位置させた状態で、手指や手指よりも小径状の棒状体を開口18から挿入して、ロック解除用位置に位置するロック板44を軸芯43周りで図中時計方向へ回転操作するようにしている。
そして、このロック板44の回転に伴って、シャフト46の上端部がロック板44の外周部にて筒体47側に押されて、ラッチ機構45が突出状態から退避状態に切り換えられるので、シャフト46の上端部にてロック板44の外周部が押されて、ロック板44がロック用位置に回転移動して、ロック状態に切り換えられる。
【0058】
また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、ロック解除状態からロック状態からに切り換えるときと同様に、手指や手指よりも小径状の棒状体を開口18から挿入して、ロック用位置に位置するロック板44を軸芯43周りで図中時計方向へ回転操作してロック用解除位置まで回転移動させて、ロック解除状態に切り換えるようにしている。
そして、このロック板44の回転に伴って、シャフト46の上端部がロック板44の外周部にて筒体47側に押されて、ラッチ機構45が突出状態から退避状態に切り換えられる。
【0059】
前記ロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について設けられ、それら複数のロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について各別に、ロック板44を回転操作することによりロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
すなわち、ひとつのロック板44を回転操作することにより、ひとつのロック手段41がロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
【0060】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の別実施形態であるので、ロック手段41およびロック用操作部42を主として説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
また、この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42も、グリルバーナについてのロック手段41およびロック操作部42も、同様の構成であるので、コンロバーナ1aについてのロック手段41およびロック操作部42のひとつを例に挙げて説明し、その他のものについては説明を省略する。
【0061】
この第2実施形態におけるロック手段41は、ロック状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを許容するように構成されている。
【0062】
また、ロック用操作部42は、点火・消火ボタン14,16の配設箇所とは別の箇所に、機器本体4内に隠れている難視認状態で設けられている。
すなわち、図1に示すように、機器本体4の電源用の電池50を機器本体4内に収納する電池収納部51が機器本体4の前面側に設けられ、ロック用操作部42は、図10および図11に示すように、電池収納部51に、その電池収納部51を開閉する蓋体52を閉じた状態においてその蓋体52の内方側に位置させるように設けられている。
【0063】
そして、図1に示すものでは、電池収納部51が、グリル庫2aよりも左側に設けられているので、電池収納部51に設けられたロック用操作部42を操作することによって、グリル庫2aよりも左側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成されている。
すなわち、電池収納部51に設けられたロック用操作部42を操作することによって、コンロバーナ1aの2つについて、ロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
ちなみに、グリル庫2aよりも右側に設けられている点火・消火ボタン14,16については、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の構成を適応するようにしている。
【0064】
以下、ロック手段41およびロック用操作部42の構成について、図10および図11に基づいて説明を加える。
ちなみに、図10および図11は、機器本体4の前面部のうち左側の一部を示す正面図であり、図10は、ロック手段41がロック解除状態のときを示し、図11は、ロック手段41がロック状態のときを示している。
【0065】
前記ロック手段41は、機器本体4の内方側空間において点火・消火ボタン14の配設箇所の裏側に相当する位置に挿脱自在な2つのロック板53から構成され、ロック板53の夫々が、図11に示すように、点火・消火ボタン14の裏側に相当するロック用位置と、図10に示すように、消火ボタン14の裏側から退避したロック解除用位置とに移動自在に設けられている。
そして、ロック板53をロック用位置に移動させることによって、点火・消火ボタン14の押圧操作をしても、ロック板53が点火・消火ボタン14に当たって、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止するように構成されている。
【0066】
前記ロック用操作部42は、蓋体52を開いた状態においてその一部が電池収納部51から露出して、機器本体4の横方向にスライド移動自在に支持されている。
そして、ロック用操作部42とロック板53の夫々とが、連結部材54にて連結され、ロック用操作部42を機器本体4の横方向にスライド移動させることによって、連結部材54を介して、ロック板53をロック用位置とロック解除用位置とに移動させるように構成されている。
【0067】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、ロック用操作部42をスライド移動させることにより、連結部材54を介してロック板53の夫々がロック用位置に移動され、ロック状態に切り換えられる。
また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、ロック解除状態からロック状態に切り換えるときとは逆方向に、ロック用操作部42をスライド移動させることにより、連結部材54を介してロック板53の夫々がロック解除用位置に移動され、ロック解除状態に切り換えられる。
【0068】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、上記第1実施形態のロック手段41およびロック用操作部42の別実施形態であるので、ロック手段41およびロック用操作部42を主として説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0069】
この第3実施形態におけるロック手段41は、図1に示すように、可動することが予測できない可動予測不可能部材としての隙間埋め部材10をロック用位置に移動操作すると、ロック状態に切り換えられ、隙間埋め部材10をロック解除用位置に移動操作すると、ロック解除状態に切り換えられるように構成され、隙間埋め部材10が、ロック用操作部42を兼用するように構成されている。
【0070】
そして、ロック手段41は、ロック状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止することにより、スライダ26が加熱開始用位置Bまで押し込まれることを阻止するように構成され、かつ、ロック解除状態において、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容することにより、スライダ26が加熱開始用位置まで押し込まれることを許容するように構成されている。
【0071】
前記隙間埋め部材10は、図1に示すように、機器本体4のケーシング3の両横側部に設けられているので、左側部に設けられた隙間埋め部材10を可動させることによって、グリル庫2aよりも左側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成され、右側部に設けられた隙間埋め部材10を可動させることによって、グリル庫2aよりも右側に設けられている2つの点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止または許容するように構成されている。
すなわち、ひとつの隙間埋め部材10を可動操作することによって、2つのバーナについて、ロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
【0072】
以下、ロック手段41と隙間埋め部材10の構成について図12〜図15に基づいて説明を加えるが、左側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41も、右側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41も、同様の構成であるので、左側部に設けられた隙間埋め部材10とその隙間埋め部材10の可動により切換操作されるロック手段41についてのみ説明を加える。
【0073】
ちなみに、図12および図13は、機器本体4の前面部のうち左側の一部を示すものであり、図12および図13の(イ)は、一部を切り欠いた正面図であり、図12および図13の(ロ)は、横断平面図である。
また、図12は、ロック手段41をロック解除状態に切り換えたときを示し、図13は、ロック手段41をロック状態に切り換えたときを示し、図14は、機器本体4の左側面を示す斜視図であり、図15は、機器本体4の左側面のうち一部を省略した側面図である。
【0074】
前記ロック手段41は、図12および図13に示すように、点火・消火ボタン14の機器本体4内側に形成された嵌合溝部14aに嵌合する嵌合位置と非嵌合位置とに移動自在な2つの嵌合突起部55aを備えたロック部材55から構成され、そのロック部材55は、機器本体4の横方向に移動自在でスプリング59により嵌合突起部55aを嵌合位置側に位置させるように弾性付勢されている。
そして、嵌合突起部55aを嵌合位置に位置させたときには、図12に示すように、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、嵌合突起部55aが嵌合溝部14aに嵌合されて、点火・消火ボタン14の押し込み移動を許容するように構成されている。
また、嵌合突起部55aを非嵌合位置に位置させたときには、図13に示すように、点火・消火ボタン14を押圧操作すると、嵌合突起部55aが嵌合溝部14aに嵌合されず、そのロック部材55により点火・消火ボタン14の押し込み移動を阻止するように構成されている。
【0075】
前記隙間埋め部材10は、図14および図15に示すように、平面視L字状の板体に形成されて、その前面部が機器本体4のケーシング3の前面部と面一になり、かつ、上方側のロック解除用位置と下方側のロック用位置とに上下動自在に、機器本体4のケーシング3の横側部に設けられている。
そして、隙間埋め部材10は、機器本体4の後方側に突出する上下一対の突起大部10aを、機器本体4のケーシング3の横側部とその横側部に取り付けられた固定金具56にて挟み込むことによって支持され、機器本体4の後方側に突出する突起小部10bに下方側から機器本体4のケーシング3の横側部に形成された上下方向に長い長孔57を貫通しているシャフト58を接当させるように設けられている。
【0076】
前記シャフト58は、図12および図13に示すように、機器本体4の内側端部がロック部材55に接当されて、上下動自在でスプリング60により上方側に弾性付勢させた状態で支持されている。
そして、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、隙間埋め部材10の突起小部10bにてシャフト58が下方側に押されて下方側に移動し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、スプリング60の付勢力にてシャフト58が上方側に移動するように構成されている。
【0077】
前記ロック手段41の動作について説明を加えると、ロック手段41をロック解除状態からロック状態に切り換えるときには、隙間埋め部材10を図15の(イ)に示すロック解除用位置から図15の(ロ)に示すロック用位置に下方移動させることにより、シャフト58を下方移動させて、シャフト58の機器本体4の内側端部とロック部材55との接当により、シャフト58にてロック部材55が押されて嵌合位置から非嵌合位置に移動され、ロック状態に切り換えられる。また、ロック手段41をロック状態からロック解除状態に切り換えるときには、隙間埋め部材10を図15の(ロ)に示すロック用位置から図15の(イ)に示すロック解除用位置に上方移動させることにより、シャフト58を上方移動させて、スプリング59の付勢力によりロック部材55を嵌合位置に移動させるとともに、スプリング60の付勢力によりシャフト58を上方移動させて、ロック解除状態に切り換えられる。
【0078】
〔別実施形態〕
(1)上記第1〜第3実施形態では、加熱手段としてのバーナを加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成が機械式に構成されているが、加熱手段を加熱作動状態と加熱作動停止状態に切り換える構成を電気式に構成して実施することも可能である。
この場合には、バーナへの燃料ガスの供給を断続する断続弁の開閉作動などを制御する制御部を設け、その制御部に対して加熱手段の加熱開始および加熱停止を指令する加熱開始・停止用操作部を設けて、制御部は、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されると、加熱手段の加熱を開始し、加熱開始・停止用操作部にて加熱停止が指令されると、加熱手段の加熱を停止するように構成する。そして、このような電気式のものにおいては、ロック手段を、ロック状態において、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されても、制御部がその加熱開始の指令を受け付けないように構成され、かつ、ロック解除状態において、加熱開始・停止用操作部にて加熱開始が指令されると、制御部がその加熱開始の指令を受け付けるように構成する。
【0079】
例えば、上記第2実施形態のようにロック用操作部42が、電池収納部51に、その電池収納部51を開閉する蓋体52を閉じた状態においてその蓋体52の内方側に位置させるように設けられているものでは、図16に示すように、バーナへの燃料ガスの供給を断続する断続弁の開閉作動を制御する制御部Hが、ロック用操作部42のON/OFFにより、ロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成され、この制御部63がロック手段41に構成されている。
ちなみに、この場合には、制御部63は、ロック用操作部42のON/OFFにより、すべてのバーナについて、ロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成することも可能である。
【0080】
また、例えば、上記第3実施形態のように隙間埋め部材10がロック用操作部42を兼用するように構成されているものでは、図17に示すように、制御部Hが、隙間埋め部材10を上下動させることにより、ロック解除状態とロック状態とに切り換えられるように構成され、この制御部63がロック手段41に構成されている。
【0081】
説明を加えると、上記第3実施形態と同様に、隙間埋め部材10が上下動可能に支持され、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、隙間埋め部材10の突起小部10bにてシャフト58が下方側に押されて下方側に移動し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、スプリング60の付勢力にてシャフト58が上方側に移動するように構成されている。
そして、隙間埋め部材10による上下動に伴うシャフト58の上下動によって、突出状態と退避状態とに切換自在なシャフト付きのラッチ機構61が設けられ、このラッチ機構61のシャフト63には、機器本体4内に設けられたマイクロスイッチ62をON/OFF操作する操作棒64が一体的に設けられている。
ちなみに、このラッチ機構61は、上記第1実施形態におけるラッチ機構45と同様の構成をしているので、その構成については説明を省略する。
【0082】
そして、隙間埋め部材10をロック解除用位置からロック用位置に下方移動させることにより、ラッチ機構61が、退避状態に切り換えられると、操作棒64がマイクロスイッチ62をON操作し、隙間埋め部材10をロック用位置からロック解除用位置に上方移動させることにより、ラッチ機構61が、突出状態に切り換えられると、操作棒64がマイクロスイッチ62をOFF操作するように構成されている。
【0083】
(2)上記第1実施形態では、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について設けられた複数のロック手段41は、コンロバーナ1aおよびグリルバーナの夫々について各別に、ロック板44を回転操作することによりロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成されているが、ひとつのロック板44を回転操作することにより、複数のロック手段41がロック状態とロック解除状態とに切り換えられるように構成して実施することも可能である。
例えば、図18に示すように、機器本体4の横方向に隣接する2つのロック板44をリンク機構65で連結して、2つのロック板44が一体的に回転移動するように構成され、2つのロック板44のうち、いずれか一方を回転操作することによって、2つのロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成されている。
【0084】
(3)上記第1実施形態では、既設の開口18を利用して、その開口18の内側箇所にロック用操作部42としてのロック板44を設けるようにしているが、あらたに手指よりも小径状の棒状体が挿入可能な大きさの開口を形成し、その開口の内側箇所にロック用操作部42を設け、そのロック用操作部42を操作することによってロック手段41をロック状態とロック解除状態に切り換えるように構成して実施することも可能である。
【0085】
(4)上記第1および第2実施形態では、ビルトイン式に機器本体4を例示したが、機器本体4は、ビルトイン式に限らず、テーブル式でもよい。
【0086】
(5)上記第3実施形態では、隙間埋め部材10を上下動することにより、ロック手段41をロック状態とロック解除状態とに切り換えるようにしているが、隙間埋め部材10を前方側に弾性付勢した状態で前後動自在に支持し、隙間埋め部材10の前後動に連動して、機器本体4の横方向に移動させるリンク機構などを用いて、隙間埋め部材10を後方側に移動させるごとに、ロック手段41をロック解除状態からロック状態にまたはロック状態からロック解除状態に切り換えるように構成して実施することも可能である。
【0087】
(6)上記第1〜第3実施形態では、本発明にかかる加熱調理器をガスコンロに適応した例を示したが、電気式コンロに適応することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスコンロを装着するときの概略斜視図
【図2】ガスコンロの正面斜視図
【図3】ガス量調節装置の側面図
【図4】ガス量調節装置の縦断側面図
【図5】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図6】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図7】ガス量調節装置の側面図と平面図
【図8】第1実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す縦断正面図
【図9】第1実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す縦断正面図
【図10】第2実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図11】第2実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図12】第3実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図と横断平面図
【図13】第3実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図と横断平面図
【図14】第3実施形態における隙間埋め部材を示す斜視図
【図15】第3実施形態における隙間梅部材を示す側面図
【図16】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す斜視図
【図17】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す切欠正面図
【図18】別実施形態におけるロック手段とロック用操作部を示す正面図
【符号の説明】
1a 加熱手段
3 ケーシング
4 機器本体
6 装着用開口
7 装着空間
10 隙間埋め部材
18 スリット状の開口
41 ロック手段
42 ロック用操作部
51 電池収納部
52 蓋体
Claims (7)
- 加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器であって、
前記ロック手段をロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック用操作部が、前記加熱開始用操作部の配設箇所とは別の箇所に、外部から見えにくいまたは機器本体内に隠れている難視認状態で設けられている加熱調理器。 - 前記ロック用操作部が、ケーシングに形成された開口の内側箇所に設けられ、前記開口を通して、前記ロック用操作部がロック状態とロック解除状態とに切換操作可能に構成されている請求項1に記載の加熱調理器。
- 前記開口がスリット状に形成され、前記加熱手段の加熱量を調整するための加熱量調節レバーが、前記スリット状の開口を貫通する状態で、かつ、前記スリット状の開口の長手方向に沿う移動により加熱量最大用位置と加熱量最小位置とに操作される状態で設けられている請求項2に記載の加熱調理器。
- 前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことにより、前記加熱手段の加熱作動を開始させるように構成され、
前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込み移動させることに連動して、前記加熱量調節レバーを前記加熱量最大用位置と前記加熱量最小用位置との間の加熱量中用位置に移動させる加熱量調節レバー操作手段が設けられ、
前記ロック手段は、前記ロック状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を阻止することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを牽制阻止するように構成され、かつ、前記ロック解除状態において、前記加熱量中用位置を外れた位置に位置する前記加熱量調節レバーの前記加熱量中用位置への移動を許容することにより、前記加熱開始用操作部を加熱開始用位置まで押し込むことを許容するように構成されている請求項3に記載の加熱調理器。 - 前記ロック用操作部が、前記機器本体の電源用の電池を前記機器本体内に収納する電池収納部に、その電池収納部を開閉する蓋体を閉じた状態においてその蓋体の内方側に位置させるように設けられている請求項1に記載の加熱調理器。
- 加熱作動状態と加熱作動停止状態とに切り換えられる加熱手段と、
加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを阻止するロック状態と前記加熱開始用操作部によって前記加熱手段が加熱作動状態に切り換えられることを許容するロック解除状態とに切換自在なロック手段とが設けられている加熱調理器であって、
機器本体において、可動することが予測できない可動予測不可能部材が、ロック用位置とロック解除用位置とに可動自在に構成され、
前記ロック手段は、前記可動予測不可能部材をロック用位置に移動操作すると、前記ロック状態に切り換えられ、かつ、前記可動予測不可能部材をロック解除用位置に移動操作すると、前記ロック解除状態に切り換えられるように構成されている加熱調理器。 - 前記機器本体は、装着用開口から挿入されて装着空間に装着されるビルトイン式に構成され、
前記可動予測不可能部材は、前記装着空間に前記機器本体を装着させた状態において、前記装着空間における前記機器本体との隙間を埋める隙間埋め部材にて構成されている請求項6に記載の加熱調理器。
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