JP2004218328A - 平面昇降門扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】門扉1は、第1アーム2,2と、第2アーム5,5と、第1アーム2,2と第2アーム5,5を回転支持する支柱8,8と、第1アーム2,2及び第2アーム5,5の可動端にそれぞれ回転可能に連結される第1スライダ3,3及び第2スライダ6,6と、第1スライダ3,3のガイドとなる第1スライダガイド4と、第2スライダ6,6のガイドとなる第2スライダガイド7と、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7に回転支持される枠体14,14を備え、第1アーム2の回転軸を第2アーム5の回転軸に対して傾けて、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7と枠体14,14で構成される扉15が、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とが移動することによって閉位置P1と開位置P2に移動するように構成している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、門扉に関する。さらに詳述すると、本発明は、主に車庫の出入口等に備えられ、扉が上下方向に回動することにより開閉する門扉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、扉を持ち上げることにより開閉する門扉としては、図14に示すような跳ね上げ式門扉101がある(特許文献1、特許文献2等参考)。この門扉101は、支柱102に対して支軸105により回転自在に取り付けられたアーム103の先端に扉104を取り付け、アーム103が支軸105を中心にして回動することにより、敷地面に対して垂直に扉104を支持する閉状態(図中実線で示す)と、支柱102の上方に跳ね上げてほぼ水平に保持する開状態(図中2点鎖線で示す)とに切り換え可能としたものである。
【0003】
また、設置場所を少なくする門扉としては、図示していないが、扉全体をそのまま地中に沈めてしまうことにより開き、地中から迫り上げることにより閉じるようにした門扉もある(特許文献3)。この門扉は、扉全体を地中に沈めるためのピットを鉄筋コンクリートによって構築すると共に、そのピット内に油圧ジャッキや油圧ポンプ、制御バルブや配管、油圧回路コントローラ並びに電動機とその制御装置などを収めるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−151393号公報
【特許文献2】
特開平5−239981号公報
【特許文献3】
特開平11−247564号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の跳ね上げ式門扉101では、支柱102から前方へ突き出るアーム103の回転によって扉104を開閉する構造のため、支柱102からかなり前方へ突き出た所に門扉が配置されることから、大きな設置スペースを必要とし、敷地が有効に使えないという問題を有している。即ち、支柱102は少なくともアーム103の長さL分だけ敷地内に入り込んだ位置に設置されることとなることから、車庫入れの際に車の旋回を必要とする道路付けの敷地の場合には、車が支柱102に擦る虞があるので車庫入れが難しくなるし、車の乗り降りの際に支柱102が邪魔となる場合もある。
【0006】
また、特許文献3の門扉の場合には、設置場所をとらないし車の出入りにも邪魔とならないが、扉並びに油圧ジャッキなどの付帯設備一式を収める鉄筋コンクリート製のピットを構築するなど、大がかりな装置となる問題がある。
【0007】
そこで本発明は、支柱と扉との距離を短く構成できる門扉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、2本の支柱にアームを介して支持されている扉を上下方向に移動させて開閉操作する門扉において、前記支柱と前記扉との間に互いに干渉しない位置に離して2組の平行移動機構を備え、前記平行移動機構は、長さが等しく同一平面または平行な平面で対称に回転可能に前記支柱に取り付けられた2本のアームと、該アームの可動端と回転可能に連結された2つのスライダと、2つの前記スライダを前記アームの回転中心を結ぶ線と平行な方向に摺動可能に保持するスライダガイドとから成り、かつ前記2組の前記平行移動機構の各スライダガイドは互いに平行に配置される一方、第1の組の前記平行移動機構の前記アームの回転軸を第2の組の前記平行移動機構の前記アームの回転軸に対して傾けて配置して、前記第1の組の平行移動機構のスライダガイドの移動方向が前記第2の組の平行移動機構のスライダガイドの移動方向に対して斜めとなるようにし、前記2組の平行移動機構のアームの回転動作により前記スライダガイドを前記スライダの摺動方向と直交する方向にそれぞれ移動させることにより前記扉を鉛直状態から水平状態あるいはその逆に転回させるようにしている。ここで、スライダガイドは扉と別体に形成して扉の背面側に突出させて取り付けるようにしても良いが、予め扉を構成する枠材の一部として構成するようにしても良い。
【0009】
したがって、閉位置にある扉の適当なところを掴んで扉を持ち上げるか、いずれか一方あるいは双方の平行移動機構の対となったアームを対称に回転させると、支柱の間でアームが扉の面に沿って横向きに回転するのに連動してスライダがスライダガイドに沿って摺動しながら扉を上昇させる。このとき、第1の平行移動機構と第2の平行移動機構とは、各々のスライダガイドを異なる方向に平行移動させる。即ち、第1の組の平行移動機構におけるスライダガイドの移動方向は第2の組の平行移動機構におけるスライダガイドの移動方向に対して斜めであることから、第一スライダガイドと第二スライダガイドとで支持される扉は、支柱に沿って上昇しながら後方側へ転回し、支柱の上方でほぼ水平状態となる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の平面昇降門扉において、支柱の頂部付近に設けられた前側斜面に第1の平行移動機構のアームの回転支軸を設けると共に鉛直方向の前面に水平に突出させて第2の平行移動機構のアームの回転支軸を設け、前側斜面と平行な面内で回動する第1の平行移動機構のアームは扉が鉛直状態の閉位置にあるときにはほぼ水平位置にあるようにしている。
【0011】
この場合、扉が閉鎖状態にある場合に、第1の平行移動機構のアームの奥行き方向の変位量(支柱からの突出量あるいは後退量)が鉛直面内でアームが回転する第2の平行移動機構のそれとほぼ同じになるので、支柱と扉とを接近させることができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の平面昇降門扉において、第1の平行移動機構のアームの回転支軸を、第2の平行移動機構のアームの回転支軸に対して45゜傾斜させるようにしている。
【0013】
この場合、扉の高さ、支柱の高さ、支柱間隔、第1および第2の平行移動機構のアーム長さ等の条件が同じ場合に、最も高い位置まで扉を支柱の上方へ持ち上げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1から図4に本発明の平面昇降門扉の実施の一形態を示す。この門扉1は、2本の支柱にアームを介して支持されている扉を上下方向に移動させて開閉操作するもので、支柱と扉との間に互いに干渉しない位置に離して2組の平行移動機構を備えて成る。
【0016】
平行移動機構は、長さが等しく同一平面または平行な平面で対称に回転可能に支柱に取り付けられた2本のアームと、該アームの可動端と回転可能に連結された2つのスライダと、2つのスライダをアームの回転中心を結ぶ線と平行な方向に摺動可能に保持すると共に扉に対してアームの回転中心を結ぶ線と平行な軸回りに回転可能に備えられたスライダガイドとから構成されている。尚、本実施形態では、第1の組の平行移動機構を構成するアーム、スライダ及びスライダガイドをそれぞれ第1アーム2,2、第1スライダ3,3、第1スライダガイド4と呼び、第2の組の平行移動機構が有するアーム、スライダ及びスライダガイドをそれぞれ第2アーム5,5、第2スライダ6,6、第2スライダガイド7と呼ぶ。
【0017】
これら2組の平行移動機構の各スライダガイド4,7は互いに平行に配置される一方、第1の組の平行移動機構のアーム2の回転軸9を第2の組の平行移動機構のアーム5の回転軸10に対して傾けて配置して、第1の組の平行移動機構のスライダガイド4の移動方向が第2の組の平行移動機構のスライダガイド7の移動方向に対して斜めとなるように構成されている。これによって、2組の平行移動機構のアーム2,5の回転動作によりスライダガイド4,7をスライダ3,6の摺動方向と直交する方向にそれぞれ移動させることにより扉15を鉛直状態から水平状態あるいはその逆に転回させるようにしている。
【0018】
ここで、本実施形態の扉15は、横桟14bと縦桟14cを組み付けて十分な捩り剛性を有するようにして成る枠体14と、該枠体14の上端並びに下端に左右のアーム2,5の回転中心を結ぶ線と平行な軸回りに回転可能に備えられた第1及び第2のスライダガイド4,7とで構成されている。即ち、第1スライダ3,3または第2スライダ6,6のスライド方向と回転軸方向を同じくする回り対偶によって、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とは枠体14に回転可能に取り付けられ、扉15の一部を構成するようにしている。この扉15は、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7との移動によって転回し、閉鎖状態と開放状態になるように構成されている。尚、図1中の符号14aは扉15が直接地面に当接するのを防ぐ脚である。
【0019】
アーム2,5の可動端と扉15とは、本実施形態の場合には、図2に示すように、スライダ3,6としてのローラとこれが嵌り込む溝を有するスライダガイド4,7とによって水平方向(回転支軸9,9または回転支軸10,10同士を結ぶ線と平行となる方向)に摺動可能でかつそれと直交する方向には連繋するように設けられている。例えば、第1アーム2,2の可動端には第1スライダ3,3が回転支軸9,9と平行な連結ピン11,11によって回転可能に連結され、2つの第1スライダ3,3は第1スライダガイド4にスライド移動可能であるように連結される。同様に、第2アーム5,5の可動端には第2スライダ6,6が回転支軸10,10と平行な連結ピン12,12によって回転可能に連結され、2つの第2スライダ6,6は第2スライダガイド7にスライド移動可能であるように連結される。例えば本実施形態では、第1スライダ3,3および第2スライダ6,6としてローラを採用している。他方、第1スライダガイド4および第2スライダガイド7は、ローラから成る第1スライダ3および第2スライダ6を軸方向に摺動可能に収める溝を形成した型材などで構成されている(図2参照)。尚、各スライダガイド4,7には、ローラが嵌め込まれた溝の縁にローラの脱輪を防ぐ係合部16が形成されることが好ましい。
【0020】
また、本実施形態では、アーム2,5の断面形状を例えば矩形状とし、アーム2,5の端部を回転動作に支障がない半円状に形成している。また、本実施形態の場合、第1アーム2及び第2アーム5は、互いに干渉しない位置に離してそれぞれ支柱に設けられた回転支持9,10によって、回転可能に取り付けられている。具体的には、本実施形態の支柱8には、その頂部付近に正面側に向かって下る前傾斜面8aが設けられており(図2参照)、その傾斜面8a部分に第1アーム2の回転中心が設定されている。即ち、前傾斜面8aに斜面と直交する回転支軸9が備えられ、その周りに第1アーム2が回転可能に連結支持されている。また、第2アーム5の回転中心は、支柱8の正面側に、水平方向に突出するように回転支軸10が備えられ、その周りに第2アーム5が回転可能に連結支持されている。傾斜面8aは、本実施形態の場合、支柱8の前面に対して例えば45°の傾斜角度を成し、第1アームの回転支軸9を第2アーム5の回転支軸10に対して45°傾けて配置されている。これにより、第1アーム2,2の旋回軌跡は鉛直面内で旋回する第2アーム5,5の旋回軌跡に対して45°傾いた状態となる。この場合、扉15の高さ、支柱8の高さ、支柱8,8の間隔、アーム2,5の長さ等の条件が同じ場合に、最も高い位置まで扉15を支柱8の上方へ持ち上げるように構成でき、コンパクトでありながら扉15を邪魔にならない位置まで退避できる使い勝手の良い門扉1を実現できる。但し、上記傾斜面8aの傾斜角度は好適な例示であって、必ずしも本実施形態の例には限定されないのは勿論である。例えば第1アームの回転支軸9と第2アーム5の回転支軸10とのなす角を45°未満としても良く、逆に45°以上としても良い。さらに、第1アーム2は、扉15が鉛直状態の閉位置にあるときには、図1に示すようにほぼ水平位置にあり、第1アーム2の奥行き方向の変位量(支柱からの突出量あるいは後退量)が鉛直面内で回転する第2アーム5のそれとほぼ同じになるように設定されて、鉛直状態に配置される扉15と支柱8とを最も接近させるように設けられている。そして、図1に示すように、第2アーム5の回転により上方に持ち上げられた扉15の下端と、第1アーム2の回転により前傾斜面8aの延長線上に持ち上げられた扉15の上端側とが、同じ高さとなって扉15が水平状態に保たれるような関係に第1アーム2と第2アーム5の長さが設定されている。具体的には、第1アーム2の回転可能な範囲は、例えば本実施形態では、扉15が閉位置P1にあるときにアーム2の長手方向がほぼ水平状態となり、扉15が開位置P2にあるときにアーム2の長手方向がほぼ垂直状態となるように、アーム2が約90度の範囲で回転可能であるように設定している。また、第2アーム5は、扉15が閉位置P1にあるときに下向きに傾斜し、開位置P2にあるときには上向きに傾斜し、約90〜120度の範囲で回転可能であるように設定されている。特に図示しないが、扉15が閉位置にあるときに、第1アーム2が水平状態を超えて回転しないように、第1アーム2の回転を規制する回り止めを支柱8に設けても良い。尚、本実施形態における2組の回転支軸9,10の位置は、第1スライダ3,3のスライド方向と第2スライダ6,6のスライド方向とが互いに水平となるように、二本の支柱8,8間で対称となる位置・高さに設定している。
【0021】
尚、図示していないが、扉15の持ち上げ初期の操作に要する力を軽減するために、扉15やアーム2の位置に応じて操作方向への力を補助的に付与する既知または新規の補助力付与手段を設けることが好ましい。このような補助力付与手段は、従来から跳ね上げ式門扉では一般に使用されており、例えば、ガススプリング、ばね、カウンターウェイト等を利用したものであり、一般には支柱8に内蔵されている。この補助力付与手段は、扉15の降下に伴って回転支軸9,10を介して得られる力をガススプリングなどの蓄圧手段に貯え、それを扉15の持ち上げ初期に開放することにより操作力を軽減するようにしたものである。また、回転支軸9,10の取付手段としては、例えばボルト及びナットの締結手段を採用しても良い。この場合、アーム2,5を必要に応じて支柱8から容易に取り外すことができる。
【0022】
本実施形態における第1スライダガイド4および第2スライダガイド7は、その両端が枠体14に連結ピン13を介して回転自在に連結されている(図3および図4参照)。連結ピン13の軸方向は、第1スライダ3,3(または第2スライダ6,6)のスライド方向に向いており、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7の移動に追従して扉15の枠体14に対して回動するように構成されている。即ち、第1スライダガイド4とスライダ3並びに第2スライダガイド7とスライダ6を介して扉15は、扉15の面と平行な横方向に回転する第1及び第2アーム2,5に取り付けられ、支柱8,8の正面で垂直状態となって支柱8,8間を閉鎖する閉位置P1と、支柱8,8の上方で水平状態となって支柱8,8間を開放する開位置P2との間を移動する。
【0023】
また、特に図示しないが、第1アーム2,2及び第2アーム5,5が予め設定した範囲内のみで回転可能であるように、第1アーム2,2と係合する回り止め又は第2アーム5,5と係合する回り止めを支柱8,8に設けても良く、或いは第1スライダ3,3又は第2スライダ6,6と係合する係合部を第1スライダガイド4または第2スライダガイド7に設けるようにしても良い。また、支柱8,8間の距離および扉15の大きさや形状等は、使用目的(例えば車庫用途)に適したもの(例えば侵入し難い境界としての心理的な抑止を与える程度の大きさ)に適宜設定して良い。また、門扉1を構成する各部材即ち支柱8、扉15、アーム2,5の材質としては、門扉1に必要とされる又は望ましい機械的強度・軽量性・耐候性等を備えるアルミニウム合金(特にアルミ型材)やスティールなどの金属材料や合成樹脂等を適宜選択可能である。また、支柱8の形状は、特に限定されるものではないが、例えば本実施形態では、断面矩形状であるアーム2を回転支持し易いように、角筒状としている。
【0024】
以上のように構成される本発明の門扉1によれば、例えば次のような動作により扉15の開閉が行なわれる。まず、扉15を跳ね上げる場合には、閉位置P1にある扉15の適当なところ例えば横枠材部分などを掴んで扉15を持ち上げる。
【0025】
扉15の上昇により、ローラ3,6がスライダガイド4,7内を摺動して両支柱8の回転支軸9,10を中心に左右の第1アーム2,2及び第2アーム5,5が対称に回転する。このとき、第1の平行移動機構と第2の平行移動機構とは、各々のスライダガイド4,7を異なる方向に平行移動させる。即ち、第1の組の平行移動機構におけるスライダガイド4の移動方向は第2の組の平行移動機構におけるスライダガイド7の移動方向に対して斜めであることから、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とで支持される扉15は、支柱8に沿って上昇しながら後方側へ転回し、支柱8の上方でほぼ水平状態となる。因みに、図示していない補助力付与手段によって扉15の重量が相殺されていれば、扉15は軽い力で持ち上がる。
【0026】
そして、扉15が支柱8上方の開位置P2へと移動すると、第1アーム2,2と第2アーム5,5との旋回軌跡の違いによって水平状態に転回するので、前方へ引っ張るような引き下げる力が付与されるまでその状態・位置に扉が保持される。尚、図1中の1点鎖線は、第1アーム2,2及び第2アーム5,5の回転によって可動端(ローラ3,6の中心)が描く軌跡を示す。
【0027】
この門扉1によれば、扉15を支える第2アーム5,5が扉15の面(換言すれば、並設される2本の支柱8,8を通る面)に沿って横方向に回転すると共に第1アーム2,2が鉛直状態にある扉15から後ろ上方へ離れる方向に回転することによって、扉15を持ち上げて水平状態に保つので、扉15と支柱8との距離(間隔)をアーム2,5の厚みと適当なクリアランス程度の短い(狭い)ものとでき、コンパクトに構成できる。したがって、門扉1の設置スペースをコンパクトにでき、敷地を有効に使用できる。また、支柱8が敷地の仕切り(即ち、扉15の閉位置P1)から近い位置にあるために、支柱8が敷地の仕切りから離れている場合と比較して、車庫入れ等が容易となるし、車の乗り降りの際に支柱8が邪魔となることもない。さらにまた、扉15が少なくとも4本のアーム2,2,5,5によって支えられるため、各アーム2,2,5,5に作用する負荷を分散・減少させることができ、機械的強度・耐久性能等を増加させることができる。
【0028】
また、扉15の開閉操作は、手動による場合に限らず、電動モータなどによって第1及び第2のアーム2,5のいずれかあるいは双方をモータ駆動などで同期回転させることにより扉15を昇降させるようにしても良い。この場合、例えばスイッチ操作や無線による遠隔操作によりモータを正・逆回転させて各回転支軸9,10を回転させることで、扉15を自動で開閉させることができる。この場合、第2アーム5,5が回転支軸10,10回りに対称に上方向へ回転すると、この回転に従って第2スライダ6,6が第2スライダガイド7に沿ってスライドすると同時に第2スライダ6,6の運動方向と直交する方向即ち鉛直方向に第2スライダガイド7を押し上げる。同時に、第1アーム2,2の回転支軸9,9回りの回転は、第1スライダ3,3を第1スライダガイド4に沿ってスライドさせると共に第1スライダ3,3の運動方向と直交する方向即ち本実施形態の場合には斜め上45°の後方へ第1スライダガイド4を押し上げる。これによって、扉15は支柱8に沿って上昇しながら後方へ転回して水平状態に持ち上げられる。また、モータの逆転によってその逆の動きをする。このような電動方式の場合には、太陽電池により駆動する直流モータを採用しても良い。また、扉15が閉位置P1または開位置P2にあるときにモータの駆動軸を固定する手段(例えばモータの電源がオンである場合にはモータの駆動軸が回転可能であるように退避しているが、モータの電源がオフとなった場合にモータの駆動軸を回転不能に把持するブレーキ等)を更に設けるようにしても良い。この場合、扉15を閉位置P1または開位置P2に安定して保持することができる。
【0029】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述の実施形態では、扉15が閉位置P1にある場合に、第1スライダガイド4が第2スライダガイド7よりもやや支柱8側に位置していたが、例えば図6に示すように、扉15が閉位置P1にある場合に第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とがほぼ同一垂直面上に位置し、扉15が開位置P2にある場合に第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とがほぼ同一水平面に位置するように設計することも可能である。また、同図6に示すように、第1スライダ3のローラ取付面を、第2スライダのローラ取付面と同一方向を向くように、第1アームへの取付面に対して傾けた形状としても良い。
【0030】
また、アーム2,5の形状は、扉15の開閉動作に支障がないものであれば特に限定されるものではない。例えば図7に示すように、扉15が開位置P2にある場合のアーム2,5の姿勢を安定させるために、アーム2,5の可動端近傍を直角に折り曲げて略L字型として、扉15が開位置P2にあるときに第1アーム2,2及び第2アーム5,5が支柱8,8上方を向くように構成しても良い。この場合には、扉15を上端即ち開位置P2までに押し上げた際にオーバーロックされる。さらに、扉15が開位置P2にあるときに、支柱8,8間に第1アーム2,2及び第2アーム5,5が斜めに張り出すことがなく、扉15が開位置P2にあるときに第1アーム2,2及び第2アーム5,5が邪魔になることはない。
【0031】
また、扉15の枠体14に対して支柱8,8を内側に配置するようにしても良い。この場合、扉15が閉位置P1と開位置P2との間を移動するに際して、枠体14の両端が支柱8,8に衝突する虞が無くなる。
【0032】
また、第1アーム2,2または第2アーム5,5は同一平面上を対称に回転するものに限らず、平行な平面で対称に回転可能に構成しても良い。例えば第2アーム5,5の回転軸方向の高さをずらすように、第2アーム5,5の間に第2スライダガイド7を配置するように構成する。この場合、第2アーム5,5の回転半径を大きく設定しても第2アーム5,5同士が接触することはない。
【0033】
また、スライダ及びスライダガイドの構造は、ローラを用いた上述の実施形態の例に限定されるものではない。例えば、図8〜図10に示すように、スライダガイドとしてのスライド軸4,7と、このスライド軸4,7に摺動可能な孔を有するスライダ3,6を採用しても良い。尚、図の例では、スライド軸4,7を断面矩形状とし、スライド軸4,7回りにスライダ3,6が回転してしまうことのないように構成しているが、場合によってはスライド軸4,7の断面を円形としても良い。この場合、スライド軸4,7自体をスライダ3,6のスライド方向と軸方向を同じくする連結ピン13として構成できる。また、図11に示すように、例えば丸棒によって構成されるスライダガイド4,7とこれに回転自在に嵌合する円筒状のスライダ3,6とによって構成するようにしても良い。この場合には、円筒状のスライダ3,6をスライダガイド4,7に対して円周方向に回転自在で尚かつ軸方向に摺動自在な関係とすると共に、アーム2,5に対してはアーム2,5の旋回面と直交する方向(アーム2,5の回転方向と直交する方向)の回転軸・連結ピン11,12を中心に回転可能に連結されていれば良い。この場合には、各スライダガイド4,7は上述の実施形態のように回転する必要はないので、扉15を構成する固定部材(構造部材)を利用することができ、部品点数を少なくできる。また、扉15の剛性を高めることができる。
【0034】
さらに、第1アーム2,2または第2アーム5,5を対称に回転するように連動させる機構を設けても良い。例えば、図12に示すように、一方のスライダ3aの移動により当該移動と対称な方向に他方のスライダ3bが連動して移動するように、紐状部材17(例えばロープやワイヤ等)を用いてスライダ3a,3b同士を連結するようにする。紐状部材17は、例えば、図12中矢印Aが指す部分において一方のスライダ3aに固定され、スライド軸4に設けられた滑車18を通り、さらに当該一方のスライダ3aに設けらた孔19を移動可能に貫通し、矢印Bが指す部分において他方のスライダ3bに弛みのないように固定される。また、矢印Cが指す部分において他方のスライダ3bに固定された紐状部材17は、スライド軸4に設けられた滑車20を通り、当該他方のスライダ3bに設けらた孔21を移動可能に貫通し、矢印Dが指す部分において一方のスライダ3aに弛みのないように固定される。このような構成により、例えば一方のスライダ3aがスライド軸4をスライドすると、他方のスライダ3bが紐状部材17に引っ張られて当該移動と対称方向(反対方向)にスライドする。即ち、このような構成により、第1アーム2,2および第2アーム5,5が正確・確実に対称に回転し、扉15をスムーズに移動させることができる。
【0035】
また、本実施例の場合、予め扉15の一部を構成するように枠体14の上端と下端に配置されたスライダガイド4,7を利用するようにしているが、これに特にかぎられず、扉15とは別個に設けられたスライダガイド7をブラケットなどを介して扉15の背面側に突出させて取り付けるようにしても良い。この場合には、各アーム2,5の旋回時の枠体14との干渉を考慮する必要がなくなるので、取付位置を選ばない利点がある。例えば、図13に示すように、第1スライダ3(または第2スライダ6)のスライド方向と回転軸方向を同じくする連結ピン13,…,13と扉15の背面から突き出たブラケット20とによって第1スライダガイド4と第2スライダガイド7とを取付けて扉15を支持するように構成しても良い。この構成によっても上述の実施形態と同様に、第1スライダガイド4と第2スライダガイド7の移動に追従して扉15が閉鎖状態または開放状態となるように回動する。またこの場合、扉15を第1スライダガイド4及び第2スライダガイド7とは別体として設けるので、扉15のデザインの自由度が広がるという利点がある。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の平面昇降門扉によれば、支柱と扉とを連結するアームを扉の面と平行に回動するように配置しているので、支柱と扉との間の距離・間隔を短くコンパクトに構成することができる。したがって、門扉の設置スペースをコンパクトにでき、敷地を有効に使用できる。また、支柱を敷地の仕切り(即ち、扉の閉位置)から近い位置に設置できるので、支柱が敷地の仕切りから離れている場合と比較して、車庫入れ等が容易となるし、車の乗り降りの際に支柱が邪魔となることもない。
【0037】
また、請求項2記載の発明によると、扉が閉鎖状態にある場合に、第1の平行移動機構のアームの奥行き方向の変位量(支柱からの突出量あるいは後退量)が鉛直面内でアームが回転する第2の平行移動機構のそれとほぼ同じになるので、支柱と扉とを接近させることができる。
【0038】
また、請求項3記載の発明によると、扉の高さ、支柱の高さ、支柱間隔、第1および第2の平行移動機構のアーム長さ等の条件が同じ場合に、最も高い位置まで扉を支柱の上方へ持ち上げるように構成できるので、コンパクトでありながら扉を邪魔にならない位置まで退避できる使い勝手の良い門扉を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面昇降門扉の実施の一形態を示す概略正面図である。
【図2】図1のI−I線で切った断面を示す概略側面断面図である。
【図3】図1に示す門扉の概略平面図である。
【図4】スライダガイドと連結部材との連結構造を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の門扉の機構の一例を示す概略正面図である。
【図6】本発明の門扉の他の実施形態を示す概略側面断面図である。
【図7】本発明の門扉の更に他の実施形態を示し、門扉の機構の一例を示す概略正面図である。
【図8】本発明の門扉の更に他の実施形態を示す概略正面図である。
【図9】図8のIX−IXで切った断面を示す概略側面断面図である。
【図10】図8に示す門扉の概略平面図である。
【図11】本発明の門扉の更に他の実施形態を示す概略側面断面図である。
【図12】本発明の門扉の更に他の実施形態を示し、スライダとスライダガイドとを連結する構成の一例を示す概略正面図である。
【図13】本発明の門扉の更に他の実施形態を示し、スライダガイドと扉との連結構造を示す概略斜視図である。
【図14】従来の跳ね上げ式門扉を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 門扉
2 第1アーム(第1の組の平行移動機構におけるアーム)
3 第1スライダ(第1の組の平行移動機構におけるスライダ)
4 第1スライダガイド(第1の組の平行移動機構におけるスライダガイド)
5 第2アーム(第2の組の平行移動機構におけるアーム)
6 第2スライダ(第2の組の平行移動機構におけるスライダ)
7 第2スライダガイド(第2の組の平行移動機構におけるスライダガイド)
8 支柱
15 扉
Claims (3)
- 2本の支柱にアームを介して支持されている扉を上下方向に移動させて開閉操作する門扉において、前記支柱と前記扉との間に互いに干渉しない位置に離して2組の平行移動機構を備え、前記平行移動機構は、長さが等しく同一平面または平行な平面で対称に回転可能に前記支柱に取り付けられた2本のアームと、該アームの可動端と回転可能に連結された2つのスライダと、2つの前記スライダを前記アームの回転中心を結ぶ線と平行な方向に摺動可能に保持するスライダガイドとから成り、かつ前記2組の前記平行移動機構の各スライダガイドは互いに平行に配置される一方、第1の組の前記平行移動機構の前記アームの回転軸を第2の組の前記平行移動機構の前記アームの回転軸に対して傾けて配置して、前記第1の組の平行移動機構のスライダガイドの移動方向が前記第2の組の平行移動機構のスライダガイドの移動方向に対して斜めとなるようにし、前記2組の平行移動機構のアームの回転動作により前記スライダガイドを前記スライダの摺動方向と直交する方向にそれぞれ移動させることにより前記扉を鉛直状態から水平状態あるいはその逆に転回させることを特徴とする平面昇降門扉。
- 前記支柱の頂部付近に設けられた前側斜面に前記第1の平行移動機構のアームの回転支軸が設けられると共に鉛直方向の前面に水平に突出させて前記第2の平行移動機構のアームの回転支軸が設けられ、前記前側斜面と平行な面内で回動する前記第1の平行移動機構のアームは前記扉が鉛直状態の閉位置にあるときにはほぼ水平位置にあることを特徴とする請求項1記載の平面昇降門扉。
- 前記第1の平行移動機構のアームの回転支軸は、前記第2の平行移動機構のアームの回転支軸に対して45゜傾斜していることを特徴とする請求項1または2記載の平面昇降門扉。
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