JP2004217989A - 水素吸蔵合金粉末、その製造方法および水素吸蔵合金粉末を用いた水素貯蔵装置 - Google Patents

水素吸蔵合金粉末、その製造方法および水素吸蔵合金粉末を用いた水素貯蔵装置 Download PDF

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Yasuaki Kawai
泰明 河合
Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Takehiro Nitou
丈裕 仁藤
Tamio Shinosawa
民夫 篠沢
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Abstract

【課題】水素吸蔵・放出能が高く、取扱いが容易な水素吸蔵合金粉末およびその製造方法を提供する。
【解決手段】水素吸蔵合金粉末を、Ti−Mn系合金粒子1を含むよう構成する。Ti−Mn系合金粒子1は、Ti−Mn系合金からなる粒子本体2と、粒子本体2の表面に島状に付着した第一酸化膜3と、粒子本体2の表面のうち第一酸化膜3が付着していない部位および第一酸化膜3の表面に形成された第二酸化膜4とからなり、酸素との反応が抑制されている。また、水素吸蔵合金粉末の製造方法を、第一酸化膜付着工程と、第二酸化膜形成工程と、熱処理工程とを含むよう構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆的に水素を吸蔵・放出することのできる水素吸蔵合金粉末、その製造方法、および水素吸蔵合金粉末を用いた水素貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの実用化にむけて、水素を安全に貯蔵・輸送する技術の開発が重要となる。水素を貯蔵できる水素吸蔵材料として、活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料や、水素吸蔵合金等の開発が進められている。なかでも、水素吸蔵合金は、水素を金属水素化物という安全な固体の形で大量に貯蔵できることから、輸送可能な新しい貯蔵媒体として期待されている。
【0003】
水素吸蔵合金として、種々の組成の合金が開発されている。なかでも、Ti−Mn系合金は、水素吸蔵量が大きく、水素との反応速度も大きい。特に、水素の吸蔵・放出に伴う微粉化により活性面が表出した状態では、非常に活性が高くなる。したがって、そのような活性な状態で、Ti−Mn系合金が大気に曝された場合には、合金の表面が急激に酸化される。そして、酸化反応による発熱により合金自体の温度が急激に上昇し、不具合を生じるおそれがある。
【0004】
水素吸蔵合金等の活性金属粉末の酸化反応を抑制する手段としては、例えば、粉末化した活性金属に酸素を供給し、混合、攪拌することにより、予め活性金属粉末の表面に酸化膜を生成させておく方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−157904号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に示されるような、水素吸蔵合金粉末を単に酸化させる方法では、Ti−Mn系合金の水素吸蔵・放出能を損なうことなく、上述した急激な酸化反応を抑制することは困難である。
【0007】
本発明は、このような実状を鑑みてなされたものであり、Ti−Mn系合金の優れた水素吸蔵・放出能を維持しつつ、大気中での急激な酸化反応を抑制することにより、水素吸蔵・放出能が高く、取扱いが容易な水素吸蔵合金粉末を提供することを課題とする。また、そのような水素吸蔵合金粉末の簡便な製造方法を提供することを課題とする。さらに、水素貯蔵能が高く安全な水素貯蔵装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金粒子を含む水素吸蔵合金粉末であって、前記Ti−Mn系合金粒子は、Ti−Mn系合金からなる粒子本体と、該粒子本体の表面に島状に付着した第一酸化膜と、該粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に形成された第二酸化膜とからなり、酸素との反応が抑制されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金からなる粒子本体の表面に、第一酸化膜および第二酸化膜という二種類の酸化膜が付着、あるいは形成されたTi−Mn系合金粒子を含む。つまり、本発明の水素吸蔵合金粉末におけるTi−Mn系合金粒子は、核となる粒子本体の表面に二種類の酸化膜を持つ。図1に、Ti−Mn系合金粒子の断面をモデルで示す。図1に示すように、Ti−Mn系合金粒子1は、核となる粒子本体2と、第一酸化膜3と、第二酸化膜4とからなる。第一酸化膜3は、粒子本体2の表面に島状に付着している。ここで、「島状」とは、粒子本体の表面の一部が露出するように第一酸化膜が分散して付着した状態を意味する。換言すれば、粒子本体の表面に第一酸化膜がまだらに付着した状態を意味する。第二酸化膜4は、粒子本体2の表面をほぼ均一に覆うように形成されている。つまり、第二酸化膜4は、粒子本体2の表面のうち、既に第一酸化膜3が付着している部位では、付着している第一酸化膜3の表面に形成されている。また、粒子本体2の表面のうち、第一酸化膜3が付着していない部位では、第二酸化膜4は粒子本体2の表面に形成されている。
【0010】
本発明の水素吸蔵合金粉末におけるTi−Mn系合金粒子では、水素分子が粒子本体へ到達することができ、水素原子に解離される。つまり、Ti−Mn系合金粒子は、水素を吸蔵することができる。一方、粒子本体の表面にある二種類の酸化膜により、酸素分子は粒子本体へ到達し難い。そのため、粒子本体と酸素との反応は抑制される。つまり、水素を吸蔵・放出した後の活性の高い状態で、Ti−Mn系合金粒子を大気に曝しても、急激な酸化反応は生じない。粒子本体の表面にある二種類の酸化膜が、水素分子のみを通過させるメカニズムは明らかではない。しかし、二種類の酸化膜中には、水素分子のみが通過できるクラックの経路が生じており、水素分子は、そのクラックを通過して粒子本体へ到達できると考えられる。このように、二種類の酸化膜を持つTi−Mn系合金粒子を含む本発明の水素吸蔵合金粉末は、優れた水素吸蔵・放出能を有し、かつ、大気に曝されても安定であり、取扱いが容易となる。
【0011】
上記本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、本発明の製造方法によれば、本発明の水素吸蔵合金粉末を簡便に製造することができる。すなわち、本発明の製造方法は、Ti−Mn系合金片を非酸化性雰囲気にて機械的に粉砕しTi−Mn系合金の粒子本体が集合した粉末とするとともに、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面に島状に第一酸化膜を付着させる第一酸化膜付着工程と、該表面に第一酸化膜が付着した粒子本体が集合した粉末を酸素を含む雰囲気に置き、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に第二酸化膜を形成する第二酸化膜形成工程と、該第一酸化膜および該第二酸化膜を持つ粒子本体が集合した粉末を不活性雰囲気にて熱処理し、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末とする熱処理工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の製造方法では、まず、第一酸化膜形成工程にて、Ti−Mn系合金からなる粒子本体の表面に、第一酸化膜を島状に付着させる。次いで、第二酸化膜形成工程にて、粒子本体の表面等に、第二酸化膜をほぼ均一に形成させる。その後、熱処理工程にて、二種類の酸化膜を持つ粒子本体に熱処理を施す。熱処理を施すことで、二種類の酸化膜中に、水素分子のみが通過できるクラックが生じると考えられる。このように、上記三つの工程を含む本発明の製造方法によれば、酸素との反応が抑制されたTi−Mn系合金粒子を含む本発明の水素吸蔵合金粉末を、簡便に製造することができる。
【0013】
本発明の水素吸蔵装置は、容器と該容器に収容された水素吸蔵体とを含む水素貯蔵装置であって、前記水素吸蔵体は、上述した本発明の水素吸蔵合金粉末を含む。本発明の水素吸蔵合金粉末を含むことで、本発明の水素吸蔵装置は、水素貯蔵量が大きく、かつ、安全性の高い水素貯蔵装置となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水素吸蔵合金粉末、その製造方法、および水素貯蔵装置について詳細に説明する。なお、本発明の水素吸蔵合金粉末、その製造方法、および水素貯蔵装置は、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の水素吸蔵合金粉末、その製造方法、および水素貯蔵装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0015】
〈水素吸蔵合金粉末〉
本発明の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金粒子を含む。つまり、本発明の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金粒子のみから構成される態様の他、Ti−Mn系合金粒子に加え、他の合金粒子を含んで構成される態様であってもよい。
【0016】
本発明の水素吸蔵合金粉末におけるTi−Mn系合金粒子は、Ti−Mn系合金からなる粒子本体と、該粒子本体の表面に島状に付着した第一酸化膜と、該粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に形成された第二酸化膜とからなり、酸素との反応が抑制されたものである。粒子本体は、Ti−Mn系合金からなる。Ti−Mn系合金は、ラーベス相の六方晶系MgZn(C14)型結晶構造を有する。具体的には、組成式TiCrMn2−y(1.1≦x≦1.3、0≦y<2)、Ti0.98Zr0.020.43Fe0.09Cr0.05Mn1.5、Ti1.2Cr1.3Mn0.6Ni0.1、Ti1.2Cr1.3Mn0.6Al0.1、Ti1.15Cr1.4Mn0.6La0.05、Ti1.15Cr1.4Mn0.6Mm0.05、TiCr1.35Mn0.6Zn0.05等で表される合金が挙げられる。具体例として挙げたように、Ti−Mn系合金には、Crを含むTi−Cr−Mn系合金を採用することが望ましい。本発明者は、種々のTi−Mn系合金について検討した結果、合金中のMnの含有割合が増加するとともに、酸化反応がより進行し易いという知見を得た。したがって、Ti−Mn系合金のなかでも、比較的Mnの含有割合が大きいTi1.1CrMn、Ti1.3Cr0.4Mn1.6等を粒子本体とする態様では、二種類の酸化膜による酸化反応の抑制効果がより発揮される。
【0017】
第一酸化膜は、粒子本体の表面に島状に付着している。第一酸化膜の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄やニッケル等の酸化物の被膜であればよい。また、第二酸化膜は、粒子本体の表面のうち第一酸化膜が付着していない部位および第一酸化膜の表面に、酸素分子が吸着して形成された酸化物の被膜である。
【0018】
本発明の水素吸蔵合金粉末におけるTi−Mn系合金粒子の粒子径は、特に限定されるものではない。一般に、水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出に伴って微粉化し、活性面が表出する。つまり、微粉化すると、より活性の高い状態となる。また、微粉化後の水素吸蔵合金粉末を構成する粒子の平均粒子径は、通常、数十μm程度である。本Ti−Mn系合金粒子の粒子径を、微粉化後の粒子の粒子径と同程度にすることで、酸化反応を有効に抑制することができると考えられる。このような観点から、Ti−Mn系合金粒子の粒子径を10μm以下とすることが望ましい。5μm以下とするとより好適である。なお、Ti−Mn系合金粒子の形状は、球状の他、薄片状、表面に凹凸を有する異形状等であってもよい。よって、Ti−Mn系合金粒子の形状が球状の場合には、球である粒子の直径を上記粒子径とする。Ti−Mn系合金粒子の形状が球状以外の場合には、粒子の最長径を粒子径とする。また、Ti−Mn系合金粒子の好適な粒子径を、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末の粒子径分布から規定することもできる。例えば、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末の粒子径分布を、レーザー回折・散乱法により測定した場合には、累積分布曲線の50%累積値に相当する径(メジアン径)が、2μm以上3μm以下であることが望ましい。
【0019】
粒子本体の表面に付着、あるいは形成された二種類の酸化膜の厚さは、特に限定されるものではない。酸素との反応を効果的に抑制するという観点から、第一酸化膜および第二酸化膜の厚さ(両膜の厚さの合計)は、30nm以上150nm以下であることが望ましい。また、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末における上記メジアン径の値との関係では、第一酸化膜および第二酸化膜の厚さは、上記メジアン径の20%以下であることが望ましい。ここで、第一酸化膜の単独の厚さは、20nm以上130nm以下であることが望ましい。また、第二酸化膜の単独の厚さは、10nm以上20nm以下であることが望ましい。これら酸化膜の厚さは、オージェ電子分光法等で測定すればよい。
【0020】
〈水素吸蔵合金粉末の製造方法〉
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、第一酸化膜付着工程と、第二酸化膜形成工程と、熱処理工程とを含む。以下、各工程について説明する。
【0021】
(1)第一酸化膜付着工程
本工程は、Ti−Mn系合金片を非酸化性雰囲気にて機械的に粉砕しTi−Mn系合金の粒子本体が集合した粉末とするとともに、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面に島状に第一酸化膜を付着させる工程である。
【0022】
Ti−Mn系合金片は、アーク溶解法等の既に公知の方法で製造すればよい。また、Ti−Mn系合金片は、塊であっても粉砕片であってもよい。例えば、所定の合金組成となるように合金原料を調合し、その合金原料を溶解、凝固させて所定の形状のインゴットに鋳造した後、そのインゴットをローラーミル等で粗粉砕して製造すればよい。一般に、水素吸蔵合金が空気等に曝露されると、合金表面に酸素等のガスが吸着され、合金表面に酸化物等の被膜が形成される。本工程で使用するTi−Mn系合金片は、このような酸化物等の被膜が表面に形成されていることが望ましい。また、上述したように、Ti−Mn系合金としては、Crを含むTi−Cr−Mn系合金を採用することが望ましい。
【0023】
本工程では、Ti−Mn系合金片を、機械的粉砕を行う処理装置に収容し、非酸化性雰囲気にて粉砕する。非酸化性雰囲気とは、合金表面における酸化反応が進行し難い雰囲気であればよい。Ti−Mn系合金片は、機械的粉砕を行う過程で高活性になる。そのため、酸素を遮断して安全性を確保するという観点から、例えば、不活性ガス雰囲気にて機械的粉砕を行うことが望ましい。
【0024】
機械的に粉砕する方法は、特に限定されるものではなく、既に公知となっている噴射圧力や衝突力を利用した方法を用いればよい。例えば、メカノケミカル反応を伴うメカニカルミリング、メカニカルグライディング、メカニカルアロイング等が好適である。また、粉砕は、乾式および湿式のどちらで行っても構わない。具体的には、例えば、遊星ボールミル、振動ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル等を使用して粉砕すればよい。粉砕する際の諸条件は、使用する装置に応じて、また、粉砕するTi−Mn系合金片の量等を考慮して、適宜決定すればよい。粉砕エネルギーとしては、重力加速度の5〜10倍(5〜10G)程度が望ましい。例えば、5gのTi−Mn系合金片を、遊星ボールミルで機械的粉砕する場合には、1〜2時間程度行えばよい。なお、粉砕用ボールの量は処理容器の容積の1/4〜1/2程度とすることが望ましい。
【0025】
粉砕に使用する装置の材質は、特に限定されるものではない。例えば、クロム鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼等の構造用合金鋼製の装置を使用することが望ましい。具体的には、Ti−Mn系合金片を収容する容器や、粉砕用ボール等を上記合金鋼製のものとすることが望ましい。Ti−Mn系合金片は、機械的に粉砕され、Ti−Mn系合金の粒子本体が集合した粉末となる。同時に、その粉末を構成する各々の粒子本体の表面には、第一酸化膜が島状に付着される。例えば、上記合金鋼製の装置を用いて粉砕を行った場合、粉砕の過程で容器や粉砕用ボールが摩耗し、装置材料中の鉄やニッケル等が、粉砕されたTi−Mn系合金の粒子本体の表面に酸化物として付着すると考えられる。なお、Ti−Mn系合金片に、鉄やニッケルといった酸化物を形成し易い材料の微粉末を加えて粉砕してもよい。このような微粉末を加えることにより、付着した第一酸化膜の膜厚を厚くすることができる。
【0026】
さらに、粉砕を行っている間は、処理装置を保温することが望ましい。機械的な粉砕を行うと容器内部の温度は上昇する。粒子本体への第一酸化膜の付着は、温度が高いほど進行し易いと考えられる。したがって、粉砕により発生する温度を有効に利用することで、粒子本体への第一酸化膜の付着を促進することができる。具体的には、例えば、シリカやセラミックスファイバー製の断熱材を容器の外側に巻き付ける等の手法により処理装置を保温すればよい。
【0027】
(2)第二酸化膜形成工程
本工程は、表面に第一酸化膜が付着した粒子本体が集合した粉末を酸素を含む雰囲気に置き、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に第二酸化膜を形成する工程である。上記第一酸化膜付着工程で得られた粉末を、酸素を含む雰囲気に置くことで、粉末を構成する各々の粒子本体を覆うように第二酸化膜が形成される。例えば、第一酸化膜付着工程で得られた粉末を、常温下、所定の時間大気に曝せばよい。大気に曝す時間は、粉末の量に応じて、適宜調整すればよい。また、粉末を、攪拌しながら酸素を含む雰囲気に置くと効率的である。
【0028】
(3)熱処理工程
本工程は、第一酸化膜および該第二酸化膜を持つ粒子本体が集合した粉末を不活性雰囲気にて熱処理し、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末とする工程である。熱処理は、不活性雰囲気、すなわち、真空あるいはアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気で行う。実用的な条件にて水素分子が通過できるクラックを、二種類の酸化膜中に有効に生じさせるためには、熱処理の温度を300℃以上とすることが望ましい。一方、熱処理による合金の状態変化を抑制するという観点から、500℃以下とすることが望ましい。熱処理の時間は、処理する粉末の量に応じて、適宜調整すればよい。例えば、上記第二酸化膜付着工程で得られた粉末の5gを熱処理する場合には、熱処理を30分程度行えばよい。
【0029】
〈水素貯蔵装置〉
本発明の水素貯蔵装置は、容器と該容器に収容された水素吸蔵体とを含む。容器は、低温もしくは高圧等の条件で使用できるものであれば、特に限定されるものではなく、ボンベ等の耐圧容器を用いればよい。そして、容器に水素吸蔵体を充填し、圧力や温度を所定の条件に調整することにより水素を吸蔵・放出させればよい。
【0030】
本発明の水素貯蔵装置において容器に収容される水素吸蔵体は、上記本発明の水素吸蔵合金粉末を含む。Ti−Mn系合金のなかでも、例えば、組成式TiCrMn2−y(1.1≦x≦1.3、0≦y<2)で表される合金は、高圧の条件下で水素を多量に吸蔵することができる。したがって、水素吸蔵合金粉末を構成するTi−Mn系合金粒子の粒子本体として、組成式TiCrMn2−y(1.1≦x≦1.3、0≦y<2)で表される合金を使用した場合には、15MPa以上の圧力下で水素を吸蔵させることが望ましい。つまり、上記態様では、水素充填時の圧力を15MPa以上として、本発明の水素貯蔵装置を使用することが望ましい。水素充填時の圧力を20MPa以上とするとより好適である。
【0031】
また、水素吸蔵体を、上記本発明の水素吸蔵合金粉末と、水素吸蔵材料の一つである炭素材料とを含んで構成することもできる。水素吸蔵体に、軽量な炭素材料を含めることにより、水素貯蔵装置自体を軽量化することができる。また、炭素材料は熱伝導が大きいため、水素吸蔵合金粉末が水素を吸蔵する際に生ずる熱の拡散が容易となる。そのため、容器に冷却設備等を付帯する必要がなくなるという利点がある。さらに、水素吸蔵体に炭素材料を含むことで、水素吸蔵合金粉末の分散性も向上する。使用する炭素材料は、特に限定されるものではない。特に、比表面積が大きいという理由から、活性炭、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー等の多孔質の炭素材料を用いると好適である。また、炭素材料に加えて、水素吸蔵合金粉末と炭素材料とを結着する結着剤を含んで水素吸蔵体を構成してもよい。結着剤を含むことで、水素吸蔵合金粉末と炭素材料との均一な混合状態を維持することができる。また、水素吸蔵体を所定の形状に成形する場合には成形が容易となる利点もある。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレンブタジエンゴム、カルボキシセルロース等を用いることができる。
【0032】
水素吸蔵体に炭素材料を含む場合には、水素吸蔵合金粉末と粉末状の炭素材料とを混合し、両者を分散させて水素吸蔵体とすればよい。混合は、例えば、ボールミル、ロッキングミル等を用いて行えばよい。また、水素吸蔵合金粉末と粉末状の炭素材料との個々の粒子を機械的剪断力により結合させた複合体を、水素吸蔵体としてもよい。この場合、例えば、メカニカルアロイング、メカノヒュージョン等の方法により、水素吸蔵合金粉末と炭素材料とを複合化すればよい。さらに、水素吸蔵合金粉末と粉末状の炭素材料との混合物を、油圧プレス等の圧縮成形機を用いて高圧圧縮処理し、所定の形状に成形したものを水素吸蔵体としてもよい。なお、水素吸蔵体における水素吸蔵合金粉末の含有割合は、水素吸蔵量をより多くするという観点から、70質量%以上90質量%以下とすることが望ましい。
【0033】
【実施例】
上記実施の形態に基づいて、本発明の水素吸蔵合金粉末を製造した。そして、製造した水素吸蔵合金粉末の水素吸蔵能の有無を調査するとともに、水素吸蔵・放出後の大気曝露試験を行った。また、比較のため、種々の方法で水素吸蔵合金粉末を製造した。そして、それらの水素吸蔵合金粉末についても、同様に、水素吸蔵能の有無を調査し、大気曝露試験を行った。以下、順に説明する。
【0034】
〈水素吸蔵合金粉末の製造〉
(1)#11〜#13の水素吸蔵合金粉末
まず、組成式Ti1.3Cr0.4Mn1.6で表されるTi−Mn系合金片を製造した。Ti、Cr、Mnを上記合金組成となるように混合し、アーク溶解法により所定の形状のインゴットに鋳造した。そのインゴットを、大気中、ローラーミルで、約2〜5mmの大きさに粗粉砕し、Ti−Mn系合金片とした。このTi−Mn系合金片は、大気に曝されたため、表面に酸化物等の被膜が形成された。次に、上記Ti−Mn系合金片を、機械的に粉砕した。機械的粉砕処理装置には、遊星ボールミルP−5(フリッチェ社製)を使用した。Ti−Mn系合金片の5gを高炭素クロム鋼(SUJ)製の容器(容積300ml)に入れ、アルゴンガス雰囲気にて1時間粉砕した。粉砕には、直径10mmの高炭素クロム鋼(SUJ)製のボールを100g使用し、粉砕エネルギーは、6.3G(モーター回転数1300rpm、スピード設定5)とした。Ti−Mn系合金片を粉砕して得られた粉末を、24時間大気に曝した後、熱処理した。熱処理は、温度を変えて三種類行った。すなわち、大気に曝した上記粉末を、5ccのステンレス鋼製容器に収容し、真空下、300℃、400℃、500℃の各温度で30分間保持した。得られた粉末を、熱処理の温度の低い順に、#11〜#13の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。この#11〜#13の水素吸蔵合金粉末は、本発明の水素吸蔵合金粉末となる。
【0035】
(2)#14、#15の水素吸蔵合金粉末
上記#11の水素吸蔵合金粉末の製造において、Ti−Mn系合金片の機械的粉砕を、FeあるいはNiの微粒子(粒子径0.1μm以下)からなる微粉末を加えて行った。すなわち、Ti−Mn系合金片の4.5gと、FeあるいはNiの微粉末0.5gとを、上記同様の容器に入れ、アルゴンガス雰囲気にて1時間粉砕した。なお、Fe等の微粉末を加えた以外は、上記#11の水素吸蔵合金粉末の製造方法と同様とした。Feの微粉末を使用して製造した粉末を#14の水素吸蔵合金粉末と、Niの微粉末を使用して製造した粉末を#15の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。これら#14、#15の水素吸蔵合金粉末は、本発明の水素吸蔵合金粉末となる。
【0036】
(3)#21の水素吸蔵合金粉末
上記#14、#15の水素吸蔵合金粉末の製造において、Ti−Mn系合金片の機械的粉砕の際に使用した微粉末の種類を変更した。すなわち、Ti−Mn系合金片の粉砕時に加える微粉末を、酸化物を形成し難いPdの微粒子(粒子径0.1μm以下)からなる微粉末とした。それ以外は、上記#14、#15の水素吸蔵合金粉末の製造方法と同様とした。得られた粉末を#21の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。この#21の水素吸蔵合金粉末は、比較例の水素吸蔵合金粉末となる。
【0037】
(4)#22の水素吸蔵合金粉末
上記#11〜#13の水素吸蔵合金粉末の製造に使用したTi−Mn系合金片を、大気中、乳鉢を用いて、数百μm程度の大きさに粉砕した。その後、24時間大気に曝した。得られた粉末を、#22の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。この#22の水素吸蔵合金粉末は、比較例の水素吸蔵合金粉末となる。
【0038】
(5)#23の水素吸蔵合金粉末
上記#11〜#13の水素吸蔵合金粉末の製造において、Ti−Mn系合金片を機械的に粉砕して得られた粉末を、#23の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。すなわち、#23の水素吸蔵合金粉末は、#11〜#13の水素吸蔵合金粉末の製造における機械的な粉砕後の大気曝露、および熱処理を行わずに製造されたものに相当する。#23の水素吸蔵合金粉末は、比較例の水素吸蔵合金粉末となる。
【0039】
〈水素吸蔵試験、および水素吸蔵・放出後の大気曝露試験〉
(1)水素吸蔵試験
上記#11〜#15、#21〜#23の各水素吸蔵合金粉末の1gを、アルゴンガス雰囲気にて、PCT試験用サンプルセル(5cc)に収容した。そして、9MPaの水素圧力を加え、水素が吸蔵されるかどうかを調査した。
【0040】
(2)水素吸蔵・放出後の大気曝露試験
上記#11〜#15、#21および#23の各水素吸蔵合金粉末に、水素を吸蔵・放出させた。水素の吸蔵・放出は、PCT特性測定装置(鈴木商館社製)を使用し、温度約20℃、圧力0.01〜9MPaの範囲で2回行った。その後、各水素吸蔵合金粉末を大気に曝して、酸化反応が進行するかどうかを観察した。なお、#22の水素吸蔵合金粉末は、水素を吸蔵することができなかった。そのため、#22の水素吸蔵合金粉末については、本試験を行わなかった。
【0041】
(3)結果
上記水素吸蔵試験および、大気曝露試験の結果を表1にまとめて示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004217989
【0043】
表1中、水素吸蔵試験の項目における○印は、水素が吸蔵されたことを示す。一方、×印は水素が吸蔵されなかったことを示す。また、大気曝露試験の項目における○印は、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化反応が観察されなかったことを示す。一方、×印は急激な酸化反応が観察されたことを示す。
【0044】
表1に示すように、Ti−Mn系合金片の機械的粉砕時にFe等の微粉末を使用したかどうかにかかわらず、本発明の水素吸蔵合金粉末である#11〜#15の水素吸蔵合金粉末は、水素を吸蔵した。また、水素を吸蔵・放出した該粉末を大気に曝しても、急激な酸化反応の進行は認められなかった。これより、本発明の水素吸蔵合金粉末は、水素吸蔵能を有し、かつ、大気に曝されても安定であることが確認できる。
【0045】
また、#21の水素吸蔵合金粉末は、水素を吸蔵した。しかし、水素を吸蔵・放出した該粉末を大気に曝すと、酸化反応が急激に進行した。#21の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金片の機械的粉砕の際に、Pdの微粉末を使用した。Pdは酸化物を形成し難い。このため、粉末を構成する粒子表面に第一酸化膜が充分に付着せず、酸化反応の進行が抑制されなかったと考えられる。一方、#22の水素吸蔵合金粉末は、水素を吸蔵しなかった。#22の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金片を粗粉砕した後、大気に曝して製造されたものである。そのため、粉末を構成する粒子表面には、強固な酸化膜が形成され、その酸化膜により水素分子の通過が阻害されたと考えられる。また、#23の水素吸蔵合金粉末は、水素を吸蔵した。しかし、水素を吸蔵・放出した該粉末を大気に曝すと、たちまち急激な酸化反応が進行した。#23の水素吸蔵合金粉末を構成する粒子表面には、第一酸化膜のみが島状に付着していると考えられる。つまり、粒子表面には活性面が表出しているため、大気に曝された際に酸化反応が急激に進行したと考えられる。これより、Ti−Mn系合金粒子における第一酸化膜に相当する酸化膜単独では、水素の吸蔵能と、酸化反応の抑制とを達成することは困難であるといえる。
【0046】
なお、追試として、水素を吸蔵することができなかった#22の水素吸蔵合金粉末に対して熱処理を行い、粒子表面に形成された酸化膜の破断を試みた。すなわち、#22の水素吸蔵合金粉末を、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃の各温度でそれぞれ熱処理した。熱処理は、#22の水素吸蔵合金粉末を1gずつステンレス鋼製容器に収容し、真空下、上記各々の温度に30分間保持するものとした。得られた各粉末を、熱処理の温度の低い順に#22(a)〜(e)の水素吸蔵合金粉末と番号付けした。これら#22(a)〜(e)の水素吸蔵合金粉末の1gを、アルゴンガス雰囲気にて、PCT試験用サンプルセル(5cc)に収容した。そして、6MPaの水素圧力を加え、10分以内に水素が吸蔵されるかどうかを調査した。
【0047】
その結果、熱処理温度が300℃以上の#22(c)〜(e)の水素吸蔵合金粉末では、水素の吸蔵が確認された。一方、熱処理温度の低い#22(a)および(b)では、水素の吸蔵は確認されなかった。これより、表面に酸化膜の形成された水素吸蔵合金粒子を、300℃以上の温度で熱処理すると、酸化膜は破断すると推測される。
【0048】
また、水素の吸蔵が確認された#22(c)〜(e)の水素吸蔵合金粉末について、上記同様の大気曝露試験を行った。すなわち、PCT特性測定装置(鈴木商館社製)を使用して、#22(c)〜(e)の水素吸蔵合金粉末に水素を吸蔵・放出させた後、各々の粉末を大気に曝して、酸化反応が進行するかどうかを観察した。その結果、いずれの水素吸蔵合金粉末についても、急激な酸化反応の進行が認められた。#22(c)〜(e)の水素吸蔵合金粉末は、上記熱処理により、粒子表面の酸化膜が破断されたため、水素分子のみならず、酸素分子も粒子表面に到達できたと考えられる。また、#22(c)〜(e)の水素吸蔵合金粉末は、いずれも粒子径の大きい粒子から構成されている。そのため、水素の吸蔵・放出によりさらに微粉化し、活性面が新たに表出したと考えられる。つまり、Ti−Mn系合金粒子における第二酸化膜に相当する酸化膜単独では、水素の吸蔵能と、酸化反応の抑制とを達成することは困難であるといえる。
【0049】
以上より、第一酸化膜と第二酸化膜とを持つTi−Mn系合金粒子から構成される本発明の水素吸蔵合金粉末は、水素吸蔵能を有し、かつ、大気に曝されても安定であることが確認された。したがって、本発明の水素吸蔵合金粉末を使用することで、水素貯蔵量が大きく、かつ、安全性の高い水素貯蔵装置が構成できる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の水素吸蔵合金粉末は、Ti−Mn系合金からなる粒子本体と、該粒子本体の表面に島状に付着した第一酸化膜と、該粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に形成された第二酸化膜とからなり、酸素との反応が抑制されているTi−Mn系合金粒子を含む。二種類の酸化膜を有するTi−Mn系合金粒子を含むため、本発明の水素吸蔵合金粉末は、優れた水素吸蔵・放出能を有し、かつ、大気に曝されても安定であり、取扱いが容易となる。また、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によれば、本発明の水素吸蔵合金粉末を、簡便に製造することができる。さらに、本発明の水素吸蔵装置は、本発明の水素吸蔵合金粉末を水素吸蔵体として用いるため、水素貯蔵量が大きく、かつ、安全性の高い水素貯蔵装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合金粒子のモデル図
【符号の説明】
1:Ti−Mn系合金粒子 2:粒子本体 3:第一酸化膜 4:第二酸化膜

Claims (7)

  1. Ti−Mn系合金粒子を含む水素吸蔵合金粉末であって、
    前記Ti−Mn系合金粒子は、
    Ti−Mn系合金からなる粒子本体と、
    該粒子本体の表面に島状に付着した第一酸化膜と、
    該粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に形成された第二酸化膜と、
    からなり、酸素との反応が抑制されていることを特徴とする水素吸蔵合金粉末。
  2. 前記Ti−Mn系合金粒子を構成する前記Ti−Mn系合金は、Ti−Cr−Mn系合金である請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末。
  3. 前記Ti−Mn系合金粒子の粒子径は10μm以下である請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末。
  4. 前記Ti−Mn系合金粒子における第一酸化膜および第二酸化膜の厚さは、30nm以上150nm以下である請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末。
  5. Ti−Mn系合金片を非酸化性雰囲気にて機械的に粉砕しTi−Mn系合金の粒子本体が集合した粉末とするとともに、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面に島状に第一酸化膜を付着させる第一酸化膜付着工程と、
    該表面に第一酸化膜が付着した粒子本体が集合した粉末を酸素を含む雰囲気に置き、該粉末を構成する各々の粒子本体の表面のうち該第一酸化膜が付着していない部位および該第一酸化膜の表面に第二酸化膜を形成する第二酸化膜形成工程と、
    該第一酸化膜および該第二酸化膜を持つ粒子本体が集合した粉末を不活性雰囲気にて熱処理し、Ti−Mn系合金粒子が集合した粉末とする熱処理工程と、
    を含む水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  6. 容器と該容器に収容された水素吸蔵体とを含む水素貯蔵装置であって、
    前記水素吸蔵体は、請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末を含む水素貯蔵装置。
  7. 前記水素吸蔵体は、炭素材料を含む請求項6に記載の水素貯蔵装置。
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