JP2004217542A - 4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法 - Google Patents

4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法 Download PDF

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康裕 加藤
Takayuki Ito
孝之 伊藤
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Abstract

【課題】入手の容易な原料から、短工程で収率良く、4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの合成方法について、下記一般式(II)で表される化合物から合成することを特徴とする合成方法である。
【化1】
Figure 2004217542

式中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基である。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に用いるカプラ−中間体、色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールはイミダゾール−4,5−ジカルボン酸を酸性条件下、アルコールと作用させてエステル化することによって合成する例が数多く報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法は反応時間が長く、また酸及びアルコールを大過剰に使わなければならないということから効率的な合成法とはいえない。
また、その原料である、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸は、ジアミノマレオニトリルとオルトギ酸エステルを反応させて合成した4,5−ジシアノイミダゾールを加水分解することで合成する例が報告されているが、(1)ジアミノマレオニトリルは分解すると強い毒性のある青酸を発生する、(2)4,5−ジシアノイミダゾールは炎症性のある物質である、ということから、安全性に関して大きな問題点を有している(例えば、特許文献1、非特許文献2参照。)。
【0003】
また、イミダゾールをホルムアルデヒドと反応させてオリゴヒドロキシメチルイミダゾールを合成した後、硝酸酸化によりイミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成する例が報告されているが、この反応は、環境及び安全性に問題があり、またオリゴヒドロキシメチルイミダゾールを酸化する際、大量の濃硝酸中で加熱して反応を行うため、反応条件が激しすぎるという問題点がある(例えば、特許文献2参照。)。
また、ベンゾイミダゾールを酸化剤を用いて酸化し、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成する例が報告されているが、酸化剤にクロムやマンガンといった重金属を用いるため、環境問題に適応していないという問題点を有している(例えば、非特許文献3参照。)。
また、酒石酸を濃硝酸でニトロエステル化した後、ホルムアルデヒドと反応させてイミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成するという方法があるが、その反応の中間体である酒石酸のニトロエステル体が爆発性の可能性がある物質であるため、安全性に大きな問題点がある(例えば、非特許文献4参照。)。
【0004】
4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを合成するその他の報告例としては、ジオキソこはく酸ジエチルを酢酸溶媒中で、ヘキサメチレンテトラミン及び酢酸アンモニウムと反応させて4,5−ジエトキシカルボニルイミダゾールを合成する例が報告されているが、収率は低く、さらにヘキサメチレンテトラミンと酢酸アンモニウムを大過剰に使用するため、効率的な合成法としては満足のいくものではなかった(例えば、非特許文献5参照。)。
さらに、シュウ酸ジエチルとN−ホルミルグリシン エチルエステルをナトリウム エトキシド存在下でクライゼン縮合させ、塩酸を作用させた後、チオシアン酸カリウムと反応させて2−メルカプト−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルを合成し、その後、その化合物を硝酸で処理することにより、4,5−ジエトキシカルボニルイミダゾールを合成する例が報告されているが、反応工程数が多いということから効率的な合成法とはいえなかった(例えば、非特許文献6参照。)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第2,534,331号明細書
【特許文献2】
特開昭59−137465号公報
【非特許文献1】
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of OrganicChemistry)1999年, 第64巻, p.6575−6582.
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・ダルトン・トランザクションズ(Journal of the Chemical Society Dalton Transactions)1987年, p.3003−3007.
【非特許文献3】
ロシアン・ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(イングリッシュ・トランスレーション)(Russian Journal of Physical Chemistry (English Translation))1992年, 第66巻, p.463−.
【非特許文献4】
オーガニック・シンセシス(Organic Synthesis)第22巻, p.65−68.
【非特許文献5】
アナレス・デ・フィシカ・イ・キミカ・セリエ・ビー(Anales de Fisica Y Quimica SERIE B)1953年, 第49巻, p.599−602.
【非特許文献6】
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society)1952年, 第74巻, p.1084−1085.
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、前記従来技術における問題を解決し、医農薬などの機能性化合物の中間体、原料として有用である、一般式(I)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを、安価かつ安全に、高収率で合成できる製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、下記一般式(I)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造過程において、下記一般式(II)で表される化合物を酸化した後に、閉環化させ合成することで、前記課題が解決されることを見出した。すなわち本発明は、
(1)下記一般式(II)で表される化合物を酸化し、閉環することを特徴とする、下記一般式(I)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法、
【化2】
Figure 2004217542
【0008】
(式中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基である。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。)、(2) 前記の一般式(II)で表される化合物の酸化が、酸化剤の存在下、一般式(II)で表される化合物の溶液中で行われることを特徴とする(1)に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法、
(3) 前記の酸化剤が、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする(2)に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法、
(4) 前記の閉環が、溶液中の酸化された一般式(II)と、ホルマリン及び酢酸アンモニウムとの反応によって行われることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物を詳細に説明する。
【0010】
【化3】
Figure 2004217542
【0011】
式中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基である。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。
【0012】
なお、上述の置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
【0013】
以下にR及びRで表される置換基の例を更に詳しく説明する。
これらの置換基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が好ましい。)、
【0014】
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)が挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル))、やトリシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が好ましい。)アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
【0015】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)が挙げられる。
【0016】
生成物の有用性の観点から好ましくはR及びRはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基である。より好ましくはR及びRはアルキル基である。さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で、最も好ましくはメチル基である。RとRは同じでも異なっていてもよいが、製造上の適性から、同じ場合がより好ましい。
【0017】
本発明において一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
【化4】
Figure 2004217542
【0019】
【化5】
Figure 2004217542
【0020】
一般式(II)で表される化合物には異性体が存在するが、それらのいずれを用いても、またそれら異性体の混合物を用いてもよい。
【0021】
なお、以降の説明において、以上に示された例示化合物を引用する場合、それぞれの例示化合物に付された括弧書きの番号(x)を用いて、「例示化合物(x)」と表示することとする。
【0022】
本発明の製造方法は大きく2つの工程からなる。1工程目は、一般式(II)で表される化合物を酸化する工程、2工程目は1工程目で酸化した化合物を閉環させる工程である。以降の説明において、1工程目を「第一工程」、2工程目を「第二工程」と表す。この際、酸化についても閉環についてもさまざまな方法を用いることができる。
【0023】
まず、一般式(II)で表される化合物を酸化する工程である第一工程について説明する。一般式(II)で表される化合物を酸化する方法としては、さまざまな方法を用いることができる。例えば、酸化剤の存在下、一般式(II)で表される化合物の溶液中で行うことができ、好ましくは、一般式(II)で表される化合物の溶液に酸化剤を添加する方法である。
【0024】
第一工程で用いることのできる溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。特に好ましい溶媒は酢酸エチルである。
【0025】
第一工程で用いられる溶媒の使用量としては、一般式(II)で表される化合物の、好ましくは0.1〜1000重量%、より好ましくは0.5〜100重量%、さらに好ましくは1〜50重量%の割合で使用される。
【0026】
第一工程に用いる酸化剤としては一般的に知られているあらゆる酸化剤を用いることができる。例えば1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、臭素、塩素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、亜臭素酸ナトリウム、亜臭素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウムなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、臭素であり、特に好ましいものは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインである。
【0027】
用いる酸化剤の当量数については特に限定しないが、一般式(II)で表される化合物に対して、0.5〜20当量が好ましく、より好ましくは1〜5当量であり、最も好ましくは1.2〜3当量である。
【0028】
第一工程の反応温度は、溶媒の還流温度までなら特に制限はされない。好ましくは0℃〜150℃であり、特に好ましくは20℃〜80℃である。
【0029】
第一工程に要する反応時間は、反応温度、溶媒などに左右されるが、概ね1〜5時間である。
【0030】
次に第二工程について説明する。第一工程で酸化した化合物を閉環させる方法としては、さまざまな方法を用いることができる。例えば、溶液中の酸化された一般式(II)と、ホルマリン及び酢酸アンモニウムとの反応により行うことができ、好ましい方法としては、第一工程で酸化した化合物の溶液に酢酸アンモニウムとホルマリンを添加する方法が挙げられる。
【0031】
第二工程で用いることのできる溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。特に好ましい溶媒は酢酸エチル、酢酸の混合系である。
【0032】
第二工程で用いることのできる溶媒は上記の通りであるが、これは第一工程に使用した溶媒をそのまま用いても良いし、また第一工程で使用した溶媒を一旦留去した後、新たに第二工程で用いる溶媒に置換しても良い。また第一工程の反応溶液に別の溶媒を追加添加して第二工程を開始する場合も含まれる。さらには第一工程の反応溶液を濃縮した後、別の溶媒を追加添加して第二工程を開始する場合も含まれる。
【0033】
第二工程に用いる溶媒の使用量としては、一般式(II)で表される化合物の、好ましくは0.1〜1000重量%、より好ましくは0.5〜100重量%、さらに好ましくは1〜50重量%の割合で使用される。
【0034】
第二工程の閉環の際に用いる化合物としてはさまざまな化合物を用いることができるが、最も好ましいものはホルマリンと酢酸アンモニウムの両方を加えるのが好ましい。ホルマリンの当量数は1〜50当量が好ましく、より好ましくは1〜10当量である。また酢酸アンモニウムの当量数は1〜100当量が好ましく、より好ましくは2〜50当量、さらに好ましくは10〜30当量である。添加順や添加方法については任意であるが、より好ましくは20℃以下に冷却した状態で、ホルマリン、酢酸アンモニウムの順で添加するのが好ましい。
閉環反応の反応温度については特に限定しないが、加温することにより反応時間が短縮できるため、加温することがより好ましい。この時の反応温度としては40〜100℃が好ましく、より好ましくは40〜50℃である。
酢酸アンモニウムの添加方法については特に限定しないが、長い時間をかける方が好ましい。特に添加による発熱で内温が10℃を超えない程度の速度で添加することが好ましい。
【0035】
第二工程の反応温度は、溶媒の還流温度までなら特に制限はされないが、反応を速やかに行うためには40℃以上が好ましい。
【0036】
第二工程に要する時間は、反応温度、溶媒などに左右されるが、概ね1〜10時間である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
<実施例1> 例示化合物(1)の合成
例示化合物(1)は、下記に示すとおり合成した。
【0039】
【化6】
Figure 2004217542
【0040】
原料の酒石酸ジメチルにはICNバイオメディカルズ社製の(+)−ジメチル−L−タートレートを用いた。酒石酸ジメチル(1.01g,5.68mmol)を酢酸エチル(20mL)に溶解させ、ここに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(1.94g,6.82mmol)を加えた。室温で3時間撹拌すると溶液が均一になった。ここに酢酸(10mL)を添加した後、外温を5℃にして内温を10℃以下まで冷却した。内温が10℃以下でホルマリン(36%水溶液、2.18g,26.13mmol)を添加し、続いて酢酸アンモニウム(10.07g,130.64mmol)を温度を10℃以下に保ちながらゆっくりと添加した。室温で30分撹拌した後、外温を50℃に上げてさらに4時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により例示化合物(1)の生成を確認し溶液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより例示化合物(1)を単離した。このとき例示化合物(1)の酒石酸ジメチルに対する収率は32%であった。例示化合物(1)のH−NMR(300MHz、DMSO)13.7(bs、1H)、7.9(s、1H)、3.8(S、6H)。m/Z(POSI)=185。mp.202−204℃
【0041】
<実施例2> 例示化合物(2)の合成
例示化合物(2)は、下記に示すとおり合成した。
【0042】
【化7】
Figure 2004217542
【0043】
原料の酒石酸ジエチルにはシグマ−アルドリッチ社製のジエチル−L−タートレートを用いた。酒石酸ジエチル(1.17g,5.68mmol)を酢酸エチル(20mL)に溶解させ、ここに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(1.94g,6.82mmol)を加えた。室温で3時間撹拌すると溶液が均一になった。ここに酢酸(10mL)を添加した後、外温を5℃にして内温を10℃以下まで冷却した。内温が10℃以下でホルマリン(36%水溶液、2.18g,26.13mmol)を添加し、続いて酢酸アンモニウム(10.07g,130.64mmol)を温度を10℃以下に保ちながらゆっくりと添加した。室温で30分撹拌した後、外温を50℃に上げてさらに4時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により例示化合物(2)の生成を確認し溶液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより例示化合物(2)を単離した。このとき例示化合物(2)の酒石酸ジエチルに対する収率は48%であった。例示化合物(2)のH NMR(300MHz、DMSO)δ1.28(6H、t、J=6.90Hz)、4.27(4H、q、J=6.90Hz)、7.88(1H、s)、13.55(1H、bs)。m/Z(POSI)=213。mp.152−155℃
【0044】
以上のように本方法は、通常途中の中間体での単離を必要とし数工程を要する従来のさまざまな合成方法に対して、中間体での単離を必要とせずワンポットで最終目的物を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、入手の容易な原料から、短工程で収率良く、4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを製造する方法を提供できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(II)で表される化合物を酸化し、閉環することを特徴とする、下記一般式(I)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法。
    Figure 2004217542
    (式中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基である。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。)
  2. 前記の一般式(II)で表される化合物の酸化が、酸化剤の存在下、一般式(II)で表される化合物の溶液中で行われることを特徴とする請求項1に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法。
  3. 前記の酸化剤が、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする請求項2に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法。
  4. 前記の閉環が、溶液中の酸化された一般式(II)と、ホルマリン及び酢酸アンモニウムとの反応によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールの製造方法。
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